報
告
老 人保 健 施 設
入
所 者
の
外 泊 時介 護負
担
に
つ
い
て
*田
頭 勝
之
* *熊
明
子
森
下
佳
代
紀 伊
美
枝
節 安 寿
美
恵
青 木 英 次
一
色 知
子
要 旨
現 在
,
老
人保 健 施 設
は長 期
入所 傾 向
を示
しており
,
家 庭 退 所 促 進
の た め,
試験 外 泊
など
の取
り組
み が行
わ れてい る、
、
本 研 究 は,
老 人保 健 施 設
入所 者
の外 泊 状 況
を調
査し,
外 泊 時介 護 負 担
に関連 す
る要 因 を 明 ら か に す るこ と をIi
的 と し た。
外 泊 時 介 護
を負 担
に感
じ た258
名 を 負 担 群
とし
,
負扣
と感
じな
い68
名 を 非
負 担 群
と し て 両 群 を比較
し た。
数 量化
H
類
に よ る分 析
の結 果
,
外 泊 時 介 護負 担
は,
問 題 行 動
の有 無
,
補助
介 護 者の有 無,
退 所 先,
介護 者
自身
の介 護 希
望場 所
な どの因チ
と関連
し てい た。介 護 負 担
は退所 先
にも影
響
を及
ぼ して おり
,
介 護負 担
の軽 減
に は,
痴 呆
や問題 行 動
へ の対
.
応
や,
介 護 力
の補 完
など
の必要性
が 示唆
さ
れ た。
キー
ワー
ド老 人
保 健 施 設
,
外 泊
,
介 護 負担
は じ め に 高 齢 社 会 に 伴い,
要 介 護 老 人 が 急 増 す る と と も に 介 護 の重 度
化, 長 期化
が問
題 と なっ てい る。
ま た,
核 家 族 化
や女性
の社 会進
出 に よ る 家 庭介 護 力
の弱 化
の た め,
在
宅 介護
が困難
な 状況
であ り,
通 過施 設
と位 置 付
け られてい る老
入保健 施 設 (
老健 施 設
) でも
,
長 期 入 所傾 向
にあ
る1)。宮 岡
ら は,
家
庭復 帰
させ る た めの施 設 側
の必要 条 件
と し て 試 験外
泊,
在
宅 訪問
,
地 域 との連 携
の3
点
を挙 げ
てい る2)。
そのう
ち試 験 外 泊
は,
家
庭内
ADL
の把 握
,
家 族
の介
護 力の評 価,
退所
後の イメー
ジづ く り,
問
題点
の発 見 などに 有 効で あ ることか ら/1〕,
当 施 設 に おい て も 家 庭退 所 促 進
の た め試 験 外 泊
など の取
り紅
み を行
っ て い る。
しか し,
試験 外 泊
での介 護 負担
に よ り,
家 族
が家 庭
退所
を 躊 躇 す る ケー
ス を し ば し ば 経 験 す る。
本 稿
で は,
老 健 施 設
の外 泊状 況
を調
査 し,
外 泊 時 介 護
負
担 に 影 響 を 与 え る 要 因 を 分 析 し たの で 報 告 す る。
対 象 及
び方 法
愛 媛 県
ドの老 健 施 設
8
施
設 に おい て,1995
年
12
月一
ド*
Care
Burden
for
へged
Residents
Wh 〔〕
Ar巳
Telnp匸,rarny
Discharged from Heatlh Service lnstitしltion f〔,r the Aged
*
*
福 角 病 院
(〒799
−
Z652 愛 媛 県 松 山rh福 角 陶乙69 番 地 1}Katsuyuki Tagashira
,
RPT,
Akiko Kuma,
RPT,
Kaye M〈〕rishita、
RPT
,
Mie KH,
RPT、
Surnie Setsuyasu、
RPT.
