企業の研究開発活動の評価モデルについて : 住友電工の事例
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(2) 94. (546). 出所:Cooper. 横浜国際社会科学研究. 第10巻第5号(2006年1月). (2001), p.130 図1典型的なステージ・ゲート・モデルーテーマ発掘から製品版売まで. 社会科学分野も含まれ,わが国では95%が自然. 力によって維持発展させたい」というのがわが. 科学分野である.また,研究開発費用の負担は,. 国経営者の考えでもあるので,この点でも従来. 企業のほかに公的研究機関や特殊法人,大学等. の研究開発活動の進め方,評価の見直しが必要. の非営利法人等も含まれているが,企業の負担. である.. が全体の研究費の内, 73.7%を占めている[経 済産業省, 2004, p.19].研究開発費のほとんど は企業によって負担され,新製品開発や新サー. 1.2.新製品開発のプロセス 研究開発の投入費用と成果の効率をあげるに. ビス開発に向けられている.. は,企業における従来の研究開発活動の進め方. 一方研究開発の成果として,研究論文の被引 用回数,特許出願数や技術貿易等をみると,研. を見直す必要がある.従来は,研究開発に着手 したら最後までそのまま実行し,市場に投入す. 究開発費の投入の割には成果があがっていると. るか否かの段階で評価するというやり方が一般. はいえない.例えば1998年から2002年までのデ. 的であった.. 1論文当たり引用される平均回数が, 国際的な平均を1とするとわが国は0.92で,莱. ータでは,. 国の1.43,イギリス1.25,ドイツ1.17,フラン. 企業の新製品や新サービスの開発プロセス は,それぞれその新製品や新サービスごとにテ. ス1.09に比べて低いことが目立つ[経済産業省,. ーマの選択,探索,研究開発,市場化テスト, 市場投入,とステージを区別することができる.. 2004,. Cooperは,いわゆるステージ・ゲート(Stage-. p.9]. 研究開発費の投入と成果の関係を把握し,企. 業での研究開発活動の見直しが必要であろう. また,. 「今後の企業の国際競争力を技術開発. Gate)を提唱し,図1のような概念を提唱して いる[cooper,. 2001,. p.200]. Cooperのステージ・ゲートは,各ステージご.
(3) (547). 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). 出所=Kaplan. (2004),. 95. (1部修正). p.143. 図2. 製品開発フアンネル(漏斗). とにその評価を行い,合格したプロジェクトの. (漏斗)の幅広口から水が絞られて,狭められ. みがゲートを通過することができ,次のステー. たそそぎ口から流れるのに比せられて,. ジに進めるというものである.. 等は図2のような「The. Cooperのステージ・ゲートの概念は1986年に. Funnel. Product. Kaplan. Development. (製品開発漏斗)」として紹介している.. 発表され,企業の研究開発に大きな影響を及ぼ. Cooperが各ゲートを設けて各ステージで評価し. し,現在世界中の多くの企業で採用されている 2004, p.200,な [Boer, 1999, p.21, Godwener,. ているのと異なり,ゲートは設けないものの, 広くテーマを常に取り入れ,順次評価し,絞り. ど]. 込み,狭められた出口から流れ出すというイメ. .. 新製品または新サービスの市場投入のプロセ スについては,. Kaplan等も次のようなプロセス を紹介しているが[Kaplan, 2004, p.134],ほぼ. Cooperのものと大差ないといえる.. ージである[Kaplan, 2004,p.134]. 新製品開発プロセスのイメージを見てきた が,いずれにしても常時或いは節目,節目で評 価がなされて,次のステップに進むべきか否か. 第1.新製品または新サービスのテーマ決定. がイメージされていることがわかる.留意すべ. 第2.研究開発. きは,評価がプロセスと一体であることである.. 第3.新製品または新サービスの設計. 研究開発の成果をあげるには,研究開発活動. 第4.新製品や新サービスの市場投入. の実施方法の見直しが必要であるが,そのこと は結局研究開発活動の評価の見直しであるとい. 顧客のこ-ズや技術的な実現可能性などから 有望な新製品のアイディアを多く選択し研究開. うことができる.研究開発をどのように進める. 発を実施し,ふるいにかけながらパイロット・. かは,いままで実施した各ステージをどのよう. プラントでの生産テスト,テスト・マーケテイ. に評価し,その評価に基づいて次のステージを. ングの実施,生産設備の設置,新製品の市場投. どのように実行するかということにほかならな. 入というプロセスになる.これが,じょうご. い.したがって,どのように評価するのかが,.
(4) (548). 96. 横浜国際社会科学研究. 第10巻第5号(2006年1月). 新製品開発の見直しとなる.まさに「Youget what 1997, whatyou. you. 専門別内訳(19区分),社内で使用した研究費. [Kaplan ・吉川武男訳,. measure.」. is. measure. p.6],あるいは「Whatyou get.」 [Kaplan, 1992, p.71]といえるの. である.. ース料,その他の経費,有形固定資産の減価償 却費),製品分野別研究費(31区分),特定日的 研究費,社外から受け入れた研究費,社外へ支. 評価することが,目標とする成果を達成する. 出した研究費と多岐詳細にわたる調査項目であ. ことにつながるのである.. る.これらの調査項目に企業等は毎年回答をす. 本節では,アイディアの選択から新製品の市. べきことが統計法で要請されているのである.. 場投入までと,新製品開発プロセス全体をみて きたが,つぎにCooperの図1のStage Development. (人件費,原料費,有形固定資産の購入費,リ. (開発). この調査結果は, 3の. Kaplanでいえば第2の研 究開発のプロセスに蔽ってみてみる. ,. 『科学技術研究調査報告』と. して総務省統計局により毎年刊行されて公開さ れている.. 個別企業としてのデータは公開されず,日本 標準産業分類ごとにまとめられている.このデ. 1.3.研究開発活動のプロセス 図1のステージ・ゲート・モデルでも,また. 図2の漏斗(Funnel)モデルでもアイディアや. Science ータは米国の国立科学財団(National NSF)との間でも相互に交換され. Foundation:. テーマの選択から,探索を経て研究開発に進む. ている.わが国の主要な企業が総務省のこの調 査に毎年回答していて,平成14年度では資本金. ということには変わりない.. 1千万円以上の企業で,. 研究開発活動のプロセスとしては,基礎研究, 応用研究,開発研究と区分することが米国や,. 1万5千社強が回答して. いる[総務省,2004,p.50]. なお,研究費総額に占める性格別(基礎研究,. わが国で行われている.つまり,研究開発とは,. 応用研究,開発研究別)研究費の比率は,自然. 基礎研究,応用研究,開発研究の一つ以上から. 科学分野で見た場合には,. なる活動であり,その実行が研究開発活動のプ. 2001年度のデータで, 基礎研究が14.1%,応用研究が23.4%であり開. ロセスとなる.. 発研究が62.4%となっている.ただし,企業等. 総務省統計局では,科学技術研究調査を実施. に限ると,基礎研究が5.8%と大幅に減少し,. しているが,これは,統計法(昭和22年法律第. 開発研究の比率が74.3%となっている.応用研. 18号)に基づく指定統計調査として,わが国に. 究は19.9%である.. おける科学技術に関する研究活動の状態を調査. これは基礎研究の比率が,公的研究機閑や大 学等で高いことを示している[経済産業省,. し,科学技術振興に必要な基礎資料を得ること を目的として,昭和28年以来毎年実施している 調査である.調査対象としては,. 「企業等」 「非 営利団体・公的機関」および「大学等」である. 調査項目は,企業等についていえば,資本金1. 2004,p.21].なお米国やドイツ,フランスなどと 比較した場合に,わが国では基礎研究費の占め る割合が,以下のように低いことが指摘される. 2000年度で米国の基礎研究の比率が18.1%で. 億円以上の会社等と,資本金1億円未満の会社. あり,. 等に分けて調査項目が若干異なるが,研究開発. フランスが24.4%である[文部科学省編,. 関連項目は以下のとおりである. 性格別研究費(基礎,応用,開発の別)のほ. 1993年でドイツは,. 21.2%,. 1999年度の 2002,. p.1b7]. 研究開発を,基礎研究,応用研究,開発研究 とカテゴライズして,研究開発活動が進展して. か,国際技術交流,研究実施の有無(社内で研 究開発を実施しているかどうか),研究関係従. いくとする見方は,いわゆるリニア・モデルと. 業者数,採用・転入,転出研究者数,研究者の. いわれるが,研究開発プロセスはそのように直.
