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高校生の音楽的基礎能力に関する研究 : 小・中学校音楽科で育成された読譜力を基軸として

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(1)

平成

26年

学 位 論 文

高校生の音楽的基礎能力に関する研究

一 小・ 中学校音楽科で育成 された読譜 力を基軸 と して一

兵庫教育大学大学院

学校教育研究科

教育内容・ 方法開発専攻

文化表現系教育 コース

(音

)

M13187F ttt

L

(2)

目 次

凡 例

はじめに。

……

..…

・………

・……・

・………・…¨二・…

.…

.・

・…・

・…・……・

・……。

……

・…………・…

1

1章

音楽科 における学 力論

1

音楽的基礎能力の位置付け

.…

………

4

1)音

楽的能力 の とらえ方

2)先

行研究の動向

3)学

習指導要領 との関連性

2

基礎能 力診 断テ ス トの作成 と実施 方 法 。… … … ¨。12

1)「

特定の課題 に関す る調査 (音楽)」 の分析

2)診

断テス トの作成

3)文

集象疇彗

4)実

施方法

2章

診 断テス トの実施 と分 析

1

事前アンケー ト

.…

……¨

.…

.…

……¨

………。

22

1)実

施内容

2)ア

ンケー ト結果

2

診断テス ト

1(入

学 当初 の調査)。… ……… ……=… ∴。“∴.…

27

1)テ

ス ト内容

2)テ

ス ト結果

3

診断テス ト

1に

関す る考察.¨二.………ふ………… …………1・…。

34

(3)

3章

基礎能 力育成のための教授方略

1

指導内容の構築

.…

………二・………・

36

1)階

名読みに関する指導

2)リ

ズム課題に関する指導

3)歌

唱課題に関する指導

2

診断テス ト

2(指

導後 にお ける調査)。………… ……… ………

43

1)テ

ス ト内容

2)テ

ス ト結果 `

3

事後 ア ンケー ト.………… ………“∴……… ………… …■・…52

1)実

施内容

2)ア

ンケー ト結果

4

診断テ ス ト

2お

よび事後 ア ンケー トに関す る考察 .………… …………

62

5

総合 的考察 と今後 の課題.……………¨二……… ……¨

64

おヤ

)り

...:...¨

・¨

`・ ...・

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・¨

・“

・¨

:。

67

引用・ 参考文献 謝 辞

(4)

凡 例

1.『

』は、文献名を示す場合に用いる。

2.「

」は、引用部分・論文名・本文中で強調したい言葉を示す場合に用いる。なお、引

用中の「

」は、引用部分を示す 「

」と区別するために『

』で示す。

3.( )は

、補足事項 を示す場合 に用いる。

4.注

は、脚注と してページ下に掲示す る。 5。 引用参考文献は、著者 (編者)・ 発行年・ 書名・ 出版社

0ペ

ージ数の順 に記載す る。 6。 年の表記については、原則 として西暦 を使用す る。ただ し、学習指導要領 については 元号で表記す る。

(5)

は じめ に 小・ 中学校の

9年

間にわた り「音楽」を履修 した生徒が高校生になつた時、 どの程度の 音楽的な基礎能力 を身に付 けているのであろ う力、 現場経験を踏まえてい うと、生徒 を取 り巻 く環境により、大きな格差が存在 しているといわ ぎるを得ない。中でも全 く楽譜が読 めない、音が取れない等、 自発的に音楽す る術 を事実上、持たないまま高校生 となってい る生徒が多数存在す るのが現実である。これまで学習指導要領が改訂を経て行われた、小・ 中学校音楽科の授業時数削減が、 これに拍車を掛けているともいえる。そ うした中で教師 は 日々、悪戦苦闘 している。 高等学校学習指導要領芸術科の 目標 には 「生涯 にわた り芸術を愛好す る心情を育てる」 0との文言が含 まれ ている。 これ は芸術科音楽の 日標 の基底 となるものである。音楽系、 教員・保育者養成系の上級学校へ進学す る一部の生徒 を除けば、高等学校 は音楽に取 り組 む最後の機会である。生涯にわた り音楽を愛好す るために必要な音楽的能力 を適切 に身に つけさせ ることは、芸術科音楽の最大の課題である。 本小論においては特に読譜力に着 日した。我が国の音楽環境が事実上、西洋音楽 中心で あること、器楽活動において楽譜の取 り扱いは必須であることな どか ら、卒業後 も生涯に わた り音楽を愛好 してい くために必要な力 といえるか らである。筆者はこれまで、高等学 校教諭 として音楽科教育 に携わつてきた。 この十数年を振 り返 ると、生涯 にわたつて音楽 を愛好す る心情 を持ってほ しい とい う考 え方は不変であるが、それを実現に向けて どのよ うにアプロ‐チす るかは、経験 を積むに従つて考え方に変化が生 じてきたよ うに思 う。 教員 としての初期は、 とにか く音楽を楽 しい と感 じてほ しい とい う視点が第一であつた。 そのため、楽典・ 理論的な内容や、一見、単調 と思 える トレーニ ングの積み重ねはなるベ く少な くしなが ら、音楽 を楽 しめる結論 を模索 していたよ うに思 う。授業実践上のライ フ ワークとして、筆者は 「ホームルームコンサー ト」を企画実施 している。 これは転勤な ど で所属校が変わっても、必ず行 つているものである。音楽の履修者全員 を対象 に、小学校 D/文部科学省0009p『高等学校学習指導要領』第2章第7節 芸術 第1款,p.76

(6)

か らの学校音楽教育のま とめとして、メンバー編成、選曲、練習方法な ど、これ らについ て時間をかけて学び、最終的に公開コンサー ト形式で発表す るものである。芸術他科 日(美 術、書道

)と

のコラボ レーシ ョンや、校内の他教科教員 をゲス トに招いてのライブな ど、 数か月にお よぶ準備期間を経た教科 としての取 り組みである。 仲間 と良いアンサンブルをす るために、生徒は一所懸命 に練習をす る。それはギターで あつた り、 ドラムであった り、キーボー ドであった り、様 々な内容である。運動部の生徒 が放課後、部活動の帰 りに音楽室に寄 り、練習をしていつた りもす るくらい熱心に取 り組 む。その時、彼 らにほぼ共通 している壁が、楽譜を使 うとい うことであつた。 これまで関 係のなかつた楽譜 とい う存在が、自分の身近なもの として 目の前に降 りてきた時に初めて、 その壁 と正対す ることにな り、困つた顔 をしてヘルプを求めるのである。そんな時、音楽 の教員 としては時期が来た とばか りに、読譜の方法を教える。 このよ うなことを何十人に も繰 り返すのだか ら、教 える側 も教わる側 も、多大な手間 と時間が力功ヽる。 しか しそのよ うに して、高校生 となつて読譜の方法 を知 らなかつた生徒でも、彼 ら自身の努力によつて 前進 していつた。 もちろん、全員 が読譜 を完全にこなせた とは到底言えないのであるが。 またある時、音楽の教科書には どれだけ「楽譜」が使われているのか、手元の教科割 を

1ペ

ージずつ繰 りなが ら確認 してみた ところ、日次、日絵等の前付 を除いた

150ペ

ージ 中、楽譜が掲載 されているページ (和楽譜を除 く

)は

117ペ

ージ、全体の

78%を

占めた。 逆に楽譜のないページはわずか

33ペ

ージ、全体の

22%に

過 ぎなかつたのである。音楽の 授業を受ける生徒は、楽譜を理解 し用いることができるとい う前提なのである。 ここに、 建前 と現実のギヤツプが存在す る。 このギャ ップは、高等学校教育以前の どこまで さかの ばれば、その源流 にた どり着 くのであろ う力、 次 に、教科外に 目を向けてみ る。筆者 は一貫 して吹奏楽部の顧間 として、指導に当たつ てきた。そ こで、中学校で音楽系部活動 を

