社
会
系
教
科
教
育
学
会
『社
会
系
教
科
教
育
学
研
究
』
第21
号 2009
(pp.91-100)
アメリカ合衆国におけるES
L社会科の発展
-1980
年代と2000
年代のアメ
リカ史のテキス
ト構成の比較を通
して一
Development of Social Studies Lesson for ESL Class in the United States of America:
Through the Comparison of
the Struct
ぽ
e of American History Textbooks in 1980s and 2000s
南
浦
涼 介
(広
島
大
学
大
学
院
)
I。は
じめに
外国人児童生徒と呼ばれ
る
,外国にルー
ツを持
つ子どもは年々増加
している
。彼らは,言語的
・
文化的に複
数の枠組み
を自身に内包
している子ど
もである
。こう
した子
どもたち
を考慮に入れ
ると
,
「 ̄
日本語を話す日本人
」という,教育学上の子ど
も観の前提は覆
され
,カ
リキュラム
レベルでも,
授
業レベル
でも
,変革が要請され
る起因となる。
社会科授業は
,外国人児童生徒にとってと
りわ
け困難な教科である
。それ
は,社会科授
業が彼
ら
にとって
「言語の壁
」と厂
文化の壁」とい
う
,二
重の壁
を持
っているからである。
匚
言語の壁
」とは
,社会科授
業が社会概念
を扱
うなど
,抽象的か
つ認知的な負担度も高いと言わ
れ
る言語を多用する
ことによ
り起
因する壁である
(Cummins
& Swain,
1986)
。会話
レベルの
日本語
を習得
しても
,学習参加はできない。匚
日本語を
話す
」ことを前提に作られた
カリキ
ュラム
・授業
は,外国人児童生徒
らにとってこうした困難が
あ
る。
「文化の壁
」とは,社会科授業の内容が
,教室
を構成する児童生徒や教師が共有する文化的文脈
に依存
して行われ
ることによ
り起
因す
る壁
である
。
社会科では
,専門語彙が語義的な意味のみ
で用
い
られず
,文化的意味をもって用いられる
(Weisman
& Hansen,
2008)
0例
えば
,匚
農
業」と
いう言葉は
,単に語義的な意味で使われるの
では
なく
,匚
農業」が持つ歴史的背景,社会的問題
を
含めた文脈
で使われ
る
。また
,理解のために
,日
本の
文化的文脈を教
え込まれ
ることは
,文化的同
化の危険性も有
している
。匚
日本人である」こと
を前提に作られた
カリキ
ュラム
・授業は
,外国人
児童生徒らにとってこうした困難がある
。
こうした子どもたちは
,日本語を習得すること
がまず優先され
,国語や社会など,言語的負担の
高い授業の時間に
,別教室に取り出され,日本語
授業が行われることが多い
。しか
し,彼らにとっ
て
,日本語を習得することは最終目的ではない。
日本語を通して行われる教科の学力の獲得こそが
必要であり
,そのためには,日本語学習と教科学
習の統合をどうするかが問題となる
(例えば
,斎
藤,
1999)
。このように,外国人児童生徒の社会
科には
,言語と文化の二重の壁を乗り越える,授
業構成に
ついての再検討が必要となる。
こうした問題意識を持ちながら
この課題を考え
るために
,これまで歴史的に移民を多く抱えてき
たアメリカ合衆国
(以下
,アメリカ)に着目する。
アメリカにおいて
,言語的マイノリティに対し
ての教育形態は
,目的的にも方法的にも多様だが,
大きく3つのタイプに分けることができる
1つ目は匚
同化型」と呼ぶことができる。匚
。
サ
ブマ
ージョン」(submersion)
といわれる形態で
あり
,これは,言語的マイノリティに対する特別
な措置はなく
期待されるのは,英語習得,英語文化の習得であ
,通常クラスに入れられる。そこで
る。
2つ目は匚
支援付同化型
」と呼ぶことができる。