Eiji Aoki,
RPT,
Tc〕moko Isshik正
,
RPT : Departmellt of Physical Therap>・
,
Fukuzumi Hospilat !受i
’
]日 1997 年 9月1〔〕日/受 理 凵 1998 年 12 月 101D旬
か ら1996
年
1
月
ヒ旬
に外 泊
し た 人所 者
345
名
と その介 護 者
を対 象
に配 票 留 置 法
による ア ン ケー
ト調 査 を実 施
し た。
有 効 回答
数 は326
名
,
男 性
56
名
,
女性
270
名
,
平均 年齢
82
.
7
歳
,
平 均 外 泊 口数
は3
.
5
日であ
っ た。調
査項 冖
は,
入所 者
の属 性
,
日常
生活 活 動
(
ADL
)
,
痴 呆
,
問 題 行 動
,
退 所 先
,介 護 者
の属性
,介 護 負 担 感
,介 護 者
と入所 者
の人 間 関係
,
介 護
上の問 題点
,
介
護 者自
身
が寝
たき り
にな
っ た場 合
の介護 希 望場 所
,
家 族 数
,
補
助 介 護 者
の有 無
な どであ
っ た (表
ユ)tt 調査
項 目のう
ち,
人 所 者
の施 設 内
ADL
,
痴 呆
につ い て は施 設 職 員
が評 価
し,
そ れ 以外
は 主 たる介 護 者
が回 答 し
た。
な お
,
ADL
は 歩 行,
食事
,
更 衣,
排 泄
,
入浴
の5
項
IJ
を調
査 し,
ADL
得 点
は 全介 助
,
半 介 助
,
どう
にか自
立,
自
立の4
段 階
(0
〜
3
点
)で評 価
し た.
痴 呆
の判 定
は柄 澤 式 「老
人知 能
の臨 床 的 判 定
基準」
を用
い,
巾 等 度
以 ヒの異 常 を痴 呆
とした
4)。問 題 行 動
につ いて は,
不潔
行 為
,
徘 徊
,
叫声
,
暴 力行 為
,
火の不 始 末 な
どの各 項
目 を調
査 し,
卞 たる介 護 者 自 身
が介護
上,
問 題
と感
じた項
目
が・
つ でもあ
る場 合 を 「問 題行 動 あ り」 と
し た.
,介護
上の問
題点
は厚
生省
の平 成
2
年 度 保 健 福 祉 動 向 調
ff
「’
} を一
部 変 更 し た12
項 目で調 査 し,
12
項 目中
,
問
題 となっ た項
目数
を介 護
困 難 数 とした。
使 用 し
た統 計
ソ フ トは,
統 計学
プロ グ ラム パッケー
ジHALBOU
Ver
.
4
で,
分
析
は,
2
群
の 母 平 均値
の 差の検 定,
対 応
のあ
る場 合
の母
’
ド均 値
の差
の検 定
,Fisher
の直 接
確 率 法
,
符 サ付 順 位 利 検 定
を 川い た。
ま た介
護負
担 は 複 数の要
因 と 関連
し て いる と考
えら れ る た め,
介 護負
担の28 理 学 療 法 学
第
26
巻 第1
号表
1 調 査 項 目 調 査 項 目 再 カ テゴリー
1.
入所 者に関する項 目1
) 性 別 1.
男 2,
女2
)年
齢3
) 外泊 日 数4) 施 設 内
・
外泊 時ADL
(歩 行・
食 事・
更 衣・
排 泄・
入 浴 )1
.
自立2
、
どうに か 自 立3
,
半介 助4
,
全 介 助5
)ADL
得
点(
歩行
・
食事
・
更 衣・
排 泄・
入 浴の合 計 )1
.
自立 (3
点 )2
,
どう
に か自
立 (2点 >3
.
半 介 助 (1
点)4
.
全介助 (0点)6
)
痴呆
L
な し 2,
軽 度3
,
中等
度4
,
高 度5
.
非 常に高 度7
)問 題 行 動〈
複 数回答*〉(
不潔行
為・
徘 徊・
叫 声・
暴 力 行 為・
火の不 始 末・
その他 )1
.
あ り2
.
な し8
) 退所 先L
家 庭 2病 院3
老 人保 健 施設4
老人 ホー
ム 5その他 H.
主 た る介 護 者に関 する項目 1) 性 別1
.
