第 26 回日本骨軟部放射線研究会
会期・会場のご案内
会 期 : 2015 年 1 月 23 日 (金) 12 : 00 - 17 : 20
1 月 24 日 (土)
9 : 20 - 17 : 20
会 場 : コクヨホール (JR 品川駅前)
〒 108-8710 東京都港区港南 1 丁目 8 番 35 号
TEL.03-3450-3712
会場案内図
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-運 営 事 項
1. 研究会参加者へのご案内
1) 研究会受付は、 会場にて 2015 年 1 月 23 日 (金) 11 : 00 より行います。 2) 研究会参加者は参加費として \10,000 を会場受付でお支払い下さい。 引き替えに、 名札 ・ 領収書、 抄録集及び研究会出席証明書をお渡しします。 3) 本研究会での演者は日本医学放射線学会会員であることを要します。 但し、 医学生および初期臨床研修医の場合はその限りではない。2. 演者 ・ 座長の先生方へのご案内
1) 演者の先生方へ a) 一般演題の口演時間は 7 分、 討論時間は 3 分です。 b) ご自身のノート型パソコンをご持参ください。 出力端子が MiniDsub-15 ピンでない場合、 変換ケーブルもご持参下さい。 ご発表の 30 分前までに、 PC 受付にお越し下さい。 演台にはモニタ、 マウス、 キーボードをご用意いたしますのでご自身にて操作をお願いいたします。 2) 座長へのお願い 各セッションの進行は座長におまかせしますが、 時間厳守でお願いします。3. 世話人会
日時 : 2015 年 1 月 23 日 (金) 11 : 00 - 11 : 45 会場 : 研究会会場にて4. 会期 ・ 会場のご案内
今回は BTC との合同開催となり、 研究会 2 日目には合同セッション (Film Interpretation) を企画してお ります。 放射線科医 ・ 病理医の間で骨軟部腫瘍に関する議論を深める良い機会ですので、 どうぞ奮って ご参加ください。 事務局 : 〒 105-8461 東京都港区西新橋 3-25-8 東京慈恵会医科大学 放射線医学講座内 E-mail : [email protected] 電話 : 03-3433-1111 (内線 3360) FAX : 03-3431-1775第 26 回日本骨軟部放射線研究会 プログラム
第 1 日目 2015 年 1 月 23 日(金)
12 : 00 - 12 : 05 開会の辞 白神 伸之
12 : 05 - 13 : 05 ランチョンレクチャー 1 座長 江原 茂 (岩手医科大学)
Current concepts in non neoplastic common disorders of the musculoskeletal
system
Douglass Hanly Moir Pathology Dr. Sally Fiona M. Bonar, MB, FRCPath
13 : 05 - 13 : 15 休憩 13 : 15 - 14 : 05 第 1 セッション 「非腫瘍性病変 1」 座長 藤本 肇 (沼津市立病院) 1. 低磁場四肢関節用 MRI を用いた野球肘検診の試み 筑波大学 医学医療系 岡本 嘉一 他 2. FAI との鑑別を要した右股関節痛の 1 例 東京慈恵会医科大学 放射線医学講座 寺村 易予 他 3. 両膝に発症した膝蓋上滑膜ひだ障害の 1 例 聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座 齋藤 祐貴 他 4. 肘関節内側側副靭帯 : 正常ボランティアとプロスポーツ選手との比較 東京歯科大学市川総合病院 放射線科 小橋 由紋子 他 5. 肩関節 CT arthrography と MR arthrography の対比 岩手医科大学付属病院 放射線科 鈴木 智大 他 14 : 05 - 14 : 55 第 2 セッション 「非腫瘍性病変 2」 座長 神島 保 (北海道大学) 6. Kabuki make-up 症候群の 1 例 産業医科大学 放射線科 宮田 真里 他 7. Iliac horn が特徴的であった Nail-patella 症候群の 1 例慶應義塾大学病院 放射線診断科 松本 俊亮 他 8. 多発痛風性関節炎の 1 例
東京歯科大学市川総合病院 放射線科 沖松 翔 他 9. 橈骨手根関節脱臼の 1 例
4 -14 : 55 - 15 : 45 第 3 セッション 「非腫瘍性病変、 良性腫瘍」 座長 杉本 英治 (自治医科大学) 11. 高齢者に生じた低ガンマグロブリン血症を伴う横紋筋融解症の1例 東邦大学佐倉病院 放射線科 小田島 正幸 他 12. 大腿骨に多房性嚢胞を形成した痛風性関節炎の 1 例 沼津市立病院 放射線科 藤本 肇 他 13. 悪性腫瘍との鑑別が困難であった結節性筋膜炎の 1 例 香川大学 放射線医学講座 奥田 花江 他 14. 骨巨細胞腫の観察中に局所再発と隣接した膝関節内にびまん型巨細胞腫を生じた 1 例 札幌医科大学 放射線診断学 玉川 光春 他 15. 膝関節内に発生した筋線維腫 myofibroma の 1 例 札幌医科大学 放射線診断学 玉川 光春 他 15 : 45 - 16 : 00 休憩 16 : 00 - 16 : 20 スイーツセミナー 座長 福田 国彦 (東京慈恵会医科大学) 世話人会報告 日本骨軟部放射線研究会 事務局 福田 国彦 バイエルフェローシップ報告 東京慈恵会医科大学 放射線医学講座 米永 健徳 16 : 20 - 17 : 20 片山記念講演 座長 : 白神 伸之 (東邦大学医療センター大森病院)
骨巨細胞腫に対する抗 RANKL 抗体を用いた新しい治療戦略
慶應義塾大学医学部 整形外科 講師
森岡 秀夫 先生
第 2 日目 2015 年 1 月 24 日(土)
9 : 20 - 10 : 20 第 4 セッション 「腫瘍性病変 1」 座長 上谷 雅孝 (長崎大学)
16. 尺骨に生じた bizarre parosteal osteochondromatous proliferation (Nora lesion) の 1 例
北海道大学大学院 保健科学研究院 神島 保 他 17. 脛骨に発生した傍骨性骨軟骨異形増生 (Bizarre parosteal osteochondromatous proliferation) の 1 例
琉球大学医学部附属病院 放射線科 椿本 真穂 他 18. MRI で経過を追えた calcifying aponeurotic fibroma の 1 例
岐阜大学 放射線科 加藤 博基 他 19. 骨膜性軟骨腫の 2 例 徳島大学 放射線科 苛原 早保 他 20. 静脈瘤が原因となった足根管症候群の 1 例 東京慈恵会医科大学 放射線医学講座 荻原 翔 他 21. 腹壁脂肪性腫瘤の 1 例 癌研究会 有明病院 画像診断部 植野 映子 他 10 : 20 - 11 : 20 第 5 セッション 「腫瘍性病変 2」 座長 青木 隆敏 (産業医科大学)
22. 上腕骨に生じた solid variant of aneurysmal bone cyst の 1 例
倉敷中央病院 放射線診断科 浜田 聡 他 23. Pseudomyogenic hemangioendothelioma の 1 例
岡山大学病院 放射線科 稲井 良太 他 24. Myopericytoma の2例
慶應義塾大学病院 放射線診断科 宮澤 雷太 他 25. FDG-PET で集積を認めた膝関節近傍のデスモイド腫瘍 (desmoid-type fibromatosis) の 1 例
長崎大学病院 放射線科 赤司 沙織 他 26. 骨端線閉鎖前の女児に大腿骨に発生した骨巨細胞腫の 1 例 聖路加国際病院 放射線科 / がん研有明病院 画像診断部 赤池 源介 他 27. 動脈塞栓術が奏功した仙骨骨巨細胞腫の 2 例 東北大学病院 放射線診断科 常陸 真 他 11 : 20 - 11 : 30 休憩
