Title
家族介護者の実態調査・研究報告(4)−高齢者虐待への態
度と介護意欲との関連について−
Author(s)
大城, トモ子; 國吉, 和子
Citation
地域研究 = Regional Studies(6): 37-42
Issue Date
2009-10-01
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/5609
大域 トモ子 :家族介護者の実態調査 ・研究報告 (
4)
家族介護者の実態調査 ・研究報告 (4)
- 高 齢 者 虐 待 へ の態 度 と介護 意欲 との 関連 につ い て
-大城
トモ子*・国吉
和子**
AnExploratoryStudyofFam
i
lyCaregiversofOlderPeople (4)-TheRelationbetweenAttitudestowardElderAbuseandMotivationofCare-glVl
ng-TomokoOshiroandKazukoKuniyoshi
本研究 は、高齢者 介護の意欲 に関連 している要因 と高齢者虐待へ の態度 との関係 を検討す ることを目的 と した。沖縄 県本 島の7つの 市町村の高齢者 を介護す る家族 介護者 を対象 にア ンケー ト調査 された。その結果、敬老思想や老親介護 意識、要介護 者 との関係 、そ して、介護 についての満足度の認識 は、高齢者虐待への態度 に開通 した。 また、認知虹 に 対 して 「歳のせ いで何 も覚 えていない」 とい う認識や、要介護者の気持 ちを優先 させ る とい う姿勢が ない とき、虐待へ の共感的態度がみ られたo シャ ドー .ワー クといわれる家族 介護 において、介護意欲の重要性が考察 されたO キーワー ド:lFi';齢者虐待への態度、敬老思想、介護 に取 り組 む姿勢、認知症の理解 、家族介護者 Ⅰ. 日的 先の報告 (天城 ・国吉,2009)で、家族介護者のい ろいろな介護負担 と高齢者虐待 に対す る態度 との関係 が検討 された。そこで、介護負担 は高齢者虐待への態 度 を規定する要因 としては十分ではな く、介護者が介 護 をどの ようにとらえるか とい う認知的評価 の介在が 示唆 された。介護 を支 える基本的意識 として、儒教的 な敬老の精神や女性 の家庭内役割 な どの社会的規範が 介護継続の主たる動機づ け (山本, 1995)であ り、高 齢者 に対する子供か らの介護的支援 は、扶養意識の よ り伝統的な同居子 か ら得 られる割合が高 く (高梨 ら, 1994)、親孝行意識が経済扶養意識や介護意識 を規定す る重要な要因であると示唆 された (鄭 ら,1998)。また、 介護者が介護 を自分の役割であると認識で きることと 介護肯定感が関連 し (片山 ・陶山,2005)、介護 をどの ようにとらえるのか とい う介護 についての「意味づけ」、 とりわけ肯定的な評価 は、介護の限界感 に影響 し介護 負担 を軽減するとい う効果 をもち (楼井,1999)、介護 者の心身の生活の質 (QOL)や生 きがい感お よび介護 継続意思 に影響 した (斉藤 ら,2001;山本 ら,2002)0 つ ま り、伝統的な介護の規範意識や意味づ けは介護意 欲 に関連 していた。 しか し、民法改正、国民年金の発展、そ して、高齢 者介護サー ビスの拡大 とい う介護 をめ ぐる社会的背景 が扶養意識 に大 きな変化 をもた らしている。老親 との 同居率が低下 し老後 に頼 る子 は男子 よ りも女子 に期待 が移 りつつ も、依然 として長男の配偶者 に介護期待が 強い ものの相続権がな く、介護 と相続 は必ず しも関連 して認識 されていない (染谷, 2003)。 さらに、核家 族化や少子化 とい う家族構造の変化で老親の扶養機能 が低下 しているばか りでな く、介護が 自己実現の妨 げ になる事か ら介護役割 を疑問視 し扶養意識が希薄化 し ていると言われている (井上 ら,1995)。 1980年代半ば を境 に して老親介護 に対する態度 に変化が見 られ、「子 供 として当た り前の義務
