【論 文
1
UDG :614.
841.
41 :691.
71 日本 建 築学 会構 造 系論 文 報 告集 第 394 号・
昭和 63 年12月H
形 断 面 鋼
柱部材
の
熱弾
塑 性
ク
リ
ー
プ
三
次 元 変 形 挙
動解析
正 会 員 正 会 員 正 会 員 正 会 員古
右
安
岡
村
田
部
部
* 料
* * * ホ ゆ ホ ネ
郎
児雄
猛
次
福
健
武
§1,
序 建 築 構造用鋼材は500
℃ 程 度の高 温 度 域に お い て も 常 温 時の 5割 程 度の抵 抗 力 を発 揮 する が,
同 時に存 在 応 力に対 し て は高 温ク リー
プひずみ が顕著に生 じ る5 )・
e}。 こ の ような鋼 材 料の高 温 特 性を考 慮す る と,
強 度 的な観 点か ら は鋼 構造 建築 物の耐火 設計に お け る設 計鋼材温度 を500℃ 程 度に設定す るこ と は十 分 可 能 と考え ら れ る が,
同 時に高温 ク リー
プによる変形の増 大に伴う障 害に 対す る 配慮が 必要と思 わ れ る。
し た がっ て,
こ の程 度の 温度域で の鋼 構 造 建築物の耐 火 設 計 を安 全かつ 経 済 的に 実 現 する た めには,
高温度下での ク リー
プ現象を考慮し た鋼 構造建築 物の耐 力や変形挙動 を十 分に調べ て お く必 要が あ る。 高 温ク リー
プを考 慮して鋼構造物の火災 時高温状態で の 変形 挙動を検討し た研究は過 去に幾つ か行わ れ てい る])一
”}。
近年は著 者らに よっ て も, 建 築 構 造 用 鋼 材の高 温時の弾塑 性ク リー
プ挙動の実 験 的 研 究5 )−
9 ]や鋼 柱 部 材 の高 温 時の クリー
プ座 屈の実 験 的研 究]2L13 )が行わ れ,
詳 細な鋼 材 料および鋼 部 材の弾 塑 性ク リー
プ特性の基 本 デー
タが得られて い る。 また,
こ れ らの高 温 実 験 研 究 か ら得 られ た鋼 材の高 温 挙 動の材料デー
タ1°〕・
II) を組み込ん で開 発 し た数値解析法に よ り,
鋼 構 造 骨 組や は り一
柱 部 材の弾塑性ク リー
プ挙動の研 究14 ).
15 }も行われて い る。
こ れ らの数 値 解 析 的 研 究は,
最初に述べ た事柄に関 連して 鋼 構 造 建 築 物の高 温 時の弾塑性ク リー
プ変 形挙動 を調べ たもの である が, 研 究 対 象は構 造 物の構面 内の平 面挙動 に限 られて い た。 しか し なが ら鋼 構 造 物の変 形 挙 動は構 面内平 面 挙動に 限 定され る もの で はな く,
面 外 変形 やね じれ変形 を伴う 三次 元 的 挙 動を示すの がt よ り一
般 的である。
例えば,
鋼 構 造 建築 物を構 成する主 要な構 造 要 素であ るH形 断 面鋼 柱部材が,
常温時で材 端に軸力と強 軸 曲げ の みを受ける場 合で も, 部 材の細 長比 や その 他の諸 条 件 * 東京工業大 学 教授・
工博 * * 熊 本 大 学 教 授・
工博 ‡榊 東 京工業大 学 助 教 授・
工博 # 1* 熊 本 大 学 助 手・
工修 (昭和 63 年5月6日原 稿 受 理 ) に よっ て は載 荷 過 程で曲 げね じ れ 座屈を起こ し,
座 屈 後 は構 面外へ の変形 を伴っ た三次 元 挙動 (曲げね じれ座 屈 後 挙動)を示し終 局 状 態に至るこ とは良く知られ て い る。 ま た,
部材端に軸方 向 荷 重 と二軸 曲 げを受ける 旺形 断 面 鋼 柱 部材の場合は載 荷 初 期か ら三次 元 挙 動を示 す。 こ のよ うな常 温 時の H形 断 面 鋼柱 部 材の 三 次 元 挙 動 は,
火 災に よる加 熱 を受 けた高 温状態の場 合で も同様に 起こ り,
鋼 構 造 物の高 温時の耐荷 性 能 を支配 す る要 因に な る こと が予 想さ れ る。 した がっ て,
合 理 的な鋼 構造建築物の耐火設 計法 を開 発 する た め に は,
鋼 構 造 骨組お よび部 材の三次 元 挙 動に 関する研 究 も十 分に行っ てお くこと が 不 可欠と考え られ る。
しか しな が ら,
高 温クリー
プを考慮し て火災時の鋼 構 造 建 築 物の弾 塑 性 域に及ぶ三次元 挙 動を取 り扱っ た研 究は, 現 時 点で はまっ た く見い だ すこ と がで き ない。
本論 文は,
高 温 時の鋼 構 造 建築 物の 三次元挙動 研 究の 第一
歩とし て,
鋼柱 部材の高 温 時の 三 次元 挙 動 を解 析 的 に調べ るこ と を 目 的 と するもの で あ る。
し た が っ て,
論 文の前半で は,
鋼 柱 部 材の熱 弾 塑 性ク リー
プ三次 元変形 挙 動 解 析 法 を開 発し提 示してい る。 続い て,H
形 断面鋼 柱 部 材の高 温 時の 三 次 元 挙 動の数値解 析例を実行 し,
結 果 を考 察して い る。 本 論 文で示 す解 析 法は,
薄肉開断面 材の有限変 位理 論 に基づく有 限 要 素 法に,
建 築 構 造 用鋼 材の 高温時の挙 動 を表す力 学モデル を組み込んで開 発し た複 合 非 線 形 解析 法である。
こ こで用い た鋼 材の高 温 時の力学モ デル は, 著 者 ら が行った 多数の高温材 料 試 験 結 果に基づい て文献10
)で提案し た も の であり, 高 温 時の建 築 構 造 用 鋼 材の 弾 塑 性クリー
プ挙 動の材 料デー
タ と しては,
現 時 点で最 も詳 細な もの で あ る。 また,
有限要 素法に よ る鋼 骨 組 部 材の三次 元 複 合 非 線 形 解 析法 は,
常温時で は既に か な り の研 究が行わ れて お り18)『
2ω , 妥当 性が確か め ら れて い る方 法であ る。
§2.
