健康食品・サプリメントのデータベース
田中 平三
(社)日本健康食品・サプリメント情報センター 代表理事 東京医科歯科大学 名誉教授 元(独)国立健康・栄養研究所 理事長 第18,19期日本学術会議 会員 元甲子園大学 学長(資料4)
有効性は科学的根拠に基づいて・・・
• 偏りがある、センセーションな話である、いわゆる
やらせである等々、問題点が多いもの
体験談、新聞・テレビの広告、健康雑誌、バイブル本、 新聞・テレビの健康番組 大学教授、研究所の部長などの専門家の話• 科学的根拠
学会発表は予備的な段階である 学術論文:研究のデザインが重要である、出版バイアスがある 学術論文の蓄積:メタ アナリシス(科学的根拠のレベルが高い)研究のデザインと科学的根拠のレベル(強さ)
出典:Center for Evidence-based Medicine, University of Oxford、その他
試験管内の実験(in vitro) 動 物 実 験 意見、アイディアなど 症 例 報 告 複数の症例報告 症例-対照研究 コホート研究 無作為化比較 試験 • 系統的レビュー • メタ アナリシス
健康食品・サプリメントの有効性の、
人を対象とする研究のデザイン
• ヒトを対象とした研究方法では、特定の健康食品・サプリメントの摂取状況を 調査することは、ほとんど不可能である。 ある特定の健康食品・サプリメントの症例対照研究、コホート研究は実施困難。 素材・成分(農林水産物・食品を含む)については、実施可能である。 • したがって、特定の健康食品・サプリメントについては、無作為化比較試験 (RCT)のみが機能する。 • RCTは、仮説検証の研究である。 • 複数のRCTを メタ アナリシス (meta-analysis) したものがあれば、さらに科学的根拠のレベルは高くなる。CONSORT Statement
=
CON
solidated
S
tandards
O
f
CONSORT Statement
=
CON
solidated
S
tandards
O
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R
eporting
T
rials
• 無作為化比較試験(RCT)の論文掲載にあって、雑誌編 集委員会が審査前に要求している条件である。 事前登録の有無をチェックする。 • 学術雑誌の 約30% しか要求していない。投稿論文数の 減少をおそれているためである。 • 医薬品の治験(RCT)では“常識”となっている。 • 特定保健用食品の申請では、事前登録、CONSORT 声明準拠のRCT論文は要求されない。 • 諸外国(先進国)の健康食品・サプリメントのRCT論文は、 原則としてCONSORT声明に準拠している。わが国でも 準拠した論文が出版されるようになってきた。Consort 2010 チェックリスト その1
出典:
Annals of Internal Medicine : Vol. 152,
No.11, 2010
•
1.title and abstract(論文タイトルと抄録):
1a タイトルにRCTであることを示 す。
2b structured summary(構造化要約):RCTデザイン、
方法、結果、結論
チェックリスト
その2:methods(方法)
• 2.introduction(緒言):研究の背景、目的 • 3.trial design:RCT のデザイン • 4. participants(被験者):資格、特徴 • 5. interventions (介入) • 6.outcomes:平均値、死亡率、生存率など • 7.sample size(標本数) • 8.randomization(無作為配置)• 9.allocation concealment mechanism
• 10.implementation(実施):無作為配置をする人、被験者の決定者
• 11.blinding(二重目隠し法)
チェックリスト
その3:results(結果)
• 13.participant flow chart(被験者の流れ図)(a diagram is strongly recommended):図を後で示す。
• 14.recruitment補充:14a.補充、追跡期間
14b. RCT終了あるいは中止の理由 • 15.baseline data(ベースライン データ)
• 16.numbers analyzed(分析数)
• 17.outcomes and estimation:推定値=95% 信頼区間 • 18.ancillary analyses( 副次的分析)
無作為化比較試験の流れ図
