RAILWAY ELECTRICAL ENGINEERING ASSOCIATION OF JAPAN
KANSAI
第 35 号(電子版)
RAILWAY ELECTRICAL ENGINEERING ASSOCIATION OF JAPAN
KANSAI
シンフォニー 安全性とサービス水準を高めた 大阪環状線新型車両「323 系」 2016 年 12 月 24 日デビューしました。 〔西日本旅客鉄道株式会社 提供〕323 系 デビュー!
- 目 次 - 支部長年頭挨拶 ・・・・ 1 支部運営委員会報告 ・・・・ 1 講習会 ・・・・ 2 研修会 ・・・・ 3 各社局の話題・工事紹介 ・・・・ 4 職場紹介 ・・・・ 9 編集後記 ・・・・ 9REA
2 0 1 7 年
1 月
【 支 部 長 年 頭 挨 拶 】
新年あけましておめでとうございます。皆様におかれましては、新しい年を健やかにお迎えの こととお慶び申し上げます。 関西支部の会員の皆様には日頃より多大なるご協力を賜り、役員会をはじめ、設備調査専門委 員会や講習会など、支部活動を活発に進めることができました。これもひとえに皆様のご協力と ご理解の賜物であると感謝しております。 さて、昨年を振り返ってみますと、3月に北海道新幹線の新青森~新函館北斗間が開業し、北 海道から九州まで新幹線のネットワークが拡大しました。この開業に合わせて、第2回支部運営 委員会では北海道新幹線を視察し、在来線と共用走行できる三線軌道や冬期のポイント不転換対 策が実施された三線分岐器などの施設を見学させて頂きました。 また関西では、「京都鉄道博物館」の開業や伊勢志摩サミットの開催など、明るい話題が続い たほか、2016 年の訪日外国人数は前年比 22%増の 2,404 万人(過去最多)となるなど、インバ ウンド需要が各社様の輸送成績にも大きく寄与しているものと考えており、引き続き更なる需要 の創出を期待したいところです。 一方、昨年は駅ホームからの転落事故が続けて発生し、同種事故の再発防止など安全性の更な る向上が社会的要請となりました。可動式ホーム柵の設置や駅係員等による乗降時の誘導案内な どハード面・ソフト面の総合的な対策が急務となっております。われわれ鉄道事業者は、鉄道を ご利用されるお客様の安全輸送はもちろんのこと、快適で利便性の高いサービスを提供していか なければなりません。設備を適切に維持し、技術力向上に向けた努力をさらに積み重ねて、信頼 される鉄道を目指していくためには、皆様との情報交換や連携が必要不可欠だと認識しておりま す。 最後になりますが、新しい年が関西支部の皆様にとって更に良い年になるとともに、当協会が ますます発展することを祈念いたしまして、年頭のご挨拶とさせていただきます。 (阪神電気鉄道株式会社 門林 保典)【 支 部 運 営 委 員 会 報 告 】
平成28 年 10 日 13 日(木)青森県にて、支部運営委員及び支部監事他総勢 31 名にご出席賜り、 平成28 年度第 2 回支部運営委員会を開催しました。会議に先立ち、平成 28 年 3 月に開業した北 海道新幹線と在来線の分岐ポイント等が見られる新幹線ビュースポット(木古内町)に訪れまし た。そこで青函トンネル方から木古内駅へ走行する北海道新幹線H5系を見学した後、木古内駅 で「はやぶさ号」に乗車し新青森駅へ移動しました。 委員会では、関西支部の総務幹事、専門幹事、運営幹事が進めている各々の活動について「平 成 28 年度事業経過報告及び事業計画」にもとづき報告を行い、関西支部の更なる発展に向けて 活発な議論を行いました。 支部運営委員会 北海道新幹線H5系 (阪神電気鉄道株式会社 岡田 吉弘)【 講 習 会 】
今年度の講習会は既に6回実施しており、延べ219名の方に受講いただいております。特 に、第1回「電力用電線の劣化診断」では募集人数を大幅に超える応募がありましたので、第 3回として同じ内容の講習会を追加で開催させていただきました。テーマに対する会員の皆さ まの関心の深さについて知ることができました。その他の講習会につきましても、例年好評を いただいているテーマから最新技術の情報を盛り込んだ内容のものまで、いずれも幅広い知識 および技術の習得に貢献できたと考えております。 今年度は2月にあと1回予定しておりますので、引き続き奮ってご参加くださいますようお 願い申し上げます。 (神戸電鉄株式会社 森内 和也) 2016年度 講習会実施状況と今後の予定 回 次 開催日 講 習 内 容 場 所 講師会社 参加 人員 [名] 1 4 月 13 日 電力用電線の劣化診断 ハービス PLAZA 5階 2号室 住友電気工 業 50 2 6 月 10 日 IoTとAIの最新動向と鉄道への適用につ いて ハービス PLAZA 5階 3号室 日本電気 35 3 6 月 27 日 電力用電線の劣化診断(4/13 と同内容) REA 大阪事務 所 講習室 住友電気工 業 40 4 11 月 10 日 鉄道と情報システム ハービス PLAZA 5階 3号室 日本電設工 業 28 5 11 月 14 日 連動図表の読み方(初級編) JR西日本 社員研修センタ ー JR西日本 41 6 12 月 13 日 連動図表の読み方(中級編) ハービス PLAZA 5階 2号室 JR西日本 25 7 2 月 2 日 (予定) CBCT(無線を用いた自動列車制御シス テム)について 阪急本社ビル エコルテホール 日本信号【 研 修 会 】
