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要介護高齢者の在宅介護を支えるもの : 家族介護者へのアンケートおよびインタビューより(研究報告)

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全文

(1)

要介護高齢者の在宅介護を支えるもの : 家族介

護者へのアンケートおよびインタビューより(研究

報告)

著者

山口 豊子, 福嶋 正人, 芝山 江美子

雑誌名

滋賀医科大学看護学ジャーナル

8

1

ページ

55-60

発行年

2010-03-15

URL

http://hdl.handle.net/10422/190

(2)

研究報告

要介護高齢者の在宅介護を支えるもの

一家族介護者-のアンケートおよびインタビューより-山口 豊子1,福嶋 正人2,芝山 江美子3

1滋賀医科大学医学部看護学科地域生活看護学講座, 2立命館大学

2高崎健康福祉大学

要旨

在宅介護を重視している社会状況のなか、要介護高齢者を介護する家族介護者-のサポートの意義は大きい。介護

保険居宅サービスを利用している家族介護者-のアンケート、および、家族介護者-のインタビューを行った。在宅

介護の現状、介護肯定感・負担感の分水嶺となる要因を明らかにするために、 K J法による分析を行った。その結果、

在宅介護がうまく機能しない要因として、家族介護者のく孤立>く閉鎖>く葛藤>といった概念が導き出された。逆

に、在宅介護を可能にする要因にはくニーズにあったサービスの柔軟さ>く精神的なゆとり>く家族、関係者等との

人間関係>があり、 『新しい関係性』を構築することが最大の鍵となることが示唆された。

キーワード:家族介護者,要介護高齢者,介護負担感、介護肯定感, KJ法

はじめに

わが国は本格的な高齢社会に向け、これまでの施

設介護から在宅介護-とシフト転換した在宅福祉、市

町村中心、民間活力の導入を重点としてきた。 1989

年12月「高齢者保健福祉推進十か年戦略」 (ゴール

ドプラン)が策定され、要介護高齢者-の福祉サービ

スの計画的な量的整備が開始された。 1994年には新

ゴールドプラン、その後、 2000年4月より介護保険

法等の導入が行われた。このことにより、施設入所は

量的にも限界である状況のなか、地域差はあるが居宅

サービスの種類や量など社会資源の増加が図られ、介

護保険施行前との比較ではサービス利用の拡大がみら

れる。家族機能の脆弱化、小家族化、地域関係の希薄

化、介護の重度化および長期化という社会状況のなか、

在宅介護は家族の介護力を前提にしているといえる。

要介護者を在宅で介護する家族介護者は、社会生

活上のストレスのほか個人差はあるが介護によるスト

レスをも抱えている。拘束感、孤立感や義務感等を特

徴とする介護ストレスは、介護量の多少にかかわらず、

身体的不調、うつ病など身体精神症状も引き起こして

いる。各種メディアにおいても、在宅介護での高齢者

虐待、介護殺人等の事件の報道があとを絶たず、日々

の在宅介護の大変さを物語っている。

一方、家族、地域、職場の協力を得ながら、日々

の介護における達成感や充実感、家族の粋、あるいは

看取り終えた満足感を得た介護者は、 「夫がいたから、

頑張れた-・」と配偶者や家族の理解・協力の重要性

を話した。多くの介護負担感とともに肯定的側面も同

時に見受けられた。

これまでの研究では、在宅介護は家庭生活に様々

な影響を生じることから、介護負担に関する研究は広

く行われてきた卜4) 。介護負担に関するもの、在宅

介護継続と中断の要因に関するもの、介護者の健康、

Quality Of Lifeや満足度に関するもの等であった。

しかし、最近、介護を負担ととらえるだけでなく、肯

定的な側面の重要性が報告されている。肯定的側面を

「生きがい感」という視点で捉え5-6) 、介護に対す

る喜びや満足感が在宅介護継続意思と関連しているこ

と7) 、また、肯定感が負担感を軽減する効果をもつ

ことを明らかにしている8) 。家族介護者の肯定感を

ストレス対処行動との関連9)や各種介護サービスの

満足度の視点10)から捉えていた。これらの研究結果

から、介護者が介護をより有益な体験として受け止め

る肯定的側面に着目し、介護負担の軽減の視点からだ

けではなく、肯定感を高める支援の検討も必要である

と考える。従来の研究においては、介護肯定感の状況

を検討したものが多くみられたが、肯定感が生成され

る要因については十分検討がなされていない。

本研究では、在宅介護の現状及び、介護肯定感・

負担感の分水嶺となる要因を明らかにすることを目的

とした。

WW J/U:

1.研究方法

家族介護者-のアンケート調査(自由記述) 、家族

介護者-のインタビューをもとに分析する。

(3)

要介護高齢者の在宅介護を支えるもの

(1) 家族介護者-のアンケート調査

調査対象者はA市(農山村地域)において介護保

険居宅サービスを利用し、調査に協力の得られた家族

介護者816名。介護支援専門員の訪問時に研究の趣旨

と自由意志で諾否が決められること等について文書お

よび口頭にて説明し、留め置き調査。無記名とし郵送

による回収を行った。調査時期は2005年9月から10

月。主な調査内容は、介護サービス全般の満足度、介

護サービスを利用してよかったこと・困っていること

(自由記述)等であった。有効回答数は460名(回答

率56.3%) 、そのうち自由記述の回答のあった者は

254名であった。本研究では、自由記述についての分

析とした。

(2)家族介護者-のインタビュー

研究の趣旨を事前に家族の会の代表者より会員-伝えてもらい、了解のあった家族介護者2名を対象に

行った。期間は2006年2月、場所は毎月家族の会を

実施している喫茶店の一室、介護者のさまざまな気持

ち(介護しはじめたころ、困ったこと、よかったなあ

と思うこと等)や介護者の集いに参加しようと思った

時、参加した気持ちについて、 60分から80分程度の

インタビューを行い、対象者の承諾を得たうえでテー

プに録音した。

2.分析方法

家族介護者-のアンケート調査(在宅介護に関す

る自由記述)および家族介護者のインタビューについ

てはK J法による分析を行った。

アンケートの自由記述については、在宅介護に関

する内容をKJラベルに転記し、 132枚のラベルを得

た。多段ピックアップにより 41枚に絞り込んだもの

を元ラベルとしてグループ編成を行い、イメージの統

合を行った(統合されたイメージを文章にし、ラベル

化したものを「表札」という) 。この作業を複数回繰

り返し、結果として8つのグループ(表1参照、 **

第2段階表札)に編成された。

家族介護者のインタビューでは、逐語録より在宅

介護に関するものをK Jラベルに転記し、上記と同様

の作業を行った。家族介護者のインタビューでは、 82

枚のラベルを多段ピックアップにより 30枚に絞り込

んだものを元ラベルとして5つのグループ(表2参照、

**第2段階表札)に編成された。

それぞれグループ編成された結果は、 2枚の「K

J法図解」として作成したが、本稿ではそれらを表形

式に整理して提示した(表1、表2) 。

なお、 KJ法による分析過程およびまとめでは、

K J本部 川喜田晶子主任研究員によるスーパーバイ

ズを受けた。

3.倫理的配慮

家族介護者アンケートについては、 A市介護支援

専門員連絡協議会においてケアマネジャーに対して文

書および口頭により、研究目的・方法について充分に

説明し研究協力の同意を得た。ケアマネジャーが居宅

介護サービス利用者宅-訪問の際に研究の趣旨を口頭

および文書にて次の項目を説明し、家族介護者の自由

意志下で協力を依頼した。 ①調査表には個人が特定さ

れないよう無記名による回答とする。 ②本研究によっ

て得られたデータは、厳重に保管し本研究以外には使

用しない。研究終了後直ちに調査表は粉砕処理し、パ

ソコン-の入力データは消去する。 ③研究-の参加は

任意である。いつでも、中止することができ、それに

よる不利益を被ることはない。 ④調査表の返送をもっ

て、本研究-の同意が得られものとする。

家族介護者-のインタビューでは、研究目的・方

法を家族の会の代表者-説明し研究協力の同意を得た。

代表者より会員に研究の趣旨を伝えてもらい協力意向

のあった家族介護者をインタビューの対象とした。イ

ンタビュー開始前に再度、研究目的・方法、上記アン

ケートと同様に(力から③を口頭および文書にて説明し、

家族介護者の自由意志下で協力を依頼した。

結果および考察

1.家族介護者の自由記述アンケートく表1 >より

(1)家族介護者の葛藤、孤立、喜び

在宅介護は、年金生活による経済的負担、農山村

地域のため交通機関の利便性に乏しいことによる通院

時の困難さ、身近な相談窓口の不足など物理的な諸問

題を抱えている。さらに、 「介護の日々は気持ちよく

過ごせたという目は1日もない」 「虐待につながりか

ねない介護者自身が怖くなる」 「要介護者に優しく接

することが出来ないこんな自分を責めてしまう」等の

心理的ストレスが見受けられた。介護サービス利用を

介護者は望んでいても要介護者の不安や拒否により介

護サービスに繋がらない現状があり、葛藤の連続であ

るといえる。例えば、長男の嫁が介護者である場合は

介護者の気持ちもわかってほしい、有難みを感じてほ

しいと望んでいた。

つまり、子どもの有無、子どもとの同居・別居にか

かわらず、日常的に介護者は孤独感や不安を感じてい

る傾向がみられる。家族介護者は、生活上のさまざま

な困難に直面し、葛藤を抱えている。このような介護

者の気持ちを要介護者や家族も理解してほしいと願っ

ているといえる。

また、家族介護者はデイサービスや訪問介護等の介

護サービスを利用することにより人間関係が活性化し、

要介護者自身が明るくなったという結果を得ている。

そのため、要介護者がもてる力を発揮できるようなサ

56

(4)