(5) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (549). 線的に進展するものではないとして批判もされ. の定義は, 「rme objectiveof. ている.しかし,いまだにリニア・モデルに代 わる新しい技術革新モデルのコンセンサスは得. gain. more. of the. under. subject. basic research. knowledge. complete. られていない.. applications. この批判は,研究開発は基礎研究から応用研 究に進み,つぎに開発研究へとリニアに,また,. is defined. as. knowledge. but does. それぞれ明確に区別されて進行するものではな. commercial. いし,ステージごとに時間的に進むものではな. 丘eld of present. or. study,. in mind.. not. specific. basic research. that advances have. is to. understanding. without. In industry,. research. 97. scientific. speci丘c immediate it may. objectives, although. be. in. いという批判でもある[Rosenbloom,西村訳. interest.」 [http://www.nsf.gov/sbe/srs/seined93/cbap4/. 1998,. p.281].応用研究に,同時に基礎研究も 含まれることもあり,開発研究から基礎研究に. doc/4s193.htm,. 戻り,また開発研究に進むなどが,実際の企業. いて,産業用以外の機関(連邦政府,大学,非 営利団体)用と産業用では定義が異なっている. では行なわれているとする批判でもある.. としていて,. or. potential commercial. 2005, 3, 22]. Basicresearch. (基礎研究)につ. が,特定の工程や製品への適用や直接商業的目 的を念頭におかない研究をいうとしている.. 1A.研究開発-性格別研究の定義 ここでは!基礎研究,応用研究,開発研究と. Applied. research. (応用研究). ,. Development. リニヤに研究開発が進行するものとする.それ. (開発研究)についてもわが国の定義とほぼ同. ぞれの意義,つまり性格別研究の内容はどのよ. 様である.. うなものであろうか.. なお,基礎研究,応用研究の定義は相対的で. わが国の総務省統計局では,それぞれを下記. あり,概念規定が不明確であるとして,吉川弘. のように定義している[総務省,2004,p.190]. 基礎研究とは,特別な応用,用途を直接に考. 之は,第一種基礎研究,第二種基礎研究,製品. 慮することなく,仮説や理論を形成するため又 は現象や観察可能な事実に関して新しい知識を. ている[吉川弘之,2003,p.15]. ある発見や発明,アイディアが出てくると大. 得るために行なわれる理論的又は実験的研究を. きな期待がでてくるがこれを,図3では夢の時. いう.. 代としていて,人々の関心が急激に高まる.し. 化研究という研究開発活動のプロセスを主張し. 応用研究とは,基礎研究によって発見された. かし,その発見や発明などが現実に実際に使え. 知識を利用して,特定の目標を定めて実用化の. る機械や装置までになるのは,悪夢の時代とい. 可能性を確かめる研究や,既に実用化されてい. われる周囲から非難忘却されて関心が薄れてし. る方法に関して,新たな応用方法を探索するも. まう10数年以上を経過した後である.悪夢の時. のをいう.. 代を経てから実用化へと進むが,図3では「現. 開発研究とは,基礎研究,応用研究及び実際. 実」として工業化・実現と表示されている.吉. の経験から得た知識の利用であり,新しい材料, 装置,製品,システム,工程等の導入又は既存. 川はⅢatvanyと共同で技術の歴史研究を行なっ. のこれらのものの改良をねらいとするものをい. 之, 2003,p.15].. う.. た際に得られた知見であるとしている[吉川弘 第一基礎研究と第二種基礎研究の違いは,図. なお,総務省統計局では,米国のNSFとの間. 4で示されている.. でその調査したデータを相互に交換している. 図4で,左側がある事象をそれぞれの領域に. が,用語の定義等も同一となるよう調整されて. 分けてその領域ごとにその法則性を明らかにす. いる.例えばNSFのBasic. research. (基礎研究). ること,つまり分解し,分析してみることをこ.
(6) 98. (550). 横浜国際社会科学研究. 出所:吉川弘之(2003),. p.15. 第10巻第5号(2006年1月). (1部修正) 図3. イノベーションのプロセス. の図は表している.一方右側は,違う法則を使 って合体させることである.第一種基礎研究と いうのは図4では,事象から領域ごとに法則性 を見出す研究であり,先の図3であれば丁度夢 を見つけだす研究に該当する.一方第二種研究. 「単純な言い換えではなく,. --・基礎か応用 かは相対的であり唾昧である.我々にとっては れっきとした応用研究であっても,産業界から [吉川弘之, みればまだまだ基礎研究である.」 2003,. とは,図4の右側の合成科学であり,あるもの をつくりだすのに,異なる領域の法則をいくつ. p.51]としている.基礎研究と応用研究 の間には,死の谷(deathvalley)といわれる現 象が指摘されている.いわゆる吉川らの「悪夢. か適用し,合成する研究ということができ,先. の時代」と同義と思われるが,分析科学ではな. の図3の悪夢の時代の研究になる,その後のプ. く,合成科学の領域である.これを強調し明確. ロセスが,開発・工業化或いは製品化研究とい. 化することが第二種基礎研究の概念であろう.. うことになる.. 第一種基礎研究・第二種基礎研究といいかえ.
(7) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). 出所:吉川弘之(2003),. p.20. (1部修正,加筆). 図4. 科学的方法の非対称性. (551). ることで,基礎研究・応用研究の概念がより明. い.企業の意思決定の際の評価をテーマとして. 確化されたが,本稿では,通常使用される基礎. いるからであり,その点では前述したように, 企業は戦後すぐから性格別に研究開発費等を区. 研究,応用研究の用語を使用することとする. 確かに基礎研究といい応用研究といっても, それは「相対的」であろう.産業総合技術研究. 99. 分して報告し続けていて,企業内ではその分類 は明確化されているとみてよいからである.. 所(吉川弘之が理事長)にとっての応用研究は, 2.研究開発活動の評価について. 企業にとっては基礎研究であるかも知れない. ある企業にとっては応用研究と分類しているの. 新製品開発をリニア・プロセスとして考える. が,ある別の企業では基礎研究かも知れない.. と,テーマの設定から新製品の市場投入までの. 本稿では企業における基礎研究,応用研究,. 各プロセスの評価によって,次のステップでの. 開発研究を扱うが,企業横断的に基礎研究がい. プロセスの進め方が決まってくる.評価によっ. ずれの企業でも絶対的に同一概念であることは. て,. 必要とされない.相対的であれ個別の企業での. である.. 意思決定に際してその区分が明確であればよ. "What. you. 先に見たFunnel. measure. is what. you. get."なの. (漏斗)モデルでは常時評価.
