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Y 理論の意義と限界 D. マグレガー理論についての批判的検討: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)

Author(s)

宮平, 進

Citation

沖大論叢 = OKIDAI RONSO, 11(1): 47-74

Issue Date

1971-12-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/11038

(2)

D.

マグレガー理論についての批判的検討

宮 平 進 目 次

1

問題の所在 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…・・・・・... .. . . .... . . .. .

47

2 Y理論生成の経営史的過程とその背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 49 3 経営組織における人間観の変革・一... .. .. .. ... . .. .. .. ... . .. ...・・・・・・・ー 52 (1) 非合理主義への志向 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ー・・・ 52 (2) 依存的人聞の仮説・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 53 4 コγテイシゼンシ一理論が提起するアγチ.テーゼ ・・・・・・・・・・ 55 (1) コンテ YゼYシー理論の剖革 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 (2)研究のデザイ γ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 58 (3) 調査の主要な結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 (4) 達成動機 ・・・・・・・・・・・・・・・・……・・・・・・・・・・・・…・・・・・・・・・ 63 5 コγティ γゼγシ一理論とマグレガ一理論との関係・・・・・・・・・・・・ 64 6 Y理論の限界 ... .. ... . .. .. .. .. .. .. .. .. .. ...・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68 7 結

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 73

1

問 題 の 所 在

現代は、目まぐるしい変化にさらされている時代であるo 社会環境の急激な変化は、伝統的な企業観、人間観について、全く新しい視点から

-47

(3)

の発想の転換を余儀なくしていると同時に、新しい機会を提供しているといえる。 現代企業は、この提供された新しい機会を敵速に把揮し、その存続発展を図らなけ ればならないだろう。 すなわち、現代の企業行動は、外生的な環境変化にただ単に受動的に適応を試みる だけでなく、この変化を自ら積極的に受け入れるように環境に働きかけることによ って、革新、創造を志向するものでなければならないであろう。 「企業の成果は、問題も解決することによってではなく、機会を開発することに (注1) よって得られる」とドラッカ も述べている。要するに、革新的企業とは、環境変 化に動態的に対応して成長する企業のことであり、これが、いわゆるイγターナル ダイナミツタ。アプローチであると解する。 それでは、インターナル・ダイナミック、アプローチの具体的内容は何か、学習院 住2) 大学の河野豊弘教授は、次のように指適するo (イ) 対外的戦略を常に変化させる。このために新製品開発や新市場を開拓す る。 (ロ) 組織や体質の変化を行なう。 これは前記の対外的戦略を実行する手段で、組織の革新は、組織構造と意思 決定過程を変えてゆく。 (ハ〉 活動の変化・新製品の開発、新市場の開拓に併なって、それを実行する ために、生産販売の活動は当然変化する。 しかし、このような変化した活動を能率的に、生産性高く遂行していく。 (ニ〉 このような変革の結果として、企業が成長する。 河野教授は、革新的企業の基礎的概念を明確にしているが、このことは、マネジ メントに対するシステマテツク・アプローチを意味することは明らかである。 この小論においては、特に、ダグラス、マグレガ一教授 (DOl苓las McGregar. 1906-1964)の提唱する X理論 .Y理論について、批判的検討を試みるも のとして、河野教授の指適した対外的戦略を遂行するための手段としての「組織や 体質の変化」の問題に論点を限定したい。

(4)

-48-す7首っち、経営組織に却する世事句組織

l

に対応する「人間の組織」との統合の問題 およびそれと密接に関連し、しかもその基本的前提条件となる人間観の変化につい (注3) て言及した上で、モーズ.ローシェ両教授の提唱するコンテγゼンシ一理論を引用し つつ、マグレガ一理論特にY理論の意義と限界を究明したい。

く注>

1 P. F. Druoker :" Ma且aging for Resul七日 月

「創造する経営者」野田一夫.村上恒夫訳 P 1 5

2 河 野 豊 弘 :

I

革新的な企業の組織と停滞的な企業の組織」 組織科学. Vol , 2 /伝2 1 9 6 8

3 TobnJ.Mσrse and Jay W. Lorsch :

Mr. Mors自 is Assisもanも Professor of Behav.ioral Science

aも もhe G raduate S ohl口01 of BUS1Il丹ss Administra"もlon

of も

a

Univ~rsiもY of California aも Los Angels

Mr. Lorsch is Associaもe P rofessor of 0 :rganizr;t七ional Behavior aも もhe Harvard Business S chool

2 Y

理論生成の経営史的過程とその背景

マグレガーのY理論が、学界や実務界において、一部受容され、承認されるまで には、経営史的にみて、幾多の変せん過程をえており、伝統的経営管理論における 企業観、人間観の変化の歴史自体が、経営学発展の歴史であると言っても過言では ないであろう。 つまり、企業観、人間観の変化を探索することは、経営学発展の段階ないし時代を 探索することを意、味するo そのことについて、長い引用ではあるが、山本安次郎教授の説を参考に、史的概 注l 観を試みてみたい。 すなをも、長い経営学前史を除いて、第 1 期(l 880~1930) 一 経営学生成の時代(ドイツ経皆経済学、アメリカ経営管理学〉 第 2 期 (1930~1950) ・・・・経営学発展の時代 〈人間関係.組織理論からの批判を媒介に〉

-49

(5)

第 3期 (1950-現在〉・・・・・・本格的な経営学の確立の時代 (行動科学を媒介として〉 まず、第

1

期の経営学生成の時代においては、周知のように、

F.W

、テイラー の科学的管理法や、フエヨールの管理論など、いわゆる伝統的な管理論でみられる 経営行動、人間観は、今日のそれと決定的な相異がある。 テイラー.システムをはじめとした管理論においては、テイラー以前の成行管理 に対する反動として、企業は企業家や経営者の意図のまLに、合理的、論理的にデ ザイ γされ、利潤極大化を唯一の目的に、人や物をいかに組織化し、いかに管理す るかということに最大の関心と注意を払ったのであった。 したがって、労曲者は、賃金等の経済的誘因に敏感に反応する、すなわち一定の 動機さえ満たされれば命令どおりに動く「経済人

J

とみなし、労働条件を醍和すれ ば、能率は上がるし、酷使されると疲労のため能率が低下するという「生理学的人 間

J

r

物理的人間」としてみられたのである。 この意味において、科学的管理法が人間不在のまた人間性疎外のいわば 住2

O

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l

e

の管理法としてきびしい批判jを受ける結果になっ たのである。 注3

K.E.

