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AMC Empire 25 [25スクリーン] Regal E-Walk Stadium13&RPX [13スクリーン] 曜 日 総 上 映 回 数 総 上 映 時 間 [ 分 ] Dolby Prime 上 映 回 数 / 時 間 IMAX 上 映 回 数 / 時 間 曜 日

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川上 一郎 

デジタルシネマ Now !

  さ て、 今 月 初 め に 英 国 で 最 初 の VPF (Virtual Print Fee: 映画配給会社がフィル ムプリント配給をデジタル化することによ る経費削減分を映画館デジタル化投資の助 成金として支払う枠組みであり、実際に映 画館に支払われる訳では無く仲介する会社 が配給会社からの VPF と映画館側の分担金 を資金源にしてデジタル設備を映画館に設 置するビジネスモデルで、契約期間は 10 年間で、すでに新規 VPF 対象機器の申請 受付は停止されている)適用を受けていた 映画館に対する VPF 支払いが停止された との報道がされ、デジタルシネマに関わっ てきた関係者としては感慨深いものがある。  このデジタル化移行に伴う VPF について は、映画配給会社が平均で作品 1 本を映画 館に配給する経費としおおよそ 20 万円か かっていた費用がデジタル化されることに よる削減されることが喧伝されていた。た

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109

レーザー光源の可能性

だし、ハリウッドメジャーの場合には、各 スタジオで 10 ∼ 20 作品配給する封切り 映画も北米地域で 3,000 スクリーン、全 世界公開となると 1 万スクリーン以上での 配給となるために 1 本当たりのフィルムコ ストは 5 ∼ 6 万円程度までの数量割引が 適用されていた。従って、ハリウッドメジ ャー作品の VPF 支払い金額は 3 万円程度 でしかない。ただし、独立系等の作品では 10 万円を越える VPF 経費の支払いを要求 される現実がある。  この VPF による映画館デジタル化は現 時点で 13 万スクリーン近くがデジタル化 されたことで歴史的使命は終わったとも言 える。ここで問題となるのは導入後 10 年 を経過した機器の設備更新費用である。映 画館側が、潤沢な設備投資資金があれば問 題無く第 2 世代デジタルプロジェクターや デジタルサラウンド機器に更新出来るわけ であるが、VPF によるデジタル化移行時に、 配給側と興行側で激論が交わされたことで も明らかなように映画興行側に資金的余力 は無いのが現実である。  今月号では、プロジェクター光源のレー ザー化による費用削減効果と、映画館経営 にとって最大の関心事である客席稼働率向 上による利益率向上効果について検証を行 ってみた結果を報告させていただく。   表 1 は 2014 年 の Cinema Europa で NEC の Jens Kayser 氏が講演した内容で ある。NEC の蛍光励起型レーザープロジ ェクター NC1100L(写真 1 参照)とキ セノンプロジェクターでの電力消費量、ラ ンプ費用の削減効果を示している。この表 では NC1100L のレーザー光源定格寿命 である 20,000 時間運転時で、2KW キセ ノンランプの一般的な定格寿命が 3,000 NC1100L 2KW キセノン DCプロジェクター 電力消費量 1.6KW 2.6KW ランプ消費 - 6/7本 空調電力 0 0.6Kw