鉄道電気関連設備やその他の先端技術を用いた最新設備などを見学することにより、ご参加の 皆様方の幅広い知識の習得や、業務への活用の一助となるよう研修会を実施しております。 2016 年度の第1回目の研修会では大阪高速鉄道株式会社様の設備見学、第2回目ではヨシモト ポール株式会社様の鋼管柱加工技術等を見学させて頂きました。 11月2日に開催しました第3回目の研修会では、大阪市交通局様にお世話になり、「輸送の 生命館」にて、安全研修の短縮版を体験させて頂きました。 今年度は全4回の研修会を予定しており、次回開催となる第4回研修会では、株式会社てつで ん様の豊中工場への見学を2月21日に予定しております。 今後も会員の皆様方にとって有意義なものとなりますよう各種研修会を企画して参りますの で、奮ってのご参加をお待ちしております。 (西日本旅客鉄道株式会社 田村 優二郎) 【2016年度 第3回研修会の風景】 研修概要等説明 施設内見学 2016年度 研修会実施状況 行事 開催日 研修先 研修施設 第1回 実施 6 月 3 日 大阪高速鉄道(株) 大阪モノレール車両基地の見学 【参加人員】47名 第2回 実施 9 月 13 日 ヨシモトポール㈱ 各種支柱製造等工程の見学 【参加人員24名】 第3回 実施 11 月 2 日 大阪市交通局 「輸送の生命館」の見学 【参加人員50名】 第4回 予定 2 月 21 日 ㈱てつでん 鉄道電気設備、作業用安全装置製造工程見学 【募集人員40名】 2017年度 研修会実施予定 行事 時期 研修先 研修施設 第1回 予定 5 月 未定【 各社局の話題・工事紹介 】
■近畿日本鉄道株式会社
○大阪地区総合指令所構築工事について 近畿日本鉄道では、鉄道輸送の品質向上、危機管理体制の向上を図るため、大阪地区の分散し ている指令を一ヶ所に集める総合指令の構築を計画し、平成29年3月より本運用開始を予定し ています。 大阪地区総合指令は、運転指令、検車指令、旅客指令、電気指令、工務指令の5つの指令で編 成し、126駅の運行管理、51変電所の電力管理を担当しています。 今回の構築に合わせ、システムの老朽化が進んでいた上本町地区列車運行管理システム、電力 管理システムをはじめとした各種設備の更新を行いましたので概要を紹介します。 列車運行管理システムは、線区毎に1組の中央処理装置を設置する、線区集中型の制御方式を 採用し、シンプルで合理的な構成としています。さらに、生駒線・田原本線の制御対象化し、全 線区の自動進路制御が可能となりました。 運行表示盤は67インチ×5面の DLP 方式を各線区に採用し、視認性の向上だけでなく、車種 情報など表示内容の充実を実現しています。また、マンマシン操作はマウスだけでなくタッチパ ネルディスプレイの採用により、ダイヤの変更入力、信号機の遠隔制御等を行う際直感的な操作 が可能になりました。 新機能として、通常業務で使用している社内OA パソコンで列車の在線位置閲覧や情報照会に より運行状況を把握できるWebTID 機能を新設しています。さらに実績ダイヤを元に走行を模擬 する訓練モードや連動再生モードなど日々の訓練や業務に活用できる独立した訓練卓を設けま した。 図1:運行管理システム構成図 電力管理システムは、中央処理装置を冗長構成としました。制御監視専用伝送路を従来のメタ リック回線から大部分を光回線に移行し、伝送方式はイーサネット方式を採用しましています。 これにより、制御所―被制御所間で高速化・大容量のデータ送受信が可能となり、中央処理装置 に詳細な故障情報、計測情報、保全情報を取込みました。加えて、変電所に新設したWeb カメラ と接続して、変電所の画像監視を実現しています。新機能として、ユーザーメンテナンス機能を搭載し、被制御所で機器構成等変更の際に制御所 ―被制御所間で伝送入出力するためのポジション情報、故障処理の判定及び条件、計画休送電の 制御手順、電力系統図等の各種画面の変更についてユーザーで行うことを可能としました。また 独立した訓練卓を設置し、いつでも指令員が訓練できる環境を構築しました。訓練用の中央処理 装置は非常時に制御用の中央処理装置としても運用可能な構成としています。 図2:電力管理システム構成図 指令業務連絡に必要となる運転指令電話、電力指令電話、指令無線中央装置、通話録音装置も 更新を行いました。運転指令電話、電力指令電話は中央装置だけでなく、子機の更新を行い、指 令操作盤にはタッチパネルを採用、省スペース化を実現しました。デザインについてもボタンサ イズや色などを運用において最適なレイアウトで構成しました。指令無線は操作卓を含めた主要 部分を二重化し、冗長性を確保しています。 図3:指令電話システム構成図 今後は、列車運行管理システムを活用したお客様への情報提供サービスの拡充や、南大阪線・ 道明寺線・長野線・御所線・吉野線担当の運転指令所の総合指令室への移転および列車運行管理 システムの更新を計画しています。
