10 -滋賀大学 産業共同研究センター 特任教授*1 宇佐美 照夫 びわ湖地域の伝統産業は平成の時代になって沈滞気味である。また、びわ湖地域には日本有数の地域ブランドが 存在するが、それらのブランド力を十分に活かしきれていないことが現状である。特に、8つの伝統産業はそのうち7 つの業種が衰退の傾向にあり、中でも「ちりめん」、「綿織物」、「麻織物」等の繊維産業はその傾向が顕著となってき ている。 そこで滋賀大学産業共同研究センターが中心として取り組んでいる地域の社会科学系大学(滋賀大学)と自然科 学系大学(滋賀県立大学)が、「文理融合」の「学・学連携」での「地域活性化のための地域中小企業の第二創業の ためのMOT」を展開させ、そのケーススタディとして地域伝統産業である「綿織物」をテーマに、滋賀県高島市の髙橋 織物株式会社と連携し、「平成の地域ブランドを創出し地域を活性化させよう!」というプロジェクトを立ち上げた。 本プロジェクトは、「文理融合型の産学官連携」で「地域中小企業の第二創業」を支援し、「失われた地域伝統技術 の復活」による事業再構築の第一歩を踏み出すことを目的としたプロジェクトであり、産学官連携コーディネーターと してプロジェクト企画から参画し、活動を行っている。その活動は、2008年度の産学官連携推進会議にて展示した。 世界は、ワットの蒸気機関の発明により「産業革命」と呼ばれている大イノベーションからの約200年間で、「鉄・電 機・重工業」から「エレクトロニクス・自動車等の大量生産」の時代へと産業構造の中心は移り変わり、現代は「情報 通信」から「ナノ、バイオ」へと発展しようとしている。まさに「知」の大競争時代に突入し、「もの」から「人」へ、新たな イノベーション創出の時代である。地方では、これらの世界の動きは他人事ではなく、各々の地域に特徴ある産業を 再創出すべく、その一つの方向として地域の伝統産業、地域資源を平成時代の軸で再点検・再構築を行い、「平成 の地域ブランド」を創出させ、地域イノベーションによる「地域再生・活性化」を目指すことが地域競争の時代の重要 な戦略の一つであろう。プロジェクトを成功させ、これからの地域競争で生き残っていくには、「地域の連携」というこ とを「県内の連携」と解釈する島国根性を捨てて、必要であれば県外から優秀な「知」を呼び込むということをしないと 地域の発展は望めないと考える。例えば、プロジェクト活動において必要であれば、県外からも「産・学」を呼び込む ような見識と度量が産学官すべてになければ「地域再生」などありえないとも考えて活動している。 本プロジェクトが、これからの地域イノベーションのトリガーとなる「平成の地域ブランド創出プロジェクト」の最初の 成功モデルとなるように、メンバーがお互い連携を密に、チームワーク良く、より良い成果を生み出す活動ができる 環境づくりに貢献していく所存である。 *1 '07.4月~'09.3月 滋賀大学 産業共同研究センター 特任教授 '09.4月~ 滋賀大学 産業共同研究センター 非常勤講師/京都学園大学 経済学部 教授、博士(工学) [ '08「産学官連携推進会議」出展ブース ]
4-1. 事業創発・事業支援 「平成の地域ブランド創出プロジェクト活動」について
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