<論文>家計消費支出における女性化傾向
著者
山内 惣市
著者別名
Yamauchi Soichi
雑誌名
経営論集
巻
25
ページ
127-143
発行年
1986-01-21
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005789/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja家 計 消 費 支 出 に お げ る女 性 化 傾 向
127 山 内 惣 市 1. は じ め に ,。 わが国 の流通業 界 に も, もろ もろ の今 日的 変革 の兆し が見 ら れ る。 何を売 るか,誰 に売 る か, どこ で売 るか 等 々, 基 本的 事項 で の変革 が迫 って いる。 満腹経済 の時代 とい わ れ る ように 消費 者 二一 ズは物 不 足時 代 から物 離れ時 代へと変 り, 物的 価 値の 販売 から, 物 まわりの価値 の 販売 へ と苦心し てい る。 まさに “気分を 消費 す る時代” であ る。 画一的, 均 一的 価値 観 から, 個 性化,多 様化 へ の価 値 観 の変 化 は大 衆市場 から, い わゆ る分 衆市場, 小衆 市場 へとの ター ゲット の変 換を 迫ら れ る。 消 費者ニー ズから 見 た市 場 の狭陰 化 であ る。 一方, 小売業 界 の頭 打ちは 市場 の取 合い へ と競争0 激化を 呼 び, 店 舗販売 とい う「待 ち の経 営」 から , ホー ムシ ョ ッピン グ(Home-Shopping )へ のアプp 一チに よる 「攻め の経 営」 へ と戦術 転換 も進めら れ てい る。 ニ ュー メデ ィ アに よるホー ムシ ョ ッピン グは キ ャプテン・シ ステ ム, 双 方 向CATV の登 万 場 で脚光を 浴 び よ うとし てい る。1 流通業 者同士 の 競争に よる顧客 の取合い は企業 側から の 市場 狭陰 化で, マ 万 ス・マ- ケット時代 の不 特定多 数 客は望 めない。 特定 少数 客化 は カー ド戦略 宍 とし て, 特に , 自社 カー ド戦 法 とし てし のぎをけ ずっ てい る。 力一 ド戦略は 一方でキ ャ ッシ ュレ ス時 代へ の 小売的対 応であ ると同 時に, 顧客 の会員化 軟 略で もあ る。 消費者 二一 ズの変 化, 成 熟 化経 済は地 域差 と時 間差を 伴 う伝 播 性を もつ。 正に成熟化 前 線であ る。 同じ こ とが実は 「誰に売 る か」 の間題 にみ とめら れ る。 一 口に21 世 紀は 女 性の時代 であ るとい わ れる が, 家 計消費支 出の大 部分 の決定は 主 婦に よって なされてい る とい わ れ る。 以 下, 家 計消費 支出に おけ る 女性 化傾 向を 探って みたい。2. 買 物は 誰がきめ るか (1) 大都市 有職主 婦家庭を モ デル とし て 家 計 消費支 出決定権 が主婦 の手 に 移 る傾向に あ るこ と は, 前 述 の「何を売 るべ き か」,つ まり,成 熟化 前線 と共 に 「誰に売 るべ き か」 があ らたに問題 に な る。 次 表(第1 表)は 大都市 で の「妻が 働 く家 庭」 で購買 決定 権 が誰に あ る か の調査1)であ る が,「食料 費」「衣料 費」 につ い ては 圧 倒的 に 「妻」 の比重 が 高いし , これは 常識的に も首 肯で き る。 次 の 「耐 久 消費 財 購入費」「レジ ャ ー費」 では 「相談し て」 含める ケー スが第1 位 であ り,「妻」 がこれにつぎ, 「夫」 の決定 権は 極め て低い。 更に,「交際 費」 につ い ては 「相談し て」 が第1 位 で, 第2 位の 「妻」 が これに近 接し ,「夫」 の決定 は そ の半分以下 であ る。