6 -11 : 30 - 12 : 30 第 6 セッション 「腫瘍性病変 3」 座長 青木 純 (群馬中央病院) 28. 発生後初期像から観察し得た乳児型線維肉腫の 1 例 聖路加国際病院 放射線科 和田 武 他 29. 脊椎悪性リンパ腫の 1 例 島根県立中央病院 放射線科 福庭 栄治 他 30. 仙骨神経根周囲に発生した骨外性 Ewing 肉腫の 1 例 山口大学医学部 放射線科 大崎 正子 他 31. 軟部腫瘍の浅在性と深在性の比較 岩手医科大学 医学部 安田 圭太 他 32. aggressive osteoblastoma との鑑別に難渋した osteosarcoma の 1 例
東北大学病院 放射線診断科 越智 純子 他 33. 骨原発の悪性グロームス腫瘍の 1 例
神戸大学医学部附属病院 放射線科 後藤 一 他
12 : 30 - 12 : 40 休憩
12 : 40 - 13 : 40 ランチョンレクチャー 2 座長 山口 岳彦 (獨協医科大学越谷病院)
Giant cell containing lesions of bone
Douglass Hanly Moir Pathology Dr. Sally Fiona M. Bonar, MB, FRCPath
13 : 40 - 13 : 50 休憩【第 53 回日本骨軟部腫瘍研究会(Bone Tumor Club)】
13 : 50 - 13 : 55 開会の辞 山口 岳彦 13 : 55 - 17 : 15 BTC/JSMR 合同セッション Film Interpretation モデレーター 13:55~14:15 14:15~14:35 14:35~14:55 14:55~15:15 15:15~15:35 コーヒーブレイク 15:35~15:55 15:55~16:15 16:15~16:35 16:35~16:55 16:55~17:15 症例番号(演者) P-5 山田健志(愛知県がんセンター愛知病院) R-4 P-4 元井亨(都立駒込病院) R-3 P-3 高松学(がん研究会がん研究所) R-2 P-2 久岡正典(産業医科大学) R-1 P-1 山﨑早苗(京都府立医科大学) P: BTC形式、R: film interpretation セッション2 セッション1 R: 白神伸之 (東邦大学大森) P: 久岡正典 (産業医科大学) R: 小山 貴 (倉敷中央病院) P: 蛭田啓之 (東邦大学佐倉) 17 : 15 - 17 : 20 閉会の辞 第 26 回日本骨軟部放射線研究会 白神 伸之 第 53 回日本骨軟部腫瘍研究会 (Bone Tumor Club) 山口 岳彦
1 月 23 日 (金)
13 : 15 - 14 : 05 第 1 セッション 「非腫瘍性病変 1」
座長 藤本 肇
1. 低磁場四肢関節用 MRI を用いた野球肘検診の試み
〇 岡本 嘉一1) 南 学1) 前原 淳2) 金堀 哲也3) 川村 卓3) 1) 筑波大学医学医療系 2) 同 スポーツ医学 3) 同 体育学 本邦ではプロやアマチュア野球の選手の肩肘の酷使はしばしば問題になるが、 単発的で、 本格的な議論がな されているといえない。 日本では高校野球が基本的にアマ野球の頂点であるため小学生から肩肘が酷使される ケースが多いがその実態も不明である。 近年超音波や触診を使った検診が行われているが、 再現性や客観性など問題も多い。 一方当施設では 0.2T の四肢関節専用 MRI を所有している。 機械は設置場所の制限がなく、 撮影時は体がほ とんど露出するため子供でも撮影は比較的容易で、 かつ関節の重要な構造は客観的に十分評価しうる。 われ われはこれを用いて周辺地域の野球少年、 少女の野球肘 MRI 検診を行ったためその初期経験を報告する。2. FAI との鑑別を要した右股関節痛の 1 例
〇 寺村 易予1) 大崎 正子2) 米永 健徳1) 東條 慎次郎1) 福田 国彦1) 1) 東京慈恵会医科大学 放射線医学講座 2) 山口大学医学部 放射線科 37 歳の男性。 1 年前に誘因なく右股関節痛が出現した。 近医にて大腿骨頭委縮症と診断され保存的治療が 行われたが、 症状が改善しないために紹介受診となった。 単純 X 線写真で右大腿骨に pistol-grip deformity があり、 α角が 60 度で形態的に cam type FAI に一致した。 しかし、 身体所見と臨床症状が FAI に合致しな いため各種画像検査がなされた。 MRI と骨シンチグラムの所見から右大腿骨頚部の疲労骨折が疑われたが、 疲労骨折に相当する背景は無かった。 その後、 更なる画像検査がなされ、 最終診断に至った。FAI syndrome は臨床症状、 身体所見、 FAI morphology の三者が合致してはじめて診断される疾患である。 治 療方針の異なる二次性 FAI や他の股関節痛をきたす疾患と原発性 FAI との鑑別において画像診断医の果た す役割は大きい。 教訓的症例として呈示する。
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-3. 両膝に発症した膝蓋上滑膜ひだ障害の 1 例
〇 齋藤 祐貴1) 池田 裕隆1) 橘川 薫1) 中島 康雄1) 植原 健二2) 別府 諸兄2) 高木 正之3) 1) 聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座 2) 同 整形外科学講座 3) 同 病理学講座 症例は 14 歳女性。 1 ヶ月前から右膝前面痛があり近医を受診したが改善なく、 精査 ・ 加療目的で当院を紹介 受診した。 身体所見では両側膝蓋骨上極に軽度の圧痛を認めた。 MRI では膝蓋骨上極レベルで膝蓋上嚢に 限局性滑膜肥厚が疑われた。 また膝蓋上脂肪体の腫大が認められ浮腫を伴っていた。 膝蓋上滑膜ひだ障害 が疑われ、 関節鏡手術が予定されたが、 手術直前に左膝痛も出現、 MRI にて右膝と同様に膝蓋上嚢の限局 性滑膜肥厚を認めた。 関節鏡が施行され、 両側性に膝蓋骨上極から大腿骨前面に膜性構造物を認めたため、 切除術が施行された。 病理所見では滑膜と滑膜下結合織に線維および血管増生を認め、線維軟骨化生を伴っ ていた。 術後 1 ヶ月で症状は消失し、 再燃なく経過観察中である。 膝蓋上滑膜ひだは健常人の半数以上に認 められるが、 外傷や機械的刺激を契機に炎症や出血を来し、 疼痛を引き起こすことがある。 今回、 文献的考 察を加えて報告する。4. 肘関節内側側副靭帯 : 正常ボランティアとプロスポーツ選手との比較
〇 小橋 由紋子1) 星加 昭太2) 沖松 翔1) 野沢 陽介1) 馬場 亮1) 山添 真治1) 最上 拓児1) 青柳 裕1) 1) 東京歯科大学市川総合病院 放射線科 2) 船橋整形外科病院 整形外科 目的 : 内側側副靭帯の形状を正常ボランティアとプロスポーツ選手と間で比較する。 方法 : 健常ボランティア 32 名に対して MRI を撮影した。 健常ボランティアの条件として 1. 現時点でスポーツ活 動をしていない 2. 過去のスポーツ活動歴がある場合は利き手ではない方の肘関節を撮影に用いる 3. 現時点 及び過去に肘関節の痛みや可動域制限と言った有症状がないである。 プロスポーツ選手は現役プロ野球選手 10 名であった。 現時点で肘関節の有症状のあるものは 10 名中 3 名、 全例において利き手側の肘関節の MRI を撮影した。 観察部位は内側側副靭帯 (MCL) とその上腕骨内側上 顆付着部、 およびその前後の周囲構造物を観察した。 結果 : ボランティアでは全例 MCL のたるみや不均一な肥厚、 信号変化は見られなかった。 MCL の上腕骨付 着部はボランティア 23 名において均一な低信号を示した。 全例において MCL 前後に脂肪を認めるが、 9 名 において MCL 前側に脂肪が検出され、 MCL 付着部と重なるように存在し、 一見すると損傷様に見えた。 プロ 野球選手の場合、 全例において MCL の蛇行、 辺縁不整、 肥厚を認めた。 MCL の上腕骨付着部は 7 名にお いて帯状もしくは索状の高信号を示していた。 MCL 前側の脂肪組織は全例においてほぼ認めなかった。 考察 : MCL 前側の脂肪は MCL 付着部損傷の偽陽性になり得る。 ただしプロスポーツ選手の場合、 MCL 前 側の脂肪が乏しく、 MCL 付着部の異常信号は変性や損傷を積極的に疑う所見になり得ると思われた。5. 肩関節 CT arthrography と MR arthrography の対比