目的としては英語習得が目指されるものの
,その
プロセスとして英語習得のための支援がつくもの
である。これには大きく2つの方法がある。第
1
は
,
「 ̄
E
S
L」(English
as
a Second Language)
と呼
ばれる
,第二言語としての英語を習得させるため
の特別クラスの形態である。第2は,匚
移行型バ
イリンガル」(transitional bilingual education)
で
ある
。これは
,英語の習得
を最終
目的に置くもの
の
,母語
を活用
しなが
ら移行
させ
ることを目指
し
ている。
3つ目は
「 ̄
統合型」と呼ぶ
ことができる。
「 ̄
維
持型バイリンガル
」(maint
・ance bilingual
edu-cation)
という形態である
。これは生徒の少数派
言語
を伸ば
し
,文化的アイデンティティを強化す
ることを目指すもので
,少数
民族集団の権利を肯
定する教育である
。こうした形の維持型バイ
リン
ガルは
,同化を阻み
,かつ,マジ
ョリテ
ィの文化
か
ら離脱
し
,当該民族集団の文化内でのみ
生きる
のでもない
,2つの
文化の統合に結びつく。
アメ
リカでは,
1960
年代以降
,匚
支援付同化型」
や匚
統合型
」が増加
したが,
1990
年代以降は匚
統
合型
」が姿
を消
し,匚
支援付
同化型
」が中心となっ
て
いる
。
これ
は,
1990
年代
以降の匚
イン
グ
リッシ
ュ
・
オンリ
ー
」(English Only)
という運動の高揚が
原因と言われ
ている
。これは
,既存のバイ
リンガ
ル教育を
「 ̄
ア
メリカ文化
を根底か
ら崩壊させるも
の
」匚
英語に
よる十分な能力形成を阻害す
るもの
」
と
して
,どの
民族にも英語習得
を達成させようと
いう運動
一方日本では,
である
(小林,
1990
年代以降に外国人児童生徒
2007)
。
が
多くなりは
じめた
。以降,徐々に教育支援施策
が整備
され
は
じめ
,現在
,地域
によってはサ
ブマー
ジョンの形も多いものの
,全体的には取
り出
し授
業による日本語支援がなされつつある
(佐藤
2003)
。つま
り,匚
同化型」と匚
支援付同化型」が
混在
している状況である
。こうした状況か
ら,ア
メリカに
おける匚
支援付同化型」のタイプである
E
S
Lクラスの社会科に着
目す
る。
南浦
(2009
)では,アメリカ
E
S
Lクラスの社会
科教育に着目
し,
Cruz,
et
al.。
(2003
)のテキス
ト
を分析
し
,特
質から日本への示唆について言及
し
ている
。
しか
し,これ
はあくまで一事例にすぎな
い
。外国
を事例
に授
業構成の
示唆
を得るためには
,
より広範な検
討が必要である
。
そこで小論では1986
年と2008
年の
2種類のESL
社会科テキス
トの分析
を行
い
,テキス
トの構成の
背後に
ある授
業構成の理論の質的な違いを通
して
,
その発展の様相の一片を考察
した
い。
n。分析の枠組み
1.分析対象
E
S
Lク
ラスのための社会科授業のテキス
トとし
て
,今回分析対象として取り上げたのは,次の2
つのテキス
トである。
① Terdy,
D.
(1986).Ce
現tent
A?
?a
ESL:
Social
Studies。
② Cruz,
B. C. &Thornton,
S. J.
(2008)。
Teaching
Social
St
μ
誚
圃応召'nglish
£
α
砌
Γ
μ
α
g
e
£earners。
①は,
1986
年に,
ESL教師のTerdy,
Dによって
作成されたもので
,20
年経った現在でも入手する
ことが可能であり,また,引用されることも多い
ことから,
1986
年時の典型的な事例として取り上
げた。また,②は,
2008
年にサウスフロリダ大学
のCruz,
B.
C.とThornton,
S.