「教 育費」 にいた っては 再び 「妻」 がl 位 とな り,「相談し て」 の2 位を 抜い てい る。「夫」 にい た っては 僅 か7.2% と, 見 るかげ もない。 こ れを 図示 す る と第1 図 の如 くであ る。 第1 表 買物は誰がきめるか(妻が働く世帯の場合) (S.55年) 食 料 費 衣 料 費 耐久消費財購入費 レジャー費 交 際 費 教 育 費 夫 件7 2.8% 件5 2.0% 件4819.2% 件4618.4% 件4317.2% 件18 7.2% 妻 234 93.6 212 84.8 56 22.4 69 27.6 96 38.4 101 40.4 相談し て 4 1.6 29 11.6 141 56.4 129 51.6 107 42.8 85 34.0 NA 5 2.0 4 1.6 5 2.0 6 2.4 4 1.6 46 18.0 計 250 100.0 250 100.0 250 100.0 250 100.0 250 100.0 250 100.0 佐橋 慶「奥さんから外さんへ」:消費と流通,Vol.5,No.3. これを要約すると,丁妻が働く世帯」 の場合, 購買決定権は, 妻によって なされる部分と,夫婦の相談に よるものとの2 者に大別され,購買決定にお け る夫の位置が極めて低い ことが判 り,欧米の夫 の位置に比較し て興味深い。 更に,この調査におけ る「相談し て」 の中味を仮に 「夫」 と「妻」の五分 五分 とし て,これら の数値を夫 と妻に配分すると第2 図 の如 くになり,単純 平均すると妻の決定権は67.4% となる。これを, 費目に よるウェイトを考慮
%00 w^oo >1 00 00t > . 0 0 t £ > m 000o *COCJ 10 0 食 料 費 / / 衣 料 費 家計 消費 支 出に おけ る 女性化 傾 向129 / ・’` − 一心 , 財 購 入 費 耐 久 消 費 レ ジ ャ ー 費
 ̄\
交 際 費\
教 育 費 第1 図 妻が働く世帯では誰が買物を決めるか し たり,「相談し て」 の中 味 の主導 権 まで立入れば 様相 はさら に一 変し よう 。 し かし な がら, こ の調 査は 大 都市 の「有職主婦 家庭」 を対 象 とし た もので あ るから , 大 都市 「専業 主婦 家 庭」 の場 合,及び, 農 村を 含む 地方 都市の場 合は ど うであ ろ うか。 家 計 消費支 出決定に 女性化 傾向 かあ る とす るならば, 「 専業主婦家 庭」 を は ずす わけ に はい かないし , 大 都 市 と地方 都市 の間にず れ があ るなら ば, 成熟 化前 線 と同様, 女性化前 線とし て把 握す るこ と が商業 経営上き わめ て重 要に な る。 そこで, 前 掲 の調査 結果を 「 モデル」 とし て大 都市 専業主 婦家 庭 の場合 と, 地方都市 の場 合 とを 調 査し , 家 計消費 支 出決定 権におけ る女 性化 傾向を 調べ てみるこ とが 本稿 の主 旨であ る。% 100 00C ? >00 007 <£> 0 0 i n ・ " * 00 CfiCvl 00 1 / 食 料 費 衣 料 費 / ` ‘ へ ● ●//: \ 財 購 入 費 耐 久 消 費 レ ジ ャ ー 費 交 際 費 教 育 費 第2 図 「妻が働く世帯」で誰が購買決定権をもつかー 「相談して」を夫と妻に半々に配分した場合(2 ) 大 都市 専業主 婦家庭 次表(第2 表,第3 表), 次 図(第3 図,第4 図)は い ず れ も 東京 都北区にお け る調 査 結果 であ る1)。 ただし , これ は区 内12 商店 街に おい て来 街 者調査と し て 行 なった ものであ るため,「有職主 婦」 の比 重 がや や少 な い こ と を 付 記し てお く。 