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チモシーおよびオーチヤードグラス放牧草地における利用草丈が初年目の草種構成に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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北海道草地研究会報

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)

チ モ シ ー お よ び オ ー チ ヤ ー ド グ ラ ス 放 牧 草 地 に お

け る 利 用 草 丈 が 初 年 目 の 草 種 構 成 に お よ ぼ す 影 響

三 枝 俊 哉 ・ 堤 光 昭 ・ 能 代 昌 雄 ・ 藤 田 員 美 子 ・ 遠谷良樹*(根釧農試、*現.新得畜試)

The effect of sward height on botani cal composi tions of ti mothy (Phleum prateηse L.) and orchardgrass (Dactylis glomeγatαL.)dominant pastures.

Toshiya Saigusa, Mi tsuaki Tsutsumi, Yoshiki Tooya.

(Konsen Agric. Exp. Stn)

1. はじめに 放牧利用に適したオーチヤードグラス COG) やメドウフェスク CMF)などの牧草は、冬季寡 雪寒冷な地方では、しばしば冬枯れの被害を受 ける。とのため、越冬性K勝る品樺や冬枯れ防 止技術の開発が行われてきたが、未だ克服する には至っていない。また、越冬性に勝るチモシ ーCTY)は短草利用に弱く、放牧利用には困難 な面があるとされている。乙のような地方にお ける放牧利用には、再生力に勝る OG草地と越 冬性に勝る TY草地を適切に輪換させる方法が 有効と思われる。 本試験では、 OGおよび TYを基幹とする放 牧草地において、草種構成を良好に維持するた めの品種の選定および利用頻度を実際の放牧条 件で検討した。

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.

試験方法 OGではオカミドリおよびケイ、 TYではク ンプウ、ノサップ、キリタッフ。およびホクシュ ウのそれぞれを基幹とするマメ科草混播草地を

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年に造成した。各草地の中氏随伴イネ科草 を混播した区としない区を設けた。随伴イネ科

Masao Noshiro, Mamiko Fujita,

草は、オカミドリ区にはケイを、その他の区に はMFCトモサカエ)を用いた。マメ科草はシ ロクローパ何TC) とし、 OGR.はマキパシロを また、 TY~L.はソーニヤを用いた。 試験処理として、利用頻度の多い場合と少な い場合を想定し、基幹草種の草丈

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で、放牧す る区と

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で放牧する区を設けた。 掃除刈りは6月下旬と 8月下旬の 2回行った。 施肥は北海道施肥標準に基づき、年間

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a当り N 8 kg、 P2058 kg、K2012kgを早春および各 掃除刈後の3固に均等分施した。 放牧には7頭の育成牛を供試し、 1群で放牧 した。放牧期間は

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日から

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日 までの

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日間とレ、 O G草地は冬枯れ防止の ため

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日で終牧した。滞牧日数は

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頭 当りの現存草量が同じになるように調節した。 放牧時間は

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時から

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時までの

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時間とし、そ れ以外の時間は乾草または牧草サイレージを自 由摂取させた。また、濃厚飼料1日 1頭当り 2 kgを朝・タ 2固に分けて給与した。 放牧前には基幹草種の草丈、草種構成および 現存草量(乾物)を、また、放牧後には喫食草 高および不食過繁地面積を調査した。前後差法

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99-J

.

Hokkaido Grass

l.

Sc

i.27 : 99-101 (1

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によって乾物摂取量を推定し、車種構成の推移 を検討した。草種構成および不食過繁地面積は 冠部被度で、また、現存草量は不食過繁地を除 く坪刈りによって求めた。

3

.

結 果 1)放牧の概況 本試験では概ね試験条件通りに利用草丈を調 節できた。その結果、放牧回数は基幹イネ科草 の熟期が早いほど多くなった。一方、

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a当り 現存草量は裸地割合の多かったオカミドリ、ケ イおよびクンプウ区て守少なかった。毎回の

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a 当り現存草量に応じて滞牧日数を調節したので、 1日 l頭当りの現存草量は OG20cm区およびク ンプウ 40cm区を除いていずれの区でも概ね 4か ら5kg程度で、あった。前後差法で推定した利用 率は、いずれの草丈でも、現存草量の少ない O G区で高かった。T

Y

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0cm区ではホクシュウの利 用率が高かった(表 1。) 供試牛の放牧期間中 における平均日増体量はO.

