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〈論文〉日本労働市場における外国人労働者問題と労働政策--特に日中間の経済交流の深化と労働移動を中心にした考察

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Academic year: 2021

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(1)近 畿大学商学論究. 第13巻 第1号2013年7月. 日本労働市場 における外国人労働者問題 と労働政策 一 特 に 日 中 間 の 経 済 交 流 の 深 化 と労 働 移 動 を 中心 に した 考 察 一. 相 要旨. 后. 正. 現 在 は グ ロ ー バ リゼ ー シ ョ ンの 進 展 に伴 い,国 際 的 に 労 働 力 移 動 も活 発 化 して い る。. 東 ア ジ ア地 域 に お い て は少 子 化 等 に よ り労 働 力 不 足 が 進 む 日本 と ま だ 自国 内 で の 就職 機 会 が 不 足 して い る中 国 を始 め と す る 東 ア ジ ア諸 国 との 間 の 労 働 力 需 給 に も顕 わ れ て い る。 日本 労 働市 場 に お け る外 国 人 労 働 者 は近 年増 加 して きて お り,特 に 日中 間 の 経 済 交 流 の深 化 に よ り 中 国 人労 働 者 は 日本 国 内 で そ の大 半 を 占 め る状 況 に な った 。 しか し,日 本 政 府 は 「専 門 知 識 ・技 術 を 有 す る 高度 人 材 は 積 極 的 に受 け入 れ る が,単 純 労 働 力 と して の 外 国 人 は受 け入 れ な い」 と い う方 針 を と って お り,同 時 に外 国 人 研 修 ・技 能 実 習 制 度 の導 入 に よ り研 修 生 ・技 能 実 習 生 名 目 で の受 け い れ を 行 って きた 。 この 政 策 と実 情 の 乖 離 が さ ま ざ ま な 問 題 を 生 む 温 床 と な って お り,そ の改 善 が求 め られ る。 本 論 文 で は,こ の 課 題 にっ い て実 態 を 分析 す る と と も に将 来 に向 けて の提 言 を行 う こ とを 狙 い と した。. キ ー ワー ド 外 国 人労 働 者 政 策,外 国 人 研 修 ・技 能 実 習 制 度,日. 中経 済 交 流. Abstract. With the development of globalization, international labor movement has become. frequent.. The movement of labor in East Asia, especially between Japan and China, has also. been well represented.. In recent years, foreign workers in Japan are increasing.. And more. than half of foreign workers are from China. The foreign workers policy of Japan is "With a advanced talents and technical expertise are actively accepted, but manual workers are not accepted." import a lot of manual workers.. The contradiction. In practice, however, they. between the policy and the actual. situation has led to a lot of problems and these issues need to be resolved. about the analysis of the actual condition and the recommendations. Key. words. Foreign economic. worker exchange. policy,. Technical. Intern. Training. This paper is. for the future .. Program,. Japan-China.

(2) 1は. じ. め. に. 国 際 的 労 働 協 力 ま た は労 働 力 の 国 際移 動 は古 くか ら行 わ れ て き たが,現 在 で は グ ロー バ リゼ ー シ ョ ンが 進 む 中,世 界 サ ー ビ ス貿 易 の 主 要 形 態 の 一 っ と して,世 界 各 国 の 人 口構 成 や 就 業 状 況,経 済 発展 情 勢 な どに 関 わ りな が ら,よ り一 層 推 進 さ れ るよ う にな った 。 そ の 結 果,国 際 的労 働 力 移動 は,か つ て な い規 模 で,か っ 質 的 な変 化 を伴 な い な が ら展 開 して い る。 ア ジア で は特 に 日本 に お いて 少 子 高 齢 化 が 進 み 大 きな課 題 に な って い る。 予 想 をL回 る 超 少 子高 齢 化 の 進 展 を 背 景 に,労 働 力 人 口 の増 加 は停 止 し,労 働 者 の 高 齢 化 も進 ん で い る た め,労 働 力 不 足 感 が 高 ま って い る。 と りわ け,も の づ く り産 業 の製 造 現 場 な どで は技 術 ・ 技 能 者 の 高 齢 化 の 問 題,団 塊 世代 の定 年 退 職 の 問題,若. 年 層 を 中 心 に職 に就 か ず求 職 活 動. も行 って いな い ニ ー トの問 題,安 定 的 な職 に就 け な い フ リー タ ー な ど諸 問 題 が顕 在 化 しっ っ あ り,労 働 力 不 足 が 今 後 一 層 深 刻 化 す る恐 れ が 強 い。 輸 出 を支 え て き た製 造 業 を 始 め, 産 業 労 働 者 の 役 割 が 大 きい 日本 に と って は,経 済 の 持 続 的 成 長 力 を保 つ に は,海 外 か ら労 働 力 を 受 け入 れ る こ とは不 可避 だ と思 わ れ る。 一方 ,隣 国 の世 界一 の発 展 途 上国. 中 国 は ま っ た く違 った状 況 に あ る。 人 口増 加 が止. ま らず,大 量 の労 働 者 を抱 え て 雇 用 問題 に悩 ん で い る。 人 口抑 止 政 策 の成 功 で,出 生 率 が 徐 々 に ドが って きた とは言 え,労 働 力 人 口の 規 模 はや は り大 きい。 世 界 が 驚 くほ どの 経 済 成 長 を収 め た に もか か わ らず,膨 大 な 労 働 力 人 口の 就 職 難 が 今 な お深 刻 で あ り,社 会 安 定 の た め の 出 口 が求 め られ て い る。 海 外 に 目を 向 け労 働 力 の輸 出 に期 待 す るの も 自然 の 流 れ で あ る。 ま た,世 界第 二位 の経 済 圏 と して の 中 国 と世 界 第 三 位 の経 済 圏 と して の 日本 との 間 にお け る貿 易 総 額 は年 間3億4千5百 手 国 と して7.8%,輸 19.7%,輸. 万 ドル に達 して い る。 そ して 中国 に と って 日本 が 輸 出 相. 入 国 と して11.2%を. 入 相 手 国 と して21.5%を. 占め(1)。日本 か ら見 れ ば 中 国 は輸 出相 手 国 と して. 占 め る最 も主 要 な 経 済 的 パ ー トナ ー と な って い る(2)。 そ. う した 日中経 済 の結 び 付 き と今 後 の 発 展 を 考 え る と き,労 働 力 分 野 に お け る協 力 ・連 携 が うま く進 展 す るか ど うか は 日中 間 の 経 済 交 流 に と って の 重 要 な課 題 で あ る こ と は言 う まで もな い と思 う。 そ こで本 論 文 で は,日 本 にお け る中 国 人 労 働 者 を め ぐ る現 状 と問 題点 を 中. (1)JETROプ. レ ス リ リ ー ス. 「2011年. の 日 中 貿 易 」 資 料 〈http://wwwjetro.gojp/world/asia/cn/. 「2011年. の 日 中 貿 易 」 資 料 〈http://wwwjetro.gojp/news/releases/. biznews/4d5cad3d7a8fO>。 (2)JETROプ. レ ス リ リ ー ス. 20120216001-news>。. 一62-一.

(3) 心 に 分 析 しな が ら,今 後 の 口本 と 巾国 の経 済 交 流,す. な わ ち,日 本 政 府 や 巾 国政 府 の方 針. な ど か ら両 国 間 の 労 働 需 給 に関 す る制 度 や シ ステ ム の 整 備 が 今 後 一一層 重要 に な る こと を検 証 し提 言 した い。. ll日. 1少. 本 の 「労働力不足」 と外 国人労働者の必要性. 子 高 齢 化 と労 働 力 不 足. 1.1急. 速 に進 む 少 子 高 齢 化. 日 本 は 数 十 年 に わ た る 出 生 率 の 低 ドに よ り,欧 高 齢 化 が 進 ん で い る 中,2007年. 米 諸 国 も経 験 した こ と の な い速 さで少 子. に 人 口 の ピ ー ク を 迎 え て,現. 在 で は既 に 人 口減 少 時 代 に. 突 入 し て い る。 日 本 は 出 生 率(合. 計 特 殊 人 口 出 生 率)(3)が 長 期 に わ た っ て 置 き 換 え 水 準(4)を下 回 り ,厚. 生 労 働 省 が 例 年 発 表 す る 人 口 動 態 統 計 で は,2011年 値 は 前 年 の2010年. と 同 じ数 字 で,2009年. は 前 年 と 同 じ1 .39で あ っ た 。 こ の 数. か ら は0.02上. 昇 し た が,こ. こに 来 て また 横 ば い. の 数 値 と な って い る。 日 本 の 総 人 口 は2010年. 国 勢 調 査 に よ れ ば1億2,806万. 果 に 基 づ け ば,こ. の 総 人 口 は,以. 人 を 経 て,2060年. に は8,674万. 人 で あ る が,出. 生 中 位 推 計(5)の結. 後 長 期 の 人 口 減 少 過 程 に 入 る 。2030年. の1億1. ,662万. 人 に な る も の と推 計 さ れ て い る 。 そ の 結 果 と し て,経. 済規. 模 に 見 合 っ た 労 働 力 需 要 と少 子 高 齢 化 の 進 行 に 伴 う労 働 力 供 給 の ギ ャ ・ ソプ が 拡 大 し始 め, 日本 は 事 実 一 ヒ,労 働 力 不 足 に 時 代 に 入 っ て い る 。 今 後 は 労 働 力 人 口 の 減 少 下 で 人 手 不 足 が 更 に 深 刻 化 す る と 予 想 さ れ る。 当 面 す る 「合 理 化 」,「失 業 」 な ど 雇 用 情 勢 の 厳 し さ か ら, 不 足 と い う よ り 過 剰 で は な い か と 感 じ る 人 も少 な く な い と思 わ れ る が,長. 期 的 ト レ ン ドか. ら 見 れ ば 労 働 力 不 足 傾 向 は 否 め な い と 考 え られ る 。. 1.2労. 働 力 不 足 の 影 響6). 少 了 高 齢 化 は,生 産 年 齢 人 口 が 減 少 して 非 生 産 年 齢 人 口が 増 加 す る こ とを意 味 す る。 年 金 な ど社 会 保 障 問 題 及 び経 済 の持 続 ・ ∫能 な成 長 へ の 課 題 な ど,新. しい局 面 に 直面 せ ざ る を. (3)合 計 出 生 率 と は 人 口 統 計 上 の 指 標 で,一 人 の女 性 が 一 生 に 産 む 子 供 の平 均 数 を示 す。 この指 標 に よ っ て,異 な る 時 代,異 な る 集 団 間 の 出 生 に よ る 人 口 の 自 然 増 減 を 比 較 ・評 価 す る こ と が で き る。 (4)置 き 換 え 水 準 と は 人 口 が 増 加 も減 少 も し な い 状 態 と な る 合 計 特 殊 出 生 率 の 水 準 の こ と 。 若 年 期 の 死 亡 率 が 低 下 す る と 人 口 が 減 り に く く な る の で,こ の 水 準 値 は 減 少 す る 。2011年 の 日本 の人 口 置 き 換 え 水 準 は2.09で あ る。 (5)出. 生 中 位 推 計 と は,女. (6)VividforumColumn生. 性 が そ れ な り に 子 供 を 産 む こ と で あ る(出. 生 率 が 中 く ら い)。. き生 き フ ォ ー ラ ム<http://www.iuk.acjp/∼itoh/point3.htm>。. 63.

