ハンス・フロイデンタールの数学化
塩見拓博
vol.9, no.8
Feb. 2007鳥取大学
数学教育学研究室
鳥 取 大 学 数 学 教 育 研 究
Tottori Journal for Research in Mathematics Education
ISSN:1881−6134
< < < < 目 次目 次目 次目 次 >>>> 第 1 章 研 究 の 目 的 と 方 法 1 - 1 研 究 の 動 機 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 4 1 - 2 研 究 の 目 的 と 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 5 1 - 3 研 究 の 意 義 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 6 第 2 章 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル と は 2 - 1 フ ロ イ デ ン タ ー ル と は ど の よ う な 人 物 か ・ ・ ・ ・ 9 2 - 2 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 11 第 3 章 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 3 - 1 数 学 化 の 対 象 の レ ベ ル ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 17 3 - 2 数 学 化 の プ ロ セ ス 3 - 2 - 1 最 下 位 の レ ベ ル ― 現 実 を 数 学 化 す る こ と ― ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 19 3 - 2 - 2 現 実 の 数 学 化 に 続 く レ ベ ル ― 幾 何 の 事 例 か ら の 考 察 ― ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 22 《 空 間 の 数 学 化 》 《 概 念 場 の 数 学 化 》 《 公 理 化 》 3 - 2 - 3 幾 何 の プ ロ セ ス の 一 般 的 な 解 釈 ・ ・ ・ ・ ・ 27 3 - 2 - 4 数 学 化 の プ ロ セ ス で あ る 形 式 化 ・ ・ ・ ・ ・ 32 3 - 3 数 学 化 に つ い て の さ ら な る 考 察 3 - 3 - 1 フ ロ イ デ ン タ ー ル が 考 え る 「 数 学 す る 」・ 34 3 - 3 - 2 フ ロ イ デ ン タ ー ル が 考 え る 「 数 学 化 す る 」 35 3 - 3 - 3 「 数 学 す る 」 と 「 数 学 化 す る 」 の 差 異 ・ ・ 36 3 - 4 数 学 化 –水 平 方 向 と 垂 直 方 向 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 37 3 - 5 数 学 化 の 教 授 の 手 段 3 - 5 - 1 ソ ク ラ テ ス の 方 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 40 3 - 5 - 2 発 明 し 直 す こ と ( コ メ ニ ウ ス の 方 法 か ら の ア プ ロ ー チ )・ 40 3 - 5 - 3 学 習 プ ロ セ ス の レ ベ ル ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 42 3 - 6 生 徒 の 学 ぶ べ き 数 学 化 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 46 《 前 操 作 期 》 《 具 体 的 操 作 期 》
《 形 式 的 操 作 期 》 第 4 章 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 の 教 育 的 意 義 4 - 1 数 学 化 の 教 育 的 意 義 4 - 1 - 1 数 学 教 育 の 効 用 と 目 的 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 55 4 - 1 - 2 応 用 ・ 応 用 可 能 性 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 56 4 - 2 今 日 の 数 学 の 学 習 指 導 に お け る 数 学 化 の 意 義 4 - 2 - 1 目 標 に 対 す る 観 点 と 今 日 の 算 数 ・ 数 学 教 育 に お け る 目 標 ・・・ 60 4 - 2 - 2 創 造 的 な 学 習 指 導 に お け る 数 学 化 の 意 義・64 第 5 章 研 究 の ま と め 5 - 1 研 究 の ま と め ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 77 5 - 2 今 後 の 課 題 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 83 < 引 用 ・ 参 考 文 献 > ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 85 < 資 料 > ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 88
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1 章
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研 究
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研 究 の
の 目 的
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目 的 と
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と 方 法
方 法
方 法
方 法
1 - 1 研 究 の 動 機 1 - 2 研 究 の 目 的 と 方 法 1 - 3 研 究 の 意 義 本 章 で は 、 研 究 の 動 機 、 目 的 、 方 法 に つ い て 述 べ る 。 1 - 1 で は 、 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 を 取 り 上 げ る に 至 っ た 動 機 に つ い て 述 べ る 。 1 - 2 で は 、 目 的 を あ げ 、 そ の 目 的 を 達 成 す る た め の 課 題 に つ い て 述 べ 、 そ の 課 題 を 解 決 す る た め に ど の よ う に 研 究 を 進 め て い く か に つ い て 述 べ る 。 1 - 3 で は 、 数 学 化 を 明 ら か に す る 意 義 に つ い て 述 べ る 。1 1 1 1 --- 1-111 研 究研 究 の研 究研 究のの 動 機の動 機動 機動 機 筆 者 は 初 め 、何 か 知 識 を 得 る こ と に よ り「 生 徒 が ど の よ う に 発 達 し て い く の だ ろ う 」 ま た 「 そ の と き 生 徒 の 中 で は 何 が お こ っ て い る の だ ろ う 」 と い う こ と に 疑 問 を 持 ち 、 ピ ア ジ ェ の 同 化 と 調 節 に つ い て 調 べ て い た 。 だ が 、 筆 者 の 知 識 の な さ ゆ え に 時 間 が か か り す ぎ て し ま い 、 断 念 す る に 至 っ た 。 そ こ で 次 に 、 主 題 を よ り 焦 点 化 し 、 数 学 の 授 業 で 学 習 さ れ る 内 容 は 生 徒 に ど の よ う に 理 解 さ れ る の か を 考 え だ し た 。 2 乗 に 比 例 す る 関 数 の 用 具 的 理 解 (「 で き る 」 こ と で 表 面 的 に 「 わ か っ て い る 」 よ う に 見 受 け ら れ る 理 解 の 様 相 ) と 関 係 的 理 解 ( 単 に や り 方 を 知 っ て い る だ け で な く 、 そ う し た や り 方 が 、 な ぜ そ れ で よ い の か 、 ま で 理 解 し て い る 理 解 の 様 相 ) に つ い て 考 え て い た の だ が 、 そ の と き 2 乗 に 比 例 す る 関 数 の 単 元 で 学 習 さ れ る 内 容 に つ い て ・ y = ax²で 表 さ れ る も の が 存 在 す る ・ y = ax²の グ ラ フ ・ グ ラ フ と 変 域 ・ 変 化 の 割 合 こ の よ う に 挙 げ 、 既 に 形 づ く ら れ た 数 学 的 知 識 の 操 作 に よ り 考 察 を 試 み て い た 。 つ ま り 、 2 乗 に 比 例 す る 関 数 が ど ん な 考 え の 延 長 に あ る か 、 2 乗 に 比 例 す る 関 数 を 学 習 す る 必 要 性 は 何 か 、 そ の 現 代 的 意 味 を 考 え て お ら ず 、 自 分 で 2 乗 に 比 例 す る 関 数 を 作 り 上 げ て い く 作 業 を 行 わ な か っ た の で あ る 。 つ ま り 、 2 乗 に 比 例 す る 関 数 を 数 学 化 す る 作 業 を 行 っ て い な か っ た の で あ る 。 こ の よ う な 経 緯 で 数 学 化 を 考 え る に 至 っ た 。 そ の 際 、 数 学 化 を 考 え て い る 全 て の 人 物 を 対 象 に す る こ と は 物 理 的 に 無 理 が あ り 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル が 「 数 学 化 」 と い う 用 語 を 提 唱 し た 人 物 で あ る こ と か ら 、 本 主 題 を 設 定 す る に 至 っ た 。