ポールデイング

(K.E. B

o

u

l

d

i

昭〉は、このような人間不在の管理論を 「真空論」と呼び、人聞は物的設備と同様、せいぜい 「集合」または「総計」 (昭

g

r

e

g

a

t

i

o

n

)

としかみられないと述べている。 また、テイラーの科学的管理法をはじめとした伝統的な管理法は、命令や権威に 従順な人聞を前提とした組織理論に立っているため、アンチ.ユニオニズムだと批 判され、経営環境や労使関係を金〈捨象してしまったのである。 第 2期は、このような人間不在の伝統的管理法に対して、 1930年代に入って メーヨーや

ν

P

スバーガ一等のハーバード.グループの人間関係によるきびしい 批判が契機となって、新しい経営管理論への脱皮への時代となった。 メーヨーをはじめとするハーバード.グループの人間関係論は、経営における人 間問題の置要性を実証し、そして、イYフオ.マル組織の存在の発見を通じて、人

50-一

(6)

聞の非合理性の論理である「心情の論理」注4 (ぬe logic of sentiments) を提唱にたoさらに重要と思われることは、従来の管理論に捨象された「モラーJvJ の意義を強調したことは、第3期における バーナード.サイモγ、アーヂリス. マグレガー.ペニス.等の提唱する行動科学的管理論の発展に計り知れない影響を 与えたのである。 注 5 人間関係論の台頭はテイラ一的人間観からフエヨール的人間観さうに新しい現代 的人間観の変化を意味するものである。 このことは、とりもなおさず、人聞の再認織や新発見となり、メーヨーをして、 注 6 「人問、この未知なるもの」と言わさせたのである。 しかしながら、科学的管理法 の批判と反省から生成した人間関係論は、実践の 場において従業員の心情の理解に努力した余り、

f

温情主義」や「事なかれ主義」 を結果した事項も否定で、きない。

7 山本教授も次のように述べている。 「人間関係論の功I績は、組織の動態の重視、その動的要素としての組織における 「人聞の発見」あるいは「人間関係の発見」である。その人間組織を高調しすぎて (P eople wi thout organization)と批判されるに至るところに行き過ぎがみられ る、その意味で、第2期は、つぎの本格的な現代的組織理論への過度期といわねば ならない。」 人間関係論からもこの現代的組織理論の発展までは、 「真空状態jが続いたと述べ てたのは、ドラッカーである。 第3期は、行動科学を基礎とする本格的な現代経営管理論ないし、組織理論が、 バーナード.サイモγ理論を中核として発展した時代である。 言うまでもなく、バーナード理論を始点とする現代管理論ないし組織論の本質的特 徴は、組織における作業でなく、人間行動と意思決定Ia'その寵識対象とすることで

ある。

-51

(7)

すなわち、人間観の変化に対する認識の深化を意味するものと解する。 経営が「他人を通じて目標を達成すること」であるならば、上司の部下に対する人 間観によって管壇。理念も技法も自ら異なってくる。経営学が「人間学」であると 言われるのもここに理由があるのではないか。

<注>

I

山本安次郎 「組織変革の組織理論について(1 )

J

組織の理論と政策の歴史, P 8 組織科学、 Vol 2 /仮2,1968 2 前 掲 書 P 1 0

3 K. E. Boulding

The Presenも Posi七on of 七he Theory of 七回

F

i

nn " Linear PrograI皿阻g a且d 七he T heory of 七he Firm P. 1 1 9 60 4 寵 利 重 隆 「労務管理の経営学

J

P 2 5 5 山本安次郎 現代経営学金銅2}

r

経営学説」 P.l,.3 8 6 前 掲 書

P

.

1 4 0 7 山本安次郎 「組織変革の組織理論について(1 )

J

組織の理論と政策の歴史P.IO-Il

3

経営組織における人間観の変革

人間関係論において提唱された人間観は、 「人聞とは何ぞや」あるいは、

I

入閣の 基本的欲求とは何か」という最も本質的な命題を解明する先導的役割を果したとい うバラドキミカルな意味においてその功績は忘れてはならないであろう。 まず、人間関係論に対して、占部都美教授の挙げられるこつの批判を取り上げて 注I 若干検討を試みたb。、 (1 ) 非合理主義への志向

(8)

人間関係論においては、組織の内的側面であるインフォーマル組織を重視する。 インフォーマル組織における人間行動は、「コストと能率の論理jにかわって、非合理 的側面である「心情の論理」によって支配されているからであるという。 したがって、 「コストと能率の論理」は、合理的、目的的なフオマルな組織や技術 的な組織においては、利潤極大化を志向する経営者の論理であり、インフォーマル な組織、すなわち労働者の人間関係には、非合理的な「心情の論理」が支配してい る、したがって、経営者は、労働者の感情を理解しない場合は、両者の論理は、矛 盾対立が生じ、労使関係の悪化をまねく危険性があることを主張する。 このような組織における人間行動の非合理性を強調する見解は、理論構成上、-多 くの盲点があることは、バーナード.サイモン理論が指適しているところである。 まず、インフォーマル組織の重視については、アーヂリス (Chris Argyris) の所説にもみられるように、組織構成員は、かならずしもインフォーマル組織に影 響を受け、規定されて企業活動を行なうものではなく、自己の目標達成に欲求不満 を生じた構成員が、イ γ フォーマJレ組織を形成して生産制限を行なうものとされて