Jに
ょって作成され
たものである
。 Cruz
らは,マイノリティを対象と
した社会科教育や多文化教育の研究者であり,近
年
,この方面の第一線の研究者である。②は現在
の
E
S
L社会科の中でも先端的な事例といえるだろ
つ
o
この20
年前の典型的事例である①と,現在の先
端的事例
アメリカ史領域の1890
である②に共通して取り上げられている,
年代初頭の歴史的事象であ
るDレイジアナ買収」(Louisiana
P
ujr
c
h
as
e
)によ
る匚
アメリカの領土拡大
」(Westward Expansion)
と,それに伴う
厂
ルイスとクラークの探検」
(Lewis
& Clark's Exploration)
を題材とした授業
を分析し,その特質の比較を行っていく。
さらに,上の①の社会認識内容を明確にするた
めに,同時代の一般クラス用教科書(King,
et
al。
,
1986)
での当該内容の記述も分析した。
2。分析の視点と方法
(1)
CBI
の原理
E
S
Lクラスの教科指導の基本原則として第二言
語教育の分野で現在注目されているのが,
Content Based Instruction
(C
B
I :
内容重視の教授
法)という方法である。英語を第二言語として学
習中の生徒(English Language Lerner:
E
L
L生徒)
の多くは日常英語会話ができても
,教科内容を理
解するレベルの英語の習得には困難である。そこ
社
会
認
識
教
育
と
して
の
内
容
⑥
社
会
第
二
言
語
教
育
と
しての
題
材
第
二
言
語教
育
と
しての
内
容
図I CBI
の
社
会
認
識教
育
と第
二
言語
教
(筆
育
の
者作
関係
成
)
で
,教科の
内容
を学習
しつつ,そのために必要な
英語力をつけていくという取
り組みがな
され
る
。
そ
こで登場
したのが
,上記の
C
B
Iである。これ
は,
価値ある興味深い内容
を学習者に与える
ことで
,
言語と概念の両方の発達を目指す考え方であり
,
子ども
を対象と
した場合
,この
「価値
ある興味深
い内容
」は教科学習に相当するといわれる
(Snow,
et
al.。1989)
。
こう
した観点か
ら
,社会科における教科内容と
方法
,第
二言語教
育における内容の
関係
を示しだ
のが
,上の図
1である。
図
1では学習の
主体で
ある学習者を右に
,学習
の
対象となる社会
(⑥
)を左に
,対象となる社会
を学習者が理解
した
り
,参加
した
りするア
プロー
チ
を矢印
(⑧
)で
示
した
。社会
認識教育にとって,
⑤は学習内容であり
,⑧は学習方法に相当する。
第
二言語教育にとっては
,⑧が学習内容とな
り,
①がそのための学習の手段と
しての題材である
。
この
ように,
CBI
の考え方では⑤
を学ぶ
ことが
社会認識教育の側面をもち
,そのためのア
プロー
チ
となる⑧
を学ぶ
ことが
,第二言語教育の側面を
持
つという
,相互補
完的な関係
を形成
して
いる。
そ
こで⑤
を
,小論では
「 ̄
学習対象
」と表
し,⑧
を匚
学習過程
」と表す
。これ
ら⑥
と⑧の特質
を抽
出
し
,さらに⑤と⑧の関係か
ら
C
B
Iのテキス
ト構
成の特徴
を考察する。
(2)質的分析による分析手法
上にあげたテキス
トは,それ
ぞれ
,異なる性質
を持
つ
。①のTerdy
(1986)
は,読解テキス
ト兼
ワークブックである。
また,②のCruz
&
T
が示
h
o
mt
された実践事例集である
o
n
(2008
)は活動事例の展開方法や留意点
。こう
した性質の分
析
対象の
性
質上
,小
論
では
,それ
ぞれ
の
テキス
ト
の
記述
文
を
,質
的分
析に
よっ
てコー
ド
(概
念
)イヒ
し
,それ
をも
とに
して
,それ
ぞれ
の
テ
キス
トの
学
習
対象
と学
習過
程
の
特
質
を抽
出
す
る
と
い
う方法
を
と
った
。
Ⅲ.
