地球のオーロラを知り 惑星の宇宙に至る 電磁気圏環境部門平原聖文 我々 太陽地球環境研究所 (STE 研 ) の研究者が 自らの研究対象を分野外の方々に説明する場合 オーロラという単語をたびたび用います これ以外には 大気 太陽や太陽風 それに宇宙線 というのが常套語でしょう これらの中でもオーロラ
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(2) 地球のオーロラを知り、 惑星の宇宙に至る 電磁気圏環境部門 平原 聖文 我々、 太陽地球環境研究所 (STE 研 ) の研究者が、 自らの研究対象を分野外の方々に説明する場合、 オーロラという単語をたびたび用います。これ以 外には、大気、太陽や太陽風、それに宇宙線、と いうのが常套語でしょう。これらの中でもオーロ ラは、その単語の響きを耳にするだけで、華麗で 神秘的、空全体に繰り広げられる激しく壮大な動 きと様々な形、という様相を思い浮かべる方も多 いかと思います。これは、地球や他の惑星の極地 方、しかも地上からは夜間にしか見られない現象 であるためかも知れません。地表から数万 km 離 れた宇宙から紫外線で観測すると、昼夜の境界も なく、地球の両極地域を取り囲む様にオーロラ帯 を形成していることも知られています。最近では、 ハイビジョンカメラの開発・普及と地デジ放送や インターネットを通して、地上からだけではなく 国際宇宙基地 (ISS) からの撮影で、更に美しく印 象的な動画もより身近になってきました。撮影し た画像が即時に再生できるデジカメも身近な存在 となり、数枚試行錯誤するだけでそれなりの写真 が室内からでも撮影できる時代です ( 写真 1)。 私自身も、2011 年 4 月に STE 研に赴任する以 前から、専門とする研究課題の一つとしてオーロ. 図 1: 地球周辺の宇宙空間 ( ジオスペース ) の模式図。. ラを挙げてきました。オーロラの発光自体、とて も学術的興味のそそられるものでありますが、オ ーロラが大規模に発生すると極地方の送電網が 損傷・破損し大停電が誘発されたり、より高々度 の宇宙空間では放射線帯 ( 発見者の名前で、ヴァ ン・アレン帯とも呼ばれる ) の範囲・強度が増し、 宇宙機 (ISS や、通信・気象・測地用の実用衛星、 地球観測衛星、月・惑星探査機など ) に損害を与 える「宇宙嵐」が発達します。この舞台となるの が地球周辺の宇宙空間「ジオスペース (Geospace)」 です ( 図 1)。太陽地球系環境であるジオスペース で発生する自然現象は地上・宇宙に展開している 社会インフラに影響を及ぼす場合があるため、 「宇 宙天気」と呼ばれる研究活動が国際的に盛んにな っています。我々も、 「ERG」と呼んでいる探査・ 観測計画を提案・推進しています。詳しくは次の サイトをご覧下さい。 http://gemsissc.stelab.nagoya-u.ac.jp/erg_ja/ ところで、オーロラが光る、という自然現象 を、太陽風というプラズマ ( 荷電粒子、あるいは 電気を帯びた粒子のガス状の集合体、とよく表現 されます ) が、太陽大気の外縁であるコロナから 吹き出し、地球周辺の宇宙空間に到達した後、そ の中の電子が、 「地球固有の磁場に導かれ」 、地球 の大気と衝突することで説明している場合があり. 写真 1: 携帯用小型デジカメで、 スウェーデン ・ キルナ市のアパ ート (室内) から窓越しに撮影したオーロラ (2012 年 9 月)。. 2.