3年

間経験 した生徒で、楽譜 をほとん ど理解出 来ないまま高等学校へ進学 してきた生徒 に何人 も遭遇 した。四分の四拍子で、四分音符

4

'小

原光一他0010 FMousA l』 高等学校芸術科音楽I教科書(27教芸。音1303),教育芸術社

(7)

つを数 えることす ら出来ない生徒が、どのよ うに中学

3年

間を送つてきたのかが不思議で あつた。そ こで彼 らに話 を聞いた り観察 した りしてみると、 どうや ら指揮者の先生の合図 をひたす ら頼 りに リズムを刻んだ り、模範演奏音源 を頼 りに 「聞き覚え」で切 り抜 けてき たよ うなのである。そ うやつて彼 らは音楽 に関わつてきたわけであるが、そ うした様子は コンクールなどの舞台上では一見わか らない。風体は、さも楽譜を理解 し指揮者の下、立 派に楽器 を操 る「演奏家」である。 しか し、そ こに至 るまでには、読譜な どの音楽的スキ ル を持つている者か らは想像 もつかない くらい、ある意味で非効率で、膨大な手間 と時間 をかけて取 り組んでいるのではないか と考 えるのである。 筆者 はこのような経験 を経て、教職着任初期の「とにか く音楽 を楽 しい と感 じてほ しい」 とい うところか ら、も う少 し深い考察 を自らに課す よ うになつた。そ うした中で、ひ とつ の問題提起 としてた どり着いたのが、高校生の読譜力の伸長 とい う視点である。 楽譜 とい うものが、旋律や リズム、ハーモニーなどの音楽要素を視覚的に符号化 したも のであることに注 目すれば、読譜 とは 〈視覚的に符号化 された音楽要素を解読 し再生す る 過程

)と

定義す ることができる九 つま り読譜力の基礎 となる部分には、 リズムを理解す る能力・階名を理解す る能力 0音高感覚な どが必要 となると考 えられる。これ らの能力が、 中学校卒業段階で どの程度身についたかを実態 を明 らかに し、事実認識 を深 め課題 を考察 したい。その上で、当該能力の育成 に関す る教授方略を構築す ることを、本小論の 目的 と す る。現場の実践に多少な りとも資す る教授方略を構築 し、生徒の音楽への思いが、少 し でも効率的に表現へ とつながる手助けになることを 目指 したい。 め安達真由美0∞0「読譜法」日本音楽教育学会編『 日本音楽教育事典』音楽之友社押.613

(8)

1章

音楽科 にお ける学 力論

1

音楽的基礎能力の位置付け

1)音

楽的能力のとらえ方 音楽的な基礎能力をどのように定義するかは、これまで様々な視点か ら論 じられている。 また、それ らのひ とつ として國安

0000は

、「①音の属性 「 音の高さ・強 さ・長 さ、音質に 対する知覚 ②音の表現的属性

r旋

律、リズム、和声またはテクスチュアに対する認知 ③ 音楽の表出能カー声楽・器楽の演奏および構成 ④音楽に関する知識

=記

譜法、理論、歴 史など―を獲得す る知能 ⑤音 と音楽に対する美的感性および音楽への感動を情操に高め る態度の育成」。と多岐にわた り、それ らが関連 しあつて複雑に構成 されるか らであると 示 している。

能力の獲得にあたつては、生得的な素質によるものか、環境によるものかとの要素も関

わつて「素質と環境の相互作用、ということができる」

0と

される。西澤

(1980は

、音楽能

力に関して次のように述べている。

一方では能力を心理学的に計量 し得 る音楽的力量 として

,達

成すべ き 目標 にす える べ きであるとす る

,学

習主義的な考 えがある。そ して

,他

,音

楽の経験 を重視 し, それによつて 〈音楽的感性の育成

)と

い う心情や感覚の領域により重点をお く立場が あ り

,そ

の場合能力は 〈音楽性〉 といつた総合性の中で柔 らげ られ る。 (中略

)能

力の場合においてもまた「遺伝か環境か」の問題 を避 けるわけにはいかな い。特に音楽 とい う特殊 な分野においては

,こ

とさら生得的な素質が

,学

習の達成 に 大きく関わつているのである0。

また、シーショア

(1910は

、音楽能カテストの哨矢的存在である「シーショア音楽諸才

。 國安愛子0000「音楽的能力」日本音楽教育学会編『 日本音楽教育事剣 ,音楽之友社,p。161 め前掲書4ル162

0西

澤昭男(1989『音楽教育の原理と実際』音楽之友社●.119

(9)

能テス ト(SeashOre Measurement ofMusical Talenth」 の中で、

6つ

の音楽的能力を規 定 した。それは音高・強度・ リズム・時間・音色・音記憶で、「これ らがゆるく結合 された 混合体が、測定 し得 る音楽能力である」つとしている。その一方、シーシ ョアのテス トに 対 して能力偏重であるとの批判的立場か らは、音楽的能力をより総合的にとらえて測定す る試みがなされた。代表的なものに、ウィング

(1940に

よる「ウィング音楽適性検査

(Wmg

StandaFdiZed Ъ

sts of Mm lnte.igence)」

があ り、「音楽聴の正確 さと演奏への感受 性の両者を測定 しようとしている点」0に特徴がある。 ウィングはここで、和音分析・ 音 高変化・記憶・ リズム・ハーモニー・強度 。フレーズの

7つ

の音楽的能力を規定 し、「これ らの諸要素の内部相関のなかから

,音

楽を知覚 し鑑賞する一般能力の存在を見出そ うとし た」9と している。 学校現場の教師の視点からは、次のようなとらえ方 もある。内田

000"は

、音楽科教育 における基礎・基本に関して「国民が生活に活かしている音楽は、旋律

,和

,リ

ズムに 基づ く音楽が主流である。 したがつて、生涯において自らの力で音楽の楽 しさを味わ うこ とができるためのべ‐シックな能力 として、旋律・ 和声・ リズムのスキーマは、音楽科教 育における重要な基礎・基本であるといえる」10pと述べている。「自らの力で」主体的に音 楽の楽 しさを味わ うため、必要な能力を身に付けさせたい とい う現場の切実な意識、現状 に対する危機感が表出したもの といえる。 このように、音楽的な基礎能力の位置付けは多面的なとらえ方があ り、音楽教育学上、 現時点において一義的に言い切ることの困難なものであるといえる。我が国において、音 楽科の学力の定義が未だ定まっていない背景の、本質的な問題のひ とつであろ う。 つ 前蒔局纂事6,p.124

0梅

本尭夫・酒井醇(1972H「ウィング音楽テス トの標準化 とその検訳 その1)」『 相愛女子大学相愛女子短期大 学研姑経割 第20巻pp.17 91剛騰書6 pp.124 10p大熊藤代子・内固有―・薬袋貴0002p『危機に立つ音楽科教育』遊タイム出版 pp.95・96

(10)

2)先

行研究の動向 戦後教育改革以降 しばらくの間、残念ながら我が国の音楽科において学力 とは何かにつ いての体系的な研究は行われてこなかつた1つ。島崎

000つ

は 「音楽科に関する顕著な学力 論が登場 したのは (中略

)主

70年

代後半からである」1)と指摘 しているもその中にあ って、人木・竹内

(1978)に

よれば、音楽科における基礎学力は「授業の中で獲得 される 音楽的感覚の習熟 とその認識化の能力の体系」1'と説明されている。そ してこの時期、藤 岡

(197Dの

学力論を基底 とした計測性を、音楽科において 「学力を教育内容の計測性 との かかわ りで とらえていこうとすることの実践的な意義」1のとい う視点で取 り入れるべきと の主張がなされたも竹内

