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秋子割合 現状評価と課題の整理 市内のイノシシ対策の現状を評価し, 課題を整理するため, 地理情報分析および捕獲状 況分析を行った ( 資料編参照 ). 1 地理情報分析による評価集落単位の各種行政資料 ( 捕獲情報, 防護柵設置状況, 市民からの要望など ) について, 地図上での分析 ( 地理情

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Academic year: 2021

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全文

(1)

市原市イノシシ被害対策計画

近年,市原市内においてイノシシの生息分布が拡大し,それに伴い農業被害が拡大して いる状況にある.また,農村地域のみならず,住宅地周辺や通学路などでの出没が散発す るようになり,人身被害の危険性も高まっている.一方で,加茂地域など農村地域では高 齢化と人口減少が進行し,農村社会が弱体化するに伴い,対策の担い手が慢性的に不足し ている状況にもある. これまでの本市におけるイノシシなどの害獣対策は,単年度事業で行われる個別対策に よるもので,その多くは市民からの対策要望に応じて実施される「対処療法」となってい る.また,対策の担い手不足や住宅地への侵入問題を踏まえると,問題解決には農政の範 疇を超えた都市と農村との交流や,都市計画,住宅地環境の治安といった市全体での総合 的な対応に取り組む必要がある. そこで,単なる経済損失の補てんとしての獣害対策から,地域振興のための対策事業へ と視野をひろげ,長期的,総合的視点に立った科学的被害対策を行うため,本計画を策定 する. 平成 28 年 4 月 1 日~平成 32 年 3 月 31 日 市原市全域

背景及び目的

計画期間

計画区域

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市内のイノシシ対策の現状を評価し,課題を整理するため, 地理情報分析および捕獲状 況分析を行った(資料編参照). 1 地理情報分析による評価 集落単位の各種行政資料(捕獲情報,防護柵設置状況,市民からの要望など)について, 地図上での分析(地理情報分析という,以下 GIS 分析とする)を行った結果,地域の実情 に応じた適切な対策を実施するため,複数集落を合わせた8つの対策ユニットの区分が提 示され,下記のユニット別の対策課題が抽出された. 2 捕獲状況分析による評価 適切な個体数管理のための捕獲状況の分析を 行った.その結果,市内では箱わなで幼獣を捕 獲している集落の約半数で,秋子が捕獲されて いたことがわかった.また,高密度で生息して いる集落では特に秋子の割合が多く,秋子の増 加によって集落内の生息密度が増加していた (図2).この秋子の増加は,ワナ忌避個体とな ったメス成獣による出産が多くなっていること

必要な重点対策

ユニット番号

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ 分布初期対応 ● ● ● 防護柵設置促進 ● ● ● ● 個体管理 ● ● ● 対策リーダー優先配置 ● ● ● ● 捕獲体制整備 ● ● ● ● ● 対策技術改善 ● ●

現状評価と課題の整理

0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 0.800 0.00 5.00 10.00 15.00 秋子割合 CPUE 図2 密度指標(CPUE)と秋子割合の関係 図1 対策ユニット区分

(3)

を示し,誤った箱わなの捕獲方法に起因している可能性が高い.すなわち,適切なワナ運 用技術の普及と実行によって,密度低下できる可能性を示しており,早急に捕獲技術講習 会の開催と,現場指導の実施が必要と考えられた. 箱ワナの捕獲によって短期的に個体の除去さ れていく速さ(除去法分析におけるレスリープ ロット回帰直線の傾きを指標値とした.値が低 いほど速く個体が減少していく)から,林縁距 離 1km あたり 0.2~0.3 個以上(箱ワナ設置基準 とする)の設置が必要とわかった(図3).そこ で,箱ワナ設置基準を下回る集落では,優先的 に設置させるため,ワナ免許取得補助や,箱ワ ナ貸与,そして適切な捕獲技術の普及をセット で進める捕獲体制整備をさらに促進すべきで ある. 現状把握から抽出された対策課題 1 研修会・説明会の実施 市民の自発的な対策意欲や集落ぐるみでの対策は,行政側からの情報提供の回数が多いほど促 進される.また早期発見,早期対策が被害を最小限に抑えるために必要であることを踏まえると, とくに,新たに分布拡大した①③⑥ユニットでの対策技術研修会を実施する必要がある. また,一方で,対策が長期化している⑦⑧ユニットにおいては,対策技術向上のための研修会 や人的支援も含めた体制づくりのための検討会(説明会)も必要である. 2 調査・情報収集 上記の情報提供とともに,現状を把握するための調査・情報収集として,全市レベルの集落ア ンケート調査を年1回実施する必要がある.さらに,GIS 分析を年度毎に行い,市内での最新情 報を「見える化」し,現状把握と事業評価を定期的に実施し,次期の適切な施策立案に反映させ ることが効果的である. 3 人的支援体制の確立 集落ぐるみでの対策を促進させるため,とくに①②④⑤ユニットを中心として,適切な運用方 法による十分な捕獲努力量を確保する町会捕獲をすすめるとともに,集落内に集落対策リーダー -0.800 -0.600 -0.400 -0.200 0.000 0.200 0.400 0.000 0.500 1.000 1.500 個体の除去速度の指標値 わな密度=ワナ数/林縁距離km 図3 ワナ密度と個体の除去速度の関係.