1 1 1 1 --- 2-222 研 究研 究研 究 の研 究の 目 的のの目 的目 的目 的 とととと 方 法方 法方 法 方 法 本 研 究 の 目 的 は ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 と は 何 か そ の 教 育 的 意 義 と は 何 か を 明 ら か に す る こ と で あ る 。 こ の 目 的 を 達 成 す る た め に 以 下 の 課 題 を 設 定 し た 。 課 題 1 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル と は ど の よ う な 人 物 か 課 題 2 ハ ン ス ・フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る「 数 学 す る 」と 「 数 学 化 す る 」 の 差 異 と は 課 題 3 生 徒 の 学 ぶ べ き 数 学 化 と は 課 題 4 ハ ン ス・フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る 数 学 化 の 教 育 的 意 義 と は 課 題 5 今 日 の 数 学 の 学 習 指 導 に お け る 数 学 化 の 意 義 と は ま ず 数 学 化 を 考 え る 際 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル が ど う い う 立 場 で 数 学 化 を 語 っ て い る か を ふ ま え る た め 、 簡 単 で は あ る が 人 物 紹 介 と 氏 が 立 脚 す る 直 観 主 義 に 影 響 を 与 え た で あ ろ う ブ ラ ウ ワ ー の 歴 史 的 背 景 か ら そ の 直 観 主 義 を み て い く 。 そ れ に 伴 い フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 も 明 ら か に す る こ と に よ り 課 題 Ⅰ の 解 決 を 図 る 。 続 い て 、 課 題 Ⅰ を ふ ま え 実 際 に 数 学 化 の 考 察 に 取 り 組 む わ け で あ る が 、 数 学 化 を 考 え て い く 中 で 、 数 学 化 に は プ ロ セ ス が あ り 、 そ の プ ロ セ ス に は 様 々 な 種 類 が あ る こ と 、 数 学 化 す る 対 象 に 違 い が あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 こ れ ら を ふ ま え て 、 数 学 化 と は 何 か 、 に 答 え ら れ な け れ ば な ら ず 、「 数 学 す る 」 と 「 数 学 化 す る 」 の 差 異 を 明 ら か に す る こ と に よ り 、 数 学 化 と は 何 か 、 が よ り 明 確 に な る と 考 え る 。 本 研 究 は 、 数 学 教 育 に お け る 人 物 研 究 あ る い は そ の 人 物 の 思 想 研 究 で あ る が 、 こ の よ う な 類 の 論 文 に は 常 に そ の 今 日 的 意 義 が 問 わ れ る 。 実 際 に 数 学 化 を 教 授 に 取 り 入 れ る の で あ れ ば 、 生
徒 は ど こ ま で の 数 学 化 を 扱 う べ き か を 考 え る こ と は 必 然 で あ り 、 今 日 的 意 義 を 考 え る た め の 一 つ の 基 盤 と な り え る で あ ろ う 。 ま た 、 数 学 化 を 教 材 に ア プ ロ ー チ す る 多 数 の 方 法 の 中 の 一 つ と す る の で は な く 、 有 用 な 方 法 で あ る と す る た め 、 そ の 教 育 的 意 義 に つ い て 述 べ る こ と も 必 要 で あ り 、 こ れ は 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え を 今 日 に 生 か そ う と す る こ と に 対 し て も 必 要 で あ る 。 こ れ ら の 課 題 を 考 察 す る 方 法 と し て 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル 自 身 に 語 ら せ る こ と に よ り 考 察 す る 。 つ ま り 、 実 際 に フ ロ イ デ ン タ ー ル が 述 べ て い る 内 容 は 、 そ れ を 適 切 に 把 握 し 、 引 用 を も と に 考 察 を 進 め 、 そ う で な い 内 容 は 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル に よ り 書 か れ た 文 献 か ら 自 身 の 中 に フ ロ イ デ ン タ ー ル 像 を 作 成 し 、 例 え ば 、 あ る 質 問 に 対 し 「 フ ロ イ デ ン タ ー ル だ と こ う 述 べ る だ ろ う 」 と い う 具 合 に 考 察 を 進 め て い く も の で あ る 。 1 1 1 1 --- 3-333 研 究研 究 の研 究研 究のの 意 義の意 義意 義意 義 今 日 の わ が 国 の 数 学 教 育 に お け る 目 的 と は 何 か 。そ れ は 、子 ど も に 数 学 的 知 識 ・ 技 能 を 獲 得 さ せ る こ と は も と よ り 、そ の 過 程 で あ る 、 数 学 的 な 見 方 ・ 考 え 方 を 伸 ば す こ と で あ ろ う 。 今 で は 当 た り 前 の よ う に 言 わ れ て い る こ の よ う な 考 え 方 に 、国 外 に お い て も 早 く か ら 着 目 し た 人 物 が フ ロ イ デ ン タ ー ル で あ る 。こ の よ う な 考 え 方 は 、既 に 形 づ く ら れ た 数 学 的 知 識 ・ 技 能 を 受 動 的 に 教 授 し 、訓 練 さ せ て い る だ け で 達 成 さ れ る だ ろ う か 。そ う で は な く 、 現 実 の 問 題 か ら 出 発 し 、 数 学 を 創 造 ・ 発 展 さ せ て い く よ う に 学 習 さ せ る こ と が 行 わ れ な け れ ば な ら な い の で あ る 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル も 同 様 の 問 題 意 識 を 持 っ て お り 、子 ど も の 望 む べ き 活 動 と し て 「 数 学 化 」 を 提 唱 し た 。 そ れ は 、 現 実 の 問 題 を 数 学 的 方 法 に ア ク セ ス で き る 問 題 へ 導 く 活 動 、さ ら に そ の 数 学 を 質 の 高 い 数 学 へ と 発 展 し て い く 活 動 で あ る た め 、今 日 の 数 学 教 育 を 考 え る 際 、フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 を 明 ら か に す る こ と で 有 効 な 指 針 と な る で あ ろ う と 予 想 す る 。
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章 ま と め
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本 研 究 の 目 的 は 、ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 と は 何 か 、 そ の 教 育 的 意 義 と は 何 か を 明 ら か に す る こ と で あ る 。 こ の 目 的 を 達 成 す る こ と に よ り 、数 学 的 な 見 方 ・ 考 え 方 を 目 標 と し た 数 学 教 育 に 対 し 、有 効 な 指 針 と な る の で は な い か 、と 考 え ら れ る 。 具 体 的 に は 、 第 4 章 で 議 論 す る 。 ま た 、数 学 化 の 具 体 的 な 内 容 と し て「 現 実 を 数 学 化 す る こ と 」 と 「 数 学 を 数 学 化 す る こ と 」 が 考 え ら れ た が 、 こ れ は 3 章 で 議 論 す る 。 目 的 を 達 成 す る た め の 方 法 と し て 以 下 の 5 つ の 課 題 を 設 定 し た 。 課 題 1 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル と は ど の よ う な 人 物 か 課 題 2 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る 「 数 学 を す る 」 と 「 数 学 化 す る 」 の 差 異 と は 課 題 3 生 徒 の 学 ぶ べ き 数 学 化 と は 課 題 4 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る 数 学 化 の 教 育 的 意 義 と は 課 題 5 今 日 の 数 学 の 学 習 指 導 に お け る 数 学 化 の 意 義 と は こ の 課 題 に つ い て 、 課 題 1 は 2 章 で 、 課 題 2 ・ 3 は 3 章 で 、 課 題 4 ・ 5 は 4 章 で そ れ ぞ れ の 解 決 を 図 っ て い く 。第
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2 章
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ハ ン ス
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・ フ ロ イ デ ン タ ー ル
フ ロ イ デ ン タ ー ル
フ ロ イ デ ン タ ー ル
フ ロ イ デ ン タ ー ル と は
と は
と は
と は
