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<論文>近代オフィス論序説 利用統計を見る

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(1)

著者

涌田 宏昭

著者別名

Wakuta Hiroaki

雑誌名

経営論集

12

ページ

117-132

発行年

1979-06-20

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005859/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止

http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

近 代 オ フィス論 序 説

117

涌  田  宏  昭

1. 近代 オフィスの背景 

情報システムの発展によって,現代のオフ ィスは, 情報システムの中に包

まれた ような形で機能しているとい える。つ まり,一面では情報システムの

核として考えられ,また他面では, 情報システ ムの運用に よって手足を広範

囲に伸ばした拡張された オフィスを想像す ることができる。そ七て,その中

では多 種類の機器が設置され,それは各種の事務作業 に活用されている。し

か 乱 人と機械設備に よって構成されるオフィスの空間は,室としての空間

に固定されることなく,きわめて拡張性と流動性に富 んだ機能空間としてこ

れを捉えることが,むしろオフ ィスの現代的意義を理解するにふさわしい と

考えられるのであ る。このオフィスの機 能的 革新の傾向を特長的に表現する

ならば,づぎのようなことが指摘できるであろう。       

D 

① 都市の中の新しい空間としてのオフ ィス       

2) 

③ 環境適応的機能を もっ オフィス       3

) 

③ オートメ化の中で オートメ化されるオフィス 

まず,第1 の点は,今日近代的ビ ルが続々と建設せられ,多くのオフィス

はこれらの建家の中に収納されてい る。 オフ ィスの集合が都市の一部を形づ

くってい るといってもよい。がっ ての オフィス街が, 新しい形態,あるいは。

新しい形式を もって都市空間の一部分となってい るのである。そしてこのよ

うな形態,形式は オフィス街に属さない オフ ィスの設 計,運用にも影響し,

オフィスが都市空間を形成するにふさわしい ような存在としての設計に変 り

つつあ る。このような考え方の変化は,当然のことな がら,つ ぎに環境適応

的機能を もつ オフィスへと新しい展開を用意す るのである。すなわち,都市

空間の変化,発展に応ずるオフィス, また,オフィスと地域社会との一体的

な行動といった点が,オフィスの機 能的な在り方として訴えられるように だ

(3)

る のである。 

加えて,1960年以降オフ ィス運用の基調となってい るオートノーショソの

導入,つ まりオートメ化は,全体の在り方として思考の中に生きてきてい る。l

現象的には コンピ ュータの活用,自動機械の設置,データ通信システ ムとの

4)

結 合な どとい う面をあげ ることができる。しかし,組織として全体的に みれ

ば , オートノーシ ョソの基調の中にありながら 乱 業務,業 態に よって 機械

化に不適合部分や,未成熟部分がい く多ある。したがって, オートメ化の進

展は全体的にみてかならずしもバランスのとれたものではない。そこで事実

上 の展開は,全体の中のある部分にオートメ化か進行す る。しかし このオー

トメ化は,当初,たんなる部分面でのオートメ化として考え られていたが,

次 第に量的,質的に進歩して, オートメーション基調の中で のオートメ化と

して運用され,構成されるように変化した。筆者は,これを オートメ化の中

で のオートメ化と呼んでい る。現代 のオフィスはかかる一般的傾向をもって

い る。たとえば,オンラインの適用の現状,フ ァクシ ミリの導入な どを検討

5)

す れば,かかる傾向の進行を理解することができる。

この傾 向

新 しい オフ ィス として の強 調点

は ,一 方 に おい ては 都市

機 能の発達,人間生活思考の変化に人件費の恒常的高騰,機械化の進歩など

の背景の中で,一層ときわだった ものとなってきた。現今, オフィス・オー

トメーションに再び関心の寄せられてい るのぽ,かかる点にあるものといえ

よう。では,この ような傾向のもとで,今後のオフィスではどのような変化

や 新しい展開が考えられ,実行されるであろうか。本稿 ではこの点に視点を

おいて,近代 オフ ィス論 の序説的考察としたい。

2.

