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業務リファレンスモデルの構築

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Academic year: 2021

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業務リファレンスモデルの構築

石井 洋 篠崎 衛 武曽 徹 相馬 仁志 三菱電機株式会社

1. はじめに

顧客の業務プロセスの分析,あるいは改善され た業務プロセスの検討の際に参照するリファレ ンスモデルが、分析の高品質化および作業の効 率化に重要であると言われている[1]。分析者は リファレンスモデルを参照することで、各業務 プロセスの名称、範囲、フロー、構造などを新 たに自分で定義する必要がなくなるだけでなく、 分析作業において業務プロセスの抜けや漏れの 可能性を発見することが可能となる。

2. 課題と解決の手段

一般にリファレンスモデルの開発には、過去に 実施した業務プロセスの分析や改善などの事例 から、顧客の属性(業種/業態)別に業務プロ セスを集積することで作成する。しかし、必要 十分な数の業務プロセスを一企業が集積するの は困難であり、参照に十分耐え得るリファレン スモデルをどのように構築するかが課題となっ ていた。 この課題を解決するため、過去事例に含まれな い業務プロセスを補完する目的で業務プロセス を類推するための手法(以降、「類推手法」と 記述する)を考案し、この類推手法を用いてリ ファレンスモデルを開発する。類推手法により、 過去事例には含まれていない業務プロセスを補 完し、業務プロセスの分析や改善の作業効率化 を実現する。

3. 類推手法の説明

類推手法の手順を(1),(2)に記述する。 (1)過去事例をリファレンスモデルの枠組み で整理する ①リファレンスモデルを作成する対象となる業 種/業態を決定する。 ②作成対象の規模を考慮し、おおよその枠組み (例.概要と詳細の2階層モデルなど)を定義 する。 ③上位のプロセスフロー図を作成するために、 業種/業態の調査(対象は各社ソリューション、 標準化団体、過去事例など)によって業種/業 態の特徴が出るように業務プロセスを定義し、 更に業務プロセス間のフローを定義する。 ④上位の業務プロセス毎に過去の事例を整理し、 必要に応じて下位の詳細な業務プロセスを再定 義し、フローを定義する。 (2)新たな業務プロセスを類推する ①上位のプロセスフローで定義した業務プロセ ス毎に下位のプロセスフローに着眼し、いくつ かの事例間で異なる業務プロセスあるいはフロ ーを見いだす。 ② ①で見いだした相違点の原因を考察する。こ の「相違点の原因」を、本書では業務プロセス を類推するための「観点」と呼ぶ。 ③ あ る 業 務 プ ロ セ ス に 着 眼 し て 抽 出 し た 「 観 点」を、別の業務プロセスに当てはめ、新たな 業務プロセスあるいはフローを類推する。 図 1 提案するリファレンスモデル開発手順 業種/業態の決定 枠組み・構造の決定 上位の業務プロセスの定義 過去事例の整理/蓄積 相違点を抽出 観点の分析 業務プロセスフローの類推 リファレンスモデルの開発手順 類推手法の手順

4. 適用と評価

4.1 リファレンスモデルの作成 今回、物流業を対象にリファレンスモデルの開 A DESIGN OF BUSINESS PROCESS REFERENCE

MODEL

ISHII Hiroshi, SHINOZAKI Mamoru, MUSO Tohru, SOHMA Hitoshi MITSUBISHI ELECTRIC Corp.