(3) 図 2 (左) : ジオスペースの断面図。 左方向が太陽方向に当たり、 太陽風と地球磁場により磁気圏が形成され、 高温の宇宙空間プラズ マが充満する。 緑色の線 ・ 矢印は磁気圏内で運動するオーロラ電子の軌跡の一例。 電子が数千ボルトの電圧で磁力線に沿って地球向 きに加速されると超高層大気に突入しカーテン状オーロラとなる。 この電圧がないと地球磁場の圧力により、プラズマシートへと跳ね返る。 図 3 (右) : れいめい衛星で得られた 3 例のオーロラ画像。オーロラ発光に特徴的な 3 つの波長で、70 km 四方の範囲を高度約 640 km から撮影。. km にわたり「数千ボルトの電圧」が生じる。 2. その電圧により、宇宙空間プラズマの中の電子 が地球向きに加速される。 3. 加速された電子は大気圏の近くまで突入した 後、超高層大気と衝突し、オーロラ発光が起こる。 ところが、図 2 に示されている「数千ボルトの電 圧」がなぜ生じるのか、現在でも十分に解明され た訳ではありません。 最近の研究では、カーテン状オーロラの近くで 発生するが、それよりも更に目まぐるしく移動し 変形するオーロラの成因が、磁気圏から電離圏へ と伝搬する電磁的な波動により突発的に加速され た電子である、と考えられる様になり、オーロラ のカラクリが益々多岐に渡り、かつ、変幻自在で あることが分かってきました。これらの研究の原 動力になるのが探査機や人工衛星からのオーロラ 観測データです。地上からの観測ではオーロラを 引き起こす電子の振る舞いを捉えることが不可能 だからです。 今現在、我々が向き合っているオーロラ観測デ ータも高度 600 km 以上を飛翔する人工衛星「れ いめい」で取得されたものです。世界的に見ても 同等に高品位なデータは未だに取得されていない 「れいめい」衛星による観測を、以下で少し紹介 したいと思います。 図 3 に 3 例の画像を示します。青・緑・赤と縦 方向に分かれているのはオーロラの特徴的な発光 波長別のデータに対応します。様々な明るさのオ ーロラが幾重にも折り重なっている様子が分かる かと思います。静止画では粗く見えるのですが、 動画になると迫力が違います。是非、以下のファ イルをダウンロードして再生してみて下さい。こ. ます。しかし、この説明にはオーロラ発生にとっ て最も重要な記述が欠落しています。 「」の中を 「地球の夜側に百万 km 以上に渡って広がる磁気 圏と呼ばれる宇宙空間にプラズマが一度蓄積され た後、地球の磁場に導かれ」とすると多少正確に なりますが、オーロラ生成機構に言及していない ことには変わりありません。ところが、これ以上 詳しく述べると、余程興味のある方でないと読ん でもらえなくなる、というのが我々研究者のいつ も悩むところです。 実は、太陽コロナからは常に太陽風プラズマが 超音速で外側に流れ出していて、太陽風と地球磁 場との相互作用により形成される磁気圏、特にプ ラズマシートと呼ばれる層状の領域には宇宙プラ ズマが充満しています ( 図 2)。その温度は数千万 度以上にもなりますが、密度が 1cc 当たり数個以 下と少ないので、そのままでは宇宙機に影響はあ りません。また、これらの領域には、太陽風起源 のプラズマだけではなく、地球の電離圏 ( 高度に して 60 - 500 km 程度 ) から流出したプラズマも 存在します。これらを総称して磁気圏プラズマ、 あるいは宇宙 ( 空間 ) プラズマと呼びます。これ らの中で、特に電子が、 「様々な物理機構」により、 磁力線に沿って地球の超高層大気領域に侵入した 後、大気の粒子との衝突エネルギーを光のエネル ギーとして放出し、高度 100 - 300 km 辺りで発 光するのがオーロラです。この「様々な物理機構」 が多種多様なオーロラのカラクリなのです。 極域の夜空に最も華々しく舞い踊るカーテン状 のオーロラに限れば、その大まかな成因は以下の 通りです。 1. 電離圏と磁気圏の間、磁力線に沿う方向に数万 3.