電力料金(0.25EUR/KW) 8,000EUR 13,000EUR

ランプ費用 0EUR 4,900EUR

空調コスト 0EUR 3,300EUR

総合 8,000EUR 21,200EUR

Jens Kayser, NEC ,10th July 2014, Cinema Europa

2万時間総費用計算

写真 1 NC1100L レーザープロジェクター 表 1 レーザープロジェクターのコスト削減効果

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時間であることから 6 ∼ 7 本のランプ交 換 費 用 が 4,900EUR(6 本 交 換 と し て 816EUR:¥130 とすれば¥106,080/ 1本と計算されている)、そして電力料金 では NC1100L が 1.6KW 定格であるの に対してキセノンランププロジェクターで は 2.6KW 定 格 で あ る こ と か ら、2014 年での欧州電力料金 0.25EUR/KW から キセノンランプでは 13,000EUR、そし てキセノンランプの発熱による空調負荷 コストが 0.6KW であることから総合で 13,200EUR の削減効果があるとして報告 している。   こ の NC1100L は 11m(Gain:1.8) 迄のスクリーンを対象にした DCI 準拠プロ ジェクターであり、米国での販売価格は 3 万 8 千ドルと報じられている(Hollywood Repoter:October21,2013, Carolyn Giardina, “ShowEast: Laser Projectors Take Center Stage”)。

 この、比較表は 2 万時間運転時の費用削 減効果であり、はたして 5 ∼ 30m 迄のス クリーンサイズで年間上映時間はいかほど になるのかから推定を行っていく。  さて、一般的な映画館で各スクリーンの 平均上映時間と、スクリーンサイズの分布 を推定し、現在の映画館向けキセノンラン プ市場の規模を推定してみる。  まず、映画館での上映時間については、 Carmike グループの買収を発表して米国 最大の映画興行チェーン となった AMC の旗艦映 画館であり、全米の映画 館 で 売 上 ト ッ プ の AMC Empire25 と、Regal の E - W a l k S t a d i u m 13&RPX での上映実態を 解析した。このふたつの 映画館はニューヨーク最 大の繁華街であるタイム ズスクエアに立地してお り、おなじみの電光掲示板があるブロード ウェイと交差する 42 番街に面して米国を 代表する映画興行チェーンの旗艦映画館が 並ぶところはさすが世界最大のショービジ ネス集積地である。  3 月 11 日から 3 月 17 日の 1 週間の 間に両映画館で上映された映画作品の上映 時間と上映回数を積算し、さらに場内暗転 後の予告編上映推定時間 15 分を加算して 曜日毎の総上映時間を算出している。また、 IMAX と両社の PLF(プレミ・ラージ・フ ォーマット:IMAX は機器リース料に加え てライセンス料等の諸経費がかかるために 映画興行チェーン独自の大画面上映システ ムが展開されている)スクリーンでの上映 時間を算出し、各スクリーンでの一日当た り上映時間を算出した。  AMC で は 10.56 時 間 / 日(AMC  Prime は 10.62 時 間 / 日 ,IMAX が 12.59 時間 / 日)、Regal では 8.69 時間 / 日(Regal PRX は 9.44 時間 / 日)であ り、思った以上に PLF スクリーンの上映 時間があった。AMC Empire は 25 スクリ ーンであり、総上映回数は 863 回に達し、 AMC がドルビーと提携して展開している Dolby Cinema & AMC Prime は 27 回の 上映で 1 日平均 10.62 時間で、IMAX は 32 回の上映で一日平均 12.59 時間であっ た。Regal の LPF ブランドである RPX は 40 回の上映を行い一日平均 9.44 時間で あった。  また、ロサンゼルス郊外でスタジオやポ スプロが集まっておりハリウッド映画関係 者の人口密度が最も高いバーバンクに立地 し、最初のデジタル上映やレーザープロジ ェクターで最初の商業上映が行われたAMC バーバンク 16 では週末土曜日が 11.4 時 間、平日が 10.2 時間の上映時間となって いる。  キセノンランプはウシオ電機、フィリッ 曜日 総上映回数 総上映時間[分] 曜日 総上映回数 総上映時間[分] 金 134 14730 4 412 6 618 金 71 7108 6 498 土 149 16286 6 618 6 618 土 71 7108 6 498 日 131 14507 5 515 5 515 日 71 7108 6 498 月 119 13138 5 515 5 515 月 65 6556 6 498 火 112 12450 3 309 5 515 火 65 6556 6 498 水 109 11766 4 412 5 515 水 65 6556 6 498 木 109 12145 na na 木 63 6428 4 378 予告編 863 12945 27 405 32 480 予告編 471 7065 40 600 平均 143.8 15423.9 4.5 10.6 5.3 12.6 平均 67.3 7783.6 5.7 3966.0 5.8 617.0 Prime IMAX 5.2 598.7 RPX 10.56 10.62 12.59 8.69 9.44 平均上映時間/日「Hr] 平均上映時間/日「Hr] Dolby Cinema@AMC Prime上映回数/時間 IMAX上映回数/時間 RPX上映回数/時間

