授業とは何をいうか
†
―発言のひびき合い―
溜池 善裕
*宇都宮大学教育学部
*Yoshihiro TAMEIKE*: What is it Lesson? refering to Integration of Children's Remark in Classroom
Keywords :Takayasu SHIGEMATSU,Horikawa Elementry School,moral,question
* Faculty of Education, Utsunomiya University ([email protected]) 概要 富山市立堀川小学校の道徳の授業を子ども達によって発せられる問いに着目して分析した。分析を通 して,第一の問い(発言からではよくわらないことや発言者の言葉の位置付け,その発言に至った背景につ いて,純粋にそれを知ろうとするもの),第二の問い(発言者に向けた疑いや反対といった否定的感情を伴う, 曖昧さや誤りを指摘するもの),第三の問い(仲間のやりとりを聴いた上での仲間への新たな問い)がある ことを抽出し,第二の問いが意味ある問いに転換出来る指導,発言がひびき合う授業について言及した。 キーワード:重松鷹泰,しみじみとする授業,よい授業の条件,発言のひびき合い,問い,堀川小学校, 道徳 1.目的 本稿は,これまで筆者が取り組んで来た,一連の 授業分析論文において「しみじみとする授業」に関 するもの1)に位置付けられる。本稿では徳目を教 える道徳授業のうち,堀川道徳と呼ばれる生活単元 学習における実践道徳の授業を分析対象とすること で,息の長い,子ども達の生活や生き方と密接不離 な授業では何が起こり,またそれはどのような教育 的意味を持っているかを考察する。このことは,堀 川道徳のようにきわめてむずかしい授業では,特に 何に留意しなければならないか,「よい授業の条件」 や授業の5段階論という枠組との関連では,それが どのように位置付けられるかを明らかにするための ものである。 2.授業分析 分析対象は,教職に就いて10年目,富山市立堀川 小学校着任5年目の村上智昭先生(以下敬称略)の 授業記録である。村上は堀川小ではとくに道徳を中 心に実践研究を重ねる唯一一人の道徳部員である。 村上が堀川小の道徳に直接関わったのは着任3年前 であるから,村上と堀川の道徳との付き合いは8年 目であるが,筆者は着任1年目,2010年の授業を以 前分析している2)。道徳が問題とするのは言うまで もなく徳目であるが,徳目はそうすべきことは誰も が分かっていることであり,副読本を読んで話し合 う道徳の授業に空々しさが漂うのはそのためであ る。したがって道徳の授業が問題とすべきは,そう であることは分かっていても生活においてはそれを 行うことが困難な実践道徳である。堀川道徳は,今 日まで実践道徳と正面から向き合うことを通して, 戦後我が国の初等教育に多大な貢献をしてきたが, 村上の授業もまた,そこに位置付くものである。さ て,村上が実施した単元「一人一人のしあわせ」は, 第3学年において2014年5月から道徳と関連づけさ れた総合的な時間として実施され,本時は2015(平 成27)年2月13日に集団過程(話し合い)3)として 実施された。(以下,付・授業記録参照) 2名波には「貧しい国→足りないものがある→救 える物が一杯ある」に依拠して,「幸せでない3年 3組→足りないものがある→救えるものがある」と いう論理がある。この論理に照らすと,3年3組に 何かしようとする仲間には,3年3組に足りないも のがあるという考えがあるはずだということにな る。それが何かがわかれば,それを手がかりにして 次にどっちをやればいいかがわかるから,教えてほ
宇都宮大学教育学部教育実践紀要 第1号 2015年8月1日
しいと言っているのである。 名波が書き損じ葉書を集めていたことを知る仲間 にとって,名波のこのような発言は,きわめて意外 である。それゆえ,子ども達からは2-6柿谷を皮切 りに素朴な問いが出され,貧しい国は幸せではない (2-7・2-8柿谷),3年3組は病気で死ぬ人はいない から幸せ(2-10・2-11福西)という名波の思いが 明らかになった上で「3年3組は幸せじゃないと思っ ている人はどう思っているのかな」という問いが名 波から発せられる。 次の発言者4高原が「3年3組は,あまり幸せじゃ ないと思う」と考える理由は「なんか喧嘩とか起 こったりしている」からであり,高原が友達にして 欲しいことは「喧嘩が起こっていたら,喧嘩を止め てほしい」ということである。仲間からの問いから わかるのは,喧嘩はどんなことがあっても止めなけ ればならない(4-3柿谷),喧嘩が起こらないように する(4-5玉田),大きい喧嘩になる前に止める(4-6 酒井),言い合いは仲良しの証拠(4-7秋田),勉強 でのこたえの違いについて意見が分かれるのが言い 合い(4-9秋田・4-20田中),喧嘩は「心がふわふ わしていて,なんかやってしまう」のでありそれは 「つい」ではなく「自分でやろうと思ってやってい る」(4-12玉田・4-15玉田),喧嘩を止めにくい時 は褒め言葉を言ったりする(4-16川口),外国のこ とも日本のことも3年3組のことも気になっている (4-17柿谷),傷つける言葉をやめて一人で反省す る(4-27秋田)である。 直前の発言者,2名波の論理に従えば,救えるも のが喧嘩,足りないものが「心がふわふわして」に 該当する。前者についての問いは多く,高原が喧嘩 についてどのように考えているかが明らかになる一 方,後者についての問いは出されない。 次の発言者6中田も,4高原同様,3年3組の幸 せに取り組んでいる。