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数値シミュレーションによる実証機石炭ガス化炉のガス化特性予測

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Academic year: 2021

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主要な研究成果

背 景

250MW 級 IGCC 実証機計画では、その実施主体である(株)クリーンコールパワー研究所により建設が進め られており、平成 19 年度より実証試験が開始される予定である。実証機計画の成功に向け、実証試験におけ る供試炭のガス化炉特性の予測・評価を通じ運転段階での支援を行うことが重要である。

目 的

数値シミュレーション技術を中心とする炭種適合性評価手法(図 1)* 1 * 2 を用いて、性能表示炭* 3 使用時に おける実証機ガス化炉特性への運転条件の影響を予測する。

主な成果

当研究所が開発した炭種適合性評価手法により、性能表示炭に対しベース空気比* 4 ± 4%の範囲で実証機石 炭ガス化炉の解析を行い、以下の結果を得た。 1.流動状態および粒子挙動 本研究の空気比範囲では、200t/日パイロットプラント石炭ガス化炉内とほぼ相似な旋回流が形成され、 ガス流動状態は良好なことがわかった(図 2)。しかし、高空気比条件では、高温状態の粒子がリダクタへ 流入しており、スロート部から後流の炉壁面への灰粒子付着に注意を要することがわかった(図 3)。 2.主要なガス化性能 空気比がベース条件から 4%低下すると、生成ガス発熱量は約 4%上昇し、冷ガス効率* 5 は約 2%向上する (図 4)。しかし一方で、生成チャー量は約 37%増加する可能性があり(図 5)、チャー回収系容量を超えない 空気比を決定する必要がある。 3.溶融スラグ排出性 コンバスタ底面のスラグ層厚さは、空気比が 4%低下すると約 13%厚くなるものの、溶融スラグ排出に対 する不安定化要因のスラグ溜まりにおけるオーバフロー* 6 は観察されなかった。一方、空気比が 4%上昇す るとスラグ層暑さは約 17%薄くなるものの、熱遮蔽効果のあるスラグ層が極端に薄くはならないことがわ かった。(図 6)。 4.溶融スラグ飛散性* 7 高空気比条件ほどスロート部壁面近傍のガス流速が上昇するため、液滴飛散限界* 8 に近づくものの、ベー ス空気比± 4%の空気比範囲では溶融スラグ飛散の可能性は低いことがわかった(図 7)。

今後の展開

適用炭種拡大に向けた候補炭のガス化炉特性を予測するとともに、実証試験データによるガス化炉特性の評 価を行う。 主担当者 エネルギー技術研究所 燃料改質工学領域 主任研究員 渡邊 裕章 関連報告書 「商用規模石炭ガス化炉のガス化特性・炭種適合性評価技術の確立」電力中央研究所報告: M06401(2007 年 4 月) 96

数値シミュレーションによる実証機石炭ガス化炉の

ガス化特性予測

* 1 :ガス化炉内現象数値解析ツール(電力中央研究所報告: W99015) * 2 :溶融スラグ流動伝熱解析ツール(電力中央研究所報告: W03021) * 3 :性能表示炭:プラント性能を算出するための炭種 * 4 :空気比:ガス化炉に投入された空気流量を石炭の理論燃焼空気流量で除した値で、ガス化炉の運転指標 * 5 :冷ガス効率:生成したガス熱量をガス化炉に投入された石炭の化学熱量で除した値で、ガス化炉の効率指標 * 6 :湯口以外からの溶融スラグ流出現象で、スラグ排出不安定化要因の一つ * 7 :溶融スラグ飛散現象評価手法(電力中央研究所報告: W09031) * 8 :液滴飛散限界(限界ウェーバー数)を超えると、溶融スラグの飛散現象が発生する可能性が高くなる。

(2)

6.化石燃料発電/環境・革新技術

97 図2 実証炉の垂直断面流速ベクトル(色は軸流速) 図3 実証炉内の粒子軌跡(色は粒子温度) 図4 生成ガス発熱量と冷ガス効率の比較 図5 炉内炭素転換率と生成チャー量の比較 図6 生成ガス発熱量と冷ガス効率の比較 図7 炉内炭素転換率と生成チャー量の比較 図1 数値シミュレーション技術を中心とする炭種適合性評価のフロー ガ ス 化 反応 特性 ガス 化反 応 特 性 基礎実 験 基礎 実験 運 転条件 範囲 の 検 討 石炭 A 性状 分 析 値 灰粘 度 分 析 炭 種適合 性評価 石炭 C 石炭 石炭 B ガス化 炉 内 現象 ガス 化炉 内 現 象 数値解 析 ツ ール 数値 解析 ツ ー ル ガ ス化炉 性能 ガス化 炉 性 能 簡 易解析 プロ グ ラ ム 簡易 解析 プ ロ グ ラ ム 溶融 スラ グ 伝 熱 流 動 溶融 スラ グ伝熱 流 動 数 値解析 ツー ル 数値解 析 ツ ー ル 熱 分 解 反 応特性 ガス 化反応 特性 ガス 化 性 能 ガス 化炉内 現象 スラ グ 排 出 特 性 従来 の炭 種適合 性 評価 項目 + 石炭の燃料比、発熱量、 および灰融点など従来の 炭種評価に加え、数値シ ミュレーションによる詳 細な炉内現象予測によっ て、より確度の高い炭種 評価が可能となる。 200t/日炉 実証炉 1700t/日炉 実証炉 1700t/日炉 -4% ベース空気比 +4% -4% ベース空気比 +4% ← 200t/日 炉 とほぼ相似の 旋回流が形成されて お り、ガス流動状態は 良 好。 → 高 空 気比条件で高温の 粒子がコンバスタ外 に 達するため、 灰粒子付着 現象に注意を要する。 低空気比化により生成ガス発 熱量と冷ガス効率が向上するが、一方で生成チャー量が増大するの で、チャー回収系容量により運転空気比を決定する必要がある。 本研究の空気比範囲では溶融スラグのオーバフローと飛散現象が発生する可能性は低い。

参照

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