男2
.
女 2) 年 齢 3> 入 所 者との続 柄1
配偶 者2
,
娘3
.
嫁4
.
息 子5
.
孫6
.
その他 4) 家 族 数 (入 所 者 を除 く)5
) 補 助 介 護 者の有 無L
あ り 2,
な し 6) 就 業 状 況1
無 職2
.
内 職3
,
パー
ト4
.
常 勤
5,
その他 7) 入 所 者との人 間 関係L
良い2
.
まあ まあ 良い 3.
あ まり良 くない 4.
悪い8
) 自分自身が寝た きりに なっ た場 合の介 護 希 望 場 所1
.
家
庭2
病 院 3老 人保 健 施設 4.
老 人ホー
ム5
,
そ の他9
) 介 護上の問 題 点 〈複 数 回 答* >1
,
介 護 方 法2
.
介 護 部屋3
.
経 済 的 負 担4世
話
の負
担 5補 助 介 護 者 6.
仕 事7
,
留 守8
.
自由時 間9
.
睡 眠10精 神 的 負 担
11
.
入 所 者の症 状の変 化12
.
そ の他
10) 介
護 困 難 数 (介 護上の問題 点の選 択項目数 )11
) 介護負
担1
,
ない 2.
あ まりない3
.
や や負 担4
.
非 常に負
担m
.
住 環 境1) 老 人 (入 所 者 )
専
用部屋 の有
無1あ り
2
) 家 屋 改造 の有無1
あ り 2.
な し 2.
な し(
外 泊 時ADL
得 点 〉 O〜
7点8
点 以 上 な し・
軽 度 (1
,
2
) 中等 度 以上 (3
−
5
) 家 庭 (1)施設
(
2
−
4) 良 好 (1
,
2
) 不 良 (3
,
4) 家 庭 (1) 施 設 (2
−
4
)0
〜
2項 目3
項 目以上 非 負 担 (1
,
2
)負
担 (3,
4) *複 数回答につい て は,
各項 目 を はい,
い い えで回答 し,
そ れ ぞ れ を個 別の変 数 と し た.
有 無 を外 的 基 準 と
し,
そ れ 以外
の調査
項 目 を 独 立変 数
と し て,
林
の数 量 化
H
類
によ る分 析 を行
い,
両群
の判 別 要 因 と して寄 与 す
る項 目
を検 討
し た。独
立変 数
の選 択 に あ たっ て は,事
前 分 析
と して,
介 護 負 担
とそ
の他
の項
目の関 連 性
につ い て,
クロ ス 集計
を行
いFisher
の直 接 確 率
法
に よ る検 定
及び t検 定
を 行っ た。
この結 果,
介 護 負担
の有 無
におい て危 険率
5
%未 満
の有 意 差
が 認 め ら れ た調
査項 目
を説 明 変 数
とし
た。こ のうち量 的 変 数
につ い て は,
平 均 値
を基 準
に カ テ ゴリー
化 を行
い,
質
的 変 数 に 変 換 し た。数
量化
ll
類
を行 う際
の説
明変 数
の組 み 合 わ せ につ い て は,
選 択 さ
れ た調 査 項 目間
で 同様
にFisher
の直
接確 率
法
に よ る検 定
を行
い,
危 険 率
5
% 未 満
の水 準
で変 数
問 に独 立 性
が保
た れてい るこ と を条 件
と し た6)。
さ ら に,
条
件
を満
たす 説
明変 数
の 組 み 合 わ せ 全てに対
し数
量化
ll
X
に よ る多 変 量 解 析 を行
い, その中
か ら判 別 的中率
が最 も
高値
を示
した組
み合
わ せを
,
説明
モデルと
して選 択 し た7)。
結
果
1
.
入所 者
につ い て痴 呆
の程 度
は,
痴 呆 を 認
め ない者
26
.
4
%,軽 度
17
.
5
%
,
中等
rC
25
.
5
%,
高 度
12
.
3
%,
非常
に高 度
18.
4
%
で あっ た。
何
らかの 問 題 行 動 を有
す る者
は31.