」
「良い習慣」 とい う考 えを肯 定す る人の割合が過半数 を占めていた ものが急減 し、 替わって 「施設 ・制度の不備 ゆえやむをえない」 とい う考 えを肯定する人が増大 している (春 日,2001)。 *沖縄大学地域研究所特別研究員 903-0116 西原町草地370-5-306「地域研 究」6号 2009年6月
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亘 )
この ように、介護役割が明確 な以前 と比べ る と、子 供皆が平等 に介護義務 を もつ現代 では介護 の責任者が 唆味 な状況 となっている。そ こで、介護役割 の押 し付 け合いが生 じ、介護 を巡 る混乱や争 いが起 こることも ある。介護 を巡 る親族 間の葛藤 は、介護外のス トレス の一因 となるだろ う.そ して、介護分担 に納得がいか ない場合、介護 を負 わ された者 は不公平感 を募 らせ る 事 にな り、要介護者が ス トレスのはけ口 となって しま うこともあるだろう。つ ま り、介護責任の暖昧 さやや むをえない場合 に老親 をみる とい う消極的な態度-の シフ トは、要介護者 に とって安心で きない状況 といえ よう。実際、高齢者虐待の加害者の態度 として、「希望 して介護 を始めたのではない」 (高崎,】988)や 「いや いや介護 している」 (多 々良,200 1)がみ られたことか ら、介護意欲 を支 える介護意識 と高齢者虐待への態度 とは関連するだろう。 さらに、要介護者 に対す る介護者の感情 も介護意欲 に関連す る要因 と考 え られる。要介護者 との人間関係 は介護肯定感 と関連 (片 山 ・陶山,2005)し、介護負 担 との関連 (結城 ・飯 田,1996;長谷 川 ら,2000 ;上 凹,2000;大西 ら,2003;北村 ら,2005)も指摘 され ている。 また、家庭内の高齢者虐待 についての全国調 餐 (医療経済機構,2004)では、48%の人が要介護者 と虐待者の人間関係 の悪 さが虐待 の原 因であろうと回 答 していた。従 って、虐待への態度 を規定す る要因 を 考 える時、要介護者 をどう認知するかは看過で きない もの と思われる。一
一万
、介護 を要す る症状 についての認識や理解 は介 護 を適切 に行 うために必要なことであ り、「介護 スキル」 と 「介護役割遂行可能感」 の介護準備状況 は、肯定的 な感情での在宅 介護 の開始 と関連 してお り (片 山 ら, 2006)、要介護者の症状 について理解が無い場合、不満 が夢精 して虐待へ傾 くだろ うと考察 された (鈴木 ・安 棉,1998;三宅,200 6)。要介護者 についての理解や介 諺- の取 り組み方 と虐待へ の態度 との関連 について実 証的な調査報告が少ないことか ら、併せて検討 したい。 そ こで、本研究では、介護意欲 に関連 している要因 として、高齢者-の態度 (敬老思想 ・老親扶養意識)、 初期の介護役割の受容 、介護意欲 、要介護者 との人間 関係 、そ して、要介護者の症状 、 とりわけ認知症の理 解 をと りあげ、高齢者虐待への態度 との関連 を検討す ることを目的 とした。Ⅱ.
方法 1.調査対象 沖縄県内の七つの市町村 (糸満、那覇、浦添、読谷、 金武、石川、具市川)の家族介護者2.
調査手続 き 沖縄県内の家族介護者に対 し、「老人介護者の生活実 態調査」 とい うアンケー ト用紙 を配布 し社会福祉協議 会、介護者の家族 の会、在宅介護支援 セ ンターや老優 施設の協力 を得て124人の回答 を得た。1997年に実施 さ れた未発表のデー タをテーマに即 してまとめた もので ある。3.
