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行動・心理症状を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践の実態明確化および自己評価尺度の開発

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Academic year: 2021

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(1)公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2018年度(前期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 行動・心理症状を有する認知症高齢者を対象とした 訪問看護実践の実態明確化および自己評価尺度の開発. 申請者:古野貴臣. 1). 共同研究者:宮﨑明子. 2). 藤野成美. 1). 藤本裕二. 1). 鎌田ゆき. 3). 所属機関:1)佐賀大学医学部看護学科 2)株式会社ルーツ 3)佐賀大学大学院 提出年月日:2019 年 10 月 5 日. 訪問看護ステーションバルーン.

(2) I.研究の背景 わが国では,高齢化を背景に 2012 年には 462 万人であった認知症高齢者が 2025 年 には 700 万人を超えると予測されている(二宮・清原・小原,2014)。そこで,厚生労働 省は地域包括ケアシステムの構築や新オレンジプランの策定など,地域で生活する認知症 高齢者の更なる増加を想定した施策をすすめている。WHO においても,認知症は公衆衛 生上の優先課題として位置づけ,Global action plan on the public health response to dementia を打ち出した(2017)。 認知症は進行性の症状を認め,記憶障害や見当識障害といった中核症状と,幻覚・妄 想・興奮・攻撃性・徘徊・意欲低下・睡眠障害など様々な症状を呈する行動・心理症状 (BPSD:Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)がある(日本神経学 会,2017;日本老年精神医学会,2013)。BPSD は,国際老年医学会のシンポジウムにお いて,認知症患者に頻繁にみられる知覚,思考内容,気分,行動の障害の症候(Finkel et al,1996)と定義された。この BPSD が認知症高齢者の地域生活を妨げるとして問題視 されている。例えば,老人保健福祉施設において徘徊や興奮を有する認知症高齢者は転倒 のリスクが高まること(Sato. S, et al, 2018)や,BPSD と日常生活機能の障害が関連し ていると報告されている(Hinton, Tomaszewski, Wegelin, 2008)。また,家族の介護負 担・抑うつ・苦痛などと関連し,介護継続を困難にすることなどが指摘されている (Hallikainen, Tarja, &Välimäki, 2018; 梶原ら, 2012)。つまり,認知症高齢者が在宅 療養を続けていくために BPSD への対応は重要な課題である。 認知症高齢者の長期在宅療養を可能にする条件のひとつとして,訪問看護を積極的に 活用することが有効であることが示唆されている(宮原・山下・塚原,2011)。さらに, 訪問看護は高齢者の機能維持や改善に有効である(Liebel, Powers, Friedman, &Watson, 2012)ことや,訪問看護の積極的な利用は,要介護度の高い高齢者の在宅療養生活継続 を可能にするという報告がある(Oyama, et al, 2013)。つまり,認知症高齢者が在宅で 療養を続けていくうえで訪問看護師が担う役割は大きい。訪問看護師は BPSD・生活状 況・家族の介護負担など,幅広い観点から看護を提供することで,認知症高齢者が在宅で 療養できるよう支援していると考える。しかし,訪問看護は介護保険法や診療報酬制度に 則って提供されるため,直接訪問できる時間が限られており,対応が困難とされる BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護を適切かつ効果的に実践することは容易ではない と思われる。そこで,BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関する先 行研究に関して文献レビューを行ったが,このような看護実践を包括的に記述している研 究は見当たらなかった。以上のことから,本研究において認知症看護に関する先行研究を もとに看護実践を可視化し,客観的な評価を可能とする「BPSD を有する認知症高齢者を 対象とした訪問看護実践評価尺度」の開発に着手した。 1.

(3) 本尺度を開発することで,BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護実践の構成概 念が明らかになるとともに,自己評価に伴う看護実践の質向上に貢献できると考えてい る。ひいては,BPSD 軽減・介護負担軽減など BPSD を有しながら在宅療養を行う認知 症高齢者および家族の QOL 向上に寄与できると期待する。. 本研究の理論枠組み Benner(2001)はインタビュー調査をもとに看護実践を,i)援助関係,ii)手ほどき の機能,iii)診断機能とモニタリング機能,iv)急変時の効果的な対応,v)治療処置の 実際と観察,vi)ケア実践の質をモニターし保証する,vii)組織化と役割遂行能力,の 7 領域に分類した。尺度開発においてはこの枠組みを用いた。認知症看護には,Admiral Nurse Competency Framework など,様々な枠組みが存在する。Benner は看護実践に おいて倫理観やケアリングを重視しており,Admiral Nurse Competency Framework を はじめ,認知症ケアにおいてもこれらの概念が重視されている。よって,本尺度の開発に あたり Benner の看護実践に関する理論が適用可能であると判断した。. II.研究目的 BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関する実態を質問紙調査によ って明らかにする。また,その看護実践を自己評価できる尺度を開発し,妥当性および信 頼性の検証を行う。. III.研究方法 1.尺度原案の作成 1)訪問看護師に対するインタビュー調査 訪問看護師 12 名に対し,半構成的面接を実施した。調査内容は,BPSD を有する認知 症高齢者に対して行っている訪問看護実践についてであった。 2)尺度の項目作成 録音したインタビューデータの逐語録を作成し,BPSD を有する認知症高齢者に対する 訪問看護実践に関する記述を抽出した。認知症看護に関する文献からも記述を抽出し, 147 の記述をプールした。在宅看護・老年看護・精神看護の研究者および認知症高齢者に 訪問看護を提供している看護師を交えたエキスパートパネルを行った。そして,i) Benner の看護実践の枠組みで説明が可能,ii)訪問看護師が実践可能,iii)エキスパート パネル参加者が訪問看護実践において重要であると考える,以上の 3 点を項目の適格要 件とした。その結果,BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関して 33 の質問項目を作成した。各質問項目は,5 段階のリッカートスケールとし,「5 点:非 2.