0
%
を占
めてい た。問 題 行 動
の内
訳
は,徘 徊
12
.
9
%
,
火
の不 始
末
5
.
8
%,
暴 力
行
為
5
.
5
%,
不潔 行 為
4,
9
%
,
叫 声
4
.
9
%
な
どであ
っ た。
退 所 先 は
,
家 庭
39.
6
%
,
老
人 ホー
ム35.
9
%,老 健 施
設
14
.
7
%,
病 院
4
.
9
%の順 に多
かっ た。2
.
施 設 内
ADL
と外 泊 時
ADL
の 比 較外 泊 時
ADL
得 点
の平 均
は7.
3
点
で,
施 設 内
ADL
8
.
4
点 よ り も低 く,
ま た歩 行
,
食 事
,
更 衣
,
排 泄
,
入浴
の全項
目 に お ける自
立割 合 も
,
外 泊 時
が施 設
内 よ り も 有 意 に低
下 し てい た(
表
2
)
。3
.
介護者
につ いて主 た る
介 護 者
の性
別 は,
男 性
52
名 (
16
.
O
% )
,
女 性
274
名(
84.
0
%)
,
平均 年 齢
は54.
7
歳
であ
っ た。主 た る
介護 者
の続 柄
は,嫁
の占
める割 合
が42
.
3
% と 最も多 く
,
以 下娘
28.
2
%
,
息 子
13
.
5
%
,
配 偶 者
9
.
2
%,表
2
施 設 内
ADL
と外 泊 時ADL の比較 外 泊 時 有 意 確 率孫
12
%の順
であ
っ た。
家 族 数
の平 均
は2
.
7
人 と少 な く
,
補
助介 護者
を有 す
る者
は46
.
9
%であ
っ た。就 業 状 況
は,
無
職30
,
7
%,
内 職7
.
4
%,
パー
ト勤 務
16
.
3
%
,
常 勤
44
.
5
% で あ り,家
を留 守
にす
る常 勤
,
パー
ト勤 務
を 合 わ せ ると
60
.
8
% を 占
め てい る。入
所
者 との人 間 関係
は,
良
い44
.
8
%,
ま あ ま あ 良
い46
.
9
%,
あ ま り良 く
ない8.
O
%,
悪
い0,
3
%
であ
っ た。主 た る
介護
者 自身
が寝 た き り
にな
った 場 合
の介 護 希 望
場 所
は,
家
庭13
.
2
%,
病
院14
.
4
%,老 健 施
設60,
4
%,
老 人
ホー
ム10
.
1
% で あ り,病
院,老 健 施 設
,
老 人
ホー
ムな
どの施 設
入所希
望 者
は84
.
9
%
にも及
んだ
。介 護
上の問 題 点 は,
留
守 に 出 来 ない5
&9
%,
食 事
や排 泄
,
入浴
な どの世話
の負 担
が大 き
い46.
6
%
,
精 神 的
負 担
が大 き
い41
.
7
%
,
睡 眠 不 足
35
.
9
%,
自 分
の時 間
が と れ ない30,
4
%,
仕 事
に出
ら れ ない24
.
5
%,
介
護
の手
助
けを
し てく
れ る人 が
いな
い23
.
9
%
,
介 護 す
る部 屋
が ない10
.
4
% な
どであ
っ た。ま
た介 護 困 難 数
の平 均
は3
.
0
項 目 で あっ た。
介 護
負
担
につ い て は,
負 担 な
し3.
4
%
,
あ ま り負 担
と感
じ ない17.
5
%
,
や や負 担
53.
7
%
,
非 常
に負 担
25
.
5
% と なっ ていた。
施
設 内 平均 得 点(
点)
歩行 (人 〉 自立 ど うにか 自立 半 介助 全 介 助 食 事 (人 ) 自 立ど
う
に か自立 半 介助 全 介助 更 衣 (人) 自 立 どうに か自立半介
助全
介
助 排 泄(人) 自立ど
う
に か自立 半 介 助 全 介 助 入浴 (人) 自立ど
う
に か自立 半 介 助 全 介 助8
.