〇 鈴木 智大 江原 茂 岩手医科大学付属病院 放射線科 目的>同一症例における肩関節の CT arthrography と MRarthrography の両者を比較検討する。 方法> 2007 年 9 月から 2014 年 11 月にかけて 200 倍希釈 Gd-DTPA + 2 倍希釈ヨード造影剤混合液を注入 下に CT arthrography と MRarthrography を施行された 38 症例について、遡及的な画像所見の対比をおこなった。 結果> 対象患者は平均 31 歳 ( 中央値 25.5)、 男 : 女 =27:12。 造影剤混合液の平均注入量は 12cc。 有所見率は 94.7% (36/38)。 Bankart & Hill-Sachs lesion が最も多かった 65.8%(25/38)。 CT と MR で画像所見の差異が みられた症例は 7.9%(3/38) であった。 手技にともなう合併症はみられなかった。 MR 関節造影のみでは得られ ない所見が CT 関節造影で得られる場合があった。 さらに症例を加えて検討を続ける必要があると考えられる。10
-1 月 23 日 (金)
14 : 05 - 14 : 55 第 2 セッション 「非腫瘍性病変 2」
座長 神島 保
6. Kabuki make-up 症候群の 1 例
〇 宮田 真里1) 青木 隆敏1) 木下 俊輔1) 林田 佳子1) 興梠 征典1) 石井 雅宏2) 山本 幸代2) 楠原 浩一2) 1) 産業医科大学放射線科 2) 同 小児科 Kabuki make-up 症候群は、 1981 年に新川、 黒木らにより初めて報告された、 特徴的な顔貌、 骨格異常、 皮膚紋理異常、 精神発達遅滞、 低身長を 5 主徴とする先天性多発形態異常症候群の1つである。 症例は 3 歳男児。 5 主徴をすべて満たす他、 左感音性難聴を認め、 本疾患と診断された。 全脊椎単純 X 線写真にて、 第 5 胸椎の矢状裂、 第 5 腰椎の癒合不全を認めた。 また、 手の単純 X 線写真では、 両側第 5 指中手骨の 低形成および橈側偏位を認めた。 これまで、 Kabuki make-up 症候群の画像所見に関する報告はほとんどなく、 本疾患の骨格異常の画像所見を中心に、 若干の文献的考察を加え報告する。7. Iliac horn が特徴的であった Nail-patella 症候群の 1 例
〇 松本 俊亮1) 高橋 侑那1) 田村 全1) 小黒 草太1) 杉浦 弘明1) 向井 美穂2) 久保 亮治2) 大杉 圭3) 白神 伸之4) 陣崎 雅弘1) 1) 慶應義塾大学病院放射線診断科 2) 同 皮膚科 3) 公立福生病院放射線科 4) 東邦大学医療センター大森病院放射線科 症例は 50 歳女性。 乾癬で当院皮膚科に通院中であったが、手指の爪の異常から Nail-patella 症候群を疑われ、 精査された。 遺伝子検査では LMX-1B の異常があり、 単純写真でも腸骨の角状突起 (iliac horn)、 膝蓋骨の 低形成を認め、 Nail-patella 症候群の診断が確定した。 Nail-patella 症候群は 1987 年に Little が初めて報告した 5 万人に 1 人程度の非常に稀な疾患で、 爪の形成 不全、 膝蓋骨の低形成、 腸骨の iliac horn、 肘関節の異常を 4 主徴とする常染色体優生遺伝の疾患である。 腎不全や緑内障の合併もあり、 定期的なスクリーニングが必要である。画像診断では膝蓋骨の低形成、 腸骨の iliac horn、 肘関節の異常が重要であるが、 特に iliac horn は疾患特 異的であり、 放射線科医も知っておくべき Aunt Minnie 的な画像所見である。 今回は画像診断の観点から文献 的考察も含め、 Nail-patella 症候群の 1 例を報告する。
8. 多発痛風性関節炎の 1 例
〇 沖松 翔、 小橋 由紋子、 野沢 陽介、 馬場 亮、 山添 真治、 最上 拓児、 青柳 裕 東京歯科大学市川総合病院 放射線科 症例は 71 歳男性。 1 年前より右膝の痛みと腫脹が見られた。 初診時右膝腫脹と膝窩部痛の他に右手関節 ・ 両側足関節の疼痛のない腫大を認めた。 膝関節単純 X 線写真および CT で、 大腿骨内側顆周囲に骨びらん、 半月板、関節軟骨に沿って多数の石灰化結節を認めた。 高尿酸血症もあることより、痛風性膝関節炎を疑った。 また全身骨シンチグラフィーで仙腸関節、 椎体、 右坐骨、 肘関節、 足関節に膝関節と同程度の異常集積があ り多発関節炎を疑う所見であった。 胸腹部 CT で第 3 腰椎右 facet 関節、 第 3,4 腰椎椎体、 両側大転子周囲、 右坐骨結節などに骨透亮所見と関節内外の石灰化が認められ、 痛風結節および痛風性関節炎が示唆された。 痛風性関節炎は 80% 以上に高尿酸血症の家族歴があり、 85-90% の患者は母趾 MTP 関節由来の痛風発作に て受診する。 本症例のように自覚症状に乏しく、 なおかつ脊椎や仙腸関節といった軸骨格を形成する骨関節 の痛風性関節炎 ・ 痛風結節を同時に指摘できることは比較的まれと思われる。9. 橈骨手根関節脱臼の 1 例
〇 橘川 薫1) 池田 裕隆1) 藤井 智恵子1) 齋藤 祐貴1) 中島 康雄1) 内藤 利仁2) 清水 弘之2) 1) 聖マリアンナ医科大学放射線医学講座 2) 同 整形外科学講座 症例は 40 歳台男性。 10m の高さより転落して受傷、当院救命救急センターに搬送された。 来院時、頭蓋、顔面、 骨盤、 右大腿骨、 右膝蓋骨に骨折があり、 外傷性くも膜下出血、 硬膜外血腫を認めた。 骨盤骨折からの出血 に動脈塞栓術が施行された。 入院後鎮静されていたが、 鎮静解除後の受傷 13 日目に左手関節の背屈不能 が判明、 手関節の圧痛と手指の運動制限を認めた。 単純 X 線前後像にて左橈骨手根関節裂隙の拡大、 手 根骨の尺側転位、 舟状月状骨間の開大、 側面像にて手根骨の背側脱臼を認め、 橈骨手根関節脱臼と診断さ れた。 透視下に整復を試みるも整復位を維持できず、 関節内介在物の存在が疑われた。 CT 関節造影では手 関節の掌側より橈骨手根関節腔に入り込む軟部組織を認めた。 術中所見では手関節掌側関節包と橈骨舟状 月状骨靭帯が瘢痕となって陥入し整復を妨げていた。 橈骨手根関節脱臼は高エネルギー外傷により見られるま れな外傷である。 文献的考察を加え報告する。12
-10. 単純 X 線写真における関節裂隙狭小化の変化-経時差分技術を用いた検討
〇 神島 保1)
佐々木 亮祐2)
Kenneth Lee Sutherland3)
田村 賢一4) 小野 陽平2) 堤 香織1) 八十嶋 伸敏5) 大久保 学宣6) 片山 耕6) 1) 北海道大学大学院保健科学研究院 医用生体理工学分野 2) 北海道大学大学院保健科学院 生体量子科学コース 3) 北海道大学病院 分子追跡放射線医療 寄附研究部門 4) 日本大学工学部 機械工学科 5) NTT 東日本札幌病院 放射線科 6) 片山整形外科リウマチ科クリニック [ 目的 ] 関節リウマチの診療における単純 X 線写真は、 診断や経過観察を行うために用いられる。 その評価項 目である関節裂隙狭小化は、再現性や感度に問題がある。そこで関節裂隙狭小化を経時差分技術にて客観的・ 定量的に評価する。 [ 方法 ] はじめに TMA( チタン・メディカル・アパタイト ) を用いて 0mm から 5mm (0.5mm 間隔) の裂隙を作成し、 裂隙幅の差を定量的に捉えることができるか検討した。 次に対象を関節リウマチ患者 27 症例の手指の MP 関 節として狭小化のある関節と対側の狭小化のない関節との間に定量解析結果に差があるかどうかを検討した。 [ 結果 ] ファントムにおいて裂隙幅の差とピクセル濃度値の差に正の相関があった (r= 0.9927)。 患者の画像 では狭小側と非狭小側に有意差があった (unpaired t-test, p < 0.001)。 [ 結論 ] 経時差分技術により 2 画像間の関節裂隙の差を捉えることができ、 その程度を客観的に定量化できる 可能性が示唆された。
