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緑地の熱環境改善効果を考慮した建築のプロポーションと建蔽率

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Academic year: 2021

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ごニー¢ニ∴■7 2003年日本オペレーションズ。リサーチ学会 春季研究発表会 緑地の熱環境改善効果を考慮した建築のプロポーションと建蔽率 筑波大学大出芳武00DEⅥ)Sh血ke O2103銅0 筑波大学窪田順次KU協OTAJu再i O1205430 筑波大学○鈴木勉 SUZUⅦ取utomu 1.はじめに 都市内には事務所.住宅,工場など様々な建築物 がある.これら建築物には建設襲,生活環境,運営 維持の効率性などの観点から,適切な容積,表面磯, 建築面積が存在すると考えられる.例えば奥平川は. 建築規模が大きくなるほど「表面械/容頼」の比は 小さくなり,外壁に要する建築費が小さくなること や,建築物の熱貫流量を最小にする建築物のプロポ ーションを示した.ここに.熱貫流農とは温度差に よって単位時間に流れた熱量をいい,単位面積あた りの熱貫流農を熱貫流率という.近年では地球混囁 化問顆に加え.ヒートアイランド現象による都市部 の気温上昇が問題となっており.これらに対する一 つの答えとして超高層建築物と緑地によって構成さ れたコンパクトシティ論が議論されている.しかし. その貿否については専門家の間でも意見が分かれて いる. 本研究では,緑地と建築物の熱貫流畠の違いに着 目し.敷地内の熱風流量を最小化する建蔽率を求め, 最適な建築物のプロポーションについて論じる. 2,熟斑流應を盛小にする建築のプロポーション 奥平rl】は熱貫流塵を最小にする建築物のプロポ ーションを導いている.これに従えば,面積パ(m2) の正方形の建築面積を持つ容積㌢の直方体建築物 (高さは竹パ)の熱貫流量9(W)は,建築物壁面の熱 貫流率は各壁面。屋上とも同じで仇(W/m2)である とし,大気と接しない底面を除いて考えると,

9=U紳

(l) と表せる.㌢は所与とすれば,熟寛流亀を最小にす る建築面積月○は∂e/朗=0を解いて 〟○=(2㌢)招 (2) となる.このときのプロポーションを建築物の断面 辺長と高さの比で表すと,辺長:高さ=2:1である.も し底面も壁面と同じ熱貫流率を仮定するならば,こ の比は】:lとなり,立方体の建築物が最適というこ とになるが,底面を除くとより高さの低い建築物が よいということになる. 3.非建蔽地としての緑地の邸入と巌適延髄率 奥平【1】は.建築物のみの熱貫流農を対象としたが, 本稿では建築面積以外の敷地.すなわち非建敵地も 含めた敷地全体の熱貫流農を考え,それを最小化す る建築物のプロポーションを求めよう. 園1面頼月の敷地における建蔽率∫の建築物 面嶺山の敷地に体槻㌢の直方体の建築物を建設す ることを想定し.敷地のうち建物面槻となっている 部分の割合.すなわち建蔽率を∬(0≦∬≦1)とする. そして.非建敵地パ(l−ズ)を全て緑地として利用する ものと仮定する(図1).建築物壁面の熟贋流率を

仇(W/m2).緑地の熱貫流率を祐(W/ml)とすると,

この敷地内の全熱貫流彙eは. e=ぴ∫(小)+垢畔ズ) (3) と表される.れ〟は所与とすれば,クの最小値を与 える建蔽率∫○は.定義域で極小を持つならば ∂9/む=0を解いて %

∬。=‡〔豊〕

(4) と求められる.以下.∬○を最適建蔽率と呼ぷ.この とき,建築物の辺長と高さの比は2:(1一町乙ち)となる. 4.最適建蔽率の計雰例 野島【2】によれば,ある建物の屋上スラブ面の熱貫 流魔の最大値はほぼ500W/m2と計測され,またカン ツバキが密に繁った地表面でのそれは約33W/mユと 計測されたという.そこで,坊戸500(W/mユ),こん=30 (W/m2)とすると,最適建蔽率∫○は式(4)より ∫。た1・65 (5) と求められる. 東京都【3】の調査結果を基に,都心乱区軌多摩 都市部(市街化区域。市街化調整区域)の平均敷地 面積.平均建物容積(平均階数に3.5mを東じて求め た)から計算した最適建蔽率と実際の平均建蔽率と の比較を表1に示す.また.各地域での建蔽率∫と 熱環流窺eの関係は図2,図3のようになる. 一月76− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