4
±4
.
6
91(
27.
9%>
96 (29
.
4
%)38
(11
.
7
%) 101 (31.
0%)226
(69
.
3
%)56
(172
%)27
(8
.
3
%)17
(5
.
2%)93
(2&5
%)82
(25
.
2
%)69
(21
.
2
%>82
(25
.
2
%)111
(34
.
0
%)71
(218
%) 67 (20,
6%) 77 (23
,
6
%)49
(15
.
0
%>55
(1
〔L9
%)116
(35
.
6
%)106
(32
,
5
%)7
.
3
士4,
6
69(
212
%)89
(
27
.
3
%)58
(17
.
8
%) 110 (33
.
7
%)171
(52
,
5
%)94
(28
,
8
%) 40 (12.
3%) 21 (6.
4%) 73 (22.
4%)80
(24.
5
%)83
(25
.
5
%)90
(27.
6%)75
(23
.
0
%> 89 (27.
3%) 61 (18.
7%)101
(
31
.
0
%)37
(11
.
3
%)36
(11
.
0
%)94
(28.
8%)159
(48
,
8
%) p<0.
01 P<0
.
01
pくO
.
01 p<0.
01 P<0
,
01
P<O.
Ol4
.
住 環 境
入
所 者 専 用
,
若
しく
は その配 偶 者 との共 用 (老 人 専
用)
の部 屋 を有 す
る者
は,
80
.
7
% で あっ た。
ま た, てす
りの設 置
,
段 差
の解 消 な
ど,
何
らかの家
屋改
造 を行
っ ている者
は34.
O
% を 占
めて いた。
5
.
負 担 群 と非 負 担 群
の特 性
の比較
外 泊 時
の介 護 負 担
に影 響 す
る要 因
を明
ら か にす
る た め,外 泊 時 介 護
に対 し
て非 常
に負 担
,
やや負 担
と答
え た介 護 者
258
名 (
79
,
1
%)
を負 担
群,
負 担
な し, あ ま り負
担
と感
じ ない と答
え た68 名
(
20
.
9
%) を非 負 担 群 と
し て比較 検 討
し た。
負担 群
の外 泊 時
ADL
得
点
の平
均
は,6.
7
点
で,非 負 担
群
9
.
6
点
より
低
く,
歩 行
,
食 事
,更 衣
,
排 泄
,
入 浴
の自
立 割 合 も負 担 群
が有 意
に低
かっ た。
中
等
度
以 上の痴
呆
の割 合
は非 負 担 群
33
.
8
% に対
し,
負
担
群 は62
% と高
値
を示
し,
問 題 行 動
を有
す る者
も非 負 担 群
16
.
2
% に 比べ,
負 担 群
では34.
9
%
と多
かっ た。
家 族 数
の平 均
で は 差 を認
め な かっ た が,補 助 介 護 者 を
有 す る割 合
は非 負 担 群
58
.
8
%
に対 し
,
負 担 群
で は43.
8
%と低
い値 を示
し た。入 所 者
との人 間 関係
が不 良
で あっ た介 護 者
は 非負
担 群1
.
5
%
に 比べ,
負 担
群 で は10
.
1
% と多
く,
ま た介 護 者 自
身
が介 護
さ れ る 立場
と なっ た 場 合の介
護希
望 場 所 で家 庭
と答 え
た者
は非
負
担 群
22
.
7
%,負
担
群11
% で,非 負 担
30
理 学療法 学第26巻 第1号 表3 負 担 群 と非 負担 群の比 較 衷
4
介 護 負担に おける説 明 変 数 間の独 立性の検 討 負 担 群
非負担 群
有 意確 率 外 泊 時
ADL
得
点 (点 )6
.
7±4,
4 痴 呆 (人) な し・
軽 度 98 (38.
0%〉中 等度以 上
160 (62
.
0%) 問題 行 動 (人) 有 90 (34.
9%) 無 168 (65
.
1
%) 補 助介
護 者の有 無 (人) 有 113 (43.
8%〉 無 145 (56
,
2%) 人間 関係(人)
良好
232 (89
.
