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監修 作成作成ご協力者 喜多村 健 東京医科歯科大学耳鼻咽喉科耳鼻咽喉科学教授 小児急性中耳炎診療ガイドライン作成委員会委員長 日本耳科学会理事長

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表紙表紙表紙表紙

((((2009

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2009

年2222月

月6666日

日 第

第1111版公開)

版公開)

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  『小児急性中耳炎診療ガイドライン 2006年版』(日本耳科学会・日本 小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科感染症研究会編,2006年, 金原出版)の、特にポイントとなる部分の医学用語についてわかり やすく解説しています。 本ガイドライン解説はMindsが作成しており、ガイドライン作成グルー プの監修を受けています。 〈重要 〈重要 〈重要 〈重要なおなおなおなお知知知知らせらせらせらせ〉〉〉〉 上記のガイドラインは改訂されています。 最新情報は、『小児急性中耳炎診療ガイドライン 2009年版』(日本耳 科学会・日本小児耳鼻咽喉科学会・日本耳鼻咽喉科感染症研究会 編,2009年,金原出版)でご確認ください。

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監修監修監修監修・・・・作成作成作成作成ごごごご協力者協力者協力者協力者

 

喜多村 健 東京医科歯科大学耳鼻咽喉科 耳鼻咽喉科学 教授 小児急性中耳炎診療ガイドライン作成委員会 委員長 日本耳科学会 理事長

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推推推推奨奨奨奨のののの基準基準基準基準[[[[グレードグレードグレードグレード]]]] 推 推 推推奨奨奨奨度度度度 A 強い推奨:強いエビデンスがあり、利益は害よりはるかに大きい B 推奨:十分なエビデンスが有り、利益は害より大きい C 推奨は行わない:かなりのエビデンスはあるが、利益と害のバランスが接近している D 提供しないように推奨:害が利益より大きい I 不十分なエビデンスで利益と害のバランスが決定できない

医学

医学

医学

医学用語解

用語解

用語解

用語解説

エビデンス 医師の診断や患者さんに対して行う治療法についての、科学的な手法で求めら れた根拠という意味です。経験や個人的見解に基づく判断だけではなく、きちん と計画された臨床試験や、多数を対象に病気の原因などを探る研究を行った結 果を重視して、診断や治療を行うことが近年では求められています。しかし現実 には、明確な科学的根拠[エビデンス]が乏しい場合も多く、医師や専門家の意 見を頼りに判断せざるを得ないこともあります。 Q: 推奨度とは何ですか? A: 推奨文に示される推奨の強さを表すものです。   推奨の強さは、エビデンスや、実際に患者さんの役に立つものかどうか、臨床で適用できるものかどうか、危 険性はないか、コストは高くないか、など総合的に考えて決められます。 [推奨度を決める際に判断材料とするもの] 1. エビデンスのレベル 2. エビデンスの質 3. エビデンスの一貫性(複数の研究による支持) 4. 臨床的有効性 5. 臨床上の適用性 6. 害やコストに関するエビデンス

(4)

Q1: Q1: Q1: Q1: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎はははは、、、どのような、どのようなどのようなどのような状状状状態態態態のののの時時時時にににに診診診診断断断断されるのでしょうかされるのでしょうかされるのでしょうかされるのでしょうか???? 急性中耳炎は、以下にあげられるような鼓膜所見が認められるときに診断され、鼓膜の詳細な観 察が不可欠である[図1に代表的な鼓膜所見 上出 2003]。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度BBBB]]]] 鼓膜の発赤、膨隆、光錐減弱、肥厚、水疱形成、混濁、穿孔中耳腔の貯留液、耳漏、中耳粘膜 浮腫

推奨度の判定に用いた報告:Rosenfeld et al. 2001[レベルIIb] 付記 手術用顕微鏡、内視鏡による鼓膜観察が望ましいが、最新の気密式拡大耳鏡も使用しうる。