(4) 常に当てはまる」「4:少し当てはまる」「3:どちらともいえない」「2:あまり当てはま らない」「1:まったく当てはまらない」で点数化を行った。 3)表面妥当性の検証 尺度原案作成時にインタビュー調査を行なった訪問看護師は除外し、新たな訪問看護師 23 名を対象とし,尺度原案を用いた質問紙調査を行った。対象者には尺度の項目に関し て意味内容にわかりにくい点,質問項目以外に実践している訪問看護について尋ねた。そ の結果をもとに改めてエキスパートパネルを設け,3 項目を削除し,新たに 1 項目を追加 した。追加した 1 項目に関しては,表面妥当性の検証に参加した対象者に意味内容が理 解できるかを確認し,31 の質問項目により尺度開発に向けた本調査を行うこととした。. 2.全国調査による尺度開発および妥当性・信頼性の検証 1)対象者 日本全国における訪問看護事業協会に登録されている 5705 施設(平成 30 年 5 月 9 日 時点)の訪問看護事業所から,無作為抽出した 1500 事業所で勤務する看護師を対象とし た。 2)データ収集方法 データ収集は,対象施設の研究承諾の取得後,対象者へ調査用紙を配布し回収する方 法の 2 段階で実施した。 まず,無作為に抽出した訪問看護事業所に,調査依頼文書及び施設協力承諾書を送付 した。BPSD を有する認知症高齢者に対して訪問看護を提供している,かつ,研究参加に 同意する場合には同意書を返送してもらった。同意書返送の際,調査に協力が可能な訪問 看護師の人数をあわせて回答してもらった。 次に,施設協力承諾書の返送があった訪問看護事業所に対し,研究協力施設に調査可 能な訪問看護師の人数分の研究説明文書および調査用紙を送付した。調査用紙は無記名自 記式質問紙を用い,データ回収は,回答後に各自で投函する郵送法を用いた。 3)調査内容 対象者の背景として,性別・年齢・看護師経験年数・訪問看護経験年数について設問し た。尺度原案の 31 項目に加え,「看護の専門職的自律性測定尺度(5 段階リッカート, 57 項目)」(菊池,原田, 1997),および「在宅における看護実践自己評価尺度(5 段階リ ッカート,30 項目)」(三浦,舟島,鈴木, 2005)を用いた。 看護の専門職的自律性測定尺度は,下位概念として「認知能力」「実践能力」「具体的 判断能力」「抽象的判断能力」「自立的判断能力」の観点から,全ての看護職を対象として 看護実践能力を包括的に評価できる。訪問看護師は,単独での訪問における判断や実践が 求められ,看護職の自律性が特に求められると考え,外的基準として用いることとした。 3.

(5) また,在宅における看護実践自己評価尺度は,下位概念として「クライエント・家族 との関係性を維持し,発展させる行動」「知識・技術を提供し,他職種と協力して問題解 決・回避をする行動」「家族構成員間の関係性を維持し,強化する行動」「クライエント・ 家族のプライバシーを養護し,プライバシーへの過剰侵入を回避する行動」「問題を明確 化し,クライエント・家族と問題を共有する行動」の観点から,訪問看護師や保健師など 在宅看護に携わっている看護職を対象として,在宅における看護実践を自己評価できる尺 度である。点数が高いほど,より看護実践を行っていると評価する。 本研究では,在宅看護を行っている訪問看護師の看護実践を評価する尺度であること から,2 つの尺度を基準関連妥当性の検証を行う尺度として選定した。これらの既存尺度 は信頼性および妥当性が確認されている。なお,本研究は,尺度の作成者から許諾を得て 実施している。 4)分析方法 (1)有効回答の選定 BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関する 31 の質問項目に欠損 がないものを有効回答とした。 (2)分析方法 i)項目分析 尺度の原案に関して,記述統計量を算出した。天井効果(平均+標準偏差>5)もしく は床効果(平均-標準偏差<1)を認める項目,Mann-Whitney の U 検定を用いた GoodPoor 分析(以下 G-P 分析)で 31 項目の合計得点上位 25%群と下位 25%群で差がない項 目,Spearman の順位相関係数による項目間相関および Item-Total 分析(以下 I-T 相 関)の係数が 0.4 未満の項目を因子分析の除外基準とした。 ii)妥当性・信頼性の検証 i)において採択された項目に関し,最尤法・プロマックス回転を用いた探索的因子分 析を行った。因子数は,カイザーガットマン基準を基に,固有値が1以上を基準とした。 因子負荷量 0.4 未満もしくは複数の因子にまたがって 0.3 以上を示す項目を除外し,構成 された因子に命名した。標本妥当性の確認のため,KMO が 0.8 以上を指標の判定基準と した。また,共分散構造分析による確認的因子分析により,モデル適合度の算出を行っ た。 基準関連妥当性の確認のため,本尺度の各因子および合計の得点に関し,看護職の専 門職的自律性評価尺度および在宅における看護実践自己評価尺度の合計得点との相関を Spearman の相関係数によって算出した。 解析には,SPSS Statics 24,IBM SPSS Amos 24 を用いた。なお,全ての分析におい て有意水準は 5%未満とした。 4.