-ビスの内容に期待している。さらに、要介護者の喜

びは介護者の喜びや感謝をももたらしている。つまり、

介護サービスをとおして新しい人間関係をもつことに

より、要介護者、介護者ともに喜び、生き生きとした

日常生活の変化がみられた。また、孤立した状況では

不安や依存傾向の助長となりやすい。

(2)家族や本人の状況に合った介護サービスを利

用できると最期まで在宅介護も可能

福祉用具貸与、住宅改修や訪問リハビリテーショ

ン等は有難く、さらに利用したいと思う反面、施設の

設備やケア内容についての不満を抱えている。その他

に、サービス利用までの手続きが大変であり、在宅の

中心的なサービスであるショートステイ、デイサービ

スの利用を自由に選択できない状況である。通院手段

や経済的な問題等の様々な生活上の課題についても身

近に相談したい、家族の状態にあった介護サービスを

選択できるように、という要望がある。

また、自宅で最期まで暮らしてもらいたいと思っ

ている家族介護者にとって、経済的負担にならない範

囲で利用できる介護サービスは助かっている。つまり、

在宅介護を可能にしている一面といえる。

<表1 >より、在宅介護を可能にする条件として、

(孤立を超える)ことと(柔軟な介護サービス)と

いう2つのポイントが導き出された0

2. 家族介護者のインタビューく表2>より

(1)介護そのものについての想いや介護がプラス

された日常生活の変化を、家族介護者自身の

殻に閉じ込めがち

今回、インタビューに応じた家族介護者は、当初、

近所や親戚から"長男の嫁が介護してあたりまえ"と

している慣習のなかで介護が始まった。その時の気持

ちを「夫が親不孝に見られるのが嫌やったから介護す

るしかなかった」 、 「最初は介護者の心の中に詰め込

んで辛抱していた」 。 「辛いけど私が(介護を)する

しかない。長男の嫁だから--・」 、 「いつも要介護

者といると息が詰まる」等と話した。認知症の始まり

の行動にショックを受け、どう対応してよいか混乱し、

介護者もパニックになった。このような状況を身近な

人(夫)にわかってもらえないと「もう、言わんとこ

う」と孤独になり、さらに閉鎖的な状況をつくってし

まっていた。 「更年期で辛かった」など、介護者自身

の入院、介護者の子の結婚・出産、孫の育児の協力な

ど介護以外のことにも直面した。 「何と言っても、嫁

姑の問題がものすごく、介護はとてもきつかった。何

でもかんでも我慢していた反動かな」と話していた。

その他に、介護者が精神的に行き詰まった時、介護サ

ービス利用により、介護者だけ、家族だけで抱え込ま

ず対処できた、経済的にも負担にならない範囲で希望

する介護サービスが利用できるという声が出ていた。

つまり、介護者の生活には介護と介護以外のことが

あり、追いつめられやすく、ストレスが強くなるとい

うように悪循環傾向がみられた。介護サービスを利用

し新しい関係性をつくることにより、ストレスが緩和

され自由時間ができ、ゆとりがもてる。

(2)内的な想いを外的な行動に向けると『人と人

との関係性』が育つo 介護者自身の内的変化

や要介護者-の理解を深める契機となる

「本当に、シンドクなった時(以前、保健師に勧

められていた)家族の会に出かけた。人の話を聴いて、

しゃべって変わってきた。友達ができた」 、要介護者

に対しては「 "おばあちゃんの人生いろいろあって、

頑張って来はったんやな"と考えるゆとりが出てきた

ら、ひどいこと言うたな--・とも思えた」等の意見

が聞かれた。同じような境遇にある介護者と家族との

交流は新しい関係の発見となり、介護者自身の成長、

