国
際
秩
序
の
構
成
要
素
に
は
、
さ
ら
に
安
全
保
障
体
制
が
あ
る
。
国
際
平
和
を
維
持
す
る
た
め
の
安
全
保
障
の
枠
組
み
は
、
同
時
に
戦
略
物
資︵
資
源
︶
を
安
全
に
資
源
国
か
ら
消
費
国
に
運
ぶ
た
め
に
も
機
能
す
る
。
第
Ⅱ
部
で
は
、
世
界
的
な
安
全
保
障
政
策
の
転
換
を
俯
瞰
し
、
そ
の
な
か
で
の
中国
の
資源確保
の
動向
に
着目
す
る
。
第Ⅱ部
安全保障
と
資源
の
確保
︱
米国
の
後退
と
中
ロ
の
台頭
は
じ
め
に
米ソ間の冷戦体制の終焉は、従来の安全保障観を変容さ せた。それは、世界を二極化させて激しく対立した冷戦構 造が政治紛争のグローバル化の進展により変容され、従来 国際社会に顕在化していなかった本質的リスク、社会的リ スクを脅威として認識させたということである。冷戦構造 崩壊後の新しい国際社会では、社会的リスクが、安全保障 の対象として新たな取り組みを要求している。同時に、安 全保障観の変容は、一人ひとりの人間の安寧な生存を目的 とする「人間の安全保障」の理念をうみだしてもいる。こ のような安全保障観の変容は、主権国家の国益追求を使命 とする軍隊の活動領域にも変化を要求している。 歴史を振り返ると、イタリア都市国家間の外交政治活動 に従事したマキャベリは、古代ローマの歴史研究から権力 政治の本質をあきらかにする過程で、権力政治の最終的実 行 手 段 と し て の 軍 隊 の 存 在 を 説 い た。 そ の 後、 ク ラ ウ ゼ ビッツは、ナポレオン戦争の実体験から軍隊を客観的に考 察し、軍事力行使の目的を戦力指向の対象を敵戦力の撃滅 (無力化) と位置づけた。 では、こうして歴史的に展開し定義づけられてきた主権 国家間の権力政治の手段である軍隊の存在は、安全保障観 の転換によりどのように変容されているのであろうか。 本稿は、軍隊の活動領域を変化させた安全保障観を読み 解くことを目的とするものである。Ⅰ
主要国
の
安全保障政策
* 11
N
A
T
O
加
盟
国
お
よび
N
A
T
O
パ
ー
ト
ナ
ー
国
ア メ リ カ は、 冷 戦 後 も 自 国 へ の 脅 威 が あ る こ と を 前 提 に、規模は縮小するものの先進的な能力と即応性を備えた 軍事力を保有し、ミサイル防衛、核抑止力、サイバー、宇 宙、航空/海上、精密打撃、情報・監視・偵察、対テロ・ 特殊作戦、抵抗・回復力を重視する軍隊の態勢や体制を構 える安全保障政策をとっている * 2 。その一方、アメリカは、 グローバルな安全保障の構築を安全保障政策の柱の一つと する。これは、本土防衛および強力な打撃力を中心とした 戦力の投射により決定的な勝利を獲得することを中心にす え、それを確固たるものとするためには、国際社会のリス クの軽減が不可欠であり、それへの対処を同盟国との結束 とその他の友好国との協力により保障するものである * 3 。ア メリカは、九・一一同時多発テロ以降、米本土に対するテ ロ攻撃の可能性が増大し、自国に対する脅威度は高まって いるとの認識に立ち、民族・宗教・領土問題に起因する地 域 レ ベ ル の 小 規 模 紛 争 へ の 積 極 的 対 応 と、 世 界 規 模 で の 「テ ロ と の 戦 い」 を、 自 国 に 対 す る 従 来 型 脅 威 (主 権 国 家 間 と の 脅 威 認 識) へ の 対 応 と と も に 重 視 し、 積 極 的 に 対 処 し て い る ( D ep ar tm en t o f t he A rm y, Civ il Aff air s O pe ra tion 2000 ) 。 し か し、 ア メ リ カ の こ う し た 軍 隊 の 体 制 は、 冷 戦 後 に 脚 光 を 浴 び た 軍 隊 の 戦 争 以 外 の 軍 事 活 動 ( MilitaryOperations Other Than War
:以降、MOOTW) を軍隊の 主要な活動領域としたのではない。アメリカの軍隊はあく までも、冷戦期同様の軍隊の伝統的な役割である主権国家 間の国益をめぐる軍事行動で、相手国を打倒することが本 質的活動領域であるとする。したがって、MOOTWは、 伝統的な軍隊の役割を支援するものとして位置付けられ、 伝統的軍隊の役割のなかに意識的とも思える形で組み込ま れている * 4 。 ア メ リ カ 以 外 の 北 大 西 洋 条 約 機 構 ( N or th A tla nti c T re aty O rga ni za tion : 以 降 、 N A T O ) 加 盟 国 に つ い て は 、 ド イ ツは 冷 戦 後 、 M O O T W に 対 し て 、 ド イ ツ 連 邦 軍 を 本
第Ⅱ部
安全保障
と
資源
の
確保
―
米国 の 後退 と 中 ロ の 台頭安全保障政策
の
転換
︱
世界各国
の
動向
岩田英子
格 的に 取 り 組 ませ て い る * 5 。 ド イ ツ は 、 冷 戦 期 に お け る軍 隊 の 使 用 お よ び 使 用 範 囲 に 対 す る 消 極 的 設 定 を 堅 持 し て い た 。 し か し 、 ド イ ツ は 、 N A T O や 欧 州 連 合 ( Eu ro pe an U nion : 以 降 、 E U ) の 軍 事 作 戦 に お け る M O O T W 、 す な わ ち 、 平 和 維 持 活 動 ( Pe ac ek ee pi ng O per ati on s : 以 降 、 P K O ) に 軍 隊 を 積 極 的 に 参 加 さ せ て お り 、 N A T O お よ び E U と の 関 係 重 視 と そ れ に 伴 う 軍 事 面 で の 貢 献 へ の 国 際 的 期 待 を 受 け て 、 国 内 法 制 度 を 整 備 し て い る 。 一 方 、 カ ナ ダ は 、 国 連 の P K O へ の積 極 的 参 画 を 国 是 とす る 外 交 ・ 防 衛 政 策 は堅 持 しつつも、NATOとの同盟を重視する方向にある。 外 交 ・ 防 衛 に お け る 政 策 的 中 立 を と る ス ウ ェ ー デ ン は 、 N A T O 同 盟 国 で は な く パ ー ト ナ ー 国 で あ る も の の 、 カ ナ ダ と 同 様 の 理 由 か ら 、 N A T O の 国 際 治 安 部 隊 ( In te rna tio na l Se cu rit y As sis ta nce F or ce : 以 降 、 I S A F ) に 軍 隊 を 派 遣 す る な ど 、 限 ら れ た 軍 事 力 の 有 効 活 用 の 姿 勢 を う か が わ せ る 。 NATOに加盟しているイギリス、ドイツ、フランス、 カナダは、アメリカとは異なり、NATO域外で大規模な 軍事行動を遂行することは困難である。また、冷戦終焉に 伴う欧州での大規模な軍事的対峙の構造が消滅し、現時点 においては、一部にテロの脅威は残るものの、自国に対す る切迫した脅威は予測されず、軍事力を削減している。そ の一方、軍隊の大部分が、海外での新たな役割に基づく行 動 (N A T O の 非 五 条 任 務) の た め に 運 用 さ れ、 従 来 の 主 権国家防衛中心の役割に加えて新たな役割を付加させる傾 向を示している。 さらに、NATOに加盟している欧州諸国やカナダは、 紛争状態の収拾や一定の治安回復に取り組む一方、軍事活 動の主眼を、民間組織との協力における紛争状態収拾後の 民主化のための諸活動にもおき、他国と協力して実行する ことをも重視している。これは、NATO同盟国のみなら ず N A T O パ ー ト ナ ー 国 に お い て も 認 識 で き る 傾 向 で あ る。つまり、この傾向は、民間組織との協力行動を、軍隊 に よ る「民 事 活 動」 ま た は「民 軍 協 力 活 動 ( Civil Military Cooperation : 以 降、 C I M I C) 」 と 定 義 づ け て 積 極 的 に 展開することを促すとともに、新たな役割の遂行に必要な 専門的な知識や技能を、常備編成の部隊だけではなく予備 役の活用や民間組織の利用で補うというものである。