2 いる。これが、ヴアイテル (Vitel ) の呼ぶ「集団の凝集性

J

(group C ohes i venes!!)であろう。 また、経営者の調理と従業員の論理を唆別した理論については、かならずしも異 論をとなえるものではないが、しかし、従業員の行動のすべてが「心情の論理」の みによって支配されるということには疑問!を抱トざるを得ない。従業員もまた、合 理的な意思決定の能力と問題解決への行動力を有する人間であるとみるバーナード やサイモン一等の見解と対立するものである。 (2)

r

依存的な人間

J

の仮説 初期の人間関係論は、イ γフオマル組織における従業員は、グループ.ノルム 注3 〈集団規範〉とよばれる集団の行動基準にしたがって行動するとするいわゆる「依 存酌人間」モデルを設定する。 そして人間関係論においては、インフォーマル組織を介して、集団へ従属したい、 -53一

(9)

安定したいという基本的欲求をもっていることを提唱する。 アージリスによれば、人聞は、 2つの基本的欲求をもっていると言う。第ーは、 依存柄、従属的欲求であり、第二は、自立的、個人的欲求である。そして他人や集 団に依存を求める欲求は、精神的に成熟した成人の欲求ではなく、子供や幼児にみ られる欲求のパタ-';/であると主張する。 さらに、ノールズ (H. Knowles )とサックスパーグ (B. S axberg ) も、 2つ

4 の人間観を挙げている。 すなわち、悲観的な見方と楽観的な見方である。典型的な悲観的な見方の一つは、 経営における人間行動の側面から、人聞は元来、非協働的で、権威と統制jに従順で あるとみる科学的管理法などが挙げられる。 他方、楽観的な見方は、創造的意欲と、主体的な意思決定を有するものが人間で あと主張する立場をとるのである。 大別してアージリスやサイモン特にマグレガーなどがこの見解に属する。 しかも、今日の企業論において、性善説とも思われる楽観的な見解が、支配的であ ることは、明らかであろう。 この単純明快な人間観についての類型論こそは、小論のテーマであるマグレガー の

X.Y

理論と密接に関連するものである。 すなわち、

X

理論は、前者の悲観的な見方にもとづく人間モデルを主張し、

Y

理論 は、楽観的な見方にもとづく人間モデルを提唱する。 ところで、経営における人間問題は、このように二者択一的な二分法方式で、解 決が可能か、いささか疑問が残るのである。 次章以下においては、 X理論に対するアンチ.テーゼとしてのY理論に対応する コγテソゼγシ一理論を引用

L

つつ、批判的検討を試みたいロ

く注>

I

占 部 都 美 2 占 部 都 美 「経営管理論

J

P 1 3 9 「現代企業の人間関係

J

P 5 2

(10)

3 前 縄 書 P53

4 H. Knowles a.'1d B. S axb申rg

. .

Human Relations a且d the Na.七ure of Man凶

Harvard Business Review

March 噌 Apri1

1 9 6 7

4

コンテインゼンシ一理論が提起する

アンチ.テーゼ

ダグラス.マグレガーの Y理論に象徴される経営参加の概念は、組織効率改善の 上で重要な洞察力に富んだ概念として、多くの学者や実務家が認めるところである。 しかし、他面、一部の論者の聞には、 Y理論はただ単に正しいアプローチ (Only , 注l

correc ~ appro acn ) にすぎないと批判し、

r

Y理論を超越して

J

(Beyond

住2 Theory Y)新しい次元での組織改革を考察しなければならないと主張する。 もっとも生産的な組織は、いかなる情況においても職能が人聞のニーズに合致する ような組織でなければならない。さらに重要なことは職能、組織、人聞の適切なる 統合は、個人に強い「達成動機

J

(

C

ompetence Motivation) を与えることが 出来る。そして、この場合、組織の形態には、直接的な関係はない。このような論 理展開,によってY理論に排戦を試みるグループがカりフオルエア大学のそーズ助 教授と、ハーバード大学のローシユ準教授である。 周知のように、

X

理論における仮説は、普通の人聞は元来住事が緩いで、強制さ れたり、統制されたり、しなければ、企業目標を達成するために十分な力を発律し ない。さらに人聞はこのような性質や行動のために、あまり野心をもたず、資任を 回避するものであるという。 一方、 Y理論は、仕事に対して本性的に興味を抱き、目標の達成のために、比較 的高度の創造力を発揮し、自己実現を志向することを強調する。要するに、

r

x

理 論による組織作りの中心原則は、権限行使による命令、統制である。いわゆる踏層

(11)

-55-原則である

J

注 4 の に 対 し て 、 Y理論においては、企業目的達成のために、組 織構成員の各自の目標を最高に遂行できる条件をつくることを意味するところから、 注 5 「統合の原則」が提唱されるのである。 マグレガlーの結論は、もちろん後者のY理論によるアプローチが、経営管理者がと るべきより望ましいものであると主張するのであるが、しかし、マグレガーのこの ような主張は経営管理者をして、両極に位置する二つのアプローチを選択する上で 少なからぬ混乱を生じしめていることも否定できなL。、 X理論に基づく伝統的アプローチは、ある特定の情況では効率的でも、他の情 況では、かならずしも有効とは云えなU、。このことはマグレガー自身も指適して いることであるが、同時にY理論によるアプローチも全く同じことがL、える。 この小論においては、何故そのような混乱が生じるのか、そして、経営管理者はこ のような混乱をどのように解決することができるのかについて解明を試みたい。 最近の経営及び組織に関する研究によると、最善のアプローチは有在せず、最善 住6 のアプローチは、果すべき職務の性質に依存することが明らかになョている。 (The best approach depends on the nature of the work to be doneo) たと吋工、伝統的な組織にみられるように、就業規則や職務規定などが確定された企 業では、