1 月 23 日 (金)
14 : 55 - 15 : 45 第 3 セッション 「非腫瘍性病変、 良性腫瘍」
座長 杉本 英治
11. 高齢者に生じた低ガンマグロブリン血症を伴う横紋筋融解症の 1 例
〇 小田島 正幸1) 稲岡 努1) 粕谷 秀輔1) 笠井 ルミ子1) 中塚 智也1) 工藤 秀康1) 北村 範子1) 磯部 公一1) 寺田 一志1) 佐藤 悠太2) 清水 直美2) 徳山 宣3) 蛭田 啓之3) 1) 東邦大学佐倉病院 放射線科 2) 内科 3) 病理部 【症例】 78 歳、 男性 【主訴】 40℃の発熱、 下肢脱力 【現病歴】 4 日前に筋トレ、 その翌日右顔面腫脹・疼痛、 微熱で近医受診。 蜂窩織炎疑いで抗生剤にて改善、 本日テニス後から 40℃の発熱、 下肢脱力にて当院救急 搬送。 筋肉痛 (-)、 上気道感染 (-) 【既往歴】 脊柱管狭窄 【血液検査】 WBC、 CRP、 GOT、 GPT、 LDH、 CK、 BUN、 Cre 高値。 ガンマグロブリン低値。 自己抗体 (-)、 インフルエンザ (-)、 ムンプス (-)、 HIV(-)、 HTLV-1(-)、 骨髄異常 (-)、 染色体異常 (-) 【画像所見】 CT で L2/3 椎体終板に破壊像。 腰椎造影 MRI で L2/3 椎体終板に増強効果。 傍脊椎筋、 腸腰筋、 臀筋群腫大と霜降り状増強効果 【経過】 筋炎、 急性腎不 全横紋筋融解、 感染などが疑われ、 筋生検で横紋筋壊死。 ミオグロビン尿あり。 意識障害にて対処療法、 免 疫グロブリン補充。 3 週間後腰椎造影 MRI では筋内の霜降り状増強効果あるも筋腫大改善 【結語】 高齢者の 横紋筋融解症の原因は多岐にわたる。 低ガンマグロブリン血症と横紋筋融解症との関連は不明であるが、 複 数の原因で横紋筋融解を来したと考えられた。12. 大腿骨に多房性嚢胞を形成した痛風性関節炎の 1 例
〇 藤本 肇1) 服部 真也1) 小山 忠昭2) 江口 正信3) 1) 沼津市立病院 ・ 放 2) 同 ・ 整形外科 3) 同 ・ 病理 症例は 40 歳台男性。 5 年前から痛風で投薬歴がある。 2 年前から左膝痛があり、 近医で関節穿刺を繰り返し ていたが、 外側の疼痛が増悪してきた。 単純 X 線写真で大腿骨遠位骨幹端の外側前面に透亮像を認め、 骨 腫瘍を疑われ、 当院整形外科に紹介受診となった。 MRI では最大径 3cm の境界明瞭な腫瘤を認め、 内部は T1 強調像で均一な低信号、 T2 強調像で著明な高 信号を呈し、 また、 隔壁様構造を示唆する無信号域を伴っていた。 CT では多房性の嚢胞が見られ、 膝蓋大 腿関節面に骨皮質の侵食を伴っていた。 さらに、 膝関節内には十字靱帯や半月版に沿って淡い高濃度域が 見られた。 関節鏡下に生検が実施され、 関節腔内には尿酸ナトリウム結晶の沈着が証明された。 また、 大腿骨の病変の14
-13. 悪性腫瘍との鑑別が困難であった結節性筋膜炎の 1 例
〇 奥田 花江1) 小野 優子1) 山本 由佳1) 西山 佳宏1) 宮井 由美2) 羽場 礼次2) 1) 香川大学 放射線医学講座 2) 香川大学付属病院 病理診断科 症例は 30 歳代女性。 半年前より左上腕遠位部の腫瘤と疼痛を自覚し疼痛が徐々に増悪したため精査となった MRI では左上腕三頭筋深部に T1 強調像で中等度信号、 T2 強調像で不均一な高信号を示す長径 4cm 大の 腫瘤を認め、 周囲に僅かな浮腫を伴っていた。 FDG-PET/CT では比較的強い集積を認め、 悪性腫瘍の可能 性も考慮され切開生検を施行。 病理組織は膠原線維や粘液基質を背景に異型性の乏しい線維芽細胞様細胞 もしくは筋線維芽細胞様細胞の増生を認め、 結節性筋膜炎と診断された。 7ヶ月後の MRI で縮小傾向が確認 された。 結節性筋膜炎は若年〜中年の上肢、 胸壁、 大腿など筋膜から発生する線維芽細胞の反応性増殖性病変であ る。 発生部位から皮下型、筋肉内型、筋膜型に分類され皮下型が最も多いが、深部発生もしばしば報告される。 今回の症例は発生部位と大きさ、 比較的強い FDG 集積により、 悪性腫瘍との鑑別が困難であった。14. 骨巨細胞腫の観察中に局所再発と隣接した膝関節内にびまん型巨細胞腫を生じた 1 例
〇 玉川 光春1) 河合 有里子1) 山 直也1) 庄内 孝春1) 荒谷 和紀1) 小野寺 麻希1) 浅井 真友美1) 小野寺 耕一1) 畠中 正光1) 加谷 光規2) 佐々木 幹人2) 山下 敏彦2) 荻野 次郎3) 杉田 真太朗3) 長谷川 匡3) 1) 札幌医大 放診 2) 整外 3) 病理部 【症例】 33 歳、 男性 【主訴】 右膝痛 【現病歴】 2003 年 3 月頃より右膝痛があり、 2004 年 4 月 28 日右大腿骨骨巨細胞腫の診断で搔爬 ・ 人工骨 充填術がなされた。 2012 年 3 月当院整外を紹介され、 10 月 11 日の MRI で腫瘍再発と関節内腫瘍を指摘さ れた。 12 月頃より運動時の膝痛を自覚するようになった。 【初診時現症】立ち上がる際、走る際に疼痛あり。 【画 像所見】 2012 年 10 月 11 日の右膝関節単純写真で人工骨の遠位骨髄内に骨破壊像を認める。 同日の MRI では右大腿骨遠位に低信号の人工骨に隣接して中等度信号の直径 8mm の円形の腫瘤を認める。 右膝関節 ACL の大腿骨付着部から膝関節内に突出する 2.0 × 1.6 × 2.7cm の三角形の腫瘤が見られる。 T1WI で筋よ りやや高信号、 T2WI で中等度信号で良好に造影され、 石灰化は見られない。 【病理診断】 2013 年 1 月 15 日右大腿骨内人工骨と腫瘍の搔爬 ・ 骨セメント充填と内視鏡下関節内腫瘍切除がなされた。 大腿骨は骨巨細 胞腫、 関節内はびまん型巨細胞腫と診断された。15. 膝関節内に発生した筋線維腫 myofibroma の 1 例
〇 玉川 光春1) 河合 有里子1) 山 直也1) 庄内 孝春1) 荒谷 和紀1) 小野寺 麻希1) 浅井 真友美1) 小野寺 耕一1) 畠中 正光1) 加谷 光規2) 佐々木 幹人2) 山下 敏彦2) 荻野 次郎3) 長谷川 匡3) 1) 札幌医大 放診 2) 整外 3) 病理部 【症例】 24 歳、 男性。 【主訴】 右膝関節痛、 可動域制限 【現病歴】 2011 年 12 月頃、 誘因無く右膝関節の屈曲時の疼痛を自覚するも放置。 再度屈曲時の疼痛が出現 したため、 某医受診。 MRI にて膝関節内腫瘤を指摘され、 7 月 6 日関節鏡下腫瘍切除術が行われた。 徐々 に可動域制限を自覚し、10 月 31 日の MRI で関節内に腫瘍を指摘された。 【初診時現症】動作時疼痛を自覚し、 膝蓋腱部に圧痛を認める。 【画像所見】 2012 年 7 月 2 日の MRI では右膝関節 ACL の大腿骨付着部から膝 窩に突出する 1.8 × 1.8 × 1.9cm のほぼ円形の腫瘤を認める。 T1WI では筋とほぼ同等、 T2WI ではやや不 均一な高信号を示す。 同年 10 月 31 日に撮像された MRI では ACL の前面から膝関節前方に向かって広がる 3.2 × 3.4 × 1.9cm の楕円形の腫瘤が認められ、信号強度は前回とほぼ同様、造影剤にてほとんど染まらない。 【病理診断】 切除が行われ、 核異型に乏しい紡錘形細胞と毛細血管を伴う細胞成分二相性パターンが見られ、 筋線維腫 myofibroma と診断された。1 月 24 日 (土)
9 : 20 - 10 : 20 第 4 セッション 「腫瘍性病変 1」
座長 上谷 雅孝
16. 尺骨に生じた bizarre parosteal osteochondromatous proliferation (Nora lesion) の 1 例