解析方法 鋼構造 建 築 物 が火 災により加 熱 を受 けて弾 塑 性ク リー
プ変動 挙 動 を起こ し, 崩 壊に至る よ うな場 合を精 度良く 解 析す るために は, 鋼 材の高 温ク リー
プひずみ を含 ん だ一
152
一
弾塑性 域での応 力ひずみ関係な どの 材 料 的 非 線 形 性およ び変形と荷 重に よ る付 加 曲げモ
ー
メ ン トな どの幾 何 学 的 非 線形性の両方を 同時に考 慮す る 必要が あ る。
こ の よ う な複合非 線形問題に は, 有 限 要素法による解析が有 効で ある。
本 論 文で は,
薄 肉開断 面 材の有限変 位理論に基づ い て 定式 化さ れ た有 限要素法に, 材 料の構 成 則とし て既に著 者ら が提 案し て い る建 築 構 造 用 鋼 材の高 温 時の力 学モ デ ル を組み込む ことで,
H形 断 面 鋼 柱 部 材の熱 弾 塑 性ク リー
プ三次 元 変 形 挙 動 解 析 法を開 発し た。
な お,
本 解 析 法は汎 用 的なもの であり, 本論 文で取り 扱 う鋼 柱 部 材の 三次元 挙 動 以 外に も,
鋼は り部 材の横 座 屈 挙 動や鋼 骨 組の 三 次 元 変 形 挙 動の解 析に も適 用する こ とができる。 2−
1 解 析 上の仮 定 本 解 析 法で用い た解 析上の仮 定を以 下に示す。 1> 三次 元 的な広がりを持つ,
H形 断 面 鋼 柱 部 材を薄 肉開断面の線材とみな す。 2 ) 鋼 柱 部 材の 熱変形 挙 動 は 短い 時 間 間 隔の 増 分ス テッ プの連続で表し, あ る一
つ の増分ステッ プ内で は鋼 材 温 度と応 力は一
定であ り,
温 度と応 力の変 動は連 続す る増分ス テップの境界で の み起こ る もの と する。
そ して,
あ る増 分ステ ップで生 じ る高 温ク リー
プひずみ増 分は次 の増 分ス テップで考 慮する。
3) 鋼 材の応 力 状 態は垂 直応 力 σ とせ ん断 応 力 τの み か ら な る1
σ, τ1
応 力 場と し, 塑性域の応 カー
ひずみ関 係は vonMises
の 降 伏 条件を 用い た関 連 流れ則に従う ひ ずみ増 分 理 論 (流れ理 論)によ り 評 価 する。
4
) 高 温 時の 多軸ク リー
プひずみ は, vonMises
型の ク リー
プ・
ポテン シャル を用い た状 態 方 程 式 論 (ク リー
プ・
ポテ ン シ ャ ル理論 )に より評 価する。
5) 線 材 要 素の変 形は,
材 軸 方 向 変 形,
二 軸 方 向の曲 げ変形,
断 面の そ り変形,
サ ンブナンの ね じれ を含ん だ 材軸ま わ りの ね じ れ変形 を考慮す る。
6 ) 部材の局 部 座 屈な どによ る断 面形状の変化 や, 曲 げお よび 曲 げね じ れ変 形に よ る板 厚 中 心 面 内のせ ん断 変 形は無 視す る。
7 ) 断 面の降 伏状態に か か わ らず, 二軸方向の曲げひ ずみ に関し て は平面を保持しt そ り拘 束によ る ひずみは 弾性理論のそ り関数で表せ る。
8
) 断面の降伏状態にか か わ らずサン・
ブ ナンの ね じ りによ る せ ん断ひずみ は板 厚方向に直線分布す る。
9) 残 留 応 力は垂 直 応 力 成 分 σ。
の み を考 慮し,
常 温 時の残 留 応 力 σ。
に対 応する常 温 時の残 留ひずみ ε。
=
・a,/E
、 。が断 面に初 期ひずみ として存 在 する。 2−
2 建 築 構 造 用 鋼 材の高温挙動の構成 式 薄 肉 開 断 面 材の熱弾 塑 性ク リー
プ変 形 解 析を行う た め に は鋼材の1
σ,
τi
応 力場で の弾塑性ク リー
プ挙動を表す STRESS Q G5TRAIN :A) Chahge o響 σ一
ε Curve wlth Tempera 量ure STRESS O H STRAIN 〔B)Creep Strain ln⊂rement Fig.
1 建築 構造 用鋼材の高温 挙 動の力 学モデル 構 成 式が必要であ る。 単軸応 力 場の建築構造 用鋼材の高 温 挙 動の力 学モ デル は,
著 者ら に よ り実験 結果 に基づい て文 献 10)で提 案され て い る。
本解 析 法で は,
こ の 単 軸 応 力 状 態で の力 学モ デ ルを1
σ,τ}応力 場に一
般 化して 用いる。 著者らの提案する建 築 構 造 用 鋼 材の高温 挙 動の 力学モ デル は,
鋼 材 温 度 お よ び 応 力 が仮 定 (2)に従っ て階段 状に変化す ること を前提と してお り,
Fig.
1で説 明さ れ る よ う な もの』
で あ る。Fig.