(6) IV.倫理的配慮 本研究は筆頭著者の所属する倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:2872)。研究説明文書には,研究目的,研究方法,研究参加は自由意思に基づくこと,研究 不参加および中止によって不利益を被ることはないこと,個人情報の保護について明記し た。インタビュー調査および施設の承諾に関しては文書によって,質問紙調査に関しては 回答をもって同意を得た。. V.結果 1.回収数と分析対象者数 1500 施設のうち,144(承諾率:9.6%)の訪問看護事業所から協力の同意が得られ た。計 618 名の訪問看護師が協力可能であるとの回答を得て,調査用紙を配布した。そ のうち,427 名(回収率:69.1%)の訪問看護師から回答を得て,411 名を分析対象(有 効回答率:96.3%)とした。. 2.対象者の背景(表 1) 性別は,女性 396 名(96.6%),男性 14 名(3.4%),未回答 1 名(0.2%)であった。 年齢は 40 歳代が 172 名(41.8%)で最も多かった。看護師経験年数は平均 21.1 年(標 準偏差 9.2)で,訪問看護経験年数は平均 7.3 年(標準偏差 6.3)であった。 表1. 対象者の背景 n=411. 人数(%) 性別. 年齢. 女性. 396(96.6). 男性. 14(3.4). 未回答. 1(0.2). 20代. 17(4.1). 30代. 78(19.0). 40代. 172(41.8). 50代以上. 143(34.8). 未回答. 平均年数(±標準偏差). 1(0.2). 看護師経験年数. 21.1±9.2. 訪問看護経験年数. 7.3±6.3. ※100%になっていない項目があるのは小数点2桁目を四捨五入しているため. 3.項目分析(表 2) 天井効果および床効果を認めた項目はなく,G-P 分析の結果全ての項目で有意差を認 めた。項目間相関および I-T 相関の相関係数が 0.4 未満の項目が 5 つあったため除外し, 26 項目を因子分析の変数として採択した。 5.

(7) 表2. BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護実践 31 項目の分析結果 n=411 平均点 標準偏差. No. 1. 私は,認知症高齢者の話をゆっくり聞く時間を設けている. I-T相関. G-P分析. 相関係数 有意確率. 3.9. 0.7. .523*. .000. 4.1. 0.6. .571*. .000. 4.2. 0.6. .490*. .000. 4.0. 0.7. .484*. .000. 3.2. 0.9. .423*. .000. 3.6. 1.0. .533*. .000. 3.9. 0.8. .616*. .000. 3.9. 0.8. .568*. .000. 28. 1.1. .474*. .000. 3.5. 1.0. .519*. .000. 4.2. 0.7. .592*. .000. 3.9. 0.7. .579*. .000. 3.6. 0.9. .373*. .000. 3.4. 1.0. .301*. .000. 3.5. 0.9. .435*. .000. 3.8. 0.7. .536*. .000. 4.3. 0.6. .569*. .000. 4.2. 0.6. .551*. .000. 3.9. 0.7. .689*. .000. 3.7. 0.7. .569*. .000. 3.9. 0.7. .600*. .000. 2.9. 1.0. .570*. .000. 4.1. 0.7. .555*. .000. 3.6. 0.8. .518*. .000. 3.9. 0.7. .571*. .000. 26. 私は,家族がBPSDの対応に困ったときの連絡体制を整えている. 3.5. 0.9. .556*. .000. 27. 私は,家族に対して BPSDの対応方法について助言している. 3.6. 0.8. .624*. .000. 3.6. 0.8. .583*. .000. 3.8. 0.8. .577*. .000. 2.9. 1.0. .463*. .000. 4.0. 0.8. .627*. .000. 私は,認知症高齢者が表出できていない訴えやニーズがないか見極めるために,表情や言動の 2.. 些細な変化を見逃さないようにしている. 3. 私は,妄想などで認知症高齢者の言動につじつまがあわなくても,本人の訴えを尊重している 私は,認知症高齢者が興奮や混乱を認める場合には,症状が落ち着くタイミングを見計らって 4.. 介入している 私は,認知症高齢者が妄想などの症状にとらわれすぎないように,現実に引き戻すような言葉. 5.. がけを行っている. 6. 私は,認知症高齢者と趣味や散歩などを一緒に行い,気分転換を図っている 私は,認知症高齢者の生活リズムが整うように,軽い運動・買い物・趣味など日中に活動する 7.. ことを提案している. 8. 私は,認知症高齢者が安心できるよう,意識的にタッチングを行っている 私は,認知症高齢者に対してアロマセラピーやハンドマッサージなど,リラクゼーションを 9.. 行っている 私は,認知症高齢者が生活している場所において張り紙や目印などを活用し,本人が生活する. 10. うえで困らないように環境を整えている 私は,料理・洗濯・掃除など,認知症高齢者が役割を果たそうと頑張っていることをねぎらう. 11.. ようにしている 私は,不規則な生活や午睡など,認知症高齢者の睡眠の質を低下させる要因がないか見極めて. 12.. いる 私は,認知症高齢者の身だしなみが整っていなかったり,部屋が散らかったりしていても,認. 13.. 知症の症状であると捉えている 私は,認知症高齢者の食生活や服薬管理などの健康管理が不十分であっても,健康状態の悪化. 14.. がなければ見守るようにしている 私は,認知症高齢者が物盗られ妄想や被害妄想などを訴えている場合には,盗られたものを探. 15.. すなど,本人と一緒に事実を確認している 私は,認知症高齢者が不安を訴えている場合には話を傾聴し,安心できるまでそばに付き添っ. 16.. ている 私は,認知症高齢者のバイタルサインなどの客観的な情報を活用し,身体の不調を見逃さない. 17.. ようにしている 私は,疼痛,便秘による腹満感など,認知症高齢者の身体症状による不快感が軽減できるよう. 18.. に医師と連携している 私は,認知症高齢者のBPSDが出現している状況を振り返り,症状が悪化する要因がないか見. 19.. 極めている 私は,認知症高齢者に感じた表情や言動の変化や違和感を,BPSDが悪化する兆候であると捉. 20.. えている 私は,認知症高齢者の徘徊や介護拒否などの理由について,本人の立場に立って考えるように. 21.. している 私は,認知症高齢者に対し,BPSDの改善に効果がある運動療法や園芸療法などの非薬物療法. 22.. を取り入れている. 23. 私は,認知症高齢者や家族がケアの方向性で混乱しないように,多職種で情報共有している 私は,BPSDへの対応に困った際には,問題解決に向けて他の職種とのカンファレンスを設け 24.. ている 私は,家族に対し,認知症高齢者を介護するうえで感じている不安や悩みを表出できる機会を. 25.. 設けている. 私は,家族のBPSDに伴う介護負担を軽減できるように,必要なサービスの見直しを行ってい 28.. る 私は,認知症高齢者が社会とのつながりを維持できるように,デイサービスや地域の自助グ. 29.. ループなどへの参加などを促している. 30. 私は,認知症高齢者や家族に,認知症カフェなど地域での交流会参加を提案している 私は,認知症高齢者が認知症を発症する前の性格や生活パターンなどについて,家族から情報 31.. を収集している. I-T相関:Spearmanの順位相関係数 G-P分析:Mann–Whitney p*<0.01 項目間の相関係数が全て0.4未満であった項目 網掛け I-T相関の相関係数が0.4未満であった項目. 6. 太字.