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より

より

より患者

患者

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患者さんへ

さんへ

さんへ

さんへ

中耳炎は約0.1mmの厚さの鼓膜の内側にある中耳という空間に起きる炎症です。鼓膜は中耳の窓 ともいえます。そのため、中耳に炎症があるときには、鼓膜そのものも炎症を生じ、赤くなったり、腫れ たり、水疱ができたりします。以上のような状態が、鼓膜の診察で見られる時に、急性中耳炎と診断さ れます。  

医学

医学

医学

医学用語解

用語解

用語解

用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 鼓膜所見 (こまくしょけん) 医師が鼓膜を診察し、見つかる異常をいいます。急性中耳炎に代表的な鼓膜所 見として、鼓膜が赤くなる、ふくらんでいる、分厚くなっている、水疱ができてい る、などの所見があります。 鼓膜 (こまく) 耳の奥にある薄い半透明の膜をいいます。厚さ約0.1mmの、漏斗状(ろうとじょ う)の形をしており、外から伝わった音波で振動し、内耳といわれるさらに奥のほ うへ振動を伝えます。 発赤 (ほっせき) 炎症によって皮膚や粘膜が赤くなることをいいます。鼓膜の発赤は、急性中耳 炎の所見の一つです。 膨隆 (ぼうりゅう) 鼓膜が腫れ、ふくらんでいる状態をいいます。中耳炎の患者さんによく見られる 症状で、炎症により、中耳に貯留液がある場合に起こります。 光錐減弱 (こうすいげんじゃく) 観察のために当てた光に反射して出る鼓膜のツヤを光錐といいます。正常な鼓 膜には光錐が見られますが、中耳炎などで鼓膜に異常があると、見られなくなり ます。これを光錐減弱といいます。 水疱形成 (すいほうけいせい) 炎症によって鼓膜に半球状の水ぶくれができていることをいいます。 穿孔中耳腔 (せんこうちゅうじくう) 炎症によって生じた膿(うみ)により鼓膜が破れ、穴があいてしまうことをいいま す。中耳炎と診断される所見の一つです。外耳道に膿が出て、耳垂れになりま す。 貯留液 (ちょりゅうえき) ここでは、中耳に溜まった液を意味しています。炎症が起きると、血管壁の透過 性が高まり、血管から水分がしみ出します。そこに、炎症を引き起こす細菌など が混じって膿(うみ)になり、中耳に溜まります。 耳漏 (じろう) 炎症によって生じた膿(うみ)などの分泌物が鼓膜を破って耳から出てくることを いいます。耳垂れとも呼ばれます。中耳炎によって生じる耳垂れは、ネバネバし ています。

(5)

中耳粘膜浮腫 (ちゅうじねんまくふしゅ) 炎症により鼓膜の奥にある中耳という部分の粘膜がむくんだ状態をいいます。 炎症で中耳の粘膜にある血管の水分が外へと漏れやすくなり、むくみが生じるこ とで起こります。 手術用顕微鏡 (しゅじゅつようけんびき ょう) 耳の中の見たい部分を拡大して観察しながら手術ができる耳用の顕微鏡をいい ます。 気密式拡大耳鏡 (きみつしきかくだいじき ょう) 耳の中に入れて外耳道や鼓膜の状態を観察する、漏斗状(ろうとじょう)の器具 を耳鏡といいます。レンズがついて耳の内部を拡大して観察できるようになって いるほか、耳を密閉して中の気圧を変化させ、鼓膜や耳小骨の動きを観察する ことができます。

(6)

Q2: Q2: Q2:

Q2: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎のののの重症度重症度重症度重症度はははは、、、、どのようにしてどのようにしてどのようにしてどのようにして判定判定判定判定されるのでしょうかされるのでしょうかされるのでしょうかされるのでしょうか????