2
中・
ロ
中国は自らの軍事力について「武装力」と総称している よ う に、 中 国 の 軍 隊 と い う と、 中 国 人 民 解 放 軍 (以 下「解 放 軍」 ) 、 武 装 警 察 (以 下「武 警」 ) 、 そ し て 民 兵 か ら 構 成 さ れる * 6 。 現 在 の 中 国 は、 国 内 の 安 全 保 障 と 対 外 的 安 全 保 障、 ま た、 伝 統 的 安 全 保 障 と 非 伝 統 的 安 全 保 障 を 総 合 的 に 担 う 「総 体 的 国 家 安 全 保 障 観 * 7 」 を 進 め て い る。 こ う し た 現 在 の 安 全 保 障 観 は、 江 沢 民 の「相 互 信 頼、 相 互 利 益、 平 等、 協力 * 8 」を継承しているという。過去を振り返ると、中国の 軍事力は、内戦下にあった草創期の共産党を支える一方、 対外的にも朝鮮戦争やその後のインド・ソ連・ベトナムと の国境紛争などに対処するためのものへと発展した。冷戦 の終了は、経済発展のための国防の任務と再定義する「経 済 安 全 保 障」 に 基 づ く 安 全 保 障 観 を も た ら し た (高 木 二 〇 〇 三) 。 二 〇 〇 〇 年 に 入 る と、 米 国 同 時 多 発 テ ロ や 重 症 急性呼吸器症候群 ( Severe Acute Respiratory Syndrome : S A R S) の 流 行 な ど を 経 験 し た こ と で、 中 国 は、 テ ロ リ ズムの対処の重要性や、戦争および動乱以外の突発事態へ の対処をも安全保障上の課題とするようになり、解放軍に 対して、災害救援活動など非伝統的安全保障分野での活動 や、国連PKOや海賊対処活動などの国際的なMOOTW を新たな任務としている * 9 。これらは、習近平政権が打ち出 した「総体的国家安全保障観」という概念に基づく、新し い 安 全 保 障、 す な わ ち 、 非 伝 統 的 安 全保 障 へ の 対 応 を 目 指 す も の と い え よ う 。 一 方 、 中 国 は 、 国 防 ・ 軍 隊 改 革 の 一 環 と し て 、 解 放 軍 に お い て 、 中 央 軍 事 委 員 会 統 合 作 戦 指 揮 セ ン タ ー お よ び 東 シ ナ 海 統 合 作 戦 指 揮セ ン タ ー な ど の 創 設 や 陸 軍 の 大 規 模 な 兵 員 を 削 減 し て 進 め て い る 。 ま た 、 軍 の 新 た な 役 割 と し て の M O O T W に おけ る 、 陸 軍 の 地 方 行 政 部 門 と の 協 働 災 害 救 援 活 動 は 、 陸 軍 の 存 在 感 と 必 要 性 を 中 国 国 内 で 堅 持 す る機 会 を 与 え る と し て 進 め ら れ て い る 。 同 時 に 、 中 国 は 訓 練 お よ び 演 習 に お い て の 「 実 戦 的 訓 練 」、 統 合 訓 練 や 軍 区 横 断 訓 練 を 重 視 し て お り 、 こ う し た 改 革 は 、 Str ide2 01 4 演 習 、 中 ロ 海 軍 演 習 、 環 太 平 洋 合 同 演 習 ( R im of P aci fic E xe rc is e : R I M P A C へ の 初 参 加 か ら う か が う こ と が で き る 。 さ ら に 、 装 備 開 発 は 、 民 間 の 生 産 技 術 と 軍 用 の 統 合 活 用 を 重 視 し て お り 、 そ の な か で も W u-1 4 の 実 験 成 功 、 D F-4 1 の 開 発 、 Luy an g III( T ype -52D ) の就役、軍用ヘリ開発、 IL-78 の保有は注目できる。 他 方 で、 中 国 の 国 外 政 策 は、 主 導 的 外 交 で あ り、 「大 国 外 交」 と し て 国 際 社 会 に お け る 多 極 化 を 推 進 す る 政 策 を とっている。こうした国外政策に基づき、解放軍は、外国 の軍隊との交流や対話、多国間の安全保障対話、外国軍と の 合 同 演 習、 国 際 的 な 安 全 保 障 協 力 な ど、 軍 隊 が 主 体 とな っ て 平 時 に 行 う 国 際 的 な 活 動 を 推 進 し て い る * 10 。 な か で も、国連PKOや海賊対処活動、外国で発生した大規模災 害に対する救援・支援活動などについては、安保協力とし て積極的に参加している。これらの活動は、国際社会にお ける中国の評価の向上や、大国や周辺諸国との良好な関係 の構築を通じた、中国にとって望ましい国際環境の醸成の 他、 軍 事 力 の 強 化 の 面 で も 成 果 に 結 び つ い て い る。 し か し、留意しなければならないことは、中国が核心的利益と 認識する問題に対しては、これまで以上に原則を強調し、 これを断固として守る姿勢を堅持していることである。例 として、南シナ海における中国の活動があげられる。 このように中国は、統合と実戦化を目指した国防・軍隊 改革を進めつつ、非伝統的安全保障分野への対応を積極化 させると同時に、産業経済の急激な成長の下で発展してい る民間技術を軍事技術に活用することで、装備の近代化に 着手している。その安全保障政策は、従来の質より量を重 視する伝統的安全保障に特化したものから転換しつつある といえよう。 中 国 の 安 全 保 障 は、 対 外 的・ 対 内 的 に 変 化 を 見 せ て お り、解放軍および武警の役割や活動の場が拡大している一 方で、民兵については、相対的に変化が乏しい。こうした 中国の軍事力は、非伝統的安全保障への対応にも重点を置 きつつある安全保障政策の変容に基づくものとして捉えら れる。 冷戦期、アメリカの対極として共産主義勢力の盟主とし て 東 側 を 統 率 し た 旧 ソ 連 (以 降、 ロ シ ア) は、 国 際 社 会 に おける多極化を志向しつつ、世界で影響力のある国家とし て、自国の国益を追求している。また、ロシアは、さらな る発展のためには資源依存型経済から脱却し、経済および 社 会 を 立 て 直 す な ど の 全 面 的 な 近 代 化 が 必 要 と の 認 識 に 立っている。