この調査 から 「 妻が 働 く世 帯」 につい て, 前掲 モデル と比 較す る 上で 第3 図を 見 ると女 性化傾 向は一 層顕 著 で, 全 費 目 につい て 「妻」 の決 定 が1 位を 占め てい る。し かも,「耐 久 消費 財購 入費」「レジ ャー費」「交際 費」 まで 「相談し て」 を ぬい て「 妻」 が1 位にい る とい うのは, 一 般的 傾向 から もゆきす ぎた感な きにし もあ ら ずであ る。 むし ろ, 家 庭内 の構成 や,主
家計 消費 支出に おけ る女 性化 傾向131: 第2 表 妻が働 く世帯 の買物 ( 北 区) 食 料 費 衣 料 費 耐久消費財購 入 費レジャー費 交 際 費 教 育 費 夫 , % 0 % 2.4 ・12.2% 7.7% 6.5% % 13.3 妻 83.1 70.7 40.2 41.0 42.・6 48.4 相 談 し て 0.5 8.9 29.4 34.6 32ム8 43.9 そ の 他 16.4 18.0 18.2 16.7 18.1 4.4 %90 00 00t >. 0 0 ≪ o m 00049 り り ` 00 1 ﹄ 食 料 費 衣 料 費rI − べJ レ ジ ャ ー 費 交 際 費 教 育 費 ソ 第3 図 \妻が働く世帯での買物のきめ方(北区の場合)大 導 権そ の他 の調 査にーまで立入 って みたい誘 感をお ぼえ る。\ これに 対し て 同区 同 調査に おけ る 「専業主 婦家庭」 の場合は(第3 表,第4 図),「教育 費」 の場 合 七「相談し て」 が第ユ 位 とか 肌 「食 料費」「衣料費」 の・「妻」 の1 位 は判 る とし て, そ の他 の。費 目を夫 婦 万「相 談し て」 きめ るのは 極めて 標準的 では ない か と考えら れ る。 いず れにし て も 「夫」 の みに よって
第3 表 妻が専業主 婦世帯の買物 ( 北 区) 食 料 費 衣 料 費 耐久消費財購 入 費レジ ャー費 交 際 費 教 育 費 夫 0.6% 1.3% 22.8% 11.4% 13.3% 7.4% 妻 89.3 83.2 27.2 33.1 26.1 37.9 相 談 し て 1.1 5.7 41.0 44.6 51.6 49.6
| モ ・t
9.0 9.8 9.0 10.9 9.0 5.1 %90 00000008765439 ` 10 0 食 料 費 衣 料 費 耐財 久 購 消 入 費費 レ ジ ャ ー 費 交 際 費 教 育 費 第4 図 専業主婦家庭(世帯)での買物のきめ方(北区の場合) 決 めら れ る比率 が少 ない のは 明白 であ る。 次に , 第2 表, 第3 表, 及 び第3 図,4 図 から 「相談し て」 の比率を 「夫」 と 「妻」 に 半 々に配 分し て 図示 す ると 第5 図 がで きる。 同図 の(イ)は 「妻が働 く世 帯」 の場 合, ㈲は 「専業 主婦 世帯」 の場 合を 示す が,(イ)図では 夫 と妻O 隔 りが甚だし く, 前 掲 モデ ル「妻 が働 く世帯」(第2 図)に 比べ ても, そ の隔133 家 計 消 費 支 出 に お け る 女 性 化 傾 向 如 峰 μJ な 咄U ︼々 升 り ︼肺J ’ 氷 如 梼 侭Q ﹁PJ 謳 冪 ﹂ ︵ ` 裂 班 彝 誠Q μ ﹁ 推 封 ﹂砦 州 粧 鯖 ﹂ ︵ ロ ︶ 回 心 派 謳 歌IK 似 趾 収 j●・叫● / ゛ /fy ″ ふ乱^ 一 叙 収盤べ叙 並べ邪収 χ / ’ ` へ