○ 神島 保1) 坂本 圭太2) 松井 雄一郎3) 小林 英之3) 牧田 啓史4) 藤田 裕美4) 三橋 智子4) 船越 忠直3) 岩崎 倫政3) 1) 北海道大学大学院保健科学研究院 2) 北海道大学大学院 医学研究科 医学専攻病態情報学講座 放射線医学分野 3) 北海道大学病院 整形外科 4) 北海道大学病院 病理部 症例は 58 歳女性、 ヨガのインストラクター。 既往歴は頸部や下肢の変形性関節症。 H24 年夏から誘因なく左 手関節腫脹が出現した。 強い背屈で手関節尺側部に疼痛が惹起された。 手関節可動域は屈曲 80 度、 伸展 80 度、 回内 60 度、 回外 90 度、 ulnocarpal stress test 陰性であった。 単純写真上は尺骨遠位骨幹部から橈 側に突出する辺縁性の骨性結節で、 CT では髄腔との連続性は認められなかった。 T2 強調像では軟骨増生を 示唆する高信号病変が骨性結節周囲に存在し、 造影後脂肪抑制 T1 強調像では手根部関節に滑膜増殖を示 唆する異常増強効果が認められた。 装具療法で様子をみていたが症状に改善なく、 手術が施行された。 病理 組織所見では異型を伴う軟骨細胞の増生があり、 傍骨性骨肉腫や軟骨肉腫なども考えられたが、 画像も含め 総合的に bizarre parosteal osteochondromatous proliferation と診断された。 術後経過は良好で単純写真上も 再発所見はない。17. 脛骨に発生した傍骨性骨軟骨異形増生 (Bizarre parosteal osteochondromatous
proliferation) の 1 例
○ 椿本 真穂 山城 恒雄 村山 貞之 琉球大学医学部附属病院放射線科 症例は 12 歳男性。 1 年前に右下腿上部前面を打撲後、 徐々に増大する腫瘤を自覚。 運動時痛に続き安静 時痛も出現したため当院整形外科受診となった。 診察にて右脛骨前面に腫瘤を認めたが、 圧痛や熱感 ・ 発赤 は認められなかった。 単純写真にて右脛骨前面から突出する腫瘤が認められたが明らかな骨破壊や骨膜反応 は認められなかった。 腫瘤基部には骨硬化像が認められた。 MRI では腫瘤は T2WI にて高信号、 T1WI にて 骨格筋とほぼ等信号を示し、 基部には骨硬化像を反映した無信号域が認められた。 明らかな拡散低下は認め られなかった。 骨シンチでは腫瘤に一致した99m17
-18. MRI で経過を追えた calcifying aponeurotic fibroma の 1 例
○ 加藤 博基1) 兼松 雅之1) 星 博昭2) 1) 岐阜大 放射線科 2) 岐阜大 放射線医学 症例は 3 歳の男児。 半年前より左手背の軟部腫瘍に気付いていた。 初診時の身体所見で弾性やや硬の腫瘤 を触れ、 圧痛や可動性はなかった。 初診時 MRI で手背皮下組織に 20 × 20 × 5mm 大の腫瘤を認めた。 T1/ T2 強調像で大部分は脂肪を示唆する高信号を示したが、 内部に索状の低信号が散見された。 経過観察され たが、 4 年間で軽度増大した。 4 年後の再診時 MRI で手背皮下組織に 25 × 23 × 8mm 大の腫瘤を認めた。 T1/T2 強調像で脂肪を示唆する高信号は辺縁部にごくわずかとなり、 筋肉に近い低信号が主体となった。 脂 肪抑制造影 T1 強調像で比較的均質な中等度の造影増強効果を認めた。 腫瘍摘出術が施行され、 術後病理 組織診断で calcifying aponeurotic fibroma (CAF) と診断された。 CAF は WHO 分類で線維芽細胞 / 筋線維 芽細胞腫瘍に分類され、 主に小児期や青年期に生じる。 手足に好発する稀な良性腫瘍であるが、 局所再発 傾向が強い。 我々は MRI で経時的変化を捉えた CAF の 1 例を経験したので、文献的考察を加えて報告する。19. 骨膜性軟骨腫の 2 例
○ 苛原 早保1) 宇山 直人1) 阿部 有美1) 原田 雅史1) 高尾 正一郎2) 大塚 秀樹2) 能勢 隼人3) 向所 敏文3) 橘川 薫4) 西庄 俊彦5) 宮城 亮5) 西良 浩一5) 米田 亜樹子6) 坂東 良美6) 1) 徳島大学 放射線科 2) 徳島大学 保健学科 3) 徳島県立中央病院 4) 聖マリアンナ医科大学 放射線医学講座 5) 徳島大学 整形外科 6) 大学病理 骨膜性軟骨腫の 2 例を経験したので、 画像所見を中心に報告する。 症例1は 14 歳女性。 右膝窩部痛にて近医受診。 疼痛が増悪し、 精査目的で当院紹介受診。 単純 X 線写真 では大腿骨遠位骨幹端の背側に overhanging edge 様の骨膜反応を伴う腫瘤を認めた。 MRI では、 T1WI で筋 と同程度の信号、 T2WI で高信号を呈していた。 症例2は 46 歳女性。 子宮筋腫精査中に偶然仙骨部腫瘍を 指摘され、 当院紹介受診。 症状は特になし。 CT で仙骨右背側を主座に腸骨にも進展するような腫瘤を認め、 骨には硬化縁を伴っていた。 腸骨側には overhanging edge 様の所見を認めた。 石灰化は内部に認めず、 辺 縁に存在した。 MRI では、 T1WI で低信号、 T2WI で高信号を呈し、 造影で腫瘍辺縁に造影効果が見られ、 内部にも小さな造影される領域を認めた。 2例とも術前に骨膜性軟骨腫が疑われ、 手術施行。 病理所見にて 骨膜性軟骨腫と診断された。20. 静脈瘤が原因となった足根管症候群の 1 例
○ 荻原 翔1) 川上 玲奈1) 福田 健志1) 貞岡 亜加里1) 東條 慎次郎1) 米永 健徳1) 福田 国彦1) 窪田 誠2) 1) 東京慈恵会医科大学放射線医学講座 2) 東京慈恵会医科大学葛飾医療センター 整形外科 80 歳台の男性。 5 年前から長時間歩行後と入浴後に両側足底部にしびれが出現するようになった。 神経内科、 整形外科、 ペインクリニックなど複数の診療科を受診したが、 原因が分らず、 保存的治療を受けるも症状に改 善がみられず現在に至る。 今回、 左足関節 MRI を施行したところ、 足根管に後脛骨静脈瘤と瘢痕状組織を認 めた。 静脈瘤による後脛骨神経絞扼の診断のもと手術が行われ、 内果後下方の皮下組織内に蛇行 ・ 拡張した 後脛骨静脈を認め、 屈筋支帯直下で足根管に狭窄がみられた。 足根管解放術にて症状の軽快が得られ、 患 者は対側の手術も希望している。 足根管症候群は足根管で生じる後脛骨神経、 内側 ・ 外側足底神経の絞扼性神経障害である。 病因として本 邦の報告ではガングリオンが多いが、 まれに静脈瘤が原因となることも報告されている。 本症例では臨床所見 がヒントとなり、 MRI 所見より術前診断が可能であった。21. 腹壁脂肪性腫瘤の 1 例
○ 植野 映子1) 米瀬 淳二2) 林 達郎2) 松本 誠一3) 杉浦 善弥4) 元井 紀子4) 石川 雄一4) 河野 敦1) 松枝 清1) 1) 癌研究会 有明病院 画像診断部 2) 同 泌尿器科 3) 同 整形外科 4) 同 病理部 69 歳女性、 10 年以上前から左下腹部腫脹を自覚していた。 体重減少を主訴に近医受診。 後腹膜脂肪肉腫 と診断され当院泌尿器科を紹介受診。 腫脹部は軟らかく疼痛発赤なし。 CT にて左内外腹斜筋、 腹直筋か ら連続して腹腔に突出する巨大な脂肪性腫瘍が認められた。 腫瘍内部に著しく発達した動脈が確認された。 腫瘍内では造影される斑状構造が血管に近接して多発しており、 MRI にて拡散制限が確認された。 multi-compartment に進展する脂肪の増生と脈管の発達を重要視し血管奇形の可能性を考慮した。 針生検は危 険と判断し開放生検を施行。 組織診断にて毛細血管を介さない動静脈腔の連続が確認され、 arteriovenous malformation と診断された。 脂肪増生が著しく腫瘍性病変としての特徴も示していたため解釈に難渋したが、 個々の所見は血管奇形として典型的であり術前診断は可能であった。19
-1 月 24 日 (土)
10 : 20 - 11 : 20 第 5 セッション 「腫瘍性病変 2」
座長 青木 隆敏
22. 上腕骨に生じた solid variant of aneurysmal bone cyst の 1 例