Regal E-Walk Stadium13&RPX [13スクリーン] AMC Empire 25 [25スクリーン]

表 2 ニューヨーク:ブロードウェイの AMC &リーガル旗艦映画館上映実態 [03/11-03/17]

Googl:Rob Robot 9 月 2015

写真 2 ニューヨーク:タイムズスクエアの AMC、Regal 旗艦映画館

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プス、オスラムの大手 3 社が有名であり、 なかでもウシオ電機はシネマプロジェクタ ーランプでは世界シェア 65%(ウシオ電 機(株)オンラインアニュアルレポート: 事業概況)であり、クリスティー向けは当 然のことながら BARCO、NEC 向けのキセ ノンランプも販売している。  ちなみに、シネマ用デジタルプロジェ クター市場では中国市場で香港の GDC 製 シネマサーバーとのセット割引販売で強 みを見せた BARCO が市場占有率 50% を 宣 言 し て お り、NEC が 今 年 初 め に 累 計 10,000 台 を 出 荷、Sony は 米 国 で の AMC 等への VPF 主導での納入からおお よそシネマ向けは 10,000 台を出荷して いると推定されることからデジタルシネマ プロジェクター総数を 135,000 台とする と Barco が 67,500 台、クリスティーが 47,500 台と推定される。なお、クリステ ィーも出荷台数 50,000 台達成とのプレ スリリースがあり、各社発表値と実数の乖 離についてはいつも悩まされるところであ る。表 4 には主要な定格のキセノンランプ 定格寿命と単価(Theatrical Bulb Supply の WEB 掲載価格から引用)を示している が、ここで注意する必要があるのがエコモ ードでのランプ寿命である。ランプ定格の 電流より若干低めに運転することで寿命時 間が数割改善できることが知られており、 1.2KW のランプでは定格寿命 3,000 時間 に対して 4,000 時間まで寿命が伸ばせる と言われている。ただし、ランプメーカー の推奨もしくは代表寿命として記載されて いるわけでは無い。  表 4 に示しているように、6m 前後(客 席 が 横 10 列 未 満 ) の ス ク リ ー ン で は 1.2Kw のランプが使用されており、1 日 10.5 時間上映でのシネコンモデルでは定 格寿命 3,000 時間から年間で 1.28 本が 消費され、ランプ費用は 102,200 円、電 気料金は 78,183 円となる。最も一般的な 10m(客席が横 12 ∼ 14 列前後)のスク リーンでは 2KW のランプが使用され、年 間消費量が 1.6 本、費用が 127,750 円、 電気料金は 130,305 円となる。今後成長 が期待される 20m(客席が横 30 列以上) を越える PLF スクリーンでは 6KW のラン プが使用され、年間 6.39 本のランプ交換 が必要であることから 511,000 円のラン プ費用と、390,915 円の電力料金が発生 することになる。  なお、シネマ業界の市場調査を行ってい る IHS テクノロジーの記事によれば PLF スクリーンへの移行が期待される 15m 以 上のスクリーン数は、全世界で 7,000 と 推定されており、表 4 に示している 4KW 以上のランプが使用されていることからレ ーザー光源への転換については最も注目さ れる市場である。  2013 年に調査された産業用電力料金 (“電力料金の国際比較”:電力中央研究所筒 井 美 紀 他、2014 年 4 月 28 日、1 ド ル 97.6 円)で各国の電力料金に置き換えて、 ランプ定格毎の年間電気料金を比較した結 果を表 5 に示している。米国では、日本の 半額程度の電気料金であることから 1.2Kw のランプで年間電気料は 27.6 千円、2KW で 46.0 千円、6KW で 138.0 千円となる。  一方で欧州地域は電気料金が日本と大差 無く 4KW 以上でのスクリーン運営した場 合の電気料金負担についても米国よりは関 心が高そうである  表 6 には松竹シネプレックスが運営す る“Movix 尼崎”での空調電力量削減の 取り組みを紹介した資料に掲載された映画 館全体の年間消費電力量と、11 スクリー ンのスクリーンサイズから推定したランプ 定格に基づいてランプ消費電力料金を算出 してみた。ランプの年間電力消費量は  109,106KW であり、映画館全体の消費 曜日 総上映回数 総上映時間[分] 土 87 9,663 木 78 8,616 予告編 165 2475 平均上映時間 11.4 10.2 表 3 ロサンゼルス郊外バーバンク 16 での上映実態 シネコン モデル 単館 モデル シネコン モ デル 単館 モデル シネコン モデル 単館 モデル 1.2 3000 1.28 0.8 102,200 63,267 (エコ) 4000 0.96 0.6 76,650 47,450 2 2400 1.60 1.0 127,750 79,083 (エコ) 3000 1.28 0.8 102,200 63,267 4 1000 3.83 2.4 306,600 189,800 (エコ) 1500 2.56 1.6 204,400 126,533 6 600 6.39 4.0 511,000 316,333 (エコ) 1000 3.83 2.4 306,600 189,800 7 300 12.78 7.9 1,022,000 632,667 (エコ) 500 7.67 4.7 613,200 379,600 稼働時間/日 年間稼働時間 シネコン 10.5 3832.5 単館 6.5 2372.5 電気料金 17 [KW/H] 260,610 390,915 456,068 48,399 80,665 161,330 241,995 282,328 80,000 90,000 143,000 年間電気料金 ランプ定格 [KW] 寿命 単価 78,183 130,305 年間消費本数 年間ランプ費用 166,000 169,000 表 4 ランプ定格別ランプ費用と電気料金推定