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へ 刺 丈 万叙 くo Φ ○ ○CO<M ≫−H ⇔ つU い ( ⊃ ⇔ 皿ら3 ≪⊃ ⇔a い ) 宕t-● 如 嘩 ︰ `J 余 固U ︸ 々 升 り ︸蕪 り 水 湘 落 築 ﹃Q ﹁D .imm :ico ^ ^mmcDo.rifS ﹀ 避 石 楸 ﹂ ︵ t ︶ 回 心 紙 翁 細 収 ■K><趾 収 .i以 キ″一 瓢 芸破べ収 迦ぺ珊収 ’I ’・1 / ・ / ’L \ 氷 蕪 I ・ − 弑 応 甑 ` 、 \ 似 応 収 C )\
つ ⇔esir ―・ ○ ○ ○ ○Q 哨 ’<*CO ○ ○ ○a い0t ∼ ︷ ︸ ︵ ︶ ︷ y第4 表 買 物は 誰がきめるか(地方都市の場合 ) ( 昭和58年調) 食 料 費 衣 料 費 耐久消費財溝 入 費レジャ―費 交 際 費 教 育 費 夫 2.7% 2.6% 33.3% 18.2% 17.1% 8.0% 妻 96.0 90.8 8.0 26.0 17.1 48.0 相 談 し て 1.3 5.3 56.0 54.5 64.5 22.7 そ の 他 0 1.3 0 1.3 1.3 1.3 NA 0 0 2.7 0 0 20.0 θ00000000000 %0987654321I 食 料 費 衣 料 費 費 費 レ ジ ャ ー 費 交 際 費 教 育 費 第6 図 買物は誰がきめるか( 地方都市)(58 年調査) 含むI 市に おけ る 調査をあ げ ることに す る。 りは甚だし い。 むし ろ, モデル は ㈱ の 「専 業 主婦 世帯」 の場合 に近い。 こ うし て みる と,夫 と 妻の両 者 の 開き が大 きい 程「妻」 の決定 権 が 強い こ とを 示す わけ では あ るが↓ 同時に, 夫 婦 の心 のへだ た り まで 想定せし む る感 さえあ る。 (3ト 地方 都市 今まで大 都市におけ る有職主 婦家庭 と専業主婦家庭を比較し てきたが,それでは,大 都市と 地方小都市ではど う違 うか,興 味のあ るところである。そこに 差があれば,女性化傾向におけ る地 域差があるわけ で,それが 時間差を伴えば,まさに女性化 前線といえ よう。 そのため 地方都市とし て,東 海地方の人 口8 万弱の農村部も
第4 表は 同市におけ る昭和58 % 年 調査 結果3)で, これ を図示 す100 ると第6 図 とな る。 二の調査は サンプル数 がやや 少ない うら み90 はあ るが・「有 職主 婦家 庭」「専80 業主婦 家庭上 を一 括し た場 合 も (第6 図),「有 職主婦 家庭」 のみ70 の場合(第7 図)も大 年 な に 臨 認 めら れない 。 地方 小 都市での 有 職主 婦には 農業, 商 工業 とも50 家業 従事 者が かな りい るた め, 大 都市 の有職 主 婦の場 合 と異 な40 るのは やむを え ない630 これ ら の図を 見て感 ず るこ と は,大 都 市 の場 合 に 此 較 し て20 「耐久消費 財 購入 費」 に 関 し て は「夫」 の決定 権が かな り強い ことであ る。 勿論,「食料費」 「衣料費」 につ い て 「妻」 が圧 倒的で あ るこ とは 全 図的に共 通 す る傾向であ ろ うが,r 教育費」 につい て も大 都市同 様 「妻」 め 10 0 家計消 費支 出に おけ る女性 化 傾向135 食 衣 耐 お 才 灸 費 費 費 レ ジ ャ ー 費 財 購 入 費 交 際 費 教 育 費 第7 図 買物は 誰がき めるか(地方 都市) 一 有職主 婦家 庭(昭58)ニ 決定権 の強い のは 興味 深い。欧 米 では, 大 きな買物 に は 「夫」 に。決定 権 があ るこ とは よぐ報 ぜら れ てい るし , わ が国 で もかつ て は 財 布を 「主 人」 が握っ ていた もの であ る。 地 方 小都市 の場合は 農業 の如 く3 世 帯家 族り 比 率 も高く, か かる傾向 か見ら れ るの では ない か と考え る。に れ も, まさに 女性化 傾向に おけ る地域 差 とい え よう。j 十 大 都市と地 方 都市 と比較す ると若 干 の地 域差 があ る こ とは 理解で き るが, 次に, 地 方 都市そ の ものに どの よ うな時 間的変化 かお る かを 見 七み よ う。 第8 図は 前 述地 方小 都市I 市で昭 和57 年 より60 年 まで の毎年 の調査 結果で あ るが, 年を 追 って の明確な変 化は ない とい え る。 僅 かな がら 丁夫」 の後退