X

理論の適用がむ

L

ろ望ましい時もあるし反対に、広範な問題解決が要求 されるような企画調査部門などのスタッフ機能を有する分野においては、組織構成 員の自主的意欲や意思決定能力に期待するY理論によるアプローチがより効率的で ある場合もあるoここに遂行すべき験務に合致するような組織造りが重要になって くるのである。 先述のモーズ及びローシユは、これに関連して、職務の性質と組織と合致させる

7 だけでは健全な組織化とは云えないとして、次のこつの重要な問題を提起している。 すなわち、 1 いかにすれば、形式化され、統制された組織が、組織構成員を動機づけ ることができるか。 2 同じく重要なことは、形式化されていない組織は、常に、組織構成員に

(12)

高いモーチベイシヨンを提供することができるか。 このような問題に対する解答のーっとしてそーズは、職務と組織と人聞の統合を (the fit bet珊 en task

organization and . people )注 8 注9 提唱すコンテイソゼンシ一理論 (Conting叩 cy Theory) を挙げている。さらに Y理論を超越した「コンテインゼンシ一理論

J

の仮説は、遂行すべき職務の性質や 人聞の特定のニ ズに即応することを強調するものであり、マグレガー自身も、 Y 理論の仮説は、近い将来、新しい知識に代替されるであろうことを認めているので

10 ある。 (1) コンティンゼンシー理論の治革 モ ー ズ 及 び ロ ー ン ユ ' は 四1社を研究対象に選んで、いる。すなわち、高速化、 自動化された生産方式を採用した、コンテイナ 製造業の二社を対象とし、他の二 社は、比較的に不確定要素を含んだコミュニケ シヨン技術の研究、開発を事業目 的とした会社を選んだ。 前者の二社は、相対的に同業種でありながら、生産性に相異があり、後者二社に も全く同様の傾向が発見できたのである。すなわち次の表(1)に示す通りである口 図 表 1 Beyond Theory Y

Exhihit 1. Study design irr fit "of organizational characteristies

C haracteristics C manufacturing task) ompany I (tredictable R&Dtask) Companyn (unpredictabl Effective perforrrer Akron con taines & p lant S tockton research lab Less effective perfonrrer Hartford coutainers plant C armel research lab

(注〉結果予側の可能なアグロン.コンテイナ一社が高い生産性を推持している -57ー

(13)

にもかかわらず、同業者のハートフォードコンティー社は生産性は低u、、 同様のことが、ストツグトン研究所とカーメル研究所にも云える。 モーズ、ローシュの研究目的は、組織と職務の統合がどのように高い生産性に結 びついているかを明らかにすることであった。換言すれば、組織の特性と職務上の 義務が、ほんとに合致すれば、各個人の動機づけを増やすことができるか、という ことむその結果、組織生産性は向上するかということである。 ロ バ -1-. W.ホワイトは「組織の構成員として直面する彼の職務も含めて、彼を 注 11 とりまく環境を克服したいとする強い欲求を個人は持っている。」 と述べている。 注 12 環境を成功裡に克服することからくる満足感を「達成感

J

(sense of competence ) と呼んでいる。この達成感が、組織と職務の統合において、いかに個人のモーチペ ィヤヨンを促進するかを理解まる上で、重要なカギになるのである。 (2)研究のデザイン 前述したように研究対象となっている四社においては、それぞれの経営者自身に よって、すでにそれなりの会社の生産性の相違が指適されているのであるが、この ような相違が、実は職務と組織の統合がどの程度なされているかについて理解する 上で、予備的な手がかりになることをモーズは期待している。そこで彼は、どのよ うな組織の特徴が、特定の職務にとって有効な組織であるかを解明することから始 めたのである。 (注13) まず、組織特性を次のようなこつのカテゴリーに分瀕した。 {イ)公式の特性 ~om凶1 characteristics) 規定された職務と実際の執行と が一致しているかどうかを判断する手段として用いられる。 (ロ)組織風土の特性 (climate Characteristics) 所属する組織に対しての個人の主観的理解を測るファクターとして用いられる。 この二つの特性。贋因をふまえて、約 40人の経営者にインターピユーを行ない、 組織と特定の職務の妥当性、さらに、従業員の達成感を解明することにより、組織 の有効性を明らかにしようと試みている。

(14)

-58-(3) 調 査 の 主 な 結 果

(

1

)

公式な特性 l荷揚の表(1)に示すように、アグロン社とストツクトγ社 、 は ハ ー ト フ ォ ー ド 社 とカーメル社と比較して験務と組織がより合致していることが明らかになっている。 就業規則や職務規定などが明確になされている A社の経営者は、次のように述ベ ている。 「我々はトイレツト用の洗済の使い方から工場から廃棄物を運びだす方法まで、 すべて規則があります。」注 14 ストックトン社の場合は、非常に対照的で、正式な規則など、出来るだけ最少 限にとどめ、研究員が自由な啄囲気で仕事の出来るようになっている。そこに働 く一人の科学者に、規則はもっときびしくすべきかどうかを聞いたところ次のよ うな返事がかえってきた。 「一日中、ネジ巻作業をしていたら、も。と規則や職務の明確化等が必要かも免 れないが、我々の場合は、新参者でもないし、きびしい監督を受ける立場ではあり ません。我々はプロですからね。ここの人達は皆一生懸命働いていますよ、りラッ クスした状態でね。規則をルーズにすると、どうして生産性が落ちるかわかりませ んね。」注 15 このような公式の組織特性における相違は 2つの組織における職務における相異 であることがわかった。 モーズとローシエは、次のような結論を下している。注 16 (a) アタロシ社の高度に形式化された就業規則は、結果予測の可能な職務 に適していること。 作業中の行動は、自動高速の生産設備のため、きびしく規制され、統制 される必要があること。 一方、ストッタトン社の場合は、研究、開発活動という性格からして予かじめ、 職務を明確にし、規定通りに仕事を進めることは、不可能である。コミユエケーシ ヨン技術のような結果予測が困難で、急速な変化を併なう分野では、一つの仕事を -59ー