(4) も、惑星全体を覆う様に分布する磁場を有してい ません。地球の磁場でさえ、今後 1000 年の間に 90% 以上消失することが予想されています。つま り、大気はあるが磁場を持たない惑星というのは ごくありふれた存在なのです。昨今では、太陽系 外の惑星も大量に発見される様になりました。 「ホ ットジュピター」や「スーパーアース」などと呼 ばれていて、大気が確認されているものもありま す。特にホットジュピターの大気環境は過酷で、 中心星からの強烈な輻射光により大気が加熱され 宇宙空間へ流出しているのでは、と推測されてい ます ( 図 4)。近い将来、金星・火星と同様の大気 圏・電離圏を持ち、太陽風に相当する恒星風の影 響により、惑星大気がプラズマとして流出してい る系外惑星も見付かることでしょう。この時に重 要となるのが、綿密な直接探査が可能な太陽系内 惑星の宇宙環境に関する知見です。実は、金星・ 火星ではこの大気流出が大きな観測課題となって おり、欧米では数多くの探査計画が実現されてき ま し た (http://www.nasa.gov/multimedia/videogallery/ index.html?collection_id=14742 参 照。Atmospheric loss で検索 )。 しかしながら、過去の日本の探査機計画では、 磁場を持たない惑星 ( 非磁化惑星 ) に関しては詳 細に観測したことがありません。2 機の惑星探査 機、 「のぞみ」と「あかつき」がそれぞれ火星と 金星を目指しましたが、両探査機とも推進系機器 の問題で、惑星を周回して綿密な観測を行う軌道 に投入されていないままです。つまり、生命にと って重要な大気を持ち、宇宙に普遍的な惑星の形 態の内、磁場がない惑星の宇宙環境に対しては日 本独自観測が未だなされていないのが現状です。 大気と固有磁場の両方を有し、オーロラや宇宙 嵐が引き起こされる地球周辺の宇宙環境 ( ジオス ペース ) を調べることは、我々が所属する STE 研 の最も重要な研究対象の一つですが、それだけで は惑星の重要な宇宙環境の片面を知るに過ぎない のです。これからは、オーロラに代表される地球 周辺の宇宙空間現象を端緒に、同じく大気は持つ が磁場を持たない金星・火星など、地球とは異 なる惑星環境を実証的に調べることが必須です。 我々の STE 研は、本冊子の巻頭に紹介されてい る通り最新の研究棟での研究環境に移行しまし た。今後は、 「太陽地球」環境研究所という名称 はともかく、実質的には「太陽惑星」環境研究所、 更には「恒星惑星」環境研究所へと発展していく 時期が到来すると感じています。. 図 4 : ホットジュピター周辺の想像図。 この例では、 中心星のす ぐ近くにある巨大ガス惑星の大気が、 中心星からの紫外線や X 線の照射により加熱されて惑星周辺の宇宙空間へ流出している ( 出 典 : NASA、 http://www.nasa.gov/mission_pages/chandra/ multimedia/corot2a_photo.html)。 最近、 発見が続くスーパーア ースや更に小型の惑星が大気を持つ場合、 太陽風に相当する恒 星風により惑星大気が剥ぎ取られている可能性もある。. れらの動画が実際の数倍の速さで再生されること を考慮しても、微細なオーロラの構造が活発に変 動していることが実感できるかと思います。 2007 年 1 月 15 日 の 例 : ftp://ftp.darts.isas.jaxa.jp/pub/index/ Level-1/MAC_mpeg/2007/01/MAC20070115011428M0_CH123_ModeS_L1.mpg 2007 年 2 月 17 日 の 例 : ftp://ftp.darts.isas.jaxa.jp/pub/index/ Level-1/MAC_mpeg/2007/02/MAC20070217082705M0_CH123_ModeS_L1.mpg 2007 年 7 月 20 日 の 例 : ftp://ftp.darts.isas.jaxa.jp/pub/index/ Level-1/ MAC_mpeg/2007/07/MAC20070720113503M0_CH23_ModeS_L1.mpg 少し観察力を鍛えると、緑の画像より、赤の方が 細かなオーロラ構造を表現していることにも気付 きます。これは、オーロラ電子との衝突で励起し た大気の原子・分子から光子が放出されるまでの 遷移時間が桁で違うためです。オーロラ電子の観 測結果も含めて、 ここではこれ以上は述べませんが、 興味ある方は以下にある解説も参考にして下さい。 http://www.isas.jaxa.jp/ISASnews/No.298/front_line.html http://darts.jaxa.jp/outreach/month/200711/index.html.ja ここまでの解説は、拙稿の表題の前半部分に対 応しているはずなのですが、表題後半の意図はそ のままでは伝わりにくいかと思います。ここから はそれについて簡単に述べたいと思います。 現在の我々の知見に基づく限り、オーロラが光 る地球や惑星 ( 木星、土星など ) には 2 つの要素 が備わっています。一つは惑星固有の ( 強い ) 磁 場、あと一つは ( 十分な ) 大気です。濃い大気は、 特に高等な生命の発生・維持にとっても不可欠な 要素と言えるでしょう。その一方で、惑星固有の 磁場に関しては、金星や火星などの地球型惑星で 4.