徊 雁 廿 宕 = 匙 = 制 需 廿S 箭S へ 「へ 心 側 扁 廿 胞 菊 翌 似 冥 廿S 両 眼 次 ≫・I OO □ 四O ) o 1 ;ヽ - ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○C ぱO 寸c りNH 記 訟 収 似 訟 収 ふ卜 や一嘱 芯 首 べ甑 並 べ 潔 侃 侃 首 似 袱 首 甑 翁 砿 収 管く 趾 収 ふ以を ー収 収 盤べ 収 芯 ぺmm 侭 首 収 部 首 収 謳 訟 我 侭 甑 甑 ぶλや一我 苫 首 べ我 辿 べ 珊我 似 首 瀬 部 首 我 記 但 甑 釈 藍 瓶 ぶ ン、キー一 瓶 架 慰 ぺ 瓶 能 ぺ 潔 瓶 侭 次 刺 刺 糞 瓶 c ^mowLi 伝 蔀 代 裂 ︶ 石 啼9 如 石 離tmm 図 ∞ 紙
家 計消費 支出に おけ る 女性化 傾向 137 と「妻」 の比 率 の増大 が うか がえ る。 次の第9 図は昭 和58 年 よりの3 ヵ年 につい て 「相談し て」 の比率を 「妻」 と「夫」に半 々ずつ 配分し て図示し た ものであ る。 第9 図(イ)の58 年 から同向 の59年にかけ ては明ら かに 都 市化 傾向 か見ら れ 「妻」 が 「夫」 を 上回 る。し ベ ー ・−I 蕉 − 糾 脛 廸 宕 両 眼 ︵ £ 側 匪 廸 富 箭 回 八□W 側 殴 廿S 両S 心 `?W / へ ` \ <&<≫OOO<Z>CkCSOOMo .く3cQt>-U3Ui 寸COtSJt ―●
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13 ≫ 家 計 消 費 支 出 に お け る 女 性 化 傾 向 400 300 200 100 0 薬 品 衛 生 用 品 石 鹸 タ オ ル 台 所 用 品 敷 物 電 気 製 品 食 品 靴 食 器 草 花 鉢 植 具 化 粧 品 ハ ン ド バ ッ グ ア ク セ サ リ ー 衣 類 150 100 50 0 衛 生 用 品 敷 タ 石 薬 オ 物 ル 鹸 品 台 所 用 品 電 気 製 品 草 家 食 食 花 具 器 品 化 粧 品 靴 ハ ン ド バ ッ グ ア ク セ サ リ ー 衣 類 第10 図 楽しい買物 ・楽し くない買 物
を 併 記す る形 を とってあ る。つ まり, 各 品 目に つい て 「楽し い」 度 合 と「楽 し くない」 度合を 比 較し てあ るわけ で,「楽し い」 が 「楽し くない」 より大 きい ものを 「楽し い 買物」 品 目 とし た。 そ の 結果, 北区 「専業 主婦家 庭」 の主 婦は, 衣類, ア クセサ リー, ハン ド バッ グ, 化 粧品, 家具, 草花 ・鉢植, 食 器, 靴, 食品を, この順で 「楽しい」 品 目とし , 薬品, 衛 生用品, 石齢, タオル, 台所 用品, 敷物, 電気製 品を こ の順 で 「楽し くない」 品 目とし てい る。 こ の図から 言え るこ とは,モ デル と比 較し て 「化 粧 品」「食 品」 の2 品 目が 「楽し い 」 品 目とな り,「敷物」 が 「楽し くない」 品 目と変 っ てい る。し かも 「化粧品」 は 「楽し い 」順 位 もかな り上 位にい る。し かし ,「食 品」 の場 合は 「楽し い」 部類に 入 ってい るが 「楽し くない 」 との差は 紙一重 であ る。 