(8) 100. (552). 横浜国際社会科学研究. 第10巻第5号(2006年1月). 出所(http://www.sei.co.jp/seijnfo/soshiki.html,. 図5. 2005.. 8.. 20,1部修正). 住友電エの研究開発部門の組織図. を実行し幅広口から絞りこまれて,幅狭口から. 門番)を設けて,. 有望なプロジェクトが流れ出すとのイメージを 表す.つまり全てのプロジェクトが要素ごとに. のだけが次のステージ(Stage)に進みうる. 評価によって,プロジェクトの中止も途中で. 選択されて別のプロジェクトとなって流れ出す. あり得ると見ると,ステージ・ゲート・モデル. が,残ったプロジェクトの要素もいずれは束ね. の方が,研究開発活動のプロセスの見方および. られて流れだす.プロジェクトの中断はあって. その評価イメージとして適切である.. Gateごとに評価し合格したも. ち,中止や廃棄はイメージされていない. 一方,Cooperのステージ・ゲート・モデルは, (門,あるいは Stage (ステージ)ごとにGate. 2.1.研究開発活動の評価主体と目的 まず誰が研究開発活動を評価するかについて.
(9) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (553). 101. は,わが国の企業では,トップ経営者,研究開. (合成科学的側面を含む)の二面がある.研究. 発部門責任者,中間管理者(研究開発本部スタ. 開発プロセスを基礎研究と応用研究,開発研究. ッフ等),実施部門の4階層に分けて考えるのが. と区分した場合には,基礎研究は科学的側面が. 一般的といえる.実際の企業の組織の一例とし て住友電工の研究開発部門を中心とした組織図 を図5に示す.. 強く,後二者がどちらかといえば,技術的側面. 研究開発の意思決定をする部門としては,図 5で見ると,会長・社長のトソプ,研究開発担. が強いといえよう.科学的側面は,かつて,評 価の対象外として,研究は神聖なる研究者の創 造性によるので管理すべきでないという取扱を 受けていた[飯山,. 1982,. 施部門と,通常は想定できる.なお,組織横断. p.99,西揮1997, p.273, p.350]. 「研究開発活動は,きわめて技術的な 要素が強いから,専門的な知識を有しない最高. 的なプロジェクト組織でも研究開発が遂行され. 経営管理者や管理スタッフが商業ベースで研究. るが,この場合は研究所等の実施部門と同様と. 開発プロジェクトの発案や決定を行って,これ. 位置づける.企業における研究開発の評価を検. を研究開発部門に強制することは危険である.」. 討するにはこの評価の主体によって評価手法に. [西揮1997, p.350]とするのもこの考え方であ る. 1990年代に入り米国において「成果の上ら ない研究開発に金を使いすぎたこと」から,特. 当部門長,本社研究開発企画部門等,それに実. 要求される属性も異なるべきであろう. さて,次に何の目的で研究開発活動を評価す るかであるが,一般的には,. ①企業戦略,企業. 目標などのミッションヘの適合性②利潤の追求. に基礎研究のあり方が評価の対象とされた. 「中央研究所時代の終薦」などといわれ. ③資源の最適配分,という3つの視点から評価. [Rosenbloom,西村訳1996]. し[飯山,. 1982,. p.101] ,企業の研究開発活動に 対する意思決定に役立てることを目的として行 なわれる.目的によって評価の方法・基準が異 なってくる.したがって研究開発の評価の問題 は,誰が意思決定するかの区別と,どのような 目的で評価するのかを併せて検討する必要があ. ,基礎研究を他の 企業にアウト・ソ-シングしたり,大学等の他 の機関に委ねるまたは連携する,いわゆる「産 学連携」となって現われているのである. 基礎研究も含めた,研究開発活動の評価が, その点でもますます重要となっているのであ る.. る.. 2.3..研究開発活動の評価 研究開発活動の評価については,研究開発の. 2.2.評価概念の推移 研究開発の効率化が叫ばれ,その計画化や評. 成果(Output)と研究開発の費用(Input)を. 価法が論議されはじめたのは第二次世界大戦後. 対比させて評価するということになるが,これ. のことで[飯山,. を研究開発効率とすると以下の式がなりたつ. 1982,p.99],現在ある評価法. の多くは米国を中心に開発されたものといって よい.このことは現状でも変らず,従来の評価 法に他分野で開発された手法等も積極的に取り 入れて,新たな評価法が提案されたりしている.. [西揮, 1997,p.343,飯山, 1982,p.101など].. 研究開発効率. 研究開発の成果(Output) 研究開発の費用(Input). この例の一つとしては,ファイナンスの分野で. 株式投資論として開発されたオプション理論を 研究開発投資の評価に応用したリアル・オプシ ョンの手法がある. 研究開発には,科学的側面と,技術的側面. この式で費用を一定として効率を考えれば, 研究開発の成果を最大にすることをねらうこと になり,成果を一定と考えれば費用の最小をね らうことになる..
(10) 102. (554). 横浜国際社会科学研究. 第10巻第5号(2006年1月). [文部科学省, 2002,p.3].そして研究開発の. 費用を一定として研究開発の効率の最大をね らうことは,プロジェクトの選択,中止,終結 等の評価であり,一方成果を一定として研究開. Outputはまず得られた知識であるとして,その 知識の蓄積およびその生産への適用等によって. 発費用の最小化をねらうことは,決定している. 研究開発成果がもたらされるとする考えであ. 研究開発テーマやプロジェクトの研究開発の管. る.このことから,. 理・実施方法の評価である.要するに研究開発 の評価といってもこのように二面があることに. の蓄積の特徴として,その知識の陳腐化や,知 識からOutcome (成果)までのタイム・ラグを. 留意すべきである[西揮,. 取り上げる.これを加味してOutputである知識. 1997,p.342,飯山,. の価値を測定することが提唱されている[Lev,. 1982,. p.102].ただ,研究開発の成果の測定は 研究開発の費用に比べ困難なこともあり,研究. pp.107-138,西村, 2001, p.157]. それではこの成果をどのように測定するの. 1996,. 開発のプロジェクト管理論としては専ら成果を 一定として費用を最小化する方法論が検討され てきた[飯山, 1982, p.102].本稿では研究開発 活動の評価として,成果の最大化にポイントを おいて検討する.. げている[Cooper,. び研究開発の成果をどのように評価するかにつ. 1, bene丘t. いての,学術論文のレビューおよび彼らの所見 2004, p.193]. できるとする[Godwener, (1)財務的な評価(測定)による成果,. 2001,p.216]. techniques. measurement. (BMT,便. 益測定手法). から,成果を次の7つの分野に区分することが. 2, economicmodels. (2). (3)プロセス. 管理による成果(市場投入の時間,費用,目標 の達成度) (4)イノベーションの進展による成 (5) 栄(特許数,新製品の市場投入数など), 企業の戦略への適合度による成果,. 2.4.成果に対する評価手法の分類 Cooperは,各ゲートにおけるプロジェクトの選 択および評価の主要な手法として次の3つをあ. Godwener等は,新製品の開発及. 顧客滴足度により測定した成果,. か,つぎに,その評価手法についてみてみよう.. ステージ・ゲート・モデルを提唱している. 研究開発の成果を何で測定するかが重要であ る.例えば,. Outputである得られた知識. (6)技術の. 3, por血1io. (EM,経済モデル). selection and management. me也ods. (psMポートフォリオ選択と管理方法) 最初のbene丘t measurement. techniquesは企業. 戦略に合致しているか,競争優位か,市場が魅 力的か,などについて主観的な評価を行なう. 売上高や利益額,コストなどの財務的データは. 達成度による成果(既存の技術の拡大や新技術. 通常使用しない.これには,チェックリスト法. の導入), (7)新知識による成果(新知識の創 追,知識の移転,知識の活用など)としている. やスコアリング手法が含まれている.新製品開 発ステージの初期の段階で,財務的分析に信頼. が,最初の4つは,バランス・スコア-カード. がおけないearlier. の,財務の視点,顧客の視点,業務プロセスの 2003, p.6] 視点,人材と変革の視点[吉川武男, で成果を測定するのと同様である. 何を成果とするかによってその評価の手法. している.特にアイディアの選択や,研究開発. stagesにおいて有用であると. をするか否かの意思決定の際にもっとも有用で あるとする. ただ欠点としては,各プロジェクトを独立し. ち,おのずから違いがでてくる.成果をOutput. て評価することや,当該プロジェクトの全体と. としたが,研究開発の評価でOutcomeとOutput. しての資源の配分に対する影響を考慮しないこ. を区別し,. Outputを「結果」として,. Outcome. を「成果」とし,より後者のOutcomeを重視し ようとの議論が米国においては行なわれている. とである. 次にeconomic. modelsは,丘nancial. modelsと. もいい,従来から投資プロジェクトの意思決定.