(5) 初期 DARTS/ISAS データベース開発の頃 星野 真弘 ( 運営協議委員 ) 東京大学大学院理学系研究科 ったことを今でも鮮明に覚えています。また ポスドク時代を過ごした NASA/Goddard Space Flight Center のデータセンターにも何回か足を 運び、国内の色々な先生方からも御意見を頂い たりしながら、宇宙研の特色を出しながらも、 欲張らずに分相応のデータベース構想を練って いました。データ公開に当たっては、データの 所有権・著作権がプロジェクトや研究者によっ て異なることも難しい問題でした。長瀬文昭先 生とも色々と相談した結果、衛星観測開始後 1 年から 2 年程度で公開されるサイエンス・デー タを DARTS が責任をもって長期間にわたり公 開管理し、衛星プロジェクト・メンバー以外の 研究者にもデータ解析研究が可能となる、Web ベースのユーザー・フレンドリーな「データ解 析システム」を有したデータベースを構築する ことを目指すことにしました。そして 1996 年 春の大型計算機リプレースに併せて、富士通か ら VHS テープ 240 巻からなる 4.8TB の磁気テ ープライブラリー装置を購入し、所内ネットワ ーク担当として着任された三浦昭さんや X 線 天文の博士研究員として根来均さんにも加わっ て頂き、本格的に第一世代の DARTS 開発が始 まりました。磁気テープ装置においては、塵や 埃対策のためクリーンルームに設置したのです が、読み取り / 書き込みエラーが頻繁したりし て、試行錯誤の繰り返しでした。Web のデザイ ンをはじめグラフィックインターフェースは、. 名古屋大学太陽地球環境研究所では、宇宙科 学研究所と協力して放射線帯を観測する ERG 衛 星データを始めとして太陽地球環境研究所が関 わる衛星データ等を扱うサイエンスセンターを 立ち上げることになったようですが、今から 20 年ほど前に宇宙科学研究所で DARTS データベ ースを立ち上げた頃を思い出したので、ここに 当時の様子を書かせていただこうと思います。 DARTS は、現在では宇宙科学研究所の科学 観測データを世界中の研究者に提供する堂々た るデータベースですが、私がこのプロジェク トに加わった 1993 年秋頃は、データベースの 形も DARTS という愛称も無い状態からのスタ ートでした。決まっていたのは、宇宙研におい ても一般公開出来るデータベースを作り上げ るという方針だけでした。企画情報解析セン ター長の中谷一郎先生が、せめて名前だけで も付けて盛り上げようということで、Database for ARchives of Telemetry Science data とされま した ( 現在では内容の充実ぶりに加えて Data ARchives and Transmission System と名前も進化 しているようです )。 さて手探りの状態からのスタートとなりまし たが、まず私の最初の仕事はいくつかのデータ センターを見学することから始まりました。当 時の宇宙研の秋葉鐐二郎所長からは、鳩山の宇 宙開発事業団のデータセンターを見学に行こう と声をかけていただき、所長と二人で見学に行. 開発当時の DARTS のシステム構成とグラフィックユーザーインターフェース。. 5.