(1980は

、「『 子 どもを音楽好き』などといつた主張は

,無

味乾燥 とした戦後の技術主義に対するアンチテーゼ としてはそれな りの意味をもちえようが

,音

楽の『 学力』を身につけた子 どもを

,授

業の中でどう育ててい くのかとい う実践的な要請 に対 しては

,消

極的な意味 しか持ちえない場合が多いのである。 こうして考える時

,授

業 実践を視野に入れつつ,授業を通 して獲得 されるべき学力の とらえ方を明確にすることは, 積極的な意味を持つもの」10であると述べている。これは

30年

以上経過 した現在におい ても、未だに音楽科教育が内包する重要な視点であり、解決すべき問題であるといえる。 戦後 ケ度 目の改訂 となつた平成

14年

の学習指導要領においては、基礎基本の定着、「生 きる力」の育成、とい うキーワー ドの下、「総合的な学習の時間」の新設、学校完全週5日 制の実施などによる大幅な改訂が実施 された。中でも授業内容・授業時数の削減は注 目さ れた。いわゆる「ゆとり教育」であるも音楽科はその狭間にあつて、時数削減が一段 と進 行 した。 これ以降、教科 としての将来的な存続への危機感が現場や研究者で語 られるよう lD竹内俊一 。人木正

-0∞

0「学力」日本音楽教育学会編『 日本音楽教育事典』音楽之友礼p.233 1カ 島崎篤子000つ「音楽教育における学力」文教大学教育学部紀要委員会『教育学部紀要』第41'畿 p.39

0前

掲書 11,p.233 1ゆ 竹内俊―(198D「音楽科 の学力 と教育内容 をめ ぐる諸問題」千成俊夫編著『 達成 目標 を明確 に した音楽科授 業改造入門』明治図書tp。31 10前掲書14p.28

(11)

になる。 日本音楽教育学会では第

36回

大会10・

37回

大会1つにおいて、音楽科 と学力 に 関するプロジェク ト研究やシンポジウムとい う形で取 り上げられる等、音楽科における学 力が研究対象 として、より注 目されるようになつた。 しか しなが ら、学校教育の中で児童生徒が実際 どの程度、音楽科の学力 を獲得 している かの実践的研究は、決 して多 くないのが実情である。音楽科の学力をどのように定義する か、きわめて基本的な問題が未だに定まっていないことが、その要因のひ とつであると思 われ る。島崎(200つは「学力 と基礎・ 基本を切 り離 して考えることはできない。音楽にお ける基礎・ 基本の明確な定義づけが必要であるが

,文

部科学省 もまだ明確な定義づけを行 っていない」18bと指摘 し、「現段階では

,基

礎・基本を『 音楽活動を行 うために最低身につ けたい価値あるもの』 とでも定義 しておきたい」19と述べている。人木

0000の

「ごく一 般的にいえば、音楽科の学力 とは学習指導要領に示 された 日標を子 どもたちが達成 し獲得 した能力 とい うことになる」20Dと の視点を踏まえると、現行の指導要領における総花的な 内容の中から、基礎・基本にあたる内容を抽出するプロセスの必要性を読み取ることがで きよう。指導要領 との関連については、次項で改めて述べたい。 学校現場の教員 を対象 とした広範囲の調査研究については、 日本学術振興会科学研究費 補助金研究 「音楽科における教育内容の縮減 と学力低下の様相」(2006γ

2008年

度、研究 代表 :イ│1容

)の

一環 として実施 された、杉江

000つ

による「教科『 音楽』の授業内容 と学力に関する調査」がある。その中に、全国の小 0中学校の音楽科教員へ

8項

目 (全体 的な音楽の力・ リズム感 0音楽に身体で反応する力・ 歌声の質・歌のレパー トリー

0楽

譜 を読む力・音楽を耳で聴いて模倣する力・音楽に取 り組む意欲

)に

わたる音楽の力に関 し て「最近 (過去

2年

間ほど

)の

子 ども」について調査 した項 目がある。小・中学校 ともに、 16p日 本音楽教育学会第36回大会0∞

D

育)は子 どもたちに何 をもた らした力」 1つ 日本音楽教育学会第37回大会0006J ―」 18D甫む材夢書卜12,p.39 1の 前掲書129p。39 20p 青年薇詐謹卜11,p.233 プロジェク ト研究「学力論争 と音楽教育―音楽科における 〈ゆとり教 シンポジウム「学校教育 と学カーいま音楽科教育研究は何をすべきか

(12)

否定的な「大変不足」「やや不足」を合わせた回答の最多が「楽譜を読む力」(小学校94.2%、 中学校

98.0%)で

あった。そ して 「

10年

以上前の子 ども」 と比較 して どう変化 している かを同様 に尋ねた項 目について、「向上 した」 との回答の最少 が 「楽譜 を読む力」(小学校 7.2%、 中学校

4.3%)で

あつた (図 1・ 音楽の授業を通 して身につけてほ しい力)。 読譜力 の低下を認識 している現場の教員 の実感 を量的に示 した、貴重なデータであるといえる。 (図 1・ 音楽の授業を通 して身につけてほ しい力2D) 音楽的基礎能力に関す る実践的研究 として、数は少 ないもののその中で比較的見 られ る のが、大学生 を対象 としたものである。 これ らの研究か らは、幼児教育や小学校教員養成 課程 を受け持つ大学教員 に とつて、学生の音楽的基礎能力に対す る実態の危機感が読み取 れ る。 山中

0000は

、幼児教育や初等教育 を担 うこととなる大学生の、音楽の基礎的知識 が欠如 している実態を示 した上で 「理解の貧困な音楽実践を受 けてきた子 どもが指導者 と な り、『 愛好す る心情』をスローガンとした保育や授業が展開 し、表現手段の貧困な子 ども 2⇒ 杉江淑子000つ 「教科『 音楽』の授業内容と学力に関する調査」平成 18年度日本学術振興会科学研究費補 助金基盤研究B(183301903教 師調査班調査報告書,p.6 燿圧 “ ¨子ども 10年以上前の子どもと比べて

歪奮

lE

十分

綺姻

…螢 (人) 1.全 体的な書素のカ 2.リズム感 3.書剰 こ身体で反応するカ 4歌 「 の質 5欧のレパートリー 6崇出を読むカ 71MIで 聴いて棋撤するカ 8 音劇 こ取り曲

輌 0 〇 一 椰 0 8 輌

U 霞 8 “ 鶴 鰤 霞 鰤 1ヾ宇崎交 〈%) 峰 最近の子島 10年以上前の子どもと比べて

誨姻

凛 饉《人〕 1.全体的な●中のカ 2.リズム感 3.青颯 こ身体で反応するカ 4.0「0■ 5歌のレ,‐ 「lJ― 6楽■嗜詢 カ 7.策 耳で聴いて槙傲するカ 8.書劇 こ取り1田bl"決

四 富 四 鰤 密 劉 劉 粛

塑 劉 矧 劉 劉 劉 困 劉 比べてどのような変化がみられる力」 については、 答を求めれ

(13)

を育てる、 とい う悪循環は絶たなければな らない」22pと述べている。 初等・ 中等教育段階に 目を向けると、本小論で対象 とす る高等学校生徒 を対象 とした研 究は、 さらに少ない。音楽的 「表現」を絡ませた授業実践な どはあつて も、高校生段階の 基礎能力に着 日した実態調査や研究の取 り組みは、その困難性 (学校間の学力格差、芸術 選択設置科 日等、学校 ごとに大きく異なる属性の問題

)も

あつて対象 としにくい傾 向にあ ると思われ る。 中学校生徒 を対象 とした研究 としては、吉富他

0000に

よる中学校入学時の音楽学力の 実態を明 らか とす ることを 目的 とした実態調査研究が詳 しい。 これは、歌唱調査・ ペーパ ∵試験 :質問紙調査の

3つ

の側面か ら、小学校音楽科の学力 が どの程度定着 しているのか を具体的に明示 したものである。附属中学の生徒 とい う、一般的な中学生 とは若干属性が 異なる生徒 を対象 としているにもかかわ らず、その結果においては音楽関係の習い事経験 無 しの生徒群は 「すべての試験で低迷 してお り