急性中耳炎は、鼓膜所見と臨床症状から軽症、中等症、重症に分類される。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度BBBB]]]] 推奨度の判定に用いた報告:Hotomi et al. 2004,2005[レベルIIa]

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中耳の窓である鼓膜の炎症の程度が、中耳の炎症の程度をよく反映しています。また、急性中耳炎 は、発熱、痛みなどの症状を伴います。この、鼓膜の炎症の程度と症状を点数に換算しました。合計 点の多少で、病気の程度を軽症、中等症、重症と3段階に分類して判定しています。  

医学

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用語解

用語解

用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 重症度 (じゅうしょうど) 病気の症状がどれくらい重いかを表すものをいいます。 鼓膜所見 (こまくしょけん) 医師が鼓膜を診察し、見つかる異常をいいます。急性中耳炎に代表的な鼓膜所 見として、鼓膜が赤くなる、ふくらんでいる、分厚くなっている、水疱ができてい る、などの所見があります。 臨床症状 (りんしょうしょうじょう) 患者さんが訴える症状のほか、医師の診察による所見などをいいます。 軽症 (けいしょう) 病気の重さの程度をいいます。急性中耳炎の重症度は、年齢、鼓膜所見と症状 に応じた点数の合計点によって軽症、中等症、重症の三つに分けられます。合 計5点以下は軽症、6~11点は中等症、12点以上は重症と判定します。[参照: 「急性中耳炎診療スコアシート」] 中等症 (ちゅうとうしょう) 重症 (じゅうしょう)

(7)

Q3: Q3: Q3: Q3: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎のののの診診診診断断に断断ににに、、、、チンパノメトリーチンパノメトリーはチンパノメトリーチンパノメトリーははは役役役役にに立にに立立立つのでしょうかつのでしょうかつのでしょうかつのでしょうか???? 急性中耳炎が詳細な鼓膜観察によって診断された後に行われる検査で、中耳貯留液の有無を 推測する際に用いることを推奨する。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度BBBB]]]]

推奨度の判定に用いた報告:Saeedet al. 2004[レベルIIa]

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急性中耳炎では、高率に中耳の空間に液体の貯留が見られます。したがって中耳に液体があるか ないかが、急性中耳炎の診断に重要です。チンパノメトリーは、中耳貯留液の有無を診断するのに有 用な機器です。  

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用語解

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用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 チンパノメトリー 密閉した外耳道の中の圧を変化させ、鼓膜と耳小骨の動きを見る検査をいいま す。中耳に膿(うみ)などが溜まっていないかどうかを診断する際に役に立ちま す。 鼓膜 (こまく) 耳の奥にある薄い半透明の膜をいいます。厚さ約0.1mmの、漏斗状(ろうとじょ う)の形をしており、外から伝わった音波で振動し、内耳といわれるさらに奥のほ うへ振動を伝えます。 中耳貯留液 (ちゅうじちょりゅうえき) 中耳に溜まった液をいいます。炎症が起きると、血管壁の透過性が高まり、血 管から水分がしみ出します。そこに、炎症を引き起こす細菌などが混じって膿(う み)になり、中耳に溜まります。

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Q4: Q4: Q4: Q4: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎のののの診診診診断断断断にに、問診にに、問診、問診、問診はははは必要必要でしょうか必要必要でしょうかでしょうかでしょうか???? 急性中耳炎に罹患した症例の生活背景、既往を把握することは、急性中耳炎の起炎菌の耐性化 の程度、難治性か否かを予測する上で有用であり、十分な問診を推奨する。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度BBBB]]]]

推奨度の判定に用いた報告:Hotomi et al. 2004[レベルIIa] 付記 代表的な問診票を資料として示す[表10]。

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病気に関連すると思われる事柄を、医療者が患者さんへお尋ねする作業が問診です。急性中耳炎 にかかる際には、家庭内外の環境などのご本人以外の要素が深く関わっていますので、急性中耳炎 の診断に問診は大切となります。  

医学

医学

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用語解

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用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 罹患 (りかん) 病気にかかることをいいます。 生活背景 (せいかつはいけい) 家族構成、生活環境など、患者さんの生活の情報をいいます。病気の発症や症 状の程度に関わっていることがあるため、診察の際に確かめられるものです。 既往 (きおう) これまでにどのような病気にかかったか、入院や手術の経験があるかどうか、過 去から現在までの健康状態に関連する情報を指します。 起炎菌 (きえんきん) 炎症を引き起こす原因菌をいいます。 耐性化 (たいせいか) 同じ薬物を連続して、もしくは何度もくり返し使用するうちに、薬の効果が現れに くくなることをいいます。 難治性 (なんちせい) 治療が難しく、病気が治りづらいものをいいます。 問診票 (もんしんひょう) 医師が診断のために、患者さんの既往歴や家族歴、症状の訴えや程度などを 尋ねることを問診といいます。問診票は、これらの質問を挙げた用紙で、患者さ ん自身が記入するものです。