○ 浜田 聡1) 小山 貴1) 天羽 賢樹1) 津村 卓哉2) 松下 睦2) 藤澤 真義3) 能登原 憲司3) 1) 倉敷中央病院放射線診断科 2) 倉敷中央病院整形外科 3) 倉敷中央病院病理診断科 症例は 14 歳女性。 運動時に右上腕骨骨幹部の骨折を呈し当院受診された。 単純 X 線写真では骨折部に一 致して、 骨皮質の菲薄化を伴い、 硬化縁を欠く骨透亮像が認められた。 CT では溶骨性病変に一致して軟部 濃度を呈する腫瘤が認められた。 MRI では T2 強調像では病変の大部分は不均一な低信号を呈し、 内部には 斑状の高信号域の混在が見られた。 さらに辺縁部は高信号を呈した。 周囲の筋肉内には広範囲に信号上昇 が見られたが、 骨折に伴う出血を反映する所見と考えられた。 T1 強調画像では全体的に低信号であるが、 病 変の近位部では内部に既存の骨髄脂肪と思われる高信号が認められた。 腫瘍の核出術が施行され、 血腫様 の組織が得られた。 組織所見では腫瘍の中心部では線維芽細胞を主体とする線維性組織からなり辺縁部では 少数の組織球と破骨型巨細胞の混在が見られ solid variant of aneurysmal bone cyst と考えられた。 画像と組織 像の対比をふまえ症例報告を行う。23. Pseudomyogenic hemangioendothelioma の 1 例
○ 稲井 良太 和田 敏明 多田 明博 新家 崇義 井田 健太郎 郷原 英夫 佐藤 修平 金澤 右 岡山大学病院 放射線科 症例は 14 歳の男性。 1 ヶ月前より運動後の左膝痛を自覚。 近医受診時の単純写真にて左脛骨近位骨幹端に 溶骨性病変を認め、 当院整形外科紹介受診。 当院 CT では脛骨溶骨性病変内に一部淡い高吸収域を伴い、 さらに左大腿骨外側顆にも溶骨性病変を認めた。 MRI では上記病変に加え脛骨内に複数の病変を伴い、 い ずれの病変も均一な造影効果を呈した。 また左下腿筋内にも境界不明瞭な腫瘤を認め、 不均一な造影効果を 呈した。 PET-CT では、 上記の病変に加え胸腰椎にも FDG 異常集積を認めた。 脛骨病変に対し生検施行し、 pseudomyogenic hemangioendothelioma に相当する組織像を認めた。24. Myopericytoma の2例
○ 宮澤 雷太1) 小黒 草太1) 松本 俊亮1) 杉浦 弘明1) 須佐 美知郎2) 西本 和正2) 森岡 秀夫2) 佐々木 文3) 陣崎 雅弘1) 1) 慶應義塾大学病院 放射線診断科 2) 慶應義塾大学病院 整形外科 3) 慶應義塾大学病院 病理診断部 [ 症例1] 60 歳代男性、 10 年前から緩徐に増大する、 右肩から外方へ突出する巨大な軟部腫瘤にて受診。 MRI では右肩皮下に T2 強調像では不均一な高信号、 T1 強調像では内部に壊死または出血を思わせる淡い 高信号を伴い、 拡散能が軽度低下し、 境界明瞭な 70mm 大の腫瘤性病変を認めた。 [ 症例2] 50 歳代男性、 左足軟部腫瘤にて受診。 左足第一中足骨内側の皮下に、 T2 強調像では不均一な 高信号、 T1 強調像では均一な低信号を示し、 拡散能が軽度低下し、 境界明瞭で分葉状な 36 × 23mm 大の 腫瘤性病変を認めた。 いずれも腫瘤摘出術が行われ、 異型に乏しい紡錐形細胞が血管周囲性に増生しており Myopericytoma と診断 された。 Myopericytoma は比較的稀な疾患であり、 若干の文献的考察を加えて報告する。25. FDG-PET で集積を認めた膝関節近傍のデスモイド腫瘍 (desmoid-type fibromatosis) の 1 例
〇 赤司 沙織1) 山口 哲治1) 上谷 雅孝1) 宮田 倫明2) 富田 雅人2) 田畑 和宏3) 加島 志郎3) 木下 直江3) 福岡 順也3) 川原 康弘4) 1) 長崎大学病院 放射線科 2) 長崎大学病院 整形外科 3) 長崎大学病院 病理診断科 4) 長崎労災病院 放射線科 FDG 集積を認めた膝関節近傍のデスモイド腫瘍の 1 例について, 画像所見, 悪性腫瘍との鑑別, 病理所見 との対比について考察する。 症例 : 60 歳台女性。 正座の時に右膝の違和感と疼痛あり。 MRI で膝窩部に境界明瞭な腫瘤があり, T1WI で 筋肉と同等の低信号, T2WI で軽度高信号, 造影では辺縁主体に漸増型の造影効果を認めた。 FDG-PET で は腫瘤に一致して高集積を認めた。 手術では膝関節包内に PCL 後面に癒着した腫瘍が確認され, 比較的容 易に摘出された。21
-26. 骨端線閉鎖前の女児に大腿骨に発生した骨巨細胞腫の 1 例
○ 赤池 源介1), 2) 植野 映子2) 松本 誠一3) 下地 尚3) 杉浦 善弥4) 元井 紀子4) 神田 浩昭4) 町並 陸生4) 栗原 泰之1) 松枝 清2) 1) 聖路加国際病院 放射線科 2) がん研有明病院 画像診断部 3) がん研有明病院 整形外科 4) がん研有明病院 病理部 症例は10歳女児。 特に誘因なく左膝痛が出現、 近位整形外科受診。 単純写真にて骨腫瘍が疑われ当院紹 介受診。 単純写真で大腿骨遠位骨幹端に偏心性で境界一部不明瞭な骨破壊が認められた。 後方の皮質は 消失し骨外病変も認められた。 病変の遠位端は骨端軟骨に一致していた。 MRI にて T1WI で低〜中等度信号、 T2WI にて高信号を示し、 強く均一な造影効果が認められた。 生検では骨巨細胞腫との診断であった。 10 歳 の骨巨細胞腫が希であること、 画像所見、 腫瘍のごく一部を検索しているにすぎない生検では悪性が完全に 否定出来ないこと、 皮質が消失していることから掻爬術では骨折することなどを考慮し、 まず広範切除術とセメ ントスペーサーによる再建を行い、 二期的に延長型人工関節置換を行った。 切除材料の組織像では、 紡錘形 単核細胞と無数の破骨巨細胞様の多核巨細胞が混在しており、 骨巨細胞腫と診断された。 一部で顕微鏡的に 骨端軟骨の破壊が見られ、 限局的な進展が確認された。 骨端線閉鎖前の骨巨細胞腫は稀であり、 文献的考 察を加えて報告する。27. 動脈塞栓術が奏功した仙骨骨巨細胞腫の 2 例
〇 常陸 真1) 越智 純子1) 綿貫 宗則2) 保坂 正美2) 相沢 俊峰2) 小澤 浩司2) 1) 東北大学病院放射線診断科 2) 東北大学整形外科 仙骨原発骨巨細胞腫に動脈塞栓術を施行した 2 例を経験したので報告する。 1 例目は 44 才女性。 仙骨から 右腸骨に広がる溶骨性病変が認められ、 生検にて骨巨細胞腫と診断された。 右第 4 腰動脈、 正中仙骨動脈、 右腸腰動脈、 右上殿動脈、 両側外側仙骨動脈から血流を受けており、 ゼラチンスポンジで塞栓した。 計 5 回 の塞栓術後、 ビスフォスフォネート製剤が処方され経過観察された。 骨化が進行し、 塞栓後 6 年で再増大は 認めていない。2 例目は 33 才女性。仙骨原発の大きな骨腫瘍が指摘され、生検にて骨巨細胞腫の診断となった。 正中仙骨動脈、 両側外側仙骨動脈、 両側上殿動脈、 両側下殿動脈、 右内陰部動脈から血流を受けており、 ゼラチンスポンジで塞栓した。 計 6 回の塞栓にて腫瘍は縮小したが、 腹側の一部で下腸間膜動脈からの血流 が認められたため、 下腸間膜動脈も 2 回塞栓した。 腫瘍のサイズは著明に縮小し、 骨化は不十分だが、 再増 大は無く経過観察中である。1 月 24 日 (土)
11 : 30 - 12 : 20 第 6 セッション 「腫瘍性病変 3」
座長 青木 純
28. 発生後初期像から観察し得た乳児型線維肉腫の 1 例