(15)

成就するためには、多くのアプローチがあるのである。 したがって、このような変化に富んだ情況に、自由に即応できるような慣行が望 ましいのである。 (b) アタロン社の作業慣行としては、製造業であるため、たえず短期的な ものであるのが望まし い。 たとえば、生産報告書や会臨などが日項から行なわれ、生産活動に要する 時聞はわずか、 2 .3時間であるう。 ところでアタロY社の場合と対照的に、ストックトY社の場合は、仕事の慣行は、 長期的であり、科学的な職務であるため、レポートの提出や会議は、年に4困しか ない。元来、研究開発の仕事は、 3年から 5年にもわたる長期間の仕事であるから である。 なお低生産性の職場である、ハートフォード社とカーメル研究所の場合は、公式 な組織の特性が、各々の職務に合致してない。 たと剖ま、,、ートフォード社の場合は、アタロγ社よりも、職務慣行が、大変ゆる やかで、統制もそれほどきびしくない。他方、カーメル研究所の場合は、ストツタ トシ研究所よりも規則や慣行がより厳格である。

Exhibit11.Differenc:es釦formalcharacteristiωin high-per!orming organizations

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E

e館 副 副 曲 AkroD ;locktOD 1. Pattem of formal回lationships Highlys甘uc回 目d, Low degree of stru田 町 民 岨ddu世 田assig国.6edby org.niz.tion. precisely de.6ned l匝swelldefined char阻andjob皿.nuals 2..P剖 睦moffor田alrul叫 Perv踊ive,speci.6c, Mini皿.1,10由 民 procedures, con官。1,相d uniform, comprehensive nexible 皿easure血 回 目yste皿g 3. Timedi皿ensionsincorporated in ShorHerm Long.ter皿 formalp阻ctic回 4.Goaldimensi。 田 血 曲 中 。 目tedin Manufacturing 5cientific formalp目ctices

(16)

(ロ)組織風土の特性 (a) 管理機構の側面 規則づくめのアタロシ、ョγテイナ一社のある管理者の言葉は、非常に示唆的で 印象的である。 「従業員が持場を離れることは許されません。そうすると、その度にコストがかさ みます。それで、各従業員は、仕事や休憩時問、すみやかな交代方法なども充分に

17 知っています。一日の就労についてのスケジュールは、明確に設定されています。 それと対照的なのが、ストックトY研究所の場合で、規則や統制が必要最少限に 限定されているため、それがかえって、R&Dのような不確定的な、変化のはげしい 研究調査には、研究所員各自の創造力を養うことに役立っていると云えるo カーメル研究所はR&!)に従事しているにもかかわらず、規則がきびしいため、 研究所員の創造性をころしているものといえるだろう。 (b)上司と部下との関係 アタロγ社の工員の場合は、生産過程においての意思決定が、オートメイシヨシ 方式を採用しているため、比較的に重視されない。したがって、職工長や管浬者な どの上司の意思決定が大きな比重を占めることになるo

18 そのため、意思決定の彰響や流れが、階層的になり、トップ中心になる傾向があ る。上司と比絞して、車義務の選択の自由は、制限される結果になる。 一方、ストッタトン研究所の場合は、その意味の自由は大幅に認められ、したが 注19 9て所内の監督のタイプは、むしろ、参加的になるo監督のタイプの遣いから研究 所員の自由裁量な独創性が制約されているのが、カーメル碗究所であるう。 (c) 同僚との関係 アタロシ社の従業員には、前職や、履歴などの人間的バッタグヲγドにかなりに 共通する点が多い関係で彼等の聞にお互いに努力し合ョて、生産性を高めようとす る空気がある。高度に合理化され、統制されたオートメイショγ方式のもとでの管 -61

(17)

理万法は、非常に有効であることは、容易に理解できる。 一方、ストッタトン研究所の場合はどうであろうか。 研究所員の育った環境や教育などのバックグランドtl,パライティに富んだもの であり、相互間の読整の努力の程度も相対的に高いものではない。にもかかわらず、 これらの要因は、訓練や熟練が要求されるリサーチ.ワークには、絶対必要なもの であろう。 (d) 管理のタイプ 最後にアクロγ社の場合も、スト''lクトン研究所の場合も、組織構成員の経営者 に対する批判は、いずれも人聞や、その人間関係よりも、職務あるいは、目標達成 に重点をおいているということである。 アクロン社においては、験務があまりにも自動化されているため、経営者はかえ って職務自体への関心を払うことがなかった嫌いがあった。いな払う必要がなかっ たかも知れない。しかし、もしそのようなことがあれば、作業効率は低下していた ことが想像できる。 ストッタト Y研究所では、前述したように職務の内容が、個人の主体的なタリエ ィテイピティに依存しているため、このような管理のタイプは、かえって、各研究 の績の連けいが不十分になり、調整が困難になってしまう可能性があるのである。 ここに経営管患者の合理的、全体的観点からの管理のパターンが要求されてくるζ このような組織底止の特性に関する各組織の相違は、図表(皿)に示される通り である。

(18)