未来オフィスの検討 

未来 オフィスの検討にあたっては,検討事項を19点あげ ,これらの検討を

通 して未来予測を 行ってみたい。なお,この検討事項は,日本能率協会が行

った「 未来オフ ィスの予 測に関する調査」(第1 回アンケート項目)の 一 部 分

紅より:

,その集計結果との対比七検討を加えるとい う方 法をとっている。 1.

事務処理量の増加に伴って,事務処理要員が増加する。 

情報化社会で の一 般的 傾向は,情報量が多 くな る。 これは多様的に情報要

求が提出され るからである。このような傾向の中にあ ると事務量は 増える。

(4)

近代オフィス論序説 119 

機 械化 の効果 は ,こ の際に おけ る事 務処理 要員 の増 加を 押 え るこ とに もあ る

が ,多 様化 が進 行す る と事務 の質的 向上に 効 果は みら れ て 乱

事 務 処理要員

の増加を 押 え る効果 はそ れほ ど強 く働かない。 昭万口の50 年 代 後半 で は,こ れ

ら要員の一時 的 増 加 となろ う。  2.

事後処 理 量の増 加に 伴 って ,単 純事務 作業 のや り手が 足 りな くなる。

事務 処理 の増 加は, た んな る増 加でな く,多 様化 の 中 で の増加 と考 えな く

て はな らない 。 した がっ て, 単純 作業 とはい って 乱

質 的 に多 角化 してい る。

とい うことは ,教 育, 訓練を 通し て単純 作業 への 従事 とい うことに な る。 人

間 はか ならず しも複 雑な作業 への挑 戦心ば か りでな く, 繰返 し作業 で の安定

的 行動に もあ る 安ら ぎを 感 ず るも のであ る。 作業 者 が足 りな くな るとはい え

ない。  3.

事 務処 理量 の増 加に 伴 って, 事務 処理要 員が 仕事 を 忌 避す る。  

作業 環 境の作 り方 が問 題 で, マソ ・マシ ン・シ ステ ムの合 理的 設 計を 検討

す るこ とが必 要であ る。 基 本的に は 忌避は 考え ら れない 。 4.

事 務処理業 務 の必 要,不 必 要な もの の判別 基準 が ない こ とが問 題 とな

る。  

多 様的 に 情報 要 求が 提出さ れ ると事務 処理 量は 増え る。 事 務 の中に は必要 ,

不 必要 な点てい ろい ろ な問 題 が 存在す る。 しかし ,情 報 要求 の 出し方 ,内容

の検討 ノ 贋報効 果な どが 次第に 研 究され ,一時 的に は 問 題 とさ れるが ,一 般

的 にはあ まり大 きな問 題 とは なら ない。 また , デ ィス プレ イ装 置な どの発達

は ,デ ータの効 率的 かつ定 型的 利 用法を 開発す る ので ,一 層 この点 は 改善さ

れ る。 5.

事 務処 理量 の増 加に 伴 って , デー タあ るい は情 報 (文書) の蓄 積方法

が問 題 とな る。  

蓄積方 法が 問 題 となる のは , ど0 よ うな手段 に よっ て蓄 積 し, これを 利用

す るかにつ い て,い ろい ろ な手段 が開発 され てい る ので, そ の 選択の点に あ

るもの とい え る。 また ,文 書 は多 くの ものが ,デ ー タの組 み合 せ の結 果とし

て の情 報表示 であ るから, デー タペ ースとそ の利 用技術 に よって この問 題の

内 容が 異る。 現代 の進 歩 では, 昭 和60 年代 前 半 まで の研 究 事項 であ ろ う。 6.