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5A-2

(2)

発に類推手法を適用し評価を実施した。 デルの枠組み 、輸送 せて輸送を行うことを特徴として は「サービス 手 段 」 務 を実施する契約 を受け付ける 比 なら 把握 ビス ロセスフローの類推 4.2 実業務への適用と評価 作成した物流業のリファレンスモデルを用いて、 事 た。 レベルで全10業 推手法を用いることによって スモデルの開発における業務プロセ フローの充実化の方法として類推手法を提案 推手法を用いることで、リファレ 能性がある。そこで他の業種/業態

ecture Program Management fice ( http://www.feapmo.gov (1)過去事例をリファレンスモ で整理する 物流業では、様々なリソース(輸送機器 設備、荷物、作業実施者など)を取り扱い、効 率よく稼動さ いる。特徴を考慮し、計画プロセス 及び 割当 てプロセスを上位の業務プロセスに含めて業務 プロセスフロー図を作成した。また、上位の業 務プロセス単位で過去事例を整理し、下位の業 務プロセスフロー図を作成した。 (2)新たな業務プロセスを類推する (1)で作成したリファレンスモデルを分析した結 果、業務プロセスを類推する観点 要 求 の 発 生 タ イ ミ ン グ 」 「 荷 物 の 輸 送 「荷物の積合せ(混載)」の3点であった。 これらの観点を抽出した業務プロセスとは異な る業務プロセスに観点を当てはめることで、下 位の業務プロセスフローのレベルで新たな業 プロセスフローを類推した。事例自体の下位の 業務プロセスフローの数は11であり、観点を 当てはめることによって新たに20の業務プロ セスフローを類推することができた。 業務プロセスフローを類推する具体例を紹介す る。過去事例から、受付プロセスの2つの業務 プロセスフローを比較した。 ① 荷主から荷物の輸送要求が発生した時点で 輸送要求を受け付ける ② 荷主と定期的に荷物の輸送 を結び、輸送量や輸送日などの変更が生じ た時だけ事前に変更要求 較の結果、①の場合はサービス要求が直前に ないと把握できないが、②の場合は事前に できる。よって、類推の観点を「サー 要求のタイミング」と設定した。この観点を用 いて計画プロセスを考えた場合、「サービスの 要求から実施までの時間が長い」場合は、サー ビス要求に対するサービス実施計画を立案する 業務プロセスフローを、「サービスの要求が実 施の直前に発生する」場合は、サービス要求が どの程度発生するかを予測し、サービス実施計 画を立案する業務プロセスフローを類推できる。 また、同じ観点で割当てプロセスを考えた場合 は、「サービスの要求から実施までの時間が長 い」場合は1日1回程度の頻度で作業の指示を 実施する業務プロセスフローを、「サービスの 要求が実施の直前に発生する」の場合はサービ ス要求が発生するたびにサービス実施者の状況 を把握し、適切なサービス実施者を選んで作業 を指示する業務プロセスフローを類推できる。 図2 観点による業務プ 例と異なる顧客に対して業務分析を実施し 下位の業務プロセスフローの 務中6業務が類推した業務プロセスフローから 引用することがで、3業務は過去事例から引用、 1業務は引用できずに新規に業務プロセスフロ ーを作成した。 この結果から、類推手法を用いない場合は新規 に7業務の業務プロセスフローを作成しなけれ ばならないが、類 新規に業務プロセスフローを作成したものは1 業務で済み、類推手法が有用であることが確認 できた。

5. まとめ

リファレン ス した。この類 ンスモデルの開発における「一企業が必要十分 な 数 の 業 務 プ ロ セ ス を 集 積 す る の は 困 難 で あ る」という課題の一解決手段になることが確認 できた。 今後の課題としては、事例間の差異が見いだせ ないような場合、類推に必要な「観点」が抽出 できない可 で抽出した「観点」の適用方法を検討していく。 また、類推手法の適用事例を増やし、有用性の 確認とノウハウの蓄積、類推手法のブラッシュ アップに取組んでいく。

参考文献

[1] Federal Enterprise Archit

Of ):連邦政府EA管理室が米 一の必要性に基づいて各種リ ルを策定し公開している。 国電子調達の際の連邦レベルの統 ファレンスモデ 類推の観点 事例の業務プロセスフロー 類推した業務プロセスフロー 類推した業務プロセスフロー

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情報処理学会第69回全国大会

参照

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