Exhibit llI. Differencesin“climate" characteristicsin high-performing organizations Ch.ractcrisd回 1.Structural orientation 2. Distribution 01 insuence J.S:;haracter 01 superior. suborclina胞 問lations 4.Cha回 目er01coll~ague relations 5. Time orientation 6. Goalori阻 阻tiOD 7. Topexe回 目ive's "managerial style" Alc.ron 5阻CklOD Perceptions 01 tightly回 目rolledbehavior Perceptions 01 a low degree 01 structure and a high degree 01 struc回 目 Perceptions of low刷alinflu問 問 P ercep出 問 。Ihigh加 阻1inD.uence, more concentrated at upp町levelsin the evenly spread out among a11leveJs organi%atlOD Low Ireedom vis-a.vis superio路 加cho田e High Ireedom vis.a・市superi。 四 回choo碑 and handle jobs, di問ctivetype and handle projec,匝participa回ry 01 supervision type 01阻pervlslOn Perceptions 01 m四,ysimilariti田a皿ong Perceptions 01 m血,y"diffe問ncesamong coll回gues,high degree 01 coordination collea炉問,relatively low deg陪eol

1colleague effort coordination 01回Ue勾ueeffor.t Short.ter皿 L ong-term M岨ufac阻ring Sci阻tific Mo時concemedwi也task白 血P回ple Mo陪concemedwi也 凶k血 姐people

(

4

)

達成動機 (C1Il酔tence rmtivation) アタロY社とストッタトY研究所の組織風土の特性には、大きな相違があるが、 注

20

しかし、二つの組織には二つの非常に共通する要素があるo 第1に、各組織は、職務の必要条件を満していることと、第 2に、組織内におけ る行動には相異はみられるが、結果的には、効率的な職務の遂行に成功していると とである。 モーズとローシユの研究は当初から、個人の・モーチベイショγと関連して、組織 と職務の適合を1I'Yタすることであった。 そのため、個人の達成動棋を測定するための方法として、二種類のテストを用意 している。 第Iの方法は、被調査者に、六枚の不明瞭な絵を見せて、夕日zィテイプな、相 像的な物語を書いて貰うことであ9た。 第2の方法はプロジzタトテストと呼んでいるもので自分。職務の『未来』

(19)

-63-( tomorrowt 注 21 についてのとるべき行為、考え方、感じ方など、夕日且イ ティプに物語にまとめてみるようにお顧いすることである。 これらのテストの目的は、被調査者が書いた物語のなかに、彼の心的態度や、考 えていること、感じていること、必要、欲求などを、投影させることである。 調査の結果は、前述のハートフォード社やカーメル研究所に比較して、アタロン 社やストツタトγ研究所の人々が、はるかに達成感を持っていることがわかった。 さらに、組織と職務が同時的に個人のモーチベイショγと、組織効率の向上に、 相互依存的に連結2されていることがわかった。(第四表参照〉 このような結論から、モーズとローシユは次のような因果関係についての問題点 注2 を提起していゐ。 すなわち、第1に、組織効率の向上は、職務と組織の統合に由来するか、あるい は、より高いモーチベイシヨシからか、あるいは両方からなのかということである。 第2の問題は、より高い達成動機は、組織効率の向上の結果なのか、それとも、 職務と組織の統合に由来すゐのかということである。 これらの問題について、モーズとローシユは、単一の因果関係は、存在しないが これらの要因は、相互に密接な関係が存在するζとを否定しないのであるo さらに この傾向は、経営理論と実際にとって重要な意味をもっていると強調する。 (5) コンテイ Yゼンシー理論とマグレガ一理論との関係 そこで、マグレガーの

X

理論、

Y

理論を検討すると、また新らたな問題があるこ とがわかるo Y理論については、二つの研究所の事例である程度理解できたとしても、他の二 つの工場の場合は、

X

理論でも、

Y

理論でも、理解できない要因があるのではなか ろうか。 た以民ρ アタロン社の場合は非~主的と思われる程に、従業員の意思快定への参

B

同2ほとんど認められず、組織は定式化されたものであるにもかかわらず、従業員

(20)

-64-のそーチベイシヨンは、高〈維持されているのである。 X理論によると、人聞は強制されなければ働かないものであるといい、またY理 論では、従業員は、意思扶定に参加させることによって、自主的な創造力を発揮し 協働の意欲を持ち得るものだと主張する。しかし、アクロ γ社においては、このい ずれの見解も適用できないものである。 逆に、ハートフォード社の場合はどうだろうか、アグロン社に比絞して、従業員 に意思決定への参加を与えているにもかかわらず、貢献意欲は低い。 Y理論では、 もっとモーチベイトされていなければならないはずである。 ここに、四つ¢組織に起った事例を満足させる仮説が必要となってくる。 モーズと世ーシエは、これをコンテインゼンシー理論(条件即応理論)と呼ぶ。 注23 すなわち、両者のあげる新しい仮説とは、次の四つである。 (a) 人聞は職場において種々の異なった=ーズや動機をも9ているoしかし、 一つの中心的なニーズは、達成感である。 (sen~e ofco~ tence ) (b) 人間誰しも持っているものが、達成動機であるが、この動機は、異なっ た人々によって異った方法で達成される。そして、このニーズは、個人の他 のニーズ、たとえば、権力、独立心、機構、達成感、交友関係などにどのよう に相互に影響するかに依存するのである。 (c) 達成動機は職務と組織が統合されたときに達成される。 (d)達成感は、目標が達成されても、動機づけの機能を推持

f

するものである。 すなわち、一つの目標が達成されても、またより高次元の新しい目標が設定 されるからである。 以上のような問題提起からそーズ.ローシ且は、さらに次のことが明らかにされ ることが肝要であると云う。注

24

第ーに心理学においては、すべての人々は異った=ーズや欲求を持9ていることー は通説になっていゐ。 E u a u

(21)