(9)

Q6: Q6: Q6: Q6: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎のののの鎮鎮鎮鎮痛痛に痛痛ににに抗菌抗菌抗菌抗菌薬薬は薬薬ははは役役役役にに立にに立立立つのでしょうかつのでしょうかつのでしょうかつのでしょうか???? 耳痛に対して、抗菌薬の効果は不明である。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度IIII]]]]

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急性中耳炎の症状として、痛みは特に困る症状です。ところが、痛みに対する抗菌薬の効果はよく 分かっていません。また、痛みを和らげる薬である鎮痛薬が痛みに有効か否かの証拠もありません。 そのため、ガイドラインでは、推奨される鎮痛薬を紹介していますが、鎮痛薬の効果は不明としていま す。  

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用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 鎮痛 (ちんつう) 痛みを和らげたり、消失させることをいいます。 抗菌薬 (こうきんやく) 感染症などを引き起こす病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱める薬をいいま す。 耳痛 (じつう) 耳の痛みをいいます。急性中耳炎の症状の一つです。中耳に溜まった膿(うみ) が鼓膜を圧迫している時などに起こります。

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Q7: Q7: Q7: Q7: 急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎にににに抗菌抗菌抗菌抗菌薬薬を薬薬ををを用用用用いるいるいるいる場合場合には場合場合にはにはには、、、、どのようなどのようなどのようなどのような薬薬薬薬をををを使用使用使用使用すればいいのでしょうかすればいいのでしょうかすればいいのでしょうかすればいいのでしょうか???? 起炎菌、重症度に応じて、経口剤としてamoxicillin[AMPC]、clavulanate/amoxicillin[CVA/AMPC]、 cefditorenpivoxil[CDTR-PI]、注射剤としてampicillin[ABPC]、ceftriaxone[CTRX]が推奨される。 [[[[推推推推奨奨奨奨度度度度AAAA]]]]

推奨度の判定に用いた報告:Ghaffar et al. 2002,2000[レベルIb]、 Piglansky et al. 2003[レベルIb]、Haiman et al. 2002[レベルIb]

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急性中耳炎の原因となる細菌、重症度に応じた抗菌薬投与を推奨しています。主要な原因となるの は、肺炎球菌、インフルエンザ菌であるため、これらの細菌に効果のある抗菌薬として、口から飲む薬 ではAMPC、CVA/AMPC、CDTR-PI、注射剤はABPC、CTRXを推奨しています。  

医学

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用語解

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用語解説

急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 抗菌薬 (こうきんやく) 感染症などを引き起こす病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱める薬をいいま す。 起炎菌 (きえんきん) 炎症を引き起こす原因菌をいいます。 重症度 (じゅうしょうど) 病気の症状がどれくらい重いかを表すものをいいます。 経口剤 (けいこうざい) 口から飲む薬をいいます。 amoxicillin[AMPC] (アモキシシリン [エーエムピーシー]) 感染を起こしている病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱めるペニシリン系の抗 菌薬の一種をいいます。中耳炎の治療に用いられ、鼓膜の炎症を抑えます。 clavulanate/amoxicillin [CVA/AMPC] (クラブラネート/アモキシ シリン[シーブイエー/エー エムピーシー]) 感染を起こしている病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱めるアモキシシリン に、クラブラネートを配合した抗菌薬をいいます。クラブラネートは、アモキシシリ ンが効かない菌に対しても効力があり、一緒に使うことでより安定した効果を発 揮します。 cefditoren pivoxil [CDTR-PI] (セフジトレンピボキシル [シーディーティーアール ―ピーアイ]) 感染を起こしている病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱めるセフェム系の抗 菌薬の一種をいいます。中耳炎の治療に用いられ、鼓膜の炎症を抑えます。 注射剤 (ちゅうしゃざい) 注射によって患者さんの体内に直接注入する薬剤をいいます。 ampicillin[ABPC] (アンピシリン[エービーピ ーシー]) 感染を起こしている病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱めるペニシリン系の抗 菌薬の一種をいいます。中耳炎の治療に用いられ、鼓膜の炎症を抑えます。 ceftriaxone[CTRX] 感染を起こしている病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱めるセフェム系の抗