その取り組みで同様なのは喧 嘩を止めることであり,その方法である優しい言葉 をかけるは,4高原の考えた方法の一部,褒め言葉 を言うことと共通しているが,中田の発言途中での 高原の問いはきわめて多い。このうち,6-3・6-6・ 6-7高原は,中田への純粋な問いであるけれども, 6-8・6-12・6-13高原は否定的感情を含んだ厳しい 問いであり,それは6-11川口・6-12酒井・6-15秋 田についても同様である。 高原の活動は,喧嘩を生じさせるもの,3年3組の 仲間の「心がふわふわして」いることに向けられて いるが,中田の活動が3年3組の何に向けられている かは明確ではない。そのため,高原を中心とする執 拗で厳しい問いが繰り返されるのである。 8柳沢は,使用済み切手がお金になることを知っ ており,困っている人を救けるために,それを集め たいと発言している。途中,8-21秋田「3年3組 は幸せだと思うの?」,8-22今野「どういうところ から幸せだと思うの?」の問いがあり,「思っとるよ」 「笑顔が多いから」と答えるが,その後矢継ぎ早に 切手についての問いが出されて話が戻される。そこ で9Tが意図的に出て10柳沢の発言となるのである。 「もう友達は一杯いて,もう楽しいから」に対して, 10-2秋田「喧嘩とか,こういう傷つける言葉があっ ても大丈夫?」と問われれば「大丈夫」と答えると, そのようなたくましい柳沢に向けた問いが続く。こ こで明らかになる柳沢の思いは,始めは友達がいな くて嫌だったが今は友達が一杯いる(10-3酒井), 話しかけたりしていたらいつのまにか友達になって いた(10-4酒井),今の自分も3年3組も幸せ(10-5 今野・10-6石田),なぜなら喧嘩は確実にあること だから(10-7今野),喧嘩で暴力とかあっても20秒 くらいで終わり(10-8秋田),誰かが止めに来る前 に終わっている(10-9福西),というものである。 友達がいなかった頃のことを知っている仲間から 見ると,8柳沢が今の自分も3年3組もみんな幸せだ と言うのはとても意外である。長い間友達のことで 苦労したはずの柳沢であるからこそ,そのように言 える理由を10柳沢に問うてみたいのである。 11Tで内田を指名しているのは,内田もまた3年3 組のことを幸せだと考えているからであるが,同時 に,柳沢との関連で子ども達の考えが深まることを 期待してのことである。内田は貧しい国に服を届け るための活動に取り組んでおり,貧しい国の人は服 をもらえば嬉しいから幸せになれるのではないかと 考えている。14内田への問いで明らかになるのは, 貧しい国の人は貧し過ぎて喧嘩も出来ない(14-2 秋田),最初から喧嘩にならないように気をつけれ ばいい(14-3秋田)と内田が考えていることである。 一方,ぼろぼろの服でも喜んでもらえるかについて は曖昧なままである(14-8今野)。 続いて,16今野・20玉田が指名され,新たな課 題が提示されたところで時間切れとなる。
3.考察 (1)子どもによる問い この授業は,聴き手の子ども達や教師からの問い と発言者のこたえ,そこから生まれる発言者による 問いによって構成される授業である。問いの大半は 子ども達によるものであるから,子ども達だけで授 業を進めているようにも見えるが,この授業では教 師が位置付ける子やそこに関係付ける子を的確に指 名し(2名波→4高原,6中田→8柳沢,10柳沢→14 内田→16今野→20玉田),重要な問いは教師が行っ ている(8柳沢への9T・16今野への17T)という意 味で,教師の統御の下にある授業だと考えるべきだ ろう。上記2で見たように4高原の「心がふわふわ して」について子ども達も教師も同様に問うていな いが, 4高原はこの言葉を3度(4-12・4-15玉田の 後,4-26福西の後)口に出しており,教師はそれ に気付かないはずはないのであって,ここは敢えて 問うていないと考えるべきである。加えて,4高原 の後の6中田に対する執拗な問いの繰り返しの状況 を見た7Tによる意図的指名によって話し合いを落 ち着かせ,教師が行う重要な問い(9T・17T)によっ て子ども達の考えを深め,6中田による乱れを立て 直しているから,教師による統御は授業の隅々まで 行き届いていると言って良い。 さて子ども達による問いは,次の3つに大別さ れる。それは第一に,2名波・4高原・8・10柳沢・ 12・14内田・16・18今野において見られるような, 発言からではよくわらないことや発言者の言葉の位 置付け,その発言に至った背景について,純粋にそ れを知ろうとするものである。また第二には,6中 田において見られるような,発言者に向けた疑いや 反対といった否定的感情を伴う,曖昧さや誤りを指 摘するもの。第三には,仲間のやりとりを聴いた上 での仲間への新たな問い─16今野「もっと素敵な 幸せが見つかるんじゃないか」・20玉田「いい方法っ てわかりますか」─である。 これらの問いがどのようにして生まれるに至った かを,実際に,授業において村上が意識するはたら きかけ4)─指名・板書・問い返し・発問─に着目し て考えてみよう。 第一の問いに関しては,「指名」は「授業のねら いや授業での学びの深まりにおける子どもの思考の 変容」にもとづいているから,発言者は聴き手にとっ て驚きの対象,聴きたくなる対象である。それゆえ, 子ども達相互の関係を良くし,聴くことの良さや意 味に気付かせる指導を通して,子ども達はこの種の 問いを発するようになるだろう。また,集団過程を 何度も経験するうち,教師によるそのような発言者 の位置付けはやがて子ども達に理解され,必要な時 に問うてみようとするようになるだろう。