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パネルディスカッション (国際シンポジウム報告 -- 責任あるビジネス・責任あるサプライチェーン「ビジネス人権に関する国連指導原則」を日本はどのように活かせるか)

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Academic year: 2021

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パネルディスカッション (国際シンポジウム報告

-- 責任あるビジネス・責任あるサプライチェーン

「ビジネス人権に関する国連指導原則」を日本はど

のように活かせるか)

著者

ヴィッキー バウマン

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

254

ページ

40-41

発行年

2016-11

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00018778

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アジ研ワールド・トレンド No.254(2016. 12)

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パネリスト ヴィッキー バウマン (責任あるビジネス ・ ミャンマーセンター代表) アラン・ラーバーグ・ジョルゲンセン (デンマーク人権研究所人権と 開発部長) サラ・ブラックウェル (企業の説明責任に関する国際円卓会議法政策 コーディネーター) 木村紀子 (イオン株式会社品質管理部イオンサプライヤーCoC事務 局マネージャー) 藤崎壮吾 (富士通株式会社 CSR推進室部長) モデレーター 佐藤寛 (アジア経済研究所 新領域研究センター 上席主任調査研究員) (肩書きは国際シンポジウム当日時点) なアプローチをしていない。問題 を肌で感じていない点が困難であ る。 藤崎   苦労する点は、世界の状況 とその重要性を知り、それと我々 の今の状況との間に存在する差を 具体的に認識してもらうところで ある。その違いが分かった時に自 社にとっての、潜在リスクとして 受け止めていただくというところ が、ひとつのポイントになる。 佐藤   海外からのゲストに、日本 企業に対する、指導原則の導入を 促すような案、アドバイスをお聞 きしたい。 バウマン   日本の言葉や文化に根 付いているものがあるため、非常 に難しい。ミャンマーで日本企業 が、指導原則に興味を持ったポイ ントは、日本企業のコミュニティ ー の な か で の 口 コ ミ だ。 彼 ら は、 まだ聞いている程度で、現地の取 り組みに参加するまでには至って ない。また、メディアや市民社会 等のウォッチドックの存在もイン センティブになる。欧州の文化と は違うと思うが、しっかりとリス クを特定して、理解をして、それ を公表するという、Know   a nd   show(知る、そしてみ せる)の動きを加速して進めてい ただきたい。 ジョルゲンセン   人権、責任ある ビジネスというのはまったく新し いというものではない。企業がグ ロ ー バ ル 化 へ 進 む こ と に な れ ば、 ビジネスと人権は避けて通れない。 こ の 点 が イ ン セ ン テ ィ ブ と な る。 メディアや市民社会がそこまでプ ッシュしてこないという状況にお いては、やはり政府の役割が期待 され、民間企業に対し説得してい ただきたい。また、ILO(国際 労 働 機 関 ) の 取 り 組 み の よ う に、 政府と手を組んでセクター毎にバ イヤーとサプライヤーが協力をし て 改 善 の 取 り 組 み を 行 う こ と で、 個々の企業が独自で実施するより も、強力に推進することができる。 他の企業の失敗から学び、問題を 解決し、さらに問題があった場合 は、これを共有することが重要で ある。 ブラックウェル   アメリカでは企 業が政府の行動計画(NAP)の プ ロ セ ス に 熱 心 に 関 与 し て い る。 企業のやるべきことが明確になる からである。 佐藤   マルチステークホルダーと の関与の観点から、ビジネスと人 権に関して、具体的に行った市民 社会との対話や関わりの事例を紹 介していただきたい。 木村   スーパーマーケット事業で は、商品を介してお客様とコミュ ニケーションを図っている。たと え ば、 フ ェ ア ト レ ー ド 商 品 で は、 原 材 料 の 生 産 者、 認 証 機 関 の 方、 お客様といった方々との対話を通 じて、商品を作り上げている。ス テークホルダーとは、商品の生産 から販売を通じたコミュニケーシ ョンを図ることが、本来の対話の あり方であると捉えている。消費

佐藤   指導原則の流れに乗る必要 があるのかについて、違和感を持 っている方もいるようだ。人権の 話をサプライヤーにする際に、困 難を感じるところはどこかを木村 氏に、日本で適用する際の苦労を 藤崎氏にうかがう。 木村   児童労働、強制労働のよう な、世界で起こっている事案につ いて、日本企業は本当にそのよう なものがあるのかという疑問を持 たれる。メディアも目の届くよう 15_パネルディスカッション.indd 40 16/11/02 11:30