1(A
>は,
ある温度 T‘−
1 に おい て応 力ひずみ状 態がGB
上に あ る 時に 温度が階段 状にT
‘に変 化す る と, 温度 変化後は応力ひずみ関 係はGEF 一
ヒを挙 動する こ とを表す もの で あ る。
またFtg.
1 〔B
)は応 力ひずみ状 態がD
点にあ る時に,一
定温度一
定 応 力 状 態 がAt
の間続く と, 図中に示す ε。 を累積ク リー
プひずみ と み な す ひずみ硬 化法 則に従っ て ク リー
プ ひずみ増分 Aεc が生 じ, ク リー
プひず み が 生 じ た 後 は 応 力ひずみ関 係はHKIJ
上 を挙 動す ること を表す も ので ある。 こ の力 学モ デ ル で注 意すべ き点を 列挙すると, 次の よ うに な る。i
)この力学モ デルに おい ても 次式は成り立つ 。 △ε= △ε。+ムε。+ ムε,+△ε,・
・
………
《 1 ) ここ で ,A
ε:全ひずみ増 分 Aεe :弾 性ひずみ増 分 △ε。 ;塑性ひずみ増分A
ε。 :グリー
プひずみ 増分A
εr :熱 膨 張ひずみ増分 ii>ひずみ硬化 則によ る増分ク リー
プひずみの計算に 必要な 累積ク リー
プひずみ εc はFig.
1(B}の AD で あ る。
iii>Fig.
1(B)の ク リー
プひずみ増分 Aεc は, 生 じ た後は塑 性ひずみ増 分と み なさ な くて はな ら ない。
こ の 点か ら はA
εp と △ε。の区別は ない。 以 上の 諸性 質を1
σ,
τ}応力 場の相 当 応 力i一
相 当 塑 性 ひずみ iρ 関係で満た す こ とに よ り,Fig.
1
の 単 軸応力一 153一
場の力 学モ デル を
1
σ,
τ1
応 力 場へ一
般 化 する。
具 体 的に は以 下に示 す計算方 法を用い る こ と で達 成さ れ る。 [Fig.
1(A)の力 学モ デル の }σ,
τ}応 力 場へ の拡 張] まず,
ある増 分ス テッ プ(ト1
}の最後に おいて,
そ の ステッ プの応 力 ai−
、に対 応す る弾性ひずみ ε,S.
1 を 求 めて お く。 こ の 計 算は ε et.
]=D
;2
.
iai−
i に よ り達 成さ れ る。 この時,
弾性マ ト リック スPet.
t の評 価に は(i
−
1) ステップでの 鋼材温度を 用い る。
この よ うにあ らか じめ 弾 性ひずみ ε,s,
1を求めて おき, 次の増分ス テッ プ(t)で は,
応 力を零に徐荷 し た状 態 を初 期 状 態 として, つ り合 い位 置の 計算の過 程で得ら れ る ひずみ増分A
εt との和 ε‘;
ε。t−
,+A
ε‘に対す る応力を求め る。 この計算 過 程に おいて は,
弾性 域で は次式のHooke
の法則を用いる。
A
σ・=D
。Aε一 ………・
…一 …・
……・
………
(2> こ こで,A
σ 7=
IA
σ ,A
τi
,
AεT=
IA
ε,
△ γ},
帯
、、毳
、]
E7
は初期 弾性 係 数, ンはボア ソン比である。
また,
vonMises
の降 伏 条 件で降 伏 判 定を行う 。f
=lf−
OeKi ρ); O− ……・
一 ………・
・
……一
(3
) こ こ で,i =
(ゲ+3
τ 2 )1 / t は相 当 応 力で あ り,
σ。Tは鋼 材の温度丁での単 軸応 力 場の降 伏 応 力 を表し,
相当塑 性ひず みEpの関数で ある。
塑 性域で は,
仮定 (3
)に従い 次の増 分 関 係 式 を用い る16)。A
σ= =(De
十D
ρ)∠1ε・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4 ) こ こ で,
D
・一一
k
[
、鳳
s
訓
Si=
Erσ’
,S2=Er
τtS =4
万 ZH ひ/9
十{Si
σ’
十2S2
τ),
σ
’
は偏 差 応 力であり,
猛 はひずみ硬化 率で ある。 塑 性 域で の相 当塑性ひずみ 増分 △ち は次 式で計 算す る。 Aiρ
=
=
(SiA
ε十S2A
γ)/(3S
/2万)・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(5) [Fig.
1(B
)の モ デル の1
σ,
τ1
応力 場へ の拡 張 ]1
σ,
τi
応 力場で のク リー
プひずみ増分 △ε。
i は仮 定 (4) に従い次式で計 算 するIT }。△εc ‘
=
3/(21デ)σ’
△εcビ…
一…
一鹽
噛
・
・
…
’
・
”…’
鹽
’
鹽
’
”
(6) こ こ で,
σ’
「・
=
i
σ’
,2
τ},Ae
。t は単軸 応 力 場で の クリー
フ ひずみ 増分で あ る。
この クリー
プひずみ増 分A
ε、‘は,
生 じ た後は 塑 性 ひずみ と み な す の で,
相 当塑性ひずみE
ρに AεCtを 加え,
弾 性ひ ず み ε tか らA
ε,tを減 ずる処 理が必 要で ある。 以 上の方 法で,
単 軸応力状態のFig.
1の 力 学モ デル を1
σ, τ1
応 力 場へ一
般 化する ことが できる。
一
154
一
STRESS
σσ=
CT
(
aT +εP)
nT\
”1
ノ ”σ= σ yT ’
o
PLAsTICsTRAIN
εp Fig.
2
鋼 材の ひずみ硬化曲線の近 似式 Tablel SS4 ユ鋼材の初期 弾 性 係 数お よ びひず み硬 化 曲 線の.
諸 係 数 TぐC) E・ノ恥 σ, ・lorvRT C・
!OVRT a・
ノεv・
・
10D200300400500600 LOOO 1.
000 0.
eg1 0.
952 0.
964 0,
BgT O.