,と

くに

,階

嬌聴唱 と階名視唱において, 悲惨な結果 を示 した」20と し、「小学校音楽科では (中略

)学

習指導要領・音楽科 に示 され た水準を達成 していない と言 える」24bと述べている

:さ

らには「中学校音楽科 において , 小学校音楽科で達成できなかつた上記の内容を

,学

力 として保障す るための

,効

果的な学 習課程の構築が急務 であると考 える2め」 と考察 している。 本小論ではこの視点の延長線上 として、義務教育段階を終 えた生徒の高等学校入学時の 音楽的基礎能力の実態を明 らかに し、問題の所在 を論 じたい。

3)学

習指導要領 との関連性 本′喩 は、小・ 中学校音楽科で育成 された読譜力を基軸 とした、高校生 を対象 としての 実践的研究である。 したがつて

(本

項では小・ 中学校音楽科 の学習指導要領 における音楽 勁 山中文0000H「音楽的表現手段の獲得に関する一考察」『新見公立短期大学紀要』第 21巻,│.30 20吉富功修他0∞0「 中学校における音楽科の学力を確かなものとする教育プログラムの開発 (1)一中学校 入学時の音楽物 の実態を中心として―」『広島大学学部・附属学校共同研究機構研究紀要』第36 tp。163 20前掲書23ュ163 2D前掲 書 23,p.163

(14)

的基礎能力の関わ りを中心 として、整理 したい。 読譜に関する指導要領の記載については、小学校第

5学

年及び第

6学

年において 「範唱 を聴いた り

,ハ

長調及びイ短調の楽譜を見た りして歌 うこと」26Dと されている。また、中 学校において「読譜の指導については

,小

学校における学習を踏まえ

,#や

♭の調号 とし ての意味を理解 させ るとともに

, 3年

間を通 じて

, 1#, 1♭

程度をもつた調号の楽譜の 視唱や視奏に慣れ させるようにすること」2つとぁる。一方、高等学校においてはこれ と同 等の具体的な記載は見当たらない。読譜に関するものは 「内容の

A(表

現 :筆者注

)の

指 導に当たつては、生徒の特性等を考慮 し

,視

唱 と視奏及び読譜 と記譜の指導を含めるもの とする」28pと ぁるのみである。 このことから、義務教育修了段階において、基本的な読譜 力の定着が期待 されているといえる。 吉富

0010は

、小学校学習指導要領・音楽科の日標から

t保

障すべき音楽科の学力 を「① 音楽を愛好する心情を育てる、②音楽に対する感性を育てる、③音楽活動の基礎的な能力 を培 う、④豊かな情操を養 う」29Dの

4点

と規定 した。しか し、「③以外はあま りにも漠然 と してお り、それが達成 されたかどうかを客観的な方法で明らかにすることは困難」30bで るとし、比較的明確な③について

(以

下の

2つ

の部分を明示 している。 ・ 第

2

各学年の 目標及び内容 〔第

5学

年及び第

6学

年〕

2内

A表

現 (1)歌 唱の 活動を通 して、次の事項を指導する。ア 範唱を聴いた り、ハ長調及びイ短調の楽譜を見 た りして歌 うこと。 ・第

3

指導計画の作成 と内容の取扱い

O各

学年の[指導事項

]の

イの「音符、休符、 記号や音楽にかかわる用語」については、児童の学習状況を考慮 して、次に示すものを取 り扱 うこと。(以下、

37種

類の記号・用語。本項では省略) その上で、前項で示 した吉富他

0000の

研究結果から「音符、休符、記号や音楽にかか 26p文部科学省K2008D『小学校学習指導要領』第2章6節 音楽 第 ap.67 27p文部科学省

m

『 中学校学習指導馴 第2章第5節 音楽 第2●65 28b文部科学省0009p『高等学校学指導要領』第2章第 7節芸術 第2款

1音

楽ュ77 29D吉富功修0010F/1ヽ学校音楽科教育法一学力の構築をめざして¬』ふくろう出版tp.3 30D育網閣時罫29,p.3

(15)

わる用語」と「ハ長調及びイ短調の楽譜 を見た りして歌 うこと」を、「音楽的な読み書きの 能力」30と とらえ、全ての子 どもの音楽的 自立を可能 とす るための保障すべき学力 である としている。 次に、「教育課程実施状況調査」に関 して述べる。 この調査は、「学習指導要領 における 各教科の内容 に照 らした学習の実現状況を把握 し、今後の教育課程や指導方法等の改善に 資す る」32bことを 目的 としている。学習指導要領の改訂にかかわる重要な材料 となるもの であるが、平成元年告示、平成

10年

告示 (高等学校は平成

11年

)に

かかわる音楽科の調 査は小・ 中・高等学校いずれ も実施 されていない。 しかし、「『 教育課程実施状況調査』の 枠組みでは把握が難 しい内容について、児童生徒を対象 としたペーパーテス ト又は実技調 査、質問紙調査を実施する」3うことを目的 として、実技調査等を含んだ 「特定の課題に関 する調査勁ミ平成

17年

から平成

23年

にかけて実施 された。音楽科に関 しては平成

20年

、 小学校

6年

生 と中学校

3年

生を対象に「特定の課題に関する調査 (音楽)」 34Dと して、ペー パーテス ト

,実

技調査及び質問紙調査により実施 された。つま り、音楽科における「学力」 それ 自体、通常の調査では把握が難 しい性質のものだと文部科学省が認識 していると理解 できる。なお、国の機関による全国規模の音楽科の学力調査は、小学校では

42年

ぶ り、 中学校では初めての実施であり、中でも実技調査はいずれも初めての実施 とい う´点が特筆 されるものである。 本小論においては「特定の課題に関する調査 (音楽)」 を有効な先行調査・研究 ととら えたい。 この内容を精査することを通 じて、より具体的な音楽的基礎能力を測る基準を導 き出 し、診断テス ト作成の根拠 として活用することとする。 3D甫辞酪書28p.5 32b国立教育政策研究所「教育課程実施状況調勤

L"珈

躙鴨面鑑g可b■

atSuOunktteimml(参

2014・12‐10) 33p国立教育政策研究所「特定の課題に関する調査」嵐む払硼鴨面臨gojp/bihats」固ヒu撼島通直

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2014・12・10) 34p国

センターK2010『平成20年度特定の課題に関する調査 調査票及び解答 類型 (小学校・ 中学校)一音楽―』国立教育政策研究所

(16)

2

基礎能 力診断テス トの作成 と実施方法

1)「

特定の課題に関する調査 (音楽)」 の分析 中学

3年

生を対象に実施 された 「特定の課題に関する調査 (音楽)」 (以下、国研調査 と 記う の歌唱実技課題曲(以下、課題曲と記う を基準 とし、これ と同程度の

16小

節視唱課 題を、本小論における基礎能力診断テス ト(以下、診断テス トと記す)と して作成 した。

(1)特

定の課題 に関す る調査 (音楽

)の

概要 中学校 における国研調査は

t基

礎的・ 基本的な知識等の領域 を扱 う「調査1」、歌唱領 域を扱 う「調査 Ⅱ蜘 、鑑賞領域 を扱 う「調査IB」 か ら構成 されている (図 2・ 国研調査 のポイ ン ト)。 上記で述べた考え方か ら、本小論での活用部分 として、実技に関す る調査で ある 「調査 ⅡA」 の内容 を検討 してい くこととした。

(17)