2 - 1 フ ロ イ デ ン タ ー ル と は ど の よ う な 人 物 か 2 - 2 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 本 章 で は 、 数 学 化 を 考 え る 際 、 ハ ン ス ・ フ ロ イ デ ン タ ー ル が ど う い う 立 場 で 語 っ て い る か を 明 ら か に す る た め 、 2 - 1 に お い て 、 課 題 Ⅰ を 解 決 す る 。 課 題 Ⅰ に も 関 係 す る が 、 数 学 化 を 考 え る 際 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 を 明 ら か に し て お く こ と は 有 効 に 働 く と 考 え ら れ 、 そ の た め 2 - 2 に お い て ブ ラ ウ ワ ー の 歴 史 的 背 景 を ふ ま え 、 こ れ に つ い て 述 べ る 。2 2 2 2 --- 1-111 フ ロ イ デ ン タ ー ルフ ロ イ デ ン タ ー ルフ ロ イ デ ン タ ー ル と はフ ロ イ デ ン タ ー ルと は ど の よ う なと はと はど の よ う など の よ う など の よ う な 人 物人 物人 物 か人 物かか か フ ロ イ デ ン タ ー ル は 1905 年 9 月 17 日 に ド イ ツ の Luckenwalde に 生 を 受 け た 。そ の 後 、氏 は ベ ル リ ン と パ リ の 大 学 で 勉 学 に 励 み 、有 名 な 直 観 主 義 者 で あ る L.E.J. ブ ラ ウ ワ ー に 招 か れ オ ラ ン ダ の Amsterdam で 活 動 す る こ と と な る 。 そ の た め 氏 は 、ブ ラ ウ ワ ー の 影 響 を 少 な か ら ず 受 け て い る と い え よ う 。1946 年 に は 、 Utrecht の 国 立 大 学 の 教 授 と し て 任 命 さ れ そ こ で 働 く 。そ の と き 氏 の 研 究 は 、純 粋 で 応 用 さ れ た 数 学 や 数 学 の 基 礎 に つ い て で あ り 、氏 の 科 学 的 な 働 き は 幾 何 学 の 一 部 分 に 焦 点 化 さ れ た も の で あ っ た 。 ま た 、氏 は ト ポ ロ ジ ー( 一 般 ト ポ ロ ジ ー の コ ン パ ク ト 化 )と リ ー 群 論 に か な り の 貢 献 を し た こ と で も 有 名 で あ る 。 だ が 、 氏 は 長 年 、 数 学 教 育 に 関 心 を も っ て お り 、 数 学 教 授 の 際 、教 師 か ら 一 方 的 に 数 学 的 知 識 を 教 え ら れ る こ と を 問 題 視 し 、 望 ま し い 方 法 と し て 、生 徒 自 身 が 数 学 的 知 識 や 数 学 的 な 考 え 方 を 発 明 し 直 さ な け れ ば な ら な い こ と 、 現 実 の 問 題 か ら 出 発 し 、 生 徒 自 身 に よ り 数 学 化 と い う 活 動 を 行 わ な け れ ば な ら な い と し 、数 学 化 と 発 明 し 直 す こ と を 提 唱 す る こ と と な る 。氏 の 実 際 と し て 、 数 学 か ら 数 学 教 育 へ の 観 点 の 変 更 は 1955 年 に 国 際 的 に 明 ら か と な っ た 。 そ の こ ろ 氏 は オ ラ ン ダ の 代 表 者 と し て ICMI ( THE INTERNATIONAL COMMISSION ON MATHEMATICAL INSTRUCTION) の 一 員 と な り 、 最 終 的 に 1966 年 か ら 1970 年 ま で 会 長 の 職 を 務 め る 。そ の 仕 事 の 一 環 と し て 、 1968 年 に 【
How to teach mathematics so as to be
useful
】( 以 下【 数 学 教 授 】と す る )と い う 論 文 を 伴 い 、現 代 に お い て 国 際 的 な 数 学 教 育 に お け る 最 も 権 威 あ る 雑 誌 と し て 知 ら れ る【Educational Studies in Mathematics
】を 出 版 し 、1971 年 に IOWO の 管 理 者 の 職 に つ い た こ と に よ り 氏 の 数 学 か ら 数 学 教 育 へ の 移 行 は 完 全 な も の と な っ た 。そ の 後 、1990 年 10 月 13 日 に 亡 く な る ま で 、価 値 の あ る 数 多 く の 数 学 教 育 に 関 す る 活 動 を 行 っ て き て お り 、【Revisiting mathematics education
】( 以 下 【 再 考 】 と す る ) は 氏 の 集 大 成 で あ る 。ま た 、 氏 の 死 後 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル 研 究 所 が 創 設 さ れ た 。 そ こ で の 教 育 的 な 原 理 と は 、 Realistic Mathematics Education ( 現 実 的 数 学 教 育 )で あ る 。こ の 原 理 は 2 つ の 部 分 か ら 成 り 立 っ て お り 、一 部 は 、現 実 的 な 物 語 と し て 起 こ さ れ る 数 学 の 問 題 を 強 調 す る こ と 、 も う 一 つ の 部 分 は 、「 発 明 し 直 す こ と 」 で あ る 。こ れ は 、 ま さ に 氏 が 強 調 し て き た 内 容 で あ り 、根 底 に は 数 学 を「 人 間 の 活 動 と し て の 数 学 」と 捉 え る フ ロ イ デ ン タ ー ル 自 身 が 生 き て い る と い え よ う 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル 研 究 所
2 2 2 2 ---- 2222 ハ ン スハ ン スハ ン ス ・ハ ン ス・ フ ロ イ デ ン タ ー・・フ ロ イ デ ン タ ーフ ロ イ デ ン タ ー ルフ ロ イ デ ン タ ールルル のののの 数 学 観数 学 観数 学 観 数 学 観 上 述 し た よ う に 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル は ブ ラ ウ ワ ー の も と で 仕 事 を し て い た こ と が あ る た め 、 そ の 影 響 を 少 な か ら ず 受 け て い る と い え る 。 そ こ で 、 ブ ラ ウ ワ ー が 活 躍 し 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル に も 関 係 す る 時 期 と し て 簡 単 で は あ る が 20 世 紀 の ブ ラ ウ ワ ー に 関 す る 歴 史 的 背 景 を み て い き な が ら 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル が 立 脚 す る 直 観 主 義 と フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 に つ い て 考 察 し て い く 。 長 年 に わ た り 数 学 は 飛 躍 的 な 進 歩 を 遂 げ て き た 。 だ が 、 そ れ は 同 じ 速 度 で 進 歩 し て き た と い う わ け で は な い 。 十 七 世 紀 に 科 学 革 命 が お こ り 、 そ れ に 次 ぐ 第 二 の 科 学 革 命 の 一 環 と し て 起 こ っ た 数 学 的 存 在 に 関 す る 理 解 の 深 化 と 転 換 と い う 十 九 世 紀 数 学 の 飛 躍 的 発 展 は 、『 英 国 の 数 学 史 家 ジ ェ レ ミ ー ・ グ レ イ に よ っ て 剴 切 に も 「 数 学 的 存 在 の 十 九 世 紀 革 命 」 と 呼 ば れ た 。【 二 十 世 紀 数 学 思 想 ( 以 下 【 数 学 思 想 】 と す る . P9 】』 『 十 九 世 紀 以 前 の 純 粋 数 学 は 、 西 洋 的 理 解 で は 、 数 ( 離 散 量 ) を 対 象 と す る 算 術 と 、 図 形 ( 連 続 量 ) を 対 象 と す る 幾 何 学 が 基 本 に な っ て い る も の と さ れ て い た 。【 数 学 思 想 .P7】』『 と こ ろ が 、 十 九 世 紀 が 進 む う ち に 、 数 や 図 形 の 根 源 に は も っ と 本 質 的 な 数 学 的 存 在 が あ る に 違 い な い 、 と い う 認 識 が 一 般 的 に な っ て い っ た 。【 数 学 思 想 . P8】』 こ の こ と か ら 高 等 解 析 学 、 非 ユ ー ク リ ッ ド 幾 何 学 、 代 数 方 程 式 に 関 す る ガ ロ ワ 理 論 、 集 合 論 な ど が 形 成 さ れ 、こ の 頃 を「 存 在 論 革 命 」( ontological revolution)と 呼 ぶ 。 こ れ は 、『 数 や 図 形 が 、よ り 根 源 的 で 一 般 的 な「 構 造 」( structure) に よ っ て と ら え ら れ る よ う に な る と 二 十 世 紀 特 有 の 段 階 に 達 す る 。 こ の 過 程 は 、 フ ラ ン ス の 数 学 者 集 団 ニ コ ラ ・ ブ ル バ キ が 結 成 さ れ た 一 九 三 〇 年 代 に 完 成 の 境 域 に い た る 。 そ れ ゆ え 、 十 九 世 紀 の 「 存 在 論 革 命 」 は 、 二 十 世 紀 初 頭 の 「 構 造 論 革 命 」 へ と 連 続 的 に 発 展 し た と 見 な す こ と が で き る の で あ る 。【 数 学 思 想 . P9 】』 『「 構 造 論 革 命 」 は 代 数 学 の 分 野 か ら 起 こ り 、 解 析 学 の 新 し い 基 礎 づ け の た め の 位 相 空 間 論 へ と 波 及 し 、 ル ベ ー グ ら の 測 度 論 の 建 設 を 経 て 、 一 段 落 し た 。 そ の 後 、 数 学 的 構 造 は カ ン ト ル 的 集 合 論 を さ ら に 超 え た カ テ ゴ リ ー 概 念 を 中 軸 に 再 編 ・ 拡 充 さ れ