(4) 得 な くな る。 労 働 力 の減 少 が 日本 経 済 の基 盤 を揺 るが す ほ どの 重 大 問 題 と い え る。 そ の結 果 と して,日 本 経 済 は次 の よ うに様 々 な 困 難 に直 面 す る こ とが 予 想 され て い る。 ①. 経 済 成 長 率 が 今 よ り一 層 低 下す るか,場 合 に よ って は経 済 規 模 が 縮 小 す る こ とで あ る。 経 済 成 長 率 は労 働 人 口 の 増 加 率 と労 働 生 産 性,っ. ま り労 働 者1人. 当 た りの生 産 の. 上 昇 率 を足 し合 わ せ た もの で あ るか ら,労 働 人 口の 増 加 率 が マ イ ナ ス に な る と,労 働 生 産 性 の上 昇 率 との兼 ね 合 いで,成 長 率 低 下 あ る い は経 済 規 模 縮 小 が起 こ り得 る。 ②. 年 金 ・医療 ・介護 な ど福 祉 諸 制 度 の維 持 が 難 し くな る こ とで あ る。 これ はい う まで もな く,受 給 者 が 増加 す る一 方 で,税 金 や 社 会 保 険 料 を負 担 す る勤 労 者 が 減 少 す るか らで あ る。. ⑧. 以 上2っ. の こ とか ら,手 を こ ま ね い て い る と国 の財 政 が ま す ます 悪 化 す る こ とで あ. る。90年 代 を通 して 労 働 人 口 は減 少 して お らず,経 済 成 長 率 も年 平 均1.6%と,低 で は あ るが プ ラス を維 持 した に もか か わ らず,財 政 赤 字 はGDPの10%近. 率. くに まで 拡. 人 した。 これ か ら先,労 働 人 口が 減 少 し福 祉 受 給 者 が急 増 す る中 で,い か に して財 政 再 建 を 図 るか は難 問 中 の難 問 で あ る。 そ こで考 え られ る対 応 と して は,も ち ろ ん高 齢 者 や 女性 の活 用 促 進 が 先 ず 第 一 に想 定 さ れ る。 しか し,そ れ だ けで は限 度 が あ り,技 能 や体 力 が要 求 され る ため 対 応 しきれ な い分 野 や職 種 は残 るだ ろ う。 そ うす る と外 国人 労 働 者 を受 け入 れ るの か,工 場 の海 外 移 転 に よ る産 業 空 洞 化 の 道 を た ど る のか とい う選 択 を迫 られ る こ とに な る。. 2労. 働 力 不 足 に伴 う外 国 人 労 働 者 の 受 け入 れ. 日本 の 人 口構 成 を み る と,現 在 す で に0-14歳 人 口割 合 は14%台 に は15-64歳 の労 働 力 人 口 は53.9%ま. に入 って お り,2040年. で下 が る。 そ の 労 働 力 人 口 が 減 少 して い く過 程 で,. 労 働 力 不 足 が 予 想 され る産 業 分 野 な い しは職 種 が い くっ か 考 え られ る。 そ れ らの分 野 で外 国 人 労 働 者 の受 け入 れ を拡 大 す る こ とは,日 本 に と って 効 率 的 で あ り有 益 で あ る。 ま た, 送 出 国 側 の利 益 に もな る とす れ ば,日 本 の外 国 人労 働者 受 け入 れ は,双 方 に利 益 を もた ら す と思 わ れ る。 特 に,ア. ジ アの 発 展 途 上 諸 国 へ の技 術 移 転,あ. るい は 日本 文 化 を広 め,日 本 へ の理 解 と. 信頼 を 高 め て い くと い う観 点 か ら,発 展 途 ヒ国 に対 して 貢 献 で き る役 割 の一 っ と して 考 え られ る。 す な わ ち,少 子 高 齢 化 と 人 口減 少 に 対 応 し,21世. 紀 の100年. を 外 に 向 け て 「開. か れ た 日本 社 会 」 と して構 築 す る こ とは,発 展途 ■ ヒ国 の 経 済 発 展 に も寄 与 す る有 効 な方 策 の一 つ で あ ろ う。 しか し,外 国 人労 働者 の 受 け入 れ は簡 単 な ことで は な い。 これ は 目新 しい問 題 で は な く, 一64一.

(5) 1980年 代 後 半 か ら,既 に 注LIを 集 め て い た。1985年 の プ ラザ 合 意 以 降 の 急 激 な 円高 と国 際 化,ま た バ ブ ル時 代 に生 ま れ た 人手 不 足 を背 景 に,日 本 に仕 事 を求 め て来 日す る外 国 人 が急 増 し現 在 も増 え 続 け て い る。 そ れ に 伴 な って,制 度 上 の 問 題 や 不 正 行 為 な ど も増 え て い る。. lll日 本 にお ける外国人労働者 の受 け入れ状況. 1外. 国 人 労 働 者 の現 状. 1.1外. 国 人 労働 者 の 概 況. 1.1.1外. 国人登録者. 2011年 末 時 点 に お け る 外 国 人 登 録 者 数 は,2,078480人 (2.6%)減. 少 した 。2008年. 年 前 の2006年 億2千7百. 別 に 見 れ ば,中 朝 鮮,ブ. ラ ジ ル,フ. 1.1.2外. 国人労働者. 2011年10月. 湾,香. 人 労 働 者 数 は686,246人. 年 に 比 べ0.04ポ. イ ン ト減 少 し,1.63%と. 港 を 含 む)が674,879人. ィ リ ピ ン,ペ. 末 時 点,外. 末 は,5. わ ず か に 下 回 っ た 。 外 国 人 登 録 者 の 日 本 の 総 人 口(約1. 占 め る 割 合 は,前 国(台. に 比 べ,55,671人. 末 を ピ ー ク に3年 連 続 で 微 減 傾 向 が 続 い て お り,2011年. 末(2,084,909人)を. 万 人)に. で あ り,2010年. ル ー,米. で 全 体 の32.5%を. な った。 国 籍. 占 め,以. 下,韓. 国 ・. 国 と続 いて い る。. 国 人 労 働 者 を 雇 用 して い る 事 業 所 数 は116,561か で あ っ た 。2010年10月. 末 時 点 の108,760か. 所,649,982人. か 所(7.2%),36,264人(5.6%)の. 増 と な っ た 。 国 籍 別 に み る と,中. が 外 国 人 労 働 者 数 全 体 の43.3%を. 占 め,次. い で,ブ. 所 で あ り,外. ラ ジ ル が17.0%,フ. 国(香. 国. に 対 し,7,801 港 等 を 含 む). ィ リ ピ ンが10.2%. と な っ て い るm。. 1.2在. 留資格 別にみた状況. 上 述 の と お り,日. 本 に 在 留 す る 外 国 人 登 録 者 は2011年. の う ち 就 労 して い る 外 国 人 労 働 者 は 約69万 労 働 者 は,在 (7)厚. に 約208万. 人 と な っ て お り(8),そ. 人 近 く に 達 し て い る{9)。日 本 国 内 で 働 く外 国 人. 留 資 格 別 に み る と 大 き く次 の 六 っ の カ テ ゴ リー に 分 け る こ と が で き るqo)。. 生 労 働 省. 「外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」(平. 成23年10月)http://wwwmhlw.gojp/stf/. houdou/2r98520000020ns6-att/2r98520000020ntw.pdf。 (8)法 (9)厚. 務 省HP<http二//wwwmoj.gojp/nyuukokukanri/kouhou/nyuukokukanriO4_00021.html>。 生労 働 省. 「外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」(平. 成23年10月)<http://wwwmhlw.gojp/stf/. houdou/2r98520000020ns6-att/2r98520000020ntwpdf>。 (1①. 厚 生 労 働 省 の ホ ー ム ペ ー ジ に 基 づ い て 作 成<http://www。mhlw.gojp/bunya/koyou/. gaikokujin16/index.html>。 一65.

(6) ① 専 門 的 ・技 術 的 分 野 で 働 く労 働 者 出 入国 管 理 及 び 難 民 認 定 法(以 ち,教 授,芸. 術,宗. 教,報 道,投. 人 文 知 識 ・国 際業 務,企. ド 「入管 法 」 とい う)で 上 陸 を 許 可 され る在 留 資格 の う 資 ・経 営,法. 律 ・会 計 事 務,医 療,研. 究,教. 育,技 術,. 業 内 転 勤,興 行,技 能 など の 資格 で 入 国 が 認 め られ た もので,そ. の範 囲 内 で就 労 が認 め られ て い る。 こ こで は この うち 「興 行 」,「技 能 」,「技 術 」 にっ い て 概 観 して お きた い。 「興 行 」 の 在 留 資 格 に よ り人 身 取 引 問 題 が よ く発生 して い る。 法 務 省 入 国 管 理 局 の2011 年 の プ レス リ リー スに よ れ ば,2011年1月. 時 点 に 「興 行 」 の 在 留 資 格 に よ る不 法 残 留 者 数. は3,425人 が い る こ とが 分 か る。 統 計 デ ー タ ヒで は,人 身 取 引 問 題 に 対 す る規 制 強 化 して か ら 「興 行 」 に よ る 不 法 残 留 者 数 が 減 る こ とに な っ たが,実. 際 の 状 況 で は,「 興 行 」 に よ. る不 法 残 留 者 は や は りか な り存 在 し,人 身 取 引 問 題 もま だ ま だ解 決 で きて い な い と考 え ら れ る。 「技 術 」 は,具 体 的 に は 「機 械 工 学,情 料 理 の 調 理 師,ス. ポ ー ツ指 導 者,貴. 報 処 理 技 術 等 の 技 術 者」,「技 能 」 は 「外 国. 金 属 等 の 加1[職 人 等 」 が 例 示 さ れ て お り,一 般 的 な 技. 術 ・技 能 者 の イ メ ー ジよ り もか な り狭 い もの とな って い る。 専門 的 ・技 術 的 分野 で 働 く労 働 者 は,2011年. に約12万 人 で あ る が(ID,「技 術 」 「研 究 」 の よ う な,日 本 の 産 業 の競 争 力 強. 化 に 直 接 寄二 与す る高 度 人 材 は,新 規 入 国者 が一 貫 して 減 少 して い る。 ② 日系 人 も と もと 日系1世,2世. に つ いて,「 日本 人 の配 偶者 等 」 の 資格 で 在 留 が 認 め られ て い. た の に加 え・1990年 に 日系3世 の被 扶 養 者 に つ い て は,4世. に も 「定 住 者 」 の 資格 が認 め られ た 。 なお,未 成 年 ・未 婚 も在 留 が 認 め られ る。 日本 は,世 界 中 ど こで 生 まれ て も日本. 人 の 子 ど も は 日本 人 と い う,「 属 人 主 義 」 を 採 用 して い る の で,そ. れ との 関 連 で馴 染 み や. す い制 度 で あ る・ 日本 国 籍 を 保 持 して い る場 合,永 住 者 と して外 務 省 が調 査 す る在 外 日本 人 の 海 外 在 留 邦 人 統 計 に計 上 され るが,2世,3世. とな る と国 籍 を離 脱 し,ま た混 血 も多. く正 確 な 日系 人 数 の把 握 は難 しい。 現 在 の 日本労 働 市場 で は,数 十万 人 の 日系 人 が働 い て い る と推 測 され,業 種 な ど に よ る就 労 制 限 は な い。 最 初3年. 間,そ の あ と1年. ご との更 新. が基 本 で あ る。 ③永住者 法 的 に一 般 の永 住 者 と特 別 永 住 者 に分 け られ る。 一 般 永 住 者 とは,在 留 期 間 の 長 さな ど の 事 情 を考 慮 して法 相 が許 可 した 人 で あ る。 特 別 永 住 者 と は,1945年 に住 み,1952年. の敗 戦 以 前 か ら 日本. サ ンフ ラ ン シ ス コ講和 条 約 に よ り 日本 国 籍 を 離 脱 した後 もEl本 に在 留 して. (1D厚 生 労 働 省 一外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」(平 成23年10月) <http://wwwmhlw.gojp/stf/houdou/2r98520000020ns6-att/2r98520000020ntw. 一66一. .pdf>。.

