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香川県の小豆島で発見されたニホンイタチMustela itatsi-香川大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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香川生物(KagawaSeibutu)(26):27−30,1999

香川県の小豆島で発見されたニホンイタチ倣お肋ぬなグ

頃 兼 敏 秀

〒700一便設2 香川県高松市幸町1番1号 香川大学特殊教育特別専攻科

Ar∝αd皿肋地政恕∠如m也e91血mち鞄g都指弾森畑喝.蜘1

Ⅶ臆1血ideIなmuら肋)紺・Aゐ感G)椚β〆軸物物と助郷勤勉桝∽お〟花pr喝.勧

香川県の小豆島におけるイタチ類の分布に ついて過去の報告をまとめると,筆者の知る かぎりでは,いままでニホンイタチ肋ざおね よぬねfとされる採集記録はない(表1)。

1997年3月18日,香川県小豆郡土庄町黒

岩下黒岩の,県道26号線(土庄池田線)上にお いて,イタチ雄1頭(標本番号m12)の死体を 発見・拾得した(図1)。阿部ら(1994)によれば, 「チョウセンイタチは本種より大型で,尾率 が50%を超える」とあり,この標本は尾率 =34.4%であったので,ニホンイタチと.同定し た。 拾得したニホンイタチの死体を,大学に持 ち帰り,冷凍庫で保存した。翌19日,解凍後, 全長・尾長・後足長および体重の測定を行っ た。測定には最小目盛1mmの竹製物差しで, 1mmの単位まで読み取った.。尾長の起点は肛 門とした。また,体重は最小目盛0.1gの電子 天秤で,0.1gの単位まで測定した。 外部測定のあと除肉・乾燥し,カドマルカ ツオブシムシβgタ邪βざお5ゐαβ桝0乃加f血Jゐを用 いて骨格標本を作成した。頭骨は損傷してい たので,完全に復元することができなかった。 表2に外部と骨格の測定値を示した。測定値 のうち,⑥から⑱については,左右の平均値

を示した。⑬については,左の俳骨が損傷し

ていたので,右の測定値を示している。 Ⅸ012のニホンイタチの測定値と,香川県産 チョウセンイタチ肋おぉs妨壱わcα計16個体 (すべて雄)の外部形態および内部骨格の測定 値を,そ・れぞれの頭胴長に対して比較した.(図 2)。後者のうち,15個体は浦嶋(未発表)およ び篠原(未発表)が使用し,1個体は筆者が拾得

したものである。なお,筆者が拾得した個体

以外の15個体における,外部形態および頭骨 については浦嶋が測定・製作し,内部骨格に ついては篠原によって製作された標本を筆者 が再測定した。

図2から,m12はこれら16個体のチョウ

センイタチの頭胴長に対する回帰直線から離 れた点として示さゎた。このことから,Ⅹ012 は頭胴長に対す−るプロポーションが短いこと が推測される。特に,上腕骨・模骨・尺骨・ 大腿骨および脛骨において顕著であった。な お,この回帰直線は,統計的な有意性の検定 は行っていない。 また,チョウセンイタチの各測定部位の平 均値と比較しても,Ⅹ012は内部骨格において は幻∼92%,外部形態においては尾長を除い て90∼107%の大きぎであった(表3)。 したがって,ニホンイタチはチョウセンイ タチと比べて,尾をのぞいて,相似形で小型 化しているわけではなく,頭胴長に対して四 肢が小型化していることが示唆さわた。 この報告をまとめるにあたり,香川大学教 ー27−

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(2)

図1、採集地点

−28−

(3)

0師 大腿骨 ◆ 00 ◆ ◆ 300 ◆ ◆ ◆ 500 △ 88 上腕母 ◆ ◆ ◆◆・ △ ◆ 旺骨 ◆ ◆ ◆ ● ◆

◆ ◆ ◆ △

椀骨 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆◆ ◆ ◆ ◆ ム

尾長 ● ◆ ◆ ◆ △ ◆ ◆◆ ◆ ● ィ/ ◆ ◆ ◆  ̄】 ̄ヰ ̄▲ ̄‘ ̄ ̄ ̄恐 尺骨 ◆ ◆ ◆ △ 270 320 萌隅良くm)370 月20 428 2T0 328 別棟(腑)370 咽 諷 刺膵(m)3m 国2.ニホンイタチ(m12・♂)とチョウセンイタチ(全て♂)の、 頭胴長に対する各測定部位の比較 表1小 小豆島におけるイタチ類についての過去の報告