更に , こ の図から 「靴」 と 「電 気製 品」 の2 品目に 特 徴 が見ら れる。 即ち, 「靴」 は 「楽し い 」 順位 とし ては あ まり高 くない が, 同時 に 「楽し くない」 と す る度 合は かな り低 く,「楽し い」「楽し くない 」 の差で 示せ ば 「楽しい」 品 目 の上 位5 位にあ た る。 一方,「電気 製品」 の場合は 「楽し い」 とす る度合 から の順 位で下 位にい る 「敷物」「台所 用品 」 以上に 「楽し くない」 とす る 度 合 が高い 。 こ れを第10 図(ロ)の「働 く主 婦家 庭」 の場合 でみ る と, モデル対 比で 「化粧 品 」「食品」 が 「楽し い」 部 類に入 り「敷物」 が 「楽し ぐない」 部類に 入 る こ とは 「専業 主 婦家庭」 の場 合同様 であ るが,「靴」 を み る と順 位 も順当 と 思 わ れる。 有職主 婦 とし て の必要 性の反 映 ともみら れ る。 次に, こ れを 地方都市1 市 で比較 す ると趣は がら りと変 る。「楽し くない 」 品 目は 僅 かに 「薬品」「衛生用 品」「石 鹸」「タ オル」 の4 品 目に すぎない(第11 図け))。し か も, 前掲 モデ ル, 及び 北区 に比べ ると, む し ろ, 異 常 と も 見 え るこ の状態は,57 年,58 年,59 年,60 年 のどの年 も同 様の様 相を示 すこ と は, 大 都市 と地 方都市 間の買 物価 値観 の差 と もとれ る。 成熟度合 の地 域差の 存 在を 示 す1 つ の指標 ともとれ る。成 熟前 線であ る。 第11 図 ㈲では,「楽し くない」 品 目から更 に 「タ オル」 が減 少,3 品 目 とな っ てい る。60 年調査に 当 っては,「書 籍」「美 容院」 を 新に挿 入し て みた が, そ の占め る位置は 「楽 し い」 品 目の8 位10 位とな る。 更に-, 最 後に, モデル,i ヒ区 ,I 市 の3 者 の比較を 掲 げ てお く。
141 家計 消費支 出に おけ る女性 化傾向 0 0 ︵ O i n 004e ^ 一 U O < > < l -≪ 薬 品 衛 生 用 品 石 鹸 タ オ ル 敷 物 食 料 品 化 粧 品 電 気 製 品 靴 ハ ン ド バ ッ グ 台 所 用 品 食 器 草 花 ・ 鉢 植 家 具 ア ク セ サ リ ー 衣 類 0 第n 図 楽しい買物・楽し くない買 物 げ)I 市の場合( 有職主婦 ・専業 主婦混合)(S.57 ) 100 50 0 薬 品 衛 生 用 品 石 鹸 タ オ ル 敷 物 化 粧 品 電 気 製 品 食 品 ︵ 美 容 院 ︶ ア ク セ サ リ ー ︵ 書 籍 ︶ 草 花 ・ 鉢 植 ハ ン ド バ ッ グ 食 器 台 所 用 品 靴 衣 家 類 具 第11 図 楽 し い 買 物 ・ 楽 し く な い 買 物 (ロ)I 市 の 場 合 ( 有 職 主 婦 ・ 専 業 主 婦 混 合 )(S.60 )
第5 表 楽しい買 物・楽し くない買 物・順序 楽 し い 買 物 順 序 モ デ ル 衣 家 敷 食 靴 ノゝ 草 ア ` て^ こ ッ 鉢 り 類 具 物 器 ダ 植1 北 区 専 業 主 婦 一 有 職 主 婦 衣 ア ノゝ 化 家 草 食 靴 食 こ て 。 花 サ バ 粧 ’ ? 乙 _ _ ヤ!サ_ . _ 類1 夕 顔 具 獄 器 顔 ア 衣 ノゝ 靴 化 草 家 食 食 ク ン 岸j む ぞ リ ッ 鉢1 類 ダ 品 植 具 器 品 i 市 昭 57 衣 ア 家 草 食 台/ ゝ 靴 電 イヒ 食 敷 寸2 ヰ ト レ 類1 具 植 器 品 ダ 品 品 品 物 昭 60 衣 家 靴 台 食/ ゝ 草。 ア。 