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[特集:廃棄物研究(II)]土壌を用いたヒ素含有浸出水の浄化に関する基礎研究

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Academic year: 2021

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(1)2 0 8. (!) 土壌を用いたヒ素含有浸出水の 浄化に関する基礎研究* 川 キーワード. ①ヒ素. 嵜. 生**・倉. 幹. ②最終処分場浸出水. ③土壌. 要. 田. 泰. 人**・小. 野. 雄. 策**. ④ヒ素の除去. 旨. 最終処分場浸出水中に含まれるヒ素を捕捉するための簡易土壌試験について検討した。 4種類の火山灰土壌及び沖積土壌を用いて3つの観点 (土壌散布,浸透,強制混合) から試 験を行い,ヒ素の捕捉には火山灰土壌が効果的であること,また,強制混合および浸透試 験において効果的なヒ素の捕捉が観察されたことから接触が重要な因子であることがわ かった。. 1.. はじめに. ヒ素化合物は一般に有毒であり,殺虫剤や防腐. 2.. 試料および実験方法. 2.1 供 試 土 壌. 剤等に使用されてきた。しかし,その毒性のため. 実験には5種類の土壌,関東地方火山灰土壌(a,. ヒ素の使用量は減少している。最終処分場には過. b,c),阿蘇黄土(d),関東地方沖積土壌 (e)を用. 去に使用されたヒ素化合物を含む廃棄物 (たとえ. いた。土壌は室温で数日間風乾後,適時実験に使. ば木材の防腐剤1),石膏ボード2)および電子部品3). 用した。表 1 に実験に用いた土壌の元素組成(%). 等)が埋立処分されているため,最終処分場浸出. および特性を示した。元素組成は試料を粉砕後,. 水からヒ素が検出されることがある。そのため, 何らかの要因により周辺環境に漏出する危険性は 否めない。ヒ素含有浸出水が周辺環境に漏出した 場合,行政は長期的な対応策とともに,汚染地域 の拡大を抑えるための早急な対策を講じる必要が ある。 本研究では,迅速・容易・安価かつ効果的なヒ 素含有浸出水の漏出防止対策技術および浄化技術 を開発することを目的として,土壌によるヒ素の 捕捉に関する基礎検討を行った。. * **. 表1. 供試土壌の元素組成(%) および特性. 供試土壌 Al2O3 SiO2 Fe2O3 TiO2 MgO CaO K P S 水分 (%) 熱灼減量 (%) リン酸吸収係数. a 3 2. 1 3 6. 9 1 6. 8 1. 8 2 1. 3 0 0. 9 1 0. 7 4 0. 2 5 0. 2 3 1 1. 3 1 9. 0 2 2. 7. b 3 2. 8 2 9. 7 1 8. 3 1. 9 0 1. 2 8 0. 6 6 0. 6 3 0. 1 4 0. 1 6 1 4. 7 1 6. 6 2 3. 3. c 2 5. 2 5 4. 2 1 1. 2 1. 2 0 0. 9 2 0. 2 9 1. 2 1 0. 0 6 0. 0 4 8. 5 9 7. 7 0 9. 7 9. d 1. 8 7 1 0. 8 7 4. 6 0. 1 5 0. 1 1 2. 3 6 0. 2 1 0. 2 0 1. 6 7 9. 6 6 1 6. 2 1 7. 9. e 2 0. 9 5 5. 7 8. 5 2 0. 9 5 2. 4 6 2. 0 4 1. 6 9 0. 2 1 0. 1 9 4. 5 0 1 1. 7 1 0. 7. Basic Investigation of Eliminating as from Landfill Leachate Using Soil Mikio KAWASAKI,Yasundo KURATA,Yusaku ONO(埼玉県環境科学国際センター)Center for Environmental Science in Saitama. 2 0─. 全国環境研会誌.