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::t O. 068kgで、あっ た。 表

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.

放牧の概況 牧数

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4

-放現

手 守 言 ﹃ C

2

)

草種構成の経時的推移

(

1

)

O G草地 ① オカミドリ 20cm区では早春の裸地割合が 多かった。裸地割合は OG、

wc

、および、ハコ ベ、スズメノカタピラ等の雑草混生割合の増大 によって、

8

月に

55

ぢ程度にまで減少したが、 9月以降、 OG混生割合の減少により再び増大 した。 40c皿区における裸地割合は、

wc

の増大 に伴って経時的に減少した。いずれの利用草丈 においても、随伴イネ科草の有無による草種構 成の差は判然としなかった(図1。) 20c.皿区 40cm区 冠 部

10 9ぢ 6・ 7 8 9 10月5 6 7 8 9 10 図 1. オ力ミドリを基幹とする放牧草地の利朗草 丈が草種構成におよぽす影響 ② ケイ区でも冬枯れによる裸地割合は多く、 その推移はオカミドリ区と同様であった。随伴 イネ科草としてメドウフェスクを混播すると基 幹イネ科草は減少したが、イネ科草全体の混生 20cm区 冠 部 主r# 0 度1 5ぢ 5 6

7

8 9 10r1 5 6

7

8 9 10 月 図

2

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ケイを基幹とする放牧草地の利用草丈が草 種構成におよぽす影響 ハ U n U

(3)

北海道草地研究会報

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(993)

割合は高まった(図 2)。 乙の傾向は以下の T Y草地にも共通していた。

(

2

)

TY

草地 ① クンプウ区の

TY

混生割合は、いずれの 利用草丈でも、随伴イネ科草の有無にかかわら ず、早春から直線的に減少した。しかし、

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c

m

区の

TY

、M F合計の混生割合は、 M Fの増大 により、全期聞を通じて

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労前後に維持された (図3)。

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c

m

4

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c

m

区 図

3

.

クンプウを基幹とする放牧草地の利用草丈 が草種構成におよぽす影響 ② ノサップおよびキリタップ区の草種構成 の推移はクンプウ区と概ね同様であった。 ③、ホクシュウ

2

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c

m

区の

TY

混生割合は- M

F

区では全期聞を通じて

60%

以上に維持された。

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-MF区 50 冠 部 被 O 度

1

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0

% 50 +MF区

5 図

4

.

ホクシュウを基幹とする放牧草地の利用草 丈が草種構成におよぼす影響 + M F区では

TY

、M F合計の混生割合が

70%

以上に維持された。

TY

はM Fにやや抑制され たが、経時的な減少傾向はほとんど認められな かった。

4

0c

m

区で、は T Y混生割合、 T Y、M F 合計の混生割合ともに経時的にやや減少する傾 向にあった(図4)口

4

.

考 察

1

0

1

.

-o

G20cm

区で、は冬枯れの影響で早春の裸地割 合が多かった。しかし、秋の

OG

混生割合は早 春よりも高い傾向が認められたので、今後の回 復が期待される。一方、

4

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c

m

区では冬枯れから の回復が顕著であった。冬枯れなどによって早 春の裸地割合が多くなった草地の草勢回復には

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0

c

m

区のような少ない利用頻度での放牧が有効 であると考えられた。 T Y草地で T Yが全期閣を通じて

6

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から

70%

の混生割合を維持したのは晩生のホクシュウ

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0

c

m

区のみであり、他区の

TY

はすべて経時的に 減少した。 T Yは有穂茎が切られると、新分げ つの再生に時間を要する。熟期の早い品種では 全茎数に占める有穂茎の割合が多くなりやすい。 また、分げつが少ない特性もあるので、短草利 用によって裸地が生じやすく、雑草や

wc

が優 占しやすい。これに対し、晩生品僅では有穂茎 がきわめて少ないので、ほとんどの茎が採食後 直ちに栄養生長を再闘できる口さらに、分げつ が多い特性もあるので裸地が生じにくい。乙の ため、草樺構成は早生タイプよりも良好に維持 されたものと考えられる。ホクシュウ

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m

区で

TY

混生割合が減少したのも、草丈を

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c

m

まで 伸長させたために有穂茎が出現する割合が増え たζとが原因と思われる。 今後、各草地の草種構成の経年変化を観察し、 草種構成を良好に維持するための適正な利用草 丈について検討する。

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