有資格者と評価された者(人数) 除外者(人数):基準に合致しな かった者、参加拒否者、その他の理由 無作為配置された者(人数) プラセボ摂取群に配置された 者(人数):承諾者、非承諾者 試験薬摂取群に配置された 者(人数):承諾者、非承諾者 追跡期間中に失われた者 (人数):理由。中断者:理由 追跡期間中に失われた者 (人数):理由。中断者:理由 解析者数(人数) 解析除外者(人数):理由 解析者数(人数) 解析除外者(人数):理由チェックリスト
その4:discussion(考察)
•
20. limitations(研究の限界)
•
21. generalizability(一般化)
•
22. interpretation(解釈)
チェックリスト
その5:
other information(その他の情報)
•
Registration(登録):後で詳述する。
•
Protocol(プロトコール)
•
Funding(研究費):健康食品・サプリメントの供給も
含む。
• 最新版:
www.consort-statement.org
WHOの臨床試験登録
WHO 臨床試験登録データ セット(1)
(Version 1.2.1)
• 登録機関名、ID Primary Registry and Trial Identifying Number • 登録年月日 Date of Registration in Primary Registry
• 他の登録機関 ID Secondary Identifying Numbers
• 研究費提供組織 Source(s) of Monetary or Material Support • 実施責任組織 Primary Sponsor
• 共同実施組織 Secondary Sponsor(s)
• 連絡先 (消費者等) Contact for Public Queries
WHO臨床試験登録データ セット(2)
• 試験名 Scientific Title
• 試験実施地域 Countries of Recruitment
• 対象疾患名 Health Condition(s) or Problem(s) Studied • 介入 Intervention(s): Name, Description
• 選択・除外基準 Key Inclusion and Exclusion Criteria • 試験の種類 Study Type: Type of study, Study design (Method of allocation, Masking, Assignment, Purpose), Phase (if applicable)
WHO臨床試験登録データ セット(3)
• 目標参加者数 Target Sample Size
• 研究進捗状況 Recruitment Status: Pending, Recruiting, Suspended, Complete
• 主要アウトカム Primary Outcome: The name of the outcome, The metric or method of measurement used, Timepoint(s) of primary interest
• 副次アウトカム Key Secondary Outcomes: The name of the outcome, The metric or method of measurement used, The timepoint(s) of interest
健康食品・サプリメントの
世界標準オンラインデータベース NMDB
• NMDBは、アメリカ西海岸のストックトンに本拠を置く。
2013年5月、東海岸のナチュラル スタンダード(ハーバード
大学と連携)と合併した。
• 100名を超えるリサーチャー、専門研究員からなる民間組織
セラピューティック・リサーチ・センターによって構築されてい
る。全員が健康食品・サプリメント企業の株を保有していない。
• 健康食品・サプリメントに関する論文、20,000編に及ぶ論文を
系統的にレビューし、集大成した。そして、毎日、新しい論文
をレビューして、データベースを更新している。
• 現在、1,100素材・成分を掲載している。2014年1月には300素
材・成分が追加されることになっている。
•
NMCDは全米ベスト レファレンス パブリケイション
に選ばれた。
• 同時に日本版もバリュード
パートナーとして表彰を
受けた。
なお、(社)日本健康食品・サプリメント情報セン
ターは、
NMCDのアジア地区の“代理店”に指名さ
れている。
NMCD、ナチュラル メディシンは、世界
で最も信頼され、各国の厚生労働行政
に採用されている