(6) 使えるデータベースであるためには、研究者が 自ら従事することが大切で、おのずとデータセ ンターも静的なデータ保管庫ではなく、「最先 端の研究を行う第一線級の研究者で構成された 組織運用」が必要不可欠だと思っています。ま たデータベースの現業的な作業に加わる若手研 究者は、データベースに従事する一方でデータ 解析でもサイエンス成果を挙げて、一定期間後 は大学や研究所等に移動することで、人材が常 に輩出および供給されるサステナブルな組織が 肝心かと思っています。「データセンター」= 「トップクラスの研究者による研究センター」 というサイエンスセンターが出来ると良いと思 います。. 根来さんと三浦さんが協力して作り上げてくれ ました。開発開始から 1 年程度かかりましたが、 1997 年春より「あすか」と「ぎんが」、そして「よ うこう」のデータベースの公開を始めることが 出来たときは、DARTS の若手メンバーや富士 通の営業 /SE の方と渋谷で乾杯したのも懐かし い思い出です。現在では、当時のレトロな Web インターフェースも様変わりし(図参照)、ま ったく新しく生まれ変わり中身の充実ぶりには 驚くばかりですが、数多くの DARTS に携わっ て来た方たちに感謝しております。 さてデータ公開システム構築に携わりながら 考えていたのは、データセンターでの研究者の 立ち位置です。ユーザーフレンドリーな研究に. 生の創造的探究心を育む」とする内容は非 常に示唆に富む。では、 当時「現在の状態は、 欧米と比較するなら悲惨とも言える」と喝破 された状態はどう変化したか。ごく一部の大 学博物館や特色ある学部付属博物館などが 精力的に標本の収集を行なっているものの、 大きなうねりとはなっていないのではない だろうか。もちろん件の報告通りにことが運 ぶわけもない。これまでにない規模でのキュ ラトリアル・ワーク(資料の博物学的な収集・ 整理)を、部局の垣根を越えて展開 しないといけないのだから。だ がこうしている間にも、多く の成果を挙げてきた機器群、 資料群がひっそりと廃棄の憂 き目に遭うか、劣悪な環境下でゆ っくりと朽ちているのである。科学の地を 切り拓いてきたモノたちといかに向きあい、 新たな研究へとつなげていくのか。その姿勢 をこそ、市民に見せていくべきなのかもし れない。現在、小規模ながらさまざまな部 局の学術標本の写真をウェブにおいて (http:// www.numap.org) 公開すべく準備を進めてい る。ご意見等賜れれば幸いである。 飯野 孝浩 ( 大気圏環境部門:博士後期課程 3 年 ). 近年活発に行われるアウトリーチ活動、 科学コミュニケーション活動においては、最 新の「成果」を発信することが重要な役割と されている。しかしいっぽうで、我々の取り 組む「科学の営み」を雄弁に伝えうるものは、 その探求の過程にこそあるのではなかろう か。我が STE 研に目を向けると、さまざま な波長域のリモートセンシング、エアロゾ ルから高エネルギー粒子に至るその場観測 など、多種多様な測器が開発・活用され続 けている。それらの一見奇異にし て精緻な造形・素材は、求め るサイエンスに如何に迫るか という思考と苦闘が、まさに かたちとして現前したもので ある。さて、ここに詰まっている 多種多様な知恵を、ぜひアウトリーチに活 用できないだろうか。平成 7 年にまとめら れた文部省学術審議会の「ユニ バーシティ・ ミュージアムの設置について」という報告 は、この点について先進的な提言を行なって いる。 「学術研究の所産として生成された学 術 標本は、これまでの学術研究の発展過程 を証明する貴重な資料であり、自然史、文 化史等の研究に不可欠な資料 ( 抜粋 )」で あり、 「その展示・公開は市民のみならず学. 6.