1.2

2

4

6

7

日本 17 78.2 130.3 260.6 390.9 456.1 米国 6 27.6 46.0 92.0 138.0 161.0 英国 13 59.8 99.6 199.3 298.9 348.8 ドイツ 16 73.6 122.6 245.3 367.9 429.2 2013年電力中央研究所資料 産業用電気料金 表 5 シネコンモデルでのランプ定格別年間電気料金 [ 千円 ]

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130,000 スクリーン 幅[m] ランプ定格 ランプ金額 年間交換 本数 比率 推定スクリー ン数 消費本数 消費金額 [百万] 比率 推定スク リーン数 消費本数 消費金額 [百万] 6 1.2KW 80,000 1.28 36.0% 46800 59,904 4,792 28.5% 37050 47,424 3,794 10 2KW 90,000 1.60 58.0% 75400 120,640 10,858 65.3% 84890 135,824 12,224 15 4KW 143,000 2.56 4.5% 5850 14,976 2,142 4.5% 5850 14,976 2,142 20 6KW 166,000 6.39 1.0% 1300 8,307 1,379 1.0% 1300 8,307 1,379 30 7KW 169,000 12.78 0.5% 650 8,307 1,404 0.7% 910 11,630 1,965 100.0% 130000 212,134 20,574 100.0% 130,000 218,161 21,504 消費本数はシネコン:定格寿命  総スクリーン数 130,000 スクリーン 幅[m] ランプ定格 ランプ金額 年間本数 比率 推定スクリー ン数 消費本数 消費金額 [百万] 比率 推定スク リーン数 消費本数 消費金額 [百万] 6 1.2KW 80,000 0.96 36.0% 46800 44,928 3,594 28.5% 37050 35,568 2,845 10 2KW 90,000 1.28 58.0% 75400 96,512 8,686 65.3% 84890 108,659 9,779 15 4KW 143,000 2.56 4.5% 5850 14,976 2,142 4.5% 5850 14,976 2,142 20 6KW 166,000 3.83 1.0% 1300 4,979 827 1.0% 1300 4,979 827 30 7KW 169,000 7.67 0.5% 650 4,986 843 0.7% 910 6,980 1,180 100% 130000 166,381 16,091 100% 130,000 171,162 16,772 消費本数はシネコン:エコモード寿命 総スクリーン数 No. 