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(セフトリアキソン[シーテ ィーアールエックス])

菌薬の一種をいいます。中耳炎の治療に用いられ、鼓膜の炎症を抑えます。注 射によって投与されます。

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Q8: Q8: Q8: Q8: 抗菌抗菌抗菌抗菌薬薬薬薬のののの投投投投与与期間与与期間期間期間はどのくらいがはどのくらいがはどのくらいがはどのくらいが適切適切なのでしょうか適切適切なのでしょうかなのでしょうかなのでしょうか???? 中等症、重症例において、5日間投与するが、3~4日目に病態の推移を観察することを推奨す る。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度AAAA]]]]

推奨度の判定に用いた報告:Ovetchkine et al. 2003[レベルIa]、 Kozyrskyj et al. 2000[レベルIa]

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さんへ

抗菌薬は、5、7日あるいは10日間投与されることが多いですが、中耳炎の原因となっている細菌の 種類と抗菌薬投与後の治り具合で投与期間を決めるのが適切です。通常は5日間投与しますが、投 与開始3、4日目に効き具合をチェックするのが重要です。  

医学

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医学

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用語解

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用語解説

抗菌薬 (こうきんやく) 感染症などを引き起こす病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱める薬をいいま す。 投与期間 (とうよきかん) 注射をした日数や、薬を服用してもらった日数など、医師が患者さんに薬物治療 を行った期間をいいます。 中等症 (ちゅうとうしょう) 病気の重さの程度をいいます。急性中耳炎の重症度は、年齢、鼓膜所見と症状 に応じた点数の合計点によって軽症、中等症、重症の三つに分けられます。合 計5点以下は軽症、6~11点は中等症、12点以上は重症と判定します。[参照: 「急性中耳炎診療スコアシート」] 重症例 (じゅうしょうれい) 症状が重い患者さんの事例をいいます。急性中耳炎の重症度は、年齢、鼓膜所 見、症状に応じた点数の合計点によって軽症、中等症、重症の三つに分けられ ます。合計5点以下は軽症、6~11点は中等症、12点以上は重症と判定します。 [参照:「急性中耳炎診療スコアシート」] 病態 (びょうたい) 病気の状態や様子をいいます。

(13)

Q9: Q9: Q9: Q9: 鼓膜切開鼓膜切開鼓膜切開鼓膜切開はどのようなはどのようなはどのようなはどのような症症症症状状状状があるがある時があるがある時時時にににに行行行行うのですかうのですかうのですかうのですか???? 急性中耳炎の重症度に応じて選択肢とする。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度IIII]]]]

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鼓膜切開は、化膿した病気の膿を取り除く働きと同じく、中耳に溜まった膿を少なくする働きがあり、 急性中耳炎では重症度に応じて選択される治療法です。しかし、他の治療法と比較して有効という証 拠は少ないのが現状です。  

医学

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用語解説

鼓膜切開 (こまくせっかい) 鼓膜の内側にある中耳に溜まった膿(うみ)などを取り除くために、鼓膜に小さな 穴をあける手術をいいます。そこから、膿を排出します。中等症以上の中耳炎に 行われる治療です。 急性中耳炎 (きゅうせいちゅうじえん) 鼓膜の奥にある中耳に急に起こる炎症をいいます。ウイルスや細菌が中耳に入 り込み、発生します。耳の痛みや耳垂れ、発熱を伴うことがあります。 重症度 (じゅうしょうど) 病気の症状がどれくらい重いのかを表すものをいいます。