さらに「問 い返し」は「子どもの発言だけでは,伝わらなかっ たことやその子どもの言葉の意味付け方などを明ら かにさせたい場合にしている」とあるから,同様の ことを子ども達が真似,やがてその意味を理解する ことで,自然に問いを発することが出来るようにな るだろう。このように考えると,第一の問いは,教 師による指導を通して,子ども達が問いの良さと意 味に気づき,そのことを学習によって確かめながら 体得した結果であると言えよう。 第二の問いは,息の長い生活単元学習における実 践道徳であるからこそなお,それぞれの追究の結果 として生まれる価値の対立に依拠し,学習を続ける 子ども達の出した一つの結果である。 第三の問いに関してはどうだろう。「板書」は「子 どもの発言の位置づけ,授業での学びの深まりを視 覚的に捉えやすくし」,「問い返し」は「または,他 の子どもの発言との相違点や発言の意図などを確か める際にもして」いる。さらに「発問」は「授業で の子どもたちの関わり合いによって見出される問い を教師が全体に投げかけることによって,子どもた ちの学びを更に深めようと」するものであるから, 子ども達はこれら三つを通して発言相互の関係をと らえられるようになり,第三の問いを発することが 出来るようになるだろう。また第一の問いが出来る ことによって,それぞれの存在の尊厳に気付かされ, 第三の問いへとつながるだろう。 以上のように問いはどれも,教師の指導において 子ども達が自ら学習し追究を続けた結果なのである。 だが留意しなければならないのは,既に指摘した ように,4高原が「心がふわふわして」を3度口に 出したにも拘わらず,その言葉の位置付けを子ども 達が問わない事態が生じている点である。4-12玉 田の後のそれは4-14玉田,さらにその後のそれは 4-16川口によってかき消されるが,それでも4高原 は最後に(4-26福西の後)「心がふわふわして」を 口にしているから,この言葉は4高原にとって大切 なものであったに違いない。4高原の発言全体を見 ると,聴き手は発言途中で自らの文脈で問いを提出
し,その都度高原は自分の文脈から降りて聴き手の 文脈に近づき,それに真伨に答えているのであり, 聴き手からの問いがある限りそれを続けている。し かし,聴き手は発言者の大切な言葉で立ち止まろう とはしないのである。 聴き手に,発言者への否定的ないしは懐疑的な思 いがある場合には別の様相を呈する。第一の問い に加えて否定的感情を伴った第二の問いが繰り返さ れ,例えば6中田のように,先の作業に聴き手への 防戦作業が付加されて,全体として自分の発言の真 意が伝わりづらい状況が作られるのである。もちろ んこの場面も,前発言者の4高原が自分の大切な言 葉について問うてもらえなかった苛立から6中田に 対したとも,また高原を取り巻く子ども達の何らか の関係が作用したとも言えよう。だが間違いないの は,否定的感情とは即ち生活単元学習であるからこ そ生まれる価値の対立,実践道徳であるからこそ向 き合うべき自他を分つものであるが,子ども達がそ れと正対しきれていないという事実であり,それは 発言者の大切な言葉で立ち止まろうとしないことと 地続だということである。 (2)子ども達が自己と向きあう 第一,第三の問いは,なされるべき問い,なすべ き問いであるが,第二の問いは,子ども達が向き 合うべき問いであり,生活単元学習における実践道 徳であるならばなおさら教師が子ども達に向き合わ せるべき問いである。子ども達が向き合うのは第二 の問いではあるけれども,その問いが生まれる自己 と向き合うことでもある。それは,学習が何かに取 り組むことだと考えていた子ども達が,そのように 取り組む自己を知ることが学習だとわかること。さ らに自己と他者の区別が意味を持たない普遍に至る 追究の持つすごさや価値に気付くこと。同様に追究 した人が過去にもどこかにいたことに思い至るこ と。そのようにして子ども達が時空を超えた存在と なり,自己即ち他者が生かされている世界に教えら れることの意味が分かること。第二の問いと向き合 い自己と向き合うのは,これらのことが行われるそ4 こに向かい始める4 4 4 4 4 4 4 4ことでようやく可能となるのであ り,それは素直に発言者の大切な言葉に立ち止まる ことに正しくつながるのである。 ことは簡単でも単純でもないが,少なくともそこ4 4 に向かい始める4 4 4 4 4 4 4子ども達を育てる指導によって,第 二の問いは子ども達にとって意味ある問いに転換さ れるだろう。そのためには,第一の問いを学習す る場合に,追究を深めることを通して具体的思考に 至っている子どもを提示することが肝要である。学 習が追究の深みに達せず抽象的思考にある時,子ど もは都合の悪い具体的なものを捨てて論理的整合性 に安住している。しかし都合の悪い具体的なものを 捨てず,却ってそれを引き受け,矛盾の中で解決の 糸口を探ろうと具体的思考をしながらもがき続ける 追究にある時,その子らしい思考6)が生まれ,子ど もはそこに向かい始める4 4 4 4 4 4 4 4 4。ここに至る子どもは,確 かに村上が言うように「変容」する位置づける子ど もであるが,まわりの子ども達もそこに向かい始め4 4 4 4 4 4 4 4 る4子ども達でなければならないのである。その時, 子ども達は,自分達が向かっているその場所即ち仲 間の言葉が発せられている場所6)を知ろうと働きか けるのであり,そのために問い,そのために助け合 い,それがいつの間にか授業となって,気付いて見 ると教室はその場所になっているのである。 (3)意図的指名 したがってその際には,教師は意図的指名をやめ なければならないのである。