事 務処 理量 の増 加に 伴っ て, デ ータあ るい は 情 報 (文書) の検索方 法

が問 題 とな る。

(5)

この問題は,前事項と関連するが,前事項 より屯研究と検討の時間的,質

的 な面で深さが異る。検索方法につい ては前者 よりも期間的に長く,質的な

面では,その効果性,安全性などの問題がより重要課題となる。 7.

事務処理量の増加に伴って,データあるいは情報(文書) の保管方法

が問題となる。 

機械化の推進によって,従来,人手に よって行われてい九文書保管,管理

が,機械ベースの上で考えられなければならな くなった。機械化がすすむと,

個々の機械自体 よりもむしろ,それらに よって構成されるシ ステ ムが問題と

なる。現在すでに,シ ステ ムの安全性,データ保全の問題が重要課題となっ

てい る。ここ当分はこれらの検討は,未来オフ ィスの基本問題として横たわ

るであろ う。 8.

事務処理量の増加に伴って ,データあるいは情報(文書) の遠隔地へ

の伝送方法が問題となる。 

情報処理は,形態的にみて集中方式,分散方式と大 別される。 しかし今日

では,システ ムの安全性,データ保全の問題から,全体として統合化を考え,

そして必要に応じて部分的集中処理方式 が実 施されている。伝送はこのもと

での伝送方法で,統合化と機械化が進行し,一方では社会情報システムとの

かかお り合が強くなる。昭和60年代 では,社会的 次元 から検討されることに

なるだろ う○9.

事務処理量の増加に伴って,データあ るいは情 報(文書) の廃棄方法

が問題となる。 

データ保全に対して,蓄積 データあるいは 情報の廃棄も問題である。媒体

が多種類であ り,処理,利用のスピード化 もあ り,廃棄方法も法制化 との関

係で再検討の必要かおる。 10.

事務処理の増加に伴って, データあ るいは情報(文書) の処理(計算。

集計,編集)等の方法が問題 となる。 

事務処理の機械化では,すでにこれらは検討,研究の上での処理方式であ

り,本質的にこれが問題となることはない。 11.

オフィスのスペ ース不足が問題となる。 

スペ ースが不足とい うよりは,空間の利用方法が問 題である。機械 乱 コ

ンピ ュータにみるように,小型化し軽量化されっっあ る。この傾向は一般的

(6)

近代オフィス論序説 121

である。      犬

12.

デ ー タあ るい は情 報の秘 密保 持が問 題と な る。 

コンピ ュータ時 代 の大 きな問 題は , プ ライ バシ ーの 点 であ り, また 組織上

の機密 保持 の問 題 であ る。 これは 法的 側面で も検 討さ れな くて はな らない と

同時に ,管 理体 位

あ るい は, シ ス テ ムの設 計上 で も 配慮 され な くて はな ら

ない。今 後10 年 ほ どは検 討しつづ け ら れるこ とに なろ う。 !3.

情報 の スピこ ド化 に 伴い , ト ップの意思 決定 が 対 応で きなく なる。 

意思 決定 のサ ポー ト・シ ステ ムとして 情報シ ステ ムの開発 が 行われ てい る。

基本的 には対 応 で きない こ とは ない。 た だ し,情 報利 用者, 特に ト ップ・ マ

ネジメン トの教 育は 改善 されなけ ればな らない 。 また 機関 と して の決定, 集

団 とし て の リー ダーが確 立 されなけ れば な らない。 14.

情 報量 の 増加に 伴 って, 管理 者 の判断 能力 が対 応 で きな くな り, 情

報の 流れを阻 害 す る間 題が 発生す る。 

管理過 程 と情 報処理 過程 とは表 裏ブ 体 の関係 かお る 。 した が って,管理 シ

ス テ ムに対 応 して 情 報シ ステ ム化 か 促進 されなけ れば な らない か ら, この よ

うな点はあ ま り重 要 では ない 。対 応 しえ ない 管理 者は ,む しろ管 理シ ステ ム

上 ,当初 か ら管理 エ レ メン トとして 評価 されない 。 15.