(2) 土壌を用いたヒ素含有浸出水の浄化に関する基礎研究. 真空下蛍光 X 線(半定量法)で測定した主要元素 の値,水分および熱灼減量はそれぞれ1 05℃およ び900℃で恒量に達するまで加熱し得られた値, リン酸吸収係数はリン酸アンモニウム液法4)によ り求めた値を示した。. 表2. 2 0 9. 簡易カラム試験結果. 供試土壌 a b c d e 浸出水 pH 7. 3 7. 1 7. 9 3. 4 6. 2 7. 7 TOC (ppm) 8 4 7 7 1 5 7 9 7 5 4 5 4 1 1 EC (S/m) 0. 4 70. 4 30. 4 80. 9 00. 5 9 0. 6 5 ヒ素捕捉率 (%) 9 2 9 3 9 3 9 3 9 1. 2.2 簡易カラム試験 (浸透). 50mL ディスポシリンジハウジングに土壌20g を加え,プランジャーで圧をかけ充填した (充填 密度:0. 9∼1. 4g/cm3)。ハウジング上部から浸出 水60mL ([As]=53ppb)を加え,自然流出(初期流 出速度:1. 0mL/min)により土壌相を通過した流. 表3. シリンダー試験結果. 土壌添加量 (g) 1 0 5 0 pH 7. 7 7. 8 TOC (ppm) 3 6 7 3 1 0 EC (S/m) 0. 6 6 0. 4 7 ヒ素捕捉率 (%) <0 5 9. 1 0 0 7. 7 3 5 4 0. 6 2 6 7. 2 0 0 0 7. 8 7. 8 2 9 5 4 0 1 0. 5 8 0. 6 7 6 2. 出水を採取,検体試料として分析に用いた。 2.3 シリンダー試験 (土壌散布). 500mL シリンダーに浸出水500mL を入れ,土 壌10∼200g をシリンダー上部から徐々に加えた (間隔は空けないが,ある程度ゆっくりと加え,攪 拌すること無しに自然沈降に任せた) 。検体試料. 表4. 振とう試験結果. 土壌添加量 (g) 8 4 0 8 0 pH 7. 6 7. 6 7. 1 TOC (ppm) 2 7 2 2 7 1 2 2 1 EC (S/m) 0. 6 5 0. 5 9 0. 5 5 ヒ素捕捉率 (%) 9 5 9 5 9 7. 1 2 0 0 7. 1 7. 9 1 9 4 2 9 9 0. 5 3 0. 6 6 9 8. はシリンダー上部から適時採取し,分析に用いた。 2.4 振とう試験 (強制混合). 500mL ポリビンに土壌8∼1 60g および浸出水. 壌を用いた場合,TOC における顕著な減少が観. 400mL ([As]=18ppb)を加え,振とう器を用いて. 察されたが,沖積土壌を用いた場合,熱灼減量が. 24時間,室温(23±2℃)で振とうした。静置後の. 火山灰土壌と比べ差が見られないにもかかわら. 上澄み液採取,さらに遠心分離およびメンブレン. ず,TOC の増加が観察された。これらの結果か. フィルター (0. 45µm)で土壌微細粒子を取り除い. ら火山灰土壌相はヒ素の捕捉とともに TOC の除. た後,検体試料として分析に用いた。. 去においても有効であることが確認された。. 2.5 カラム試験 (ヒ素流出曲線). 3.2 シリンダー試験. ガラスカラム (内径1 5mm×長さ300mm)に土壌. 表 3 に土壌 a を供試土壌として用いた場合の. 1g または1 0g を充填した(重点密度:0. 60∼0. 96. 結果を示した。浸出水容量に対し1! 10 (g/mL)の. g/cm3;土壌相の上部および下部に石英砂をそれ. 土壌を散布した場合,ヒ素の捕捉率は59%であっ. ぞれ2g と4g を詰めた)。カラム上部からヒ素添. た。浸出水容量に対する土壌添加率を増加した場. 加浸出水 (浸出水にヒ素標準溶液を添加,それぞ. 合においてもヒ素の捕捉率は7 0%以下であった。. れの濃度を10ppm または5ppm に調製した) を加. TOC の減少は簡易カラム試験におけるそれに比. え,土壌相を通過した試料水 (流出速度:0. 8mL/. べ非常に低いが,浸出水の顕著な退色 (茶色から. min)を5mL または20mL 間隔で採取,検体試料. 薄い黄色)が観察された。また,ヒ素濃度の経日. として分析に用いた。また対照実験として石英砂. 変化(3週間)は観察されなかった。これらの結果. 6gを詰めたカラムを用いて同様の検討を行った。. から,土壌散布はヒ素除去の有効な手段ではない. ヒ素の分析は工場排水試験法水素化物発生原子 吸光法(JIS K010261. 2)に従い行った。. と考えられる。 3.3 振とう試験. 供試土壌として a を用いた場合の結果を表 4 3.. 実験結果および考察. に示した。簡易カラム試験における場合と同様に. 3.1 簡易カラム試験. 効果的なヒ素の捕捉(捕捉率95%以上)が観察され. 表 2 に結果を示した。すべての供試土壌にお. た。また,捕捉率および EC は土壌添加量と相関. いて90%以上のヒ素捕捉率が得られた。火山灰土. があり,土壌へのヒ素の捕捉およびその他のイオ. Vol. 29. No. 4(2004). ─2 1.