その理由は,そこに向4 4 4 4 かい始める4 4 4 4 4「変容」に関係付けられた子ども達を複 数指名すると一問一答が繰り返され,時間を要する という技術的な理由でからではない。そこに向かい 4 4 4 4 4 4 始める4 4 4子ども達が,どれほど集団的思考を働かせる ことが出来るか,どれほど今まで経験したことのな い新しい考えが生まれるかを知り,そこ4 4の場所がど こかにあるのではなく教室をその場所に出来ること を身をもって知るためである。意図的指名のある集 団過程も,これに続く一人追究を深めるだろう。深 まった一人追究をもとに新たに「変容」に位置付け られ関係付けられた子ども達による次の集団過程 は,以前のそれよりも深いものになるだろう。しか し,子ども達だけによる著しい助け合いや協力に よって成り立つ授業は,子ども達をおとなになって も支え続け,その伴侶となることもまた確かなので ある。 4.おわりに この授業分析は,堀川小と深い関わりを持ってい た重松鷹泰の「よい授業の条件」と授業の5段階論 が背景にある7)。前者は,①意外な発言,②子ども 達の助け合い協力が著しい,③授業のどこかにしみ じみとする感慨がある,の3条件。後者は,第1段
階;自由な発言・第2段階;長い発言(視点の転換)・ 第3段階;自他の関係(疑問点,対立点,共通点等) の認識・第4段階;自他の関係(疑問点,対立点, 共通点等)の認識を学習の契機とすること・第5段 階;個性的で構造(生き生きした考えの動き)のあ る発言のひびき合い,である。 今回分析した授業には「よい授業の条件」が3つ 備わってはいるが,第5段階にある授業とは必ずし も言えないのである。教師により位置付けられた子 どもには①があり,その内容を知ろうとする聴き手 の子ども達の②もあり,第三の問いが授業終盤に出 されるとそこに③があるのは確かである。第三の問 いが出されるということは,第4段階にあることも 間違いないだろう。しかし教師には指名権があるた め,問い相互に生まれるひびき合いはあっても,子 ども達の発言が局面を作りながらつながっていく発 言のひびき合いが生まれていないと思えるからであ る。 集団過程は子ども達の助け合いや協力が発揮され る集団的思考の場として位置付けられなくて良いと いう主張もあるだろう。しかし,実際に子ども達が 経験する,個性的で構造のある発言のひびき合いは, そのような集団過程を上回るものがあることもまた 事実である8)。この授業の様態が堀川小の授業であ るとは即断できないけれども,「よい授業の条件」 と授業の5段階論に既に気付いていた重松が,堀川 小第50回研究実践発表会で「子どもによる授業の組 織化」9)という講演行っていることには十分注意を 払うべきではないかと思われる。 (謝辞)論文作成にあたり,快く授業記録を提供し て下さった村上智昭先生,授業記録の掲載を許して 下さった堀川小学校に感謝します。ありがとうござ いました。 注 1)拙稿「授業とは何をいうか─「奈良の学習法」 における動的捉え」(『宇都宮大学教育学部教育 実践総合センター紀要』第35号,2012),「同─ 社会科における『しみじみとする授業』の意義」 (同,第36号,2013),「同─『しじみみとする 授業』の先にあるもの」(同,第37号,2014)。 2)拙稿「授業分析は何をめざすべきか」(『宇都宮 大学教育学部紀要第一部』2011)。 3)堀川小の学習は,「一人追究」と「集団過程」 として位置付けられている。前者は,それぞれ の子どもの個人的な追究,後者は個人的な追究 を集団において鍛え「一人追究」をさらに発展 させるものである。 4) 村上智昭「提案資料①(教師のはたらきかけ 編)」。 5)これは共存の感情であるが,紙面の都合で論じ ることが出来ないので以下参照のこと。拙稿「問 題解決学習から『しみじみとする授業』へ─思 考の感応・共存の感情(4)-(6)」(『考える子ども』 第355,356,358号,2014)。 6)個性的思考。前掲5)「同─個性的思考」(同, 第361号,2014)連載中。 7)拙稿「社会科教育における重松鷹泰の授業分 析研究の意義」(『社会科教育研究』第121号, 2014)。 8)前掲1)「授業とは何をいうか─社会科におけ る『しみじみとする授業』の意義」の授業記録 参照。 9)教育実践研究会『重松鷹泰先生講演録』(堀川 小学校,出版年不明)。 付・授業記録 日時;2015(平成27)年2月6日,場所;富山市立堀川小学校・ 3年3組村上級,教科等;道徳(総合),単元;一人一人のし あわせ,参観者;多数 (以下全て仮名) 1T では,「一人一人のしあわせ」について今,考えてい ることを出し合いながら,自分の活動にさらにプラスにし てください。では,話合い始めましょう。(柳沢,秋田,中 田,高原,玉田,名波,挙手。遅れて田中挙手)<間:34 秒>名波君。2名波 僕は,前の話合いの時に,んと,な んか,喧嘩とか悪口とか,3年3組の柿谷君が言ったこと で,えっと,世界の方にいった人もいて,3年3組がだめっ て言った人がいたでしょ。(2-1Cうん。2-2秋田 幸せじゃ ないって)それは,いいんだけど,前,僕は,貧しい国の 方が幸せじゃないから,貧しい国の方のことを活動でやっ ているんだけど,それで,書き損じ葉書を集めて,書き損 じ葉書を集めているでしょ。(2-3Cうん)それでも,冬も, おわ,正月も終わったし,次は,書き損じ葉書じゃないも のを集めて(2-4玉田 えっでも集めるっていっても,そ の時には終わっているんじゃその間にけ?)終わっても続 ければいいじゃん。(2-5玉田 どういう意味?)それで, 僕は貧しい国への書き損じ葉書をやっているんだけど,3 組を幸せじゃないって言ったから,やる人もいると思うん だけど,お正月,書き損じ葉書も終わったから,次の活動 にどっちをやればいいかわからなくなった。(2-6柿谷 名 波君は,今,3年3組が幸せだと思うんけ?)思う。(2-7