919 0,
了51 0r956 0,
5認 O.
7T4 0.
OOO O,
675 0,
O.
3090.
3050.
3740.
3150,
3040.
19TO,
105 0.
00D 3 0,
000 3 0,
000 6 0.
0£0 4 0.
寵 叮 3 0.
166 1 0。
026 0T:tezape「atu「e
,
解:「 to「npera 加re,
E:Vou,
s 徊odu1 ロs σ y :yield strength,
εり=σり!E61
.
5 σyRT1.
O
o OO O 5 10 15 2025 ∈/EyRT Fig.
3 ss41
鋼 材 の 単 軸 応 カー
ひずみ関係 ま た,
熱 膨張ひずみ増分 は次 式で求め る。
A
εT・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
…
(7 ) Aε:・
‘=
0
こ こで ε7 は鋼 材の熱膨張ひずみで あ る。
なお,
式 (4)からわ か る ようにla
,
τi
応 力場の応 力 ひず み関 係の計 算には,
鋼材の 温度T
で の ひずみ硬 化 曲線 (σ一
εp 曲線 ) が 必 要 である。
本 論 文で は古 村ほ か に よる建 築 構 造用鋼 材の高 温 引 張 試 験 結 果の数 値 化デー
タ’n か ら直 接に σ一
ep 関 係の近 似 式 を 求め て計 算に用い た。
その 際,
σ一
ερ関 係の降 伏棚部分は次の (8 )式で, ひずみ硬化 域や高 温で の曲 線 形の σ一
εp関 係を (9
)式 で表し た (Fig.
2参 照 )。σ
=
σ。T・
・
………一 ・
一 ……・
………・
……・
…・
(8
)σ
=
cK αT十εP>nT・
・
tt・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
S・
・
・
・
…
(9 ) こ こ で, σyT
,
c7,
α T,
nT は温 度で決ま る定 数,
εp は 塑 性ひずみ である。
Table 1 に σVT,
CT,
aT,
nT の 値 を示 し た。 ま た,
Fig,
3に は式 (8),
(9)か ら計 算し た単 軸の σ一
ε関係 と文 献ll}の実 験 値と を 比較して示 して いる。
こ こで,
ε= σ/ET
+ ερと し た。
な お,
降伏 棚に お け る ク リー
プ 挙動の 計 算を可能に す る た め, 降伏棚部分に はE
,/1
000の こ う配 を 与え た。
2−
3 増 分 型の有 限 要素 法平衡 方 程 式の誘 導 本論文では,Fig.
5に示す よ うな線 材の有 限 要 素を直 列に連結し て,Fig.
4に示す鋼 柱 部 材 を表 現する。 こ の 有限 要 素は変形後の 2節 点 i,
j
を 通る直 線 要 素で あり,
節点i
に お け る節点変 位増分ベ ク トル A。U‘は次の 7成 分か ら な る。
△。U、
1 =IAeUi
,
AeVt,
Ae
ωt,
△θ佐‘,
△あi,
△。
θz ‘,△。
θ繍 し た がっ て, 2 節点i,
j
を持つ有限要 素の節 点 変 位 増 分ベ ク トJVA
。U は次 式の よ うにな る。
A
・U−{
1
:
:
:
}
…・
・
……・
・
………一 …tt…
(・D> こ こ で最 初に,
Fig.
5の有 限 要 素の ヱ 軸上の変 位 増 分ベ ク トル1Au
, Av ,Aω,
,
Aepe「を節 点 変 位 増 分ベ ク トルA
。U で表 す。 こ れ1
らの 二 つ の ベ ク トル を結びつ け る形 状 関 数 を,
要 素 間の 節点でAu ,
△v,
A
ω,
△砧,
△&,
Aeζ,
△磁 が 連続と な る条 件か ら 決 定 す、
る。
こ の 条件を 満たすには有 限 要 素の 材 長 方 向変 位増分Au
をx の 1 次 式と し,
面外 変位 増分Av ,
AtV
お よびね じ れ角増分 Ag を x の 3次 式と す れ ば良い。 す な わ ち 次 式 を 仮定す る。Au
Av=
A・
α…・
…・
…・
…・
…・
…・
…・
・
…・
…・
・
(11) AtV △ψ た だ し,
A−
[
∵
il
瓢
硫
」
α』1
α1,α ,,α ,,α、 ,α、,α、,α,,α,,α,,
α、。,
all,
an,
a、、,
a“l
dAv
dAzv
罐
奮
瀦 躍
こ
触
蛎
孫
蛤
末条 件か ら式 (11
)の未 定 係 数 α1−
a14 を求 める と,
次 式と な る。
a=T
−
]・
A
。U・
…・
………・
・
!……・
・
……・
一 一
(12).
た だ し,T
は有限要 素 長 〜で表され るマ トリック ス で あ る。
また, 有 限 要 素 内 部の任 意 点 (x
,y,
z)にお け る ひず / 殉下
L
上
X 険 \ bド
m
q
Mz
ボ
信
\ Fig.
4 鋼 柱 部材の解 析 モ デルt th Nodal
。,
ポ
ノ ・ ・spl・・ement・謬
瓢
∴
Fig.
5 H 形 断 面 鋼 柱 部材の有限要素 Zy
X}
1
翫
工
臥
JPt
[ffrb − (iOi
g
;
二
Wide
一
刊angeSection
dMded into elements Residuat Stress
Fig
.