Terdy
(1986)
の分析
1.全体構成
Terdy
(1986)
の全体概要は
,表
1に示
した。
Terdy
(1986)
は
,アメリカ史の学習を基軸に
し
て
,各
レッス
ンでは,それ
ぞれの時代の特徴的な
テ
ーマ
を取
り上げ,それ
を通史的に配列
している
。
また
,テー
マによっては,地理的スキルや経済的
スキルなどの社会的スキル
を資料の読み取
りか
ら
育成
しようと試み
ている。
表
I Terdy
(1986)
の
全
体構
成
課
◆
ユ
ニッ
ト1
I
.ネイティ
ブ・
ア
メ
リ
カ
ン
2
.初期
開拓
民たち
3
.独立
戦争
4
.国
家の始
ま
り
◆
ユ
ニッ
ト2
5
.酉漸
運動
6.北
と南
7.市民戦
争
8
.国の
再建
と成長
◆
ユニ
ッ
ト3
9
.産業
の発展
10.
初期
の移民
11.
第
1次世界
大戦
12.
よ
い時代悪
い時代
◆
ユニ
ッ
ト4
13.
ニ
ュー
・ティー
ル
14.
第二次
世界大
戦
15.
国際連
合
◆
ユニ
ッ
ト5
16.
国の繁
栄
17.
公民権
運動
18.
今日の
ア
メ
リカ
文法
過去時
制他
過去時
制他
代名詞
等位接
続詞
従属
接続詞
比
較
冠詞
肯定否
定
前
置詞
,
最上
級
従
属接続
詞
冠
詞
接続詞
目的語
の接続
詞
接続詞
受動態
従
羂接続
詞
接続詞
資料読解
-地図と記号
地
図と領域
チャ
ー
ト
ダイヤグ
ラム
ルー
トの地
図
棒グ
ラ
フ
地
図記号
、表
統計
図表
統計
図表
円グ
ラ
フ
年表
線グ
ラ
フ
表
年表
ダ
イヤグ
ラム
棒グ
ラ
フ
線グ
ラ
フ
棒、
円グ
ラフ
(Terdy 1986: iv.
よ
り筆者作成)
2.レッスンの構成
(1)学習対象の構成
次に,学習対象である.ここで取り上げるのは,
レッスン
5の
「西漸運動」(Terdy,
1986: 44-51)
である.学習対象の比較のために,分析したKing,
eX㎡・(1986)
の同単元
「アメリカの国境の拡大」
(America's
E
χ
p
a
n
d
i
n
g Borders, King,
et
al
1986:
161-167)
の記述をコード化し,学習対象を比較
表 2 Terdy (1986) とKing, et al.
(1986)
の 社 会 認 識 内 容 の コ ー ド比 較
Terdy (1986)から抽出されたコード
King, etal.。(1986)
から抽出 されたコード
(記 述 な い ジ ェ フ ア ー ソ ン に つ いて ・ ジ ェ フ ア ー ソン の功 績 リ レイ ジ ア ナ 地 域 の編 入 リ レイ ジ ア ナ 購 入 の 背 景 と意 義 フ ラ ン ス の 情 勢 と ル イ ジ ア ナ の 購 入 の 関係 につ い て ・ フ ラ ン ス= ナ ポレ オン の 北 ア メ リカ 支 配 希 望 ・ ル イ ジ ア ナ 支 配 権 の スペ イ ン か ら の 移 動 ・ フ ラ ン ス の 北ア メ リ カ 支 配 に対 す る 警戒 リ レイ ジ ア ナ 購 入 の た め のフ ラン ス 外 交 ・ ア メ リ カ のル イ ジ ア ナ 購 入 の過 程 (記 述 な し) 合 衆 国 の ル イ ジ ア ナ 購 入 の 影 響 に つ いて リ レイ ジ ア ナ 購 入 に 際 す る 憲 法問 題 の発 生 ・ ジ ェ フ アー ソン に よ る問 題 解 決 ・ ル イ ジ ア ナ 地 域 の 探 検 の背 景 ・ 過 程 ・ 意義 ・ そ の 他 の 探 検 ル イ ス と ク ラ ー ク の探 検 につ い て ・ 探 検 の 目的 と過 程 , 成功 ・ イ ン デ ィ ア ン