柿谷 じゃあ貧しい国は?)え?(2-8柿谷 貧しい国。 貧しい国)貧しいって言うんだから,幸せではない(2-9 玉田 貧しい国ってどこの? 2-10福西 なんで3年3組 は幸せだと思うの?)え?(2-11福西 なんで3年3組は 幸せだと思うの?)なんか,貧しい国にいる人は,他の国 とかでは,5歳未満で死んだり,なんか病気があって,そ れに比べたら3年3組は,病気で死ぬ人は全然いないし, (2-12Cうん)だから,3年3組の人は幸せだと思って, 貧しい国の人をやってるんね(2-13Cうん)それで,貧し い国に,救える物は一杯あるんだけど,3年3組を幸せじゃ ないと思っている人はどう思っているのかなと思った。< 間:40秒> 3T 高原さん。4高原 私は,3年3組は,あ まり幸せじゃないと思う。(4-1Cなんで?)私は,なんか 喧嘩とか起こったりしているでしょ。(4-2Cうん)それで, 喧嘩とかは,起こったりしたら,喧嘩のたねとか悪い種が 育ってしまうから,育ってしまうと将来悪い人になるから, 傷つけてしまう。みんなにお願いがあって,それは,喧嘩 を喧嘩が起こっていたら,喧嘩を止めてほしい。(4-3柿谷 喧嘩を止めたら,殴られることがあって,そういう時は どうするの?)それでも止めればいいと思う。(4-4Cでも) 私もみんなで協力し合えばいい(4-5玉田 どうしたらな くなると思う?)まず喧嘩が起こらないようにして(4-6 酒井 私も止めようとしているんだけど,止めれないから) 喧嘩が,大きく,大きい喧嘩になるまえに止めればいい(4-7 秋田 高原さんって前の話合いで,喧嘩することは仲良し の証拠って言っていたでしょ。それはどうなの?)仲良し の証拠だけど,殴り合いとかしたりして,その人が学校に 行きたくなくなったりしたら,その人が,あんまり学校で 勉強できなくて,将来,なんか何もできなくなってしまう から,えっと,仲良しの証拠だけど,そういう殴り合いと かは,言い合いとかだったら,ただの言い合いとかの喧嘩 ならいいんだけど,殴り合いとかの喧嘩だったら(4-8秋 田 言い合いの喧嘩だったら,別に止めなくてもいいん じゃない?)言い合いの喧嘩だったら,仲良しの証拠だし (4-9秋田 それはいいの?)それは,答えは自分では違う とかそういうの(4-10藤田 でも,言い合いから普通の喧 嘩になったらどうするの?)言い合いとか(4-11田中 て いうか,言い合いから。4-12玉田 高原さん,喧嘩の理由っ て何だと思う?)殴り合いとか心がふわふわしていて,な んかやってしまうってことで,なっちゃうと思うんだけど, 私が思っているのは,勉強とかの答えがこっちじゃないか とか,そういうのになっているのが言い合いって言いたい んだけど(4-13藤田 高原さん。4-14玉田 けど,高原さ ん)授業とかで,殴り合いになるのとかはおかしい(4-15 玉田 高原さん,やってしまうというのは,前に言ってい た「つい」ってことけ?)ついもだし,心がふわふわして いたりしたら,ついじゃなく自分でやろうと思ってやって いるのかもしれない。(4-16川口 高原さん。私は喧嘩を 止めようとしているんだけど,自分まで巻き込まれて,け がしたことがあるんだけど,そのことまでしてまで,喧嘩 を止めることは,まあわかるはわかるんだけど,でも,す ごく止めにくいから,だから,すぐ,自分までけがをせずに, なんか止められる方法とかわかる?)うーん。まぁ,自分 で止めて巻き込まれそうになったら,自分でやっている時 に止めようとか,たりして,なんか褒め言葉とか言ったり したら,なんか(4-17柿谷 高原さん,あの,外国では, ご飯とかで,食べ物とかで喧嘩されとるけど,喧嘩とかた ぶんされていると思うんね。だから,そっちの方はどう? 日本。日本の方はどう?どっちの方が気を配っているの?) 私は,両方気を配っていて,私は,柿谷とかのエコキャッ プとかももってこようと思っているんだけど,書き損じ葉 書も。(4-18藤田 なんでどっちともやっているの?)今 回のことも,病気とかで亡くなっている人も,幸せにして あげたいし,喧嘩とか起こったら,私達もいい気がしない。 というか。クラスの仲間だし,なんか,クラスの仲間が, 指名手配とかなんか悪いこととかされたら,なんか嫌だか ら,もし,他の人というか,みんなで勉強とかしてきたん だから,そういうのは,なんか,みんなで,喧嘩とかをな くしながら,やって,やっていく,やっていきたい。(4-19 秋田 高原さん。僕は,喧嘩で,止めに行った人が,例え ば暴力を振るわれるとするでしょ。そして,その人が,止 めに行った人がもし,痛い目にあったりして幸せでなく なっても,それはいいの?)自分で喧嘩の時に,やってい る同士でも止めようと思える。思えると思う。私は,喧嘩 とか起きたら,自分と誰かが喧嘩が起きたとしても,途中 で嫌になって,自分で相手に認めさせようとするから,そ れをやって,暴力とか振るわれたら自分でも反省しなけれ ばいけないかもしれないし,自分はその人が止めたんなら, 悪くはないんだけど,喧嘩が起こって止められた人が,反 省して,その人に,ごめんねって言う,言うべきだと思う。 (4-20田中 高原さん。