6 断 面分割お よ び残 留 応 力 分 布み増 分は
,
薄肉 開 断 面 材の有 限 変位理論に基づ き・・
一
圀
一
… +A
・…一 ・
一 …・
……
(・3> と表さ れる19Lmo )。
式 (13)の AeL はひずみ増 分の線 形 成 分,
AeNL
は非 線 形 成 分で あり,
次 式で表さ れ る。
dAu
d2Av
d2AtV
dt
△ψ万
一ydx
・−
2d ゴー
ωd
コc・ AeL=
・・
窖
・
一
・
・
・
・
…
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(14) AeNL;
弖(
dAvdx)
!+壱(
Wt
。 w)
’d2
△vd2
△ω +z’
△¢dx
一 y’
Aq
dx2
0)
+去
(爵頚
絵
ψ)
2一 155一
一一・
・
・
・
…
一・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
一・
…
(15) こ こで, ω は そ り関数であり, n は板 厚 中心 線の進 行 方 向に取っ た接 線の右 側の法 線 方 向に正の向きを取る座 標で ある。
さ らに,
ひずみ増 分の線 形 成 分 AeL は式 (12} を考 慮して,
式 (ll) を微 分 することによ り得ら れ,
節 点変 位 増 分ベ ク トル A。U に より次の よ うに書くこ と がで き る。AeL ・h ・
Ai
,=h ・c ・T 『
i・
AeU =B ・
T
−
1・
△eU・
・
・
…
t−・
…
一
一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(16) こ こ で,h −
[
1 −
y−
zO
一
ω 00 02nO]
△・正
一
{
黌
d
詮
d
謬
砦
警
}
C
は式 (11
)の A を微分す ることによ り得られ るマ トリッ クス であ る。
一
方,
外 荷重 は節点の み に加わ り,
物 体 力は存 在し な い もの と すれ ば, 増 分型の仮 想仕事の原理は次 式で表さ れ る。
y
[
]
(crAei… +磁・
・+ ・△・}・)dV
一
δ∠」ε麗 7・
〔i『e=
十 ∠」’ex)=
O・
噛
一『
9−・
・
・
・
・
…
噛
鹽
鹽
鹽
・
・
(17) こ こで, V は体 積で あり,
(f。x +△f
。、〉は節 点 外 力ベ ク トル で ある。 式 (17)の第 1項は式 (16)を用い て δ述 eε・
△σ=
祕 e}D
。P・
△θ、=
aA.
u’・
T−
IT・
B”Deρ・
B・
T
”・
AeU………・
・
…・
・
…・
・
…・
………・
・
(18> こ こ で,
Dep=De
十Dp で ある。
ま た,
式 (17)の第2項は式 (15) を 考 慮し て,
次 式で 表され る。
δAe:L・
σ=
δム ε畧・
NO ・
Aia ……・
…・
………・
…
(19
) こ こ で,
齢
{
砦
d
謬
軆
砦 讐
・・}
N
。= σ’
9
σ・
・
(yt十z2)σ・
’
zσ’
−
yσ 2σ一
yσ さらに,
Aic は式 (ll >,
(12
)を用い る と次式で表され る。 AEa=
G・
T−
i・
AeU……t・
…・
・
……・
・
一
・
…tt・
t…
(20
) こ こ で,
a は式 (11)の A を微 分して得ら れ るマ ト リッ ク ス であ る。 し たがっ て,
式 (19 )は次 式と な る。
δ
Ae
再L・
σ= δAeU
『・
T−
IT・
c
’・
IVo・
G・
T−
i・
4er・
一 156一
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
t−・
・
・
…
−
tS(21> 最後に, 式 (17
)の第3
項は式 (16 )よりa
∠Le
五.
σ= δ∠S
.uT・T −
1「・
BT .
σ・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
−s…
t・
(22) と表せ る。 式 (18),
(21 ),
(22 )を仮想仕事の原理 (17 :1 式に代 入し,
aAeU の任 意 性を考 慮 することに より,
次の増分 形の有限 要素法平 衡 方 程 式を得ること ができ る.
.
(
ke
ρ十kG
)・
∠SeU
= (ノ『hn
→一
∠lfex
)− fiN・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(23
)こ こで,
k
,p− T −
lr・
(
X
]
・T・
D・p・
B・
dV
)
・
T
『
Ik
・− T −
1・・
(
X
]
G
’・
N ・・
G ・
dV
)
・
T −
1f
・N− ・T
−
・《∫
げ・
σ・
dV
)
…
一
(24) と表さ れ,
k。
p は弾 塑 性 剛 性マ ト リッ クス,
k
,は初期応 力 剛 性マ トリッ クス,
(f
。x+△f
。r)は外 力ベ ク トル,
fEN
は内 力ベ ク トル,A
。U は節 点 変位 増 分ベ ク トル であ る。
式 (23>を全 体座標 系に座標 変 換し,
部 材全体につ い て重ね合わ せ ること に よ り全 体 座 標系にお け る平 衡 方程 式を得ること が で き る。
な お, 式 (16)と式 (20)の一
部を式 (13)に代入 す る と, 有 限 要素内の ひずみ増 分 △ e を節 点 変位 増 分 A,U によ り求める ことがで きる。
2−
4 数 値 計 算 法 2−
1で述べ た鋼 材の 温 度と応 力に対す る仮 定 (2),
2−
2で示 し た1
σ、
rl応 力 場の建 築 構 造 用 鋼 材の熱 弾 塑 性 ク リー
プ挙 勤 構 成 式,
2−
3で誘 導 した増 分 型の有 限 要素 法平衡方 程式 (23 )な どを用いて, 鋼 柱 部 材の熱 弾 塑 性 ク リー
プ変形挙動の数 値 計算を実 行する ことができる。 本 論 文で 用いた計 算 手 順は, 時間に伴っ て変化 する鋼 材 温 度をス テッ プ・
バ イ・
ス テ ッ プに入 力し て.
, 各 増 分 ステップにおける平 衡 状 態 を イテレー
ション計 算 を用い て求め る ス テ ッ プ・
イテ レー
シ ョ ン型の増 分 法に従っ て い る。
具 体 的 な計算手 順の フロー
チャー
トは 文 献 4)と 類 似 したもの となる の で こ こで は省 略す る。式 (
23
)の剛 性マ ト リッ ク ス k。p,
kcや内 力ベ ク トル ftnを求め るに は有 限 要素内で積 分 を 行う 必要が ある。
本 解 析 法では,
1
σ,
τ}応 力 場の非 線 形 挙 動 を取り扱 うた めに有 限 要 素の両 材 端の 断 面 をFig.