家族の結束、困難な状況に向かうェレルギ-となった。

新しい関係性をとおして、介護と日常生活のスト

レスにより閉鎖的になりやすい介護者の心の扉を開く

ことができ、学びや成長のきっかけともなる。ひいて

は、介護者自身の要介護者-の理解が深まる。

<表2>より、 (閉鎖的な悪循環)のかたちと、

それを打破する(新しい関係性)の重要性が把握で

一・:- /蝣∴

訂Iillil

在宅介護がうまく機能しない要因として、 (孤

立) (閉鎖) (葛藤)が導き出され、逆に在宅介護を

可能にする要因には(柔軟さ) (精神的なゆとり)

(良好な人間関係)等があり、 『新しい関係性』を構

築することが最大の鍵となることが示唆された。

介護者がさまざまな葛藤や想いを経て介護サービス

利用に至る過程においても、介護者と要介護者との既

存の関係の見直しや再発見がある。さらに、介護サー

ビスの利用や継続によって、人や機関や施設等との新

たな関係性が拡がり、信頼や交流が生まれる。

このような関係性の再発見・再構築・拡がりの有

無がこれからの在宅介護の明暗を分かつといえる。

家族介護者自身のこだわり・世間の目・社会的規範

に縛られず、 (新しい関係性)をもつことで、要介護

者も家族介護者も喜び、生き生きとした生活が送れる

よう支援することが重要である。

謝辞

アンケートおよびインタビューにご協力いただき

ました家族介護者、 A市介護支援専門員連絡協議会の

(5)

要介護高齢者の在宅介護を支えるもの

皆様に心より感謝申し上げます。また、 KJ法分析お

よびまとめに際し、終始きめ細やかなご指導と励まし

をいただきましたK J法本部 川喜田晶子主任研究員

に深謝いたします。

琴措定I?-1)川喜田二郎:発想法,中公新書, 2003

2)川喜田二郎:続発想法,中公新書, 2004

・)ト,こI?-1)横山美江、清水忠彦、早川和生ほか:要介護老人

における在宅福祉サービス利用の実態および介護

者の疲労状態との関連,老年社会科学,

15(2), 136-149, 1994

2)近森栄子:在宅ケアを提供される高齢者の特性と

家族の負担感との関連,神戸市看護大学紀要,

3, 101-112, 1999

3)緒方素子、橋本辿男、乙坂佳代:在宅要介護高齢

者を介護する家族の主観的介護負担,日本公衆衛

生誌, 47(4) ,307-319,2000

4)大山直美、鈴木みずえ,山田紀代美:家族介護者

の主観的介護負担における関連要因の分析,老年看護

学, 6(1),58-66,2001

5)山本則子:痴呆老人の家族介護に関する研究,娘

および嫁介護者の人生における介護経験の意味,

看護研究 28, 178-199, 1995

6)山本則子、石垣和子、国吉 緑 ほか:高齢者の

家族における介護の肯定的認識と生活の質(QOL),い

きがい感および介護継続意思との関連,続柄別の検討,

日本公衆衛生誌 49(7) , 660-669, 2002

7)斉藤恵美子、国崎ちはる、金川克子:家族介護者

の介護に対する肯定的側面と継続意向に関する検

討,日本公衆衛生誌, 48(3) , 180-189,2001

8)模井成美:介護肯定感がもつ負担感軽減効果,心

理学研究, 70(3), 203-210, 1999

9)陶山啓子、河野理恵、河野保子:家族介護者の介

護肯定感の形成に関する要因分析,老年社会科学,

25 (4) , 461-469, 2004

10)広瀬美千代、岡田進一、白樺政和:家族介護者の

介護に対する肯定的評価に関する要因,厚生の指

標 52(8),1-7,2005

58

(6)