このような課題を克服するため、ロシアは、 欧米諸国等との連携強化を図ってきた。 ロシアは、軍隊の体制に関し、アメリカとは異なり、ア メリカ以外のNATO加盟国と同様の動きをとっている。 たとえば、ロシアの軍隊は、六個軍管区体制をとっていた が、二〇一〇年一二月までに四個軍管区体制に再編してお り、これに加え、四個各軍管区に対応した統合戦略コマン ドを設置して軍管区司令官の下ですべての兵力を統合的に 運用していることがあげられる。そして軍隊の装備を近代 化 す る た め、 「二 〇 二 〇 年 ま で の 国 家 装 備 計 画」 に 基 づ き、新型装備の比率を七〇%へ向上し、軍改革を企図して いる * 11 。 ロシアの軍隊全般に関しては、軍事力の規模が縮小傾向 にある。しかし細部に関しては、核戦力を含む相当規模の 打撃力を主体とする戦力が存在し、その即応態勢が維持さ れているとともに、常時即応部隊を戦域間機動により紛争 に対処させる運用を基本とする。 こうしたロシアの軍隊の活動の検証から、ロシアの安全 保 障 政 策 が 変 容 し て い る と 捉 え ら れ る。 し か し、 ロ シ ア は、冷戦期の核兵器を中心とする攻勢の態勢を、規模は縮 小したものの堅持しており、アメリカ以外のNATO加盟 国の安全保障政策とは質的に同様とは言い難い面がある。
3
日本
二〇一〇年一二月、第二次安倍内閣が発足した直後に、 安倍首相は小野寺防衛相に対し、米国と連携して自衛隊の 役 割 を 強 化 し、 抑 止 力 を 高 め る た め、 「日 米 防 衛 協 力 の た め の ガ イ ド ラ イ ン (以 下「ガ イ ド ラ イ ン」 ) 」 の 見 直 し を 指 示 し た。 ま た、 安 倍 首 相 は、 「積 極 的 平 和 主 義」 の 立 場 か ら、同盟国である米国をはじめとする関係国と連携しなが ら、地域および国際社会の平和と安定にこれまで以上に積 極的に寄与していかなければならないとの国家安全保障の 基本理念・考えを打ち出した。 こうした安全保障政策の転換を実現するものとして、二 〇一五年四月の「ガイドライン」の見直しや、安全保障関 連 法 案 の 整 備 が あ る。 こ れ ら に よ り、 「日 本 の 平 和 お よ び 安 全 の 切 れ 目 の な い 確 保」 「地 域 お よ び グ ロ ー バ ル な 平 和 と 安 全 の た め の 協 力」 「日 米 共 同 の 対 応」 を 可 能 と し、 防 衛装備・技術協力、情報保全、教育・研究交流を含む安全 保障および防衛協力についての日米共同の取り組みを進め て い く 方 向 に あ る (防 衛 省 二 〇 一 五) 。 つ ま り、 こ れ ま で 以上に国際協調主義に基づく多国間協力が重要であると同 時に、日米同盟は不可欠だという認識が示されている。 第二次安倍内閣は、政権交代前に打ち出された「動的防 衛力」という言葉は使用しないものの、そこに通底する自 衛隊の部隊運用構想を引き継いでいるといえよう。この構 想は、脅威が存在する場所に戦力を集中配備することで脅 威 を 抑 止 す る こ と を 目 的 と し、 こ の よ う な 部 隊 運 用 に よ り、中国の海洋進出と北朝鮮の弾道ミサイル等に対処し、 アメリカと協調して、地域の安全保障環境を強化するとい う こ と で あ る。 こ れ は、 「国 土 防 衛 の た め の 必 要 最 小 限」 の防衛力から、積極的に「国際平和」を実現するために、 専守防衛を基調としながら、国際社会における安全保障環境の構築に積極的に参画する安全保障政策への転換を意味 している。
4
主要国
の
安全保障政策
の
方向性
冷戦時代の米ソ二極化が終了して以来、主要国 * 12 は、頻発 する地域紛争が地域の安全保障環境を不安定化させている ことに対し苦心している。また、頻発する地域紛争による 地域の安全保障環境の不安定化は、グローバルな安全保障 環境の改善を停滞させる一因となってもいる。こうした状 況を打開するため、主要国は、国際社会が緊密に協力する 必要性を認識し、その対処に協働する安全保障政策を模索 する方向性にある。このことは、軍隊の活動が、国家領域 の防衛からよりグローバルなスケールで平和と安定を支援 するための多国間の軍事協力へと、再方向付けされている ことに示されている * 13 。 一 方、 こ う し た 方 向 性 へ 転 換 す る 安 全 保 障 政 策 に 基 づ き、冷戦後の主要国軍隊全般は、冷戦期から整備されてき た装備・編成が縮減されるとともに、部隊の地理的配置や 運 用 も 見 直 し て い る。 こ れ は、 (徴 兵 制 度 に 基 づ く) 大 規 模軍隊ではなく、志願兵制度を基盤にしたよりテクニカル な軍隊への変更を示唆する軍隊自身の再編成と認識でき、 技 術 の 進 歩 が、 大 規 模 軍 隊 と い う 考 え 方 を 衰 退 さ せ て い る。つまり、軍隊の運用においては、従来より高度な技能 を有する専門技術職の軍人等や民間の専門技術者による兵 器システムの運用や開発が増加している。また非伝統的安 全保障の分野では、常備編成部隊だけでは対処できない民 間能力が必要とされている。 したがって、産業発展の進んだ主要国は、急激な軍事組 織の縮小や再編成を経験する一方、軍人は、伝統的戦争と ともに平和支援活動にも備えている。つまり、主要国の安 全保障政策の方向性は、さまざまな任務に即応することが 求 め ら れ る 安 全 保 障 政 策 へ と 転 換 し て い る こ と が 理 解 さ れ る 。Ⅱ
主要国
の
安全保障政策転換
の
背景
1
冷戦期
の
米
ソ
二極構造
の
変容
と
脅威
の
多様化
冷戦終焉後、世界規模での米・ソ二極対立に代わり、グ ローバルなテロリズムの問題や地域的な紛争が、安全保障 上の課題として取りあげられるようになった。また、ガル ト ゥ ン グ が 指 摘 し た、 社 会 構 造 上 か ら 生 起 し た 民 族、 宗 教、 領 土 問 題 等 の 脅 威 (ガ ル ト ゥ ン グ 一 九 九 一: 四 四) 、 自然災害、大規模な感染症といった市民の生活を脅かすよ うな脅威が、クローズ・アップされるようになった。 これらの脅威は「新たな脅威」と称されるものの、冷戦 期にもすでに存在しており、冷戦下の米・ソ二極構造によ り封じ込められ、安全保障上の深刻な問題として認知され ることはなかった。しかし、冷戦後、この「新たな脅威」 に端を発する地域レベルの諸問題や、さらには、小規模な 紛争も増大しており、各国ともその対応の仕方を模索して いる。 M O O T W や 対 反 乱 作 戦 ( Co unt er In su rg en cy O per atio ns : C O I N ) 、 人 道 支 援 ・ 救 助 活 動 ( H um anit ar ian A ssist an ce and Disaster Relief Operations :以降、HADR) そして、 国連主導のPKOなどの軍隊の活動は、冷戦後の社会にお いて、国家のみならず人間一人ひとりに対しても、その安 全を保障する役割を担保していくことや、冷戦後の脅威の 多様化と安全保障におけるプレーヤーが非国家主体をも含 むようになったため、生じてきた。 