音楽 についての学 力‖査を実施 ● 基礎的・基本的な知識=感 じ取つて工夫する力,音 楽表現の技能:鑑 賞する力の 実現状況を把握。 ● リズムづくり(小学校)や歌嘔(中学校)などの実技田査を実施. ● 全国規模の音楽科の学カロ査は,小学校では42年 ぶり,中 学校では初めての実 施。実技■査は初めての実施. ● 学習内容に関連した児童生徒の意識や,教 師の指導の実際等に関する質問紙■ 壺も実施。 ● ビデオやコンピュータを用いた映像や音声を伴う出目を工夫し,児童生徒が興味を もつて取り組めるようにすることなどに配慮。 【調査の概要】

l:調

査対象学年

/小

学校第6学 年及び中学校第3学 年

│1調

査実施 日

/小

学校 平成20年12月 3日∼平成21年 2月27日 中学校 平成20年10月 1日∼平成20年11月28日 ■ 調査実施学校数及び児童生徒数

/全

国の国公私立学校から無作為抽出。 【出題における工夫・配慮】 ビデオやコンピュータを用いて,演奏の様子や,教 師と児童生 徒の会話などの授業風景を視聴することによって,親 しみや興 味をもつて調査問題に取り組めるようにした。 コンピュータによる出題では,児 童生徒一人一人がコンピュー タとマイク付きヘッドホンを使用し,つくつた音楽や歌唱を録音・ 再生するなどして,確認をしたり試したりしながら取り組めるよう にした。 小学校:約110校約3,∞0人

中学校:約100校約3,∞0人 小 学 校 内容A O調査 I(約3,000人) 用額やra■などの基礎 的・基本的な知識を中心 【ベーバーテスト (ビデォによる出題)】 0調査IA(約1,000人) 感じ取つて工夫する力及び音楽表現の技能を中,い 【ベーバーテスト及びリズムづくりなどの実技(コンピュータによる出励 】 学習内容 に関連し た児童の 意臓等 内容B 0調鑑賞する力を中心査IB(約2,∞ 0人) 【ベーパーテスト(ビデォによる出題)】 中 学 校 内容A 0調査 【(約3,000人) 用誦や記号などの基礎 的・基本的な知識を中心 【ベーパーテスト (ビデォによる出題)】 0調査IA(約1,000人) 感じ取つて工夫する力及び音楽表現の技能を中心 【ベー′く―テスト及tFn唱の実技(コンピュータによる出D】 学習内容 に関連し た生徒の 意臓等 内容B 0調査IB(約2,OCD人) 鑑賞する力を中心 【ペーパーテスト(ビデォによる出題)】 《授業風景の視聴 》 (図

2

国研調査 のポイ ン ト30) 3め 国立教育政策所「特定の課題に関する調査 (音)のポイン ト」

(18)

(2)調

査結果の活用部分の検討 本小論では、中学校 「調査 ⅡA」 の 「歌唱実技」について着 目した。生徒本人による課 題曲の歌唱実技を通 して、下記の

4点

について評価する課題である。 ① 音高 ② 音価 ③ 強弱 ④ 総合的表現 ④については評価者の主観が評価 に大きく影響する余地があり、計測性の問題が介在す る。③については生徒が考案 した強弱をどれだけ表現できているかとい う、音楽性がかか わる点でやは り計測性に問題が残る。①、②については 「音高感覚」および 「読譜力」の 一部 (リ ズム

)を

測つているものであ り、比較的計測性に優れている内容である。そこで、 本小論では音高と音価 (リ ズム

)を

読み取る力を把握することを、調査結果の活用 目的 と 定めた。国研調査の課題曲を分析 し、文部科学省が中学

3年

生に対 して想定 していると考 えられるレベルを読み取る。 具体的には、課題曲に用いられている実音の範囲、

2音

間の音程の種類、用いられてい る音符・ リズム型などを整理 して、本小論に用いる診断テス トの作成を行 うこととする。 36D国立教育政策研究所0008p『特定の課題に関する調査(音)』中学校3年生実技調査ⅡA(歌唱)問題CD‐R, 国立教育政策研究所教育課程研究センター 一 段 ロ ゆ う ひ に は え る さ と や ユ ー の 二 段 日 二 段 曰 曰 段 日 (国研調査課題 曲361)

(19)

(3)課

題曲の分析 中学校

3年

生実技調査 ⅡA「歌唱による表現に関す る問題」課題 曲とその実施 について、 以下のように分析 した。 ・ 音域 :一点ハ に

1)∼

二点二 (d2) ・ 調号 :♭

1個

(F:d士) ・ 臨時記号 :な し(全て幹音のみで構成 され る。調号にある変 口音 も使用 されていない) ・ 形式 :二部形式 は 二Al一

B一

A・ウ ・ 使用 され る音符の種類 : 付点三分音符

(4か

所)、 三分音符

(4か

所)、 付点四分音符

(3か

所)、 四分音符 (34 か所)、 人分音符 (21か所) 。使用 される休符の種類 : 全体符

(1か

所)、 四分休符

(6か

所)、 人分休符

(2か

所) ・ 各音間の音程 : 一度音程

13か

所 (完全一度)、 三度音程

32か

所 (長三度

30,短

三度2)、 三度音程

16か

所 (長三度

5,短

三度11)、 四度音程

1か

(完全四度)、 五度音程

2か

所 (完 全五度) 調査は、以下の手順3つで実施 された

:範

唱 を聴 く回数、範唱 とともに歌 う箇所 (下線部 筆者

)が

かな りの数 に上ることか ら、実際には受験者は読譜力 とい うよ りも、「聞き覚 え」 の力の影響力が大 きい手順であるといえる。 ≪問題1≫ (歌詞 にふ さわ しい情景 と心情を問 うもの) 手順

1.課

題 曲全体の範唱を聴 く (画面上の楽譜は、歌つている箇所の音符が赤 く表示 され る) 37b国立教育政策研究所『特定の課題に関する調査 (音)調査結剰

(20)

手順

2.上

のパー トを範唱 とともに

2回

歌 う (ゆつ くりのテンポ→普通のテ ンポ) 手順

3.下

のパー トを三段 日か ら範唱 とともに

2回

歌 う (ゆつくりのテ ンポ→普通のテ ンポ) 手順

4.全

体 を通 して、下のパー トを範唱 とともに

1回

歌 う (早いテンポ) ≪問題

2, 3,4≫

(声部の役割、強弱等表現の工夫を問 うもの) 手順5。 上のパ∵ 卜を範唱 とともに

2回

歌 う (うち

1回

は下のパー トも入 つた範唱で歌 う) 手順

6.下

のパー トを範唱 とともに

1回

歌 う ≪歌唱実技 ≫ (上記の問いを生か して演奏す ることを問 うもの) 手順

7.歌

唱練習を範唱 とともに

3回

行 う (テンポは遅い・ 中くらい・ 早いか ら任意 に選択す る) 手順

8.範

唱な しで歌い、録音 され る。 これを

2回

行 う。 (楽譜表示な し)

本課題よる上記手順8で実施された内容の結果

pは

、以下の通りである。

調査結果

(1)音

高】

①ほぼ正しい音高で歌つていると認められるもの

42.2%

②音高が違う箇所もあるが、ほぼ正しい音高で歌つていると認められるもの

20。

9%

①を正答、②を準正答とし、通過率を①②計

63.1%と

した。

調査結果

(2)音

価】

三段日、四段目を4つ のフレーズに分けて聴き、それぞれフレーズごとの音価につい

38p国立教育政策研究所 「特定の課題に関する調査 (音)調査結果」

(21)