(11) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). 出所:cooper(2001),. 化学会社のプロジェクトのポートフォリオ. に使用されている手法と同様な手法であり,計 approaches)とし. て,回収期間法(payback period) ,投資利益率 法(return oninvestment),キャッシュ・フロー 割引率法(discounted. cash. 103. p.219. 図6. 算アプローチ(computation. (555). flow,正味現在価値. 法net・present. valueを含む) ,内部収益率法 (internalrate of return)などである.データの 不確実性を考慮した確率ベースのデシジョン・ ツリー分析法やモンテカルロ法などもこれに入. る.. この方法の欠点は,必要とされる確実な信頼 のおける財務データがないことである.又 bene丘t measurement. tecbniquesと同様の欠点と して,各プロジェクトを独立して取り扱い全体. の資源配分を考慮していない. 最後のportfolio methods portfolio. selection. しているが,. and. management. (上記では, methodsと. Cooperは個別説明の項目の題目と. 3.
(12) 104. 横浜国際社会科学研究. (556). しては,. portfolio. methodsとしている.)は全体 のプロジェクトを一括して扱う.この方法は, 新規および既存のプロジェクトを全体として制 約のある資源のもとで,例えば利益額等の最大 化を目的としている.具体的な例として,. Y軸. に技術的な実現確率度をプロットし,横軸のⅩ 軸にはプロジェクトから得られる収益の正味現. 第10巻第5号(2006年1月). 同書の評価手法の分類を以下に紹介するが,. 上記のCooperの評価手旗の分類とほとんど一致 していることは興味深い. (1)決定論的評価法 (2)経済論的評価法 (3)オペレーションズ・リサーチ的評価法 (4)複合論的評価法. 在価値をプロットしておき,各象限に個別のプ ロジェクトを年間の投入資源の大きさを表す円 形で表現する手法である.図6に化学会社のプ. (1)決定論的評価法. ロジェクトに適用された例を示す. 1970年代から1980年代にかけて,事業計画で. measurement. 1990年代に の有力な手法として提唱されたが, 研究開発の分野でも簡便化され理解しやすく,. 基準とを設け,各項目について設定された各基. より使い勝手を向上させた手法として提唱され. (rating)を行い,各項目の点数付けによる総合. た.しかし専門家や文献の多さに比べ実務での. 得点の順位,または図形表示による全体像の片. 使用は多くない[cooper,2001,p.219].. 寄りなどから研究開発課題の優先順位の決定な. portfolio. methodsは,本質的にはプロジェク トの優先順序の表示と資源配分の手法であり,. 決定論的評価法とは, techniques. Cooperのbenefit. (便益測定手法)と同. 様に,いくつかの評価すべき項目と判断すべき 準にもとづき直感的比較感による格付け. どの手がかりをうる方法である.決定論的評価 法も,チェックリストやスコアリングを含み主. go/killの意思決定モデルとして使用するための ものではない[Cooper, 2001, p.217].その他の. 観的に判断することに特徴がある.. 手法例えば,上記のbenefit. 的な把握のしやすい企業化段階にいたるまで広. economic. measurementや. modelsと一緒に使用されるものであ. る.. 定性的な判断要素の多い基礎研究から,定量 く利用されている手法である. (2)経済論的評価法. modelsは,もともと数. 研究開発の成果を費用,あるいは投資支出と. 学的なリニア・プログラミングや,ダイナミッ. 収益との対比においてとらえ,経済的立場から. ク・プログラミングの手法を適用する手法であ. 評価する方法を経済論的評価法と広く定義され. ったものが1990年代に多彩な考え方として提唱 され,同時に簡略化された手法である.しかし. ている[飯山,. このportfo1io. selection. まだプロジェクトの財務的データや,タイミン. グ,所要資源量,成功の確率情報等多くの情報 が必要であるという欠点を有する.. 1982,. p.102].用語的にもCooper. のeconomic. modelsと全く同じである. 経済論的評価法の特徴は,定量的評価である. ので客観性が高く,また,理論的根拠も比較的 しっかりしているものが多い.従って,正確な. さて,一方わが国では,昭和42年に当時の通. データにもとづいて評価指標が計算されれば,. 産省工業技術院より3年にわたって日本能率協. 実用性の高い合理的な評価方法といえよう.企. 会に委託された,. 業におけるマクロな投資配分に有力な資料を提. 「研究開発のテーマ評価」と. いう題目の下での研究の成果をまとめた報告書. 供できる.逆に,評価指標計算のための正確な. での評価手法の分類法[日本能率協会poEM研. データが得がたい場合には適用できない.例え. 究会編,. ば基礎研究の評価などは不確実性が高く正確な. 1971,. pp.125-281]が,現在も一般に採 2002, p.200,児玉, 1983, 用されている[富田, p.523]. データは得ることが困難であろう..
(13) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (3). 昭和のはじめに,超硬合金工具を製造開始し,. オペレーションズ・リサーチ的評価法(以下. その後主なものだけでも,ゴム製品,テレビ放. ORの各種の手法を用. 送用アンテナ,交通管制システム,化合物半導. いた研究開発課題・プロジェクトの評価方法で. 体,光ケーブル,工業用人工ダイヤモンドの合. ある.. 成,等々新製品を市場に送り出し続けている企. ORの手法として最もよく利用されてい. るのは線形計画法(linear. programming:. で,ついで動的計画法(dynamic. LP). programming:. DP)やシュミレーションなどである[研究開 発ガイドブック編集委員会編, Cooperの分類では, computation. 1980,p.342].. economic. 105. として知られている.. オペレーションズ・リサーチ(OR)的評 価法. OR的評価法とする)は,. (557). modelsの. approachesに含まれているものと. 業である.. このように研究開発活動を活発に行い実績を あげていることに加え,同時に研究開発評価に ついて熱心に取り組み,組織的に一連の研究開 発評価文献の発表を行なっている.同社は研究 開発の評価に閲し,米国のスタンフォード大学. 憩われる.. に社外留学をさせてその手法を取り入れて活用. (4)複合論的評価法. もしている.これが「デシジョン・マネジメン. この方法は,上記の3つの方法を組み合わせ. ト」、である.. て使用する方法である. わが国の研究開発の評価手法は上記の通り,. ニュースコア法の開発等,業界での独自な研 究開発活動の評価を実施していることから,同. 4種または複合論的評価法を除外し3種に分類す. 社を研究開発活動の実務での評価事例として選. る方法が,現在も一般にとられているが,いず. 択した.. れもプロジェクトを別個,個別に評価する方法 であり,プロジェクトを全体としてみる. 3.2.研究開発評価法-ニュー・スコア法. Portfolioの見方は,考え方は別にして研究開発 の評価の実務分野では未だ一般的ではないと思. ニュー・スコア法(NewScoreMethod,以下 NS法)として,プロトタイプを1984年に導入. われる. した[Osawa,. 3.住友電工の研究開発活動評価の実施例. 2002, pp.79-85,. 当初は,評価項目として,. 2003,. pp.343--350]. 4項目即ち,評価Ⅰ. 研究開発のプロセス,および研究開発の評価. 一波及効果,評価Ⅲ一成長可能性,評価Ⅲ一笑 現可能性,評価Ⅳ一研究開発効率,でありそれ. について,内外の考え方をレビューしてきたが,. ぞれ0点から5点までの6段階評価であった.満. ここでわが国の実際の企業で行なわれている研. 点が20点ということになる.. 究開発の評価について,事例として住友電工の. 1980年代の試行錯 誤で,研究開発実施責任者(研究所長)と管理. ケースをみてみる.. スタッフ(management staffs研究開発本部研究 企画部長および研究企画部貝)の評点の差が大. 3.1.住友電エを事例研究として取上げた理由 住友電工は住友グループの中核企業であり,. きく出ること,評価に時間がかかること,定量 的評価と定性的評価のバランスをとること,等. 本社を大阪におき,電線・ケーブル等の製造販. から改善を加えた.また研究開発の将来の財務. 売を事業内容とする資本金960億円強,売上高. 的収益性を重視して売上額と利益額を考慮する. 8,000億円を超え,従業員約4!000人を抱える大 企業の一つである.電線・ケーブル等の製造販. ことにした.また,予測の正確さを考慮して予 測期間は5年間とし,将来志向として,埋没コ. 売といいながら,古くから事業の多角化を研究. スト(sunkcost)は考慮しないこととした.結. 開発活動によって達成している研究開発型企業. 局,以下の5評価項目として各評価項目の評価.