表1 在宅介護の現状:家族介護者へのアンケートより[KJ法によるラベル統合の流れ]

71: フ ベ ル

第1段階<表札>

.福 祉 用 具貸 与 や 住 宅 改 修 は 有難 い * さ ま ざ ま な 介 護 サ ー ビ * * 介 護 サ ー ビス の ニー .訪 問 リハ ビ リテ ー シ ョ ンは もつ と増 や せ る と 良い ス は 有 難 い 0 さ らに 利 用 ズ は 高 い 0 さ らに 、有 難 . 通 院 時ふ れ あい バ ス を利 用 し助 か っ て い る した い い反 面 、 事 務 手 続 き の簡 略 さ、 適 切 な認 定 、 よ り .調 査や サー ビス利 用 の 手 続 き が 大変 . 認 定 調 査 訪 問 時 間が 短 く (要 介護 者 の ) 状 態 を 正 し く見 て も ら え 柔 軟 な サ ー ビス 利 用 が望 まれ る て い な い と思 う . (介護 者 が) 気 軽 に 外 出 で き る よ うに して ほ しい . シ ョー トステ イ 、デ イ サ ー ビス 、訪 問介 護 の利 用 に つ い て 、施 * 家 族 の 状 態 に あ っ た 介 設 、期 間 (期 日) 、利 用 時 間 が 自由 に選 択 で き ない 護 サ ー ビ ス を も つ と 自 由 . シ ョー トステ イ 、デ イ サー ビス の 利 用 可 能 回 数 が少 な い 0 要 支 援 に 選 択 で き る 柔 軟 さ を望 も介護 度 とは別 枠 で 利 用 枠 が ほ しい0 年 に 1回 ぐ らい は む (利 用 施 設 、 時期 や 時 間等 ー . 介護 者 は子 育 て 、大 病 な ど さま ざ ま な介 護 以 外 の 負 担 もあ る の で * 普 段 の生 活 には 介 護 以 * * 日常 生 活 に は 介護 以 (ダ ブル . トリプ ル パ ンチ ) 、訪 問介 護 、訪 問 看 護 、 訪 問 入浴 、 外 の事 柄 も あ るの で 、 要 外 の こ と もあ るの で 、 さ シ ョー トステ イ 等 有 難 い 介護 者 を 1 日中み てい る こ らに追 い 詰 め られ る0 . 1 日中み て い る こ とは で き ない ので 助 か っ て い る とは で き ない 0 介 護 サ ー ビス利 用 に よ り介 護 者 、 家族 に 自 由時 間 が とれ て ホ ツ とす る サー ビス利 用 に よ り時 間 的 、精 神 的 な ゆ と りが で き て助 か る . 介護 者 や 家 族 の 自 由時 間 が で き て有 難 い (外 出 、休 息 、 仕 事 、 家事 等 ) . サ ー ビス を利 用 す れ ば ス トレス が緩 和 され ホ ツ とす る . 家 庭 崩 壊 寸 前 だ った 時 、精 神 的 . 感 情 的 に介 護 者 が行 き詰 ま った * 介 護 者 が せ つぱ っ ま つ 時 、 介護 保 険 に助 けて も らっ た0 た状 態 で あ つて も、 サ ー . 介護 者 ひ と り、 あ るい は 、 家族 だ け で抱 え込 まず に す む の で助 ビス利 用 に よ り抱 え込 ま ず にす む ので 助 か っ た か っ た . 困 っ た 時 、緊 急 時 に ケ アマ ネ ジ ャ ー 、 ホー ムヘ ル パ ー 、 看 護 師 等 に相 談 で き る . ホ ー ム ヘ ル パ ー や 看 護 師 に話 を す る と ス ト レス が た ま らな く な つ て き た . 老 老介 護 を しな くて す む の で助 か っ て い る * あ くまで 『在 宅 』 で 介 護 した い と希 望 す る 家族 に . 希 望す る サー ビスが 受 け られ る0 多 くのサ ー ビス が 利 用 で き る とっ て経 済 的 負 担 が 軽 く利 用 で き る多彩 な介 護 サ ー .経 済 的 に あ ま り負 担 に な らな い ビ ス は助 か って い る0 . 