(7) い る台 湾,朝 鮮 半島 出身 者 とそ のr孫 に認 め られ て い る永 住 資 格 の こと を指 す。 これ らは 出 入 国 管 理 特 例 法 に よ って定 め られ て い る。 ④留学生 2010年7月. に 施 行 され る 在 留 資 格 「留 学 」 と 「就 学 」 が 一 本 化 さ れ(12,原 則 と して 就. 労 はで きな い が,資 格 外 活 動 の許 可 を受 け た場 合 は,ア ル バ イ トな ど が で き る(入 管 法 に よ る 上限 は週28時 間)。 多 くは 小売 業 ・サ ー ビ ス業 で 働 き,一 一部 が 製 造 業 中 小 企 業 で就 労 して い る も の と 見 られ て い る。2011年 に 日本 に 在 留 して い る留 学 生 は 約14万 人 と な っ て い る(13》 。 そ の 中 で,卒 業 して 口本 で 就 職 が で きた留 学 生 の 割 合 も中 国 人 留 学 生 が 最 も多 い。 ⑤ 外 国 人研 修 生 ・技 能 実 習 生 外 国 人 研 修 ・技 能 実 習 制 度 は,日 本 の技 術 ・技 能 を 発 展 途 ヒ国 に 移 転 し,「 人 づ く り」 に寄 与 す る制 度 と い う建 前 に は な って い るが,バ. ブル経 済 の 真 只 中,製 造 業 の人 手 不 足 が. 深 刻 な 状 況 で,労 働 省 職 業 安 定 局 長 の私 的 懇 談 会 「外 国 人 労 働 者 問題 研 究 会 」 が,「 今 後 に お け る 外 国 人 労 働 者 受 入 れ の 方 向 と課 題 」 と題 す る報 告 書 を と り ま とめ,こ. のなか の. 「外 国 人労 働 者 受 入 れ の 在 り方 」 と して,提 案 され た もの で あ り,現 実 に は,外 国 人 労 働 者 を導 入 す るた め に設 け られ た制 度 と い え る。2011年 に は約13万 人 の 外 国 人 研 修 生 ・技 能 実 習 生 が 在 留 して い る。 国 籍 別 ・在 留 資 格 別 に み る と,中 国 にっ い て は,「 技 能 実 習 」 が 33.8%で あ る㈲。 ⑥不法就労者 外 国 人 不 法 就 労 者 は,法 務 省 の ホ ー ム ペ ー ジ に よ れ ば2011年 で約1.4万 人 と推 定 され て い るが,一 般 的 に は把 握 され て い な い不 法 就 労 者 が も っ と多 くい る と考 え られ て い る。 観 光 目的 で 入 国 した り,留 学 生,外 国 人 研 修 生 ・技 能 実 習 生,あ. る い は他 の 在 留 資 格 で入 国. し失 踪 して い る者 や 不 法 入 国 者 な どが 想 定 され る。 不 法 就労 者 の 斡 旋 ブ ロ ー カ ーが 多 額 の 不 当 な利 益 を 得 る一 方 で,本 来 労 働 者が 得 る べ き賃 金 が搾 取 され,必 要 な保 護 や医 療 が 受 け られ な い な ど人 権 上 の問 題 も数 多 く指 摘 さ れ て い る。. (12「 出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 」 の 改iE(平 成21年7月15日 で 在 留 資 格 「留 学 」 「就 学 」 が 一 本 化 さ れ て い る。. 公 布)に. よ り,平. 成22年7月1日. 付 け. (13独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構(JASSO)「 平 成23年 度 外 国 人 留 学 生 在 籍 状 況 調 査 結 果 」 <http://wwwjasso.gojp/statistics/intLstudent/documents/data11.pdf>。 (1の 厚 生 労 働 省 「外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」(平 成23年10月) <http://wwwmhlw,gojp/stf/houdou/2r98520000020ns6-att/2r98520000020ntw.pdf>。 -67一.

(8) 2日. 本 政 府 の 外 国 人 労 働 者 政 策 の変 遷. 2.1外. 国 人 労 働 者 政 策 の経 緯. 日本 の 外 国 人 労 働 者 政 策 が 大 き く変 わ っ た の は,1980年 小 企 業 の現 業部 門 が,バ. 代 の後 半 に,人 手 不 足 に悩 む 中. ング ラ デ シュや 中 東 か らの短 期 滞 在 ビザ保 有 者 を労 働 力 と して 使. 用 して社 会 問題 とな った 頃 に遡 る。 当 時 の 入 管 法 は,就 労 を 目 的 とす る滞 在 資 格 の 種 類 が 殆 ど な く,ま た 永 住 者 な ど身 分 を 対 象 と した滞 在 資格 にっ い て も実 態 との 整 合性 が 問 題 視 さ れ て い た。 外 国 人労 働 者 の本 格 的 な 受 け入 れ の 是 非 にっ い て議 論 が 沸 騰 し,「 開 国 か 鎖 国 か」 とい った 扇情 的 な キ ャ ッチ フ レー ズ も飛 び 交 っ た ので あ る㈲。 こ う した 中 で,政 府 は改 め て 日本 と して の 外 国 人労 働 者 政 策 の基 本 態 度 を 表 明 す る必 要 に迫 られ,「 高 度 な 技 術 ・能 力 を 有 す る外 国 人 は積 極 的 に受 け入 れ る が,い わ ゆ る単 純 作 業 労 働 者 の受 け入 れ は慎 重 に 対 応 す る」 と い う公 式見 解 を 確 立 した。 これ に則 って1989年 末 に 入 管 法 の 抜 本 的 な 改 正 がな され,就 労 を 目的 とす る滞 在 資格 が 大 幅 に拡 大 す る と と もに,不 法 就 労 助 長 罪 が新 設 され て 横 行 す る不 法 就 労 者 の抑 制 が 図 ら れ た。 さ らに,単 純 作 業 労 働 者 の受 け 入 れ ル ー トを確 保 す る ため に,定 住 者 とい う新 しい 在 留 資 格 を設 け,ブ. ラ ジル や ペ ル ー な どか らの 日系 人 に 対 し日本 で の 就 労 にっ い て制 限 を. 外 した。 特 に,南 米 か らの 日系 人労 働 者 の 大量 流 入は,日 本 の 各 地 に 日系 人 と そ の家 族 の 集 住 地 区 を 生 み 出 し,群 馬 県 の太 田市 や 大泉 町,静 岡県 の 浜 松 市 や 愛 知 県 の豊 田 市 な ど で は地 方 自治 体 に よ る外 国 人 対 策 が精 力 的 に進 め られ た。 一 方,日 本 で の 就 労 そ の もの を拡 大 す る の で は な く,外 国 人 の 職 業 能 力 の 向 上 に 日本 が 協 力 す る こ と に よ って,外 国 人 が 母 国 で有 能 な労 働 力 と して活 躍 で き る よ う な シス テ ム を 構 築 す る こ と が 模 索 さ れ,そ. の 結 果 と し て,1991年. InternationalTrainingCooperationOrganizationr1,以 JITCOは,当. 時 の 労 働 省,法 務 省,警. に 国 際 研 修 協 力 機 構(Japan. 下 「JITCO」 と い う)が 発 足 した。. 察 庁,外 務 省,建 設 省 の 関 係5省 庁 の 協 力 に よ り. 設 立 さ れ,登 録 企 業 も し く は団 体 が 海 外 か らに 応 募 者 を 採 用 し,JITCOの 当 該 登 録 企 業,も. 監 督 の 下で,. し く は当 該 登 録 団体 か ら委 託 され た 企 業 に お い て1年 間 の 研 修 を行 い,. 成 果 の認 定 が 行 わ れ た後 に2年 間 まで の 実 習 を 行 うと い う シス テ ム とな って い た。 こ の うち,研 修 期 間 中 は座 学 が 大 きな比 重 を 占め,作 業 研 修 も指 導 員 の も とで 行 わ れ る と され て い た こ とか ら,研 修 生 は労 働 者 で はな い とされ,給 付 され る金 員 は最 低 賃 金 法 や 労 働 法 の 適 用 を受 け な い と規 定 され て い た。 これ に 対 し実 習 に移 っ てか らは労 働 者 と して の 地 位 を 獲 得 し,労 基 法 な ど の労 働 法 規 ,社 会保 障 法 規 は全 面 的 に適 用 さ れ る こ と と され ㈲. 手 塚 和 彰 「続 外 国 人 労 働 者 」(1991年,日 国人 働報 者 」(1993年,東 洋 経 済 新 報 社),島 洋 経労 済新 社 )等 を 参 照 。. 本 経 済 新 聞社),花 見 忠,桑 靖 夫 「あ な た の隣 人 外 田晴 雄 「外 国 人労 働 者 問 題 の 解 決 策 」(1993年 ,東. 一68一.