○ 和田 武1) 松迫 正樹1) 森田 有香1) 岡島 由佳1) 真部 淳2) 長谷川 大輔2) 吉本 優里2) 迫田 晃子3) 鈴木 髙祐4) 川野 孝文5) 野崎 太希6) 栗原 泰之1) 1) 聖路加国際病院放射線科 2) 聖路加国際病院小児科 3) 聖路加国際病院小児外科 4) 聖路加国際病院病理診断科 5) 鹿児島大学病院小児外科 6) カリフォルニア大学アーバイン校放射線科 生後 2 週間の男児。 主訴は左足背の腫瘤。 足背に青みがかかった弾性軟の腫瘤を触れ、 超音波では 11 × 8 × 5mm の境界明瞭、 内部は均一かつ低エコーの腫瘤で hypervascular であった。 infantile hemangioma が 疑われ経過観察とされたが、 急速な増大が認められ、 2 ヶ月後 MRI を施行した。 腫瘤は 40 × 28 × 21mm に 増大し、 内部に嚢胞成分が出現していた。 充実成分は筋層と比べて T1 強調像で等信号、 T2 強調像では 中等度信号を呈し、 遷延性の造影効果を認めた。 乳児型線維肉腫を考慮し、 切除生検を施行。 充実成分 に線維性間質を伴う紡錘形細胞の密な増殖があり、 染色体分析で ETV6-NTRK3 融合遺伝子が検出された。 乳児型線維肉腫は乳幼児の四肢や体幹に好発する軟部腫瘍であり、 当症例では初期像において infantile hemangioma との鑑別で問題となった。 若干の文献学的考察を含めて報告する。29. 脊椎悪性リンパ腫の 1 例
○ 福庭 栄治 湯浅 貢司 土江 洋二 島根県立中央病院 放 症例は 65 歳男性、 腰背部痛と発熱を主訴に来院、 3 年前に前立腺癌にて放射線治療の既往がある。 腹部造 影 CT にて過去に指摘され一旦縮小した後腹膜腫瘤の再増大を認め、 脊椎に異常はなかった。 腰椎 MRI で 椎体隅角や終板下の信号異常が多発し、 部分的にリング様造影効果を示した。 結核性脊椎炎や SAPHO 症 候群を疑い、 仙骨の病変より CT ガイド下生検を施行し、 びまん性大細胞型悪性リンパ腫の病理診断を得た。 その後 PET/CT にて全身の骨格系や後腹膜領域にリンパ腫が波及していることが判明した。 悪性リンパ腫は時 として長期経過を辿ったり、 自然退縮をきたすことがあり、 画像診断の際に留意を要する。 また本例では造影 MRI でリング様造影を示し、 免疫不全を伴わない悪性リンパ腫の画像所見としては稀と思われた。23
-30. 仙骨神経根周囲に発生した骨外性 Ewing 肉腫の 1 例
○ 大崎 正子1) 原田 祐子1) 徳田 修2) 松永 尚文1) 1) 山口大学医学部 放射線科 2) 独立行政法人国立病院機構 関門医療センター 放射線科 骨外性 Ewing 肉腫は稀な悪性軟部腫瘍であり、 脊柱管内発生は更に稀とされる。 今回我々は S1 神経根周囲 に発生した Ewing 肉腫を経験したので、 若干の文献的考察も加え報告する。 症例は生来健康な 15 歳女児。 201X 年 1 月中旬より右臀部~大腿後面痛が出現したが、 近医では診断に至 らず、 3 月に当院紹介となった。 CT で右 S1 神経孔の拡大を伴う軟部腫瘤が見られ、 周囲の骨には不整な透 亮像と硬化像も認められた。 神経孔内の腫瘤は T1 強調像で筋肉と比べて等信号、 T2 強調像で不均一な高 信号を示し、 不均一な増強効果が認められた。 骨髄内にも浮腫あるいは浸潤が疑われるような異常信号が認 められた。 腫瘍生検で、 N/C 比の高い均一な類円形細胞が密に増殖し、 免疫染では MIC2, NSE, シナプトフィ ジンが陽性、 S100 が一部陽性で、 クロモグラニン、 リンパ球系マーカー、 サイトケラチン、 筋系マーカーは陰 性であった。 以上より、 Ewing 肉腫と診断された。31. 軟部腫瘍の浅在性と深在性の比較
○ 安田 圭太1) Teeranan Laohawirikayamol2) 鈴木 智大2) 江原 茂2) 1) 岩手医科大学 医学部 2) 放射線医学講座 岩手医科大学病院で過去4年間にみられた長径5cm以上での四肢発生軟部腫瘍を対象とし、 MRI 所見に基 づいて、 表層の筋膜より浅層か深層かで表在性腫瘍と深在性腫瘍に分類し、 これらを比較検討した。 MRI 所 見の特徴は放射線診断医 2 名が、 表在性と深在性の鑑別、 周囲の反応性変化の強さ、 辺縁の明瞭さ、 腫瘍 の MRI 信号強度、 flow void の有無、 造影パターン、 T2 強調画像における内部均一性、 分葉状発育の有無、 嚢腫成分の有無を検討した。 対象となった症例は 17 例、 うち表在性 7 例、 深在性 10 例であり、 深在性のう ち 2 例が良性腫瘍、 他の 15 例はいずれも肉腫であった。 結論としては、 表在性でも深在性でも MRI 所見上 で大きな相違は見られず、 発生部位よりも大きさと肉腫としての特徴を反映していた。32. aggressive osteoblastoma との鑑別に難渋した osteosarcoma の 1 例
○ 越智 純子1) 常陸 真1) 渡辺 みか2) 塩田 有規3) 綿貫 宗則3) 保坂 正美3) 1) 東北大学病院放射線診断科 2) 東北大学病院病理部 3) 東北大学整形外科 診断に難渋した大腿骨転子部原発の osteosarcoma を経験したので報告する。 症例は 20 歳台女性。 5 年前 に右大腿部痛で近医を受診し、 当時 1cm 大の腫瘍を指摘され類骨骨腫の診断で焼灼治療を受けた。 その 4 年半後に腫瘍が再発し、 腫瘍掻爬と人工骨移植術が行われた。 その際の病理診断は osteoblastoma であっ た。 術後半年で再々発を来たし、 当院に紹介された。 当院では初回手術時に aggressive osteoblastoma ある いは osteosarcoma を鑑別に挙げた。 その後も再発と転移を来たし、 最終的に osteosarcoma の診断に至った。 aggressive osteoblastoma と osteosarcoma (特に osteoblastoma-like osteosarcoma) は画像、 病理所見上類似 する点が多く、 鑑別に難渋しやすい。 本症例も病初期は悪性所見に乏しかったことから osteosarcoma の診断 に至るまで数年を要し、 臨床的判断の難しい一例であった。33. 骨原発の悪性グロームス腫瘍の 1 例
○ 後藤 一1) 前田 隆樹1) 原 仁美2) 河本 旭哉2) 秋末 敏弘3) 杉村 和朗1) 1) 神戸大学医学部附属病院放射線科 2) 神戸大学医学部附属病院整形外科 3) 神戸大学医学部保健学科 症例は 48 歳男性、 生来健康。 左膝の安静時痛が 3 週間以上継続、 改善しない為、 近医を受診、 単純写真 で左脛骨近位骨幹端部に多房性の骨透亮像と骨硬化像が混在する病変を指摘、 さらに近傍の脛骨骨皮質に も不整な断裂があり、 更に右胸鎖関節近傍の骨溶解欠損が見られた。 精査加療目的で当院を受診、 血液検 査では腫瘍マーカー、 ALP 共に正常範囲であったが、 MRI、 CT、 PET-CT では、 多発性骨腫瘍 ・ 多発性肺 転移を指摘され、 切開生検で悪性グロームス腫瘍と診断された。 化学療法を予定したが帰宅中に転倒、 胸骨 転移巣から胸腔内に大量出血し、 経カテーテル的に止血した。 その後、 体調を急速に崩し、 intensive な治療 を断念、 ターミナル管理に移行した。グロームス腫瘍は軟部腫瘍のうち、 1 ~ 2%を占める良性腫瘍とされるが、 非常に稀な悪性グロームス腫瘍も過 去、 英文で 40 例前後報告されている。 今回は稀な悪性グロームス腫瘍の conventional imaging をまとめて撮
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-P-1 左胸壁腫瘍の 1 例
○ 山﨑 早苗 小西 英一 柳澤 昭夫 京都府立医科大学 病院病理部 ・ 病理診断科 【症例】 10 歳 女児 【主訴】 左胸部痛 【家族歴、 既往歴】 特記事項なし 【現病歴】 2014 年 6 月、 深呼吸時に左胸部の疼痛を自覚した。 近医を受診し、 単純 X 線像で左上肺野に腫瘤陰影を 指摘された。 精査加療目的に当院小児科を紹介され受診した。 【現症】 背部の膨隆なし、 発赤なし、 熱感なし、 圧痛なし 【血液生化学所見】WBC 6700/ μ l、 CRP 0.09 ㎎ /dl、 ALP 628IU/L、 NSE 16.6ng/ml、 CA-19 44ng/ml、 CEA 2.8ng/ml 【画像所見】 (胸部単純 X 線像) 左上肺野に占拠性病変を認める。 (CT 像) 左第 4 肋骨から発生し、 左上〜下肺野にかけて背側胸壁、 第 3、 5、 6 肋骨、 下行大動脈と接す る腫瘤を認める。 内部は多房性低吸収陰影と造影効果を伴う充実陰影が混在し、 石灰化を伴う。 (MR 画像) 左胸腔内に突出した 63x59x37 の腫瘤性病変を認める。