(8) 点数が最も高い項目は「私は,認知症高齢者のバイタルサインなどの客観的な情報を 活用し,身体の不調を見逃さないようにしている」で,次いで「私は,妄想などで認知症 高齢者の言動につじつまがあわなくても,本人の訴えを尊重している」「私は,疼痛,便 秘による腹満感など,認知症高齢者の身体症状による不快感が軽減できるように医師と連 携している」「私は,料理・洗濯・掃除など,認知症高齢者が役割を果たそうと頑張って いることをねぎらうようにしている」の 3 項目の点数が高かった。一方,点数が最も低 い項目は「私は,認知症高齢者に対してアロマセラピーやハンドマッサージなど,リラク ゼーションを行っている」であり,次いで「私は,認知症高齢者に対し,BPSD の改善に 効果がある運動療法や園芸療法などの非薬物療法を取り入れている」「私は,認知症高齢 者や家族に,認知症カフェなど地域での交流会参加を提案している」の 2 項目の点数が 低かった。 4.BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護実践 26 項目に関する因子分析の結果 カイザーガットマン基準をもとに因子数を 4 とした探索的因子分析を行った(最尤 法,プロマックス回転)。因子負荷量 0.4 未満,もしくは複数の因子で 0.3 以上を示す項 目を除外し,再度因子分析を行った結果,4 項目が除外された 4 因子 22 項目からなる尺 度となった。KMO の標本妥当性は 0.919 であった(p<0.01)。 結果を表 3 で示す。各 因子の解釈は以下の通りである。なお,因子名は【】で示す。 第 1 因子は,BPSD のアセスメントや BPSD の関連要因である健康状態(Steinberg, et al, 2006)に対する実践であることから,【BPSD の関連要因のアセスメントと対応】 と命名した。 第 2 因子は,家族の介護負担軽減に向けたサービスの見直しや,BPSD の対応に困っ たときの連絡体制の調整,介護をする上での不安や悩みを表出する機会を設けるなどの実 践であることから,【家族の介護負担軽減に向けた介入】と命名した。 第 3 因子は,認知症高齢者に対するリラクゼーション,気分転換,タッチングなど非 薬物的なアプローチに関する実践であることから,【非薬物的アプローチ】と命名した。 第 4 因子は,認知症高齢者の話をゆっくり聞き,表情や言動の変化を見逃さずに,訴 えを尊重していた実践であることから,【意向を理解しようとする姿勢】と命名した。 共分散構造分析による確認的因子分析を行ったところ,適合度として GFI=0.901, AGFI=0.877,CFI=0.913,RMSEA=0.059 のモデルが示された(図 1)。 尺度全体の平均点は 84.0 点(標準偏差 10.0)で,各因子の平均点は 16.2~32.2 点 (標準偏差 2.0~3.9)であった。作成した尺度全体に関しては,Shapiro-Wilk の正規性 検定の結果,正規分布していることが示された(表 4)。 また,尺度の各因子および合計得点に関して,看護職の自律性自己評価尺度および在 宅における看護実践自己評価尺度の各合計点数との Spearman の順位相関係数を求めた 7.