けど,言い合いの喧嘩って言うけど, 高原さんが思っているのは,例えば,教科で間違っていた から,あはは−とか)そういうのじゃなくて,そういうの じゃなくて,相談とかしたり,村上級とかではよくある, 意見が分かれるってあるでしょ。(4-21Cうん)それで, 言い合っている。それを言い合いって言っている。(4-22 田中 馬鹿とか)馬鹿とか言ってないよ。(4-23田中 言っ ているよ)授業で?(4-24田中 授業では,言ってないけど) 意見が分かれた時にさー。こうでしょとか,こういうの (4-25C言い合いで喧嘩ではない。4-26福西 言い合いで も,休み時間中に言い合いしている時に,今野さんが言っ ていた人を傷つける言葉(注;前時話合いでの発言)とか を言っている人がいるから,それで,傷ついちゃって,学 校が嫌になっちゃうかもしれないよ)学校が嫌いになった ら,それはやった人が,でも悪い言葉とかって,よくどこ でも聞くんだけど,悪い言葉を言った人って,その人いつ も,その時は,笑顔になっている。それは,私は心がふわ ふわしている時だから,言ってしまう。(4-27秋田 あのー 傷つける言葉も止めた方がいいと思うの?)うん。傷つけ る言葉とか止めて,でも,その人が,自分で,一人で反省 すればいいと思う。というか止めた方がいいと思う。(今野, 玉田,藤田,中田,柿谷が挙手。柳沢,挙手するが手を下 げる)<間:27秒> 5T 中田君。6中田 僕は,貧しい 国をみんながやっているから,みんなではないけど,やっ ているから,僕は,3年3組の幸せをやっているんだけど, 喧嘩をみんなで止めようということなんだけど,僕は,喧 嘩をする前に,大事なことは,優しい言葉だと思うのね。 それは,学校が少しでも行きたくなるし(制作した模造紙 を見せる)(6-1Tおいで,見えるところに。6-2C前に前に) 友達も助け合う。優しい言葉をかけると友達にもつながる から,助け合えるし,頑張ろうと思えるし,嬉しいし,幸 せになれるから,こういう言葉をかけてほしい。(6-3高原 私は,褒められることとかで,えっとみんなで見せたん だけど,それは,その時だけしか言えないことだと思うん だけど,中田君は何で,優しい言葉を書いて,みんなに見 せようと思ったの?)それは,まず,優しい言葉をかける といいことしかない。いいことしか思いつかないし,(6-4 柳沢 何をきっかけにして)みんなで喧嘩をしているとこ
ろ(6-5森島 クラスは幸せだと思う?)みんながこの優 しい言葉をかければ,たぶん幸せなクラスになるんじゃな いかな(6-6高原 でも中田君,でも,ありがとうって何 もありがとうって思ってなくても,ありがとうって言って も,その相手は嬉しくないんじゃないと思うんだけど,中 田君はその時しか言えない言葉を言えばいいのか,それと も,いつもちょっとでもすごいと思ったら,そういうこと を言った方がいいのかどう思う?)あの,例えば,頑張れ とかリレーの時に言ったり,ありがとうだったら,勉強を 教えてくれたり,して,おめでとうとかだったら,例えば 誕生日とかそういう時に言える。(6-7高原 ねえ中田君, 優しい言葉で優しいねって言うとするでしょ。それで,そ の前に,おめでとうとか言われて,優しいねって,優しい 言葉を言われたら,優しいよってなるの?)それも,どん な時でも言えばいいんじゃないかな(6-8高原 でも,私は, 悲しい時に優しい言葉を言われても喧嘩のすぐ後だった ら,少ししか幸せになれないんだけど,中田君はどう? 6-9柳沢 少しでもなれたらいいんじゃない?)自分で考 えて,何を言えばいいか(6-10今野 中田君。今,柳沢君 が少しでも幸せになればいいんじゃないのって言ったけ ど,中田君は少しでも幸せになればいいと思うか,少しじゃ なくてものすごく,幸せになればいいと思っている?)完 璧な幸せにしたい。(6-11川口 どうして?私だったら, ちょっとでも,0%の幸せしかなかったら,1%の多くの幸 せがあれば,それで,いいと思うんだけど,どうして,中 田君はたくさん幸せにしたいの?)1%の幸せだと99%は, だめだから(6-12高原 ねえ中田君,あそこの優しい言葉 以外にも優しい言葉はあるから,見付けたらどんどん増や すの?)そう。(6-13酒井 私だったら,始めは,どんどん, 0%の人を1%にしていくんだけど,中田君は,はじめっか ら,どんと完璧な幸せにするのかどんどんちょっとずつ幸 せにしていく?)無理しないように幸せにしていく(6-14 高原 私だったら,喧嘩のすぐ後だったらいらいらしてい て,あの,ほめ,優しい言葉を言われても,なんか,あっ ち行ってとか言いそうなんだけど)普段優しい言葉をかけ ていれば,喧嘩は起きないと思う。(6-15秋田 もし,幸 せじゃなかったとして,こんな優しい言葉ぐらいでは,幸 せに,ならないかもよ。ならないものがあったらそれはど うしようと思うの?)例えば,優しい言葉の他に遊んでみ ようとか友達になろうとか工夫する。(秋田,頷く。玉田, 今野,柳沢,秋田,田中,藤田,柿谷,挙手)7T柳沢君。 8柳沢 はい。僕は,お願いというか,あるんだけど(8-1 秋田 前に出せば。8-2C自分も前に)えっと,僕は,お母 さんがお母さんの中に赤ちゃんが入っていて,そのお母さ んがなくなってしまう病気を治したいんだけど,そのため には,使用済み切手が必要で,あとこんなものが(8-3森 島 見えない(テレビに映すように促す))こんなものをこ の中に入れてほしいんだけど,えっと,えっと,僕の目標は, 500g(8-4福西 1枚何グラムぐらいするんですか?)1 枚(8-5森島 0g)0.1ぐらいなんだけど(8-6Cえー。8-7玉 田 500枚ぐらい必要ってことか)いや,もっと必要かもし れないんだけど,500g以下でもいいけど,一杯(8-8玉田 目標は,500g。