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三泊四日の幼児キャンプ体験が参加児の身体的・心理的側面に及ぼす効果

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Academic year: 2021

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(1)   三泊四日の幼児キャンプ体験が. 参加児の身体的・心理的側面に及ぼす効果 学校教育学専攻 幼年教育コース.   M06063D   谷口博也 【問題の所在と日的】 1.子どもと自然体験.  この質問紙法を用いた量的な推定は有効であ.  近年,子どもの体験機会の減少,特に自然と. るものの,対象者の年齢段階による問題点があ. 触れ合う機会の減少に対する危惧は多方面から. る。こうした問題点に対して,内面的変化と生. なされており,子どもが自然と触れ合う体験機. 理的指標の照らし合わせることにより,キャン. 会を保障することは身心の調和の取れた成長を. プ効果を明確化することが可能である。しかし. 促す上で重要であることが指摘されている。. ながら,生理的な指標を用いた研究はほとんど.  この,身心の調和の取れた成長を促すにあた. なされていない。また,幼児を対象とした研究. り,幼少期からの自然体験の重要性に着目する. も非常に僅少である。. 必要があり,平成10年中教審答申における提言.  以上,先行研究から抽出された課題を勘案す. においては,幼稚園・保育所の役割の1つとし. ると,研究を想定した幼児に対する自然体験活. て,幼児キ÷ンプといった,自然体験プログラ. 動の実施の必要性が挙げられ,実施による参加. ムを提供することが挙げられている。. 児への効薬を検証することにより,幼児期から.  以上のことを勘案すると,幼少期の子どもを. の有効な自然体験についての視座が得られるも. 対象としたキャンプの効果を検証をすることに. のと考える。. より,子どもの身心の発育発達を促進させる教.  また,効果の推定を行う際,生理的指標,他. 育方策を探ることが出来ると考えられる。. 者評価,インタビューといった様々な視点から. 2.キャンプ研究の動向と課題. の考察を重ね合わせることにより,体験効果を.  これまでに発刊された,日本野外教育学会『野. 推定することが望ましいと考えられる。. 外教育研究』のうち,キャンプの影響について. 3.目的. 取り扱っている研究論文を考察することにより,.  本研究は,三泊四目の幼児キャンプを実践し,. キャンプ研究の動向と課題を抽出した。その際,. 参加児の身体的側面及ぴ心理的側面に対する効. r自己」,「他者との関係」,r自然との関係」の. 果を多角的に評価することにより,幼児キャン. 3つキーワードに関して,キャンプによる参加. プ活動が幼児に及ぼす効果を明らかにすること. 者の変容を量的に捉えた研究を順次挙げ,先行. を日的とする。その上で,幼児キャンプ実践と. 知見を概観した結果,研究の動向として,参加. その効果の推定をもとに,幼児期におけるキャ. 者の内面的変化を行動側面から分析することや,. ンプ活動の有効性について考察を深めたい。. 質問紙調査による分析により捉えている研究が. 4、仮説. 主流であった。.  生理的指標収集による,身体的側面への効. 一62一.

(2) 果に着目した仮説,質問紙調査による,心理. 特に,男児においてこの様子は顕著であった。. 的側面への効果に着目した仮説,インタビュ. ③キャンプ中の唾液アミラーゼ活性について,. ー調査による,心理的側面への効果に着目し. 夜の測定値について,日数を重ねるごとに低. た仮説といった3つの仮説を設定した。. い値の幼児が増加している様子が窺えた。ま. 【幼児キャンプ実践概要】. た,朝の測定値について,男児は日数を重ね.  本論において,実施概要と実施内容について. るごとに高い値の幼児が増加しており,女児. 詳細に示した。. は低い値の幼児が増加している様子が窺えた。. 【幼児キャンプ実践効果の検討】. 〈心理的側面に及ぼす効果〉.  幼児キャンプ実践効果の推定に関しては,生. ①保護者評価による幼児の成長側面推定を行っ. 理的指標(活動量,体温,唾液アミラーゼ活性). た結果,キャンプによる複合的な成長が見受け. 収集による身体的側面への効果推定,質問紙調. られ,特に,自立・挑戦心の伸長が顕著にであ. 査(幼児の成長側面推定尺度)による心理的側. った。. 面への効果推定,インタビュー調査(幼稚園教. ②幼稚園教諭評価による幼児の園内の行動及び. 論インタビュー,キャンプ経験者インタビュー). 態度の変容の分析を行った結果,保護者評価と. による心理的側面への効果推定により検討を打. 同様の評価が得られた。また,幼稚園教諭の指. つだ。. 摘から,キャンプによる幼児の自信の獲得が示.  生理的指標は,第2,4,5回幼児キャンプに. 唆された。. 参加した幼児131名を対象に,日常生活及ぴキ. ③キャンプ経験者にインタビュー調査を行った. ャンプ中の調査,測定を行った。. 結果,幼児が自立・挑戦に対する自信の内面化.  質問紙調査は,第2,4,5回幼児キャンプに. を行っている様子,キャンプ経験そのものが自. 参加した幼児の保護者131名を対象に,キャン. 信として内面化されている様子が窺われた。ま. プ前後において行った。. た,キャンプでの感動体験が幼児の記憶に強く.  インタビュー調査は,幼稚園教諭インタビュ. 残っていることが窺え,感性に影響を及ぼして. ーに関しては,幼児キャンプに参加した幼児が. いる可能性が示唆された。さらに,そうしたキ. 通う幼稚園2国(A園,B園)の,担任教諭5. ャンプ経験により,幼児がキャンプ中において. 名(A園:2名,B園:3名)を対象とし,経. ゆらぎの体験をしている可能性が推察された。. 験者インタビューに関しては,幼児キャンプ経. 以上の結果より,幼児のキャンプ体験が,幼児. 験者4名を対象として行った。. に特殊な情動を生起させ,自立・挑戦心の獲得,. <身体的側面に及ぼす効果>. 自信の内面化といった身心の成長を促す可能性 が示唆された。. ①キャンプおける幼児の活動量は日常生活と 比べて有意に少なく,特に,キャンプにおい て日常の活動性が高い幼児では活動量は減少. 主任指導教員 名須川知子 教授. する効果が認められた。.  指導教員  嶋崎博嗣  准教授. ②キャンプにおける幼児の体温変動幅は日常 生活と比べて相対的に増加する様子が窺えた。. 一63一.

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