(9) た の で あ る(1③ 。 しか し なが ら実 質 的 に は,JITCOに. よ る外 国 人 研 修 生 ・実 習 生 の 受 入 れ は,日 系 人 と. は ま た違 った形 で の単 純 作 業 労 働 者 の受 入 れ ル ー トの 新 設 と い う意 味 を有 して い た 。 す な わ ち,中 小 企 業 を 中心 に,不 法 就 労 で あ る こ とを 了 解 しっ っ 外 国 人労 働 者 を 現 業 の 単 純 作 業 に 就 か せ る事 業 主 が 後 を絶 え な い の は,日 本 人 の 若 年 労 働 者 が い わ ゆ る3K(き. っ い,. き た な い,き け ん)職 場 に就 労 しな い現 状 が あ り,低 賃 金 で よ く働 く外 国 人 労 働 者 へ の 需 要 が 高 止 ま り し続 け て い た こ とに 加 え,中 国,韓 国,南 米,東. 南 ア ジア,中 東 な どの 地 域. で は,日 本 で の就 労 を望 む労 働者 の 供 給 圧 力 が 増 して い た とい う事 情 が あ る。 外 国 人 の 単純 作 業 労 働 者 に っ い て 高 い需 要 が あ り,他 方 で 強 い 供給 圧 力 が 存 在 す る と い う状 況 に お い て,外 国 人 の単 純 作 業 へ の 就 労 を完 全 に封 ず る の は 不 可 能 で あ り,何. らか の. ル ー トを 設定 す る こ とが必 要 で あ るの は言 う まで もな い。 日本 で は,二 国 間 協 定 や 移 民 政 策 を 通 じた正 面 か らの 受 入 れ を 同 避 して い る の で,JITCOに. よ る外 国 人 研 修 ・実 習 制 度. が受 入 れ ル ー トと して の 機 能 を も 果 た さ ざ る を得 な か った の で あ る。 ま た,90年. 代 か ら21世 紀 初 頭 にか け て,日 本 に は留 学 生 ・就 学 生 が 激 増 した。 これ は政. 府 が 国 際 化対 応 策 の 一 環 と して 留 学 生 た ち の受 け 入 れ を拡 大 す る方 針 を固 め た こ とが大 き な 契 機 と な って お り,特 に 中 国,韓 国 な ど の ア ジ ア諸 国 か らは大 量 の 若 者 が 日本 の 大 学, 短 期 大 学,語 学 学 校 に流 入 した。 留 学 生 総 数 は2011年 に は約14万 人 と な って い る(1% これ らの 若 者 た ち の 主 た る 目的 は,も ち ろ ん 日本 で の 学 業 の習 得 で あ るが,経 済 的 な 問 題 か ら多 くの学 生 が ア ル バ イ トに従 事 して い る こ と は周 知 の通 りで あ る。 そ して そ の ほ と ん どが チ ェ ー ンの居 酒 屋,コ. ン ビニ,フ. ァ ミ リー レス トラ ン等 を 中心 とす る店 舗 の 店 員 で. あ り,マ ニ ュ ア ル化 され た単 純 作 業 に 最 低 賃 金 ギ リギ リの処 遇 で働 い て い る こ と もよ く知 られ て い る。 これ は 雇 主 か ら見 れ ば 非 常 に効 率 の よ い 単純 作 業 外 国 人労 働 者 で あ り,学 費 や生 活 費 に 困窮 して い る留学 生 た ち に と って も欠 か せ な い就 労 で あ る。 この よ うな実 態 か ら,政 府 は 留 学 生 た ち の ア ルバ イ トを資 格 外 就 労 と して制 限 して い るが,ア 的 と な って い る留 学 生 た ち も増 大 して い る。 これ はJITCOに. ル バ イ トが主 た る来 日 目. よ る外 国 人 研 修 ・実 習 制 度. と並 ぶ 単 純 作 業 労 働 者 の受 入 れ ル ー トと位 置 づ け る こ とが 可 能 で あ ろ う。 一 方 ,推 計 に よ れ ば,不 法 就労 者 の 数 は90年 に29万 人 ま で増 加 した の を ピー ク に以 後 は 漸 減 して い る。 しか し,そ の 減 少 率 は鈍 く,平 成 不 況 の 間 に もっ い に20万 人 を きる こ とは. (1⑤ 発 足 当 時 の 研 修 生 ・実 習 生 制 度 の 内 容 に っ い て は,伊 力 開 発 局 長)「. 技 能 実 習 制 度 」(1994年,労. 藤. 務 行 政 研 究 所)参. 欣 士(制. 度 策 定 当 時 の労 働 省職 業能. 照。. (D独 立 行 政 法 人 日 本 学 生 支 援 機 構(JASSO)「 平 成23年 度 外 国 人 留 学 生 在 籍 状 況 調 査 結 果 」 <http://wwwjasso.gojp/statistics/1ntLstudent/documents/data11.pdf>。 一69.

(10) な か っ た。 逆 に言 え ば,口 本 に は最 低 限 の 不 法 就労 者 需 要 が ほ ぼ20万 人 で あ った と い う こ と に な る。90年 に新 設 さ れ た 不 法 就 労 助 長 罪 は そ の後 強 化 さ れ て,実 際 の取 り締 ま り も厳 格 化 され て い るが,そ. れ で も不 法 就 労 者 に対 す る 「安 定 需 要 」 が あ る とい う こ と は,こ れ. も ま た一 っ の 「外 国 人 単 純 作 業 労 働 者 」 に調 達 ル ー トと化 して い る と言 う こ とが で きよ う。. 2.2外. 国 人 労働 者 政 策 の 現 状. 現 在 で も,「 高 度 な能 力 と技 術 を 要 す る労 働 者 は積 極 的 に受 入 れ,単 純 作 業 労 働 者 に っ い て は慎 重 に 対 応 す る」 とい う政 府 の基 本 方 針 に変 わ り は な い。 た だ,そ か らは受 入 れ な いが,横. の 内実 が,「 表. と裏 に は 太 い受 入 れ ル ー トを 設 け る」 と い う もの で あ る こ と は上. 述 の通 りで あ る。 外 国 人労 働 者 へ の 対 応 に関 す る法 制 度 の 中心 は言 うま で もな く入 管 法 で あ るが,89年. 末. の抜 本改 正以 来,小 幅 な 改 正 を繰 り返 し今 口 に 至 って い る。. 3外 3.1制. 国 人 研 修 ・実 習 制 度 の 現 状 と課 題 度 の変遷. 外 国 人 研 修 生 の 受 入 れ は,日 本 経 済 が 国 際 化 し多 くの 企 業 が 外 国 に進 出 す る よ う に な った1960年 代 頃 か ら と 言 わ れ る(181。 外 国 に進 出 した 日系 企 業 が,現 地 法 人 や 合弁 会 社, 取 引 関 係 の あ る企 業 の 現 地 社 員 を 日本 に 呼 び,関 連 す る技 術 や 技 能 ,知 識 を国 内 の職 場 で 習 得 させ る とい う形 態 で あ っ た。 そ して,日 本 で学 ん だ社 員 は,現 地 の会 社 で,習 得 した技 術 を 発揮 して 活 躍 す る こ とが 期 待 され た・ 当初 は,外 国 人 研 修 生 に該 当 す る在 留 資 格 は存 在 せ ず,法 務 大 臣 が 特 に在 留 を認 め る 「特 定 の 在 留 資 格 」 の 枠 組 み で 入 国 が許 可 さ れ て い だ1勃 。 研修生 の増加 を受 け て ・1981年 の入 管 法 改 正 に よ り,同 法 第4条 格 が 創 設 され た。 同 項 第6号. 第1項 第6号. の2と. して ,「 研 修 」 の 在 留 資. の在 留 資格 は 「留 学 」 で あ り,当 時,外 国 人 研 修 生 は留 学 生. の一 形 態 と して 位 置 づ け られ て い た。 こ う して研 修 生 の受 入 れ 実 績 を 積 み 重 ね る なか 業 界 か らの 要 請 に 応 え,適 正 な 受 入 れ体 制 を 整 備す る た め,1989年 修 」 が 独 立 した在 留 資格 とな り,1990年5月. ,産. の入 管 法 改 正 で,「 研. の 法 務 省 令 に よ り基 準 が定 め られ た。. そ の後 も・ 経 済 団 体 や 中小 企 業 か らの 要 望 を 受 けて ,制 度 は拡 充 され て きた。 ま ず,中 小 企 業 の な か に も研 修 生 の 受 入 れ を 希 望 す る声 が あ り,1990年8月. (18法 務 省 入 国 管 理 局 (19法 務 省 入 国 管理 局. 「出 入 国 管 理 「出 入 国 管 理. 平 成10年 版 」p .70。 昭 和50年 度 版 」p .39。 一70-一. に法 務 省 告 示 を 定 め,.