■西日本旅客鉄道株式会社
○在来線列車無線のデジタル化工事について JR 西日本ではアーバンエリアの 14 線区、約 570km にわたり在来線列車無線のデジタル化工 事を進めています。平成29 年 1 月 18 日、宝塚線(尼崎・新三田間)で当社初となるデジタル方 式の列車無線を使用開始しました。 アナログ方式からデジタル方式に更新するため、地上設備と車上設備すべての取替が必要です。 地上設備は線区毎にチャンネルを割り当て、線区間で混信が起こらないようにしているので、線 区単位で施工を完結できます。しかし、アナログ方式からデジタル方式への切替を全線区ででき るだけ短期間に行うため、地上設備の工事は各線区で並行して進めています。一方、車上設備は 列車が線区をまたがって運行するため当該線区に乗り入れをしているすべての列車で取替が完 了しないと切替ができません。この工事は平成 22 年にデジタル方式での更新を意思決定し着手 しましたが、前述の条件を踏まえた工程を経て6 年半余りの歳月をかけ切替を迎えることができ ました。 デジタル化のメリットは、①通話品質の向上、②通話回線数の増加、③データ伝送の実現があ ります。①の通話品質については、デジタル方式にすることにより 0(無音)か 1(ノイズのな いクリアな音)かになります。電波の受信状態を向上させ安定した通話ができるよう、地上設備、 車上設備とも受信アンテナを2 本に増やし、ダイバーシティ受信を行うようにしました。②の通 話回線数は、これまで1 チャンネル 1 回線でしたが、デジタル方式は周波数の占有帯域を狭める ことで利用効率を2 倍にすることができるため、これまで使用していなかったチャンネルの活用 も合わせ、1 チャンネル当りの回線数を第一通話、第二通話、データ伝送の 3 回線に増やし、更 に全チャンネル共通の旅客一斉情報も実現します。迅速な指示、情報伝達が可能になります。③ のデータ伝送は、無線機の制御や ID による個別列車の特定などが可能になり、列車を指定して の通話も可能になります。 今回の宝塚線の切替では第一通話とデータ伝送を使用開始しました。次年度中に残り 13 線区 の切替を順次行い、その後第二通話、旅客一斉情報を使用開始する計画です。切替後は特にトラ ブルも無く運用されており、指令員、乗務員からは通話品質が良くなったという声を頂いていま す。■阪堺電気軌道株式会社
○天王寺駅前~松虫間軌道移設工事について 阪堺電気軌道では、天王寺駅前~松虫間軌道移設工事の切替工事を平成28 年 12 月 2 日(金) に行い、翌3 日(土)から新線の営業運転を開始しました。 この工事は、大阪市が行う阿倍野地区市街地再開発事業に伴うあべの筋拡幅工事に伴い、天王 寺駅前、阿倍野停留場を含む約0.6Km の併用軌道の移設工事です。 当社で初めての大規模な切替工事ということもあり、11 月 30 日の終電車後に上り線のみ仮切 替を行い、電車を新線に入線させて、電車での架線電圧やパンタグラフの状態の確認等、走行試 験を実施しました。また、トロリ線上に設置しているトロリコンタクターの動作試験を行うこと で、本切替の準備作業が確実なものとなりました。 電線路設備において、支持物を鋼管柱でのセンターポールとし、濃い茶色を塗装することで、 今回、当社で初めてとなる芝生軌道との調和を図っています。くわえて、夜間には、センターポ ール上に設置した、LED 照明が点灯することで、街の景観向上に期待をしています。 電車線については、可動ブラケットで架線の支持を行い、き電ちょう架を採用することで、シ ンプルで近代的な構造としました。 停留場における照明設備には LED 照明を採用しました。また、天王寺駅前停留場に地下通路 と停留場ホーム階・阿倍野歩道橋とを結ぶエレベーターの設置を行い、お客さまの利便性を向上 させました。 信号通信設備は、天王寺駅前停留場における継電連動装置と起終点運行管理装置(子機)の更新 を行いました。また、信号機をLED にすることで視認性の向上を図りました。 天王寺駅前停留場の行先案内表示器についても LED を採用しました。特徴としては、先発、 次発の行先に加え、各種案内用の表示エリアを新設しました。くわえて、インバウンドのお客さ ま対応とし表示言語を従来の日本語に加え英語を追加し、2 カ国語対応としました。また、到着 放送についても2 カ国語対応としました。 今後、二期工事として、旧設備の撤去、下り線用本設阿倍野停留場の設置等がありますが、引 き続き安全には注意を払い工事を進めて行きます。また、これまで工事に携わられた方々に感謝 を申し上げます。 工事断面図センターポールと照明 天王寺駅前付近