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資源の政治と外交 (巻頭エッセイ)

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Academic year: 2021

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資源の政治と外交 (巻頭エッセイ)

著者

御厨 貴

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

211

ページ

1-1

発行年

2013-04

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003721

(2)

1

アジ研ワールド・トレンド No.211 (2013. 4)

エ ッ セ イ

アジ研ワールド・トレンド 2013 4

みくりや たかし 1951年東京生まれ。75年東京大学法学部卒業。 88年東京都立大学法学部教授、89年米ハーバード大学客員研究員、99年政策研究大学 院大学教授などを経て、02年東京大学先端科学技術研究センター教授。現在、東京大 学先端科学技術研究センター客員教授、放送大学教授。青山学院大学特別招聘教授。 著書に『政策の総合と権力』(サントリー学芸賞)『馬場恒吾の面目』(吉野作造賞) などがある。   資源外交とは何か 。そもそも資源とは何か 。 実は資源という言葉が、初めてこの国の官制に 現れたのは 、昭和の始まりと時を同じくする 。 昭和二年内閣直属部局として設置された﹁資源 局﹂だ。文官部局ではあるが、陸海軍の武官が 事務官として出入りできる、文武融合部局とし た点に時色がある。   人と物という資源の統制の仕事と定められ た。広範囲での資源動員ということで、やがて 帝国日本の軍国主義化を象徴するかのように 、 昭和一二年の日中戦争勃発後、 ﹁企画院﹂に拡大 していく。資源という言葉は、植民地を含めた 国家総動員という言葉に置き換えられ、敗戦と 運命を共にする。   戦後、GHQ占領下の日本で、 ﹁資源調査会﹂ がまさにGHQの指令により活動を開始する 。 資源の戦争利用に失敗した戦前の経緯を歴史の むこうに追いやり、資源の平和利用を高らかに 宣言する。 しかも日本に資源は無いのではなく、 ﹁自然﹂という資源がたくさんあるのだから、 こ れを開発すればやたらに外へ植民地を求める必 要は無いとの、逆転の発想である。この考え方 が基軸になって、昭和二〇年代から三〇年代に かけての、明るい﹁国土総合開発計画﹂に育っ ていく。   明るい資源に対して、暗い資源もある。戦時 からのアンダーグラウンド的な資源の開発構想 の発展軸の先に、 戦後の﹁資源外交﹂が生れる。 戦時賠償や見果てぬ夢を追う一発屋が、戦後日 本のある時期の政界、財界の一隅を占めた。ア ラビア太郎などその典型ではないか。かくてア ジア、中東、時にアフリカなど、外に資源を求 める構想はアンダーグラウンド化していく。岸 信介、 田中角栄は、 ここに連なる系譜とされる。 晩年の岸の手帳の住所録に、田中の連絡先がい の一番に書かれていたのは、 その傍 証 にはなる。   資源外交は、外務省、民間商社をまきこみな がら、かつ消えかつ浮かぶ形で、波間に漂う日 本列島に 、いつのまにか寄り添う様となった 。 石炭・石油政策は、昭和四〇年代以降、資源エ ネルギー政策と命名され、 今日まで続いている。 特にオイルショック後は、今に続く経済産業省 の外局として、 ﹁資源エネルギー庁﹂が指令塔と なった。   きわどく微妙な位置に、資源外交はある。果 たして今はやりの原子力はここでいう資源外交 のなかに入るのか否か。 3・ 11後、原子力は人 類による制御不能のモンスターの如き存在と なった 。原子力関連の輸出入 、技術連携等は 、 最早﹁資源外交﹂という枠組みではくくりきれ ないのではないか。 そのものずばりでいえば ﹁原 子力外交﹂だが、あまりに露骨すぎる。   昭和の始まりと同時に、広く人と物の統制運 用を﹁資源﹂という言葉に込めた意味を、今一 度想起する必要があるかもしれない。あれは本 来人類による制御不能の対象物を、 何とか統治 ・ 政治・外交の下にコントロールしたいとの野心 の発露であった。それから八五年余り。もう一 度﹁資源﹂なるもの、いや﹁資源外交﹂なるも のを真正面から定義し直す必要に、今我々は迫 られているのだ。

御 厨   貴

資源の政治と外交

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1 Library, Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization (3-2-2 Wakaba Mihama-ku Chiba-shi, Chiba 261-8545). 情報管理 56(1), 043-048,

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