(14) 106. (558). 横浜国際社会科学研究. 基準の評点をo点から5点までとしたので,満点. 第10巻第5号(2006年1月). あったとしている.. は25点となる. 評価Ⅰ :戦略的重要性と技術の波及効果 評価Ⅰ :実現の見込み. 3.3.. 評価Ⅲ :売上(今後5年間) 評価Ⅳ :利益(今後5年間). クトの評価を1997年に実施し,そこでの評価と, 2000年における実績とを比較し,. 評価Ⅴ. 性の検証結果を発表しているので[Osawa,. :研究開発効率(今後5年間の予測利 益/今後5年間の研究開発費). プロジェクト・リーダが,上記の評価作業に 要する時間は,データがそろっていれば5分か ら10分以内でできるように,フォーマットを表 計算ソフトであるエクセルで作成している. 評価プロセスとしては,まずプロジェクト・ リーダが評点をつけ,その後各研究所ごとにリ. NS法の有効性一予測と実績の対比. 住友電工では,. 2003,. NS法を使用して146プロジェ. pp.343-350] ,それにより,. NS法の有効 NS法の有効性. を見てみよう.. 1997年度の初めに第1回の評価を実施し,そ の後新規プロジェクトをも含め6ケ月毎に評価 を行なう.なお,第2回目の(1997年10月期) 評価では,第1回の評価で,. 5年後に売上と利益. が発生しないと予測されるプロジェクトやテー. ーダの評点を元に検討会が開かれる.次に研究 所と本社研究開発本部の研究企画部との間で検. マは除外したが,研究開発費総額の約80%のテ. 討会が行われる.この検討会で,必要があれば. 2003,. 当初の評点の修正がなされて,その結果は社内 にイントラネットにより公開された後に,予算 化されることになる.住友電工の146のプロジェ. ーマやプロジェクトが含まれている[Osawa, p.344]. NS評価法は,将来の予測も含んでいるので (売上高,利益),予測したとおりの実績となる. か否かがNS法による資源配分の有効性,ひい. であるプロジェクト・リーダの評価から最後の. てはNS法の有効性を決定する.つまり初回の 予測を含んだ評価で,資源配分がなされるがそ. ステップまでほぼ1ケ月間で評価作業を終了して. れが違っていたということになれば,みすみす. いる.全体の評点の平均は,13.9点で,最低4.4ポ. 有望なプロジェクトやテーマの芽を摘むことに. イントから最高24.4点までの範囲であった.. なるからである.. クトに適用し,最初の評価プロセスのステップ. この評価法を採用して,資源を高得点のもの. ところで,プロジェクト・リーダは,えてし. ロジェクト・リーダが自主的にプロジェクトを. て楽観的予測をしがちなので,それを実績と比 較して,定量的に示すことが評価法の信頼性向. 中止したり縮小したこと.有望なプロジェクト. 上のためには重要である.そこで,予測と実績. が発掘できたこと.プロジェクト・リーダや研 究所ごとに競争意識が芽生えたこと.と同時に. との蔀離度を予測の正確性の尺度として,また 標準値を定めてカット・オフ・レベルを設定し. プロジェクト・リーダや研究所員・所長の事業. た.有効性の判定基準として下記のように設定. 化マインドをより高めたこと,有望なプロジェ. されている.. クトの選択とそれへの資源の集中が実現できた. (1)データ:. にシフトした.この評価システムの採用で,プ. ことなどが,この評価システムの採用の成果で ある.. いずれにしても,プロジェクト・リーダと企 画スタッフとの共通の土俵での意思疎通がはか られ,全体で1ケ月で作業が終了し,資源シフ ト計画の資料が得られたことが,大きな成果で. 1997年度の研究開発費実績, 年度の売上高と営業利益. 2000. (2)予測の蔀離度および標準 蔀離度-2000年度における実磨営業利益 額÷1997年度における2000年度の営業利益 の予瀞値×100 蔀離度の標準値50%と定めた.
(15) (559). 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (3)効率性. 107. な差があることがわかった.このことで資源の. 予測効率性レシオ-2000年度における予測. 配分や,低位グループの方向転換などの意思決. 営業利益÷1997年度の研究開発費支出計画. 定へ提供されるデータの信頼性の増強に役立. 実績効率性レシオ-2000年度の実績営業利. ち,プロジェクト・リーダーの事業化志向が強. 益÷1997年度の実績研究開発費. まったことが住友電工のNSメソッド採用の大. ここで2000年度の実績営業利益が0以下で. きな成果としている[osawa,2003,p.49].. あれば,レシオは0とする. (4)成功度. 3.4.重要プロジェクトの評価 住友電工では,従来からスコアリング法を主. 2000年度の営業利益レシオがM%以上,また は,. 体とした評価法を実施していたが,修正改良を. PX百万円以上で,実績効率が1以上(即ち. 1997年度の実績研究開発費額以上の,. 2000年度. 加えて現状のNS法に至っている.. の営業利益額を達成していれば)で成功と評価. 同社では,さらにこのNS法による評価に加. した(ここに, Mおよびpは暫定値で,研究開 発方針や外部事情の変化によって変更されるも. えて,重要プロジェクトについては,より厳密 な評価を実施している.ロナルドA.ハワード スタンフォード大学教授が1964年に提唱した 「デシジョン・アナリシス」に端を発し,. のである). 146プロジェクト中,上記の轟離度の測定に 適しない,つまり2000年度の利益予測が出来な. 年にStrategicDecision. (SDG)社として. 同方法を体系化し,商用化した「デシジョン・. いプロジェクトは除かれることになり,結局53 プロジェクトが除外され,残った93プロジェク. マネジメント」手法である[村上,1996,. pp.6-. 1998,. 19,大沢, pp.72-78]. 同方法を1991年に導入し,. トが次の分析対象とされた. 予測および実績の営業利益額と予測および実 績の成功度について,評価スコアとの相関関係 を分析したところ5%水準で有意であることが 判明した.上記の成功度を評価したところ,. Group. 1981. 93. 50以上の個別テー. マの意思決定に適用したとしている.なお,そ の後この手法を複数テーマの評価として使用可 能とした, 「ポートフォリオ・デシジョン・マ. プロジェクト中16プロジェクトが成功と判定さ. ネジメント」を1995年に導入している.デシジ. れ, 17%の成功率ということになる.. ョン・マネジメント自体は,個別案件について の意思決定支援ツールであり,準備および実施. なお, 93プロジェクトの評価は厳密な評価で. はなく,つまり評価結果が93番目のプロジェク トと92番目の評価順番のものとの差異はほとん. に時間がかかる手法であり,複数のテーマに展 開したポートフォリオ・デシジョン・マネジメ. ど意味が無いものであり,その意味で相対的な. ントも基本的にこの流れを摂むものと思われる. 評価といえよう.多数のプロジェクトを短時間. が,先にみたCooperのportfolio. で相対的に評価することに意義があり,住友電. management. 工でもこれにより,プロジェクトの大まかなグ. れる.. selection. and. methodsとほぼ同様な手法と思わ. ループ分けとして利用している.そこで93プロ ジェクトを上位,中位,下位の3グループに分. 4.評価法検討. けて,禾離度および成功度の分布による分析を. 前節で実務の例として住友電工の研究開発活. 実施した結果は,上位グループと低位グループ. 動の評価の事例をみたが,同社の事例について. とでは明らかに差異が判明した.このことによ. 検討を加えて,さらにわが国企業で,通常評価. り,予測数値が実績値と対比されて,少なくと. がどのように行なわれているかもみてみよう.. も上位グループと低位グループとの間には有意.