冷戦後の安全保障政策の変容とは、伝統的安全保障の枠 組みは冷戦期のものと本質的に同じである中で、安全保障 の対象とすべき脅威が、主権国家間の戦争から自然災害・ 大規模な感染症といった災害・テロリズムなどへと多様化 していること、安全保障のプレーヤーが、主権国家のみな らず非政府組織やテロリストなどの非国家主体をも含むよ うになったことを意味する。 そ の た め 、 多 様 化 す る 脅 威 や プ レ ー ヤ ー に 対 す る 安 全 保 障 の 実 現 の た め に 、 主 権 国 家 が 単 独で と いう 形 で は な く 、 国 際 社 会 の な か で 唯 一 正 当 性 ( leg itim ac y ) を 有 す る 国 連 を ハ ブ と す る 軍 隊 の 活 動 が 望 ま れ て い る の で あ る * 14 。 し か し 、 こ の 議 論 が 進 展 す る には 、 国 連 が 、 組 織 改 編 によ り 、 さ ら にそ の実 効 性 を 向 上 させ る 必 要 が あ る 。 ま た 、 現 在 の 国 連 に お い て は 、 P K O の 中 立 性 ( imp art ialit y ) の 再 定 義 の 文 脈 か ら P K O の 権 限 ( m an date ) を 拡 大 し 、 強 靭 な ( rob ust ) P K O に 貢 献 で き る 軍 隊 の 活 動 の 可 能 性 を 模 索 す る 議 論 も 出 て お り * 15 、 実 効 性 の 上 で 問 題 が 指 摘 さ れ て い る 。2
国際社会
の
グ
ロ
ー
バ
ル
化
確かに、グローバル化は、通信・輸送手段の発達によりもたらされたものであり、経済発展というよい側面も見出 せる。しかし、その恩恵にあずかったのは主要先進国 * 16 で、 その他のグローバル化の波から取り残された国々は、より いっそう貧しくなり、先進国との格差が広がっている。グ ローバル化は、加害者の見えない「新たな脅威」を、容易 に国境を越えて各地域に急速に拡散させていった。 こうしたいわばグローバル化による「新たな脅威」の拡 散・浸透が、そこで暮らす人間の生活、そして、その生存 そのものに対する脅威として、従来とは異なる性格の安全 保障問題として、各国および国際社会で認知されるように なっている。グローバル化の負の側面としての「新たな脅 威」は、人間一人ひとりの「潜在的可能性 * 17 」を脅かす存在 として理解され注目されながらも、各国はその問題のすべ てを把握できず、また、統制できずにいる。まさに、一国 家 と し て、 そ の 政 府 の 力 の 及 ば な い と こ ろ で、 日 々 発 生 し、拡散し続けている。
Ⅲ
安全保障政策転換
の
意味
冷 戦 後 の 安 全 保 障 観 は、 「人 間 の 安 全 保 障」 の よ う な 一 人ひとりの人間の生活の安寧確保をも対象とする構想も含 んでいる。これは、軍隊が、かつては社会システムが対応 していたような社会諸問題などにまで使用され、その活動 の形態を広げていることを意味している。そこで、冷戦後 の安全保障の転換は、軍隊の本質までも変えるような変化 を意味しているのかという疑問が生じる。 国家領域の防衛は、従来通りの軍隊の活動である一方、 よりグローバルなスケールでの平和と安定を支援するため の多国間の軍事協力は、社会問題であるとの認識もある。 また、後者が、民間との協力や協働を本質的に含むもので あるため、CIMICは、軍隊の自己完結性などの軍隊の 特性を損ない、かえってその活動の効果を低下させる面も あることが指摘されている * 18 。 し か し、 現 在 の 主 要 国 の C I M I C の 状 況 を 俯 瞰 す る と、 軍 隊 に 民 間 (こ こ に は、 軍 隊 以 外 の 行 政 組 織 も 含 ま れ る) の 資 産 を、 軍 隊 の 本 質 と も い え る 統 一 的 な (硬 質 的 と も 評 さ れ る が) 指 揮 系 統 や 自 己 完 結 性 を 壊 す こ と な く、 い かにして取り込むかということが、喫緊の課題になってい ることがうかがえ、CIMICは、現在の軍隊の重要な課 題となっている。これは、日本の自衛隊においても同様で ある。 では、こうしたCIMICは、冷戦後の米ソ二極体制が 収束したことから生じた、新しい軍隊を招来するような、 新たなヴィジョンであろうか。 歴史的にみると、CIMICは、冷戦後に初めて登場し たものではない。CIMICの原型は、第二次世界大戦中 の連合国軍側の戦争目的を実現する手段として、軍隊を主 体とした占領地統治を効果的に行い、軍事的勝利を戦争目 的に結びつけることを目的として策定され、軍隊と民間と が協力して活動することを企図したものであった。 しかし、冷戦後に多発するようになった地域紛争は、主 権国家同士の戦争のような敵味方が明確な対称的な戦闘で はなく、非対称戦と言われるような、対称関係にない相手 との戦いを特徴とする。また、こうした地域紛争における 非対称戦は、非国家アクターとの交渉を要する。この非国 家アクターとは、主権国家として市民保護にあたる正統性 と、合法的権限を有する行政機関を維持し活用する能力と を失っている、国家組織とは別物である。非国家アクター の行動の背景には、文化的、宗教的な特異性が顕著である ことが多い。そのため、軍隊以外の行政組織や地元の非政 府組織 ( Non-Government Organization :以降、NGO) や 国際NGOなどの民間の協力を必要とするようになってい る。こうして、戦場におけるCIMICに関する枠組み作 りが喫緊の課題となった。 そこで、これらの要因が、軍隊そのものの本質や社会に お け る あ り 方 ま で 変 化 さ せ る よ う な も の で あ ろ う か と い う、疑問が生じる。 例をあげれば、軍隊が、冷戦後、MOOTWであるPK O、平和支援活動 (Peace Support Operations
:以降、PS O) 、平和構築活動 ( Peacebuilding Operations * 19 ) 、HADR に積極的に参画するのは、昨今の国家財政の逼迫による多 額の予算を要する軍隊に対する批判を回避するためのもの との指摘もある。その一方、冷戦後、ソ連が消滅したこと に伴い、西側の軍事的安全は当面の間ほぼ保証されている と考えられるようになったことから、その関心が、これま で 副 次 的 と さ れ て き た P K O や H A D R な ど へ 移 行 し て いったという認識もある * 20 。 たしかに、主要国の国防省は、即応態勢、統合運用態勢 の強化を国防政策として謳っている。しかし、このような 軍隊の態勢変化は、冷戦後に頻発する地域紛争に効果的に 対処するためのみならず、逼迫した財政状況に応じて、そ の費用対効果を高めるためのものでもある * 21 。主要国は、莫 大な予算を必要とする量的充足よりもむしろ、質的向上を