(3) 2 1 0. 特 集 / 廃 棄 物 研 究(Ⅱ). ンの土壌への固定が示唆される。しかしながら,. 水の有機汚濁成分の除去も考慮した場合,土壌相. 簡易カラム試験の結果と異なり,TOC の顕著な. への浸透がヒ素の除去に効果的であると考えられる。. 除去は観察されなかった。ゆえに,TOC 除去は 土壌相によるろ過効果が重要な要因であり,浸出. 3.4 カラム試験. 図 1 にそれぞれの供試土壌1g を用いた場合の 流出画分中のヒ素濃度と総流出液量の関係を示し た。試験に用いたヒ素添加浸出水中のヒ素濃度が 高いためすべての土壌において初期流出画分から ヒ素が検出された。しかしながら,供試土壌によ りヒ素流出傾向に差違があることはあきらかであ り,この結果から沖積土壌よりも火山灰土壌を用 いる方がヒ素の除去に有効であることが示唆され た。 図 2 に10g の供試土壌 a を用いた場合のヒ素流 出曲線を示した。この場合においても初期流出画 分からヒ素が検出されるが,およそ4 60mL の流. 図1. 溶出画分中のヒ素濃度と総流出量との関係. 供試土壌:a,b,c,d,および e 各1. 0g 供給溶液:ヒ素標準溶液を浸出水で希釈 ( [As] =1 0ppm). 出画分からヒ素流出濃度の変化が観察された。そ 12と設定した場合,変曲点 の変曲点を C/C0=0. における土壌単位 g 当たりのヒ素の捕捉量は C/ 3mg As/g であった。 C0=2. 4.. ま. と. め. これらの結果から,迅速・容易かつ効果的なヒ 素含有浸出水の漏出防止対策技術として,火山灰 土壌と長期間接触させることが重要であるため, 例えば①浸出水の流れの途中に火山灰土壌土堰堤 を造る,②火山灰土壌充填カラムを作り浸出水を 浸透させる等 (図 3 に現場対策イメージを示し た)がヒ素含有浸出水の漏出対策として有効であ ることが考えられる。また,埋立地最下層または 中間覆土層に火山灰土壌を用いることもヒ素漏出 予防対策として有用であると考えられる。 図2. 供給土壌 e を用いた場合のヒ素流出曲線. 供試土壌:e (火山灰土壌) 1 0g 供給溶液:ヒ素標準溶液を浸出水で希釈 ( [As] =5ppm). 図3 2 2─. 現場対策イメージ. ―参 考 文 献― 1) レイチェル・ニュース#7 8 4,安間武訳:圧力処理木材か らの遅れた教訓 (CCA ヒ素防腐処理木材の問題) その1, http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/rachel / rechel _ 04/ rehw_784.html 2) 地方衛生研究所全国協議会:健康危機事例集 No.8 4 4, http://www.iph.pref.osaka.jp/report/harmful/07pollution. html 3) バーゼル・アクション・ネットワーク,ニュース・ス トーリー,安間武訳:携帯電話の番号継続措置で電子廃 棄 物 が 増 加,http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/ kaigai_03/03_11/03_11_cellphone.html 4) 日本土壌肥料学会監修:土壌標準分析・測定法,p.1 2 4 ―1 2 7,博友社,東京,1 9 8 7. 全国環境研会誌.

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参照

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