9%)不 良
26 (10
,
1%) 介護 者 自身の介 護 希 望場所 (
人)
家 庭 施 設 退所 先 (人 ) 家 庭 施 設 介 護 困 難 数 (項 目)9
.
6
±4
.
6
45 (66,
2%) 23 (33
.
8
%)11
(16
.
2
%)57
(
83
.
8
%) 40 (58
,
8
%)28
(41
.
2
% ) 67 (98.
5%) 1 (1.
5%)28
(
11
,
096
)15
(22
.
7%) 226(89
.
0%)51
(77
.
3%)90
(367
%) 39 (60.
0%) 155 (63.
3%) 26 (40.
0
%) 3.
5±2ユ 0.
9±1.
2 p<0、
01 P<0
,
01
pく0
.
01
1
問題 行 動 2補 助 介 護 者 3退 所 先 4介 護 希 望 場 所 5痴 呆 6人 間 関 係7ADL8
介 護 困難
数 聡 囎 冊 * * 囎 * 冊 ns 聡 聡 聡 * 聡 * * * ns nsns nsns * ns * * ns * p<0
,
05
12345678
p〈0
.
05
*p<O.
05.
ns :有 意 差 なし.
衷5
負 担 群と 非負担 群の判 別に関 連 する要 因 (数 量 化豆類)
要 因 カテ ゴリー
度 数 カ テゴリー
スコア レ ンジ p<0
.
05
P〈0
.
Ol
P<0
,
01
退 所 先 介 護 希 望 場 所 問題行
動 補 助 介 護者
蘿
臘
鶲臘
有 無有
無 12817643261972071431610
.
74
−
0
.
54
0
,
97
−
0
.
16
−
0
,
730
,
340
.
32
−
0
.
29
1
.
28
1
ユ3
1
.
08
0
,
61
〔%)1060504G3020100
* *驪
鯉 群[
コ
非 負攤 負 担 群の重 心 非 負 担 群の重 心 68258一
〇.
150
,
58 Q1 判 別 的 中率694
% ス ト レス 睡 眠 不 足 自 由 時 間 留 守 介 護 補 助 図1
介 護 上の問題点 群 が有
意に多
か っ た。将 来
の退 所 先 を家
庭 と し た者
は非
負 担 群
60
%
に対 し
,
負 担 群
で は36.
7
% と低
い割 合
を示
し た(
表
3
)
。負 担 群
の平 均 介 護
困難 数
は,3.
5
項
目で,
非 負 担 群
0,
9
項 目
より多 く (
表
3
)
, ま た介
護
上の問 題 点
では負 担 群
におい て,
「
精 神 的負 担
が大 き
い」
,
「留 守
に出来
ない」
,
「
睡 眠 不 足 」
,
「自分
の時
間 が と れ ない」
,
「
介 護 を助 け
てく
れる人
がいな
い」 等
の項
目 で 訴 え が多
かっ た(
図
1
)
。6,
介
護負
担 に 影 響 を 及ぼす 要因
につ いて介 護 負 担
の有 無
と関 連 性 が 認 め ら れ た項 目
は,
ADL
得 点
,
介 護 困 難 数
,
痴 呆
,
問 題行
動
,
補 助 介 護 者
,
退 所
先
,
介 護 者
の介 護 希 望 場
所,
人 間 関 係の8
項 目であっ た。次
に これ らの説 明 変 数
間相
互の独
立性
につ い て検 討 した
とこ ろ,
独 立性
が否 定
さ れ た変 数
の組 み合
わ せ は,
表
4
に示 す 結 果
と なっ た。
さ ら に,
独 立 性 が 認 め ら れ た 変数
の組 み 合 わ せ が同 時
に選択
さ れ ない よう考慮
し,
考 え
ら れ る全
て の組
み合 わ
せ につ い て数
量化
H
類
に よ る分析 を
行
っ た。 その結
果,
判 別 的 中 率 が 最 も 高 値 を 示 し た説 明
変 数の組
み合
わ せは,「問 題 行
動
の有
無
・
補 助 介 護 者
の有 無
・
退 所 先
・
介 護 希 望 場 所 」
で あっ た。
カテ ゴ リー
ス コ ア につ い て見
る と,
「
問
題行
動の 有 無 」 で は,
有 り が一
〇.