自宅 で 最 期 ま で 暮 ら して も らい た い と頑 張 っ て い る0 介 護 保 険 が あ る か ら在 宅 介 護 可 能 で あ る . 子 ど もの 有 無 、別 居 . 同居 に か か わ らず 、著 者 介護 の た め 四 六 時 * 家 族 との 同居 別 居 に か * * 人 間 関 係 を も つ こ 中 不安 で あ る か わ らず 、 介 護 者 も 要 とで 、 要 介 護 者 、 介 護 . ホ ー ムヘ ル パ ー のい な い とき は 不安 で あ る 介 護 者 も孤 立 す る の で 者 も共 に 生 き 生 き と し . 認 知 度 が 重 症 に なれ ば 、デ イ サ ー ビス や シ ョー トス テ イ で み て もは と思 う と不 安 がつ の る て 喜 び を 得 られ る。 反 面 、 孤 立 は 不 安 を助 長 す る らえ な い の で は とい う不 安 が あ る . 要 介 護 者 はデ イ サー ビスや シ ョー トス テ イ の利 用 に よ り、 人 間 関 * 要 介 護 者 は デ イ サ ー ビ 係 が 活性 化 し明 る くな っ た ス や 訪 問 介 護 の 利 用 に よ . デ イ サー ビスで は認 知 症 と身 体 障害 を別 々 に わ けて ほ しい り人 間 関 係 を も ち 、 生 き . デ イ サ ー ビス で は 、介 護 度 の 違 う人 が 一 緒 に され て しま っ て 話 し 生 き とな る よ うな人 と の がAi b な し上 .読 u p 手 が ほ しい 交流 を望 む . 要 介 護 者 はデ イ サー ビス に 大 満 足 で あ る0 本 人 の喜 び は 介 護 者 の 喜 び で大 変 感 謝 して い る . 要 介 護 者 の配 偶 者 (秦 ) は 、 本 人 の デ イ サ ー ビス利 用 を嘆 い て い * 例 えば 、介護 者 が嫁 の場 合 、要 介 護 者 や その 配 偶 者 る0 介護 者 (嫁 ) の こ と も理解 して ほ しい に介 護 者 の 気持 ち も わか って ほ しい と願 ってい る . 要 介護 者 が有 難 み をわ か っ て い な い の で 、時 々腹 が 立 つ0 . 要 介護 者 が介 護 サ ー ビス の利 用 を嫌 が る . 要 介 護 者 が 不 安 で シ ョー トス テ イ を利 用 しな い0 体 験 で きな い の で 困 る . 介 護 の 日 々は 気 持 ち よ く過 ごせ た とい う 日は 1 日も な か っ た 0 在 * 在 宅 介 護 は大 変 で あ る 0 要 介護 者 に優 し く接 す る 宅 で 介護 す る こ と は大 変 で あ る こ とが で きず 葛 藤 の 連続 で あ る . さま ざま な介 護 サー ビス を利 用 し助 か って い る0 以 前 は イ ライ ラ が 高 じて虐 待 に繋 が りか ね な い こ とも あ り、 自分 が 怖 くな っ た こ と . シ ョー トステ イ 、デ イ サー ビス か らの 帰 宅 後 が 大変 で あ る0 施 設 に 入 っ て ほ しい と思 う . 家 で は 要 介 護 者 へ 優 し く接 す る こ とが で き な い が 、 デ イ サ ー ビ ス で は優 し く接 して も らい 喜 ん で い る . ケ ア ワー カー の レベ ル ア ップ を 望む * 日常 生 活 の ケ ア や 設 備 に つ い て 不 十 分 と感 じ .食 事や 設 備 の充 実 を望 む てい る . デ イ サー ビス時 の入 浴 、 着 替 え 、排 尿 、転 倒 、ケ ガ 等 で ケ ア の 内容 が 不 十 分 と感 じる こ とが あ る .年 金生 活 のた め経 済 的 に 大 変 で あ る * 生 活 上 の さ ま ざま な 問題 につ い て身 近 に 相 談 した . 農 山 村 地 域 の た め 公 共 交 通機 関 の 利 便 性 が悪 く 、 通 院 が 困 難 で 困 っ て い る . 地 元 に密 着 した 相 談 窓 口が ほ しい