(9) ところ,r=0.356~0.634 の間で有意な相関を認めた(表 5)尺度全体及び各下位因子の クロンバックα係数は 0.729~0.909 であった(表 3)。. 表3. 因子分析の結果および信頼性係数 n=411 第1因子. 第2因子. 第3因子. 第4因子. 共通性. .800. -.034. -.081. .007. .443. .757. .049. .100. -.071. .484. .749. .055. -.096. -.050. .346. 20. 私は,認知症高齢者に感じた表情や言動の変化や違和感を,BPSDが悪化する兆候であると捉えている. .586. .081. -.001. .022. .402. 23. 私は,認知症高齢者や家族がケアの方向性で混乱しないように,多職種で情報共有している. .549. .146. -.055. -.003. .449. 12. 私は,不規則な生活や午睡など,認知症高齢者の睡眠の質を低下させる要因がないか見極めている. .506. -.092. .142. .136. .392. .458. -.116. .221. .081. .351. .415. .080. -.068. .291. .435. 28. 私は,家族のBPSDに伴う介護負担を軽減できるように,必要なサービスの見直しを行っている. -.029. .813. -.043. -.001. .345. 27. 私は,家族に対して BPSDの対応方法について助言している. .005. .790. .046. -.013. .402. 26. 私は,家族がBPSDの対応に困ったときの連絡体制を整えている. .006. .648. .062. -.049. .555. 25. 私は,家族に対し,認知症高齢者を介護するうえで感じている不安や悩みを表出できる機会を設けている. .075. .501. -.046. .192. .504. の参加などを促している 第3因子【非薬物的アプローチ】 Cronbach's α=.765. .169. .475. .097. -.071. .636. 9. 私は,認知症高齢者に対してアロマセラピーやハンドマッサージなど,リラクゼーションを行っている. -.055. .058. .725. -.152. .432. .093. -.013. .687. -.063. .448. -.114. -.028. .644. .161. .485. .193. -.001. .474. .047. .393. -.068. .118. .465. .156. .428. -.150. -.005. .143. .678. .435. る 私は,認知症高齢者が表出できていない訴えやニーズがないか見極めるために,表情や言動の些細な変化. .099. .010. -.109. .611. .657. を見逃さないようにしている. .135. .038. -.038. .595. .598. .072. -.058. .017. .556. .380. 第1因子【BPSD悪化要因のアセスメントと対応】 Cronbach's α=.860 17.. 私は,認知症高齢者のバイタルサインなどの客観的な情報を活用し,身体の不調を見逃さないようにして いる. 19. 私は,認知症高齢者のBPSDが出現している状況を振り返り,症状が悪化する要因がないか見極めている 18.. 11.. 私は,疼痛,便秘による腹満感など,認知症高齢者の身体症状による不快感が軽減できるように医師と連 携している. 私は,料理・洗濯・掃除など,認知症高齢者が役割を果たそうと頑張っていることをねぎらうようにして いる. 21. 私は,認知症高齢者の徘徊や介護拒否などの理由について,本人の立場に立って考えるようにしている 第2因子【家族の介護負担軽減に向けた介入】 Cronbach's α=.820. 29.. 22.. 私は,認知症高齢者が社会とのつながりを維持できるように,デイサービスや地域の自助グループなどへ. 私は,認知症高齢者に対し,BPSDの改善に効果がある運動療法や園芸療法などの非薬物療法を取り入れ ている. 6. 私は,認知症高齢者と趣味や散歩などを一緒に行い,気分転換を図っている 7.. 私は,認知症高齢者の生活リズムが整うように,軽い運動・買い物・趣味など日中に活動することを提案 している. 8. 私は,認知症高齢者が安心できるよう,意識的にタッチングを行っている 第4因子【意向を理解しようとする姿勢】 Cronbach's α=.729 1. 私は,認知症高齢者の話をゆっくり聞く時間を設けている 4. 2.. 私は,認知症高齢者が興奮や混乱を認める場合には,症状が落ち着くタイミングを見計らって介入してい. 3. 私は,妄想などで認知症高齢者の言動につじつまがあわなくても,本人の訴えを尊重している 尺度全体のCronbach's α. .904. KMO値. .919. 因子間相関 第1因子 第2因子 第3因子. .672. .508. .684. .483. .504 .539 最尤法,プロマックス回転. 8.

(10) GFI=0.901 AGFI=0.877 CFI=0.913 RMSEA=0.059. 図1. 表4. 共分散構造分析による確認的因子分析. 尺度の各因子および全体の記述統計量・正規性の検定 n=411 平均点. 標準偏差. p*. 第1因子【BPSD関連要因のアセスメントと対応】. 32.2. 3.9. p<0.01. 第2因子【家族の介護負担軽減に向けた介入】. 18.6. 3.2. p<0.01. 第3因子【非薬物的アプローチ】. 17.0. 3.5. p<0.01. 第4因子【意向を理解しようとする姿勢】. 16.2. 2.0. p<0.01. 尺度全体. 84.0. 10.0. p=0.06. Shapiro-Wilkの正規性検定. 表5. 基準関連妥当性の検証 看護職の専門職的. 在宅看護の質. 自律性評価尺度. 自己評価尺度. (n=399). (n=405). 第1因子【BPSD関連要因のアセスメントと対応】. .610*. .568*. 第2因子【家族の介護負担軽減に向けた介入】. .539*. .537*. 第3因子【非薬物的アプローチ】. .383*. .356*. 第4因子【意向を理解しようとする姿勢】. .496*. .501*. 尺度全体. .634*. .610*. Spearmanの順位相関係数 p*<0.01. 9.

(11) VI.考察 1.対象者の特性 日本看護協会が全国の訪問看護師を対象として実施した訪問看護実態調査(2014)に よると,訪問看護師の年代として 40~49 歳が 43.8%と最も多く,看護師平均経験年数は 22.3 年,訪問看護師の平均経験年数は 9.1 年であった。本研究における対象者も同様に 40~49 歳が最も多く,看護師の平均経験年数は 21.1 年,訪問看護師の平均経験年数は 7.3 年と,全国平均と比して大きな差はない集団であった。 以上のことから,本研究で示された対象者は目標母集団に近い集団であると判断する。. 2.記述統計量に基づく BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践の傾向 BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関して,「私は,認知症高齢 者のバイタルサインなどの客観的な情報を活用し,身体の不調を見逃さないようにしてい る」の点数が最も高かった。これは,健康管理や生命機能維持に重要な訪問看護実践であ り,看護実践において優先度が高い。人は生命機能維持に関連する生理的欲求や安全の欲 求を優先的に満たそうとする傾向があり(マズロー,1987)看護実践においてはこの理 論にもとづき優先度を決定する。また,健康状態に関しては BPSD と関連している (Steinberg, et al, 2006)ことから,これらの項目は認知症高齢者 BPSD 悪化を防ぐう えでも重要な訪問看護実践である。 一方,点数が低い項目に関しては,「私は,認知症高齢者に対してアロマセラピーやハ ンドマッサージなど,リラクゼーションを行っている」であった。BPSD の改善には,ア ロマセラピーをはじめ,運動療法・音楽療法など様々な非薬物療法が存在し,その有効性 が確認されている(Fung, Tsang, &Chung, 2012; Legere, McNeill, Schindel, Martin, Acorn, &An, 2018)。訪問看護師が認知症高齢者の生活に非薬物療法を取り入れることが できれば,BPSD 改善に貢献できると考える。しかしながら,この項目の点数が低いこと から,訪問看護師による非薬物療法の実践は,BPSD を有する認知症高齢者を対象とした 訪問看護に求められる今後の課題であると考える。今後は,訪問看護師による非薬物療法 実践の普及・啓発が求められる。. 3.BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践自己評価尺度の妥当性と信頼 性検証 1)構成概念妥当性 探索的因子分析を行った結果,KMO の標本妥当性が 0.919 を示したことから,サンプ ルサイズとして適切であることが示された。また,確認的因子分析により,GFI>0.9, RMSEA=0.059 など,モデルの適合度を算出した結果,許容できる数値を示した 。よっ 10.