(11) 研 修 制 度 を改 正 した。 この 改 正 に よ り,従 前 の 企 業単 独 型 の受 入 れ に加 え て,団 体 監 理 型 受 入 れ,す な わ ち,海 外企 業 との 関 係 が な い 中小 企 業 で も,事 業 協 同組 合 や 商 工 会 議 所 な ど の 中小 企業 団 体 を通 じた研 修生 受 入 れ が 可 能 とな った。1991年,研 と 支 援 に 当 た る た め,法 JITCOが. 務,外. 務,通. 産,労. 働,建. 修制 度 の 適 切 な 運 営. 設 の5省 共 管 の 財 団 法 人 と し て,. 設 立 され た。1993年 に は,研 修 に よ り修 得 した 技 術,技. 能,知 識 を,労 働 者 と. して さ らに実 践 的 に訓 練 す る た め,新 た に外 国 人 技 能 実 習 制 度 が創 設 さ れ た⑳。 これ は,1991年12月 革 に関 す る第2次. の臨 時 行 政 改 革 推 進 審 議 会 の 「国 際 化 対 応 ・国民 生 活 重 視 の行 政 改. 答 申」 ⑳等 を踏 まえ た もの で あ る。 対 象 職 種 は,公 的 に評 価 で き,研 修. 生 送 出 国 の ニ ー ズ に 合致 す る もの に 限 られ る。 これ に併 せ て,実 習 生 の 技 能 評 価 の た め, 技 能 検 定 の基 礎1級. 及 び基 礎2級. が 創 設 さ れ た⑳。 技 能 実 習 制 度 に よ り,外 国 人 は労 働 者. と して 賃 金 を 得 て 働 く こ と と な り,研 修 ・実 習 を 合 わ せ 最 大2年. 間 の滞 在 が 可 能 と な っ. た。 そ の 後,滞 在 期 間 を3年 間 に延 長 す る こ とが,1997年3月 計 画 に盛 り込 ま れ,同 年4月. の 法 務 省告 示 第106号(技. 取 扱 い に関 す る指 針 の 一部 改 正)及. そ の 一 方,研. 能 実 習 制 度 に係 る 出入 国 管 理 上 の. び労 働 省 の 「技 能 実 習 制 度 推 進 事 業 運 営 基 本 方 針 」 の. 改LEに よ り実 施 され た。 ま た,創 設 当初,技 順次 拡 大 され,2007年9月. に再 改 定 され た規 制 緩 和 推 進. 能 実 習 制 度 の 対 象 職 種 は17種 類 で あ った が,. 時 点 で は62職 種 とな った。. 修 生 ・技 能 実 習 生 が 実 質 的 に 低 賃 金 労 働 者 と して不 当 ・違 法 に搾 取 さ れ,. 旅 券 や 預 金通 帳等 の 強 制 保 管 や 強 制 貯 金等 の悪 質 な 人 権 侵 害 行 為 が 横 行 して い る な どの 問 題 が顕 在化 し,国 内 外 か ら強 い批 判 を受 け た。 こ う した 批 判 を 受 けて,2009年 改正 され,2010年7月. に入 管 法 が. か ら施 行 され た。 この 改正 は,公 的 な 研 修 及 び非 実 務 的 の み の 研 修. を 除 い て,在 留 資格 を 「技 能 実 習 」 に一 本 化 し,技 能 実 習 生 に は来 日1年 目か ら労 働 関 係 諸 法 令 に よ る保 護 を与 え る こ と と した。. eo)技 能 実 習 制 度 は,JITCOに 対 す る 予算 措 置 及 び法 務 省 告 示 に よ り運 営 す る こ と と し,法 令 に 基 づ く制 度 と さ れ な か った 。 こ れ は,「 日本 へ の 外 国 人 の 流 出 入 の動 向,制 度 の 今 後 の利 用動 向 等 に不 確 定 な 面 が あ る こ とを 勘 案 して,当 初 か ら法 律 に よ る恒 久 的 な制 度 と して 創 設 す るの で は な く,既 存 の政 策 手 段 に よ り 対 応 す る こ と と した 」 た め と され る。(伊 藤 欣 士 「技 能 実 習 制 度 』 労 務 行 政 研 究 所,1994,p.222.) eD答 申 の な か で,「 開 発途 上 国 か ら来 日す る外 国 人 が,一 定 の 条 件 の ドに 日本 人 と同 様 の 待遇 を 受 け っ っ帰 国後 は 本 人 の 就 業 及 び 母 国 の 経 済 社 会 開発 に 役立 っ技 能 を 修 得 で き る制 度(技 能 実 習 制 度(仮 称))を 創 設 す べ きで あ る」,と 提 言 した。 な お,制 度 創 設 に 当 た り,「 労 働 力 の不 足 を 補 うと い う観 点 で は な く,国 際 貢 献,国 際 協 力 の視 点 に立 っ必 要 が あ る」,と して い る。(臨 時 行 政 改 革 推 進 審 議 会 「国 際 化 対 応 ・国 民 生 活 重 視 の行 政 改革 に 関 す る第2次 答 申』1991,p.7.) ⑳ 技 能 実 習 制 度 に お け る技 能 実 習 生 に対 す る修 得 され た技 能 に っ い て の 認 定 に活 用 され る もの と して,随 時 に実 施 す る3級,基 礎1級 及 び基 礎2級 を設 定 し,実 施 して い る。 随 時3級:初 級 の 技 能 労 働 者 が 通 常 有 す べ き技 能 及 び これ に 関 す る知 識 の 程 度 。 基 礎1級:基 礎 的 な 業 務 を遂 行 す るた め に必 要 な 技 能 及 び これ に関 す る知 識 の 程 度 。 基 礎2級:基 礎 的 な業 務 を遂 行 す る た め に基 礎 的 な技 能 及 び これ に 関 す る知 識 の 程 度 。. 71一.

(12) 3.2制. 度 の概 要. 3.2.1現. 行 制 度 の仕 組 み. 研 修 ・技能 実 習制 度 は,従 来 の 研 修 制 度 を 拡 充 す る観 点 か ら,研 修 を終 了 し所 定 の要 件 を 満 た した 研 修 生 に,雇 用 関 係 の 下 で よ り実 践 的 な技 術 ・技 能 等 を 修 得 させ,開 発途 上国 等 の経 済 発 展 を 担 う 「人 づ くり」 に協 力 す る こ と を 目的 と して,1993年4月. に創 設 され た。. 同制 度 は,技 能 実 習 生 へ 技能 等 の 移 転 を 図 り,そ の国 の経 済 発 展 を担 う人 材 育 成 を 目的 と した もの で,日 本 の 国 際協 力 ・国 際 貢 献 の 重 要 な 一翼 を担 って い る。 技 能 実 習 制 度 は,最 長3年. の 期 間 にお いて,技 能 実 習 生 が 雇 用 関 係 の下,日. 本の産業 ・. 職 業 上 の技 能 等 の 修 得 ・習熟 を す る こ とを 内 容 と す る もの で あ る。 受 け入 れ る方 式 は,企 業 単 独型 と団体 監 理 型 に 大 別 され る。 「企 業 単独 型 」 と は,日 本 の 企 業 が 海 外 の現 地 法 人 や 合 弁 企 業,取. 引 先 企 業 の常 勤 職 員. を 直接 受 け入 れ る もの で あ る。 一・ 方,「 団 体 監理 型 」 とは,事 業 協 同組 合 な ど の 中小 企 業 団 体,商. 工会 議 所,商 工 会 な どが受 け入 れ 団 体(第 一 次 受 入 れ 機 関)と. 習 生 を受 入 れ,傘 下 の 中小 企業(=受. 入 れ 企 業,第 二 次 受 入 れ 機 関)に. な って研 修生 ・実 お い て実 務 研 修 及. び技 能 実 習 を実 施 す る もの で あ る。 この 「団 体 監 哩型 」 は,中 小 企業 に お け る研 修実 施 機 会 の拡 人 ニ ー ズ に応 え る た め,1990年8月. に 導 入 され た 。. 団 体 監 理 型 の場 合(企 業 単独 型 の場 合 も,講 習 の実 施 が 必 要で あ る が,実 施 時期 に っ い て は異 な る軌),技. 能 実 習 生 は入 国後 に 講 習(日 本 語 教 育,技 能 実 習 生 の 法 的 保 護 に必 要. な講 義 な ど)を 受 け た後,実 習 実 施 機 関 との 雇 用 関 係 の 下 で,実 践 的 な技 能 等 の修 得 を 図 る。 技 能 修 得 の成 果 が 一 定 水 準 以 上 に達 した と認 め られ 「技 能 実 習2号 」 へ の変 更 許 可 を 受 け る こ と に よ り,最 長3年 間 の技 能 実 習 が行 え る。 この2っ の タ イ プ にっ いて 比 較 す る と,技 能 実 習移 行者 の 約9割 以 上 が 団 体 監 理 型 に よ る受 入 れ で あ り,そ の うち,票 業 協 同 組 合 に よ る受 入 れ が 約8割. を 占め て い る。 しか し,. 法 務 省 入 国 管 理 局 が 認 定 した不 正行 為 の 中 で は,団 体 監 理 型 の 場 合 が 圧 倒 的 に多 い。 ま た 失 踪 者 の 割 合 も団 体 監 理 型 の 方 が 極 め て大 き い。 特 に,団 体 監 理 型 の 中 で も異 業 種 の事 業 協 組 合(異 な る業 種 の 企 業 で 構 成 され る 事業 協 同組 合)に 所 属 す る企 業 にお いて 問 題 が 見 られ る頻 度 が 高 い。. 3.2.2JITCOの. 役割. 研 修 ・実 習 制 度 の 適 正 か っ 円 滑 な 運 営 の た め,1991年 受 入 れ 機 関 及 び 外 国 の 送 出 機 関 に 対 し,支 ⑳. 法 務 省 入 国管 理 局. 援 や 助 言,指. にJITCOが. 設 立 さ れ た。 国 内 の. 導 を 行 う と と も に,研. 「 技 能 実 習生 の 入 国 ・在 留 監 理 に関 す る指 針 」p.7,p.24 . 一72一. 修 生 ・実 習.

(13) 生 の相 談 に応 え,法 的権 利 を保 障 す る役 割 を 担 って い る。2011年 に 「研 修 」 の 在留 資格 に よ り新 規 入 国 した66,025人 の うち ⑳,74.4%に. 当 た る49,130人 がJITCOの. 支 援 を 受 け て入. 国 したG∂ 。 具 体 的 な業 務 と して,受 入 れ機 関 に 対 す る受 入 れ 相 談 や 技 能 実 習 を予 定 す る研 修 生 の紹 介,入 国 手 続 支 援,技 能 実 習 へ の移 行 の 受 付 ・評 価 ・支 援,日 本 語 習 得 支援 の た め の 日本 語 作 文 コ ンク ー ル開 催,実 習 修 了 後 の技 能 実 習 修 了 認 定 証 の交 付,関 連 教 材 ・出版 物 の提 供 な どが あ る。 2004年 度 か ら,研 修 ・実 習 制 度 の 成 果 向 上 促 進 を 目的 と して,成 果 事 例 集 を刊 行 して い る ほか,2006年3月. に は,中 国 及 び フ ィ リピ ンの 帰 国 生 の成 果 事 例 集 を発 行 し,フ ォ ロー. ア ップ に努 め て い る。 ま た,労 災 保 険 等 が適 用 され な い研 修 生 は,保 険 加 入 が義 務 づ け ら れ て い るが,JITCOを. 保 険 契 約 者 と して,外 国 人 研 修 生 総 合 保 険 を 提 供 して い る。 受 入. れ 機 関 へ の 巡 回 指 導 も行 い,研 修 生 の 処遇 条 件,実 習 生 の 労 働 条 件 や,研 修 計 画 ・実 習 計 画 書 に沿 った 活 動 が 行 わ れ て い る か な どを チ ェ ック して い る。 ただ し,巡 回 指 導 は事 前 に相 手 企業 に連 絡 され,調 査 項 目 も決 ま って い る た め,企 業 が 違 法 行 為 を隠 蔽 す る事 例 も少 な くな い と い う指 摘 も あ る⑳。 研 修 生 の 受 入 れ 団 体 ・企 業 が 支 払 う賛 助 会 費 が,JITCOの. 主 な 収 入源 と な って い る た め,厳. しい 指 導 が 難 しい の で は. な いか と懸 念 す る声 もあ る⑳。. 3.3制. 度 の 問題 点. (1)外 国 人技 能 実 習 制 度 の 目 的 と労 働 力 不 足 解 消 の た め の利 用 とい う実 態 の乖 離 外 国 人技 能 実 習 制 度 の 目的 は,「 技 能 ・技 術 ・知 識 の 開 発 途 上 国 等 へ の 移 転 を 図 り,当 該 開 発 途 上 国 等 の経 済 発 展 を担 う 「人 づ くり』 に寄 与 す る こ と」 と され て い る こ と は,改 正 法 施 行後 も変 わ り は な い㈱。 しか し,外 国 人 研 修 生 の受 入 れ 形 態 と して は,団 体 監 理 型 が 圧 倒 的 に 多 く,団 体 監理 型 の 約85%は. 事 業 協 同 組 合等 を通 じた 中 小 企 業 へ の 受 入 れ で あ. り,そ の 従 業 員 規 模 も50名 未満 が62.2%と 零 細 企 業 が 多 数 を 占め る こ と,茨 城 県 や 岐 阜 県 等 の地 方 で 多 く受 入 れ られ て い る⑳。 こ う した統 計 か らは,研 修 ・技 能 実 習 制 度 が実 態 と して は地 方 の中 小 零 細 企 業 の労 働 力 不 足 を 解 消 す る た め に 利 用 さ れ て い る こ とが 分 か る。 そ もそ も技 能 実 習2号 ⑳. 厚生 労 働 省. ㈲. 公益財団法人. 職 業 能 力 開 発 情 報 〈http://wwwmhlw.gojp/bunya/nouryoku/gaikoku/〉 国 際 研 修 協 力 機 構JITCO業. 移行 対 象 。. 務統計速報. 〈http://wwwjitco.orjp/about/data/2011/statistics-traineeO7.pdf>。 e④. 「外 国 人 実 習 昨 年 度 巡 回 指 導 違 反7397件. 氷 山 の 一 角 」 『朝 日 新 聞 』20079.6。. Cり 「外 国 人 研 修 制 度 支 援 財 団 「収 入 」12億 円 受 け 入 れ2万 社 が 賛 助 会 費 」 「毎 日 新 聞 』2007.6.1。 囎2009年12月 法 務 省 入 国 管 理 局 「技 能 実 習 生 の 入 国 ・在 留 に 関 す る 指 針 」p.1. ⑳JITCO白. 書(2010度. 版)。. 73.