6に示す よ うに分 割し,
こ の断 面 小 要 素の中心点の ひずみと応 力を追 跡す る20 ,。 そ して,
有 限 要 素の両 端での み断 面の面 積 積 分 を 行い,
これ らの面 積 積 分の値 が 要 素 内では線 形に変 化し て い ると仮 定して要 素 全 体の積分 を行っ た19>。
本 解 析の よ う な複 合 非 線形解 析 法は, 信頼で き る実験 例を解 析して,
解 析 結 果と実 験 結 果とを比 較す る以 外に 妥 当 性を直 接 的に確か め る適 当な方 法は無い。
し か し,
高 温 加 熱を受 ける鋼 柱 部 材の 三次 元 挙 動の信 頼できる実験は行わ れてい ない の で
,
現 時 点で この よ うな直 接 的 な 妥 当性の確認 を行うこ とは できない。
こ こ で は, 間接 的 に妥当性を示す例と し て, 常温 で行わ れ ている鋼 柱 部 材 の荷重・
変形関 係実験例を解 析し,Appendix
に示 した。
§3,
解析例お よび 結 果の考察 本 論文で はFig.
4
に示すH
形断 面 鋼 柱 部 材を計 算 例 に選 んだ。
これは両 端 をピン支持され, 材 端の断 面の重 心位置に一
定の軸 方 向 圧 縮 力P が加わ り, 柱 部 材に単 曲率の変形 を 生じ る ように両 端のZ
軸 と y 軸ま わ りに 曲 げモー
メ ン トMz,
My が働くもの で ある。
本 論 文で は材 端の断 面のy,
Z 方 向に加わる曲げモー
メ ン ト荷th
My,
M .の組み合わ せを表 すパ ラメー
タ γを 次式で定 義 する。
γ=
My /M2・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(25> こ こ で, My;My
/Mpc.
y,
mz 〒 M/Mρc.
z で あ り,
Mp。
,
s,
M
ρ。
,
t はそ れ ぞ れ軸 力による低 減 を考 慮 し たy
軸 お よ び Z 軸まわ りの全 塑性モー
メ ン トである。
こ の計 算 例 を用い て, 次の 2種 類の解 析 を 行っ た。 (解 析 例 1) ある一
定の鋼 材 温 度 T 下で材 端 曲げモー
メ ン トM。
,
My と材 端 回転 角θ。,
θ。の関 係を求め る。 (解 析 例 2) ある一
定の荷 重P ,M
。,
砥 下で鋼 材 温 度T
を時 間と と も に 上昇さ せ,
鋼柱 材の崩 壊に至る ま で の変 形 挙 動を求め る。 (解 析例 1 )は,一
定の高温状態で鋼柱 部 材の 荷重変 形 関係を調べ ること に よ り,
高 温での鋼 柱 部 材の耐 荷 性 能の 目安を得る もの で ある。
現実の実 験に よ りこ の よ う な荷重変形関 係 を求めると, 載 荷 過 程に おい て多 少とも 高温ク リー
プひずみが 生じ,
曲 げモー
メ ン ト荷 重が低 下 す る 方向に 影 響 す る もの と 思 われ る。
こ こ で は高温ク リー
プひずみ を計算に考慮し ない で1 各温度に おける荷 重変形 関係の最 大の も のを求め る。
(解 析 例2
}は,
一
定の外 荷 重作 用 下で 非 定 常 加 熱を 受ける鋼柱 部材の崩 壊に至る ま で の変形 挙 動の解 析 例で あ る。
こ こ で は, 高 温ク リー
プひずみ の影 響を調べ る た めに同一
の解 析 例につ き高 温ク リー
プひずみ が 起こ らな い と仮 定して解いた弾 塑 性 解 析 と高 温クリー
プひずみ を 考慮して解い た弾塑性ク リー
プ解 析 め二種 類 を行っ て比 較 してい る。
Fig.
4の柱部 材の断面はH −200
×200
×8×12,
部 材の 細 長 比はL
/ r 。=
30
(L
/ r.=
51
)と し,
軸方 向に は常温 時の降 伏荷 重PyRT
=A ・
aVRT の0.
3
倍の圧縮 荷 重が加わ り,
材端にお け るね じれ と断 面のそり変 形は完 全に拘 束 さ れ る も の と し た。
数値 解 析に当たっ て は,
系の対 称 性に より柱の半 分の み を取り扱い,
材 長 方 向に 10個の有 限 要 素に等 分割 し,
部 材 断 面は断面の フ ラン ジ,
ウェ ブと もに板の中心線 方 向に 10分 割 し,
板厚 方 向に 6分割し た。
また,
断 面の 残 留 応 力は Fig.
6に示す よ う なLehigh
タイ プと し,
σ。。/σ。RT; O.
3を仮定し た。
鋼 材はSS
41 と し, Table 1の σ一
εp 関係デー
タを 用 い , σyR7;
2.
49 (t/cm2 ),E
, .=
2100 (t/cmi ), v=0.
3 とし た。
単 軸の高 温ク リー
プひずみ式に は次 式 を用い た5 }。
ec=
loa〆 T+
b・
σc / 「+
d・
te7←
tl・
・
一
一
・
・
・
…
−t・
・
・
・
・
・
・
・
…
(26) こ こ で,
ε。
(% )は第一
期ク リー
プひずみ,
T(°
K
) は絶 対 温 度,
σ (kg/Mm2 )は応 力,
t (分 )は時 間で,
a〜
f
は定 数で あり,
α=−
7.
45×IO3,
b=
3.
71,
c= 、
1.
78XIOs,
d =
1.
82,
e=
6.
47×10−
4,
ノ=−
1.
51
× 10−
i と し た。
熱 膨 張ひずみ式に は次 式を用い た4} 。 εT;5.