総座席数 配置 スクリーン幅推定ランプ定格[Kw] 1日電力量消費電力[KW]年間ランプ 延床面積[m2] 7177 ランプ消費電力[KW] 1 87 8*10+7 6.5 1.2 12.72 4,643 契約電力量[KW] 298 2 116 10*11+7 8 2.0 21.2 7,738 使用電力量[KWh/年] 1745415 109105.8 3 154 15*11+6 10.3 3.0 31.8 11,607 1日平均電力量 4782.0 298.9 4 94 10*9+6 8 2.0 21.2 7,738 ランプ割合 5 207 19*11+16 12.2 3.0 31.8 11,607 空調その他 1,636,309 6.3% 6 426 25*15+51 15.7 4.0 42.4 15,476 7 182 13*13+13 9.4 3.0 31.8 11,607 事業用電気料金 空調その他電気料金 ランプ 8 108 9*11+9 7.7 2.0 21.2 7,738 17 27,817 1,855 9 172 15*11+7 9.6 2.0 21.2 7,738 10 172 15*11+7 9.6 2.0 21.2 7,738 11 312 20*15+12 15 4.0 42.4 15,476 298.9 109,106 電力料金関係諸元 引用元:ビルエネマネ導入事例No.3 電力に占める割合は 6.3%であった。この 結果から、映画館の経営面からはレーザー プロジェクターでの経費削減効果の期待は 主にランプコストが重要であることがうか がえる。  表 7 には、全世界のデジタルシネマスク リーンでのランプ定格別占有率を推定し、 シネマプロジェクター市場規模を推察した 結果である。表 7 は、ランプの定格寿命 による交換本数を前提として、6KW 以上 のランプを使用するスクリーンが全世界で 1,900 ス ク リ ー ン、7KW(IMAX 想 定 ) のスクリーンが 650 と仮定し、6m スク リーンが 36%、10m スクリーンが 58 %、15m スクリーンが 4.5%とした場合 に、年間ランプ消費本数は 21.2 万本、ラ ンプ消費金額が 205 億 7 千万円となった。 このスクリーンサイズの分布についてはは っきりとした統計資料が存在しないが、米 国映画館での平均客席数は 361 席であり、 スクリーンサイズとしては 10m が一般的 である。ただし、2014 年にロサンゼル スのサンタモニカにオープンした Arclight Santa Monica は 12 スクリーンでの平 均客席数は 105 席であり、座席配置から 推定したスクリーンサイズも最大で 13m、 最小が 5m であり、欧州で一般的な 4 スク リーン前後のシネコンから推定しても表 7 でのスクリーンサイズ推定がおおむね妥当 な数字と筆者は考えている。  表 8 には、ランプ消費をエコモードとし た、より現実的な推定とした結果であり、 現時点で 1,700 スクリーンを突破してい ると推定される PLF スクリーンがどこまで 市場を伸ばすのかが注目されている。  レーザー光源の導入に費用対効果が最も 大きいのが PLF スクリーンであり、6KW での年間ランプ費用 51 万円から、定格寿 命 3 万時間のレーザー光源では 10.6 時間 / 日の上映で 7.75 年ランプ交換不要とな ることから、ランプ費用からは 396 万円 の節約となり、使用電力料が半減したとし て 150 万円の削減で合計 546 万円が、直 接的な費用削減効果となる。 表 8 全世界の映画スクリーン向けキセノンランプ市場推定:PLF 拡大 表 6 Movix 尼崎でのランプ消費電力推定 表 7 全世界の映画スクリーン向けキセノンランプ市場推定:現状推定