(16) 108. (560). 横浜国際社会科学研究. 4.1.住友電工の研究開発活動評価の効果に対 する検討 同社のNSメソッドについては,評価項目が 簡略化されていて短時間で評価ができ,研究者. 第10巻第5号(2006年1月) う.. テーマ設定は研究者の自由な発想に委ねて研 究者のやる気を削がないようにするということ. に余分な時間をとらせないことは優れている.. が,多くの研究所等では行なわれているが[植 之原, 1995,p.13],同社もこのような方針であ. 研究開発担当者に,直接自身のプロジェクト. るように思われる.しかし,限られた資源を研. (テーマ)の評価を委ねていて,参画意識を持. 究開発担当者の悪意性に委ねてよいか否かであ. たせているので,研究開発評価への意識が研究. る.研究開発テーマの選択つまり事前評価をき. 開発担当者個々人に植え付けられる.常に成果 をあげることを目標とさせられることも評価で. っちり行なうことにより,当該企業の戦略や目 標に沿ったテーマを選択し,資源の無駄をなく. きる.. すべきであろう.特に企業は今後手本のない新. さらに,研究企画部にて集約し研究開発担当 者とのミーティングを行なうことにより,研究 者が自身の評価について客観的に見ることを可 能とし,継続的に評価を実施することで,企業. 規分野への進出を目指すべきとする要請が強ま っている現状では,なおさら,それが必要であ ろう.. デシジョン・マネジメントでは事前評価をま. の目標とする方向へ当該プロジェクトを収赦さ. ず実施しているが,事前に評価するとの考え方. せることが期待される.. を,研究開発テーマ全体にも及ぼすべきではな. また,研究者同士での意思疎通を媒介できる ことなど,優れている点である.. NS法を適用. した後にそのトレースをして,有効性を確認す. いか.テーマとして取上げるか否かを研究者自 身にも評価させることは必要であろうが,さら. ることも評価できる.スコアリング法は主観的. に全社の戦略を反映させた評価基準でもって評 価すべきであって,その結果によりテーマを設. な評価に基づいているが,実績との対比を繰り. 定すべきである.. 返すことで客観的なデータに近づけることがで きるからである.. デシジョン・マネジメントに対しては,重要 なテーマまたはプロジェクトについて適用する. ただ,売上高,(営業)利益額,あるいは,研. こととしている.しかし,何をもって重要なも. 究開発効率として,再度利益額などの予測額を. のかの判断基準が示されていない.判断するの. 算定させることとしているが,内容として重複. が誰であるのかも不明確である.判断基準は別. していることと,プロジェクトによっては予測. にしても,少なくとも,誰が重要と判断するか. が不可能かまたは困難と思われる.したがって,. の規定をおくことは組織運営としては必要であ. 全てのプロジェクト(テーマを含む)を対象と. ろう.なお,対象が研究開発領域に限らずに全. して,結局データとして採取可能なプロジェク. てのテーマ・プロジェクトヘの適用を前提とし. トは146プロジェクト中93プロジェクトが分析 対象として残ったに過ぎない.約4割弱が対象. ているようなので,基準が一律に定まらないと. から外れている. 第2節および第3節で論じたように,研究開発. ても研究開発テーマ・プロジェクトについては 誰が重要と判断すべきかを規定しておき,悪意. 活動の評価は誰が,何のために評価するのか,. 的にならないようにすべきであろう.また,外. また研究開発のプロセスの段階に応じて,異な. 部のコンサルタントに依存することは,社内に. る評価手法を採用すべきと思われるが,それを. 知識の集積が出来ない.つまり,デシジョン・. 4割弱の 一律に評価することには無理がある. 分析対象外プロジェクトが発生した理由であろ. マネジメント手法は商業ベースで市場化されて. いうことが背景にあるかも知れない.それにし. いるので,肝心な意思決定基準が不明確である..
(17) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (561). 109. を考慮しなかった.. 2)データの人手可能性と 説明可能性の観点から,研究者はプロジェクト. 4.2.わが国の企業の研究開発活動の評価の実 態. わが国の企業における研究開発活動の評価の. が終了した後の事後評価(事後分析)に関心が. 実施例としてまず住友電工の評価法をやや詳細. あった.一方実務家は,事前のプロジェクト評. にみてきたが,実際には同社のように体系的に. 価にのみ関心があり,事後的分析にはあまり関. かつ定量的な評価手法を採用している企業は例. 心がなく,その結果事後的分析による学術研究. 外的な存在である.ややデータとしては古いが,. の成果をあまり重視しなかったと推定してい. 1992年の時点で主要370社へ実施されたアンケ. る.. ート調査[浦川, 1992,p.199]では,回答社が 72社にとどまっているものの,研究開発評価手 法としてどのような手法で行っているかの質問. 4.3.企業の研究開発評価 企業における研究開発の評価は,企業の持続. に対して,研究テーマでは7別の企業が討議に. 的発展を目的として,当該企業の各階層がその. よって評価していると回答している.開発テー. 評価結果によって意思決定を行なうために実行. マになるとその比率は下がるがそれでも6割の 企業が討議のみと回答している.研究テーマと. されるものである.それ故,企業は評価目的別, 意思決定者別,研究開発プロセス別に,より適. 開発テーマの区分が不明確ではあるが,一応基. した評価モデルを構築する必要があろう. 例えば,先にみた住友電工のNS法について. 礎研究と応用研究のプロセスにあるテーマを研 究テーマとし,開発研究のプロジェクトを開発. 言えば,まず第一次の評価を研究者に行なわせ,. テーマと解釈しておく. 主としてわが国では決定論的評価手法(評点. 次の段階で本社の研究開発本部の管理部門であ る研究企画部でも評価を行い,両者の協議によ. 汰)が多く使われているといわれているが,評. り成案を得ている.この場合の目的は各プロジ. 点法のみではわずかに4.3%に過ぎない.評点 法に加えて討議法とあわせて評価するというも. ェクトヘの資源配分を目的としていると思われ るが,対象が最終分析では6割強にとどまり充. のを加えても17%程度である.確かに「討議の. 分な機能を果たしていないように思われる.全. み」に次ぎ,評点法が採用されているが,これ を討議の際の参考資料と見ると, 7割から8割に. てのプロジェクトおよびテーマを対象とし,ま. 及ぶ企業が討議によって評価しているといえよ. ものを一括して評価することにまず無理があっ. う.つまりほとんどの企業が討議つまり関係者 間の合意形成によって評価しているのである.. たのではないだろうか.また,目的を蔽って評 価すべきであって,資源配分であれば一律に横. 研究開発活動評価(プロジェクト評価)に関す. 並びで配分することにも問題があると思われ. る研究は,学術研究としては1950年代から行わ. る.つまり基礎研究のテーマと開発研究にある. 2002,. p.202],実際に企業が こうした学術研究の成果を十分に活用はしてい ないようである.それでは,このように学術研. プロジェクトではウエイトの置き方が異なって. 究の成果が,実務にうまく取り込まれていない. 研究開発プロセスに応じた評価モデルの構築が. のは何故であろうか.富田らは次のようにこの 原因を指摘している[富田,2002,p.203].. 必要となろう.. れているが[富田,. 評価研究の研究者達は,とにかく説明力の高い 精微な評価手法を開発することに関心があり, 評価手法が複雑になり使い勝手が悪くなること. たそれぞれが異なった研究開発プロセスにある. くるはずで,それを資源配分に反映させるべき であろう.したがって,評価目的,評価主体,. 1). 5.研究開発テーマの選択に関する評価モデル 5.1.評価モデル 前節でみたように企業の研究開発活動の評価.