荏: ( )内の言葉は文意を理解するために筆者が補った言葉である。 *は第1段階の表札、 **は第2段階の表札である。

(7)

表2 在宅介護の現状:家族介護者へのインタビューより[KJ法によるラベル統合の流れ]

71: フ ベ ル

第1段階<表札>

. 近 所 、親 戚 か ら "長 男 の嫁 が 介 護 して あ た りま えノノとみ られ * "長 男 の 嫁 は 介 護 して あ * * 長 男 の 嫁 と し て の プ て しま う た りま え" とい う慣 習 の な レ ツ シ ヤ ー や 急 に ふ りか . 主 人 が親 不 孝 に み られ る の が 嫌 や つ た か ら (義 父 を) 介 護 す か 、 夫 の た め 、 両 親 に心 配 か る 介 護 の 現 実 な ど理 不 る しか な か っ た か け な い よ うに と、 周 囲 の 尽 な感 情 に 悩 ま さ れ て い . 最 初 は 自分 の心 の 中 に詰 め込 ん で 辛抱 して い た 0 辛 い け ど、 期 待 どお りに や る しか な い 状 況 か ら介 護 が 始 ま る る介 護 者 の葛 藤 私 が (介 護 ) す る しか ない 0 長 男 の嫁 だ か ら0 " (介 護 を) や る しか な い" 0 逃 げ 出 して (実 家 へ ) 帰 る と 両 親 が 心 配 す る し . い つ も要 介 護 者 と接 して い る と息 が詰 ま る * 要 介 護者 の これ ま で の 生 . は じめ の お ば あ ち ゃ ん の行 動 (認 知 症 の は じま り) に シ ヨ ツ 活 と現 実 との ギ ャ ップ が 受 ク0 対 応 で きず 介 護 者 もパ ニ ッ ク け 入 れ られ な い 0 介 護 者 は . (認 知 症 初 期 の ) 要 介 護 者 の 「ア ホ に な っ た 0 ア ホ に な つ 現 実 の 介護 状 況 に 今 に も押 た 」 「私 は じめ て 聞 き ま した 」 の 繰 り返 しに ど う対 応 して よい しつ ぶ され る と強 い 不 安 を か 混 乱 した 感 じて い る (こ れ ま で 敬 意 を は ら っ て ) " お 父 さ ん (要 介 護 者 の こ と) " と しか 呼 ん で こ な か っ た 0 ウ ン チ して もお し っ こ して も "お 父 さん " と思 って たか ら、イ ラ イ ラ して た ん か な . (認 知 症 の 介 護 の) は じめ の うち は 、何 で 私 が パ ン ツ洗 っ た り、お 尻 拭 い た りせ な あ か ん の . . . と思 っ て い た 0 そ の うち 洗 濯 に 慣 れ た し、汚 れ た ら洗 え ば よ い と思 え る よ うに な っ た . 介 護 者 が (認 知 症 と い う病 名 に) 一番 こだ わ っ て い た * 認 知 症 とい う病 名 に こ だ * * 介 護 者 の こ だ わ り 、 . 一 番 身 近 な 人 に わ か っ て も ら え な い と 、 「も う言 わ ん と こ わ つ た り 、 周 囲 の 理 解 が 得 周 囲 の 無 理 解 、 身 体 的 不 う」 と孤 独 に な り自分 を追 い込 む 百 罷 (0 m ヒも あ り、更 年 期 下草 か つ た られ な い 時 に 、 介 護 者 は 自 分 で 自 分 を 追 い 込 ん で し ま い 閉 鎖 的 状 況 を つ く っ て い る 調 な ど 閉 鎖 的 状 況 は 、 さ ら に 、 困 難 な 状 況 へ と介 護 者 を追 い込 む . 子 ど も の結 婚 、 出産 3 回 、孫 の育 児 の 協 力 等 い ろ い ろ大 変 * さまざまな修 羅 場 を抱 えたなか で 、介護 がうまく機 能 す るか だ っ た 0 デ イ サ ー ビスや シ ョー トス テイ を利 用 した り、 他 の 娘 どうか は 、家 族 内 の人 間 関 係 の良 否 が大 きく左 右 す る に 勤 務 を休 ん で も らっ て対 処 した0 . 嫁 姑 の 問 題 が も のす ご く 、介 護 は とて もき つ か っ た 0 何 で も か ん で も (姑 に対 して ) 我 慢 して い た反 動 か な ? . 