8-9酒井 柳沢君)えっ?(8-10酒井 何枚集めたら一人の人を助けられるの?)えっとー(8-11C 書いてないんじゃない。8-12C読んでる)何枚かは,書い てないんだけど,なんやろ,多い,多い,重さって書いてあっ たから,重さって(8-13福西 どういうものをつくるんで すか?)封筒?ここにも書いてあるんだけど(8-14福西 どんなもの?どんなもの,薬,薬みたいな。どういうもの) 薬みたいな?(8-15福西 どういうものを。8-16高原 エ コキャップだったらポリオみたいな)ここに書いてあっけ ど,こういうものを出すんだけど(8-17福西 それを出し たら,何をつくれるのか)薬(8-18玉田 どういう薬なの? 8-19福西 お母さんの病気を治すみたいな薬)長生きで きるような(8-20C長生き? 8-21秋田 ねえ柳沢君って3 年3組は幸せだと思うの?)思っとるよ(8-22今野 どう いうところから幸せだと思うの?)笑顔が多いから(8-23 柿谷 なんで子どもがいるお母さん,エコキャップじゃな くて,それに,それ。8-24川口 切手。8-25柿谷 切手, エコキャップじゃなくて)やることがなくなって,そのきっ かけは,やることを探している時に,見付けたんだけど, 他にも助けたいを広げたいと思って(8-26玉田 柳沢君は そういう人を助けたいの?)うん。なんやろ(8-27高原 ねえ柳沢君。使用済み切手はどういう風にもって来るの?) えっとね。ここの部分映したい(8-28C反対(映り))ここ に書いてあるんだけど,ここの切手,切手と,注意時点は ギザギザをとらないようにする(8-29高原 ギザギザっ て?)切手の回り。切り出すと,一枚がもったいなくなって, 出せなくなる。それで,それだけがんだめなんね。封筒に 判子が付けてあるやつは,判子を抹殺せずに判子をなくさ ずに(8-30玉田 ねえ柳沢君,この切手とかって,どこに 運ばれていくの?)えっとね。わからないんだけど(8-31 福西 この切手は,ポリオワクチンだと,ポリオのワクチ ンの分になるでしょ。切手は,何円分の募金になったりす るの?)えっと,重さだから,重さだと(8-32高原 何g で何円になるの?)わからん(8-33大久保 封筒に貼って ある,切手じゃないとだめなの?)そう。(8-34福西 葉 書とかではだめなの?)大丈夫だと思う。葉書でも(8-35 玉田 切手ならいいの? 8-36福西 なんか×付いてるか ら)えっと(8-37Tあらかじめ付いている切手はだめだって, 年賀状とかってもうついてるでしょ。8-38Cあー。あれは, だめだって。8-39高原 切手を貼るものだったらOK ? 8-40Tそれは?)うーん(8-41Tもし,調べている途中な らわからないことはわからないでもいいよ)まだ,調べて いるから,わからないことはわからなんだけど,あの出す 時も制限があって,判子,判子みたいなの付いているんだ けど,判子,判子,判子付いているものは,判子をせーぶ して,判子を切らずに切って,ここを切って,ビア−って 回りを1センチくらいあけて切って,それで,判子がない やつは,こんくらいなんだけど(8-42福西 判子を切って, 判子がないとだめなの)判子なくても,あってもなくても 関係ない(8-43玉田 べつに一緒なんだ。8-44石田 でき れば判子があったほうがいいの?)わからん(8-45Cでも 別に付いていてもいいの?)付いていないやつでも付いて いるやつでもどっちでもいいんだけど,まあ1センチ余っ ている状態で回りを切って(8-46Cもらった)この中に入 れてほしいんだけど,もって来てほしい。(大久保,内田, 藤田,今野,秋田,田中,玉田:挙手)。9T柳沢君3の3 は幸せだって言ったけど,みんな覚えている?(9-1秋田, 頷く)柳沢君は,3の3で友達が少なくて(9-2藤田 あー。 9-3秋田 幸せじゃないって)ないって言ってたけど(9-4 秋田 今は?)10柳沢 今は,友達は十分にいて,まあ, 僕には気遣わなくていい。(10-1玉田 いいんすか?)な んか,もう友達は一杯いて,もう楽しいから(10-2秋田 喧嘩とか,こういう傷つける言葉があっても大丈夫?)大 丈夫(10-3酒井 柳沢君は,始め,一杯友達がいなくて, 嫌だったというか)嫌だったけど,今はね,一杯(10-4酒 井 どうやって,増えたの)話しかけたりしたら,いつの
まにかなっている(10-5今野 柳沢君が思う幸せだなって 思うの?)うん(10-6石田 柳沢くんは,今の3の3の生 活は幸せ?)うん。幸せ。(10-7今野 それは,自分がなの, みんななの?)僕は,みんなだと思う。喧嘩は確実にある ことだから(10-8秋田 暴力とかがあっても幸せだと言え る?)僕も時々,松崎君と暴力の喧嘩をするんだけど,ま あしてしまっているんだけど,あとから,それは,20秒ぐ らいだから(10-9福西 だれか止めに来るの?)その前に 終わっている。くらいなことはあるけど,大丈夫だと思う。 (玉田,今野,秋田,田中,大久保,内田,柿谷:挙手) 11T内田さん。12内田 私は,3の3は幸せだと思うのね。 それは,その,貧しい国には,あの,私達みたいに,学校 に行ったり,服がなかったり,子どもの頃に死んじゃう人 がいるけど(12-1柳沢 それはお願いなの?)あの,私達は, そんなことはないから,幸せだと思うのね。だから,私は, あの,服とかがなくて,あの,幸せじゃない人達に,自分 達がいらなくなった服を集めて,あの,その貧しい国の人 達に送ってあげようと思うのね。(12-2Cどのような服が送 れるの?)ユニクロかジーユーを集めて,それを,ユニク ロのところに渡すんだけど,その,それで,見せていい?