目指すことで、地域の安全保障環境のいっそうの安定化お よ び グ ロ ー バ ル な 安 全 保 障 環 境 の 改 善 ま で を 企 図 し て い る。それも、一国のみではなく多国間の協力により、対処 しようとしている。 ただし、自国防衛のための実効的な脅威抑止および対処 にも言及している点は重要である。主要国は、限られた財 源の下で、地域の安全保障環境およびグローバルな安全保 障環境の改善とともに自国防衛をも行う。このことは、冷 戦後、国益を擁護する軍事力の安全保障面における運用面 に変化が生じていることからもうかがえる。中ロの安全保 障や軍隊の体制が、その良い実例である。もちろん、アメ リカの安全保障や軍隊も同様であり、武力による強制力で もって、敵対勢力を無力化し制圧し、自国の利益を達成す る こ と を 本 質 的 使 命 (伝 統 的 任 務) と す る こ と に 変 わ り は ない。
Ⅳ
今後
の
展望
冷戦時代は、ある意味でホッブス的な「狼同士の争い」 を本質とする「力による秩序維持」という不安定な状態に あ っ た。 こ の よ う な 社 会 で は、 一 人 ひ と り の 無 力 な 人 間 は、国家の庇護のもとに、脅威に満ちた周囲の環境から自 らの生存と安全を確保することを余儀なくされた。冷戦時 代 は、 主 権 国 家 を 主 体 と す る 伝 統 的 安 全 保 障 の 時 代 で あ り、主権国家間の権力政治が国益判断を中心とすることか ら、軍事力は重要な国益擁護の手段として展開した。つま り、国益判断が権力政治、安全保障政策の中核であったの である。しかし、伝統的安全保障時代、すなわち、冷戦期 において、人々は、国益判断という利益追求が人間の普遍 的価値を損なってきた歴史の反省から、シビリアン・コン トロールの尊重と実践を国際社会に根付かせることとなっ た。これは、冷戦の予期せぬ成果ともいえる。なぜなら、 シビリアン・コントロールの思想は、国際社会の公共性を 大きく担い、公開性をその本旨としているからである。 冷戦後になると、主要国の軍事行動の主眼は、地域レベ ルの小規模紛争や、地域限定の社会問題などのリスクをも 対象とするようになった。同時に、大規模戦争の不安が軽 減したことから、紛争の予防、紛争への介入、限定的な軍 事 行 動、 民 主 化 促 進 と い っ た 一 連 の 軍 隊 の 活 動 が 誕 生 し た。さらに、軍隊が社会問題としてのリスクへ対応するこ とは、軍隊のMOOTWであり、人道的軍事介入、強靭な PKOやHADRとなって任務化されている。こうした軍 隊の社会におけるリスクを対象とする活動においては、主 軸がMOOTWへシフトしているのである。 しかし、 軍隊の在り方が、 「権力政治 (パワー・ポリティ ク ス) 」 の 道 具 と し て の 役 割 の 放 棄、 つ ま り、 主 権 国 家 の 国益のためという従来の軍隊の本質からの変容を意味する のではない。実際には、主権国家がその国益に適うとの判 断に従って、政策的に軍隊のMOOTWなどがなされてい るからである * 22 。 また、MOOTWやHADRにおけるCIMICは、通 常あまり意思疎通のない軍隊と民間との協働を必要として おり、軍隊と民間との相互理解がその成否を決定する。そ れゆえ、民間と軍隊との間での情報共有や意思疎通に努力 する必要がある。しかし、こうした民間組織等との相互理 解、情報共有は、CIMICによる活動のために必要な情 報を民間と軍隊が共有することを前提とする。しかし、そ こでの軍隊の保有する情報等の開示は、当面のCIMIC 体 制 に よ る 活 動 か ら 離 れ て、 当 事 者 の 意 図 に 関 係 し な い 「情 報 移 転」 を 起 こ す 可 能 性 が 高 く な り、 安 全 保 障 上 の 脅 威となる。そのため、軍隊と民間との情報共有には、安全 保障上からも機密保持の問題が懸念され、民間と軍隊との 協働活動を難しくするのである。 その一方、安全保障における、冷戦期の伝統的安全保障 から冷戦崩壊後の非伝統的安全保障への変遷は、安全保障 構想とそこで想定される脅威のみならず、軍隊の装備・編 成・運用形態をも変化させた。この変化は、戦力指向の対 象をも変え、戦場を前線と後方の区別のないものとし、民 衆を無差別に巻き込む「ハイテク戦争」を招来した。 他方、このような安全保障観とそれに伴う交戦手段の変 遷は、冷戦期の国益をめぐる権力政治構造の消滅を裏付け るものではないことに留意しなければならない。国際社会 の権力政治構造は、いささかも変わることなく、権力政治 に仕える安全保障と軍事力を要求しているのである。お
わ
り
に
主要国は、軍隊の活動をMOOTWにまで広げ、CIM ICという考え方を普及させるなど、冷戦期のものから変 化させているように見えた。しかし、MOOTWは、軍隊 の 在 り 方 を、 「権 力 政 治 (パ ワ ー・ ポ リ テ ィ ク ス) 」 の 道 具 としての役割の放棄、つまり、主権国家の国益のためという従来の軍隊の本質から変容させるものではなく、そこで は、主権国家がその国益に適うとの判断に従ってなされて いた。一方、CIMICでは、作戦の成否を左右する民間 と軍隊との緊密性と、軍隊の活動に伴う秘匿性との兼ね合 いに問題が生じていた。つまり、権力政治を担う安全保障 の枠組みと軍隊の本質は、冷戦期同様、敵戦力の打倒制圧 であることに変わらないことを示唆しているのである。安 全 保 障 観 の 変 遷 と そ れ に 伴 う 軍 隊 の 使 用 形 態 は 変 化 し た が、権力政治の手段であることに変化はないのである。 安全保障観の変容は、軍隊使用における変化として捉え られることを主張してまとめとしたい。 ◉付記 本 稿 の 内 容 は、 防 衛 省 お よ び 防 衛 研 究 所 の 公 式 的 立 場 を 代 表 す る も の で は な く、 あ く ま で 執 筆 者 個 人 の 見 解 で あ る。 な お、 本 稿 執 筆 の 過 程 で、 防 衛 研 究 所 同 僚 よ り 有 益 な コ メ ン ト を い た だいた。記して感謝したい。 ◉注 *1 米 国 を 中 心 と す る N A T O 加 盟 国 お よ び N A T O パ ー ト ナー国、それに対峙する中・ロ、そして日本を取り上げる。 *2 二 〇 一 四 年 三 月 の「四 年 毎 の 国 防 計 画 の 見 直 し ( Q ua dr enn ial D efe nse R ev iew 20 14 : Q D R )」( U S D ep ar tm ent of Defense 2015 )、 二〇一五年の 「国家安全保障戦略 ( National Security Strategy )」 ( Office of Management and Budget 2015 ) お よ び「二 〇 一 六 会 計 年 度 予 算 要 求( The President s
Budget for Fiscal Year 2016