しかし、ほとんどの場合、経営管理者は、部下は皆共通の欲求と必要を持ってい るとしか思っていない。

重要なことは、すべての人聞がで同じ必要や欲求を持っていると考えるよりは、 むしろ共通と思われるような方法で達成欲求を持っていると言いなおした万がよb。、

(All people have a need to feelc~etent , in this one way they are 注 25 similar ) しかし各人はバーソナロテイは異なるわけで、その相異が、特定の人にどのよう な達成意欲をもたせるかを決定すると云う。 アクロン社の従業員は、ストックトン研究所の人々に比べて、不確定な要素、権 限同僚との関係などに対しての態度は、非常に異なることがわかるo 彼等は異なった欲求のバターンを持ち、また異なった活動を行なっているにもか かわらず、非常に高いモーチベイシヨンを維持しているわけである。 モーズとローシエは、コンテインゼンシー理論の意味する重要な結論として次の 注 26 二つを挙げている。 (1) 組織と職務の統合を探索するのみならず、職務と人問、人間と組織の統合 を探索しなければならない (2)欲求の真の満足は、一つの目標が達成されても、モラールが低下しない万 法によって所定の仕事が成功したときに得られる。仕事の達成感は、給料や その他経済的報酬よりも、より大きなモーチベイシヨンの要因になる。 図 表

W

E油ibit lv

.

B

a

sic contingent relationships

B

e

yond 'Theory Y

(22)

-66-以上、モーズとローシエは、人間と組織と職務の統合を強調するのであるが、こ の三者の相関々係は、非常に複雑である。 一体どのような組織が最上の組織であるのか、社会的意識の価値感の多様化ゃ、 技術革新のテンポが、早い今日、従業員により多くの自治権を与えることによって 経営の民主化を志向するY理論が、妥当な場合もあるし、また、他方、 X理論な従 がって、統制と権限による管理が望ましい場合もある。 確かに、組織への伝統的なアプローチの基本的な欠陥は、この痘雑さを生む、職 務と人聞の多様性を認識しなかったことであろう。したがって、 X理論でも、 Y理 論でもいずれにも属

i

さない、コンテインゼンシー理論の果す役割は、この複雑さを 無視するものでなく、むしろ、十分に劉酌して、情況に即応した解決方法を生みだ すことであろう。

く注>

1 J ohn T. M:>rse d Jay w. LorS()h :

. . B白Y叫 .'Iheory y

>

>

p

6 1 E量rvard B.Isiness Revlo材,18

N

o

v 1 9 7 0 2 Idid: P 6 1 3 Idid P 6 1

4 D:>ugl錨 地Gregar: 拠 出 血 且 Sideof E 凶ell};l:i!'ise愉

高 橋 達 男 訳 「企業の人間的測面

J

P 55 5 前 錫 書 P 55 6 Jobn T. Morse a.ndJ

.

y

VV;llOrsch: .. B9yond '1beory Y " P 6 2 出rvaredBls iD!巴ssPeview ,Naサ ..1 9 70 7 Ibid.: P 6 2

8

Ibid . P 6 3 9 Ibid・、 P63

1

0

Ibid . P 6 3

1 1 Ro回目

w

.

whiもe

:

地oa.ndF泊alityin Psycholog主cal T回ory>>

P'syohoanalytieal l.Ssues

-

.

v

ol A6. 3

(23)

-67-注12 Jobn 'l:Morse and Jay W. Lorsch

百 曹 司 凶TheoryY"P6 2

Harvard fusiness Review 1 8 Nov , 1 9 70

注13 Ibid P. 6 5 1 4 Ibid P. 6 5 1 5 Ibid P. 6 3 1 6 Ibid P. 64 1 7 Ibid P. 64 1 8 Ibid P. 64 1 9 Ibid P. 6 5 2 0 Ibid

:

P. 65 2 1 Ibid : P. 66 2 2 Ibid : P. 6 6 2 3 Ibid P. 67 2 4 Ibid : P. 67 2 5 Ibid . P. 68 2 6 Ibid R 68

6 Y

理 論 の 限 界

(1) 組織目標と個人目標との統合の複雑性 今まで述べてきたコンテインゼンシイ理論は、

X.Y

理論にみられる両極端な 2 分法による類型論を排除し、組織の目的、体質に即応して、人問、職務を統合する ことが基本的倫題であった。 そして、統合のための経営管理上の具体的な施策として、職務の明確化、職務遂 行上のフィード、パックの瀕度の検討、目標の明確化などがあげられる。同時に、 企業組織のなかの人聞の欲求の多様性についての理解が重要である。 マグレガーは、マズローの欲求段階説を引用 Lて、伝統的な経営管理においては、 人聞は低次の欲求に執着していると仮定した。また現代の企業組織のなかの人聞は より高除の欲求を目ざしているものであると云う。

(24)

-68-たしかに経営者が労働者の低次元の生理的欲求とか安全の欲求の満足のみに経営 管理の重要施策として努力した場合、それが無意識的であっても、かえって労働者 のフラストレイシヨンと不態率をひきおこすだけであろう。 この観点から、現代における有効な経営管理は、人聞のより高次元の欲求を理解 し、その自主性、意思決定能力を信額することから始まり、次に、組織の目標と個 人の目標を一致させるために、目標を明確にし、この考え方に従がって、すべての 管理施策を策定することであろう。 個人の目標と組織の目標の有機的な統合が、個人の自主的な貢献意欲を換起し、 目標達成にベストをつくすとする見解には、異論をさしはきむ余地は全くない。目 標の一致こそ、モーチベイシヨンの源泉であるからである。理想的な組織とは、個 人の欲求の満足が、組織の目標達成に一致する組織で、ある。 E . C .シユウレイが述べているように、 「組織の全体目標と個人の目標を関連づ け、しかも目標を達成することが、人間としての輿味や欲求を満足することになる 注 I ようにすること」であるう。 ところで、 X理論における「階層の原則」に対してY理論に基づく「統合の原員り として、マグレガーの提唱するのが、組織目標と個人目標の統合、あるいは、組織 と個人の統合であり、経営管理者は「従業員が企業の繁栄のために努力することに 注 2 よって各自の目標を(最高〉に成し遂げられるような条件をつくってやること