高 議 制度 や捺 印制 度が大 量 情報処 理の 流れを 阻 害す る問題 が発 生 す

る。 10

年 以上 の歴 史的 経 験 の中 で, 本質的 な問 題 は検 討 さ れ,浮 き彫 りに され

て きた。 もはや こ れが阻害 要 因 とな って問題 発 生 とは な らない 。 もっ とも阻

害的 な働 きを す る場 合 は,あ るであ ろ うが。 16.

これ まで の オフ ィスの固 定的 な レイ ア ウト方 法 が問題 と な る。 

空間 構成 の上 か ら, オ フ ィス の近代 化 が問 われ てい る今 日, 各種 の技術 革

新 も含 めて当 然 ,重 要 な検討 事項 であ る。昭 和60 年 前 後に は,一 つ の転機を

作 ること も考 え ら れる。 これ は, 都市問 題の 進行 と深 い つ なが りか お る。 17.

事 務 シ ステ ムを 適正に 改 善 して くれる 専門家 が 不 足す る。 

現在 の教育 環 境, 研究方 法 か らみて, その よ うな こ とは 考え ら れない 。 18.

電 話 回線 へ接 続す る端 末機等 へ の規制 が問 題 と な る。 

端末機の 開 発,設 置 の増 加は, シ ステ ムの安 全性 と 経 済性 との相 関関係を

かつ。 また, 他 方, 社会的 次元で ,個 々の組 織体 の 情 報シ ス テ ム化 も考え ね

(7)

ば ならない。 この二つの面から,規制も一つの方法といえ る。 19.

事務処理量の増加に伴って,事務処理経費(ロスト)が増大する。 

事務処理経費の評価には,いろいろな考え方かおり,難しい面かお るが,

事務増大は,組織体質改善とも関係し,また社会的存在としての組織では,

むしろ必要な面さえある。これらとのかね合で考えると コストの評価が変わ

る。加えて,技術革新は,より低い コストでの事務処理実現を果している。5

年前との複写費を較べれば よい。

〔 未 来 オ フ ィ ス の 構 図 〕 

以 上 の 検 討 事 項 を 基 礎 と し て 未 来 の オ フ ィ ス の 構 図 を 考 え て み ょ う 。 構 図

を 組 み 立 て る 鍵 は っ ぎ の ポ 千 ン ト に あ る 。     

■ 

㎜       

a)

