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モータ制御系の技術者のスキルにもとづく自動ゲイン調整の研究

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Academic year: 2021

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Title

モータ制御系の技術者のスキルにもとづく自動ゲイン調整

の研究( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

李, 耕

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第220号

Issue Date

2004-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/1941

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏 名(本籍) 学 位 の 種 類 学位授与番号 学位授与日付 専 攻 学位論文題目 李 耕(中国) 博 士(工学) 甲第 220 号 平成16 年 3 月 25 日 生産開発システム工学専攻 モータ制御系の技術者のスキルにもとづく自動ゲイン調整の研究

(Automatic Gain Tuning Based on Expert Skillfor Motor ControI

Systems) 学位論文審査委員 (主査)教 授 川 崎 晴 久 (副査)教 授 武 藤 高 義 教 授 佐々木 実

論文内容の要旨

工作機械やロボットなどのアクチュエータには,制御特性が優れ取り扱いが容易なサー ボモータがよく使われている.サーボモータの制御方法は,大別すると線形制御と非線形

制御に分けられる.線形制御の代表としてPID制御は歴史が古く,現在採用されている制

御方式の約8割を占めている.PID制御ゲインは,負荷が変化したり,制御のサンプリン グ周期が変化するときに,再調整が必要である.従来の調整方法は,制御技術者の経験に 基づき,適切な応答波形が得られるように制御ゲインを試行錯誤的に求めている.試行錯 誤は,系の動作の特徴を捉え,経験的知識やノウハウにより調整しているため,熟練した 制御技術者の存在が不可欠であるが,その人材の確保は困難なものとなっている.また, 起動,停止を高頻度に繰り返す位置決め系では,モータの許容最大入力やモータ発熱量を 考慮して,負荷条件に応じたゲインの自動調整が望まれている. 非線形制御の代表に適応制御がある.ロボットは遠心力,コリオリカ,重力などの影響 を受ける非線形ダイナミックスを有する.このような系の制御法として与デルペースト適 応制御が研究されている.連続時間系のモデルペースト適応制御は,その安定理論がリア プノフ安定諭に基づき解明されている.しかし,離散時間系のモデルペースト適応制御は, その安定性理論が示されていない.そのためサンプリング周期に関連づけて制御ゲインを 決めることが容易ではない.適応制御のゲイン調整は非常に時間と労を要し,計算機制御 の場合は,制御ゲインの大きさはサンプリング周期に依存することが経験的に分かってい

る.一方,サシプリシグ周期は,制御システムの計算量と共に変化し,さらにはCPUの

計算能力やA/D変換時間,D/A変換時間の処理能力にも関わる.これらの諸性能は,シス テム開発時に変更が生じることが多い.このため,サンプリング周期に応じて適応制御の

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ゲインを自動調整することが望まれている・このような背景下に,本研究では・モータ制 御系の技術者のスキルに基づく自動ゲイン調整をめざし,モータ制御系PIDのゲイン自動 調整,離散時間系のロボット適応制御のゲイン自動調整の検討を行った・ (1)PIDゲイン自動調整 まず,剛体系と二慣性負荷系における現場に適用するOne-time同定信号を提案した・そ の同定信号により,数秒間で剛体系や二慣性負荷系の離散時間系の伝達関数を得ることが 可能となった.剛体系の場合は,閉ループ系の極を,複素平面の原点′から左半平面側に遠 ざける程高い追従特性を得るが,実際の調整ではセンサノイズ・計算機制御による離散化 の影響,系の高周波域での振動モードの影響等により制限を受ける・この制限は,個々の サーボ系に大きく依存するため経験ある制御技術者のノウハウの基になっている・そこで, 制御技術者の経験を生かし,かつ現場サイドでの自動調整を行うため・1)負荷条件が既 知の基本剛体系のゲイン調整を制御技術者が行い,2)負荷条件が変化したときの剛体系 のゲイン調整はモータの2乗平均トルクを一定とするように・機械的時定数の平方根に比 例した動作時間と,その逆数に比例した極配置とすることとした・二慣性負荷系の場合は, 同定されたモデルを連続時間系へ逆変換し,状態方程式を実現し,オブザーバを構成する・ 次に剛体系と同様に新しいPIDゲインと制御時間を決め・最後に負荷側の状態量のフィー ドバックにより,PID制御で作る零点をほぼキャンセルするようにした・これにより,共 振点での励振を抑えることができるとなった・提案するゲイン調整法の有効性を確認する

ため,剛体系と二慣性負荷系のインデックステーブルを構成し,シミュレーションと実験

を行った.その結果は,剛体負荷系と振動負荷系のいずれにおいても,サーボ制御系は目 標軌道に対して良好な応答特性となり,モータの最大入力電圧は負荷の大小に関わらずほ ぼ一定であった.また,モータの二乗平均トルクは負荷の大小に関わらずほぼ⊥定になっ

た.実験とシミュレーションにより提案するゲイン自動調整法の有効性を確認した・

(2)離散時間系ロボット適応制御のゲイン自動調整 連続時間系ロボットマニピュレータのリアプノフの安定理論を解析し,それを基づいて, 離散時間系のゲインとサンプリング周期の関係を導き・その関係から最適なフィーードバッ クゲインをサンプリング周期に反比例させ,適応ゲインをサンプリング周期の二乗に反比 例させるゲイン調整法を捷案した・ゲインの調整則は二つのステップから構成される・Step lは,基本とするサンプリング周期ときの基準ゲイン行列を制御技術者が試行錯誤的な調