て評価 した。 ①全てのフレーズにおいて、音価を正 しく歌つていると認められるもの 60。

7%

3つ

のフレーズにおいて、音価を正 しく歌つていると認められるもの

19.4%

① を正答、②を準正答 とし、通過率を①②計80.1%と した。 また、これ らの結果 と「調査I」 (基礎知識

)結

果 との関連性 も以下の通 り分析 されてい る。これにより、「音高や音価を正 しく歌つた り

,豊

かな表現で歌つた りした生徒は

,要

素 の働きを表す用語や記号の理解などに関する問題で正答数が多い傾向が見 られた」とされ ている。つま り、実技が高い生徒は基礎知識力 も高い傾向、とい う分析である (図 3・ 特 定の課題に関する調査結果の概要より)。 なお、前述 したとお り、本調査では対象生徒へ楽譜を提示 しているものの、範唱をかな りの回数にわた り聴かせている。 この調査の手順からは「読譜力」を測定 しているか どう かは議論の余地がある。診断テス トの実施にあたつては、範唱を頼 りとする「聞き覚えの 力」 と読譜力が混同しないよう、手順において配慮する必要があることを付記 しておきた い。 調査l 「楽議の基礎知畿」 を通過した岡田数 の平r‐J(令12岡) 歌 唱 実 撞 11青高

綱一勧

■6 12喘 輌 珀 遇 霧 その他 田 ヨ全: 「楽議の基礎知識」 を通過 した同■薇 の平均 (全12間) 嗽 嘔 家 餃 13離 趙 過 器 その 他 ●4 4輸 rl" な表現 通過 その他 あ 盤 ∨

I(音

楽の用語や記号な どの楽譜の基礎知識

)と

の関連 音高や音価を正 しく歌つた り

,豊

かな表現で歌った りした生徒は

,要

素 の働 きを表す用語や記号の理解などに関する問題で正答数が多い傾向が 見られた。 (図

30特

定の課題 に関す る調査結果の概要89pょ り) 39p国立教育政策

-01D『

特定の課題に関する調査=小学校音楽。中学校音楽r」概要バンフレット,p.17

(22)

2)診

断テス トの作成 前節の分析を踏まえて、音高感覚 と読譜力を測るための診断テス トを以下の条件で作成 した (楽譜1)。 ① 音域について 国研の課題曲同様、一点ハ

(cl)∼

二点二

(0ま

での範囲で設定 した。 ② 調号について ハ長調で作成 した。ガリl臨

000に

よれば、「ガ弩物にか ら大学までの音楽教育では

,音

高は 相対的であ りなが らどんな場合であつても下第一線に書かれた『 ド』 と読む固定 ド唱法が 広 く普及 している」40pと される。また、調号♯ ♭

1つ

程度まで、 とい う指導要領の範囲が あるものの、音楽においては「移動 ド」「固定 ド」の論議が未だ定まらないこと、事前アン ケー トの結果、対象生徒の移動 ド読み経験の有無にばらつきがあること、指導要領上にお いても、移動 ドは「適宜」用いることの記載であること、ピアノ・ ソルフェージュ等 「習 い事」として音楽教育を受ける生徒は固定 ドである場合が多いことなどの現状を踏まえた ことによる。今回の診断テス トは「移動 ド」「固定 ド」による能力差を測る趣 旨でないこと に留意 したためである。 ③ 臨時記号について 国研調査の課題曲同様、用いないこととした。 ④ 形式について 国研調査の課題曲と同様、二部形式 は一A・一

B―

パう とした。 ⑤ 使用 される音符 (休符

)に

ついて 国研調査の課題曲同様、全音符 (休符

)か

ら人分音符 (休符

)ま

での間を用いた。ただ し、付点音符は複付点音符を除く。 ⑥ 各音間の音程について 40bガ:1容K200め「公教育における音名唱指導の実態―質問紙調査による移動 ド・固定 ド唱法の比較 =」『地 域愧 (鳥取大学地域学部紀要)第1巻第2号っ.52

(23)

国研調査の課題曲同様、一度音程か ら五度音程まで とし、六度以上は用いないこととし た。特に一度か ら三度 までの跳躍 を中心に取 り扱 うこととした。

3)対

象者

1

高等学校 は、学校間の学力格差、芸術選択設置科 目等、学校 ごとに大きく異なる属性の 問題がある。本来であれば、様々な属性 の高等学校で同様の診断テス トを同条件で実施す ることが望ま しい ところであるが、時間的・ 物理的制約か ら、本小論においての対象は全 日制普通科、共学校で標準的な学力を有 している学校であることに留意 した。対象者は、

A県

B高

等学校第

1学

年生徒

90名

(男子

30名

、女子

60名

)と

した。 対象校は、創立

100年

を迎える中堅進学校

(1学

5学

200名

規模の全 日制普通科、 共学校 である。大学・短大・ 専門学校への進学希望が多数 を占め、 うち国公立大学は 10 名前後であるが、就職者 も

5%ほ

ど存在す る。 中学校での成績は中∼上位に位置 していた 生徒が多数 を占め、授業態度は比較的、安定 している。芸術科 日は音楽I・ 美術I・ 書道

Iか

らの必修選択

(2単

)で

あ り、その うち約

45%が

音楽を選択 してい る。 (楽譜 1)

(24)

4)実

施方法

(1)事

前アンケー ト (4月中旬) 以下の内容 について、4月中旬に回答 を得て、生徒実態の把握 に努める。 ・ 音楽経験の有無 (正課授業外の習い事

or部

活動での経験年数) ・ 現在の 自分の音楽スキル について (読譜の可否、 ピアノ演奏能力な ど)

(2)診

断テス ト

1(実

演形式・録音により記鋪

(4月

下旬) 事前アンケマ ト実施後 (4月 下旬)、 本章第

2項

1節

で作成 した楽譜

1を

使用 し、「診 断テス ト1」 を実施する。楽譜の理解には リズムの要素 と階名 の要素があるため、同一の 対象者に

3種

類のテス トを行 う。 ① 階猛読み課題 :楽譜から階嘱 を認識する能力を把握する。

16小

節の楽譜に階名 を カタカナで記載する。 ② リズム課題 :楽譜からリズムを認識 し表現する能力を把握する。 リズム譜 (音高 は示 さない

)を

手拍子で演奏す る。 ③ 歌唱課題

:楽

譜か ら音高感覚を認識 し表現する能力を把握する。上記 リズム内容 を組み合わせた楽譜を歌唱する。 上記①から③は、同一楽譜を基に作成 し、実施する。

(3)分

析 音楽についての経験群 と未経験群に分け、それぞれの熟達度を分析す る。その内容か ら、 現状の課題 を明 らかにす る。

(4)基

礎能力の育成へ向けた教授方略の検討 授業を通 しての改善策を検討 し、実施す る。「現場 に資す る方略」を 目指 し、できるだけ 簡易かつ実践的な内容 を検討す る。

(25)

(5)授

業の実施 (5月か ら6月 中旬) 上記で考案 した内容を、実際に実施 し記録す る。 5月 上旬∼6月中旬 にかけて行 う。

(6)診

断テス ト

2(実

演形式・録音によ り記録

)(6月

下旬)・ 事後 アンケー ト(7月 上旬) 診断テス ト

1で

実施 した内容 と同程度 のものを 「診断テス ト2」 として、授業の実施後 に再度実施す る (6月下旬)。 その後、生徒の心象等 を把握す るため、事後アンケー トを実 施す る (7月上旬)。

(7)効

果の検証 診断テス ト1と 診断テス ト

2を

比較検討 し、 どの程度の改善が見 られたかを検証す る。

(26)

2章

診断テス トの実施 と分析

1

事前アンケー ト

1)実

施 内容

(1)実

施 時期

2014年

4月 14日∼15日に実施 した。

(2)実

施方法 質問紙法により実施 した。質問項 目は以下の通 りである。 ①芸術選択で、音楽を選択 した理 由を教 えて くだ さい。 (複数ある場合は、一番近い ものを回答 して くだ さい) ア

.進

路に必要であるか ら イ

.音

楽が好 きだか ら、よ り深 く追求 したいか ら ウ

.美

術、書道が苦手なので、結果的に選んだ 工。その他 ②あなたの音楽経験について、教えてください。(種類 と期間) ア。今までに学校以外で音楽を習つたことのある人 イ

.学

校内で音楽関係の部活などの経験のある人

,ウ

。学校以外の音楽関係サークルなどの経験者 ③楽譜の 「ドレミ」をどのくらい読めますか

?

