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PD-1欠損マウスにおいてT-betはFoxp3+制御性T細胞分化を制御する

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Academic year: 2021

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(1)

T-bet regulates differentiation of Foxp3+

regulatory T cell in programmed cell

death-1-deficient mice

著者

田原 昌浩

発行年

2016

その他のタイトル

PD-1欠損マウスにおいてT-betはFoxp3+制御性T細胞

分化を制御する

学位授与大学

筑波大学 (University of Tsukuba)

学位授与年度

2015

報告番号

12102甲第7864号

URL

http://hdl.handle.net/2241/00143635

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氏 名

田原 昌浩

学 位 の 種 類

博士(医学)

学 位 記 番 号

博甲第 7864 号

学 位 授 与 年 月

平成 28 年 3 月 25 日

学位授与の要件

学位規則第4条第1項該当

審 査 研 究 科

人間総合科学研究科

学 位 論 文 題 目

T-bet regulates differentiation of Foxp3+

regulatory T cells in programmed cell

death-1-deficient mice

( PD-1 欠 損 マ ウ ス に お い て T-bet は Foxp3+制 御 性

T 細 胞 分 化 を 制 御 す る )

筑波大学教授 獣医学博士 八神 健一

筑波大学准教授 博士(医学) 鈴木 英雄

筑波大学准教授 博士(医学) 臼井 丈一

筑波大学講師 博士(医学) 栗田 尚樹

論文の内容の要旨

(目的) CD4+T 細胞は Th1, Th2, Th17 および制御性 T(Treg)細胞に分化し、Th1 細胞への分化は転写 因子 T-bet により制御される。Th1 細胞の活性化は自己免疫病の病因となり得るが、CD4+T 細胞の 分化や Th1 細胞の活性化の分子メカニズムには不明な点が多い。また、T 細胞の抑制性受容体で ある Programmed cell death-1(PD-1)は T-bet により発現が抑制されるが、PD-1 の Th1 細胞へ の分化に対する影響は不明である。本研究は、PD-1 が自己免疫病態形成の過程における CD4+T 細

胞の分化及び機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。 (対象と方法)

T 細胞の異常活性化により自己免疫病の発症が報告されている PD-1 遺伝子欠損マウス(PD-1 KO マウス)の中で、CD4+T 細胞が自己免疫病発症に関与していると報告されている C57BL/6 系統の

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ウスを交配させ、PD-1 欠損 T-bet 過剰発現マウス(P/T マウス)を作出し、発育状態および病態 の発現状況を観察し、主要組織の病理組織学的検査、FACS による脾臓 CD4+T 細胞のサイトカイン 産生能および転写因子の発現状況の検討を行った。また、各マウス由来の Treg 細胞のin vitro での分化、RAG2 欠損(RAG2KO)マウスへの各種細胞移入による病態の変化を検討した。 (結果) P/T マウスは、WT、PD-1KO および T-bet Tg マウスと比較して体重増加が不良で、生後 10 週程 度で死亡した。病理学的には肝臓、膵臓、腸管、皮膚で炎症性細胞浸潤が認められ、肝臓におけ る浸潤細胞は主に CD4+T 細胞であった。また、脾臓中の T-bet+ IFNγ+ CD4+T 細胞の増加および

Foxp3+CD4+細胞の減少が認められた。さらに、in vitroにおいて CD4+T 細胞から Foxp3+Treg 細胞 へ

の分化が抑制された。RAG2KO マウスへの P/T マウス由来脾細胞の移入により、肝臓、膵臓、腸管、 皮膚において P/T マウスと類似した炎症性細胞浸潤が認められた。また、P/T マウス由来 CD4+CD25 -細胞移入によっても肝臓、膵臓、腸管、皮膚に P/T マウスと類似した炎症性細胞浸潤が認められ、 WT マウス由来 Treg 細胞との共移入によって炎症性細胞浸潤が消失した。 (考察) 本研究において作出した P/T マウスは、発育不良を示し、生後 10 週程度で死亡し、肝炎、膵炎、 大腸炎、皮膚炎を示した。また脾細胞の FACS 解析により P/T マウスでのみ T-bet+ IFNγ+ Th1 細

胞の増加、Foxp3+ Treg 細胞の減少が認められた。これらの病態は、Foxp3 を欠損した Scurfy マ

ウスの表現型と類似していることから、P/T マウスの早期死亡と全身炎症は、Th1 細胞の異常増加 のみならず Foxp3+Treg 細胞の著しい減少が関与していると考えられた。P/T マウス由来の脾細胞

もしくは CD4+CD25-エフェクターT 細胞を移入した RAG2KO マウスで認められた P/T マウス様の炎症

性細胞浸潤は、WT マウスの CD4+CD25+細胞(Treg 細胞)の共移入により消失し、この結果は、上

記の仮説を支持している。

P/T マウスにおける Foxp3+Treg 細胞の減少は、CD4+T 細胞から Foxp3+Treg 細胞への誘導の抑制

によることが示唆されたが、正確なメカニズムを明らかにすることはできなかった。

審査の結果の要旨

(批評) 本研究は、PD-1 が自己免疫病態形成の過程における CD4+T 細胞の分化および機能に与える影響 を明らかにすることを目的として、PD-1 KO マウスと T-bet Tg マウスを交配して PD-1 欠損 T-bet 過剰発現マウス(P/T マウス)を作出し、病態の発現状況を観察し、主要組織の病理組織学的検 査、FACS による脾臓 CD4+T 細胞のサイトカイン産生能および転写因子の発現状況等を検討した。 その結果、Th1 細胞分化の制御および Foxp3+Treg 細胞の分化誘導に PD-1 が関与していることが明 らかとなり、PD-1 を欠損した CD4+T 細胞は、Th1 細胞の増加と Foxp3+Treg 細胞の著しい減少を原 因とした致死的な全身性の炎症病態を引き起こす可能性が示唆された。 自己免疫疾患の発症に関わるTh1 細胞分化の制御および Foxp3+Treg 細胞の分化誘導に PD-1 が関 与することを明らかにし、自己免疫疾患発症のメカニズムを解明するうえで重要な知見をもたらし

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た優れた研究である。 平成27年12月25日、学位論文審査委員会において、審査委員全員出席のもと論文について説 明を求め、関連事項について質疑応答を行い、最終試験を行った。その結果、審査委員全員が合格と 判定した。 よって、著者は博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を有するものと認める。

参照

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