(12) て,探索的因子分析で示された 4 因子構造の結果が支持されたと考える。以上のことか ら,本尺度の構成概念妥当性が検証されたと判断する。 2)基準関連妥当性 行動・心理症状を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践能力自己評価尺度の 合計得点と下位因子は全て,外的基準である看護職の専門職的自律性評価尺度および在宅 における看護実践自己評価尺度との有意な相関を認めた。第 3 因子の相関係数が他の因 子に比べて低い傾向にあったが,r=0.35 を上回っており,許容できると判断する。よ って,本尺度の基準関連妥当性が確認できたと判断する。 3)信頼性 行動・心理症状を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践自己評価尺度の合計 得点と 4 因子は全て,クロンバックα係数が 0.7 を上回っており,内的整合性が確認でき たと考える。よって,本尺度の信頼性が確認できたと判断する。 以上の結果から,本尺度は BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践を 自己評価できる尺度として,妥当性および信頼性が検証されたと判断する。. 4.行動・心理症状を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践を構成する概念 本尺度を構成する 4 因子として,【BPSD 関連要因のアセスメントと対応】【家族の介 護負担軽減に向けた介入】【非薬物的アプローチ】【意向を理解しようとする姿勢】が抽出 された。先行研究にもとづき,本研究で明らかになった概念の裏付けを行う。 日本の訪問看護師を対象とした調査では,一人暮らしをしている認知症高齢者の身体 的,精神的症状の安定化を図る訪問看護師の働きかけとして,「日頃の関わりで養われる 観察眼で,この人特有に現れる病状変化の兆候を見抜く」ことや,「必要な医療を確実に 整備して,慢性疾患の悪化を予防,改善し,この人なりの体調を維持する」を行っている ことが明らかになっている(松下, 2016)。また,BPSD は健康状態や疼痛などの不快感 と関連している(Steinberg, et al, 2006; Pelletier, &Landreville, 2007; Husebo, Ballard, Sandvik, Nilsen, &Aarsland, 2011)。第 1 因子【BPSD 関連要因のアセスメン トと対応】において,訪問看護師は BPSD の悪化要因を見極めや,身体の不調に対する アセスメントや対応を行っており,これらの先行研究に支持される内容が示された。この 結果は,訪問看護師は認知症高齢者の身体状況を BPSD の関連要因として捉えて,訪問 看護実践を行っていることを示している。 冒頭でも述べたように,BPSD と家族の介護負担との関連を明らかにし,介護負担によ って介護継続を困難と指摘する研究は多く見受け(Hallikainen, Tarja, &Välimäki, 2018; 梶原ら, 2012),家族介護者に介入することで,負担を軽減して療養者の施設入所 を遅らせることができる(Brodaty, Green, &Koschera, 2003)。また,一人暮らしの認知 11.

(13) 症高齢者に訪問看護を導入することで,家族介護者は安心感を得ることやストレスの軽減 を経験したことが明らかになっている(Kitamura, Tanimoto, Oe, Kitamura, &Hino, 2018)。第 2 因子【家族の介護負担軽減に向けた介入】において,訪問看護師は家族の介 護負担軽減に向けたサービスの見直しや,BPSD の対応に関する助言等を行っており,こ れらの先行研究に支持される内容が示された。家族の介護負担を軽減することができれ ば,認知症高齢者に対する介護の継続に貢献すると考える。 BPSD に対する非薬物療法における症状改善の有効性が確認され,様々な研究が行われ ている(Fung, Tsang, &Chung, 2012; Legere, McNeill, Schindel, Martin, Acorn, &An, 2018)。本研究では,運動療法や園芸療法に加え,アロマセラピーやハンドマッサージに よるリラクゼーション,散歩などで気分転換を図ることなどが同一の構成概念として説明 された。これは,訪問看護師がリラクゼーションや気分転換を BPSD の非薬物療法と捉 えている可能性を示唆している。よって,第 3 因子【非薬物的アプローチ】は,BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践の構成概念であることが示された。非薬 物療法により BPSD を改善することができれば,BPSD に伴う認知症高齢者の苦痛軽 減,家族の介護負担軽減など,地域生活の定着に貢献できると考える。 認知症高齢者に対しては,その人の個性や意思を尊重するパーソン・センタードケア が重視される(Brooker,2003)。しかし,認知症高齢者は,認知機能障害といった中核 症状だけではなく,妄想や無気力など BPSD の影響で意思表出が困難になることは容易 に推察できる.日本看護倫理学会の「医療や看護を受ける高齢者の尊厳を守るためのガイ ドライン(2015)」において,認知症高齢者の意思や体験している苦痛・不快を言葉や発 声だけでなく表情,動作,緊張などの多側面の情報で判断することが求められている。第 4 因子【意向を理解しようとする姿勢】においても,認知症高齢者の表情や言動の些細な 変化を見逃さない,言動につじつまが合わなくても訴えを尊重するといった,ガイドライ ンと同様の内容であることが示された。つまり,第 4 因子は認知症高齢者の尊厳を守る 上で重要な構成概念である。 以上のことから,BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践自己評価尺度 の 4 つの因子は,先行研究に裏付けられた内容になっており,構成概念妥当性の結果を 支持していると判断する。 5.尺度の意義と活用方法 本尺度の開発により,BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護実践を客観的に自 己評価し,その結果に基づいて自身の課題を明確にし,改善することが可能になった意義 を持つと考える。また,自身の看護実践の振り返りだけではなく,訪問看護師を対象とし た教育プログラムの評価指標としても活用でき,地域で生活する認知症高齢者への看護の 質向上に貢献できると考える。また,本尺度の構成概念は先行研究に裏付けられているこ 12.