D4
>〈IO’
9・
T2
十1.
13
×10
−
5・
T ・
・
・
・
・
・
…
tt
(27
) こ こで,
T (℃ )は 鋼材温 度で あ る。
3−
1 解 析 例 1の結 果 本 例で は γ=0.O,0,25,0.5,
ユ.
0,2.0,
DO の’
6
種 類の 場 合を解析 し た。 γ=
0.
0の場 合は,
材 端の断 面の強 軸 (Z
軸)ま わ り に のみに曲げモー
.
メン ト荷ig
M
。が加わ る も のであ る。
こ の場 合,
鋼柱 部材 は曲げ ね じれ座屈 お よ び座屈後 挙 動 を示す。 ただし本 論 文では,
固 有 値 解 析 的な意 味で の 曲 げねじ れ座屈 や座屈後 挙 動 解 析を行っ たの で はな く, 鋼 柱 部 材 に あら か じ め微 小な初 期た わ み w 。お よび ね じれ角 ψ。 を与えて おき,
材 端 回 転 角 を 変 位 制 御 する ことに より荷 重 変 形 関 係を求め て い る。
面 外 初 期た わ み W。 は材長の 1/1000 を最 大た わみ と する半 波正弦 波 形を,
初 期ね じ れ角 ep。は強軸曲 げ を受け る場 合の引っ 張り側フ ラン ジ の面 外 た わ み が0
に な る よ う に 仮 定 し た。
γ=
O.
25,
0.
5,
1.
0,
2.
0の場 合は材 端の断 面の 二 軸ま わ りに曲 げモー
メ ン ト荷 重が作 用 するもの で あり,
γ=
。。の場 合は材 端の 断 面の弱 軸 (y 軸 )まわ り に の み 曲 げモー
メ ン ト荷重 My が 加 わるもの である。
本 論 文で は,
γ一
〇.
0
以 外の場 合で は初 期た わ み は与え ない で解 析を 行っ た。
計算上の載 荷 手 順 は, まず一
定の温 度 T 状 態で 目標 の軸方 向 荷 重P
を加え, そ の後 材 端 曲 げモー
メ ン ト荷 重Mz ,
My
を加える。 曲 げモー
メ ン ト荷重砥 とMy
の 間の関 係 My=
7
・
Mx (こ こ で,
7 =
γMp。,
y/M
岬 〉を満足 し, 同 時に曲 げモー
メ ン ト荷 重が低 下 する不 安 定 領 域ま で の挙 動 を追 跡 する た めに は,
複数の荷重 間の関係を 満 足 す る変 位 制 御 法 を用い る必 要が ある。
ヒこで は,
文 献21
)の方 法に従っ て平 衡 方 程 式 (23) を変 換し,
材 端 回 転角 θ。+ア・
θ.を 制 御 量とする変 位 制 御 法を用い て荷重 変形 関係を求め た。
Fig.
7は γ=
e.
O,
1.
O,
・。 の場 合の材 端 曲げモー
メ ン ト材 端 回 転 角 関 係を示 し た もの で あ る。
Fig.
7の γ=
o.
oの場合では,
参考の た めに 面 外 変 形一
157
一
晦 1
,
0 Mpc.
z 0.
5 OOO 1,
0両
O.
5 0,
0 0 2 4 6 0 2 銑/epc.
z θy/e、
y 2 4 0 θz/θpc.
z 1.
o MyMPt、
y 0.
5 0.
O o 2 4 ey/epc.
y 2 4 ey/ep⊂,
y Fig,
7 鋼 柱 部材の材 端 曲 げモー
メ ン トー
材 端 回転 角 関 係 を完 全に拘 束され た構 面 内 挙 動 解 析の結 果 も破 線で示し ている。
実 線 と破 線 を比 較 する と,
鋼 材 温 度が300°
C −
500℃ の場合で も最 大 曲 げモー
メ ン トが曲げね じ れ座 屈 挙動によ り支 配され て い る こと が わか る。Fig,7
の γ=
1,
0
の場 合は2 軸 と y軸ま わ りに1
司時に 曲げ モー
メン ト荷 重が加わ る 二軸 曲 げ問 題の例であり,
Fig.
7の γ;
。。 の場合は弱軸 曲げ の例である。 γ=
。。 の 場 合は,y
軸方向に変 位を 生じ ない の で, θ。
の結 果は 省 略し た。
Fig.
8は全解析 例の最大 曲 げモー
メ ン トを my−
Ma 面 上に示し た相 関 曲 線である、
こ の図による と,
最 大 曲げ モー
メ ン ト m9 +城 は γが大きい ほ ど,
ま た鋼材温一
158
一
My 1,
0 Mpc.
y 0.
5 00 00 0.
5 1、
O Mz /Mpc.
z Fig,
8 鋼 柱 部 材の各温 度に お ける最 大 耐 力の相 関 曲線 旦 険 1.
0 0.
5 go O,
O O.
25 0,
5 1,
0 2.
0 ◎ ◎1
Fig.
9 鋼 柱 部 材の最 大 耐 力の温 度によ る低下 度が高い ほ ど小さ く な る傾向が見ら れ る。
ま た,
γ=
0.
0の鋼 材 温 度 30q−
40e℃ の場 合は,
最 大曲げモー
メ ン トの値 がか なり高く なっ て い る が,
これ は Fig.
7か ら判 断 する限り γ=
0.
0
の場 合は,
材 料が 十 分1にひずみ 硬 化 域に達 し た時点でM 一
θ関係の 最 大 値 が生じてい る た めであ る。 γ=
。 。 の場合などは, 材料の ひずみ硬 化の 影響 が 現れ る以 前に荷 重の低 下が起こ る傾 向に あ る。Fig.
9はすべ て の計 算 例の各 温 度の最 大曲げモー
メ ン トの値 を常 温 時の最 大 曲げモー
メ ン トの値で除し た結 果 を,
γを横 軸に して表し たもの であ る。 こ の図に よる と,
鋼 材 温 度300〜
400°C
の場合では γ=
O.