調査票の構成 調査項 目 (大域 ら,2004,2005参照)は、宗像 ・川野 (1994)が実施 した質問紙や早川 (]982)の介護者の声 を参考 に作成 された。 1)虐待への態度 についての項 Ej (12項 口) 虐待 は、身体 的虐待(
4
項 目)、心埠的虐待 (3
項 目)、経済的虐待 (1項 目)、介護放棄 (4項 目) の 4種類でそれぞれ介護者の声 をもとに作成 され た (例 .介護 に疲れて くる と老人を手荒 に扱 って しまう)。実際 に虐待 しているか とい う問いでは な く、高齢者虐待 の仮想状 況で、「虐待者 に どの 程度共感 (気持 ちがわかる、賛同で きる)で きるか」 とい う質問 に 「とて も共感で きる」 4点か ら 「全 く共感で きない」 1点の4件法で答えて もらった。 ここでは、実際の虐待 を扱 ってないことか ら、虐 待者 ではな く 「介護者」、被虐待 者ではな く 「要 介護者」 とする。38
大域 トモ子 .家族介護者の実態調査 研究報告 (
4)
2
)要介護者への態度 ①高齢者への一般的態度 について質問項 目 (8項 目) (大域 ら,200 5参照) 敬老思想や老親扶養の意識 な どについて (例 .老 人か ら、 まだ まだ学ぶ ことがあ る と思 い ますか。) 「全 くそ う思 う」 か ら 「全 くそ う思 わ ない」 の4 作法で問 うた。 ②要介護者 についての認知 ・要介護者 との人間関係 につ いて (4項 目) (天城 ら,2004参照) 「一緒 にいて楽 しい」 や 「要介護者 を好 き」 な ど 4件法で訊ねた。 ・要介護者 が 介護 につ い て満足 してい る と思 うか を、「非常 に満足 している様 子」 か ら 「非常 に不 満な様子」 の 4件法で問 うた。 (∋認知症 についての認識 (10項 目) (大城 ら,2005 参照) 認知症 についての認識 (例 .ボケは年齢のせいだ) を、「そ う思 う」、「そ う思 わない」、「わか らない」 の3件法で問 うた。3
)介護への意欲 ① 介護 を始めた状況 について (付録参照) 介護への態度 (例 . 自分の方か らすす んで引 き受 けた) をとらえるため、介護 を開始 した理 由 を選 択 して もらった。 (∋介護への取 り組み (5
項 目) (付録参照) 介護 についての心構 えや姿勢 (例 .いつで も一生 懸命世話す る とい うよ りも、時 々手 を抜 きなが ら 気楽 に世話す る方が長 い 目でみていい と思 ってや っている(
「少 し愛 して、長 く愛 して」) について 「はい」、「いいえ」の2件法で問 うた。 ③介護意欲 について (2
項 目) 「介護 にや りがい を感 じるか」
「今後 も介護 をや っ てい きたいか」 について4件法で回答 を求めた。 Ⅱ.結果 1.高齢者への態度 と虐待への態度 との関係 1)高齢者への一般的態度 介護者が、老親扶養 の規範意識 を持 ち、高齢者 をい たわる とい う思 いや り教育 の必要性 を強調 し、そ して 高齢者 の役割 を高 く評価 す る等 のいわゆる敬老思想 を 持 ってい る場合、高齢者虐待- の共感 は低 くなってい た (rニ
ー .24, p< .05)。 特 に 、 心 理 的 虐 待 (rニー.29,p<.01) と介護放棄 (rニー.21,p<.05) に関係 し、介護者 の敬老意識が高 い時 、心理的虐待 や 介護放棄 について否定的態度 を示 した。2
)要介護者 との関係 と介護満足度 についての認識 介護者 と要介護者の人間関係 が良い、つ ま り介護者 が要介護者 を好 きであ り、一緒 にいて楽 しい と感 じて いる時は、虐待への共感 は低 くなっていた (rニー.34, p<.ol)。特 に、心理 的虐待 (rニー.21,p<.05)と介 護放棄 (rニー.31,p<.01)に関係 していた。 さらに、 要介護者が介護 に満足 してい る ように見 える とき、虐 待への共感 は低 くなった (rニー.29,pく 05)。つ ま り、 要介護者の介護へ の満足 が介護者 に認知 され る と、介 護へ のポ ジテ イヴな フ ィー ドバ ック と して両者の関係 に も良い効果 を もた ら し、虐待へ否定的 な態度がみ ら れた。 3)認知症 についての理解 「ボケ (認知症) は年齢 のせ いだ」 とい う認識 で群 間に有意差があ り (F-4.03,p<.05)、「ボケ (認知症) は年齢 のせいだ」 と思 っている人 (i-7.07,SD=2.18) は、思 ってない人 (i-5.94,SD-1.74)) よ りも介護 放棄へ の共感が高か った (p<.05)。 また、ボケ (認知 症) た ら、何 も覚 えていないか ら苦労が な くのん きで いい」 とい う認識 で、群 間 に有意差 が あ り (F=3.41,「地 域 研 究」6号 2009年6
月
直
垂 )
表 1. 介護へ取 り組む姿勢 と虐待への態度 介護のための勉 強 老 人の気持ち優先 必 要なことだけ 手を抜 き気楽に 症状の改善 人 数 はい60 いいえ34 はい79 いいえ18 はい54 いいえ38 はい80 いいえ10 はい72 いいえ15 平 均 値 19.92 20.24 19.46 21.94 20.50 19.29 19.93 20.90 19.83 21.00 p<.05)、そ う思 ってい る人 (i-5.ll,SD-1.91) は、 思 ってない人 (妄4 18,SD=1.39)よ り心理 的虐待へ の共 感 が高 か った (pく 05)。 ところが 、 「ボ ケ (認 知 症 ) 老 人は劣 った、かわいそ うな人間であ る」 と思 う人 は、 心理的虐待へ の共感が低 い傾 向 にあ った。2.