整により決める.Step2は,サンサリング周期が変化するときに・サンプリング周期に比

例したフィードバックゲインとそのサンプリング周期の二乗に比例した適鱒ゲイン計算

とすることとした.提案した離散時間系のゲイン自動調整に対し・遠心力項とコリオリ項 を無視できる1自由度ロボットと一般な3自由度ロボットニつのケースで・シミュレーシ ョンと実験で検証した.結果は,1自由度ロボットと3自由度ロボットのいずれにおいて

も,サンプリング周期の大きな変動に対し目標軌草に対して良好な応答特性を得ることを

示し,提案するゲイン自動調整法の有効性を確認した・

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-53-論文審査結果の要旨

工作機械やロボットなどのアクチュエータには,制御特性が優れ取り扱いが容易なサー ボモータがよく使われている.サーボモータの制御方法としてPID制御は歴史が古く,現 在採用されている制御方式の約8割を占めている.PID制御ゲインは,負荷や制御のサン プリング周期が変化するときに再調整が必要である.従来の調整方法は,制御技術者の経 験に基づき,適切な応答波形が得られるように制御ゲインを十分な時間をかけて試行錯誤 的に求めている.このため,負荷の変動時に制御ゲインが自動調整されることが望まれる. 「方,ロボットの制御ではその非線形ダイナミック女を補償するためにモデルペースト適 応制御が研究されている.適応制御のゲイン調整は非常に時間と労を要し,サンプリング 周期に敏感である.一方,サンプリング周期は,制御システムの計算量と共に変化し,さ らにはCPUの計算能力やA/D変換時間,D/A変換時間の処理能力にも関わる.これらの 諸性能は,システム開発時に変更が生じることが多い.このため,サンプリング周期に応 じて適応制御のゲインを自動調整することが望まれている. 本研究は,以上に述べた背景下に,モータ制御系の技術者のスキルに基づく自動ゲイン 調整をめざし,モータ制御系PIDのゲイン自動調整及び離散時間系ロボット適応制御のゲ イン自動調整の研究を行ったものである. (1)PIDゲイン自動調整 閉ループ系の極は,複素平面の原点から左半平面側に遠ざける程高い追従特性を得るが, 実際の調整ではセンサノイズ,計算機制御による離散化の影響,系の高周波域での振動モ

ードの影響等により制限を受ける.この制限は,個々のサーボ系に大きく依存するため経

験ある制御技術者のノウハウの基になっている.そこで,制御技術者の経験を生かし,か つ現場サイドでの自動調整を行うため,1)負荷条件が既知の基本剛体系のゲイン調整を 制御技術者が行い,2)負荷条件が変化したときの剛体系のゲイン調整はモータの2乗平 均トルクを一定とするように,機械的時定数の平方根に比例した動作時間と,その逆数に 比例した極配置とすることとしている.二慣性負荷系の場合は,同定されたモデルからオ ブザーバを構成し,剛体系と同様に新しいPIDゲインと動作時間を決め,次に負荷側の状

態量のフィードバックにより,PID制御で作る零点をほぼキャンセルして共振点での励振

を抑えるようにしている.提案するゲイン調整法の有効性を確認するため,剛体系と二慣 性負荷系によるシミュレーションと実験を行っている.その結果は,剛体負荷系と二慣性 負荷系のいずれにおいても,サーボ制御系は目標軌道に対して良好な応答であり,モータ の二乗平均トルクは負荷の大′J、に関わらずほぼ一定になることを示し,実験とシミュレー ションにより提案するゲイン自動調整法の有効性を確認している.

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(2)離散時間系ロボット適応制御のゲイン自動調整 連続時間系ロボットマニピュレータのリアプノフの安定理論を解析し,それを基づいて, 離散時間系のゲインとサンプリング周期の関係を導き,その関係から最適なフィードバッ クゲインをサンプリング周期に反比例させ,・適応ゲインをサンプリング周期の二乗に反比 例させるゲイン調整法を提案している.ゲインの調整則は二つのステップから構成される.

ス≠ップ1は,基未とするサンプリング周期ときの基準ゲイン行列を制御技術者が試行錯

誤的な繭整により決める.ステップ2は,サンプリング周期が変化するときに,サンプリ

ング周期に比例したフィードバックゲインとそのサンプリング周期の二乗に比例した適 応ゲイン計算とすることとしている.提案した離散時間系のゲイン自動調整に対し,遠心 力項とコリオリ項を無衝できる1自由度ロボットと一般な3自由度ロボットニつのケース で,シミュレーションと実験で検証している.結果は,1自由度ロボットと3自由度ロボ ットのいずれにおいても,サンプリング周期の大きな変動に対し目標軌道に対して良好な 応答を示し,提案するゲイン自動調整法の有効性を確認している.

最終試験結果の要旨

・論文の内容は,これまで国際会議で2件講演発表を行い,学術論文誌に2件掲載されて いる.博士後期課程学生としての必要な単位も修得し,公聴会での質問事項にも適切な回 答をしており,学位論文ゐ授与に催するものである.

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