モデルによる最適建蔽率は都心部では100%とな

るが,建蔽率の大小はそれほど全熟貫流動こ影響し

ない∴−・方,多摩都市部では最適建蔽率が明確に存

在し,現実の建蔽率とよく適合している∴区部では

熱流局を減らすために敷地一杯に建築物を建てる必

要があるが,十分な敷地を確保できる郊外では(全

て緑地とは限らないが)非建蔽地が熱貫流量増加を

防ぐ一定の役割を持っているといえる.

式(5)から敷地面積ノに容員ルの建築物を建てる

ときの最適建蔽率★●を求めた結果を図4に示す.一

定の敷地両横に建物を建てる場合,それ以上になる と敷地一杯に建てざるを得ないようなある容積まで は最適建蔽率が存在することがわかる.最適建蔽率

を満たす時の建物高さムは,式(4)とr=」∫●力より

ん莞0.604r=

0≦r≦0.47」J/ヱ

(6)

となり.最適建蔽率が100%になるまでは建物高さ力

は建物容積rのみによって決まる(図5).容積r

一定の建築物を建てるときの敷地面積」の変化に対

する最適建蔽率∫●の変化を図6に示す.同じ容積の

建物でも敷地面積が広くなるほど非建蔽地を設ける 意義が大きくなる.因みに屋上緑化を行った場合は, n」の如何に係らず最適建蔽率は100%となる. 5.まとめ 本研究では,敷地内の緑地と建築物壁面の熱貫流 最の違いに着目し.それらの和を最小にする建築物 のプロポーションと建蔽率を求めた.さらに.この 最適建蔽率で.東京都内の建蔽率の現状をある程度 説明できることを示した. なお,本稿は筑波大学社会工学類開設科目である 「自由演習」での筆者の成果をまとめたものである. 貴重なコメントを頂いた関係者に謝意を表します. 参考文献 ‖奥平桝追(1976)郡市工学読本一都市を解析する,彰 国社,9−19. 【2】野島轟照(1998)都市における植生からの蒸散による 夏期の混然環境改善力に関する研究. 【3】東京都:東京の土地利用平成8年東京都区部,平成9 年多摩・島瞬地域. 熱貫流蜃e(W/m2) 熱貫流旦e(W/mり 200∞00 1500000 100∝)00 SOOOOO 400000 3000α) 200000 100000 建蔽率∫ 建蔽率∫ 0.2 0.4 0.6 0.8 1 図2 都心部・区部の建蔽率に対する熱貫流貞 0.20.4 0.60.8 1 図3 多摩都市部(市街化区域・市街化調整区域)の 建蔽率に対する熱貫流星 最適建蔽率∫● 建物高さ∧(m) 最適建蔽率∫● 1∝)0 2∝旧 3000 4∝のS000 6(X氾 7(X)0 200 400 6∞ 800 1(X旧 さん 図6敷地面別に対する最適建蔽率∫● 図4建物容塁レに対する最適建蔽率∫● 図5 最適建蔽率を満たす時の 建物容積γに対する建物高 表1東京都内の建蔽率と最適建蔽率∫● (出典:【3】) 平均敷地面積(mZ) 平均建物容積(mり 建蔽率(%) 最適建蔽率∫●(%) 東京都区部 区部全域 209.3 796.0 47.2 67.7 都心部 453.4 5593.0 66.5 114.9 多摩都市部 郡市部全域 Z89.6 676.0 35.1 43.9 市街化区域 280.】 672.イ 36.1 45.3 市街化調整区域 466.0 550.3 Z4.1 Z3.8 −177− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

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