[特集:廃棄物研究(II)]土壌を用いたヒ素含有浸出水の浄化に関する基礎研究
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(2) 土壌を用いたヒ素含有浸出水の浄化に関する基礎研究. 真空下蛍光 X 線(半定量法)で測定した主要元素 の値,水分および熱灼減量はそれぞれ1 05℃およ び900℃で恒量に達するまで加熱し得られた値, リン酸吸収係数はリン酸アンモニウム液法4)によ り求めた値を示した。. 表2. 2 0 9. 簡易カラム試験結果. 供試土壌 a b c d e 浸出水 pH 7. 3 7. 1 7. 9 3. 4 6. 2 7. 7 TOC (ppm) 8 4 7 7 1 5 7 9 7 5 4 5 4 1 1 EC (S/m) 0. 4 70. 4 30. 4 80. 9 00. 5 9 0. 6 5 ヒ素捕捉率 (%) 9 2 9 3 9 3 9 3 9 1. 2.2 簡易カラム試験 (浸透). 50mL ディスポシリンジハウジングに土壌20g を加え,プランジャーで圧をかけ充填した (充填 密度:0. 9∼1. 4g/cm3)。ハウジング上部から浸出 水60mL ([As]=53ppb)を加え,自然流出(初期流 出速度:1. 0mL/min)により土壌相を通過した流. 表3. シリンダー試験結果. 土壌添加量 (g) 1 0 5 0 pH 7. 7 7. 8 TOC (ppm) 3 6 7 3 1 0 EC (S/m) 0. 6 6 0. 4 7 ヒ素捕捉率 (%) <0 5 9. 1 0 0 7. 7 3 5 4 0. 6 2 6 7. 2 0 0 0 7. 8 7. 8 2 9 5 4 0 1 0. 5 8 0. 6 7 6 2. 出水を採取,検体試料として分析に用いた。 2.3 シリンダー試験 (土壌散布). 500mL シリンダーに浸出水500mL を入れ,土 壌10∼200g をシリンダー上部から徐々に加えた (間隔は空けないが,ある程度ゆっくりと加え,攪 拌すること無しに自然沈降に任せた) 。検体試料. 表4. 振とう試験結果. 土壌添加量 (g) 8 4 0 8 0 pH 7. 6 7. 6 7. 1 TOC (ppm) 2 7 2 2 7 1 2 2 1 EC (S/m) 0. 6 5 0. 5 9 0. 5 5 ヒ素捕捉率 (%) 9 5 9 5 9 7. 1 2 0 0 7. 1 7. 9 1 9 4 2 9 9 0. 5 3 0. 6 6 9 8. はシリンダー上部から適時採取し,分析に用いた。 2.4 振とう試験 (強制混合). 500mL ポリビンに土壌8∼1 60g および浸出水. 壌を用いた場合,TOC における顕著な減少が観. 400mL ([As]=18ppb)を加え,振とう器を用いて. 察されたが,沖積土壌を用いた場合,熱灼減量が. 24時間,室温(23±2℃)で振とうした。静置後の. 火山灰土壌と比べ差が見られないにもかかわら. 上澄み液採取,さらに遠心分離およびメンブレン. ず,TOC の増加が観察された。これらの結果か. フィルター (0. 45µm)で土壌微細粒子を取り除い. ら火山灰土壌相はヒ素の捕捉とともに TOC の除. た後,検体試料として分析に用いた。. 去においても有効であることが確認された。. 2.5 カラム試験 (ヒ素流出曲線). 3.2 シリンダー試験. ガラスカラム (内径1 5mm×長さ300mm)に土壌. 表 3 に土壌 a を供試土壌として用いた場合の. 1g または1 0g を充填した(重点密度:0. 60∼0. 96. 結果を示した。浸出水容量に対し1! 10 (g/mL)の. g/cm3;土壌相の上部および下部に石英砂をそれ. 土壌を散布した場合,ヒ素の捕捉率は59%であっ. ぞれ2g と4g を詰めた)。カラム上部からヒ素添. た。浸出水容量に対する土壌添加率を増加した場. 加浸出水 (浸出水にヒ素標準溶液を添加,それぞ. 合においてもヒ素の捕捉率は7 0%以下であった。. れの濃度を10ppm または5ppm に調製した) を加. TOC の減少は簡易カラム試験におけるそれに比. え,土壌相を通過した試料水 (流出速度:0. 8mL/. べ非常に低いが,浸出水の顕著な退色 (茶色から. min)を5mL または20mL 間隔で採取,検体試料. 薄い黄色)が観察された。また,ヒ素濃度の経日. として分析に用いた。また対照実験として石英砂. 変化(3週間)は観察されなかった。これらの結果. 6gを詰めたカラムを用いて同様の検討を行った。. から,土壌散布はヒ素除去の有効な手段ではない. ヒ素の分析は工場排水試験法水素化物発生原子 吸光法(JIS K010261. 2)に従い行った。. と考えられる。 3.3 振とう試験. 供試土壌として a を用いた場合の結果を表 4 3.. 実験結果および考察. に示した。簡易カラム試験における場合と同様に. 3.1 簡易カラム試験. 効果的なヒ素の捕捉(捕捉率95%以上)が観察され. 表 2 に結果を示した。すべての供試土壌にお. た。また,捕捉率および EC は土壌添加量と相関. いて90%以上のヒ素捕捉率が得られた。火山灰土. があり,土壌へのヒ素の捕捉およびその他のイオ. Vol. 29. No. 4(2004). ─2 1.