73
,
無 しが0
,
34
で,
問 題 行 動 有 り
が負 担
群 と関
連 し てい た。「
補 助介
護 者
の有 無 」
で は,
有 り
が0.
32,
無
しが
一
〇.
29
で,
補 助
介 護
者 宥 り
が非 負 担 群
と 関連
し て い た。
「
退所
先 」 で は,
家
庭 がO
.
74
,
施 設
が一
〇.
54
で ,退 所 先
は家
庭
が非
負
担 群
と関 連 し
ていた
。「
介 護 者 自
身
が介 護
さ れ る 立場
と なっ た場 合
の介 護 希
望 場 所 」で は,
家
庭 が0.
97
, 施 設 が一
〇.
16
で,
家 庭
に おけ
る介 護希
望 が非負 担 群
と関 連
して いた。ま
た,
こ の時
の判 別 的 中 率
は69.
4
% で あっ た (表
5
)。
考
察
今
回,老
健施 設
入所 者
の外 泊 状 況 を調 査
し,
介 護負 担
と
の関連 性 を
検
討
し た。
外 泊 時
ADL
得 点
は施 設 内
ADL
得 点
よ り も低 く
, さ ら に歩 行
,
食 事
,
更 衣
,
排 泄
, 入浴
の全 項
目 に おい て も外 泊 時
が低 下 し
ていた
。 これ は住 環
境
に起
因す
るも
の と考
え ら れるが,
住 環 境
の影 響
を受
け にく
い食
事
, 更 衣動 作 も低 下
してお り
,
家 庭 介 護
のあ り
.
方 その もの に も 問 題 が あ る ものと推 察
さ れる、.
負
担 胖で llr等
度 以L
の痴呆
を認
める渚
’
は62
%で,
さ ら に 問 題 行 動 を 有 す るK
’
は34
.
9
% をIliめ て いた、
t痴 呆
や問 題 行 動
は介 護 負 担 を増 大 さ
せ,
家 庭 復 帰 を
困難
にす
る因 チ
でもあ
る。
痴 呆性
.
老 人 を介 護 す
る家 族
は痴
呆や問 題 行 動の対
処方 法
が わ か ら ない と か,
いつ まで この状 態 がつ づく
のか,
今 後
一
体
どう
な るの か 宿 則がつ か ない こ とへ の不 安
な どの人 き な悩
みを抱 え
てい るS1、
,
し た がっ て痴 呆の 対 応に は,
痴呆
進行 防
Ti,の た めの ケア プ ランに 加 え.
数 少 ない礼会 資 源
を効 率
よく利
川す
る ケ アマネ
ー
ジ メ ン トが 必 要 で あ 惹,
ま た休
II
利 用
Ilf能
なデ イケ ア,
ナ イ トケアやグルー
プホー
ム な ど,
痴呆
症状
に対
.
応
可能
な 施 設 整備
も急 務
と考
え ら れる.
.
介護 者
の就 業状 況 を
み ると,
常 勤 ま
た はパー
ト勤 務
し てい る者
は60
,
8
% にも
及ん でい る、
,
さらに 今 後 は 女 性 の社 会進 出
に伴
い,
働 きな
がら ケ アを続 け
な け れ ば な ら ない介
1護者
の増 加
がF
想
され,
労 働 条件
の改 善
や 経 済ll
勺 な 援 助 が 必 要 と思わ れ る.
数 量
化
H
類
による分 析
に より
,
外 泊 時
の介 護 負担
に は,
「痴 呆 に よ る 問 題 行動
,
/
,
1
補
助介 護 者」
.
「介護 者 白身
の介
護希
望 場 所 」 な どの 要 因 が影響
してお り.
さ ら に介 護
負
担 は「
退所 先」
に も影響
を お よぼし
,
家 庭 復 帰
の 阻害
因 予 と なっ ていた。
以
F.