内部は T1 で iso、 T2 で iso 〜 high のまだら状の腫瘤であり、 一部に fluid-fluid level を認める。 Gd 造影で は腫瘤全体に造影効果を認める。 【経過】 2014 年 6 月 胸腔鏡補助下生検術を施行 7 月 胸壁腫瘍切除術を施行 【配布標本】 生検 (H1404137) および切除材料 (H1404836) 【問題点】 ・ 病理診断 ※免疫染色なし
P-2 胸壁に生じた紡錘形細胞肉腫の 1 例
○ 久岡 正典1) 柴 瑛介1) 青木 隆敏2) 坂本 昭夫3) 1) 産業医科大学医学部第1病理学 2) 産業医科大学医学部放射線科 3) 国立病院機構小倉医療センター整形外科 【症 例】 64 歳、 女性 【主 訴】 左胸壁腫瘍 【既往歴】 ・ 【家族歴】 特記事項なし 【現病歴】 平成 26 年2月より左胸壁の腫瘤に気づき、 同時期に帯状疱疹も生じたために近医を受診。 超音波 ガイド下の針生検にて悪性紡錘形細胞性腫瘍を指摘され、 10 月 17 日国立病院機構小倉医療センター整形外 科を紹介されて受診した。 【画像所見】 胸部 CT では破壊された左第4肋骨を中心に、 内外側に圧排性に発育する大型の充実性腫瘍が 見られる。 MRI の T1 強調像では低から等信号、 T2 強調像では不均一な高信号を示している。 【配布標本及び病理所見】 切除材料では径 12 × 8 cm 大で、 ほぼ破壊された肋骨を中央に挟むような形で分 葉状ないし多結節状に発育した白色調充実性腫瘍であり、 内部には広範かつ地図状の壊死を伴っていた。 組 織学的に異型紡錘形細胞が束状ないし渦巻き状に配列増殖し、 部分的に粘液腫状の基質を伴って疎密構造 を示す部や、 軽度の多形細胞あるいは上皮様異型細胞を混じた部分も見られた。 核分裂像は高頻度に認めら れた。 特定の分化形質を表す組織学的特徴は見出せなかったが、 中央の壊死部の一部で破壊された骨組織 間を充填あるいは取り巻く陰影化した軟骨成分らしき構造物がわずかながら見られた。 免疫染色では Sox9 が 陽性であり、 CD34 と cytokeratin (CAM5.2) が部分的に陽性となったが、 α SMA、 desmin、 S-100、 MUC4、 EMA、 cytokeratin (AE1/AE3)1、 RUNX2、 SATB2、 Sox10 は陰性であった。【臨床経過】 局所の痛みが強いため、 オピオイドの投与が開始され、 胸水の貯留も見られたが 11 月 10 日肋 骨合併腫瘍切除術が施行された。 術後は胸郭動揺のために喚気障害があり、 気管切開後人工呼吸器下で管 理されている。
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-P-3 右胸壁腫瘍の 1 例
○ 高松 学1) 元井 紀子1) 植野 映子2) 杉浦 善弥1) 遠藤 太嘉志1) 神田 浩明1) 阿江 啓介3) 松本 誠一3) 町並 陸生1), 4) 石川 雄一1) 1) 公益財団法人がん研究会がん研究所病理部 2) 公益財団法人がん研究会有明病院画像診断部 3) 公益財団法人がん研究会有明病院整形外科 4) 河北総合病院病理部 【症 例】 36 歳 女性 【主 訴】 右肩甲骨外側部腫瘤 【現病歴】 上記主訴にて、当院受診 1 週間前に前医受診。触診上、右肩甲骨外側に 6 × 5cm 大の腫瘤を認め、 胸部 X 線写真にて右中肺野に突出する腫瘤陰影を認めた。 MRI では右肋間神経由来の神経鞘腫が疑われた が、 周囲進展が高度であるため、 当院当科紹介受診された。 【画像所見】 X 線 : 右中肺野に突出する腫瘤陰影あり。 肋骨に著変はない。 CT : 第 7,8 肋骨背側に 6 × 5cm 大の腫瘤を認め、 胸腔側、 胸壁外側へ突出している。 一部に骨膜反応を 疑う所見を認める。 Endosteal scallopping は目立たない。MRI: 第 7,8 肋骨に T1 low, T2 high を示す腫瘍を認める。 造影効果は辺縁部で強く、 内部は弱い。
【配布標本】 手術検体
P-4 脱分化型脂肪肉腫とすべきかが問題となった大腿軟部脂肪性腫瘍の 1 例
○ 元井 亨1) 池上 政周2) 加藤 生真1) 高橋 雅恵1) 高木 康伸3) 船田 信頼1) 吉田 朗彦4) 五嶋 孝博2) 1) がん ・ 感染症センター都立駒込病院 病理科 2) 同 骨軟部腫瘍科 3) 同 放射線診断部 4) 国立がん研究センター中央病院 病理診断科 【症 例】 64 歳、 男性 【主 訴】 右大腿部腫脹 【現病歴】 約 1 年前より右大腿部の腫脹があり、 歩行時の突っ張り感が強くなったため当院紹介受診。 画 像診断及び切開生検の後、 広範切除を施行した。 【画像所見】 単純 X 線では透過性が亢進した軟部腫瘤であったが石灰化像はなかった。 MRI 上腫瘤の頭側 は脂肪信号だが尾側は T1 低信号、 T2 高信号、 分葉状を呈していた。 以上より脱分化型脂肪 肉腫を疑った。 【病理所見】 広範切除検体では最大径 9 ㎝大の筋内腫瘤であり軟骨様の灰白色充実性結節が黄色充実性 腫瘤内に散在していた。 組織学的には、 骨格筋を巻き込む脂肪腫様及び硬化型脂肪肉腫の 像を基本とするが、 小結節分葉状の硝子軟骨形成巣の他、 顕微鏡的な微小軟骨分化巣が多 数あり、 周囲の脂肪様腫瘍組織との移行像が見られた。 軟骨細胞の核は軽度の異型性を示し ていた。 大きな軟骨胞巣の少数に軟骨内骨化像が見られた。 免疫組織化学的に両成分の細 胞は共に MDM2、 CDK4 染色陽性であった。 配布標本は大小の軟骨形成巣を含む腫瘍の代表的割面。 【臨床経過】 現在まで術後の再発、 転移はない。 【問題点】 画像診断及び病理診断、 腫瘍の悪性度について。29
-P-5 左踵骨腫瘍
○ 山田 健志 愛知県がんセンター愛知病院整形外科 【症 例】 28歳、 男性 【主 訴】 左踵部痛 【現病歴】 数カ月前から仕事 (大工) 中、 左踵へ荷重すると痛みあり。 1カ月前からは安静時痛も加わり、 踵部痛のため就労に支障が出現したため、 当院受診。 【画像所見】 単純 Xp 左踵骨内側 (踵骨隆起内側突起部) に辺縁硬化像の乏しい骨透亮像。 単純 CT 同部位に辺縁硬化が乏しい骨梁構造の消失が見られ、踵骨底側にごく小さな骨皮質途絶が見られる。 造影 MRI 骨透亮像を呈する病変内部は、 液面形成が見られ、 血清成分を含む液体を含む嚢腫病変であるこ とが分かる。 周囲の骨髄 ・ 骨梁への不規則な浸潤は認めない。 造影では嚢腫病変の壁が主に造影されるが、 病変の背側のごく一部に強く造影される部分がある。 【配布標本及び病理所見】 掻爬標本を配布した。掻爬による骨片に混じた、 giant cell tumor-like のシート状の細胞と多核巨核球から成る腫瘍細胞を認める。 画 像所見として挙げられている嚢胞性病変を示唆する所見は認められず、 骨巨細胞腫に近い像と言えるが、 嚢 胞性病変が主体であれば、 aneurysmal bone cyst としても矛盾は無い。
【臨床経過】 病変は臨床 ・ 画像所見から踵骨単純性嚢腫とは考えられず、 組織学的検索を経ないと診断は困難であろうと 思われた。 本病変に起因すると思われる踵部痛のため就労に支障が出ており、 経済的にも問題が出てきてい るとの訴えであったため、 一期的に病変を掻破し、 掻爬標本で組織診断の確定を試みる方針とした。 【問題点】 踵骨という骨腫瘍発生部位としては非典型的な骨に存在する病変で、画像所見から単純性骨嚢腫 (踵骨嚢腫) は否定的。 臨床 ・ 画像所見から考えられる鑑別診断と、 生検の要否、 方法 (針生検?切開生検?一期的掻爬?)、 採 取標本での組織診断について、 ご検討をお願い致します。