(3) 2 1 0. 特 集 / 廃 棄 物 研 究(Ⅱ). ンの土壌への固定が示唆される。しかしながら,. 水の有機汚濁成分の除去も考慮した場合,土壌相. 簡易カラム試験の結果と異なり,TOC の顕著な. への浸透がヒ素の除去に効果的であると考えられる。. 除去は観察されなかった。ゆえに,TOC 除去は 土壌相によるろ過効果が重要な要因であり,浸出. 3.4 カラム試験. 図 1 にそれぞれの供試土壌1g を用いた場合の 流出画分中のヒ素濃度と総流出液量の関係を示し た。試験に用いたヒ素添加浸出水中のヒ素濃度が 高いためすべての土壌において初期流出画分から ヒ素が検出された。しかしながら,供試土壌によ りヒ素流出傾向に差違があることはあきらかであ り,この結果から沖積土壌よりも火山灰土壌を用 いる方がヒ素の除去に有効であることが示唆され た。 図 2 に10g の供試土壌 a を用いた場合のヒ素流 出曲線を示した。この場合においても初期流出画 分からヒ素が検出されるが,およそ4 60mL の流. 図1. 溶出画分中のヒ素濃度と総流出量との関係. 供試土壌:a,b,c,d,および e 各1. 0g 供給溶液:ヒ素標準溶液を浸出水で希釈 ( [As] =1 0ppm). 出画分からヒ素流出濃度の変化が観察された。そ 12と設定した場合,変曲点 の変曲点を C/C0=0. における土壌単位 g 当たりのヒ素の捕捉量は C/ 3mg As/g であった。 C0=2. 4.. ま. と. め. これらの結果から,迅速・容易かつ効果的なヒ 素含有浸出水の漏出防止対策技術として,火山灰 土壌と長期間接触させることが重要であるため, 例えば①浸出水の流れの途中に火山灰土壌土堰堤 を造る,②火山灰土壌充填カラムを作り浸出水を 浸透させる等 (図 3 に現場対策イメージを示し た)がヒ素含有浸出水の漏出対策として有効であ ることが考えられる。また,埋立地最下層または 中間覆土層に火山灰土壌を用いることもヒ素漏出 予防対策として有用であると考えられる。 図2. 供給土壌 e を用いた場合のヒ素流出曲線. 供試土壌:e (火山灰土壌) 1 0g 供給溶液:ヒ素標準溶液を浸出水で希釈 ( [As] =5ppm). 図3 2 2─. 現場対策イメージ. ―参 考 文 献― 1) レイチェル・ニュース#7 8 4,安間武訳:圧力処理木材か らの遅れた教訓 (CCA ヒ素防腐処理木材の問題) その1, http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/rachel / rechel _ 04/ rehw_784.html 2) 地方衛生研究所全国協議会:健康危機事例集 No.8 4 4, http://www.iph.pref.osaka.jp/report/harmful/07pollution. html 3) バーゼル・アクション・ネットワーク,ニュース・ス トーリー,安間武訳:携帯電話の番号継続措置で電子廃 棄 物 が 増 加,http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/kaigai/ kaigai_03/03_11/03_11_cellphone.html 4) 日本土壌肥料学会監修:土壌標準分析・測定法,p.1 2 4 ―1 2 7,博友社,東京,1 9 8 7. 全国環境研会誌.
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