介護への意欲 と虐待 へ の態度 との関係1
)介護 開始 の状況 介護 開始 の状 況 は、 同 じくらいの割合 で 「世話 をす るの は 自分 しかい ない と、 自分 の方 か らすす んで引 き 受 けた」 と 「誰 が世話 をす るか につい て身内で 自由な 話 し合いが な され、 自分 がす る こ とに決 まった。 その こ とにつ いて 自分 自身で も納得 してい る」 が 占め 、全 体 の80%に至 った。 そ して、 この ような、 「積極 的 に 引 き受 けた」 か ら 「押 し付 け られて納得 いか ない」 と い う 4つ の状 況 間で、状 況が異 な って も虐待へ の態度 において有意差 はみ られなか った。2
)介護へ取 り組 む姿勢 介護 に対す る取 り組 む姿勢 と して、「手 を抜 きなが ら 気楽 にす る」 (90%)、「世話 の仕方 で症状 が改善す る と 思 っている」 (83%)、
「老 人の気持 ちを優先 して世話 を す る」 (82%)、「世話 の仕 方 を学習す る」 (62%)、 「必 要 な こ とだけ をや る」 (59%) と報告 された。介護 に対 す る取 り組 み に よって虐待 - の態度 に有 意差 が み られ たのは、「老 人の気持 ちを優先 させ る」 介護 で、老人の 気持 ち を優先 させ る こ とが で きない人 は、優 先 させ る 人 よ りも虐待へ の共感がみ られた (tニー2.05,pく 05) (表 1)。3
)介護意欲 介 護 意 欲 と 虐 待 へ の 共 感 は 逆 相 関 に な っ た (rニー.37,pく00 1)。意欲が高 ければ、高齢者虐待へ の態度 は否定 的 になった。Ⅳ.
考察 本調査結 果 で は、介護者 が老親扶養 の規範意識 や高 齢 者 の役 割 を高 く評価 す る等 の いわゆ る敬老思想 を持 ってい る場合 、高齢者虐待へ の共感 は低 くなっていた。 従 って、老親扶養 の規範意識 を含 む敬老思想 は、高齢 者虐待 の抑制効果 を もつ だろ うと推測 され る。 しか し なが ら、 この規範意識が希薄化 してい る現代 で は、そ れ に代 わ る介護 につい ての積 極 的 な意味づ けが必 要 と なろ う。 高齢 者虐待 が児童虐待 と違 う点 は、過去 の関係 が虐 待 とい う行為 に影響 し、好 ま しくない人間関係 で は納 得 で きない介護 ゆえ に、不適切 な介護 及 び虐待 になる であろ うとい う指摘 があ った (高崎,1998)。本研 究で も虐待 へ の態度 と両者 の人間関係 に関連がみ られた こ とか ら、介護 者 と要 介護者 の 人間関係 の 良 さは、大 き な犠牲 と献 身 を強 い る介護労働 において潤滑油 になる と思 われ る。 さらに、要介護者 の介護へ の満足 は、介 護 とい うシャ ドウ ・ワー クへ の フ ィー ドバ ックであ り、 「報 われ ない心情」 を和 らげ両者 の人間関係 に も影響す る。虐待へ の リス ク要 因 と して、「犠牲者の感謝 しない、 反抗 的 な態度」 が挙 げ られて い る (高崎,1998)が 、 本調査 結 果 か らも、要 介護者 の満足 した様子 は介護者 を満足 させ 、虐待 へ 否定 的 な態度 を もた ら した。高齢 者介護 の行 き着 く先 は死 であ り、 日に 日に衰 えてい く 様 子 を目の当 た りに して、や りがい を見失 いが ちにな る。 その 中で 、要介護 者 の満足 してい る様子 は介護者 40大域 トモ子 :家族介護者の実態調査 ・研究報告 (