場 と し て の オ フ ィ ス      

し 

た ん な る 事 務 所 と し て の 考 え 方 か ら 機 能 的 な 事 務0

意 味 を 汲 ん で の オ フ ィ

ス 論 に 移 行 し て き た が , 再 び , オ フ ィ ス 空 間 の 社 会 的 存 在 意 義 や 都 市 構 成 の

一 つ の 核 と し て の オ フ ィ ス 空 間 に 注 目 し , 機 能 空 間 論 的 オIフ ィ ズ が 未 来 構 図

の 方 向 性 に 強 く 働 い て い る と い え る 。 b

) 事 務 処 理 の 質 と 量 

近 代 の オ フ ィ ス に お け る 事 務 処 理 の 意 義 が 高 ま る に つ れ , そ の 量 は 増 大 し ,

質 的 な 向 上 右 重 要 な 課 題 に な る 。 量 的 機 械 化 を 促 進 し , 質 の 面 で は , 機 械 化

は も と よ り , 事 務 担 当 者 の 知 的 水 準 の 向 上 を 求 め る こ と に な る 。 し か し ま た ,

事 務 の あ る も の は , 量 的 側 面 が 重 要 で , 質 の 向 上 を 必 要 と し な い も の も あ る 。

逆 も あ り う る 。 し た が っ て √ 事 務 担 当 者 乱

全 く 単 純 作 業 に 終 始 す る も の も

あ り , 優 れ て 知 的 で あ る 場 合 も あ る 。 し か し い ず れ に し て 乱

機 械 化 ベ ー ス

の 上 に 位 置 す る こ と に は 変 り は な い 。 c

) 専 門 化 と 流 動 化 

機 械 化 ベ ー ス の 確 立 と ネ ッ ト ワ ー ク 化 七 だ オ フ ィ ス 空 間 の 運 用 に は , 専 門

家 の 必 要 性 が 生 ず る 。 ま た 空 間 の 変 化 , 機 械 化 の 向 上 な ど に よ る オ フ ィ ス の

流 動 化 も 必 要 で あ る 。 そ れ ら の 二 側 面 が 受 容 さ れ る オ フ ィ ス が , そ の 存 在 価

値 を 高 め る こ と に な る 。

(8)

123

近 代 オ フ ィ ス 論 序 説

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(10)

近 代 オフ ィス論序 説  125

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(12)

近 代 オ フ ィ ス 論 序 説

127

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(14)

129

近 代 オ フ ィ ス 論 序 説

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(15)

3

む すび

課題 の整理

新しい オフィスの確立が必要とされる場合,全く新しい 形でこれを設計し,

運用し うる時 と, 旧来のものを改善することに よって,新しい形態へと移行

す る場合とがあ る。そして多くの場合,後者の例がほとんどであって,現状

腸こだわらず√これを新設し うることは少ない といえ よう。そこで,現状か

ら新形態への脱皮が,つねに問題となるのであ る。 このた めに,つぎのよう

な 検討の手順が必要となる。 

① 現状の分析と問題点の整理 

② 当該組織の背景と特色 

③ 機械化の程度と機械開発の傾向 

④ 環境シ ステ ムの変化予測 

⑤ 設比り,想の発展と技術動向 

以上を みると,ます現状の認識,そして現状から未来への展望,とい う検

討 手順を 経ることになる。この検討手順の中で,オフィス・シ ステ ムに影響

を与え る環境的 因子を考えてみると,第1 には自然環境があげられる。これ

は 自然環境を無視した設 計は考えられない からであ る。つい で,経済要因,

人的要因も強い 働きを もつ因子である。技術水準,組織の基本的枠組も考慮

されなけ ればならない。そしてこれら因子の働きを検討 の手順の中に 織り込

みながら, オフィス0 設計は,一つの新しい 空間をそこに生み出すことにな

る。この空間現出のための各単位の統合,結合のために,一般には,マトリ

ックス,ベンダイアダラ ム, デソドロダラムなどの表現方法が採用される。

さらに 空間を総合的に解析してみる必要かおる。これはいろいろな解析結

果を総合して評価する。解析の仕方は,空間を位相的に分割し組み立ててみ

る仕方であ る。 この場合,空間は,人間が主として 居住 し行動する仕事の生

活 空間と,機械や装置あ るいは製品,部品を設置したり,保存した りする装

置・保管空間,加えてエレベーターの通 るシ ャフトや配管 のためのダクト,

天井 裏などの搬送,バッファ空間の三つ の部分に分かれる。そして問題は,

この ような三つ の空間を一つ の統一ある全体とし ての空間に どのように まと

めあげ るかであ る。これには,システ ムズ・アナリシス,システ ムズ・ ゼネ

(16)