る ま で に い た っ て い る 。【 数 学 思 想 .P9 】』こ う い っ た 一 連 の 数 学 に お け る 革 命 を 推 進 し て い っ た 代 表 的 数 学 者 が ヒ ル ベ ル ト で あ る 。『 ヒ ル ベ ル ト の 革 命 の 方 法 論 的 道 具 は 古 代 ギ リ シ ャ で 生 ま れ た 公 理 論 的 方 法 で あ っ た 。彼 は そ の 方 法 を『 幾 何 学 の 基 礎 』( 一 八 九 九 年 ) に お い て 十 九 世 紀 末 の 幾 何 学 に 応 用 し 、 幾 何 学 の 公 理 系 を 整 序 し て 、 ユ ー ク リ ッ ド 幾 何 学 と 非 ユ ー ク リ ッ ド 幾 何 学 を 少 な く と も 論 理 的 に は 同 格 で あ る こ と を 示 し て み せ た だ け で は な く 、 も っ と 根 源 的 に そ の 方 法 を 算 術 、 そ れ か ら 数 学 基 礎 論 の 道 具 と し た 。 ヒ ル ベ ル ト の 公 理 論 的 方 法 に 基 づ い た 数 学 の 基 礎 づ け の 試 み で あ る 形 式 主 義 は 、 一 九 二 〇 年 代 に 新 た な 段 階 を 迎 え 、 無 矛 盾 な 公 理 論 的 体 系 を も っ て 数 学 理 論 の 正 当 化 と す べ き も の と 主 張 し た 。【 数 学 思 想 . P9 -10】』 『 ヒ ル ベ ル ト に よ る 形 式 主 義 的 数 学 の 理 解 の 試 み は 包 括 的 で 、 多 く の 数 学 者 に は 受 け 入 れ や す い も の で あ っ た が 、 認 識 論 、 す な わ ち 不 動 の 「 真 の 知 識 」 と は 何 か を め ぐ っ て 探 求 を 続 け て き た 批 判 的 な 知 的 基 準 を 備 え た 立 場 か ら 見 て 、 ナ イ ー ブ な 側 面 を も 宿 し て い た 。 そ の こ と を 早 く か ら 察 知 し て い た の が 、 ヒ ル ベ ル ト の 最 大 の ラ イ ヴ ァ ル で 直 観 主 義 の 領 軸 L.E.J.ブ ラ ウ ワ ー で あ っ た 。 ブ ラ ウ ワ ー は 、 一 九 二 七 年 暮 れ に は ヒ ル ベ ル ト の 証 明 論 が 要 請 す る 無 矛 盾 性 の 証 明 な ど 不 可 能 に 決 ま っ て い る と い う 見 解 を 提 出 し て い た 。 そ し て 、 一 九 二 八 年 春 、 ウ ィ ー ン で 直 観 主 義 数 学 の 考 え 方 に つ い て 講 演 し 【 数 学 思 想 . P12】』 哲 学 者 の ウ ィ ト ゲ ン シ ュ タ イ ン 、 数 学 者 の ク ル ト . ゲ ー デ ル 、 な ど に 大 き な イ ン パ ク ト を 与 え た 。 だ が 、 ブ ラ ウ ワ ー の 直 観 主 義 は 広 く 一 般 に 用 い ら れ た と い う わ け で は な か っ た 。 そ れ に は ブ ラ ウ ワ ー の 特 異 な 思 想 前 提 が 起 因 の 一 つ と し て あ げ ら れ る 。 『 ブ ラ ウ ワ ー は お よ そ 近 代 的 な 世 俗 生 活 を 嫌 悪 し 、 内 省 的 な 個 人 生 活 を 憧 憬 す る よ う な ロ マ ン テ ィ ッ ク な 少 年 で あ っ た ら し い 。 そ し て 重 要 な こ と は 、 ど う や ら そ れ が 個 人 の 意 識 か ら 生 み 出 さ れ る 自 然 数 の 直 観 か ら 数 学 が 構 成 さ れ る べ き で あ る と し 、 言 語 な り 記 号 的 な も の 一 般 を 忌 避 す る 彼 の 数 学 の モ テ ィ ヴ ェ ー シ ョ ン と も な っ た と い う の で あ る 。【 数 学 思 想 .P62】』つ ま り 、数 学 的 対 象 は 、我 々 か ら 独 立 に 実 在 し て い る の で は な く 、む し ろ 我 々 の 精 神 の 自 由 な 所 産 で あ る と 主 張 す る 。 例 え ば 、 自 然 数 ( 1 ,
2 , 3 ,・ ・ ・ ) は 、 無 限 個 あ る と い わ れ る が 、 こ れ は 自 然 数 全 体 ( 無 限 の 全 体 ) が 完 結 し た 姿 で あ ら か じ め 存 在 し て い る の で な く 、 限 り な く 生 成 さ れ る と い う 立 場 な の で あ る 。 ま た 、 ブ ラ ウ ワ ー は 先 ほ ど の 構 成 主 義 的 態 度 や 個 人 主 義 的 態 度 か ら 、 無 限 集 合 に お い て 、 背 理 法 に よ る 非 存 在 の 矛 盾 に も と づ き 存 在 を 示 す 証 明 を 認 め な か っ た 。 そ れ 故 、 無 限 集 合 に お い て 「 排 中 律 」、 す な わ ち 、 あ る 命 題 は 真 で あ る か 偽 で あ る か の ど ち ら か で あ る と い う 推 論 法 則 を 捨 て る べ き だ と 主 張 し た 。 こ れ に よ り 、 例 え ば ab=0 か ら a=0 ま た は b=0 を 直 接 結 論 す る こ と は で き な い 、 な ど い ろ い ろ と 制 限 が か か り 、 こ の 点 か ら も 直 観 主 義 に 不 賛 同 の 結 果 を も た ら し た と い え る 。 し か し 、 ウ ィ ト ゲ ン シ ュ タ イ ン が そ う で あ っ た よ う に 、 そ れ が 「 イ ン ス ピ レ ー シ ョ ン 」 を 与 え て く れ る 役 割 と し て は 有 用 で あ る 。 つ ま り 、 ウ ィ ト ゲ ン シ ュ タ イ ン が 非 古 典 論 理 学 に つ い て 以 下 の よ う に 述 べ て い る 役 割 と し て 有 用 な の で あ る 。『 そ う し た ゲ ー ム の 価 値 は 、 そ れ ら が 偏 見 を 打 ち 壊 す と こ ろ に あ る 。 す な わ ち 、 必 ず し も こ の や り 方 で な く て も よ い と い う こ と を 、 そ れ ら は 示 す の で あ る 。【 数 学 思 想 . P94】』 と も あ れ 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル は こ の ブ ラ ウ ワ ー の 直 観 主 義 の 影 響 を う け て い た と 考 え ら れ る 。 そ れ は フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 に 表 れ て い る 。 上 で 少 し 述 べ た よ う に 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 と は 、 数 学 を 活 動 と み る こ と で あ る 。 数 学 に は 、 前 も っ て 確 立 さ れ た 演 繹 的 な シ ス テ ム ( 例 え ば 、 教 科 書 に 示 さ れ る 数 学 ) と し て の 完 成 さ れ た 数 学 が あ る 。 他 方 、『 ソ ク ラ テ ス の 方 法 は そ の 生 徒 に 、 煉 瓦 か ら 最 終 的 に 何 が 建 設 さ れ る か を 知 ら せ る た め に 、 ど の よ う に 彼 を 基 礎 的 な 分 析 に 参 加 さ せ る か を 、示 す 。【
Mathematics
as an Educational Task
( 以 下 【 課 題 】 と す る )、 P91】』 の よ う に 、 応 用 ・ 応 用 可 能 性 の あ る 現 象 か ら 出 発 し 、 生 徒 に よ り 作 り 上 げ ら れ る 、 ま さ に 生 ま れ 出 よ う と し て い る 状 況 に あ る ( in statu nascendi)数 学 が あ る 。フ ロ イ デ ン タ ー ル は 前 者 を 既 成 の ( ready-made)数 学 、後 者 を 行 動 に 表 さ れ た( acted-out)数 学 と 呼 ん で い る 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル の い う 活 動 と し て の 数 学 は 後 者 を 指 す 。 こ こ に は 、 数 学 を あ る 種 の 超 越 的 存 在 ( 生 徒 か ら み る と 、 完 成 さ れ た 数 学 が 別 に あ る ) と み な す の で は な く 、 ブ ラウ ワ ー の 高 弟 で あ り 直 観 主 義 を 代 表 す る 一 人 で あ る ハ イ テ ィ ン グ が 、 直 観 主 義 の 目 標 を 『 知 性 の 自 然 な 機 能 、 思 考 の 自 由 で 生 き 生 き し た 活 動 と し て 数 学 を 行 う 。【 数 学 思 想 . P42】』『 数 学 は 人 間 精 神 の 産 物 な の で あ る 。【 数 学 思 想 .P42】』と 述 べ て い る よ う な 活 動 と と ら え る 構 成 主 義 的 な 立 場 を み る こ と が で き る 。 で は 、活 動 と し て の 数 学 に お け る 数 学 的 活 動 と は 何 で あ る か 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 、【 課 題 】の 中 で「 数 学 的 活 動 と は 、経 験 の 場 を 組 織 す る 活 動 で あ る 。」と 述 べ て い る 。で は ど の よ う に 組 織 す れ ば よ い か 。フ ロ イ デ ン タ ー ル は 、van Hiele の 学 習 プ ロ セ ス の レ ベ ル に し た が っ て 組 織 す る こ と を 主 張 し て い る 。そ こ で は 、 一 つ の 水 準 に お い て 、 経 験 を 組 織 す る 行 為 が 、 次 の 水 準 に お い て は 、 分 析 の 対 象 と な り 、 今 度 は そ れ を 組 織 す る 。 そ し て そ の 次 の 水 準 で は 、す ぐ 前 の 水 準 に お け る 組 織 の 行 為 が 対 象 と な り 、 次 々 と 学 習 水 準 が 上 昇 す る と い う も の で あ る 。 数 学 を こ の よ う な 「 人 間 の 活 動 と し て の 数 学 」 と 捉 え る こ と が フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 観 で あ る 。
残 さ れ た 課 題 : 課 題 Ⅰ で あ る 「 フ ロ イ デ ン タ ー ル と は ど の よ う な 人 物 か 」 に つ い て 、 読 む こ と が で き た 文 献 が 少 な く 、 大 ま か に し か 明 ら か に す る こ と が で き な か っ た 。 そ の た め 、 こ の 課 題 の 目 的 で あ る 本 研 究 主 題 に 対 す る 有 効 な 指 針 を あ た え る こ と が で き な か っ た 。 こ の 課 題 は 今 後 研 究 を 進 め て い く 上 で 重 要 な 課 題 で あ り 、 文 献 を 読 み 進 め 明 ら か に す る 。 ( こ の 課 題 は 一 般 的 に い う 「 課 題 」 と は 異 な り 、 今 後 の 筆 者 自 身 に と っ て 、 と い う 意 味 で あ げ た 。)
第
第
第
第 2
2
2
2 章
章
章
章 ま と め
ま と め
ま と め
ま と め