0か ら γ;
O.
5の 間で最 大 荷 重の著 しい低 下が見ら れ る。
これは本 例の場 合,
わずかで も弱軸に曲げ モー
メ ン トが加わ る と, 鋼 材 温 度 300〜
400°C
の最 大曲げモー
メン トの常温時の最 大 曲げモー
メ ン ト に対する比は,
弱 軸の み に曲 げモー
メ ン トを受ける場 合の そ れに急 速に近 づ くこ と を意 味してい る。
3−
2 解析例 2の結果 本 例では, 曲 げモー
メ ン ト荷 重の三種 類の組み合わ せ 比 γ=
0.
0,
1.
0,
。。 を用い た。 また,
曲げモー
メ ン ト荷ez 蘇 4 2 oey
嘱
4 2 oo θz 照 4 2 0 θy 100 200 300 400 500 600 Terrbperature(°
C) 砺 4 2 Oo 9y 百隔 4 2 100 200 300 400 500 600 Temperature (℃) OO 100 200 300 400 500 600 Temperat 凵re (°
C) Fig.
1G 鋼 柱 部 材の材 端回転 角の温度歴 重の大 き さは 3−
1で求め た常温 時の最 大値のO.
2,
0.
4,
0.
6倍の三種 類 を 設 定した。
な お,
鋼 材温度は ユ20
分 間 に 0℃ か ら 600°
C
ま で時間に対して線形に上昇す るも のと し た。 計 算におい て は, ま ず目標の軸 方向荷 重P
お よ び曲 げモー
メ ン ト荷 重 乢 ,M
。を加えた後,
こ れら を一
定に 維 持したま まで鋼 材 温度T
を上 昇さ せ た。 Fig.
10に計 算 結 果の う ち材端回転 角佐、
& の温 度 歴 を示した。すべて の計 算例で,鋼材温度が 上昇 するに従っ て 変形が増 加 し,
最 終 的に高 温 状態で外 荷 重P
,砥,My
を支え るこどがで き な く なり崩 壊 する挙 動 を示して い る。
Fig.
11はFig.
10の実 線と破 線の 値の比の 温 度 歴を 示し たもの であり,
高 温ク リー
プによ る変 形の増 大を表 し て い る。
こ れ による と450℃ を 超 える あた りから高 温ク リー
プの 影 響に よる 変形は顕著に な り,
500℃ で 1.
5倍 程 度,
550℃ で約2
倍程 度まで急 激に増 加す る傾 向があること が わ か る。
4.
0 θep ⊂ θep3、
0 2.
0 1.
0 0.
0 300 400 500』
600 Temperature(°C ) Fig.
11 鋼柱部材の材 端 回 転 角の高 温クリー
プの影 響に よ る増 大 600Tcr (°C
) 500 400 300 0.
0 1.
O ◎QT
Fig 12 鋼 柱 部 材の崩 壊 時の温度Fig.
12
に は本解析 例が崩 壊を起こす時の鋼 材温度を γを横 軸に し て示 し たもの で ある。
Fig.
9の結 果か ら十 分に予 測され る ことである が, γ の違い に よる崩 壊 温 度の違い は, 曲 げモー
メン ト荷 重が m;
O.
6の場 合におい て顕 著に現れ る。
ま た, 本例の場 合では高温 ク リー
プひずみの影 響によ る崩 壊温度の低下 は約 20℃ 程度であること が わ か る。 §4.
結 論 本 論 文で は,
著 者らが提案す る 建 築構造 用 鋼 材の高 温 挙 動の力 学モ デル を有 限 要 素 法に よ る薄 肉 開 断 面 材の非 線 形 解 析 法に組み込む ことで.
,
鋼 柱 部 材の 熱 弾 塑 性ク リー
プ三 次 元変形挙動解析法 を開 発し た。
ま た,
H
形 断 面 鋼 柱 部 材の 2種 類の高 温 挙 動を解 析し,
その結果の範囲内で, 次のよ う な結論を得た。 1) 高 温 状 態で強 軸 曲 げ を受け る場 合で もt 曲 げね じ れ座屈挙動が起こり最大耐力が低下す る。2
) 二 軸 に曲 げモー
メン ト荷 重が加わ る 場合の, 300℃−
400℃ の場 合 と常温 時の 場 合の間の 最大 曲 げ モー
メ ン トの比は,
弱軸のみに曲げモー
メン ト荷重が加一 159L
わ る場 合の そ れ に近く な る
。
3) SS 41の本 例で は高 温ク リー
プの影 響に よ り, 崩 壊 温 度が20°C 程 度 低 下し,
変 形 量は550℃ で約 2.
0倍 程 度まで増加 す る。
以 上の結果は,
わずか な計 算 例から得 られた傾 向であ る が,
いずれ も高 温 時のH
形 断 面 鋼 柱 部 材の三次 元 変 形 挙 動 研 究の必 要 性を示す例とし て興 味 深いもの である。 今 後は,
SM 50鋼 材の 場 合 を も含 めて柱 部 材の細 長 比 や軸 力 比,
荷 重モー
ド,
材 端の そ り変 形の拘 束の影 響・
な どの パ ラ メー
タ を広 範 囲に設 定し た解析を実行し, 合 理 的な耐 火 設 計 法の開 発に役 立つ 資 料 を得るような系 統 的な研究を行う 必要が あ る。 ま た,
鋼 柱 部 材の三次 元 挙 動に関す る実験例の 蓄積を 図 る と と もに,
実 験 結 果と解 析結果との比較を行うことに よ り解 析 法の妥 当性を調べ る よ う な 研究も必要である。
謝 辞 本研 究の一
部は, 昭 和62年 度 竹 中 育 英 会 建 築 研 究 助 成 金の援助 を 受け て行っ たもの で ある。 こ こ に記して深 く感謝致し ま す。
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