近代オフィス論序説  131

レーシ ョソの手法 が用い られ る。 

こ のシ ス テ ムズ ・ アプpr ―チに よってえ た 構図 のた めの基 礎資料 は, グ ラ

フ理論 の 適用に より空間 の平 面的 計 画と して表 現 す る ことが で きる。 また ,

マト リッ クス理 論を 用い て,構 造ユ ニッ トの 相互 関係 を把 握 し うる。 

トポロ

ジーでは ,位 相的認 識をえ ら れる。 さ らに , ゲ ー ム理 論 ,待 合せ理 論な どに

よりオ フ ィス空間 の機 能性を 解 析し うる。 この よ うな 分 析 過程に より,一 つ

の思 考 の もとに設 計され た 才フ ィス 空間 は,各 種 の角 度か ら評価 され, 目的

に より貢 献し うる空間 と して提 供さ れ ることに なる。 

なお , 課題 の整理に 加え てお かな くて はな らない 重 要 問題 は, 空間 の制御

と安全 性維 持の点 てあ る。 前者 は, 制 御シ ス テ ムのオ フ ィス空間 へ の導入で

あ り,後 者 は,安全 シ ステ ム設 計思 想を オフ ィス設 計 に充 分活用 しなけ れば

ならない とい うことであ る。い ずれ に 七て 乱

近代 オ フ ィスの新 しい形 態お

よび活用 の展 開は ,以上 の ような 課題 ,問題 点を 総合 的に 検討 し, これを 具

体的構 想 として まとめ上げ ること であ る。 本稿 は この た めの序論的 検討を 試

みた のであ るが ,後 日さ らに 論考を 加え て,理 論 の骨 格を 完成 したい 。

1) フ レデリック・ギバ■

・ドは, 都市 構成 の「各種 ゾーン間の理論的関 係」につ

い て,た とえば業 務地区 の場合, こ れを店 舗と事務所 と問屋に分け, そ の結び合

い の一つ のパターンでの空 間構成をつ ぎ のように表し ている。「 ショ ッピン グ

に重複す る事務所地区

( 店舗のあ るものはほと んど必ずそ の上に事務を 有する)

問屋だけ の地区,そして市場を含 むシ ョッピン グ地区

と が あ る」(Frederick Gibberd,

Town Design, 1970,

邦訳  高瀬 他訳『タ ウン ・デザインJ p. 96』

こ のような結びつ きは,その状況に応じ てい く通りか のパタ ーン として変型 し

うるが, その基 本は 都市空間を大衆に どの ように提供 するかにあ る。そして都

市空 間の中 に置かれだ オフィスは, より創造的にこの パタ ーン構成を担 うこと

に な り, オフ ィス要素は構成 設計の一つ の核であ る。2

) 村野博司氏は,その著『かし わい 』(昭53 )の 中 で「 大都市の中 に お い て

“かいわい”空間は都市の拡大し た全体と余 り拡大し なト 部分としての単体 と

の間を埋めると共に両者を 結合する中間の スケ ールと して 創設される必要があ

る」(p. 246) と述 べてい る力\ オフ ィスが都市構成 要素 の核的存 在であると

すれば ,当然,当該都市の環境条件にそった空間を構 成す る必要かおる。現今

のオフ ィス街,たとえば丸の内, また地下街 と連結す る オフィスビルの存 在な

どもそ れ らを裏づけ る一つ の存在であ ろ う。

(17)

3)

オフ ィ スは一面時 間の中 の存在である。 オートメ化さ れた オフ ィス(部分的

にで も) は, オ ート/ ■

−シ ョン思考 の上に 構成されてい る。 こ の具 体的な オー

トメ化は,新しい技 術,設備 の導入に より,新しい パタ ーン の オート メ化へ と

進打場 合があ る。こ の時,従来 の オートメ化部分に新し い部分 が,パ ターン重

複したり,共 存す る。し かし オートy- ―ション思考 の基本は変 りはない。同一

思考基盤 の上で, 古い パタ ーンと新しい パタ ーンがいろ いろ な形式で実践され

るのを オート メ化 の中で の才 一ト タ化 とい う。4

) コンピ ュ ータ・ベ ースの情報シ ステ ムを 基盤とするバ ン キン グ・ システムに

導入された キ ャッシ ュ・ デ ィスペ ンサ ーな どはその具体的一 例といえ よう。5

) フ ァクシ ミリの普 及などが, コンピ ュータ未適 用部分 の機械化 を促進したり,

事務合理化 の推進に一つ の刺 激剤となってい ることも考慮 すれば よい。た とえ

ば,紀文におけ る注文処理合理化 の例もそ の一つ。

参照

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