(14) 職 種3ω自体 が,農 業 ・漁 業 関 係 や 建 設 ・食 品 製 造 ・繊 維 ・衣 服 ・機 械 ・金属 等 とい っ た 日 本 人労 働 力 が慢 性 的 に不 足 して い る第 一一次 及 び第 二 次 産 業 に限 定 され て お り,技 能 実 習 制 度 の設 計 自体 が 上 記 地 方 の 中 小 零 細 企 業 の ニ ー ズに 応 え る もの と な って い る ので あ る。 この よ うな 中 小 零 細 企 業 にお いて は,慢 性 的 な労 働 力 不 足 を 解 消 し,ま た厳 しい価 格 競 争 に打 ち 勝 っ た め に安 価 な 労 働 力 と して技 能 実 習生 を受 入 れ る こ と は あ って も,外 国 人 技 能 実 習制 度 の 「人 づ くり」 の 目的 を達 成 す る物 的 ・経 済 的 余 裕 が な い場 合 が ほ とん どで あ る。 この こ と は,厚 生 労 働 省 の研 修 ・技 能 実 習 制 度 研 究 会 中 間 報 告 にお いて も 「組 織 的 な 労 務 管 理 体 制 が 不i分. な 中小 零 細 企業(団 体 監 理 型 に よ る受 入 れ)に お いて,「 労 働 』 と. な らな い よ う 「研 修 』 の 性 格 を担 保 す る こ とは 困難 な 実 態 が あ る」 と指 摘 され て い る とお りで あ る。 現 に送 出 し機 関 の 中 に は 「日本 へ の 出稼 ぎ」 と して 研 修 生 を 募 集 し,第 一 一次 受 入 れ 機 関 た る事 業協 同組 合 の 中 に も参 加 の中 小 零 細 企 業 に対 し安 価 に 労 働 力 を 確 保 で き る手 段 と し て 研 修 生 を広 告 す る例 が 多 く見 られ た。 そ こに こそ 外 国 人 研 修 ・技 能 実 習 制 度 を利 用 す る側 の 本 音 が 表 れ て い る。 だ か らこそ 法 務 省 入 国管 理 局 が2007年12月 に改 訂 した 「研 修 生 及 び技 能 実 習 生 の 入 国 ・在 留 監 理 に関 す る指 針 」 は,あ え て 「送 出 し機 関 は,研 修 生 を 「労 働 者 』 と して 募集 し,我 が 国 に派 遣 す る もの で あ って は な り ませ ん 。」,「第 一 次 受 入 れ 機 関 の 中 に は,研 修 生 の 受 入 れ が,労 働 力不 足 の解 消 に っ な が るな ど と広 告 して,第 二 次 受 入 れ機 関 を 「募集 』 す るよ うな 団 体 が あ り ます が,こ の よ うな 「募 集 』 は,本 制 度 の 趣 旨 に 照 ら し不 適 正 な 「募 集 』 と い え ま す 。」 と記 載 して い る。 技 能 実 習 制 度 で は,こ の よ うな 中小 零 細 企 業 の,日 本 の最 低 賃 金 す ら下 回 る安 価 な労 働 力 を 使 用 した い と の意 図 を実 現 しよ う とす る力 が 常 に働 き続 け て い る た め に,労 働 基 準 法 違 反 そ の 他 の 人 権 侵 害 等 の 多 くの問 題 が 発生 して い る。 しか し,受 入 れ 先 で の技 能 実 習 に よ る技 術 習 得 を 通 じて 海 外 に技 術 を移 転 す る とい う制 度 の 建 前 が あ る た め,受 入 れ 機 関 を 特 定 して 在 留 資 格 が 与 え られ,職 場 移 転 の 自 由 もな い こ と とな り,そ の 結 果,(2)に. 述べ. るよ うな受 入 れ先 と技 能 実 習 生 の 支 配 従 属 的 な関 係 を生 じ させ ,こ れ を 解 消 す る こ とが 困 難 に な って い る。 2009年 の入 管 法 改 正 は,こ の よ うな,制 度 の 建 前 と実 際 上 の機 能 との乖 離 を解 消 す る も ので は な く,特 定 の受 入 れ機 関 で の技 能 実 習 を 想 定 した制 度 の あ り方 を解 消 し,非 熟 練 労 働 者 の 受 入 れ を制 度 目的 と して正 面 に据 え た制 度 を 議 論 しな い限 り,本 質 的 な問 題 の解 決. 6①2012年4月1日. 時 点 に,66職. 種122作. 業<http://wwwjitco. pdf>。. 一74-一. .orjp/system/data/TypeofOcupation..

(15) 策 と は な って い な い。 (2)受 入 れ 機 関 を 特 定 した在 留 資 格 制 度 で あ る こ とな ど に よ る従 属 関 係 ① 職 業 移 転 の 自由 の 制 約 研 修生 ・技 能 実 習生 を,法 律 を 無 視 した著 し く劣 悪 な条 件 で受 入 れ,研 修 生 ・技 能 実 習 生 が人 権 侵 害 に さ ら され て い る例 が 多 く発 生 して い る。 しか し,2009年 改 正 後 の制 度 下 で も技 能 実 習 生 は,受 入 れ機 関(監 理 団体 及 び実 習実 施 機 関)を 変 更 す る 自 由 を与 え られ て い な い 。 す なわ ち,在 留 資格 「技 能 実 習 」 は,受 入 れ 機 関 を特 定 した在 留 資 格 で あ り,受 入 れ 先 を 技 能 実 習 生 が 変 更す る こ とは で きな い。 新 しい指 針 は,実 習 実 施 機 関 の倒 産 や不 正 行 為 認 定,実 習 実 施 機 関 と技 能 実 習 生 と の問 の 諸 問 題 な ど に よ り,技 能 実 習 が 継 続 で きな くな る場 合 に,受 入 れ機 関(実 習 実 施 機 関) を 変 更 す る こ とが で き る と して い る 力細,「 実 習 実 施 機 関 と技 能 実 習 生 と の 間 の諸 問 題 」 とは何 を指 す の か が 明 らか で は な く,ま た,団 体 監 理 型 の場 合 に は監 理 団 体 が 主 導 して 実 習 実 施 機 関 を斡 旋 す る こ と とな って い るか ら,不 正 行 為 な どの あ った 場 合 で 監 理 団 体 に も 問題 の あ る事 案 で は,実 効 性 が な い。 したが って,受 入 れ機 関 との 間 の 関 係 が 悪 化 して実 習 が で きな くな り,在 留 資格 「技 能 実 習 」 で の在 留 が で きな くな る こ とを恐 れ て,技 能 実 習 生 が 自 らへ の権 利 侵 害 か らの救 済 を求 め に くい と い う構 造 的 問 題 が あ る。 ② 不 正 行 為 認 定 に よ る不 利 益 受 入 れ 機 関 で 不 適 正 な行 為 が 行 わ れ た場 合 に,技 能 実 習 生 は,労 働 基 準 監 督 署 や入 国 管 理 局 に通 報 し,待 遇 改 善 を 図 る こ とが で き るが,入 国 管 理 局 は,受 入 れ 機 関 に不 正 行 為 が 発覚 した場 合,不 正 行 為 認 定 を 行 い,認 定 日以 後1年 か ら5年 間 の 受 入 れ 停 止 措 置 を 講 じて い る。 受 入 れ機 関 が 不正 行 為認 定 を 受 け た場 合,当 該 機 関 の技 能 実 習 生 は当 該 機 関 で の 実 習 の 継 続 が で きな くな る(  2。技 能 実 習 生 が 在 留 を希 望 した場 合 に は,JITCO等. の協 力 ・指 導 の. 下,受 入 れ機 関 は新 た な受 入 れ 先 を 探 す 必 要 が あ る と され て い るが,新 た な受 入 れ先 が 見 っ か らな い場 合 に は,技 能 実 習 生 は帰 国 を 余 儀 な くさ れ る。 実 際 に は,新 た な受 入 れ先 は職 種 が 当 初 の 実 習 と同 じで な け れ ば な らな い こ とな ど要 件 が 厳 しい た め見 っ か らな い場 合 が 多 く,監 理 団 体 が 主導 して受 入 れ先 を探 す こ とを想 定 し て い る た め,多. くの技 能 実 習 生 は帰 国 を 余 儀 な くされ て い る。 この よ うに,労 働 基 準 監 督. 署 や 入 国 管 理 局 へ 通 報 した場 合 に は,か え って 技 能 実 習 生 自身 が 不 利 益 を被 る危 険 性 が 大. ⑳ ㈱. 「技 能 実 習 生 の 入 国 ・在 留 管 理 に関 す る指 針 」p.29。 「技 能 実 習 生 の 入 国 ・在 留 監 理 に関 す る指 針 」p.29。 一75.