)」 ( White House 2015 )より。 http://archive.defense.gov/pubs/2014_Quadrennial_ Defense_Review.pdf (二〇一五年九月二七日) 。 https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/docs/2015_ national_security_strategy.pdf (二〇一五年九月二七日) 。 https://www.whitehouse.gov/sites/default/files/omb/ budget/fy2016/assets/budget.pdf (二〇一五年九月二七日) 。 *3 注2に同じ。 *4 ア フ ガ ニ ス タ ン で の 安 定 化 作 戦 は、 米 軍 に と っ て 主 要 な 任 務 で は な い と し、 あ く ま で も「戦 勝 獲 得」 が 主 眼 で あ る と の 姿 勢 を と っ て い る。 こ の よ う に ア メ リ カ は、 軍 隊 の 使 用 は 決 定 的 勝 利 を 追 求 す る 攻 勢 / 防 勢 作 戦 と し( Department of the Army, Civil Affairs Operation 2000 )、これを地球的規模 で 展 開 し、 冷 戦 期 同 様 に 自 国 に 対 す る 脅 威 を 力 で も っ て 取 り 除く姿勢を堅持しているといえよう。 *5 ドイツ連邦軍HPの Sie sind hier: Startseite > Themen > Welt > Das Bild des Stabsoffiziers in der Einsatzarmee (筆 者 訳: ド イ ツ 連 邦 軍 の 兵 士 は こ こ に い る > ト ピ ッ ク > 世 界 >「行 動 す る 軍 隊」 に お け る ド イ ツ 連 邦 軍 将 校 の 写 真) に お い て、 戦 争 以 外 の 軍 事 活 動(M O O T W) に お い て も ド イ ツ 連 邦 軍 を 使 用 し て い る 旨 の 記 述 が あ る。 http://www.if-zeitschrift.de/portal/a/ifz/!ut/p/c4/JYrLCsIwEEX_aKaxCM WdEgU3deFC60bSZqwDeZQwGhA_3gTvgbM5F29YCObNs xG O w T i84j D xZ sw w Zk t3 fn xA nu Q pQ C Y ne K l_S zD F Q FI tF IS L52QkJlhiElfLK6VSgC0OjdI71apV85_6dvuz1uum7Y794YSL 99sfAtxwLw!!/ (二〇一五年八月二七日) 。 こ れ は、 ド イ ツ に よ る コ ソ ボ や ア フ ガ ニ ス タ ン に お け る 「包 括 的 ア プ ロ ー チ」 の 追 求 に 示 さ れ て い る よ う に、 期 待 さ れ た 軍 事 的 貢 献 を 一 定 の 規 模 で 行 い つ つ、 こ の 貢 献 に 関 す る ① 国 際 的 な 不 満 へ の 対 応 と ② 国 内 的 な 不 安 の 払 し ょ く を 目 的 と し て、 非 軍 事 的 関 与(平 和 維 持 活 動) を 積 極 化 さ せ て い る と捉えられる(山下 二〇一〇) 。 http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j13-1_1. pdf (二〇一五年九月二七日) 。 *6 「武 装 力」 に 位 置 付 け ら れ て い な い が、 海 警 局(国 家 海 洋 局) も あ る。 こ れ は 主 に、 海 上 法 執 行 機 関 と し て の 役 割 を 果 た し て い る(防 衛 研 究 所 編 二 〇 一 五: 三、 防 衛 研 究 所 編 二〇一四:Ⅳ) 。 *7 『人民日報』二〇一四年四月一六日。 *8 台 湾 の 国 防 大 学 研 究 者 が こ の 旨 を 指 摘 し て い る(防 衛 研 究所編 二〇一四:八) 。 * 9 これは米軍のMOOTWと同義である。 * 10 こ れ は「軍 事 外 交」 と 称 さ れ る も の で あ り、 一 九 九 八 年 七 月 に 公 表 さ れ た 中 国 の 国 防 白 書 で 初 め て 使 用 さ れ た(中 華 人民共和国国務院新聞弁公室 一九九八) 。 * 11 こ の 計 画 は、 公 表 さ れ て い な い。 メ ド ヴ ェ ー ジ ェ フ 大 統 領 の 発 言(大 統 領 府 H P(二 〇 一 〇 年 一 一 月 三 〇 日) 等 に よ る 。 http://en.kremlin.ru/events/president/news/9637 ( 二 〇一五年九月二七日) * 12 注1に同じ。 * 13 一 例 と し て、 国 連 平 和 維 持 活 動 の 幹 部 要 員 候 補 と な り え る ア ジ ア 太 平 洋 地 域 諸 国 の 軍 人、 警 察 官、 文 民 を 対 象 と し て、 国 連 平 和 維 持 活 動(P K O) 幹 部 要 員 訓 練 コ ー ス( U.S.-Ja pa n G lo ba l P ea ce O pe ra tio ns In itia tiv e Se nio r M iss io n Leaders Course :GPOI SML)が実施されていることを あ げ た い。 こ れ は、 二 〇 〇 九 年 か ら 日 本 外 務 省 に お い て、 日 米 共 催 で 実 施 さ れ て い る 講 義 形 式 の 訓 練 で あ り、 国 連 が 作 成 し 実 施 し て き た カ リ キ ュ ラ ム に 基 づ く、 国 連 の 訓 練 指 針 に 則 る。 参 加 者 は、 将 来 P K O ミ ッ シ ョ ン の 幹 部 候 補 と な り え る ア ジ ア 太 平 洋 地 域 諸 国 の 軍 人、 警 察 官、 文 民 を 対 象 と し、 第 一 回 の 参 加 国 は、 日 本、 オ ー ス ト ラ リ ア、 バ ン グ ラ デ シ ュ、 カ ン ボ ジ ア、 イ ン ド ネ シ ア、 韓 国、 マ レ ー シ ア、 モ ン ゴ ル、 ネ パ ー ル、 ニ ュ ー ジ ー ラ ン ド、 パ キ ス タ ン、 フ ィ リ ピ ン、 タ イ の 全 一 三 カ 国 で あ っ た。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/ gaiko/pko/gpoi_sml.html (二〇一五年九月二七日) 。 * 14 軍 隊 の 有 志 連 合 と い う 使 用 形 態 で は、 そ の 正 当 性 が 問 題 に さ れ る。 そ こ で、 国 連 主 導 の 平 和 維 持 活 動 や 平 和 構 築 活 動 と い う 使 用 形 態 が 改 め て 強 調 さ れ る よ う に な っ た。 確 か に、 「新 し い 脅 威」 で あ る「リ ス ク」 に 対 処 す る 活 動 と し て の 戦 争 以 外 の 軍 事 活 動 や 平 和 維 持 活 動 に お い て は、 そ こ で の 協 力 活 動 は、 武 力 行 使 だ け を 問 題 に す る の で は な く、 十 分 な 能 力 と 資 源 を 持 ち、 多 国 間 の 協 力 が 十 全 た る も の と な り、 か つ、