『お ば あ ち ゃん の人 生 い ろ い ろ あ っ て 、頑 張 っ て 釆 は っ た ん * 同 じ よ うな 境 遇 に あ る介 * * 介 護 の (家 族 の) 内 や な 』 と考 え る ゆ と りが 出 て き た ら、ひ どい こ と言 うた 護 者 や 家族 との 交 流 は新 し 外 で 新 し い関 係 性 をみ つ な . . . と思 え る い 関係 の 発 見 とな り、介 護 け られ る こ と が 閉塞 的 な . 主 人 も 「何 で もや る」 と言 っ て くれ た0 家族 み ん な で 協 力 し 者 自身 の 学 び 、 成 長 、家 族 介 護 者 の扉 を 開 くき つ か 一 丸 とな って 乗 り越 え た の結 束 、 困 難 打破 の チ ャ ン ;I-;一蝣.蝣-". . 介 護 者 が 主 張 す る の で な く、要 介 護 者 へ ピタ ツ と合 わ せ る ス に つ な が る と、 だ ん だ ん 介 護 しや す く な る . 本 当に シ ン ドク な っ た時 に 『家 族 の会 』 に 出 か け た 0 人 の 話 聴 い て 、 しゃ べ って 変 わ っ て き た0 友達 が で き た . 今 の 自分 は 義 父 (要 介 護 者 ) のお か げ 、 た ま た ま認 知 症 に * 様 々 な 環 境 や 苦 難 のな か な っ て くれ は つた か ら学 べ た こ とが 一杯 あ る で 、 い つ の ま に か 『要 介 護 . お 父 さん (義 父 、要 介 護 者 ) の世 界 に合 わせ る こ とが で き る 者 へ の 愛 情 』 『家 族 へ の 感 よ うに な り、 成 長 した と感 じた 謝 』 が 身 に つ き、 介 護 の 究 . 主 人 が い た か ら乗 り越 え られ た 極 の境 地 に ぬ け られ た . どん な 環 境 に あ つて も 、 そ の人 (要介 護 者 ) を 愛 す る よ うに な っ た ら (二菩薩 か ら) 卒 業 か な ? ! . 中途 半 端 (葛 藤 か ら抜 け られ な い 状態 ) や と結 局 は え らい 目 * 介護 者 は 自分 の 大 変 さ ば * * 様 々 な葛 藤 、体 験 、 に 合 っ た だ けで 終 わ っ て しま う か りに 目を 向 けが ちだ が 、 物 事 の捉 え方 の変 化 等 に . ど うした ら 自分 の気 持 ち を穏 や か に して接 す る こ とが で き る 穏 や か な気 持 ちに な りた い よ り、介 護 者 の要 介 護 者 か 葛 藤 し 、模 索 した とい う葛藤 の す え要 介 護 者 ヘ の理 解 が深 ま り前 向 き . 「介 護 者 は 大 変 や 大 変 や 」 と振 りま い て い た0 本 当 は お ば あ ヘ の 理 解 が 介 護 者 を変 え る き っ か けに な る に な る (柔 軟 さ) ちゃ ん (要 介 護 者 ) が 一 番 大 変 で 自分 が パ ニ ック を 起 こ して い た だ け と思 え る まで 時 間 を要 した . 「家 族 の会 」 に 出 く わ した こ とが 少 しで も 変 わ りた い と思 え る きっ か けに な った し、 こ こ ま で (葛 藤 か らの 卒 業 ) た ど りつ ..・.i. . こ ち ら (介 護 者 ) も物 忘 れ が 多 い 0 お ば あ ち ゃ ん (要 介 護 * ).ii,; i「 T m l 者 ) よ り少 し時 間 が 後 な だ け0 お ば あ ち ゃ ん が た く さん 忘 れ は る け ど、 似 た よ うに な って き て . . . ・1 覇 、 認 知 症 の知 識 が あ っ た ら少 しはW -i た と思 う . 自分 自身 に 「い つ ま で も じや な い よ」 と言 い き かせ て 、 や つ 方 に よ り、 困 難 な 状 況 も前 と一 つ 山 を越 え 、 また 、次 の場 面 とい う繰 り返 し 向 き に 変化 し続 け る . (施 設 に) 預 け る こ と は逃 げ る こ とで な く、 預 か っ て も ら う と思 うと介 護 者 は助 か る

注: ( )内の言葉は文意を理解するために筆者が補った。 *は第1段階の表札、 **は第2段階の表札である。

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参照

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