(16) きい。 ③ 強制 帰 国 前 述 の よ う に,従 来,研 修 ・技 能 実 習 生 の権 利 行 使 を不 可 能 に させ るた め に,受 入 れ 機 関 が 研 修 ・技 能 実 習 生 を 強 制 的 に帰 国 さ せ る事 例 が 多 発 して い た 。 これ は,旧 来 の 制 度 に お い て も許 され な い違 法 行 為 で あ る が,日. 本 で は,こ れ に 対 す る 取 締 等 の 対 処 を 全 く. 行 って こ な か った 。 しか も,新 制 度 に お い て も,こ の 問 題 へ の対 処 は全 くな さ れ て い な い○ ④小括 こ の よ うに,技 能 実 習 生 は,受 入 れ機 関 を特 定 した 在 留 資 格 で 監 理 団 体,送 い う複 数 の機 関 を通 じて受 け入 れ られ て い る こ とに よ り,受 入 れ 団 体,送. 出 し機 関 と. 出 し機 関 と の間. で 支 配 従 属 的 な関 係 を生 じや す く,受 入 れ機 関 の 人 権 侵 害 や 労 働 基 準 法 違 反 等 を入 国 管 理 局 や労 働 基 準 監 督 署 等 に通 報 す る こ とが,か え って 技 能 実 習 生 自身 の在 留 を危 う くす る結 果 と な る可 能 性 が あ る。2010年3月. に訪 日調 査 を 終 え た移 住 者 の 人権 に関 す る国 連 の特 別. 報 告 者 で あ る ホ ル へ ・ブ ス タ マ ン テ氏G3)も 「研 修 ・技 能 実 習 制 度 は,往 々 に して 研 修生 ・ 技 能 実 習 生 の心 身 の健 康,身 体 的尊 厳,表. 現 ・移 動 の 自由 な ど の権 利 侵 害 とな る よ うな条. 件 の ド,搾 取 的 で 安 価 な労 働 力 を 供 給 し,奴 隷 的 状 態 に ま で 発 展 して い る場 合 さ え あ る。」 と して い る。 この 構 造 は改 正 法 下 で も変 わ る と ころ が な く,改 正 法 下 の 制 度 に よ り 労 働 関 係 諸 法 令 が1年 目 か ら適 用 され る こ と とな って も,技 能 実 習 生 の権 利 保 護 が十 分 に 図 られ る可 能 性 は低 い。 (3)送 出 し機 関 の規 制 の困 難 性 技 能 実 習 生 は そ れ ぞ れ の母 国 の送 出 し機 関 の 人 材 募 集 に応 じて集 め られ,こ の機 関 と契 約(承 諾 協 議 書 等)を 結 び,多 額 の準 備 費 用 を 負 担 させ られ,契 約 違 反 の損 害 賠 償 予 定 の 保 証 金,保 証 人,.土 地 ・家 な ど の担 保 を取 られ る こ とが 多 い。 技 能 実 習 生 は,こ の契 約 に基 づ く保 証 金 の 没 収 及 び違 約 金 の徴 収 を恐 れ,こ の た め,日 本 の受 入 れ機 関 で人 権 侵 害 を受 け,ま た,主 張 す る こ と は極 め て困 難 で あ る。 実 際 に,労 働 組 合 に 加 入 して 不 払 い 賃 金 を請 求 し,そ の 支 払 い を 受 け て帰 国 して も,本 国 に 帰 国 後, 保 証 金 を没 収 さ れ た り,違 約 金 の請 求 を受 けた りす る こ と は少 な くな い。 「出 入 国 管 理 及 び 難 民 認 定 法 第 七 条 第 一 項 第 二 号 の基 準 を 定 め る 省 令」 及 び法 務 省 入 国 管 理 局 の 「技 能 実 習 生 の 入 国 ・在 留 管 理 に 関 す る指 針 」(2009年12月)で. は,保 証 金 徴. 収 ・違 約 金 契 約 が禁 止 さ れ た が,脱 法 的 手 段 に よ って 保 証 金 徴 収 ・違 約 金 契 約 が 存続 す る ㈱2010年3月23日 か ら4月1日 ま で,「 移 住 者 の 人 権 に 関 す る国 連 特 別 報 告 」 の ホ ル へ ・ブ ス タマ ン テ氏 が,日 本 を公 式 に訪 問 し,日 本 に お け る移 住 者 の 現 状 ・諸 問 題 にっ い て調 査 を行 った。2011 年5月 ∼6月 の国 連 人 権 理 事 会 第17期 に お い て,調 査 の 報 告 書 を提 出 した。 一76一.

(17) 危 険 が あ る。 例 え ば,改 正 前 か ら,① 正 規 の 送 出 し機 関 以 外 の 団 体 が 保 証 金 を 徴 収 す る, ② 借 用 書 の形 式 を取 って違 約 金 契 約 が 結 ばれ る,③ 何 枚 もの 白地 小 切 手 に 署 名 させ られ る な ど の方 法 が使 わ れ て お り,こ の よ うな脱 法 的 手段 が使 わ れ る こ とを 防止 す る手 段 は講 じ られ て い な い。 (4)管 理 監 督 機 関 に よ る監 視 機 能,支 援 機 能 の構 造 的 弱体 性 日本 政 府 か ら技 能 実 習 制 度 推 進 事 業 を 委 託 され て い るJITCOは,受 監 督 等 も行 って い る が,JITCO自. 入れ機 関の指導 ・. 身 は技 能 実 習 制 度 を 利 用 す る受 入 れ機 関 か らの 会 費 及. び そ の受 入 れ 業 務 の 取 次 ぎ な ど を収 入 源 と して い る。 そ の 一 方 で,研 修 ・技 能 実 習 制 度 の 運 用 につ いて 技 能 実 習 生 の人 権 に配 慮 す るべ き との 指 導 助 言 を行 った り,技 能 実 習 生 か ら の 相 談 に対 して,技 能 実 習 生 の 立 場 に立 って 事 態 を 解 決 した りす る こ と を求 め る こ と は, 制 度 的 に困 難,限 界 が あ る と言 わ ざ るを 得 な い。 ま た,ス キ ー ル ほか(外. 国 人 研 修 生)事. 件判 決B9は,以. ドの とお り,JITOCOの. 法的作. 為 義 務 を 否 定 す る 中 で,そ の 監 視 機 能 の不i分 性 を以 ドの とお り指 摘 して い る。 「国 か ら 技 能 実 習 制 度 推 進 事 業 を 委 託 され,本 件 制 度 の 円滑 か っ適 正 な 実 施 を 使 命 とす る等,公 的 な性 格 を担 って い る こ と は認 め られ る もの の,あ. くま で も民 法 上 の 財 団 法 人 で あ り,… 被. 告 協 力 機 構 の 業 務 内 容 に 照 ら して も,同 被 告 が 行 う報 告,指. 導(巡. 回 に よ る指 導 を 含. む。),援 助 な どの 業 務 が,強 制 力 や何 らか の 法 的 権 限 を 伴 う もの で あ る と認 め る に足 りる 証 拠 は 見 あ た らな い し,研 修 成 果 の 評 価 にっ い て も,「 各研 修 生 に係 る検 定 ・資 格 試 験 等 の 結 果 を研 修 成 果 の評 価 と して と り ま とめ て 法 務 省 に報 告 す る』 業 務 で あ って・ この こ と か ら何 らか の法 的 作 為 義 務 が 導 か れ る と解 す る こ と は困 難 で あ る。」. lV中. 国人労働者の実態 および問題点. 日 本 で 外 国 人 登 録 を し て い る 中 国 人 の 数 は,2007年 本 の 登 録 外 国 人 に 占 め る 人 数 ・割 合 と も に 第1位 は 年 々 増 加 し て い る 。2011年 4879人(32.5%)で. に は 既 に 朝 鮮 ・韓 国 人 を 抜 き,日. とな っ た。 日本 に 在 留 す る 中 国 人 の 数. 時 点 の 外 国 人 登 録 者207万8480人. あ っ た 。 こ の 中 に は,労. の う ち,中. 国 人 は67万. 働 者 と して 日 本 で 就 労 し て い る 者 も 多 い 。. 厚 生 労 働 省 の 「外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」 か ら 実 際 に 企 業 等 に 雇 用 さ れ て 働 い て い る 外 国 人 の 状 況 を み る と,2011年. 時 点 の 外 国 人 労 働 者68万6246人. に 雇 用 さ れ て い る 外 国 人 労 働 者 の う ち,中 43.3%を ⑳. 占 め て い る。(表1参. 熊 本 地 判 平 成22年1月29日. 国 人(香. 照)。 ・労 働 判 例1002号 。 77. 港 等 を 含 む)は. の う ち,日. 本 で企業 等. 計297,199人. で あ り,.

(18) 在留 資 格 別[P国 人 労 働 者 数2011年(平. 表1.   ア .  . ロ. 耐. ,888. 在留資格. レ  .  .   .  .  ド   .  . そ の他  .  .  .   . 身輝.  . レー.一_一. …. ヂ    . 特定活動. 一一. 一一. 一一. 一一 一一 中目 一(呑 と. じ. 一 一. 一一  . 準 「. 一. 一 一. 一一. 一一t中. 一  .  一一. 一. 一1. 国/総 数1. 一 一_一__!-一___判. レ. ー 一 … 一 …一. ー一 一 ト ー一一 一. 一 一一. 汁. 一 一 一. 1319 ,622. 一. 一. 一. 16鯛. 一. 一. 一. 一. 一. 一一. 一58四1…-11・6㌧.一.  . 0.9%1,7610.6%29.7%. -L-5・93魁. 一⊥. 一. 一. 一一. 一 一. 1. 「     2.5%12,5234、2%173.91 -一. 一一 一 一 一 一   一ニ ⊥ 一. 13.5%170,72023.8%176.31. ー-1--16遭953-_. つく在留鯛. 成23年)基 一. 19.0%「100,45833,8%{77.2%1. 〔92,660. 1  . 130,116. _一.     一一一. 聯 ∵一 ÷ 一琢 ヨ. 一ヨ. 留学. 一一. 一. ー…. 能実習 資格外活動. 「一. 686,2461. 奪舳1技 袖 赫 み1120 1技. 一一. 緻(亙. }. 緻.   . 一. 干.     一. 一一. 一一. 一. 一. 一一一 一. 一38・2%_一.  . 一_-1_一. 一一. 一. 一__一. 一_一. 一. コ 一. 一. 出 所: 厚 生 労 働 省HPhttp://wwwmhlw.gojp/stf/houd()u/2r98520000020ns6-att/2r98520000020ntwpdf 「外 国 人 雇 用 状 況 の 届 出 状 況 」 の 基 に 作 成. 事 実 上 の 単純 労 働 者 の受 入 れ の 増 大 と高 度 人 材 受 入 れ の低 調 とい う,日 本 の 外 国 人 労 働 者 受 入 れ の実 態 は,日 本 に お け る外 国 人 労 働 者 の 大 多数 を 占 め る中 国 人労 働 者 の 状 況 に も 顕 著 に あ らわ れ て い る。 即 ち,増 加 の 著 しい技 能 実 習 生 の 問題 と,「 高 度 人 材 の卵 」 と位 置 づ け られ て い る留 学 生 の 問 題 で あ る。 中 国 人労 働者 を め ぐ る問 題 に は,技 能 実 習 生 や 日本 で就 職 ・起 業 す る留 学 生 の ほ か に も, 留 学 生 の ア ル バ イ トや 不 法 就 労 な ど多 くの 論 点 が あ るが,本 章 で は,そ の 規 模 の 大 き さ に 鑑 み,外 国 人 研 修 ・技能 実 習 生 と留 学 生 の 動 向 を取 り上 げ る。. 1中. 国 人 技 能 実 習 生 の状 況. 1.1技 表1は. 能 実 習 生 の 規 模(JITCO統. 計). 在 留 資 格 別 中 国 人 労 働 者 数 を 示 す も の で あ る。 こ れ を み る と,中. 国人研 修生 ・. 技 能 実 習 生 は 在 日 全 体 の 研 修 生 ・技 能 実 習 生 のrPに 高 い 割 合 を 占 め て い る こ と が 分 か る 。 2011年. に 「技 能 実 習1号. 39,140人(79.7%)で. 」 の 資 格 で 日 本 に 新 規 入 国 した49 ,130人. あ っ た 。 入 国2年. 目 に 「技 能 実 習1号. 行 し た 者 の な か で も,中 国 の 比 率 は 高 い 。2011年. 国 出身 者 は. 」 か ら 「技 能 実 習2号. に 「技 能 実 習1号. へ の 在 留 資 格 変 更 が 許 可 さ れ た51 ,109人 の う ち,38,779人(75.9%)が. 一78一. の う ち,中. 」 へ移. 」 か ら 「技 能 実 習2号 中 国 人 で あ った。. 」.