• アメリカのFDA(医薬食品局)やNIH(国立衛生研究所)などの国内機関は もとより、イギリス・カナダ・オーストラリアほか数十カ国の国家行政機関が、 英語、スペイン語のオンラインデータベースのNMCDを公式採用し、職員向 けに公開している。 • アメリカでは、非常に多くの大学病院、大病院がライセンスを取得して 勤務医に公開。さらに、多くの医薬品、食品会社が採用し、顧客相談窓口 などでも活用している。 イギリスでは、ほぼすべての医薬品情報センターがライセンスを取得して 公開。 カナダでは、10州のうち6州のすべての薬局にライセンス取得が義務づけら れている。 • 英語圏の各国では350万人のがアカウントを所有している。• NMCD の日本語版は、日本医師会、
日本薬剤師会、日本歯科医師会が推薦し、
監修している。
• 日本医師会が公式採用し、ホームページで公開。
• 独立行政法人国立健康・栄養研究所がホーム
ページ上で提供する「健康食品の有効性・安全性
情報データベース」の原本になっている。
NMCD, ナチュラル メディシンの
記載事項
通称名 学名 一般の人々が使っているのは・・・・・ 安全性 有効性 作用機序 副作用 通常の食品、ハーブ、サプリメントとの相互作用 医薬品との相互作用 臨床検査値、疾病・危険因子への影響 投与量、投与方法 コメントNMCD、ナチュラル メディシンによる
有効性評価
有 効(effective) おそらく有効と思われる(likely effective) 有効性が示唆されている(possibly effective) 効果がないことが示唆されている(possibly ineffective) おそらく効果がないと思われる(likely ineffective) 効果がない(ineffective) ・なお、有効性は使用方法と品質に依存する。有効性の評価(
rating)
有
効(effective)
• FDA等の審査に合格していること • 2編以上のRCT、またはメタ・アナリシス(対象者数=数百~数千) • バイアスの低い研究、妥当性の高い研究 • 関連の一致性おそらく有効と思われる(
likely effective)
• 2編以上のRCT、またはメタ・アナリシス(患者数=数百~数千) • バイアスの低い研究、妥当性の高い研究 • 関連の一致性有効性が示唆されている(
possibly effective)
• 1編以上の
RCT、またはメタ・アナリシス、または
2編以上の集団を対象とした研究(疫学的研究)
• バイアスが低い、または中等度の研究、妥当性
が中等度または高い研究
• 関連があるとする研究が関連なしとする研究より
も多い
結論として・・・
• NMDB ナチュラル メディシンを基盤
にし、企業にとっても、消費者にとって
も、健康食品・サプリメントを適正利用
できるためのインフラを整備すべきで
ある。
• 国内ばかりでなく海外のマーケットを
も広げる最も有効な手段と考える。
第三者組織の設立を
・第三者機関、そして、ヒトを対象とする
RCTに対して、
政府は資金援助を!!!
・
RCT登録は、政府が認めた機関でないと行えない。
健康食品・サプリメント
RCT登録制度を設置する。
・(社)日本健康食品・サプリメント情報センター
JAHFC は、
第三者機関が
NMCD ナチュラル メディシンを活用すること
を支援する。
第三者機関の役割
• 現行の法令(健康増進法、薬事法、
46通知、
食品衛生法など)との整合性
• 素材、成分の採否
• 有効性(作用機序を含む)
機能性表示の内容
(疾病リスク低減表示を含む)
機能性表示許可の原則
NMCD ナチュラル メディシン、一流雑誌のRCT、
系統的レビュー・メタ
アナリシスなどで、
• 有効である(
effecitive)
• おそらく有効と思われる(
likely effective)
• 有効性が示唆されている(
possibly effective)
と評価されている素材、成分に対して機能性表示
を認める。製品は、この素材、成分を主成分とし
ていなければならない。
特定保健用食品の主な機能性表示
主な機能性表示内容 主な保健機能成分(関与成分) お腹の調子を整える食品 各種オリゴ糖、ラクチュロース、ポリデキストロース、 グアーガム、ビフィズス菌 血圧が高めの方に適する食品 ラクトトリペプチド、カゼインドデカペプチド、 杜仲葉配糖体 コレステロールが高めの方に適する食品 大豆たんぱく質、キトサン、低分子化アルギン酸ナトリ ウム、植物ステロール 血糖値が気になる方に適する食品 難消化性デキストリン、小麦アルブミン ミネラルの吸収を助ける食品 CCM(クエン酸リンゴ酸カルシウム) CPP(カゼインホスホペプチド)、ヘム鉄 食後の血中の中性脂肪を抑える食品 ジアシルグリセロール 虫歯の原因になりにくい食品 パラチノース、マルチトール、キシリトール
• 安全性
(副作用、食品・サプリメント・医薬品 との相互作用を含む)
トクホについての食品安全委員会の通知 NMCDのlikely safe (possibly safe ? safe という rating はない)
少なくともハイクオリティ認証で認証して いること