(4)

を育成する.中期的には,隣接する集落へも活動範囲を広げて,地域(ユニット単位程度)の地 域対策リーダーへと育成することを踏まえた技術向上プログラムを実施する必要がある. 一方で,高齢化が進行し,比較的収益性の低い農地が多い地理的条件を有する⑦⑧ユニットを 中心とする地域では,①~⑥ユニットとは異なる対策支援の考え方を整理する必要がある.すな わち,①~⑥では町会捕獲と集落主体の防護柵保守を集落あるいは地域対策リーダーを中心とし て構築することを目指すが,⑦⑧では,より直接的な人的支援体制を検討すべき段階にあると判 断され,地元協力のもと,鳥獣被害対策実施隊の導入などによる直接支援体制を構築することを 検討する. 4 防護柵設置促進と捕獲体制の整備 GIS 分析で明らかになった防護柵の新設のためのユニット①②③④において,技術講習会を実 施するとともに,順次、設置作業を進めていく.この際,交付金要件でもある捕獲作業を同時に 行い,捕獲ワナと防護柵の設置を関連させた集落内の配置計画を共助対策として行われるように する必要がある.この対策手法の導入と維持管理分担・予定については集落環境診断法の導入が 適当であり,これにより,対策意欲の向上と共助対策が促進する. 捕獲に関しては,とくにユニット①③⑤⑥⑦において箱ワナ設置数が基準を下回っている集落 において,町会捕獲体制の確立のための各種支援を行う.その一方で,とくにユニット⑦⑧の捕 獲幼獣に占める秋子割合の高い集落においては,捕獲技術の普及などを通じて対策改善活動を実 施すべきである.

(5)

短期目標(平成 28 年度 事業目標) 「地域特性に応じた各種対策事業の再編・整備によるイノシシ被害軽減化」 ・地域特性に応じた対策技術講習会の開催 ・集落ぐるみの対策の推進 ・拠点集落の選定とユニット内支援体制の整備 ・町会捕獲の質的・量的整備による地域的繁殖抑制 ・防護柵の戦略的設置と保守管理体制の整備 ・緊急的個体管理体制の整備と対応 ・鳥獣被害実施隊の編成による実施体制の整理 ・生息モニタリング方法の開発 中期目標(平成 28~31 年度) 「行政と市民における統合的獣害対策力の向上」 ・鳥獣被害実施隊の拡充による地域特定対策活動 ・重点捕獲の推進による定着分布域縮小 ・統合的獣害対策のための庁内組織・人員の整備 ・都市と農村との人的交流による対策 ・定期的な対策情報の収集・分析・広報システムの整備 長期目標(平成 32 年度~) 「獣害のない農村や都市部での地域振興」

管理の目標

(6)

本市において,長期的,総合的視点に立った科学的被害対策を行うに際し,下記の基本 的考え方をとる. 1 順応的管理 害獣側の問題として,自然環境は常に変動しており,ある年,突然大雪が降ったり,餌 のドングリが豊作になったりするため,確実に将来を予測することができない.また,人 間側の問題として,現在行っている対策が,高齢化や人口減少のために実施できなくなる 可能性もある.このため,現在行っている対策が,適切なものでなくなることもあること を事前に理解し,本計画やこれに基づく各種対策事業については定期的に「見直し」をす る必要がある.この「見直し」のためにはモニタリング調査が不可欠で,調査によって本 計画の内容や個別事業を評価し,その都度,適切なものに変更することとする. 2 総合対策 「背景および目的」で述べたとおり,今後のイノシシ対策は,農村振興や住宅地周辺の 居住環境の治安維持の枠組みで実施する必要がある.このため,本計画では,これらの関 連する行政施策を視野にいれた総合対策をとることとする. 3 対策の階層 イノシシなど野生鳥獣の被害対策においては,地震や風水害などと同じ自然災害である という扱いをすることが適当で,これらの対策の主体については,「自助」・「共助」・ 「公助」の階層ごとに実施し,それらが有機的につながった対策を講じるものとする. (1)集落ぐるみでの方策(自助~共助) 農家などの1軒1軒の自助対策としては,防護柵の設置や捕獲,生息環境の整備が必要 となるが,近年の高齢化,耕作放棄地の増大,不在地主の増加などにより,個人での努力 で解決する範疇を超えている.そこで,集落や地域ごとの対策の合意形成による共助対策 の必要性が高まっている.ここでは,集落環境診断会などのワークショップでの意識の向 上を通じた集落ぐるみでの対策に取り組んでいく. (2)ユニットごとの方策(共助~公助) さらに,集落によって農村社会のあり方に大きな違いが生じているところもあり,隣接 する集落間で対策に大きな差が生じている地域もある.このような集落単位での対策の限