報告者(報告年) イタチ類の分布についての記載 学名の記載

な し な し 肋sねJα∠ぬね吏 肋おJα去おねズ 肋sおJαS∠∂去′・吏c(Z* イタチを観察した イタチが確認されている イタチは自然分布する イタチが分布する −(記載無し) イタチが棲息する 岡 田(1955) 森 井(1988) 環境庁(1933) 阿部ら(1994) 子 安(1993) 子 安(1995) *ニホンイタチは,大陸の〟.・S∠∂f7・よcαの亜種とする.. 表2..拾得したニホンイタチ(KO12・♂)の外部・骨格の測定値 (⑥・∼⑫は左右の平均値) 488 ⑧上腕骨全長 363 ⑨横骨全長 125 ⑩尺骨全長 左55 右57 ⑪大腿骨全長 672.5 ⑫頚骨全長 32..58 ⑱誹骨全長 28.58 ⑪陰茎骨全長 ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ m m m m m m m m m m m m m m ︵ ︵ ︵ ︵ ︵ ︵ ︵ ①全 長(mm)

②頭 胴 長(mm)

③尾 骨(mm)

④後 足 長(mm)

⑤体 重 短) ⑥下顎骨全長(mm) ⑦肩甲骨全長(mm) .〇8 亜.55 1〇.60 8560 像

2837

−29−

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(4)

表3..ニホンイタチ(KO12)とチョウセンイタチの、外部測定値(①へ/⑤)と、 下顎骨・骨格などの測定値(⑥∼⑭)の比較 雄チョウセンイタチの 下顎骨・骨格 ニホンイタチ 雄チョウセンイタチの

外部測定(浦 ニホンイタチ

などの チョウセンイタチ(%) 平均値(mm) 晩未発表)の チョウセンイタチ(%) 平均値(mm) 536.6 90.9 ⑥下顎骨全長 341.8 106.2 ⑦肩甲骨全長 194.8 64.2 ⑧上腕骨全長 59.2 94.6 ⑨模骨全長 727.9 92.4 (診尺骨全長 ⑧大腿骨全長 (診頸骨全長 (診聯骨全長 (珍陰茎骨全長 414402231 90 85 91 84 86 お 90 91 88

3 6 2 0 6 3 1 1 3

0507609−u7 36.33亜33弧53.53.亜34 ①全長 ②頭胴長 ③尾長 ④後足長 ⑤体重(g) 日経サイエンス社,東京. フィー・ルドガイド足跡図 日経サイエンス社,東京. 小豆島の動物.日本の生 青学部教授・金子之史先生には,貴重な文献 を提供いただき,かつ丁寧にご指導いただい

た。また,愛媛大学農学部教授・大林延夫先

生には,カツオブシムシの同定を引き受けて いただいた。さらに,浦嶋敏之および工藤(旧 姓・篠原)欣子両氏には,貴重な資料を快く 提供していただいた。ここ.に記し,感謝の意 を表する。

引 用 文 献

阿部永・石井信夫・金子之史・前田喜四雄・ 三浦慎惜・米田政明.1994り 日本の哺乳

類.束海大学出版会,東京.195pp.

環境庁自然保護局.1993.第4回自然環境 保全基礎調査・動植物分布調査報告書(哺 乳類).208pp. 子安和弘,1993.フィ㌣ルドガイド足跡図 鑑.(1版1刷). 1995. 鑑.(1版7刷). 森井隆三.1988. 物2(11):35−40. 岡田康稔.1955.小豆島の晴乳類。、小豆島 の自然(大阪市立自然科学博物館編),14 −15。 篠原欣子.1996.香川県産チョウセンイタ チ肋ざおJβ5よ∂f′・よcαの内部形態における成 長に伴う変異い 香川大学教育学部1995年 度卒業論文(未発表). 浦嶋敏之.1981.香川県におけるチョウセ ンイタチ肋ざねJα5壷∂言わcαの外部形態及び 頭骨の成長に伴う変異,香川大学教育学部 1980年度卒業論文(未発表). −30−

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