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在宅要介護高齢者の虐待に関する調査研究

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Academic year: 2021

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平成10年5月15日 第45巻 日本公衛誌 第5号 437

在宅要介護高齢者の虐待に関する調査研究

上田

照子

水無瀬文子

大塩まゆみ

橋本美知子

高坂

祐夫

福間

和美

大西早百合

青木

信雄

目的 在宅の要介護高齢者の虐待の実態と発生の要因を検討することによって,虐待を早期に発見し,予防 する方法を確立するための基礎資料を得ることを目的に調査を行った。 方法 近畿地区都市部における,保健・医療・福祉専門職のうち,在宅の要介護高齢者において虐待と思わ れるケースを担当していた者に質問紙を配布し,面接,既存資料等による虐待の状況に関する調査を行 った。42のケースを分析の対象とした。 結果 1. 被害老人の性別構成は,男性13人(31%),女性29人(69%)で,年齢構成は70歳代が約1/3, 80 歳代が約1/3であった。

2. 加害者の性別は男性17人(42.5%),女性23人(57.5%),年齢は60歳代がやや多い分布であった。

3. 加害者は被害老人の息子,娘が多く,各々約1/4を占めていた。

4. 虐待の形態は言語的虐待(69.0%)が最多で,ついで心理的虐待(61.9%),無意図的放任

(57.1%),意図的放任(50.0%),身体的虐待(47.6%)であった。また,1人の被害老人が受けて いる虐待の形態別の数は平均3.5であった。

5. 虐待発生の要因は単純ではなく多くの要因が相互に関与しあった結果生ずるものであり,加害

者,高齢者とも,性格や生育歴,人間関係など長い年月の間に形成された要素を持っている者が多 いことが認められた。また,介護者の介護負担が大きく,それを補う社会的な支援が未熟であるた めに虐待や放任に発展したケースが多かった。 結論 虐待の発生の予防策および対応策として,介護負担軽減のための保健・福祉サービスの拡充,早期発 見と適切な対応のための保健・医療・福祉の専門職に対する教育,早期発見のためのチェックリストの 開発,介護家族の介護技術習得の機会の拡大,被害者の緊急避難場所や相談機関の設置などが早急に講 じられる必要性が示唆された。 Key words : 高齢者虐待,放任,在宅要介護高齢者,虐待発生要因,介護者,在宅介護

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