基本的な考え方

(7)

界もあるために,集落間の支援体制,すなわち地域(対策ユニット)ぐるみでの対策体制 を作っていく必要がある.

(3)市全域での方策(公助)

以上のような地域の実情に応じた自助~共助対策を,円滑に促進させるため,公助とし て行政が機能するように各種事業などを実施する.

(8)

【自助・共助として行うこと】 農家単位・集落単位でのイノシシ対策として,特に下記の管理技術を促進する. (1)合意形成にもとづく対策(集落環境診断会の実施と集落ぐるみでの対策) (2)箱ワナを主体とする町会捕獲 (3)防護柵の設置と保守管理体制 (4)集落を餌場としないための対策 【公助として行うこと】 (1)集落単位での合意形成ワークショップ(集落環境診断会)の開催 (2)町会捕獲支援 モニタリング調査に基づく捕獲インセンティブの戦略的配分 モニタリング調査技術の開発と運用 捕獲報奨金制度の再編 止めさし作業との円滑化(市原市猟友会との連携) 捕獲個体処理の推進(減量化技術などの検討) 猟銃による一斉捕獲 (3)防護柵設置促進(国庫補助事業・市単事業) (4)対策支援体制(情報提供と技術支援,人材育成) 鳥獣被害対策実施隊の整備による情報管理と地域ごとの支援 迅速な情報収集と分析に基づくきめ細かい情報提供 ユニット内相互支援(拠点集落の選定・集落間の技術・資材・人的交流) 都市と農村の人材交流(獣害対策支援ボランティア制度,企業 CSR 活動) 地域振興としてのジビエ利用支援 (5)順応的管理・総合対策のための実施体制の整備 本計画の見直し体制

目標達成のための管理技術

(9)

関係者研修会の定期開催

JA・NOSAI・森林組合・猟友会の役割 住宅地周辺の緊急個体管理体制の整備

市総合計画との整合性の担保のための庁内組織 県・隣接市町との連携体制

(10)

集落ぐるみの対策支援 集落リーダーの育成・合意形成ワークショップ(集落環境診断会)開催 5集落 町会捕獲支援 初動町会:捕獲技術研修会の開催・新規開始集落支援 実施町会:ワナ運用技術指導,ワナ設置支援(基準以下町会) 捕獲後の個体処理改善の検討試行(減量化処理など) 防護柵設置促進(国庫補助事業・市単事業) 防護柵設置講習会 対策支援体制 鳥獣被害対策実施隊の整備と研修 ユニット内相互支援のための拠点集落の選定:ユニット④内に1拠点 モニタリング調査 カメラトラップ法によるモニタリング調査技術の開発 被害把握のための町会アンケート調査 捕獲状況分析による事業評価 防護柵の管理状況調査:ユニット⑦⑧ 順応的管理・総合対策のための実施体制 JA・NOSAI との協議(誘引餌(米ぬか)調達・被害発生情報の共有) 住宅地周辺の緊急個体管理

平成 28 年度全域計画

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ユニット 自助・共助対策の促進 公助対策 ① 町会捕獲集落の増加(免許取得支援など) 集落リーダーの育成・集落環境診断会 捕獲技術研修会 防護柵設置講習会 ② 町会捕獲集落の増加(免許取得支援など) 緊急個体管理(講習会等) 防護柵設置講習会 ③ 集落リーダーの育成・集落環境診断会 防護柵設置講習会 ④ 町会捕獲集落の増加(免許取得支援など) 集落リーダーの育成・集落環境診断会 防護柵設置講習会 拠点集落の選定と集落間相 互支援 ⑤ 町会捕獲集落の増加(免許取得支援など) 集落リーダーの育成・集落環境診断会 ⑥ 集落リーダーの育成・集落環境診断会 ⑦ 箱ワナ構造改良支援 防護柵保守管理状況調査 ⑧ 箱ワナ構造改良支援 防護柵保守管理状況調査

平成 28 年度ユニット毎計画

参照

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