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Q Q Q Q10101010:::: 治療上注意治療上注意治療上注意治療上注意すべきすべきすべきすべき点点点点、、抗菌、、抗菌抗菌抗菌薬薬薬薬、、、、鎮鎮鎮鎮痛痛痛痛薬薬薬薬以外以外以外以外にににに用用用用いるいるいるいる薬剤薬剤薬剤薬剤、治療法、治療法、治療法、治療法はありますかはありますかはありますかはありますか???? 低年齢、保育園児は重症化しやすいので治療上注意が必要である。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度AAAA]]]] 鼻疾患を合併している例では、鼻治療も併せて行うことが選択肢となる。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度IIII]]]] 推奨度の判定に用いた報告:Ovetchkine et al. 2003[レベルIa]

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さんへ

3歳未満、集団保育中の乳幼児は、急性中耳炎にかかりやすく、重症になりやすいことが知られて います。そのため、これらの患児が急性中耳炎になったときには、十分な治療が大切になります。急 性中耳炎は、鼻の奥の細菌が病気の原因となっていますので、鼻の中をきれいにする鼻治療が有効 です。  

医学

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用語解説

抗菌薬 (こうきんやく) 感染症などを引き起こす病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱める薬をいいま す。 鎮痛薬 (ちんつうやく) 痛みを和らげたり、消失させる作用のある薬をいいます。 重症化 (じゅうしょうか) 病気の症状がより重くなることをいいます。 鼻疾患 (びしっかん) 鼻の病気の総称です。鼻の奥に膿(うみ)が溜まる副鼻腔炎やアレルギー性鼻 炎があると、急性中耳炎を引き起こすことがあります。 鼻治療 (びちりょう) 中耳炎を誘発した鼻の病気を治すことをいいます。鼻に溜まっている膿(うみ)を 洗浄する、薬を鼻から吸い込んで通りをよくするなどの治療があります。

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Q5: Q5: Q5: Q5: 軽軽軽軽症症症症のののの小小小小児児急性中耳炎児児急性中耳炎急性中耳炎急性中耳炎のののの治療治療治療治療としてとしてとしてとして、、、、抗菌抗菌抗菌抗菌薬薬薬薬をををを用用いないことは用用いないことはいないことはいないことは、適切、適切、適切、適切なのでしょうかなのでしょうかなのでしょうかなのでしょうか???? 軽症例に限って3日間は抗菌薬の投与を行わず、自然経過を観察することを推奨する。[[[[推推推推奨奨奨奨度度度度 A A AA]]]] 推奨度の判定に用いた報告:Damoiseaux et al.2000[レベルⅠb]、 Glasziou et al. 2000[レベルⅠa]

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急性中耳炎は、軽症であれば、抗菌薬の投与なしで治ることが知られています。したがって、軽症で あると診断された場合には、抗菌薬を投与しないのは適切な治療法となります。また、抗菌薬を投与し ないことは、抗菌薬に効きにくい細菌の蔓延の予防となりますので、抗菌薬なしで治る場合には投与し ない方が適切です。  

医学

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医学用語解

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用語解

用語解説

軽症 (けいしょう) 病気の重さの程度をいいます。急性中耳炎の重症度は、年齢、鼓膜所見と症状 に応じた点数の合計点によって軽症、中等症、重症の三つに分けられます。合 計5点以下は軽症、6~11点は中等症、12点以上は重症と判定します。 小児急性中耳炎 (しょうにきゅうせいちゅう じえん) 小さな子どもに早い経過で急に起きる中耳炎をいいます。鼓膜の奥にある中耳 にウイルスや細菌が入り込むことで炎症が起こります。耳の痛みや耳垂れ、発 熱を伴うことがあります。 抗菌薬 (こうきんやく) 感染症などを引き起こす病原菌を死滅させたり、菌の活動を弱める薬をいいま す。 自然経過 (しぜんけいか) 炎症を抑える抗菌薬などを投与せずに、自然に任せた場合にたどる経過をいい ます。

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