国 際 社 会 で 最 大 限 の 正 統 性 を 獲 得 し て い る こ と を 求 め る。 こ れ ら の 要 件 を 満 た す の は、 世 界 的 に 見 る と、 そ の 発 足 の 経 緯 か ら 正 当 性 に 欠 け る と 指 摘 さ れ て い る も の の、 国 連 が 妥 当 で あろう(山脇 二〇〇八:一〇九―一一〇) 。 * 15 山 下 が 意 欲 的 な 論 文 を 書 い て い る(山 下 二 〇 〇 五: 六 四、 Yamashita 2008: 619, 622 )。 * 16 西 側 先 進 国 の み な ら ず、 イ ン ド や 中 国 な ど も 恩 恵 を こ う むっている。 * 17 「潜 在 的 可 能 性( Capability )」 は、 ア マ ル テ ィ ア・ セ ン が、 『福 祉 の 経 済 学』 で 提 唱 し て い る。 セ ン は、 人 間 は 誰 し も、 よ い 生 活 や よ い 人 生 を 送 る た め に、 ど の よ う な 状 態 に あ り た い の か、 そ し て ど の よ う な 行 動 を と り た い の か を 結 び つ け る こ と か ら 生 じ る 機 能 の 集 合 で あ る 潜 在 的 可 能 性(潜 在 能 力 と も 訳 さ れ て い る) を 持 っ て い る と い う(セ ン 二 〇 〇 二 [二 〇 〇 〇] : 一 六 七) 。 し た が っ て、 最 新 の 道 具 が 身 近 に 存 在 し て い る と し て も、 そ れ ら を 使 用 す る 環 境 が 整 備 さ れ て い な い 場 合、 人 間 は そ の 潜 在 的 可 能 性 を 発 揮 で き な い と 理 解 で きる。 * 18 民 と の 協 力 は、 一 般 に 軍 隊 の 特 性 と し て あ げ ら れ る と こ ろ の 自 己 完 結 性、 機 動 性、 明 確 な 指 揮 系 統、 迅 速 か つ 大 量 の 動 員 を 阻 害 し か ね な い と し て 危 惧 す る 論 調 が、 軍 隊 側 か ら 上 が っ て い る(上 杉 二 〇 〇 七、 今 村 二 〇 〇 七: 五 七 ― 五 九) 。 そ の 一 方 で、 N G O 側 か ら も 軍 隊 と 協 力 し て 活 動 す る に 際 し て の 問 題 点 が、 ① 人 道 援 助 の 原 則 と の 抵 触、 ② 軍 隊 に よ る 支 援活動の質の低さの二つにまとめてあげられている(上杉 二 〇〇七:一四三頁) 。 * 19 日 本 の 防 衛 省・ 自 衛 隊 は、 防 衛 白 書 に よ れ ば、 平 和 維 持 活 動、 平 和 支 援 活 動 や 平 和 構 築 活 動 を す べ て「国 際 平 和 協 力 活動( International Peace Cooperation Operations )」として 定義づけている(図1参照) 。 * 20 ソ 連 が 消 滅 し た こ と に 伴 い、 西 側 諸 国、 と く に、 ア メ リ カ の 国 民 は、 自 国 の 軍 事 的 安 全 が 当 面 の 間 保 障 さ れ て い る と 考 え る よ う に な っ た。 そ し て、 関 心 が、 こ れ ま で 二 義 的 と さ れ て き た P K O や H A D R と い っ た「非 伝 統 的」 分 野 へ と 移 行していった。詳細は、上野(二〇〇〇)を参照願いたい。 * 21 逼 迫 し た 財 政 状 況 下 で の 効 率 的 な 軍 隊 の 管 理 に つ い て は、 二 〇 一 一 年 二 月 に ラ ス ム セ ン N A T O 事 務 総 長 が、 加 盟 各 国 に 強 要 す る も の で は な い が、 Smart Defense に よ り 効 果 的 な 共 同 作 戦 の 実 行 が 可 能 で あ る 旨 を 言 及 し て い る。 Smart Defence is not about NATO imposing anything on nations. It is ab ou t e na bli ng th em to w or k be tte r m or e eff ec tiv ely and efficiently together. NATO s role is to set the strategic direction, to identify possible areas of cooperation, to act as a clearing house, and to share best practices. http://www. nato.int/cps/en/natolive/news_70327.htm (二 〇 一 一 年 九 月 一一日) 。 ま た、 日 本 の 防 衛 省 防 衛 研 究 所 で は、 二 〇 一 二 年 三 月 に Smart Defense に 関 す る 研 究 会 を 実 施 す る と と も に、 同 年 一 〇 月 二 六 日 に Smart Defense を テ ー マ と す る「効 率 的 な 軍 隊 の 管 理 戦 略」 を 議 論 す る 国 際 シ ン ポ ジ ウ ム を 開 い た。 http:// www.nids.go.jp/ (二〇一二年九月一一日) 。 こ う し た 主 要 国 の 軍 隊 の 動 向 か ら、 限 ら れ た 予 算 の な か で い か に 効 率 的 に 国 家 防 衛 お よ び 非 伝 統 的 脅 威 に 対 す る 活 動 を 両立させるかに尽力していることが理解される。 * 22 た と え ば、 カ ナ ダ は、 こ れ ま で に 設 置 さ れ た、 ほ ぼ す べ て の 国 連 の 平 和 維 持 活 動 に 参 加 し て い る が、 こ う し た 国 は 稀 で あ る。 日 本 を は じ め と す る ほ と ん ど の 国 は、 国 連 が 関 係 国 に 要 請 し、 そ れ に 対 し て 関 係 国 が 同 意 し て 初 め て 国 連 の 平 和 維 持 活 動 へ の 派 遣 が 実 現 す る と い う、 関 係 国 の 選 好 に 任 さ れ て い る の が 現 状 で あ る。 関 係 国 は、 国 連 の 平 和 維 持 活 動 へ の 参 加 が、 自 国 の 国 益 に 適 う か、 あ る い は、 当 該 地 域 の 治 安 が 自 国 の 武 器 使 用 の 基 準 に 適 合 す る か な ど の さ ま ざ ま な 要 件 に 鑑 み、 派 遣 を 決 定 し て い る。 つ ま り、 そ れ ら の 活 動 の 授 権 者 が 国 連 で あ ろ う が、 国 連 以 外 で あ ろ う が、 主 要 国 は、 自 国 の 軍 隊 を 使 用 す る に 際 し、 取 捨 選 択 を し て い る。 い か な る 紛 争 当 事 国 に 対 し て も 軍 隊 を 派 遣 し て い る わ け で は な い。 こ こ に、 各 国 と も、 自 国 の 軍 隊 を 使 用 す る に 際 し、 選 好 を そ の 国 益に従って行っていることがうかがえる。 ◉参考文献 [公刊資料] Department of the Army, Civil Affairs Operation ( 2000 )Field
Manual No. 10-41. Headquarters, US Army.