食 電 化 敷 タ 驚 レ ッ 鉢籍 り院 製 類 具 品 器 ダ 植゛1 し 品 品 品 物 ノレ 楽 し く な い 買 物 順 序 モ ∼f ア ル 衛 薬 タ 石 電 台 食 化 生 気 所 粧 用 ォ 製 用 品 品 ノレ 鹸 品 品 品 品 北 区 専 業 主 婦 一 有 職 主 婦 薬 衛 石 タ 台 敷 電 生 所 気 用 ォ 用 製 品 品 鹸 ル 品 物 品 薬 衛 石 タ 電 敷 台 生 気 所 用 ォ 製 用 九 品 品 鹸 ノレ 品 物 品 1 市 昭 57 薬 衛 石 タ 才六 一 品 品 鹸 ノレ 昭 60 薬 衛 石 生 用 品 品 鹸
家計消費支出における女性化傾向1434. む す び 以上 , 大 都 市 に お け る 有 職 主 婦 家 庭 の 主 婦 に よ る 購 買 決定 権 を モ デ ルに , 大 都市 専 業 主 婦 家 庭 の 場 合を 調 べ, 続 い て , 地 方 都 市 の 場 合を 考 察し , そ こ に , 厳 然 た る 女 性 化 傾 向 を 認 め ざ る を 得 な か っ た 。 同時 に , こ の 消 費 支 出 決 定 に おけ る 女 性 化 傾 向 と共 に , 今や 日常 的 買 物 は 主 婦 の 娯 楽 の対 象 で は な く, む し ろ , 楽し くな く, や む を 得 ず 行 な っ てい る も の とし て い る。 これ ら2 つ の 現 象 は , 小 売 経 営 に 新 対 応 策 を 要 請 す る 筈 で あ る 。 特に , 買 物 は 「楽し くな い 」 とす る 傾 向 に つ い て は 日 用 品 販 売 を メ イン と す る ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト と か, も よ り商 店 街 で は 新 た な る 積 極 的 展 開を は から な け れば なら な い 。 アメ リ カ では , ス ー パ ー マ ー ケ ッ ト が ス タン プ販 売 に 代 っ て, ギ ャン ブ ル の ビン ゴ(Bingo )を 顧 客 吸 引 策 とし て 用 い , 特に , そ の 賞 金 とし て1 万 ド ル の 額を 示 し てさ え い る4)。 又 , 買 物 が 楽し く な い な ら ば 買 物 時 間 の 節 約 を は か るも の とし て,Phone-indrive-thrusupermarket さ え 登 場し て い る。 つ まり, 購 買 品 目を 電 話 で 注 文 し , 来 店 時 に 車 上 で 商 品 の 受 渡し , 代 金 の 支 払 いを す ま す も の で あ る。 わが 国 で も, 誰 に 売 る か , 楽し くな い 買 物 傾 向を 示 す 主 婦 客 へ の ダ イナ ミ ッ クな 対 応を ぱ か る べ き 時 に 来 て い る こ と を 痛 感 す る 。 注D 幻 佐橋慶「奥さんから 外さ んへ」:消費と流通,Vol.5,No.3. 東京都北区「商店街商圏調査報告書」(昭和57 年) この調査は3 年 間隔 で実施され るもので,筆者 のグル ープに より行なわれてい る。 本稿 の資料はそ の一部であ る。 3) 磐田市・磐田商工会議所( 静岡県)「 消費実 態調査」 この調査は既に10 年来, 毎年実施し てい るもので,lOO 世帯 のモニターが毎年6 ∼7 月,1 ヵ月にわたり家 計簿を記 入, 品 目別に 購入場所を 店名 まで記録すると ころに特徴があ る。 筆者の指導に よる。 本稿 の資料は,そ の調査時に併せて調査 した ものであ る。4 ) ロスアン ゼル スのスーパ―・マー ケットALPHABETA の例である。 この他に もSafeway ,A&P. な どこのBINGO を とり入れてい るものが多い。