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アジ研ワールド・トレンド No.254(2016. 12) 者、お客様が市民社会の代表者と してお買い物をするということは、 非常に大きなパワーを持っている ということだ。 藤崎   サプライチェーンにおける 途上国での労働問題についてご指 摘を受けることもある。包括的に ビジネスと人権を進めているNG Oと連携し、施策やアドバイスを 受けながら準備を行っている。原 則的には、ポリシーをきちんと作 ったうえで、そのなかでうまくい かない場合は、何ができていない のか、どのようなキャパシティー ビルディングを行い、プロセスを 再構築することが必要かを考え取 り組んでいる。 佐藤   日本の企業と市民社会の関 わりについて、海外からのゲスト の方はどのように考えるか。 バウマン   我々の団体は、企業の グ ロ ー バ ル ラ ン キ ン グ に 関 わ り、 汚職防止の情報の公開を含む、透 明性の改善を促した。市民社会の グループも、こういった方法で企 業の関心を引き付けることができ ることを示した。これは日本の企 業に対しても有効だと考える。 ジョルゲンセン   ヨーロッパでは、 メ デ ィ ア の 役 割 が 非 常 に 重 要 だ。 ジャーナリズムに人権とビジネス に特化したところがあり、日本の メディアもこれを使える。NAP についても意識を促すことになる。 学会活動も広い範囲で影響を及ぼ すことができる。 ブラックウェル   企業団体と話し 合うことで関わり合いを持てるこ ともある。団体のなかには、国際 的なイニシアティブをとるところ もあれば、セクターに特化した団 体もある。会社として、セクター の団体に所属しているのであれば、 そこを介して市民社会と関わりを 持つということもできる。 佐藤   指導原則に関して、日本政 府に対する要望はあるか。 藤崎   人権を捉えるときに、義務 と捉えるか、責任と捉えるかで大 きく異なる。義務化されてしまえ ば、どこまでやるかの議論を抜き に、やらざるを得ないので、それ はある意味楽だろう。人権を尊重 するというのは世界の大きな流れ であり、他の国で取り組まれてい る以上、国際的な企業は看過でき ない状況にある。日本の方針を策 定する際には、企業を含めたマル チステークホルダーを、日本とし て ど の よ う な 形 で 捉 え る べ き か、 というところから議論に参加させ ていただきたい。 木村   私どもが製造委託先様に言 葉を発すると、強い者から圧をか け る と い っ た こ と に な り が ち だ。 したがって、そうではない、それ がコモンルールだという認識で話 させていただけるのであれば非常 にありがたい。さらに、国が枠組 みを示すことで、共通言語が生ま れ る。 そ れ は 日 本 国 内 に 限 ら ず、 海 外 に 行 っ て も そ う だ と 思 う が、 この点でよりハードルが低くなる だろうと感じる。 佐藤   最後に、日本が今後、国別 行動計画を策定するとすれば、ま ず何をしなければいけないか。 ジョルゲンセン   NAPは政府が 責任を所有したということになる ので、どこかの省庁、あるいは政 府関係機関が、しっかりと管理す ることが重要だ。我々の経験から、 ベースラインのプランニングや議 論には、約一年かかる。一年かか ってもよく、重要なのは、そのプ ロセスと結果である。 バウマン   まずコンサルテーショ ン・プロセスをはじめにやるべき だ。日本の企業の行動としてのひ とつの重要なポイントとなる。政 府がしっかりと設定すれば、企業 も追随するだろう。日本の企業は 中国企業との競争を非常に懸念し ていると思うが、中国よりも先に 日本にNAPを出してほしい。中 国 も 国 際 基 準 の 採 用 に 関 し て は、 今、積極的に考えているので、ぜ ひ日本も頑張っていただきたい。 ブラックウェル   透明性という観 点から、誰が責任者かということ を明確にし、それに基づいてコン サ ル テ ー シ ョ ン を 行 う。 政 府 は、 継続的にプロセスの透明化を図る 必要がある。 そして、 その他の方々 を巻き込んでいかなければならな い。最初に行うべきことは、優先 順位の決定だ。そのために、ベー スラインの評価が必要となる。 木村   社内での影響力に関連する。 自社ではまだ指導原則に盛り込ん だ方針を出せていないが、NAP の策定は、社内で話を進めるとこ ろの大きな起爆剤になるだろう。 藤崎   プロセスが重要だ。日本に とってNAPが必要か否かを議論 する、プロセスのはじめの時点で それをどのように理由付けするか によって、様々なプロセスが変わ る。アウトプットとしてどんな文 書ができるかというよりもプロセ スが重要と考える。 佐藤   パネリストの皆さん、あり がとうございました。   (了) 15_パネルディスカッション.indd 41 16/11/02 11:30

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