(19) 1.2技. 能 実 習制 度 の 目 的 と利 用 実 態 の 間 の ギ ャ ップ⑯. 連 合 総 研 の 外 国 人 労 働 者 問 題 研 究 会 が,NPOで そ の 関 係 団 体,お. あ る外 国 人 研 修 生 権 利 ネ ッ トワ ー ク と. よ び実 習 生 相 談 事業 を実 施 して い る連 合 愛 媛,連. 合徳 島 か らの協 力 が え. られ た の で,こ れ らの 組 織 へ 相 談 に きた実 習 生 を 対 象 に ア ンケ ー ト調 査 と面 接 調 査 を実 施 した 。 ア ンケ ー ト調 査 は50票,面. 接 調 査 はそ の50票. トを 兼 ね てi画接 した3人 の 合計10人. の 中 に含 まれ る7人 と調 査 票 の プ リテ ス. が 対 象 で あ る⑯。 ま た 日 本 に お け る実 習 生 の お よ そ8. 割 が 中 国 人 で あ る こ とを 反 映 し全 員 が 中 国 人 実 習 生 で あ っ た。NPOお 談 事 例 は,延 べ 人 数 は決 して 少 な くな い の だ が,実. よ び労 働 組 合 の相. 習生 自身 が3年 間 で 帰 国 す る た め に,. 調 査 時 点 で 配 布 ・回 収 ・∫能 な実 習 生 の 人数 は 多 くはな か っ た。 言 い換 え れ ば,ス して 実 習 生 に は ア ク セ ス で き ず,あ. トッ ク と. る一 時 点 で の 相 談 事 例 に 対 して の み ア ク セ ス 可 能 で. あ っ た。 ま た配 布 地 域 は,外 国 人研 修 生 問題 ネ ッ トワ ー ク の関 係 団 体 が 全 国 に わ た って い る ため に,東 京,岐 阜,福 井,広. 島,愛 媛 の 各 地 が 対 象 と な った。. 支 援 団 体 を通 じて 調 査 票 を配 布 した とい うサ ンプ リ ング方 法 か ら もた ら され るサ ンプ リ ング ・バ イ ア ス は,労 働 ・生 活 相 談 を必 要 と して い る何 らか の問 題 を抱 え た実 習 生 の み が 調 査 対 象 と な って い る こ とで あ る。 そ の た め,技 能 実 習 制 度 に対 す る評 価 は 当然 厳 しい も の と な る可 能 性 が あ るが,母 国 で の 出身 階 層,職 業,来. 口動 機 に つ い て は正 直 な 回答 が得. られ た ので は な い か,と 思 わ れ る。 技 能 実 習制 度 で は,母 国 で の職 業 に っ い て は そ の実 態 に関 係 な く,日 本 で の就 労 職 種 と同 じ職 種 を 答 え る こ とが 不 ・ ∫欠 とな って お り,実 態 に つ い て 真実 の回 答 を得 に くい。 しか し,こ の点 に っ い て,こ の ア ン ケ ー ト回 答 者か らは真 実 の 回 答 が得 られ て い ると判 断 して よ い だ ろ う。 な ぜ な らば,こ の事 実 に よ って,送. う した 回 答 者 は,す で に支 援 団体 に相 談 した とい うそ. り出 し ・受 け 入 れ 派 遣 会 社,受. け入 れ企 業,の 三 者 間 との 暗黙 の契 約. に違 反 して い る反 抗 者 な の で あ り,そ の 意 味 で は こ う した組 織 か らの 圧 力 外 に弾 きだ され た,あ. るい は 自 ら進 ん で飛 び 出 した 存 在 だ か らで あ る。 現 在 の技 能 実 習制 度 下 で は,受 け. 入 れ企 業,派 遣 会 社 以 外 の 外部 へ の 相 談 自体 が 事 実 ヒは禁 止 され て お り,こ の こ と は 日本 派 遣 前 に 行 わ れ る事 前 研 修 の な か で 徹 底 され て い る。 支援 団体 へ の相 談 者 は こ う した指 示 へ の反 抗 者 で あ るか ら,関 係 者 か ら指 示 に よ って 調 査 票 へ の 回 答 を記 入 す る こ とが な い,と い う点 は,調 査 サ ン プ ル選 定 上 の 一 っ の メ リ ッ ト. ㈲. 連合総合生活開発研究所 「経 済 危 機 下 の外 国 人 労 働者 に 関 す る調 査 報 告 書 日経 ブ ラ ジ ル 人,外 国 人 研 修 ・技 能 実 習 生 を 中 心 に 』p.52-75.参 照 。(2012年4月28日) G㊦ ア ンケ ー ト結 果 を 整 理 した表 は,統 計50人,性 別 不 明 の3人 が こ こに 含 ま れ る の で,男 女 別 で は男 性20人,女 性27人 とな って い る。 総 数 が 少 な い た め に,性 別 不 明 の3人 も統 計 に含 め た。 一79一.

(20) と して考 え る こ とが で きよ う。 ま た支 援 団 体 の人 々 に対 す る実 習 生 へ の信 頼 関 係 が 存 在 し て こそ,面 接 調 査 や ア ン ケ ー ト自 由記 入 欄 に,彼. らの正 直 な 気持 ち が告 白 され た と もい え. る。 そ の 結 果 を み る と,実 習 生 の ほ と ん ど は 日本 で の就 労 に よ って 自己 の 技 能 が 向 上 した と は考 え て い な い。 一 っ の説 明 要 因 は,彼. らが母 国 と同 じ職 業 に従 事 す る場 合 に は採 用 時 に. 選 別 が 行 わ れ て 技 能 の高 い人 が採 用 さ れ るた め に,日 本 で 技 能 を 習 得 す る必 要 が な い。 既 に熟 練 な い しは半 熟 練 レベ ル に達 した 人 を 採 用 して い る と い う こ とで あ る。 ま た異 な る職 種 か ら採 用 され た 人 は,そ. もそ も 日本 で新 規 職 種 にっ くた め に,ま. った くの未 熟 練 労 働 力. に対 して新 規 教 育 訓 練 を実 施 す る こ とに な り,技 能 向上 とい う概 念 が な じ まな いの で あ る。 そ の意 味 で は,一 定 の 職 種 と技 能 訓 練 を前 提 に した 「技 能 向上 」と い う概 念 は実 習 生 に と っ て は無 縁 の もの で あ った。 次 に帰 国 後 に 日本 で習 得 した 技 能 を 生 か せ るか ど うか を質 問 して い る。 そ の結 果,非 正 規 雇 用 者 を 中心 とす る技 能 実 習 生 に と って,元 で き る と した 人 は,全 体 の8.0%に. の会 社 に戻 って 日本 で習 得 した技 能 を活 用. 過 ぎ な い。 元 の 会 社 に 戻 るか ど うか わ か らな い が,日. 本 で習 得 した 技 能 を 活 用 した い と い う希 望 を持 っ 人 は28.0%で,女 率 は37.0%と. 性 に 限定 す る とそ の 比. 高 くな る。 これ は 女性 の 職 種 に縫 製 工 が 多 く,彼 女 た ち の 出 身地 の 周辺 で 衣. 服 製 造 業 を営 む⊥ 場 を 見 っ け る こ とが 容 易 で あ る こ とに よ る もの で あ ろ う。 他方,男 性 で は技 能 を活 川 しな い とい う人 が 半 数,ま た 「そ の ほか」 とい う回 答 に は,「仕 事 を 変 更 す る」,「現 在 の 技 能 は必 要 と され な い」,「活 用 す べ き技 能 な どそ もそ も修 得 して い な い」,と い った 内容 が書 か れ て いて 実 習 生 の 評 価 は厳 しい。 以 上 実 習 生 の 技 能 修 得 に まっ わ る質 問 か らは,彼. らの 来 日理 由 が お 金 を 稼 ぐた め の 出稼. ぎで あ る こ と,日 本 で の 就 労 が 技 能 向 ヒに よ って キ ャ リア ア ップを 目指 す た め の一 っ の段 階 で はな く,あ くまで もお 金 を稼 ぐた め の期 限 付 きの 就 労 期 間 に過 ぎ な い こ とが 明 らか で あ る。. 1.3技. 能 実 習 生 の い くつ か の 生 活 上 困 難. ①耐乏生活 実 習 生 が 抱 え て い る生 活 上 の困 難 に っ い て は特 記 に値 す る。 彼 らの 経 済 的 生 活 が貯 金 ・ 送 金 の ため に非 常 にっ ま しい もの で あ り,そ の 結 果,お の 飲 み 物,パ. い しい食 べ 物,酒. や清 涼 飲 料 な ど. チ ンコや テ レ ビの娯 楽 な ど,い わ ゆ る生 活 の 中 で 金 銭 に よ って購 わ れ る こ と. が 可 能 な 楽 しみ が 奪 わ れ て い る。 母 国 の 家族 へ の 送 金 費 用 を捻 出す る た め に,極 度 の 禁 欲 生 活 を 送 り耐 乏 生 活 を営 ん で い る。 一80-一.

参照

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