.だ

いたいす ぐ読める。 イ。ゆつくり数えなが らなら読める。(ドレミを書かなくても読める) ウ。前 もつて 「ドレミ」を書けばなんとか読める。 工。ほとんど読めない。(ドレミを自分でふる自信がない) ④楽譜の「リズム」をどのくらい読めますか

?

.だ

いたいす ぐ読める。

(27)

.Jや

コ (四分音符 0人分音符

)く

らいまでの簡単なものなら、す ぐ読める。 ウ。ゆっくり考えてか らならなん とか読める。 工

.ほ

とんどわからない。 ⑤下記の楽譜について、これまで学校で

1, 2ど

ちらの読み方を教わ りましたか

?

1.ド

2.フ

アソ ド シ ド ファミフア レ   ソ ミ ヽ   ラ ミ ヽ   ラ ⑥下記の中で、率直に今できるようにな りたいことは、なんですか

?

(それぞれ、とても思 う・ そ う思 う・ どちらともいえない ・ そ う思わない より 選択) ・ 歌を うまく歌えるようにな りたい ・ ピアノが うまく弾けるようにな りたい ・ ギターが うまく弾けるようにな りたい ・ ドラムが うまく叩けるようにな りたい ・楽譜をすぐに読めるようにな りたい ・ 曲が作れるようになりたい

2)ア

ンケー ト結果 ① 芸術選択で、音楽を選択 した理由を教えてください。

90名

中、「ア

.進

路に必要であるから」が

6名

C.70/OJ(小数点第

2位

を四捨五入、以下 同 じ)、 「イ

.音

楽が好きだから、より深 く追求 したいか ら」が

58名

G4.40/Ob、 「ウ

.美

術、 書道が苦手なので、結果的に選んだ」が

24名

06。70/Ob、「工。その他」が

2名

0.20/OHであっ た。高等学校芸術科 目は選択科 日として設置 されている場合が多 く、当該校 もその例に漏

(28)

れない。しか し、選択動向を見ると、「ウ」の消極的選択者が約

3割

いること、つま り必ず しも好 き・得意 とい う動機での履修ではない生徒がそれな りに存在 しているとい うことに 留意す る必要がある。学校によつては 「教材費が美術 よ り安価であるか ら」等の理由が選 択動機 となっているケースもある。 ② あなたの音楽経験について、教えてください。 ここでは学校における正課授業以外での音楽経験を尋ねた。「ア。今までに学校以外で音 楽を習つたことのある人」単独を選択 した者は

38名

(36。 70/Ol、 この項 目と「イ

.学

校内で 音楽関係の部活などの経験のある人」両方を選択 した者は

17名

(18。 90/Ob、

B単

独を選択 し た者は

6名

G。70/Op、「ゥ。学校以外の音楽関係サークルなどの経験者」は

0名

、経験なしが

34名

07.80/OHであつた。授業履修者の約

6割

が、何 らかの形での音楽経験を持つているこ とになる。主な経験楽器を見ると、アは鍵盤絲 ピアノ・電子オルガン)が

50名

46名

、 イは管楽器が

23名

中 18名 と、多数を占めた。なお、アの平均経験年数は 6.8年、イの平 均経験年数は 3.0年である。 ④ 楽譜の「 ドレミ」をどのくらい読めますか

?

この項 目は、経験群 (計

56名 )と

未経験群 (計

34名

)で

大きな差が見 られた。「ア. だいたいす ぐ読める」を選択 した者は、経験群

31名

(55。40/Opに対 して未経験群 1名0.9°/OH、 「イ。ゆつくり数えながらなら読める」を選択 した者は、経験群

21名

07.50/Opに対 して未 経験群

20名

(58.80/OH、 「ウ。前もつて「ドレミ」を書けばなんとか読める」を選択 した者 は、経験群

4名

(7.10/Opに対 して未経験群

9名

K26.50/OD、 「工。ほとんど読めない」を選択 し た者は、経験群

0名

に対 して未経験群

4名

に。4%)と い う結果であつた。未経験群は、楽譜 をいわゆる「かぞえ読み」する程度のスキル と自己認識 している割合が高いことか ら、読 譜へのハー ドルを うかがわせる結果である。

(29)

④ 楽譜の「リズム」をどのくらい読めますか

?

この項目も上記③同様、経験群と未経験群で大きな差が見られた。「ア.だ いたいすぐ読

める」を選択した者は、経験群

27名

鮨 。

20/Opに

対して未経験群

1名0.9°/。 9、

「イ

.Jや

(四

分音符

0人

分音符

)く

らいまでの簡単なものなら、すぐ読める」を選択した者は、経験群

26名

K46.40/Olに

対して未経験群

11名02.40/Op、

「ゥ.ゅ っくり考えてからならなんとか読め

る」を選択した者は、経験群

0名

に対して未経験群 17名

60.0°/。 H、

「工。ほとんどわから

ない」を選択した者は、経験群

3名

6.40/Olに

対して未経験群

5名

(14,70/Obと

いう結果であつ

た。リズムに関して、③の「ドレミ」以上に未経験群が苦手としている傾向がうかがえる

: ⑤ 下記の楽譜について、これまで学校で

1, 2ど

ちらの読み方を教わ りましたか

?

小・ 中学校における指導で、階名唱を経験 しているかを問 う項 目である。階名 とい う単 語の意味を把握 していない生徒 もいるため、このような質問方法 とした。

90名

中、

1(階

)を

選択 した者は 13名(14.40/Ob、

2(音

)を

選択 した者は

77名

05.60/onでぁった。地 域差等 もあろうが、階名唱の指導はあま り行われていない (または生徒へあま り浸透 して いない

)実

態が見て取れる結果である。 ⑥ 下記の中で、率直に今できるようにな りたいことは、なんですか

?

ここでは、生徒の音楽に関する志向性 を見るもため

6つ

の項 目を立て、それぞれ 「とて も思 う6そう思 う 。どちらともいえない・そ う思わない」より選択を求めた。

・歌をうまく歌えるようになりたい

「とてもそう思う」57名

03.30/om、

「そぅ思う」

い」4名 に

,4%)、

「そう思わない」

0名

であつた。

・ ピアノがうまく弾けるようになりたい

「とてもそう思う」35名

08。90/ol、

「そう思う」

い」

12名

(13.30/Ob、

「そう思わない」

6名

G.70/Oy、

29名

e2.20/Om、 「どちらともいえな

36名 に

0.0°/。p、

「どちらともいえな

未回答

1名(1.10/。Dで

あつた。

(30)

・ギターがうまく弾けるようになりたい

「とてもそう思う」39名 に

3.3%)、

「そう思う」27名

(30.00/OH、

「どちらともいえな

い」

22名

04.40/OH、

「そう思わない」

2名

0。20/OJ、

未回答

0名

であつた。

・ ドラムがうまく叩けるようになりたい

「とてもそう思う」

29名

02.20/Ob、

「そう思う」

08.90/OJ、

「どちらともいえない」

27

00.0°/。9、

「そう思わない」

7名(7.80/Ol、

未回答

1名(1.1°/。bで

あつた。

・楽譜をすぐに読めるようになりたい

「とてもそう思う」

46名

61。1°/。 b、

「そう思う」

04.40/OJ、

「どちらともいえない」

11

(12.20/OH、

「そう思わない」

0名

、未回答

2名

0.20/Omで

ぁった。

・曲が作れるようになりたい

「とてもそう思う」16名

(17.80/OJ、

「そう思う」19名

01.1°/。l、

「どちらともいえな

い」

36名

0.0°/OD、

「そう思わない」

19名01.1°/。b、

未回答

0名

であつた。

上記

6項

目について、プラス志向の回答である 「とてもそ う思 う」 と「そ う思 う」を合 計 したものは、それぞれ以下の通 りである。

・歌をうまく歌えるようになりたい :86名

05.50/oJ

・ ピアノがうまく弾けるようになりたい

:71名

(78.90/OJ

・ギターがうまく弾けるようになりたい

:66名

(73.30/On eド

ラムがうまく叩けるようになりたい :55名

1.1°/Ol

・楽譜をすぐに読めるようになりたい 177名 05.5%)