(写 真をテレビに映す)13Tいいよ。(13-1Cあっここ行ったこ とがある。13-2Cファボーレ?)14内田 こういう風に (14-1柳沢 ファボーレの近くって?)服を渡して,あの, 外国の人に,貧しい国の人達に届けるんだけど,こいうふ うに貧しい国の人達は,服をもらって,嬉しそうだから, 嬉しそうだから,あの,幸せになれるんじゃないかなと (14-2秋田 内田さんは,喧嘩とかあるでしょ,その時に, 3の3は幸せじゃないって感じ,なんで3の3は幸せだと 思うの?)貧しい国の人達は,貧しすぎて,喧嘩もできな いと思うから,普通のくらしで,みんな喧嘩はあると思う (14-3秋田 けど,喧嘩といっても,ほんとにたたいたり する喧嘩も,そういうのもあってもいいと思う?)やっぱ り,止めたほうが,おさまるなら止めてほしいけど,あの, 最初から,そういう風にならないように気を付ければいい んじゃないかな。だから,貧しい国の人達のために服を集 めるために,プレイルームにおいてある箱に服を入れてほ しい(14-4高原 服をもって来る時って,服はどんなもの でもいいの?なんかぼろぼろでもいい?)それは,まだ, よくわかないんだけど(14-5田中 外国の人着るとしたら さ。14-6C新しい服だとさ。14-7田中 新しい服だとさ。 14-8今野 内田さんは,今高原さんが,ぼろぼろでもいい のって言ったけど,ぼろぼろでも喜んでもらえると思う?) もし,ぼろぼろでも,ユニクロの人は,貧しい国の人はぼ ろぼろの服でも嬉しいと思うんだけど,他の人が新しい服 だとそれよりもきれいな服をもらっていたらあんまり嬉し くないと思うから,持って来ていいけど,着れなくて,着 れない,自分が着れなくなって,もういらないユニクロの 服を持って来てほしい(今野,玉田,田中,高原,大久保, 柿谷:挙手)15T今野さん。16今野 私は,3の3はまだ 幸せじゃないと思っているのね(16-1柳沢 どうして?) それは,喧嘩とか,したり,している中で,さっき高原さ んが言ったように,暴力とか言ったら傷つくような言葉を 言ってしまっていたり,言う人がいるから,私は,そんな こといわれたら,言われた人は,きっと幸せではないと思っ ているから,細かいことでも,一人一人の幸せをやってい るのに,ちょっとだけ言ってしまうとか,あってはならな いことだから,だから3年3組は,一人一人の幸せをやっ ているけど,幸せじゃないのかなって思ったのね。それで 私は,世界の貧しい国の人達を助けるのもいいと思って, 協力しているんだけど,まだ3年3組も幸せではないなと 思うこともあるから,世界のことをやめてまでクラスのこ とをしなくてもいいけど,クラスのことも考えたらいいん じゃないかなって思っているんだど,なんで私がみんなが 幸せじゃないって見えるかというわけは,柳沢君が,さっ き,笑顔が多いって言っていたけど,喧嘩は毎日毎日して いないけど,喧嘩をしている時は,笑顔ではないと思うか ら,私は,まだ幸せだとは思っていないし,高原さんは今日, やっている人が悪いって言っていたけど,止めようとする 人がいないってことも悪いんじゃないかなと思って,みん なって回りでひどいことを言っていることがあったら,止 めようとしているのかなって思って,こわいって言ってい る人が多かったから無理なんじゃないかなって実際に言っ てはいけないことを言うってことも悪いことだから,なる べくみんなで協力していってほしいなって思ったから,だ から,世界の人達も助けて,3年3組のことも考えたら, きっと,もっと素敵な幸せが見つかるんじゃないかなって 思った。17T今野さんがそこまでクラスのことを考えるの はなにかあるの? 18今野 4年生になって,もっと,4 年生になったらもっと喧嘩の量とか増えるかもしれないか ら,だから,私は,最初は,3年生になって,村上先生になっ てから,最初は,急に先生が替わって,びっくりして,し ばらくの間落ち込んでいたんだけど,まあそれは終わった ことだから,なんとかきりかえなきゃと思って,それで, 私は,幸せのことを考えるようになった。(18-1秋田 えっ と世界の方も,なんか柳沢君みたいにそういうのって,自 分で助けるんじゃなくて他の人にたすけるというかやって あげるってことが協力していくってこと?)協力してい くってことだし,世界は世界で協力して,クラスはクラス で協力していけばいいと思う。(玉田,田中,高原,大久保, 柿谷,秋田,挙手)19T玉田君。20玉田 僕は今野さんと 一緒で,このクラスは,幸せではないと思うのね(20-1藤 田 なんで?)原因は悪口だと思うのね。で,悪口につい てみんなに聞いてみたら,30人中16人が,悪口を言われて 傷ついたってことがわかって僕は,それに対して,直そう と思ったのね。けど,その方法がわからなくて(20-2柳沢 一生懸命に探している)探しているつもりで,ちょっと 今わからなくて,いい方法ってわかりますか?(20-3福西 悪口の原因って何だと思うの?)最初は,悪口が喧嘩に つながると思う。つい言う(20-4今野 玉田君はついって ことから?)21Tそれをみんなにも考えてほしいのね。今は, それに十分な時間はとれないから,この中にいいアイディ アだったり,すぐに思いつかなくて,一緒に考えていかな きゃならないなって人はじっくり考えて,次にそれについ て考えてみよう。玉田君なりにも考えてみて下さい。 *本研究は科研(2013-2016)「小学校社会科におけ る知識・技能の総合的な活用を目指す授業モデルの 構築(基盤C;25381166)」の助成を受けた。 (2015年 3月31日 受理)