(7) Magnetic Reconnection and Heating of the Solar Corona Grigory Vekstein, Visiting Professor (from University of Manchester, United Kingdom) This was not my first visit to Japan. Since 1998 I established a long-standing research collaboration with Prof. Saku Tsuneta (National Astronomical Observatory) and Prof. Kanya Kusano (then at Hiroshima University), which originated from our mutual interest in the plasma processes behind various manifestations of solar coronal activity (flares, coronal heating, etc). My own field of expertise is theoretical plasma physics, which I studied and worked on for more than 30 years at the Siberian Branch of the Russian Academy of Sciences in Novosibirsk. At that time it was mainly fusion-oriented basic plasma physics. Later on, especially after moving in 1994 to Manchester, UK, my research interests shifted to space and astrophysical plasmas. In particular, I became fascinated with the problem of solar coronal heating: why the upper atmosphere of the Sun is about thousand times hotter than its photosperic surface. Nowadays, it is widely accepted that activity in the solar corona is due to the excess magnetic energy accumulated there. The major difficulty is the extremely high electric conductivity of the hot coronal plasma, which makes simple Ohmic dissipation of this energy completely irrelevant. Therefore, the process known as magnetic reconnection, which can strongly facilitate release of magnetic energy, is considered as an essential component of all coronal heating scenarios.. In Kyoto.. Another, novel direction in the study of reconnection is associated with a secondary instability of the reconnective current sheet, when it breakes into a chain of magnetic islands (plasmoids, or flux ropes in 3D). This is quite an attractive scenario, because the sought after acceleration of the reconnection process can be achieved even in the framework of resistive MHD. However, the respective numerical studies have not yet revealed a convincing physical interpretation of the obtained fast reconnection regimes. Therefore, we are performing now our own numerical simulation of the resistive tearing instability under a large magnetic Reynolds number. In doing so, we took advantage of excellent computing facilities available at STEL, as well as the computational experience of Prof. Kusano’s group and colleagues from Hiroshima University. This project also provided me with an opportunity to closely communicate with STEL’s students, which I enjoyed very much.. During my stay at STEL we investigated two specific plasma physics effects that enable fast magnetic reconnection. This is presently a hot topic, because the standard MHD models of reconnection are still too slow to account for what is actually found in laboratory experiments and space observations. The first one originates from the two-fluid (electrons and ions) plasma models, when advection of magnetic flux towards the reconnection site is provided by the flow of electrons (Hall effect), rather than by the bulk plasma flow. A vast body of numerical simulations points to Hall-mediated collisionless reconnection, when breaking of magnetic field lines is due to the quasi-viscous terms in the thermal pressure tensor of electrons. So far, all attempts in the analytical study of this process were based on the fluid models. These, however, can become inapplicable in many cases of astrophysical interest. Therefore, we are now developing a self-consistent kinetic description of collisionless magnetic reconnection. Furthermore, many astrophysical objects are made of a weakly ionized plasma, where the density of neutrals greatly exceeds the density of charged particles. Therefore, we investigated when fast regimes of Hall reconnection can occur in such an environment.. Staying in Japan for 6 months allowed me and my wife to travel around this beautiful country. Thus, I made research visits to Kyushu University and to my “old” co-workers at NAOJ in Mitaka. For our leisure, we also visited Takayama, Kyoto, Nara, Ise and Beppu. During the years we have developed a genuine interest in the history and unique culture of Japan. Now our house in England looks like a small museum of “ukiyo-e”! I also used this time to prepare and deliver a special lecture course on magnetic reconnection aimed for graduate students, as well as to put final touches on my textbook “Physics of Continuous Media”, which is due for publication this March. Finally, I would like to express my appreciation for a very friendly atmosphere that I found and enjoyed at STEL, and to thank all members of staff for warm hospitality and everyday help during our stay in Nagoya.. 7.
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