本 章 で は 、課 題 1 に 対 し て の 考 察 を 述 べ た 。フ ロ イ デ ン タ ー ル は は じ め 数 学 者 で あ っ た が 、長 年 数 学 教 育 に 関 心 を も っ て お り 、 数 学 教 授 の 際 、教 師 か ら 一 方 的 に 数 学 的 知 識 を 教 え ら れ る こ と を 問 題 視 し 、望 ま し い 方 法 と し て 、 数 学 を 「 人 間 の 活 動 と し て の 数 学 」 と み る 考 え 方 、つ ま り 、 生 徒 自 身 が 数 学 的 知 識 や 数 学 的 な 考 え 方 を 発 明 し 直 さ な け れ ば な ら な い こ と 、現 実 の 問 題 か ら 出 発 し 、生 徒 自 身 に よ り 数 学 化 す る と い う 活 動 を 行 わ な け れ ば な ら な い と し 、数 学 化 と 発 明 し 直 す こ と を 提 唱 し た 人 物 で あ る 。ま た 、 数 学 化 に つ い て 述 べ る 際 、 以 上 の 立 場 に 立 ち 述 べ て い る 。第
第
第
第 3
3
3 章
3
章
章
章
ハ ン ス
ハ ン ス
ハ ン ス
ハ ン ス ・
・ フ ロ イ デ ン タ ー ル
・
・
フ ロ イ デ ン タ ー ル
フ ロ イ デ ン タ ー ル
フ ロ イ デ ン タ ー ル の
の
の
の 数 学 化
数 学 化
数 学 化
数 学 化
3 - 1 数 学 化 の 対 象 の レ ベ ル 3 - 2 数 学 化 の プ ロ セ ス 3 - 2 - 1 最 下 位 の レ ベ ル ― 現 実 を 数 学 化 す る こ と ― 3 - 2 - 2 現 実 の 数 学 化 に 続 く レ ベ ル ― 幾 何 の 事 例 か ら の 考 察 ― 3 - 2 - 3 幾 何 の プ ロ セ ス の 一 般 的 な 解 釈 3 - 2 - 4 数 学 化 の プ ロ セ ス で あ る 形 式 化 3 - 3 数 学 化 に つ い て の さ ら な る 考 察 3 - 3 - 1 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る 「 数 学 す る 」 3 - 3 - 2 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 考 え る 「 数 学 化 す る 」 3 - 3 - 3 「 数 学 す る 」 と 「 数 学 化 す る 」 の 差 異 3 - 4 数 学 化 ― 水 平 方 向 と 垂 直 方 向 ― 3 - 5 数 学 化 の 教 授 の 手 段 3 - 5 - 1 ソ ク ラ テ ス の 方 法 3 - 5 - 2 発 明 し 直 す こ と ( コ メ ニ ウ ス の 方 法 か ら の ア プ ロ ー チ ) 3 - 5 - 3 学 習 プ ロ セ ス の レ ベ ル 3 - 6 生 徒 の 学 ぶ べ き 数 学 化 本 章 で は 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル の 数 学 化 が い か な る も の か を 明 ら か に す る 。 3 - 1 ・ 2 で は 、 数 学 化 と は 何 に 対 し て 行 う か 、 ど の よ う に 行 う か に つ い て 述 べ る 。 さ ら に 数 学 化 に つ い て 明 確 に す る た め 3 - 3 の 節 を 設 け た 。こ こ で は「 数 学 す る 」 と 「 数 学 化 す る 」 を 比 較 し 述 べ る こ と に よ り 課 題 Ⅱ を 解 決 す る 。 で は 数 学 化 を ど の よ う に 教 授 す べ き か 。 こ れ を 3 - 5 で 明 ら か に し 、 3 - 6 で 課 題 Ⅲ で あ る 「 生 徒 は ど こ ま で の 数 学 化 を 学 ぶ べ き か 」 に つ い て 考 察 す る 。3 3 3 3 --- 1-111 数 学 化数 学 化数 学 化 の数 学 化の 対 象のの対 象対 象 の対 象のの レ ベ ルのレ ベ ルレ ベ ルレ ベ ル 数 学 化 と は 何 か 。 ま ず 数 学 化 の 対 象 の レ ベ ル か ら 明 ら か に し て い く こ と と す る 。 つ ま り 、 い っ た い 何 に 対 し て 数 学 化 を 行 う か か ら 述 べ よ う 。 『 学 生 は 数 学 化 す る こ と を 学 ぶ べ き で あ る ― 私 が 意 味 す る の は 、 始 め る の に 、 現 実 の 場 面 を 数 学 化 す る こ と で あ る 。 数 学 的 な 場 面 を 数 学 化 す る こ と は 終 点 で あ っ て 、 出 発 点 で は な い 。【 課 題 . P55】』 と い う フ ロ イ デ ン タ ー ル の 主 張 か ら わ か る よ う に 、 数 学 化 す る 対 象 に は レ ベ ル の 違 い が あ る 。 ま た 、『 生 徒 が 数 学 化 を 、 確 か に 数 学 の 応 用 可 能 性 を 保 証 す る た め に 、 そ れ が 非 数 学 的 な も の に 適 用 す る 最 も 低 い レ ベ ル 上 で 学 ぶ べ き こ と 、 し か し 、 数 学 的 な も の が 少 な く と も 局 所 的 に 組 織 さ れ る 次 の レ ベ ル 上 で は い っ そ う 少 な く 学 ぶ べ き こ と で あ る 。 【 課 題 . p 101】』 と も 主 張 し て い る 。 こ の こ と か ら 数 学 化 す る 対 象 に 対 す る レ ベ ル は 以 下 の よ う に な る 。 最 初 の レ ベ ル : 非 数 学 的 な 場 面 を 数 学 化 す る 。 次 の レ ベ ル : 数 学 的 な 場 面 を 局 所 的 に 数 学 化 す る 。 ・ ・ 最 後 の レ ベ ル : 数 学 的 な 場 面 を 数 学 化 す る 。 最 初 の レ ベ ル に つ い て : フ ロ イ デ ン タ ー ル は 数 学 指 導 で 数 学 の 応 用 が 言 及 さ れ る な ら 、 教 授 法 的 倒 置 の パ タ ー ン に し た が っ て な さ れ る べ き で な い こ と を 主 張 し て い る 。 数 学 が 最 初 に 来 て 、 具 体 的 な 問 題 が 一 つ の 応 用 と し て 後 に く る べ き で は な い と い う こ と で あ る 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は こ れ で は な く 、 負 の 数 は 、 も し そ れ ら 負 の 数 が て こ で 応 用 さ れ る べ き な ら 、 そ れ ら で 出 発 す る べ き で あ り 、 対 数 が も し 計 算 尺 、 空 気 圧 、 ま た は 、 双 曲 線 に 応 用 さ れ る べ き な ら 、 そ れ ら で 出 発 す る べ き で あ る と 主 張 す る 。 つ ま り 、 数 学 と の 関 係 を も つ 現 実 の 現 象 で 出 発 す る べ き で あ り 、 そ の た め 最 初 の レ ベ ル を こ う 位 置 づ け て い る 。
後 の レ ベ ル に つ い て は 次 節 で 説 明 を 加 え る 。 以 上 か ら 、数 学 化 に は 大 き く 分 け て「 現 実 を 数 学 化 す る こ と 」 と 「 数 学 を 数 学 化 す る こ と 」 が あ る 。 そ し て 現 実 を 数 学 化 す る こ と に 始 ま り 、 数 学 を 数 学 化 す る こ と へ 続 く こ と を 述 べ た 。 そ こ で 次 に そ の 数 学 化 の プ ロ セ ス に つ い て 詳 し く 説 明 を 加 え る こ と と す る 。
3 3 3 3 --- 2-222 数 学 化数 学 化 の数 学 化数 学 化ののの プ ロ セ スプ ロ セ スプ ロ セ ス プ ロ セ ス 3 3 3 3 -- 2--222 --- 1-1 11 最 下 位最 下 位最 下 位最 下 位 ののの レ ベ ルのレ ベ ル ―レ ベ ルレ ベ ル――― 現 実現 実現 実現 実 をを 数 学 化をを数 学 化数 学 化数 学 化 す る こ とす る こ とす る こ と ―す る こ と――― 以 上 で 述 べ た よ う に 、 数 学 化 の プ ロ セ ス と し て 最 初 に 行 わ れ る こ と は 現 実 を 数 学 化 す る こ と で あ る 。フ ロ イ デ ン タ ー ル は『 今 日 、 多 く の 人 は 、 生 徒 が 非 数 学 的 な も の を 数 学 化 す る こ と を 学 ぶ べ き こ と 、 つ ま り 、 そ れ を 数 学 的 な 洗 練 に ア ク セ ス 可 能 な 構 造 に 整 理 組 織 す る の を 学 ぶ べ き こ と に 同 意 す る だ ろ う 。【 課 題 . P101】』と 述 べ て い る 。こ の こ と か ら 現 実 を 数 学 化 す る こ と と は 、 生 活 の 世 界 か ら 記 号 の 世 界 へ 導 く こ と で あ り 、 数 学 的 な 方 法 に ア ク セ ス で き 、 数 学 的 に 洗 練 で き る 構 造 に 整 理 ・ 組 織 す る こ と で あ る 。 つ ま り 問 題 の 構 造 を 把 握 す る こ と か ら 始 ま る 。 こ の 方 法 の 一 つ と し て 、 問 題 を 図 式 化 す る こ と が 考 え ら れ る 。 こ れ に よ っ て 問 題 の 数 学 的 構 造 が 把 握 さ れ 、 問 題 が 解 決 さ れ る わ け で あ る 。 例 え ば 、「 グ ー 、 チ ョ キ 、 パ ー に も う 一 つ 加 え て 4 つ の 種 類 に し て 、 公 平 な ジ ャ ン ケ ン を 作 っ て み よ う 」 と い う 問 題 で 考 察 す る 。 4 種 の 場 合 を 直 接 考 え る 前 に 、ま ず 、3 種 の 場 合 の ジ ャ ン ケ ン を 図 式 化 し て み よ う 。 グ ー 、 チ ョ キ 、 パ ー を 三 角 形 の 頂 点 に あ て は め る 。 こ れ は ジ ャ ン ケ ン を 三 角 形 と い う 数 学 的 モ デ ル に 置 き 換 え た も の で あ る ( 図 1 )。