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に充実感 をもた らす ものであ り、 日々の介護 に対す る 肯定的なフィー ドバ ックの必要性が示唆 されるO 要介護者の心身の状態 についての理解や受容 は介護 の適切 さと関連 し、ひいては介護負担 と関係す る。認 知症について、「年齢のせいで何 も覚えてお らず、どう 扱われて もわか らない」 と介護者が思 っていると虐待 へ肯定的な態度 とな り、「かわいそ うな人」 という憐 れ みを持 っている時は、虐待 に対 して否定的になる傾向 があった。認知症介護 においては、その症状 の理解が 重要であ り、正 しい知識 に基づいて適切 な介護が行 わ なければ、 より多 くの精神的ス トレスを抱 えることに なるだろう。 前述 したように、高齢者虐待の加害者 に介護への消 極的な態度がみ られたが、本研究結果では、介護 を始 めた状況では、虐待-の態度 に有意差 はみ られなかっ た。 しか し、現在の介護 について意欲 のない ものは虐 待-共感的態度 を示 した。 また、介護者が、「老人の気 持 ちを優先 させ る」ゆ とりを無 くした時、虐待へ共感 的態度 を示 していた。 これ らの ことか ら、介護へ取 り 組む姿勢は、要介護者の安全 にとって軽視 で きない も のであろう。 まとめ 本研究において、高齢者 を大切 にす る意識や老親扶 養の意識 、要介護者 との関係 や症状 につ いての理解 、 そ して介護への取 り組み方が、高齢者虐待への態度 に 影響するかを検討 した。敬老意識 を持 ち、要介護者 と の関係性が良 く、要介護者が介護 について満足 してい るとい う認識 を持 ち、介護意欲がある時、高齢者虐待 へ否定的 になった。一方 、認知症の高齢者 に対 して、 どう扱われて もわか らない人 とい う認識 を持 ち、要介 護者の気持 ちを優先 させ るゆ とりをな くした とき、虐 待へ共感的な態度 を示 した。 これ らの ことか ら、高齢 者介護 をどうとらえるか とい う介護者の在 り方 は、高 齢者虐待への態度 に影響する重要な要因 と考えられる。 付録 ・介護 を始めた状況 について 1.世話 をするのは自分 しかいない と、 自分の方か ら すすんで引 き受けた。2.
誰が世話 をす るかについて身内で 自由な話 し合い がなされ、自分がすることに決 まった。その こと について自分 自身で も納得 している。3.
特別 な話 し合いはなかったが、老人の世話 は自分 がすべ きだ との周 りか らの期待があって仕方 な く 引 き受 けた。 4.頭 ごな しに押 し付 けられた。 自分 自身 として も納 得がいかない。5.
その他 ・介護-の取 り組み (5
項 目) 1.老人の世話の しかたを知 るために、本 を読んだ り、 講習会 に参加するように している。 2.
世話 をす る側の都合 よりも、 まず老人の気持 ちを先 に考 え るように している。3
.望 ましいお世話 とい うよりも生活 に必要 なことだ け (食事の世話、身のまわ りの安全等) をやれば いい と考 えている。 4.いつで も一生懸命世話す るとい うよ りも、時々手 を抜 きなが ら気楽 に世話する方が長い 目でみてい い と思 ってや っている (「少 し愛 して、長 く愛 し て」
)
0
5.
世話の仕方 によっては、症状 を軽 くすることもで きるのではないか と思 ってやっている。 <付記 > ・ア ンケー ト調査 にご回答いただいた介護者の皆様 と デー タ収集 にご協力 くだ さった皆様 に感謝いた しま す。 ・統計処理 において多大 な協力 をいただいた琉球大学 の田中寛二氏 に感謝いた します。「地域研究