(14) とから,根拠に基づく看護実践の指標としても活用できると考える。. 6.研究の限界 本研究で自己評価が可能となった訪問看護実践の対象者に関し,認知症のタイプ,発 症年齢,介護者など,認知症とその家族や介護者の特性を限定していない。本研究を基盤 とした対象者毎の特徴を考慮した実践モデルの開発が求められる。 また,本尺度の精度を高めるために,再テスト法による調査を行う,BPSD を有する認 知症高齢者を対象とした訪問看護実践に関連する要因を明らかにすることなど,さらなる 検証が必要であると考える。本尺度は自己評価尺度であるため,本研究を基盤として,第 3 者が評価できる尺度の開発を行うことで,より精度の高い訪問看護実践の評価が行える と考える。. VII.結論 本研究において,【BPSD 関連要因のアセスメントと対応】【家族の介護負担軽減に向け た介入】【非薬物的アプローチ】【意向を理解しようとする姿勢】の 4 因子 22 項目で構成 された「BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践自己評価尺度 」の妥当性 および信頼性が検証され,開発に成功した。 本尺度は,BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問看護実践における根拠にもとづい た指標として活用できる。本研究を基盤とし,BPSD を有する認知症高齢者に対する訪問 看護師のベストプラクティスモデルの開発も可能になることが期待できる。. 謝辞 本研究の内容にご理解・ご協力いただいた訪問看護師の皆様へ感謝申し上げます。本 研究は公益財団法人在宅医療助成勇美記念財団の研究助成を受け実施した。. VIII.文献 A.H.マズロー(1987).〔改訂新版〕人間性の心理学. モチベーションとパーソナリティ. (小口忠彦訳)産業能率大学出版部. Benner, P. (2001). From novice to expert. Excellence and power in clinical nursing practice, commemorative edition. New Jersey: Prentice Hall. Brodaty, H., Green, A., & Koschera, A. (2003). Meta-analysis of psychosocial interventions for caregivers of people with dementia. Journal of the American Geriatrics Society, 51(5), 657–664. Brooker, D. (2003). What is person-centred care in dementia? Reviews in Clinical 13.

(15) Gerontology, 13(3), 215–222. Finkel, SI., Costa, e, Silva, J., Cohen, G., Miller, S., Sartorius, N. (1996). Behavioral and psychological signs and symptoms of dementia: a consensus statement on current knowledge and implications for research and treatment. International psychogeriatrics, 8(3), 497―500. Dementia UK, Admiral nurse competency framework. [Cited June 12, 2019]. Retried from https://www.dementiauk.org/for-professionals/admiral-nurse-competencyframework/ Fung, J., Tsang, H., & Chung R. (2012). A systematic review of the use of aromatherapy in treatment of behavioral problems in dementia. Ge riatrics Gerontology International, 12(3), 372–382. Hallikainen, I., Koivisto, A.M., & Välimäki, T. (2018). The influence of the individual neuropsychiatric symptoms of people with Alzheimer disease on family caregiver distress—A longitudinal ALSOVA study. International Journal of Geriatric Psychiatry, 33(9), 1207–1212. Hinton, L., Tomaszewski, F.S., & Wegelin, J. (2008). Neuropsychiatric symptoms are associated with disability in cognitively impaired Latino elderly with and without dementia: Results from the Sacramento Area Latino Study on Aging. International Journal of Geriatric Psychiatry, 23(1), 102–108. Husebo, B., Ballard, C., Sandvik, R., Nilsen, O., & Aarsland, D. (2011). Efficacy of treating pain to reduce behavioural disturbances in residents of n ursing homes with dementia: Cluster randomised clinical trial. BMJ, 343, d4065. 梶原弘平,辰己俊見,山本洋子(2012).認知症高齢者を在宅介護する介護者の介護負担 感に影響する要因,老年精神医学雑誌,23(2),221-226. 菊池昭江,原田唯司(1996).看護の専門職的自律性の測定に関する一研究,静岡大学教 育学部研究報告(人文・社会科学篇),47,241-254. Kitamura, T., Tanimoto, C., Oe, S., Kitamura, M., & Hino S. (2018). Familial caregivers’ experiences with home-visit nursing for persons with dementia who live alone. Psychogeriatrics, 19(1), 3–9. 厚生労働省(2015).新オレンジプラン,[Cited May 27, 2019] Retrieved from https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/nop12_3.pdf Legere, LE., McNeill, S., Schindel, Martin L., Acorn, M., An, D. (2018). Nonpharmacological approaches for behavioural and psychological symptoms of 14.