こ の モ デ ル を も と に 4 種 の 場 合 の 考 察 を 進 め る 。 前 と 同 じ よ う に 考 え る と 、 新 し い ジ ャ ン ケ ン は 四 角 形 の 頂 点 に あ て は め て 考 え れ ば よ い 。 し か し 、 四 角 形 を 見 て わ か る よ う に 、 三 角 形 の 場 合 と は 異 な り 、 対 戦 は 辺 の 上 だ け で は な く 、 今 度 は 対 角 線 に あ る 組 の 勝 ち 負 け も 考 え ね ば な ら な い ( 図 2 )。 つ ま り 、 6 つ の 組 そ れ ぞ れ の 勝 ち 負 け を 考 え な け れ ば な ら な い 。 そ れ を 考 え る た め に は 、 図 表 示 も 、 組 み 合 わ せ だ け で な く 勝 ち 負 け の 図 表 示 も 考 え な け れ ば な ら な い 。 勝 ち 負 け に 対 し て 矢 印 を つ け 、 そ れ を 含 め て 図 式 化 し た も の が 図 3 で あ る 。
3 種 の 場 合 は 簡 単 で あ る 。で は 4 種 の 場 合 は ど う だ ろ う か 。公 平 を 期 す る に は 、 各 々 の 頂 点 で 一 つ 矢 印 が 入 っ た ら 、 一 つ 矢 印 が 出 る よ う に す れ ば よ い 。 こ れ は 言 い 換 え る と 、 四 角 形 の 辺 と 対 角 線 に つ い て 一 筆 書 き が で き 、 も と に 戻 る こ と が で き れ ば よ い と い う こ と で あ る 。 ま さ に 、 現 実 を 数 学 的 な 方 法 に ア ク セ ス で き る 構 造 に 数 学 化 し 、 問 題 の 構 造 を 明 ら か に し た の で あ る 。 こ の 構 造 は さ ら に 5 種 類 の ジ ャ ン ケ ン ( 図 4 ) や さ ら に 一 般 化 し た ジ ャ ン ケ ン に も 適 用 で き 、 数 学 的 な 洗 練 に ア ク セ ス で き る 構 造 と も い え る で あ ろ う 。
3 3 3 3 ---- 2222 -- 2--222 現 実現 実現 実現 実 のの 数 学 化のの数 学 化数 学 化 に数 学 化ににに 続続 く続続くくく レ ベレ ベレ ベレ ベ ルルルル ― ― ― ― 幾 何幾 何幾 何 の幾 何のの 事 例の事 例 か ら の事 例事 例か ら のか ら のか ら の 考 察考 察考 察考 察 ―――― 上 で 一 般 化 と い う 数 学 的 な 洗 練 を 示 し た が 、 他 に ど の よ う な 洗 練 さ れ た 数 学 を 目 指 す べ き か 。 そ れ を 幾 何 に よ る 事 例 か ら 見 て い く 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 数 学 化 の プ ロ セ ス の い っ そ う 高 い レ ベ ル と し て『 空 間 的 な 対 象 gestalt を 図 形 と し て 把 握 す る こ と は 、 空 間 の 数 学 化 で あ る 。 平 行 四 辺 形 の 諸 性 質 を 、 平 行 四 辺 形 の 定 義 に 到 達 す る た め に 、 他 の も の を そ れ の 上 に 基 礎 付 け る た め あ る 特 段 の 性 質 が 現 れ る よ う に 並 べ る こ と 、 そ れ は 、 平 行 四 辺 形 の 概 念 場 を 数 学 化 す る こ と で あ る 。 幾 何 の 諸 定 理 を 、 少 数 か ら そ れ ら 全 て を 得 る よ う に 並 べ る こ と 、 そ れ は 、 幾 何 を 数 学 化 す る こ と ( ま た は 、 公 理 化 す る こ と ) で あ る 。 こ の シ ス テ ム を 言 語 の 手 段 に よ っ て 整 理 組 織 す る こ と は 、 再 び あ る 科 目 を 数 学 化 す る こ と で 、 今 は 、 定 式 化 と 呼 ば れ る 。 そ の 物 語 は 自 身 を 繰 り 返 す ― 平 行 四 辺 形 に つ い て の そ れ ぞ れ の 一 般 的 陳 述 は 数 学 的 な 陳 述 で あ る が 、 こ れ ら の 陳 述 の 全 体 は 、 そ れ 自 身 で ご た ま ぜ に さ れ た 混 乱 状 態 で あ る 。 そ れ は 、 も し 論 理 的 な 関 係 に よ っ て 構 造 化 さ れ る な ら 、 数 学 に な り 、 そ れ が 数 学 化 で あ る 。 幾 何 的 な 定 理 ( 複 数 ) は 一 つ の 混 乱 で あ り 、 そ れ ら が 局 所 的 に 関 係 付 け ら れ て い て さ え 、 そ れ は な お 幾 何 的 な 章 ( 複 数 ) の 混 乱 で あ る 。 公 理 的 な 数 学 化 に よ っ て こ の 魂 は 数 学 化 さ れ る 。 言 語 的 に は 、 こ れ は 再 び 、 日 常 語 で 表 現 さ れ る 全 て の よ う に 、 混 乱 状 態 で あ る 。 こ こ で 、 言 語 的 な 組 織 化 は 一 つ の 形 式 的 な シ ス テ ム に 導 く 。【 課 題 . P101】』 と 述 べ て い る 。 つ ま り 、 数 学 化 の プ ロ セ ス の い っ そ う 高 い レ ベ ル で あ る 公 理 化 と い う 洗 練 へ の プ ロ セ ス と は ・ 空 間 の 数 学 化 ・ 概 念 場 の 数 学 化 ・ 幾 何 の 数 学 化 ( 公 理 化 ) で あ る 。 ま ず 空 間 の 数 学 化 か ら 述 べ よ う 。
《 《 《 《 空 間空 間空 間空 間 ののの 数 学 化の数 学 化数 学 化数 学 化 》》》 》 例 え ば 、 様 々 な 平 行 四 辺 形 が 与 え ら れ 、 そ の 中 か ら 共 通 の 原 理 に よ り 組 織 し 、 平 行 四 辺 形 の 性 質 を 定 め る こ と 。 つ ま り 、 平 行 四 辺 形 の 形 と い う 現 実 の 状 況 か ら 共 通 の 構 造 を 把 握 し 、 数 学 的 な 洗 練 に ア ク セ ス で き る 数 学 に 数 学 化 す る こ と で あ る 。 こ れ に よ り 初 め て 、 対 象 は 幾 何 図 形 と な り 、 数 学 的 手 段 に よ る ア プ ロ ー チ が 可 能 と な る の で あ る 。 《 《 《 《 概 念 場概 念 場概 念 場 の概 念 場ののの 数 学 化数 学 化数 学 化 》数 学 化》》》 上 述 し た こ と か ら 、 概 念 場 の 数 学 化 と は 、 あ る 一 種 の 幾 何 の 諸 性 質 を 、 そ の 定 義 に 到 達 す る た め 、 つ ま り 他 の 性 質 を そ れ の 上 に 基 礎 付 け る た め 、 あ る 特 段 の 性 質 が 表 れ る よ う に 並 べ る こ と で あ る 。 具 体 的 に は 以 下 の 通 り で あ る 。 例 え ば 、 以 下 の よ う に 、 定 義 を そ れ ぞ れ の 性 質 間 の 関 係 か ら ( こ の 性 質 は あ の 性 質 か ら 導 か れ る 、 と い う よ う に ) 導 い た と き 、 そ れ ぞ れ の 性 質 は 全 て あ る 特 定 の 性 質 ( 複 数 の 場 合 も あ る ) か ら 導 か れ 、 図 5 の 逆 ピ ラ ミ ッ ド の よ う に 並 べ る こ と が で き る 。 ( 定 義 は 以 下 の 一 つ に 限 ら れ る の で は な く 、 導 き 方 し だ い で 多 様 で あ り 、 そ の 中 の 一 つ を 以 下 に 示 し た こ と を 注 意 し て お く 。) 平 行 四 辺 形 の 定 義 : 2 組 の 対 辺 が そ れ ぞ れ 平 行 な 四 角 形 平 行 四 辺 形 の 性 質 : ① 2 組 の 対 辺 は そ れ ぞ れ 等 し い 。 ② 2 組 の 対 角 は そ れ ぞ れ 等 し い 。 ③ 2 つ の 対 角 線 は お の お の の 中 点 で 交 わ る 。 ④ 隣 り 合 う 角 は 補 角 で あ る 。 ⑤ 対 角 線 に よ っ て 分 け ら れ る 三 角 形 は 合 同 と な る 。 ⑥ 垂 線 に よ り 切 り 取 ら れ た 図 形 の 移 動 に よ り 、 長 方 形 が で き る こ と 。 な ど 、 他 に も 多 数 の 性 質 が あ る 。
上 の 性 質 だ け で 考 え る と 、図 5 の 性 質 に は 、① 、② 、③ 、⑤ を 位 置 づ け る こ と が で き 、 さ ら に そ の 上 に は ④ 、 ⑥ の 性 質 を 位 置 づ け る こ と が で き る 。 《 《 《 《 公 理 化公 理 化公 理 化公 理 化 》》》》 上 述 し た よ う に 、 数 学 化 で 目 指 す べ き 洗 練 の 一 つ で あ る 公 理 化 と は 、 幾 何 の 諸 定 理 を 、 少 数 か ら そ れ ら す べ て を 得 る よ う に 並 べ る こ と で あ る 。 い き な り 公 理 化 が 行 わ れ る か と い う と そ う で は な く 、 そ の 前 に 数 学 的 な 経 験 の 蓄 積 が 形 成 さ れ 、 そ れ ら 諸 命 題 を 論 理 的 な 関 係 に よ り 組 織 す る 活 動 が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 そ の 後 、 そ れ ら 命 題 の 中 の 少 数 を 公 理 の よ う に 前 程 と す る 事 柄 と し て 特 定 し 、 公 理 化 が 行 わ れ る の で あ る 。 だ が 、 こ こ で 問 題 と な る の は 、 そ の よ う な 公 理 が ど こ ま で 厳 密 で あ る べ き か と い う こ と で あ る 。 こ の 厳 密 さ に つ い て 、フ ロ イ デ ン タ ー ル は【 課 題 】の 中 で 、「 子 ど も た ち 自 身 が 「 な ぜ ? 」 を 問 い 、 そ れ に 対 し て 根 拠 と す る 事 柄 に 適 切 に 答 え る こ と が で き る な ら ば 厳 密 で あ る 。」 と 述 べ て い る 。 つ ま り 、 公 理 の 厳 密 さ と は 、 教 師 に と っ て の 厳 密 さ で は な く 、 子 ど も 自 身 に よ り 定 め ら れ る 厳 密 さ で あ る 。 こ の よ う な 公 理 化 に つ い て 、 具 体 的 に は 以 下 の 通 り で あ る 。
( 資 料 2 ) よ り 、 一 部 抜 粋 し た 論 理 的 な 関 係 が 図 6 で あ り 、 そ れ を 公 理 化 し た も の が 図 7 で あ る 。
( 資 料 2 ) と し て 、 和 田 ( 2001) よ り 「 中 学 校 に お い て 公 理 と し て 定 め ら れ て い る 事 柄 や そ れ ら か ら 導 か れ た 定 理 の ネ ッ ト ワ ー ク 」 を 引 用 し て い る 。