(18) 110. (562). 横浜国際社会科学研究. 園7. 第10巻第5号(2006年1月). 研究開発活動の評価(目的,意思決定者,手法)マトリックス. は,その目的や,誰が評価するのか,さらに当. 部門を示す.機能横断組織のプロジェクトチー. 該評価対象たる研究開発テーマやプロジェクト. ムおよびチーム員,研究所の研究担当者を含む.. のプロセス段階を特定した上で,第2章でみた 評価手法を選択適用すべきであろう. 研究開発段階別,意思決定者別,評価目的と 評価手法との関係を図7に示す. 図7では,縦軸に研究開発段階をとり,横軸. また,図7では研究開発評価目的については, 企業戦略,企業目標などのミッションへの適合 性を「戦略」とし,利潤の追求を「利潤」とし ている.資源の配分という視点から研究開発活 動を評価することを「配分」としている.. に意思決定者を3グループに区分して表示した. なお,図5の研究開発本部長も経営トップに含. 応用研究・開発研究と研究開発段階で見ると,. めた.研究開発スタッフとは,図5でいえば研. 下から白地,薄い灰色地,濃い灰色地と濃淡を. 究企画部ということになるが,研究開発部門長. つけた.濃淡に応じて評価手法が,より確実性. のスタッフである.研究所とは,研究開発実施. や精練さが要求されていることを表している.. 経営トップ層について図の縦軸を基礎研究・.
(19) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). なお,研究開発スタッフについては基礎研究段. (563). 111. 階であるが濃い灰色となっているが,これは具. 7の各セルで異なってくるのである. ただ,応用研究段階や開発研究段階にあり,. 体的内容としてのBMTを本稿で検討すること. 製品化した場合に売上高が大きいと予測される. を表している.. プロジェクトについては,研究開発スタッフは,. さらに,図では研究開発段階(基礎,応用,. 経済モデルを適用して評価すべきであり,基礎. 開発)別と意思決定者別(経営トップ,研究開. 研究の段階のものや,テーマとして選択するか. 発スタッフ,研究所)に太枠でグループとして. 否かについての評価は,このような定量化は困. 囲んでいる.評価手法を検討するにはこの太枠. 難なので,定性的評価であるbenefit. 別に検討すべきことを表した.. measurement. つぎに,太枠内の各セルごとに,それにあっ た評価手法を選択すべきことを図7で表現して. 層が,利潤の視点で研究開発を評価する手法と. techniquesが適している. なお,図7では基礎研究段階での経営トップ. しては空欄としたが,責任ある経営トップ層が 意思決定する評価手法の選択が困難なことを示. いる.セルに筆者が考える適切な研究開発活動 の評価手法を略字で記入したが,第2章で見た Cooperの評価手法を表している.つまりBMT は, beneBt measurement technology (便益測定 手法)で,. EMは,. (経済モデ. economicmodels. ル)であり,. PSMは,. portfolio. management. methods. (ポートフォリオ選択と. selection. and. している.基礎研究段階での研究開発スタッフ の評価については,図7では利潤の視点も含め てBMTとしたが,スタッフとしては不確実で も出来る限り最低BMTでの評価の努力が必要 ということでのBMTの選択である.なお,塞 礎研究段階での研究所での評価手法については. 管理方法)のことである. なお図7でBMTとしていても,内容はチェッ. 空欄とした.これは,客観的・体系的な評価を. クリスト法やスコアリング法などの主観的な評 価手法をすべて含み,さらにスコアリング法で. 研究所(担当者含む)には要求しないというこ. あってもその項目を何にするのか,各項目をウ. あるいは技術動向から主観的に評価することは. Ratingを5点 エイト付けするのかしないのか, 法にするのか, 10点法などにするのかなどその. あってよいし,現実になされている.これを否 定するものではない).基礎研究段階を横軸で. 内容は種々ある.これは,. EMについてもいえ. 見ると白地であり,研究開発スタッフの濃い灰. て,財務的な指標を使用するということであっ. 色地は先に述べたように,ここで濃い灰色地の. て,その指標の選択範囲は広い.売上高や,刺 益額などは一般的であるが,さらに第2章4節で. 太枠内の具体的評価手法を検討することを表現. 見たように計算アプローチとして回収期間法,. とである(研究所あるいは研究担当者が,興味. した.. わが国の企業での研究開発活動の評価は,関 係者の「討議」によってなされることが8割弱. 投資利益率法など種々の手法がある.. 程度を占めていて,実施例として取上げた住友. さらに,研究開発段階に応じて,同じBMT であっても選択すべき手法が異なってくる.ま た意思決定者によっても同じBMTとしても具. 電工のBMTであるNS法の事例はむしろ例外的. 体的手法はそれぞれ適した手法を選択すべきで. 面ではBMTの一種ともいえるが,体系的・客. ある.. 観的ではなく,悪意的に流れる恐れが強く,ま. BMTのスコアリング法を採用したとし. なのである.関係者の討議に基づく評価はある. ても経営トップのRatingと研究開発スタッフの. た,企業に研究開発評価手法として形式知とし. Ratingは項目内容や項目数,範囲など差をつけ. て蓄積されることも低いと思われる.そこでよ. るべきであろう.要すれば,. BMT,. EM,. PSM. としていてもその具体的な手法はそれぞれの図. り悪意性を排し形式知として蓄積し後代に継承 することが必要である.図7の研究開発活動評.