・曲が作れるようになりたい

:35名

08:90/oH

最も高い項目が「歌をうまく歌えるようになりたい」

、その次に高いのが「楽譜をすぐに

読めるようになりたい」であつた。つまり、これらについて生徒のニーズが高いというこ

とがうかがえる。

(31)

2

診断テス ト

1(入

学 当初の調査)

1)テ

ス ト内容

(1)鋤

2014年

4月

21日

28日

に実施 した。「階名読み」、「リズム課題」、「歌唱課題」の

3段

階に分けて実施 した。階名読みについてはクラス単位での一斉筆記での実施、リズム課題、 歌唱課題は個別実施である。なお、実施順は①②③ とし、②③は①実施後、別 日での実施 とする。

(2)階

名読みテス トの方法 楽譜上の階名 を認識す る力が どれだけ備 わつているかを把握す るため、以下の手順 に沿 つて階鳴 読みのテス トを行 つた。

① 対象者に「診断テス ト

1-1(階

渚読み

)」 (楽

譜2)と ス トップウォッチを配布。

② クラスー斉に実施。開始と同時に各自タイム計測スター ト。

16小

節の階名をカタカナで記載し終えたら、計測終了。

④ 回答に計測結果を添えて提出。

(32)

診断テス ト

1(階

名読み

) ( )内に音の名前 をカタカナで記入 して くだ さい。 終了

:(

)分

(

)秒

(楽譜2)

(3)リ

ズム課題テス トの方法 楽譜からリズムを認識 し表現する能力を把握するため、個別による実演形式でのテス ト を実施 した。 このテス トは後述の歌唱課題 と運動 して実施する形態を取つた。一連の実施 方法については、以下の通 りである。 ① 待機場所か ら一人ずつ個室へ移動。 ② 「診断テス ト

1-2(リ

ズム)」 (楽譜

3)お

よび「診断テス ト

1-3(歌

唱)」 (楽 譜

4)を

提示。 ③ 予見時間を

2分 30秒

設定 し、楽譜を予見し ④ 任意のテンポで手拍子により「診断テス ト

1-2(リ

ズム)」 を魏 ⑤ 続いて歌唱課題に移る。C・

dur上

行形 (ハニホヘ トイロハ

)と

最初の音 (ハ音) をピアノで示す:

(33)

⑥ 任意のテンポで歌唱により「診断テス ト

1-3(歌

)」

を実施。

(4)歌

唱課題テス トの方法 音高感覚を認識 し表現す る能力 を把握す るため、個別 による実演形式でのテス トを実施 したふ このテス トは前述の リズム課題 と連動 して実施す る形態 を取つた。一連の実施方法 については、前項に記載の通 りである。なお、生徒へは 「診断テス ト

1-3(歌

唱)」 (楽 譜

4)と

して提示 しているが、内容は楽譜 1と 同一のものである。

診断テス ト

1…

2(リ

ズム

) リズムを手で打ちましよう。「

1,2,3,4Jと

カウントしてから始めてください。

6礎

4¬

に 車 ♯

JLに J↓

Lに

上 り

_一

キ 到

(繰り返 し)

(繰り返 し) (楽譜 3)

(34)

診断テス ト

1…

3(歌

) ドレミで歌いましょう。「

1,2,3,4Jと

カウントしてから始めてください。 (楽譜

4)

2)テ

ス ト結果 階名読みテス トはテス ト用紙 (楽譜

2)を

回収の上、分析 を実施 した。 リズム課題テス トと歌唱課題テス トは、その実施状況 を全て記録 し、分析 を実施 した。記録機材 には、

SONY

HDR・PJ790(5。

lchサ

ラウン ドマイク付 きビデオカメラ

)を

用いた。 リズム と音程の判定 は筆者によ り行 つた。

(1)階

名読みテス ト 対象

90名

中、欠席1名を除 く

89名

についての結果 を得 ることができた。(図4・ 階名 読み時間4月)

1分

未満(∼

59秒

)で実施できた者は、楽譜 を階猛 で読む ことに熟達 していると判断 し、

A群

とした。 これは、音楽熟達者

10名

(いずれ も音楽専攻大学生 。大学院生

)へ

事前実

(35)

施 した結果、全員 が

30秒

台か ら

50秒

台の範囲での回答であつたことか ら、この結果 を基 に定義 した。

60秒

以上かかるものは、階猛 を 「かぞえ読み」す る傾向の強い層 と判断 し、

90秒

未満 (∼

89秒

)を

B群

90秒

以上を

C群

とした。 その結果、欠席者1名を除 く

89名

中、

A群

31名

34.8%(う

ち経験群

29名

、未経 験群

2名

)、

B群

28名

031.5%(う ち経験群 19名、未経験群

8名

)、

C群

30名

33.7%

(う ち経験群

7名

、未経験群

23名 )と

い う結果 を得た。なお、回答 した内容に一部誤 り のあつた者が

8名

お り、全員が

C群

の生徒であつた。 最小値 最大値 平均値(秒) 33 57 47.8 61 85 72.6 90 264 122.8

階名読み時間口

4月

1上

I i出

1

i

0   席

Att Btt C群 (∼59秒) (60∼89秒) (90秒 ∼) ■経験群 日未経験群 ■合計 (図4・ 階名 読み時間 4月)

(2)リ

ズム課題 テス ト 対象者

90名

中、欠席

2名

を除 く

88名

につ いての結果 を得 ることがで きた。(図5・ リ ズム課題4月)

(36)

設定 した楽譜

3は

、楽譜

1の

リズムを取 り出 した ものであ り、

1∼ 4小

節の リズムを診 断テス ト

1-2(リ

ズム

)一

①、9∼

12小

節の リズムを診断テス ト

1-2(リ

ズム

)一

② として示 した。両方 とも繰 り返 しを設定 し、合計

16小

節を リズム課題 として構成 した。

16小

節 中、正 しくリズムを取 ることができた小節数 をカ ウン トし、達成度 を測 るスコア とした。その結果、経験群

54名

(欠席者

2名

を除 く

)の

平均スコアは 13.7ポ イン ト、未 経験群

34名

の平均スコアは8.4ポイン ト、全体の平均スコアは 11,6ポ イ ン トであつた。 (図

50リ

ズム課題 4月)

(3)歌

唱課題テス ト 対象者

90名

中、欠席

2名

を除 く

88名

についての結果 を得 ることができた。 診断テス ト

1-3に

55箇

所の音間があ り、その うち何力所で相対的に正 しい音程 を 取れているかを判定 した。なお、半音に満たない音程の差は、許容 した。合計の正答率は

53.8%(29.6/55点

)で

あつた。 これ を経験群 と未経験群 に分けて集計 した ところ、経 験群は

68.5%(37.7/55点

中)、 未経験群は30。

3%(26.7/55点

中)であつた。 正答以外の部分において 「正確 にとれていない箇所」の うち、明 らかに音程が逆行 (上 7   4   0 均 ︲3 . a   ︲1 . 平 リズム課題・4月 (人数に対する割合) 50°76 40●X 30% 200X 100X O% 8.80X 3.8% 8.協 14.務 _ 11.1% 11.1%11 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0●A 5.996 5,9% … 2,996 _“ │ 11 ■ 4 5 6 7 8 9 10 11 12 ‐‐日 経験群% ‐‐‐ 未経験群96 -一― 合計%

参照

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