こ の よ う に 論 理 的 な 関 係 に 整 理 組 織 す る こ と は も ち ろ ん 数 学 を 数 学 化 し て い る わ け で あ る が 、 こ の 例 は 局 所 的 で あ る 。 な ぜ な ら 、 上 で 『 幾 何 的 な 定 理 ( 複 数 ) は 一 つ の 混 乱 で あ り 、 そ れ ら が 局 所 的 に 関 係 付 け ら れ て い て さ え 、 そ れ は な お 幾 何 的 な 章 ( 複 数 ) の 混 乱 で あ る 。』 と 述 べ た よ う に 、( 資 料 2 ) で 挙 げ た 定 理 や そ の 他 数 多 く の 定 理 な ど 、 こ れ ら 数 多 く の 定 理 の 論 理 的 な 関 係 を 含 ん で い な い か ら で あ る 。 よ っ て こ の 例 は 、前 節 の「 数 学 化 の 対 象 の レ ベ ル 」で 述 べ た 、 「 数 学 的 な 場 面 を 局 所 的 に 数 学 化 す る 」 と い う レ ベ ル と し て み な す こ と が で き 、 最 後 の レ ベ ル と し て 位 置 づ け ら れ る 「 数 学 的 な 場 面 を 数 学 化 す る 」 と は 、 局 所 的 な 状 況 や 幾 何 的 な 章 内 に 限 定 さ れ た 状 況 の 垣 根 を こ え 、 大 域 的 に 組 織 す る こ と で あ る 。 こ の よ う に 「 局 所 的 」 を 量 的 に と ら え る こ と の 他 に 、 質 的 に と ら え る こ と が 考 え ら れ る 。 そ れ は 、 上 述 し た 厳 密 さ に つ い て の 観 点 で あ る 。 数 学 者 が 用 い る よ う な 厳 密 な 公 理 な ど で 構 成 さ れ る 演 繹 的 な 体 系 を 学 習 す る こ と ま で 要 求 せ ず 、 先 の 三 角 形 の 合 同 条 件 を 公 理 と す る こ と か ら も 明 ら か な よ う に 、 厳 密 さ に 違 い が あ る 。 つ ま り 、「 数 学 的 な 場 面 を 局 所 的 に 数 学 化 す る 」 と は 子 ど も 自 身 に よ る 厳 密 さ に よ り 組 織 す る こ と で あ り 、「 数 学 的 な 場 面 を 数 学 化 す る 」 と は 、 万 人 が 認 め る 厳 密 さ に よ り 組 織 す る こ と で あ る と と ら え る こ と が で き る 。 残 さ れ た 課 題 : 上 述 し た 公 理 化 の 方 法 は 、 De Villiers が 「 記 述 的 公 理 化 」 と 呼 ん で い る も の で あ る 。 こ の 他 に も 公 理 化 の 方 法 と し て 、 杉 山 が 公 理 的 方 法 を 挙 げ て い る 。 簡 潔 に 述 べ る と 、 そ れ は 、 命 題 か ら 出 発 し 「 根 拠 を 探 る 」 と い う 観 点 か ら 、 ど ん ど ん さ か の ぼ り 公 理 を 定 め る こ と に よ り 公 理 化 を 行 う こ と で あ る 。 実 際 の 教 授 を 考 え る の で あ れ ば 、 こ れ ら に つ い て 考 え な け れ ば な ら ず 、 課 題 と な り え る で あ ろ う 。
3 3 3 3 -- 2--222 --- 3-333 幾 何幾 何幾 何幾 何 のの プ ロ セ スののプ ロ セ スプ ロ セ ス のプ ロ セ スののの 一 般 的一 般 的一 般 的一 般 的 なななな 解 釈解 釈解 釈 解 釈 以 上 、 幾 何 の 数 学 化 の プ ロ セ ス に つ い て 述 べ て き た が 、 こ の プ ロ セ ス は 幾 何 に 限 定 さ れ る か ど う か を 検 討 し な け れ ば な ら な い 。 結 論 か ら 述 べ る と 、 そ っ く り そ の ま ま 同 じ と い う わ け で は な い が 、 幾 何 に 限 定 さ れ る プ ロ セ ス で は な い 。 こ れ に つ い て 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 幾 何 の プ ロ セ ス を 数 の 指 導 に 適 用 し た 例 で 述 べ て い る た め 、 そ れ に つ い て 説 明 す る 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 、分 数 と 正 の 数・負 の 数 の 指 導 に お い て 、 分 数 は 代 数 で 扱 う べ き で あ り 、 初 等 算 術 の 内 容 で な い こ と を 主 張 し て い る 。 こ こ で 、 代 数 と 初 等 算 術 と の 区 別 に つ い て 述 べ て お こ う 。 こ れ に つ い て 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 『 初 等 算 術 は 直 観 的 で 現 実 に 近 い か 、 あ る い は 、 そ う あ る べ き で あ る 。 し か し な が ら 、 代 数 は 典 型 的 に そ の 形 式 的 -記 号 的 方 法 に よ っ て 特 徴 づ け ら れ る 。【 課 題 . P208】』 と 述 べ て い る 。 つ ま り 、 指 導 内 容 の 配 列 の 面 か ら 考 え る と 、 今 日 の 学 校 数 学 で は 、 分 数 指 導 の 後 に 正 の 数 ・ 負 の 数 を 指 導 す る こ と が 普 通 で あ る け れ ど も 、 そ の 指 導 順 序 を 入 れ 替 え て 、 正 の 数 ・ 負 の 数 の 指 導 の 後 に 分 数 を 指 導 す べ き で あ る と 主 張 し て い る 。 な ぜ 、 分 数 を 正 の 数 ・ 負 の 数 よ り 後 に す べ き で あ る か 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 、 分 数 指 導 の 問 題 点 と し て 「 子 ど も が 直 観 的 に 分 数 を 扱 う こ と が で き る よ う に な る と 、 教 師 は す ぐ に ア ル ゴ リ ズ ム 的 分 数 へ 移 行 し よ う と す る 」 と 挙 げ て お り 、 直 観 的 分 数 か ら ア ル ゴ リ ズ ム 的 分 数 へ と 移 行 す る と き 、 一 回 限 り の 方 法 、 つ ま り 、operational で な い 方 法 で 指 導 さ れ る と こ ろ に 教 育 的 な 問 題 が あ る こ と を 指 摘 し て い る 。 こ の 問 題 点 を 解 決 す る た め に 、 正 の 数 ・ 負 の 数 の 指 導 を 分 数 の 指 導 の 前 に 位 置 づ け て い る の で あ る 。 で は 具 体 的 に 以 下 で 述 べ よ う 。 ( 直 観 的 分 数 と ア ル ゴ リ ズ ム 的 分 数 に つ い て は 資 料 3 を 参 照 ) 負 の 数 と そ の 演 算 に つ い て 、 子 ど も が 直 観 的 に 認 め る こ と が で き る よ う な 指 導 方 法 と し て 、 - 2 と い う よ う な 負 の 数 を 、 例 え ば 3 - 5 の 答 え と し て 考 え さ せ る こ と が あ る 。 そ し て 、 も し 負 の 数 を 数 直 線 を 用 い て 表 示 す る こ と を 指 導 し た と す れ ば 、 整
数 の 領 域 内 で の 演 算 、 例 え ば 「 5 を 足 す 」、「 5 を 引 く 」 の 意 味 は 、 そ れ ぞ れ 数 直 線 を 右 へ 5 進 む 、 左 へ 5 進 む と い う よ う に 直 観 的 に と ら え さ せ る こ と が で き る 。 こ れ に よ り - 3 + 5 , - 3 + 2 , 3 - 5 , - 3 - 5 と い う タ イ プ の 演 算 は 直 観 的 に 答 え を だ す こ と が で き る 。 問 題 は 以 下 の よ う な 負 の 数 を 足 す こ と で あ る 。 ( ±3 ) + ( - 5 ), ( ±3 ) - ( - 5 ) ま た 、 乗 法 に つ い て は 、 上 記 の 負 の 数 を 足 す 指 導 が 進 ん で い る と す る と 、 正 の 数 あ る い は 負 の 数 に 正 の 数 を か け る こ と を 累 加 の 考 え に よ り 理 解 で き る 。 そ こ で 、 こ こ で も 問 題 と な る の は 以 下 の よ う な 負 の 数 を か け る 場 合 で あ る 。 ( ±3 ) ×( - 5 ) こ れ を ど の よ う に 指 導 す れ ば よ い か 。 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 、「 帰 納 的 外 挿 法 ( inductive-extrapolatory method)」 が よ い と 述 べ て い る 。 そ れ は 以 下 の よ う に 、 現 在 の 既 知 の 知 識 体 系 を 未 知 の 領 域 に 拡 大 し て 利 用 す る こ と で あ る 。 3 + 2 = 5 3 - 2 = 1 3 ・ 2 = 6 (- 3 )・ 2 = - 6 3 + 1 = 4 3 - 1 = 2 3 ・ 1 = 3 (- 3 )・ 1 = - 3 3 + 0 = 3 3 - 0 = 3 3 ・ 0 = 0 (- 3 )・ 0 = 0 3+ (-1)= □ 3- (-1)=□ 3・ (-1)= □ (-3 )・ (-1)= □ だ が こ の 方 法 は 分 数 の 演 算 に は 適 用 す る こ と が で き な い 。 こ の 点 で も 正 の 数 ・ 負 の 数 の 指 導 が 分 数 の 指 導 に 先 行 す る 理 由 と な る が 、 問 題 は 後 続 す る 分 数 へ 拡 張 す る た め に 今 の 構 造 を ど う 変 化 さ せ る か で あ る 。 こ こ で 代 数 が 登 場 す る 。