の協 力 ・ フ ロ リ ダ の 購 入 の 背 景 と意 義 そ の 他 の 領 土 拡 大 につ い て (記 述 な U ・ 合 衆 国 の 領 土 拡 大 と影 響 領 土 拡 大 の 影 響 に つ い て リ レイ ジ ア ナ 購 入 の影 響 ・ 国 家 分 離計 画 の浮 上 と失 敗 ・ バ リ の独 立 計 画推 進 と失 敗 ,裁 判 の 過 程 ・ ネ イ テ ィ ブ ・ ア メ リ カ ン ・ サカ ガ ウィ ア の 活 躍 ・ サ カ ガ ウィ ア の 現 代 へ の影 響 ネイ テ ィ ブ・ ア メ リ カ ン に つ い て (記 述 な し)
(Terdy, 1986: 44-51; King, et al.,
1986: 161-167. よ り 筆者 作 成)
し た も の が 表 2 で あ る。
表 2 か らTerdy (1986)
の 学 習 対 象 は 次 の よ う
に ま と め る こ と が で き る。
⑥ ど ち ら も 匚フ ラ ン ス の 情 勢 と ル イ ジ ア ナ の 関
係JD
レイ ス と ク ラ ー ク の 探 検 」 匚領 土 拡 大 の影
響 」 につ い て の 記 述 が な さ れて い る 。
⑤ King ぺX α/。(1986) に 比 べ , 記 述 量 , 知 識 量
は 小 さ い 。
⑥ 多 文 化 的 な 記 述 が な さ れ る 。 例 え ば, Terdy
(1986)
が 「 ̄
ネ イ テ ィ ブ ・ ア メ リ カ ン」 と 表 現
さ れ る の に 対 し, King, et al.。
(1986 ) で は ,
匚イ ン デ ィ ア ン」 と 表 現 さ れ る。
⑥ 多 文 化 的 な 内 容 が 取 り 扱 わ れ る 。 Terdy
(1986)
で は, テ ー マ と し て , ア メ リ カ の 人 物
と し て, 探 検 に協 力 し た シ ョ シ ョ ーニ 族 の サ カ
ガ ウ ィ ア の 探 検 へ の 協 力 と 生 涯 が 記 述 さ れ る。
⑥ 資 料 読 解 で 社 会 的 ス キ ル を 保 障 す る 「 匚西 漸
運 動 」 で は地 図 の 読 み取 り )。
こ の よ う に, Terdy (1986) の 学 習 対 象 は, 通
史 的 ア プn − チ を と り , そ れ らを 多 文 化 に 考 慮 し
た 記 述 で 説 明 し , さ ら に マ イ ノ リ テ ィ に つ い て の
言 及 な ど, 多 文 化 的 な 内 容 を 付 加 して い る。 ま た ,
社 会 科 の 多 様 な ス キ ル が 付 加 さ れ て い る。
-(2) 学 習過 程の構成
次 に, 学習 過程で あ る。 学習 過程 は次 の ように
展 開さ れる (表 3)
。 こ のよう に, 学習 過 程 は,
まず読 解前 活動 によ る読 解内容 に関 する スキーマ
の活性 化 とその後 の読解, 読解 後の語彙 の確 認,
そ の後, 読 解の中 にあ る社会認識 内容 の確認, 文
法 の確認 と, そ れを 社会認 識 内容に 関す る文 章を
通し ての理 解, 資料 の読 み取 り, そ してレ ッ スン
の内 容に関 す る意見 の陳述 , 概要総括, ま たレ ッ
スンに登場 した人物 な どに成 り代わ った形で の手
紙作 成な どの作文 活動 が行 わ れる。
こ のよ うに, Terdy (1986) で は, 上 の
(1)
で述
べ た社会認 識内容 を,読 解・語 彙・文 法表現 ・作
文 スキル の習得を 通して 理解 する ように構成 さ れ
てい るo
表 3 Terdy (1986) の学 習過程