(16) dementia in older adults: A systematic review of reviews. Journal of Clinical Nursing, 27(7-8), e1360-e1376. Liebel, D., Powers, B., Friedman, B., & Watson N. (2012). Barriers and facilitators to optimize function and prevent disability worsening: A content analysis of a nurse home visit intervention. Journal of Advanced Nursing, 68(1), 80–93. 松下由美子(2016).一人暮らし認知症高齢者の身体的,精神的症状の安定化を図る訪問 看護師の働きかけ,大阪府立大学看護学雑誌,22(1),35-44,2016. 三浦弘恵,舟島なをみ,鈴木恵子(2005).在宅における看護実践自己評価尺度の開発, 千葉看護学会会誌,11(1),31-37. 宮原伸二,山下幸恵,塚原貴子(2011).認知症高齢者の長期在宅療養を可能にする条 件,日本農村医学会雑誌,60(4),507-515. 日本訪問看護財団,訪問看護とは,公益財団法人日本訪問看護財団ホームページ,[Cited May 27, 2019] Retrieved from https://www.jvnf.or.jp/homon/_1_4.html 日本訪問看護事業協会,正会員リスト(訪問看護ステーション),[Cited May 27, 2019] Retrieved from https://www.zenhokan.or.jp/business_society/member_list/ 日本看護倫理学会,医療・看護を受ける高齢者の尊厳を守るためのガイドライン,[Cited May 27, 2019] Retrieved from http://jnea.net/pdf/guideline_songen_2015.pdf 日本老年精神医学会(2013).第 2 版認知症の行動と心理症状 BPSD,アルタ出版. 日本神経学会(2017).認知症疾患診療ガイドライン,医学書院. 二宮利治,清原裕,小原知之,米本孝二(2014).日本における認知症の高齢者人口の将 来推計に関する研究,厚生労働科学研究成果データベース,[Cited May 27, 2019] Retrieved from https://mhlwgrants.niph.go.jp/niph/search/NIDD00.do?resrchNum=201405037A Oyama, Y., Tamiya, N., Kashiwagi, M., Sato, M., Ohwaki, K., & Yano, E. (2013). Factors that allow elderly individuals to stay at home with their f amilies using the Japanese long-term care insurance system. Geriatrics & Gerontology International, 13(3), 764–773. Pelletier, I., & Landreville, P. (2007). Discomfort and agitation in older adults with dementia. BMC Geriatrics, 7, 27. Sato, S., Kakamu, T., Hayakawa, T., Kumagai, T., Hidaka, T., Masuishi, Y., … Fukushima, T. (2018). Predicting falls from behavioral and psychological symptoms of dementia in older people residing in facilities. Geriatrics & Gerontology International, 18(1), 1573–1577. Steinberg, M., Corcoran, C., Tschanz, J.T., Huber, C., Welsh-Bohmer, K., Norton, 15.

(17) M.C., Zandi, P., Breitner, J.C., Steffens, D.C., Lyketsos, C.G. (2006). Risk factors for neuropsychiatric symptoms in dementia: the Cache County Study. International Journal of Geriatric Psychiatry, 21(9), 824-830. World Health Organization. (2017). Draft global action plan on the public health response to dementia. [Cited May 27, 2019] Retrieved from http://apps.who.int/gb/ebwha/pdf_files/WHA70/A70_28-en.pdf?ua=1. 16.

(18) 資料. 17.

(19) BPSD を有する認知症高齢者を対象とした訪問看護実践自己評価尺度 第1因子【BPSD関連要因のアセスメントと対応】 1.. 私は,認知症高齢者のバイタルサインなどの客観的な情報を活用し,身体の不調を見逃さないようにしている. 2.. 私は,認知症高齢者のBPSDが出現している状況を振り返り,症状が悪化する要因がないか見極めている. 3.. 私は,疼痛,便秘による腹満感など,認知症高齢者の身体症状による不快感が軽減できるように医師と連携している. 4.. 私は,認知症高齢者に感じた表情や言動の変化や違和感を,BPSDが悪化する兆候であると捉えている. 5.. 私は,認知症高齢者や家族がケアの方向性で混乱しないように,多職種で情報共有している. 6.. 私は,不規則な生活や午睡など,認知症高齢者の睡眠の質を低下させる要因がないか見極めている. 7.. 私は,料理・洗濯・掃除など,認知症高齢者が役割を果たそうと頑張っていることをねぎらうようにしている. 8.. 私は,認知症高齢者の徘徊や介護拒否などの理由について,本人の立場に立って考えるようにしている. 第2因子【家族の介護負担軽減に向けた介入】 9.. 私は,家族のBPSDに伴う介護負担を軽減できるように,必要なサービスの見直しを行っている. 10.. 私は,家族に対して BPSDの対応方法について助言している. 11.. 私は,家族がBPSDの対応に困ったときの連絡体制を整えている. 12.. 私は,家族に対し,認知症高齢者を介護するうえで感じている不安や悩みを表出できる機会を設けている. 13.. 私は,認知症高齢者が社会とのつながりを維持できるように,デイサービスや地域の自助グループなどへの参加などを促している. 第3因子【非薬物的アプローチ】 14.. 私は,認知症高齢者に対してアロマセラピーやハンドマッサージなど,リラクゼーションを行っている. 15.. 私は,認知症高齢者に対し,BPSDの改善に効果がある運動療法や園芸療法などの非薬物療法を取り入れている. 16.. 私は,認知症高齢者と趣味や散歩などを一緒に行い,気分転換を図っている. 17.. 私は,認知症高齢者の生活リズムが整うように,軽い運動・買い物・趣味など日中に活動することを提案している. 18.. 私は,認知症高齢者が安心できるよう,意識的にタッチングを行っている. 第4因子【意向を理解しようとする姿勢】 19.. 私は,認知症高齢者の話をゆっくり聞く時間を設けている. 20.. 私は,認知症高齢者が興奮や混乱を認める場合には,症状が落ち着くタイミングを見計らって介入している. 21.. 私は,認知症高齢者が表出できていない訴えやニーズがないか見極めるために,表情や言動の些細な変化を見逃さないようにしている. 22.. 私は,妄想などで認知症高齢者の言動につじつまがあわなくても,本人の訴えを尊重している. 5段階リッカート尺度 5:非常にあてはまる 4:少しあてはまる 3:どちらともいえない 4:あまりあてはまらない 1:まったくあてはまらない. 18.

(20)

参照

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