(20) (564). 112. 横浜国際社会科学研究. 第10巻第5号(2006年1月). 価手法としては,討議手法を選択しなかった.. とする.一致の程度がそうでもないとすれば2. それでは,図7の濃い灰色で塗り分けた研究開. 点となり,一致点が少ないと考えれば1点とす. 発スタッフのテーマの選択も含む基礎研究段階. る.いずれにしてもどの程度適合しているかは, 主観的な判断であり,直感で評点をつけること. の評価手法であるBMTの具体的内容を検討し てみる.. 住友電工の研究開発活動評価システムでは欠 けていると思われる部分でもある.わが国企業 の研究開発活動の評価を再検討するには,まず 研究開発のスタートであるテーマの選択から始 めるべきと思われるからである.. になる.以上がⅠ一会社方針および戦略への適 合性の内容および評点のつけ方である. Ⅰはテ ーマによって目指す製品の市場性およびその成 長性をみるものであり, Ⅲは当該企業が当該製 品を上市した場合の販売可能性を評価するもの であり,. Ⅳは当該製品についての技術的な可能. さらに,図7でBMTとしていても,先に述べ. 性を評価するものである.販売可能性が高くて. たように,それぞれ研究開発段階,意思決定者. ち,技術的な達成可能性が低い場合には,外部. や評価目的に応じてその内容は具体的には差を. への,例えば大学等との連携などが次の選択肢 として検討可能なので,いずれにしても,各項. 設けるべきであるからである.. 評価主体は,研究開発部門長スタッフ(図5 の研究企画部門など)として,テーマ選択評価 基準を検討することとする. 評価手法としては, PMS. 目はそれぞれ独立に評価レーティングすること に留意すべきであろう.最後のⅤは環境適合性 とした.自然環境は勿論社会環境,例えば法的. (経済モデル)千. 規制などとの適合性も評価すべきであり項目と. (ポートフォリオ選択と管理モデル)など. して取上げた.各項目のレーティングは先のⅠ. EM. は財務的データや市場の予測値,さらには技術 としての実現可能性などの定量的データの収集 ができないか,困難と思われるので,. BMTの. 一つであるスコアリング法を採用する.なお, 評価目的にかかわらずBMT手法を選択した.. に準じて行なわれる. 以上5項目についてそれぞれ1点から最高5点 までの評価を行なう.この合計評点に基づき研 究開発スタッフにより研究開発テーマが選択・ 評価されることとなる.. スコアは1点から5点までの5段階の評点とす る.各関係者が独自に採点し,それを持ちより 関係者間での協議により,評点が集計され,チ. 5.2.今後の課題 研究開発活動評価として図7をモデルとして. ーマー覧表が作成されて,優先順序および採用. 提示したが,前節で述べたように同じBMTと. テーマが決定されることとなる.. していても,その具体的な評価手法は各セルに. 評価項目は, 適合性,. Ⅰ一会社の戦略および方針への. Ⅱ一市場の成長性および規模,. 場への参入可能性,. Ⅲ一市. Ⅳ-技術的な達成可能性,. Ⅴ一環境適合性とする.. よって選択すべき適切な手法は異なる.そこで, 図7の基礎研究段階の灰色で塗りつぶした部分 以外の評価手法について,その評価手法の選択 が適切であるか否か,さらにはその具体的内容. まず,当該企業の理念や方針および戦略の下. を検討すること,およびわが国の企業が現在研. で研究開発活動を実施することを前提として,. 究開発活動の評価についてどのように実施して. その前提の下で,今後取上げようとする研究開. いるかのフィールド・サーベイ等が今後の課題. 発テーマがどの程度マッチしているかを評価し. である.. 評点を主観的につける.全く一致していれば最 高点の5点とし,ほとんど一致していると思え ば4点とし,まあまあ一致しているとすれば3点.
(21) 企業の研究開発活動の評価モデルについて(金子). (565). 113. 大沢良隆・村上路-. 参考文献 Boer,. F. P. The. Valuation. Financial. and Sons. Technology. of. Issue. in R&D.. Business Wiley. John. &. 〔宮正義監訳,大上博吉,. lnc.N.Y.1999,. 他訳『技術価値評価 R&Dが生み出す経済的 価値を予測する』日本経済新聞社, 2004年〕 Cooper,. R.. G.. Accelerating. The. 3rded. Basic Godwener,. Winnlng. Books,. N.Y.. Armelle. Products. Idea. from. Launch.. to. 2001. K.E.. and. New. at. Process. Soderquist,. Use. and measurement results of the performance in R&D an exploratory study, R&D and NPD: Vol.34, No.2, 2004. management impact. Kaplan,. D,. R. S.and. P. Norton,. Convertlng. Intangible. Outcomes,. Harvard. Boston,. M.. Kaplan,. Assets. Into. Business. Maps Tangible. School. Press,. A, 2004.. R.. S. and D. ScorecardMeasures Harvard. Strategy. P. Norton,The That. Business. Balanced. Drive. Review,. Performance,. January-February. 1992. Kaplan,. R. S. and D. Scorecard, Harvard Boston,. M.A.. P.. Norton,. The. Business. Balanced. School. Press,. 〔吉川武男訳『バランス. 1996.. スコアカード』 (生産性出版,1997年)〕. Lev,. Baruch,. Theodore. Sougiannis,. capitalization, amortization, and Journal Accounting of R&D,. of. Vol.21. Osawa,. No.1,. Yoshitaka,. Innovation, ⅢaⅣard. How. project. performance?, 2003. Rosenbloom,. Murakami,. new application of a industrial R&D of evaluating Vol.32, No,1, 2002. management,. project, Electric. Micbikazu. and and. methodology R&D Osawa,. 1996.. Yoshitaka. Development. The. valuel・elevance & Economics,. R&D. well did the. new. ranking method predict Management, Vol.33, No.3,. R. S. and W. J. Spencer, The President and. College,. Sumitomo. Boston,. M. A. 1996,. 訳『中央研究所の時代の終鳶 (日経BP社, 1998年). 飯山比呂美・栗田渦・高達秋良・ 研究開発の評価と意思決定』 1982年). 植之原道行・篠田大三郎『研究・. Engines. of. Fellows. of. 〔西村吉雄. 研究開発の未来』 瀬戸実『戦略的 (日本能率協会,. 技術マネジメン (コロナ社,1995年). ト一基礎から実践まで-』 浦川卓也「研究開発投資評価に関する一考察」, (研究・技術 『研究 技術 計画』, Vol.7,No.3, 計画学会, 1992年).. 「デシジョン.マネジメント 『勝てる』 による組織の戦略意思決定力構築戦略づくりのための,戦略スキルの4つのレベ 『研究開発マネジメント』 (アーバンプ ル-」, ロデュース社, 1998年7月). 経済産業省 産業技術環境局 技術調査室『我が 国の産業技術に関する研究開発活動の動向-主 要指標と調査データー』第5版(2004年11月). (http: //www. meti.go.jp/policy/techresearch/in dicator/japaneseH161 1_30.pdf 2005.7.7) 研究開発ガイドブック編集委員会編『研究開発ガ イドブック』 (日本科学技術連盟, 1980年). 児玉文雄「研究開発論序説」 『オペレーション ズ・リサーチ』 (日本オペレーションズ・リサ ーチ学会1983年11月号). 総務省統計局『平成15年2003科学技術研究調査報 告書』, (日本統計協会, 2004年). 富田純一・桑島健一「評点法による新製品開発プ ロジェクトの評価一実証分析に基づくセレクシ 『研究 技術 計画』, ョン・モデルの構築-」, Vol.17, No.3/4, (研究・技術計画学会, 2002年). 日本経済新聞, 「技術開発で強化」. 2002年11月29 日朝刊第13版3面. 日本経済新聞, 「研究開発費75%が増額」. 2004年 7月3日朝刊第12版15面. 日本能率協会POEM研究会編『研究開発の評価と 意思決定』 (日本能率協会, 1971年). 西滞傭『研究開発費の会計と管理』新五訂版(白 桃書房, 1997年). 西村優子『研究開発戦略の会計情報』 (白桃書房, 2001年). 村上路-・大沢良隆「デシジョン・マネジメント 『研究開 による研究開発計画の立案と進め方」 発マネジメント』, (アーバンプロデュース社, 1996年3月号). 文部科学省縮『平成14年度科学技術自害』 (財務 省印刷局, 2002年). 文部科学省科学技術政策研究所第2研究グループ 『米国における公的研究開発の評価手法』調査 資料-86, (2002年5月). 1 (http ://www. nistep.go jp/NISTEPNews/news 64/news164.html, 2005.7.ll). 吉川武男『バランス・スコア-カード構築 基礎 (生産性 から応用までのパーフェクトガイド』 出版, 2003年). 吉川弘之・内藤耕『第2種基礎研究 実用化につ ながる研究開発の新しい考え方』 (日経BP社, 2003年) [かねこ ようめい 横浜国立大学大学院国際社会 科学研究科博士課程後期].
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