活 動 過 程 ① 読 解 前 活 動 ② 読 解 ③ 語 莖 確 認 ④ 内 容 確 認 ⑤ 文 法 ⑥ 資 料 読 解 ⑦ 作 文活 動 内容
読解 前 の ス キーマ 活 性化
社 会認 識 内容 の読 解
重 要語 莖 の意 味確認
社 会認 識 内容 の 事項 確認
社 会認 識 内容 に よる 文法 理 解 と運用
資 料・ グ ラフ か らの 読 み取 り
意 見 陳述 ,概 要総 括 ,ロ ール プ レイ
(Terdy, 1986: 44-51. よ り 筆 者 作 成)
94 −IV. Cruz a Thornton (2008 ) の 分 析
1. 全 体 構 成
次 に 取 り 上 げ るCruz & Thornton (2008)
は ,
教 師 が 自 ら 実 践 を 作 る こ とを 可 能 に す る た め の実
践 事 例 集 で あ る。 全 体 は 匚理 論 編 」 匚実 践 事 例 編 」
匚資 料 編 」 か ら 構 成 さ れ る 。 厂理 論 編 」 で はELL生
徒 の 特 徴 や 第 二 言 語 教 育 の理 論 , 社 会 科 教 育 の理
論 が 説 明 さ れ, 匚実 践 事 例 編 」 は 地 理 , ア メ リ カ
史 , 世 界 史 , 政 治 と市 民 , 経 済 , 人 類 ・ 社 会 ・心
理 学 , 論 争 的 問 題 か ら 構 成 さ れ る( 表 4)。
表4 Cruz a Thornton (2008 ) の 全 体 構 成
題材 言 語段 階 命 地理 縮 尺 の概 念 ア フ リカ∼ 自然 地理 と 人 口 南イ ン ド にお け る女 性 労働 環 境 の適 応∼ スイ スの 場合 ① ② ③④ ③ ④ ② ③ ④ ① ② ③④ ◆ アメ リカ 史 ル イ スーク ラー ク の探 検 ルイ スーク ラー ク 活動 2∼ 地 図製 作 ル イ スーク ラー ク の探 検活 動∼ 模 型 制作 ル イ スークラ ー ク活 動 3∼ 一 次 資 料 の活 用 と 共 同 学習 第 二 次世 界 大戦 中 の女 性 ア イゼ ン ハ ワー の 軍産 複合 体 演説 ① ② ③④ ③ ④ ① ② ③④ ③ ④ ① ② ③④ ① ② ③④ ③ ④ 今世 界史 クラ スの 世 界 の源 ’ ル ネ ッサ ン ス 文 化 の接 触 と探 検 産 業 革命 ∼イ ギリ ス と日本 の 場合 第 二 次世 界 大戦 下 の 日系ア メ リカ 人 20 世 紀の 工 場 の生活 ① ② ③④ ① ② ③④ ③ ④ ① ② ③④ ① ② ③④ ① ② ③④ ① ② ③ ④ ◆ 政 治 と市 民 政 治 風刺 画 一 次 資料 選 挙 の権利 政 治的 な バン パ ー ステ イ ツカ ー 行 政 執行 権 ② ③ ④ ② ③ ④ ③ ④ ① ② ③ ④ ① ② ③ ④ ◆ 経 済 半分 でも ない より はマ シ∼ 国 際貿 易 と発 展 商 品 とサ ービ ス 経 済 概念 と欠 乏 個 人 の予 算 の学 習 消 費者 信 用 と債 務 宣 伝 ③ ④ ① ② ③ ④ ② ③ ④ ③ ④ ② ③ ④ ① ② ③ ④ 命人 類学 ・社 会 学・ 心 理学 メ ン タル ・マ ップ : ク ラス メイ ト の 見方 の違 い 文 化人 類 学: 他 者 の目 に よる 見方 社 会 学: 調 査 と世 論調 査 心 理 学: アイ デ ンテ ィ ティ の 構造 ① ② ③ ④ ③ ④ ② ③ ④ ① ② ③ ④ ◆ 新 国 移 侖争問 題 司収集 杓や 海 外 の問 題 哭: 誰 が 私た ちを 許 可す る のか ? ① ② ③ ④ ① ② ③④ ③ ④(Cruz & Thornton, 2008: 70-191. よ り 筆 者 作 成)