の結 果
よ り,
家 庭 復
帰の核
は, 「介 護負
担の軽 減」
であるこ と が示 唆
され た.
.
今 後
は社 会 資
源 を活
用 し た 介護 力
の補 完
,
福 祉 機器
の導 人
,
家 屋 改 造 等
の住
環境
の整
備 を行 う
と と もに,
入所 沓
のADL
向
ヒに 努め,
介 護 負担
の軽 減
を図
らな
ければな
らない,.
ま
た家 族
の病 気
に 対.
す る 理 解 や 「在 宅 介 護」
に向
けて の意 識 付
け等
の ア プロー
チ を 考 え る と と もに,
介 護 指 導等
の支 援 プロ グ ラ ム の作
成 が 市 要 な課
題 と な るで あろう
91.
.
/
介
護負
担 は 独}ン1
し た複
数の要 因
が:ljlい に関 連 し
てい る た め,
・
つ・
つ の要因
か ら判 断 す
る より も
,
数
黽:化H
類 によ り複
数の 回 答 傾 向 を 尺 度化
した今 回
の調 査
は有 意義
であっ た と 考 える、
,
し か し介 護 負 担
の受
け と り 方は個 人 に よっ て異 な り,
同
じ ような 環 境
のな
かでも悲 観 的
に と っ た り,
楽 観 的
に受
け と め たり
と様
々であ
る、
.
神 経 質
,
完 全i
義
,
几帳 面
なタ イ プの人は特 に 介 護負
担 を 訴 え る こと が多
い とも
1
.
i
’
わ れてい る よう
にle),
介 護 負 担
は 性格 特 性
な ども 人 き く関係 す
るも
の と 思 わ れ る.
心 理 的 側 面 を 客 観 的にとらえる こ とは難
しい が,
今 後は これ ら を含
め た調
査.
分 析
を行
いたい と考 え
る.
、
稿 を終 え
る にあ
た り,
懇
切 な るご指導
をい た だいた岡
山 県 、’
1:大 学 保 健悩
宇IL学 部
大島 侑 教 授
に1
朶謝
い た します
.
.
さ ら に,
調 査 に ご協 力
い た だい た老
人保 健 施 設
の職 員
の 呰様
に心 よ り.
謝 意
を表
しま
す。
本 論
文の要 旨
は第
32
回 日本 理 学 療 法
.
t
学 会
に おい て 報 告 し た,
.
引 用 文 献D
厚生 省 大 臣 官 房 統 剖.
情 報 部 :平 成 7年老 人保 健 施 設 調査の 概 況.
老健7
〔5
):90
−
i21
,
1997
.
21
宮岡秀チ・
他 :家 庭 復 帰 に 必 要 な 条件と 受 けil
[[と して備える べ き 条件
,
理・
作・
療 法22
〔101):648−
653,
1988,
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PT ジ ャー
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5)厚
生省
大臣官
房 続 計‘
1
青報 部 :平 成2年 保 健 福 祉 動 向調査の 概1
兄.
「?1たk
(ノ)子旨標 38 C8):38−
47,
1991.
61
)柳11
:晴夫・
他 :多変離:解 析ハ ン ドブッ ク,
現 代 数 学 社,
京 者IS
,
1993,
PP 145 159.
7
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川 島〒皆:
}[’
Hi,
東JIC.
1992、
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125.
8}柄 澤昭秀:痴 呆の疫 学.
総 合 リハ IS 〔2}:85−
88,
1990、
9
}佐々木 和 人・
他:老 人f
呆健 施 設人所 患 者が家 庭 復 帰 可 能と な る 要 因 と その対.
策.
総 合 リハ 25(5h 465−
171,
1997.
n
)川司和 枝・
他:ね た き り老
人の 介護 人の負担 度.
H
本 公 衛lts
・
33
CCi.
} :279−
Lt8,i,
且986,
:S2 ±
lil,F:utWl-・'F,
en':)6
tsee
L<Abstract>
Care
Burden
for
Aged
Residents
Who
Are
Temporarily
Discharged
from
Health
Service
Institution
for
the
Aged
KatsLivitki