Office of Management and Budget ( 2015 )National Security Strategy. February 2. US Department of Defense ( 2015 )Quadrennial Defense Review 2014. March 14. W hi te Ho us e ( 201 5 ) T he Pr es ide nt s B ud ge t fo r Fis cal Y ear 2016. February 2. 中華人民共和国国務院新聞弁公室(一九九八) 『中国的国防』 。 防衛研究所編(二〇一二a) 『中国安全保障レポート二〇一一』 。 防衛研究所編(二〇一二b) 『中国安全保障レポート二〇一二』 。 防衛研究所編(二〇一四) 『中国安全保障レポート二〇一三』 。 国際平和協力活動 国際平和協力業務 「国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律」 に基づく活動 国際緊急援助活動 「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」に基づく活動 イラク国家再建に向けた取組への協力 「イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援 活動の実施に関する特別措置法」に基づく活動 (09(平成 21)年 2 月終結) 国際テロ対応のための活動 「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施 に関する特別措置法」に基づく活動 (10(平成 22)年 1 月終結) 凡例: は限時法、 は恒久法に基づく活動を示す。 図1 日本の国際平和協力活動の概念図 (出所)防衛省(2015) http://www.mod.go.jp/j/publication/wp/wp2015/html/n3322000.
防衛研究所編(二〇一五) 『中国安全保障レポート二〇一四』 。 防衛省(二〇一五) 『H二七年日本の防衛』 。 外 務 省 H P: http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pko/gpoi_ sml.html (二〇一五年九月二七日) ド イ ツ 国 防 省 H P: http://www.if-zeitschrift.de/portal/a/ ifz/!ut/p/c4/JYrLCsIwEEX_aKaxCMWdEgU3deFC60bSZg wDeZQwGhA_3gTvgbM5F29YCØbNsxGOwTi84jDxZswwZ kt3fnxAnuQpQCYneKł_SzDFQFItFISL52QkJłhiEłfLK6VSg CØOjdI7łapV85_6dvuzłuum7Y794YSL99sfAtxwLw!!// ( 二 〇一五年九月二七日) 防 衛 研 究 所 H P: http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf (二〇一五年九月二七日) ロ シ ア 大 統 領 府 H P: http://en.kremlin.ru/events/president/ news/9637 (二〇一五年九月二七日) N A T O H P : ht tp :// w w w .na to.in t/c ps /e n/ na toli ve /n ew s_ 7032 7. htm (二〇一一年九月一一日) [大学・研究機関等論文] 今 村 英 二 郎(二 〇 〇 七) 「国 際 平 和 協 力 活 動 に お け る 民 軍 協 力 ― 大 規 模 自 然 災 害 復 興 支 援、 平 和 構 築 支 援 を 中 心 に」 『防 衛 研究所紀要』第九巻第三号、二一―五九頁。 上 杉 勇 司 編(二 〇 〇 七) 『国 際 平 和 活 動 に お け る 民 軍 関 係 の 課 題 I P S H U 研 究 報 告 シ リ ー ズ』 広 島 大 学 平 和 科 学 研 究 セ ン ター、三二―三三頁。 上 野 英 詞(二 〇 〇 〇) 「冷 戦 後 に お け る 米 国 の 通 常 戦 力 計 画 の 見直し」 『防衛研究所紀要』第三巻第二号、一六―四一頁。 高 木 誠 一 郎(二 〇 〇 三) 「中 国 の『新 安 全 保 障 観』 」『防 衛 研 究 所紀要』第五巻第二号、防衛省防衛研究所、七七頁。 山 下 光 ( 二 〇 〇 五 )「 P K O 概 念 の 再 検 討 ― ブ ラ ヒ ミ ・ レ ポ ー ト と そ の 後 」『 防 衛 研 究 所 紀 要 』 第 八 巻 第 一 号 、 三 九 ― 七 九 頁 。 山 下 光(二 〇 一 〇) 「ド イ ツ と 平 和 作 戦」 『防 衛 研 究 所 紀 要』 第 一三巻一号、二五―二八頁。 Yamashita, Hikaru ( 2008 )Impartial Use of Force in United Nations Peacekeeping. International Peacekeeping 15( 5 ) : 615-630. [書籍] ガ ル ト ゥ ン グ、 ヨ ハ ン(一 九 九 一) 高 柳 先 男 他 訳『構 造 的 暴 力 と平和』中央大学出版部。 セ ン・ ア マ ル テ ィ ア(二 〇 〇 二[二 〇 〇 〇] )、 大 石 り ら 訳『貧 困の克服』集英社新書。 山 脇 直 司(二 〇 〇 八) 『グ ロ ー カ ル 公 共 哲 学
―
「活 私 開 公」 のヴィジョンのために』東京大学出版会。 Paret, Peter ( 1976 )Clausewitz and the State: The Man, HisTheories. Oxford: Clarendon Press.
Paret, Peter, Gordon A. Craig and Felix Gilbert ( eds. )( 1986 ) Makers of Modern Strategy: From Machiavelli to the Nuclear
Age. Princeton: Princeton University Press.
◉ 著者紹介 ◉ ①氏名…… 岩田英子 (いわた・えいこ) 。 ②所属・職名…… 防衛研究所政策研究部・研究員。 ③生年・出身地…… 一九六六年、福岡県。 ④専門分野・地域…… 思想、国際政治学、安全保障。 ⑤ 学 歴 …… 同 志 社 大 学 文 学 部( 西 洋 史 専 攻 )、 コ ロ ン ビ ア 大 学 教 育 大 学 院 教 育 学 研 究 科( T E S O L 専 攻 )、 早 稲 田 大 学 社 会 科 学研究科博士後期課程 (社会哲学専攻) 。 ⑥ 職 歴 …… 一 九 九 二 年 四 月 か ら 防 衛 庁 / 防 衛 省 に 在 籍。 二 〇 〇 九 年 四 月 か ら 防 衛 省 の シ ン ク タ ン ク、 防 衛 研 究 所 の 研 究員。 ⑦ 現 地 滞 在 経 験 … … 職 務 上 、短 期 で 海 外 に 滞 在 す る こ と が 多 か っ た 。 ⑧ 研 究 手 法 …… 国 家 と 社 会 と 軍 隊 と の 関 係 性 な ど を 思 想 的 系 譜 に 焦 点 を 当 て て 読 み 解 く 研 究、 そ れ ら を ベ ー ス と し た 安 全 保 障 の 現 状 分 析。 後 者 に つ い て は、 昨 今 は、 女 性 軍 人 の 軍 隊 へ の統合から安全保障の現状分析に取り組んでいる。 ⑨ 所 属 学 会 …… 経 済 社 会 学 会、 日 本 国 際 政 治 学 会、 日 本 政 治 学 会、国際社会学会、グローバル・ガバナンス学会。 ⑩ 研 究 上 の 画 期 …… 介 入 の 正 義 と 軍 事 力 行 使 の 正 当 性 の 問 題 を 突 き つ け た、 旧 ユ ー ゴ 紛 争、 ル ワ ン ダ 紛 争、 ソ マ リ ア 紛 争 な ど の ポ ス ト 冷 戦 期 の 紛 争。 こ の 出 来 事 を 契 機 に、 軍 隊 や 安 全 保 障 の 国 家・ 社 会 に 対 す る 意 味 を 思 想 的 系 譜 か ら 読 み 解 く よ うになった。 ⑪ 推 薦 図 書 …… 山 脇 直 司『 グ ロ ー カ ル 公 共 哲 学