例 え ば 、( - 2 ) +( - 3 ) の 演 算 の 場 合 - 2 を x +2 = 0 ・ ・ ・ ① を 満 た す x - 3 を y +3 = 0 ・ ・ ・ ② を 満 た す y と す る と ① +② か ら ( x +y ) +5 = 0 し た が っ て x + y = - 5 つ ま り ( - 2 ) + ( - 3 ) = - 5 こ の よ う な 構 造 に 組 織 す る こ と に よ り 、 分 数 も 同 様 に 扱 う こ と が で き る 。 例 え ば 7/3+ 3/5 の 演 算 の 場 合 7/3 を 3 x = 7 ・ ・ ・ ① を 満 た す x 3/5 を 5 x = 3 ・ ・ ・ ② を 満 た す y と す る と ① ×5 か ら 1 5 x = 3 5 ・ ・ ・ ③ ② ×3 か ら 1 5 y = 9 ・ ・ ・ ④ ③ + ④ か ら 1 5 ( x + y ) = 4 4 し た が っ て x + y = 44/15 つ ま り 7/3+ 3/5= 44/15 こ の 構 造 は さ ら に 、 整 数 あ る い は 分 数 の 減 法 、 乗 法 、 除 法 に も 拡 張 す る こ と が で き る 。 以 上 で 、 自 然 数 、 整 数 、 分 数 と い う 限 ら れ た 数 領 域 に お け る 抽 象 化 を 述 べ て き た 。 も ち ろ ん こ の 数 領 域 の 抽 象 化 は こ れ で 終 わ り で は な く 、 最 終 的 に 実 数 を 演 繹 的 な 体 系 に ま と め る ま で 抽 象 化 さ れ る 。 そ れ ま で の プ ロ セ ス に は レ ベ ル が あ り 、 そ れ は 以 下 の 通 り で あ る 。
第 一 レ ベ ル 「 直 観 的 操 作 」・ ・ ・ こ れ は 上 記 し た 数 直 線 を 扱 い 一 つ 一 つ 考 え る な ど 、個 々 の 数 と そ の 演 算 を 扱 う レ ベ ル で あ る 。 第 二 レ ベ ル 「 代 数 的 操 作 」・ ・ ・ 第 一 レ ベ ル で 得 ら れ た 法 則 に 着 目 し て 、 そ れ を 文 字 を 用 い て 定 式 化 す る す る レ ベ ル で あ る 。 第 三 レ ベ ル 「 局 所 的 組 織 化 」・ ・ 第 二 レ ベ ル で 得 ら れ た 多 く の 関 係 式 を 考 察 の 対 象 と し 、 そ れ ら の 間 の 論 理 的 関 係 、 例 え ば 式 A は 式 B と 式 C か ら 導 く こ と が で き る 、 と い う よ う な 論 理 的 関 係 を 局 所 的 に 考 察 す る レ ベ ル で あ る 。 第 四 レ ベ ル 「 大 域 的 組 織 化 」・ ・ 第 三 レ ベ ル で 考 察 し た 関 係 式 の 間 の 論 理 的 関 係 に 着 目 し 、 厳 密 な 演 繹 的 体 系 に ま と め あ げ る レ ベ ル で あ る 。 こ の レ ベ ル は 、 幾 何 の 数 学 化 の プ ロ セ ス を 数 の 指 導 に 適 用 さ せ た も の で あ る 。 こ の こ と か ら 、 上 記 し た 、 幾 何 の 数 学 化 の プ ロ セ ス は 幾 何 に 限 定 さ れ な い と い え よ う 。 ま た 、 同 時 に フ ロ イ デ ン タ ー ル の 望 む べ き 洗 練 方 法 で あ る 拡 張 に つ い て も 述 べ た 。 こ の 項 の 例 に よ り 、 ア ル ゴ リ ズ ム 的 分 数 に つ い て 少 し ふ れ た が 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 望 む べ き 洗 練 と し て 形 式 化 も 挙 げ て い る 。 そ こ で 次 項 で こ れ に つ い て 説 明 を 加 え る 。
注 ) こ こ で あ げ た 教 材 解 釈 は 日 本 の 教 材 解 釈 に 取 っ て 代 わ る も の と し て あ げ た わ け で は な く 、 フ ロ イ デ ン タ ー ル が 望 む べ き 数 学 的 活 動 の 一 例 と し て と ら え る こ と が で き る 。 そ れ は 指 導 順 序 を 入 れ 替 え た こ の 教 材 解 釈 に 表 れ て い る 。 す な わ ち 、上 で も 述 べ た operational な 方 法 で の 組 織 で あ る だ け で な く 、 帰 納 的 外 挿 法 を 用 い る こ と に よ っ て 、 教 師 か ら の 一 方 的 な 教 授 で は な く 、 子 ど も 自 身 が 直 観 を 離 れ て も 自 分 の 過 去 の 経 験 を よ り ど こ ろ と し て 、 新 し い 内 容 の 考 え 方 や 方 法 を 発 見 し て い く こ と が で き る よ う 意 図 さ れ て い る と い え よ う 。
3 33 3 --- 2-22 -2--- 4444 数 学 化数 学 化 の数 学 化数 学 化のの プ ロ セ スのプ ロ セ スプ ロ セ スプ ロ セ ス で あ るで あ るで あ るで あ る 形 式 化形 式 化形 式 化形 式 化 フ ロ イ デ ン タ ー ル は 『 数 学 で 、 ア ル ゴ リ ズ ム は 見 事 で あ り 、 ル ー チ ン は 逃 れ る こ と が で き な い 。あ る ア ル ゴ リ ズ ム は 、正 当 に レ ベ ル を 考 慮 し 、発 明 し 直 す こ と に よ っ て 、学 ば な け れ ば な ら な い 【 課 題 . P106】』 と 述 べ 、 数 学 的 な 洗 練 の 一 つ の 大 切 な 側 面 と し て 形 式 化 を 挙 げ て い る 。 だ が 、な ぜ ア ル ゴ リ ズ ム は 学 ば な け れ ば な ら な い か 。そ れ は 、 一 回 一 回 計 算 の 意 味 を 考 え て い た の で は あ ま り に 時 間 が か か り す ぎ て し ま う た め 、ル ー チ ン( = 決 ま り き っ た 仕 事 ) と し て 適 用 で き る 規 則 が 必 要 と な る か ら で あ る 。か と い っ て 、フ ロ イ デ ン タ ー ル の「 発 明 し 直 す こ と に よ っ て 」と い う 言 葉 か ら も 明 ら か で あ る が 、ア ル ゴ リ ズ ム を 一 方 的 に 教 授 す る こ と で は 満 足 に 働 か な い 。な ぜ な ら 、生 徒 の 必 要 に 関 係 の な い 様 態 で 学 ば れ た こ と は 長 く 保 存 さ れ な い し 、例 え ば 、ス イ ッ チ が ど の よ う に 働 く か を 知 る こ と な く 、電 灯 の ス イ ッ チ を 付 け た り 消 し た り す る こ と は で き る が 、ス イ ッ チ が 適 切 に 働 か な い と き 、そ れ を 修 理 で き な い よ う に 、ア ル ゴ リ ズ ム も そ れ が う ま く 働 か な い と き 修 理 す る こ と は で き な い か ら で あ る 。 で は 形 式 化 は ど の よ う な プ ロ セ ス に 従 っ て 進 行 す る か 。加 法 を 例 に と り 述 べ よ う 。 「 す で に 8 人 乗 っ て い る バ ス に 、さ ら に 5 人 乗 っ て き ま し た 。 全 部 で 何 人 に な っ た で し ょ う 。」 と い う 問 題 で 考 え る 。 3 - 2 - 1 ( 最 下 位 の レ ベ ル ― 現 実 を 数 学 化 す る こ と ― ) で 述 べ た よ う に 、 ま ず は 現 実 を 数 学 化 す る こ と が 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 そ こ で 、 人 数 が 増 え た の で 加 え る と い う 構 造 に よ り 8 + 5 を 組 織 す る 。 次 い で 数 え だ す の で あ る が 、 初 め は 、 自 分 の 指 や お は じ き や そ ろ ば ん と い う 具 体 物 を 使 い 直 観 的 に 数 え る 。 あ る 子 は 無 意 識 の 工 夫 に よ り ( 8 + 2 ) + 3 を 構 成 す る だ ろ う ( 例 え ば 、 指 は 10 本 し か な い た め )。 だ が 、 無 意 識 の う ち は 直 観 的 な 活 動 と 同 じ レ ベ ル に あ る 。 そ れ が 生 徒 の 必 要 に よ り 意 識 さ れ る こ と に よ り 、次 の レ ベ ル に 上 昇 し 、そ こ で は 10 で ま と め て 計 算 す る と い う ア イ デ ア の よ さ を 実 感 で き る 。 こ の ア イ デ ア も 筆 算 に 向 か う た め に 大 切 な 考 え 方 で あ る が 、 も う 一 つ 大 切 な 考 え 方 と し て 位 取 り の 考 え 方 が あ げ ら れ る 。 そ れ は 例 え ば 、26
の 2 が 20 を 表 し て い る と い う 考 え 方 で あ り 、26+2 は 6 +2 を 考 え 、 26+20 は 2 +2 を 考 え な け れ ば な ら な い と い う こ と で あ る 。 こ の 考 え 方 が で き な い と 、 26+3 の 答 え を 56 と し て し ま う 恐 れ が あ る た め 重 要 で あ る 。 以 上 か ら 、 26 を 20 と 6 、 17 を 10 と 7 と 表 現 で き 、26+17 を 20+10 と 6 +7 、つ ま り 、30 と 13 の 和 と と ら え る こ と か ら 43 を 導 く こ と が で き る( 図 8 )。そ し て 図 8 を 図 9 の よ う に 表 す こ と に よ り 筆 算 の ア ル ゴ リ ズ ム を 開 発 で き る の で あ る 。 以 上 で 筆 算 へ の 形 式 化 を 述 べ て き た 。そ こ で は 、10 で ま と め て 数 え る レ ベ ル と 位 取 り に よ る レ ベ ル を 経 て ア ル ゴ リ ズ ム が 開 発 さ れ る 。他 の ア ル ゴ リ ズ ム に つ い て も 、フ ロ イ デ ン タ ー ル が 述 べ る よ う に『 正 当 に レ ベ ル を 考 慮 し 、発 明 し 直 す こ と に よ っ て 、 学 ば な け れ ば な ら な い 。』 つ ま り 、 そ の ア ル ゴ リ ズ ム に 必 要 で あ る 考 え 方 を 明 ら か に し 、そ れ が 生 徒 に 発 明 し 直 さ れ る よ う に 教 材 を 組 織 し な け れ ば な ら な い の で あ る 。ま た 、そ こ で お こ る 水 準 上 昇 の 方 法 に つ い て は 本 章 5 節 で あ る「 数 学 化 の 教 授 の 手 段 」 で 述 べ よ う 。