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 このスクリーンサイズとランプ定格の関 係は、当然のことながらスクリーンの実効 反射率であるスクリーンゲインの実態が最 大の問題であり、試写室などの映像制作関 係者が画質確認を行う場所ではゲイン 1.0 が標準であるが、THX 準拠を標榜する試 写室ではゲイン 1.3 のスクリーンを採用し ている。また、一般的な映画館ではゲイン 1.3 ∼ 1.8 が採用されていると推定される がしっかりとした調査資料にはお目にかか ったことは無い。   表 7、8 の 推 定 表 で 7KW の ラ ン プ は IMAX を想定しているが、IMAX のビジネ スモデルは 10 年契約での設備リース料 金収入と、IMAX の商標使用料、独自作 品の上映などの諸費用で成り立っている。 2015 年の会計報告では、934 スクリー ン(内デジタル 817)を展開し、71 スク リーンがレーザー光源に置き換わっている。 この IMAX 導入には 10 年間総額で 50 万 ドルの経費負担(Riverfront Park “Giant Screen Analysis & Comparison”, June 26,2013) があることと、IMAX が配給契 約を行った作品(年間 20 作品前後)のみ の上映となることから、映画興行チェーン ではライセンス料負担が無く、かつ上映作 品に制約の無い PLF 展開に積極的であり、 全世界で 7,000 スクリーンと推定されて いる大画面スクリーンの何割が PLF に転換 するのかが注目されている。  この動きを受けてデジタルシネマ黎明期 から積極的な活動を続けている欧州地域で のデジタルシネマ推進団体である EDCF に も PLF 部会が設立され、PLF の導入や展 開にカンする様々な情報収集や欧州の映画 興行関係者への支援・啓蒙活動を開始した。 この背景には、不朽の名作である“2001 年宇宙の旅”に代表される 70mm 映画で の圧倒的な臨場感を感じさせる大画面・高 画質・音響効果がフルデジタルで体感でき る効果があることは言うまでも無い。PLF スクリーンでの集客効果については 5%∼ 15%の客席稼働率向上などが伝えられてい るが、長寿命で省電力のレーザー光源使用 により、シネコンで 300 席を越える PLF スクリーンに観客が押し寄せてくれれば、 映画館本来の収益源である売店も PLF スク リーンでの次回上映時間までの間に売上向 上となることは言うまでもない。  また、現在 PLF 上映では約 1 ドルの上 乗せ料金を付加しており、かつ座席指定も 行っている。PLF 上映ならではの大画面・ 高音質での臨場感効果が観客に指示され他 のスクリーンより客席稼働率が上がる営業 成績が認知されれば20スクリーンを越え Ichiro Kawakami デジタル・ルック・ラボ るシネコンではふたつ以上の PLF スクリー ンを設置する動きも当然でてくる。  この費用削減効果に見合う形でレーザー 光源装置の価格が低下すれば問題は無いが、 銀塩フィルムの終焉では、映画配給会社が 配給用プリントフィルムの費用軽減から冒 頭にも紹介した VPF 負担に応じたが、さて キセノンランプが同じ終焉の道を歩むと仮 定した場合には VPF と同様なビジネスモデ ルは成立するのか否か、答えは単純であり、 利益が上がるのは映画館でしか無いからで ある。ただし、年間 200 億を超えると推 定されるシネマプロジェクター用市場の販 売代理店が指をくわえて消えゆく売上を黙 って見つめるだけなのか、はたまたレーザ ー光源メーカーと連携して、映画館側にも “お得”感を与えながら毎月のランプ消費分 より割安な負担金でレーザー光源に置き換 えてゆく新規市場を形成できるのかは興味 深いところであり、PLF スクリーンを対象 とした RGB レーザー光源が主役となるの か、省エネコンパクトを売り物にした蛍光 励起型レーザー光源が主役になるのかが大 いに注目されるところである。 

表 2 ニューヨーク:ブロードウェイの AMC &リーガル旗艦映画館上映実態 [03/11-03/17]

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