J

で ある。 また、 「部下が企業の目標に向かつて努力することによって、自分自身も(最大〉 注 3 に自己の目標を達成できるような環境をつくりだすこと」がY理論が提唱する自己 統制の概念であろう。 ところで、 Y理論は、本来企業組織の性質にそのウエイトがおかれていると思われ るため、との自己統制の環境づくりに際し、今日の時代的特徴を考察に^れなけれ tまならない。 官頭に述べたように、ウオレーン

.G

ペニスの指適を待

h

までもなく、現代は獄 動と変革の時代であり、今日の経営は社会環境の変化を予見し、あるいは創造し、 -69ー

(25)

それに対応していかなければならない。このような時代には、完全に組織化され、 職務規定が明確にされた経営組織において、従業員の意思決定の自由が、当然制約 されているため、環境の変化に動態的に適応することが困難になってくる。従って 権限による統制は不可能であるとの見解は、 Y理論の考え方であろう。 しかし、 (.41)のコンテインゼンシ一理論の事例研究にも明らかになったように 実際の経営組織においては、かならずしも、 Y理論の考え方が、唯一最善ものであ るとしづ論証は、見受けられなかった。 たとえばアクロン社とストグツトシ研究所の場合、まず、両社の職務と組織の性 質の相具、人聞の価値惑の多様性など、非常に複雑な要素を持っていることから、 アクロン社の場合は、伝統的な

X

理論のアプローチを採用し、他方、ストックトン 研究所の場合は

Y

理論に基礎をおく管理施策を導入

L

ている。 筆者はアメりカにおけるこのような事例がそのまま、日本の経営組織に適用でき るとは考えないが、しかし国民性や、過去、現在の境偶の差はあっても、やはり同 じ人間である限り 共通部分があることは確かであろう。アグロン社と、ストッタ トシ研究所の場合は、職務と組織、組織と人聞が統合された事例であり、また、バ ートフォード社と、カーメル研究所は、失敗例の一つである。 (2) 楽観的な Y理論 X理論が提唱する「従来の権限こそ経営統制の中心的、不可決の手段」という考 え方は、 Y理論が主張する人間最高の次元である「自己実現」の欲求を満足させる メカエズムを有していないことは、自明の理である。 人聞は、自分の車義務が組織の目的にどのような関連があるか、また、それを通じ て、社会全体にどのような貢献ができるかと少くとも自分自身に問いかけ、解答を 得ょうとする意欲があってはじめて、人聞の本質的な欲求と割えるのではなかろう 台、白 なるほど、前述したように、 Y理論は、経営組織内部の人間的側面の改革を志向 するものであるから、磯務の達成が、個人的自擦の満足となる、 Zすなわち、

f

自己

(26)

-70-実現

J

につながることを強調してやまない。そして、この自己実現の欲求は、マグ レガー自身が指適しているように、職場以外では、満たすことは不可能であると云 う。 そうであるならば、自己の職務が組織全体、社会全体にと 9て、どのような意義が あるかという疑問に、 「自己実現の欲求

J

が人間最高次元の欲求であるとする

Y

理 論によっては、到底、答えるととはできない。すなわち、人聞の欲求には、自己実 現の欲求とは別に、組織目的に共鳴を求めるという、利地主義-( al truism) にも とづく欲求があることも見逃してはならない。 I たと刻苦h思想団体や宗教団体あるいは医療関係などで、ほとんど無報酬で、しか も、自己実現欲求とは、ほど違い縁の下の力となって、献身している人々が毎秒ト多 いことにも注目しなければならない。自己の政治的イデオロギ

4

宗教的、医学的信 念を貫くために、自己犠性もいとわない利地的な欲求もあるのであるo しかし、この主張に対Lて、利地的な欲求は、企業とは無関係であり、もしその ような欲求があれば、他の組織において満たせばよいという反論が起ることは、 容易に推察できる。しかも、マグレガー自身特に強調する

Y

理論は、戦術でなく、 戦略であるoという意味は、従来の経営管理に対する考え方を根本的に改革するこ とであろう。そうだとすれば、マグ

ν

1

ーの、主張は、根本的にその論理性があや しくな9てくる。 東大の土屋守章助教授も、この場合

r

Y

理論とは、個人の意欲を表面的に、しか も一時的に引きだすための小手先の技術になってしまい、企業は

X

理論で引き出す 洋 4 ことのできる意欲だけl-対象にしていればよいという主張と全く変わりはなくなる と述べているように、その時その時の状況によりたてられる駿術になってしまい、 戦略とはおおよそほど遣いものになってしまう。 激動してやまない現代社会において、人間の意欲を喚起するためには、資本主義 経済体制のなかの企業の位置づけ、その目的を間断なし探究しなければならない であろう。 特に企業の目的については、伝統的な利潤追求志向の単一自的論から、企業責任

(27)

-71-追求志向の複数目的論まで提唱されていることからも理解できるように、企業観の 多様化を意味するものであるからたえず新しい目的をもった企業に変えていかない 限れ意欲の喚起は不可能である主うに思える。 最後に、マグレガ一理論へのもう一つの疑問点として、 X理論をすべて排除し、 あらゆることを、 Y理論に則して行うべきだとする、二者択一的な発想の方法があ げられる。

Y

理論にしたがうならば、人閣の自主性、積極性を発揮させるような環境をつく り合せて「自己実現」の欲求を満足させていく方向での管理縮策を提唱する。 極端な表現かも知れないが、

X

理論における人聞は、いわゆる、脱人間的、機械 的人間観であるのに対し、 Y理論におけるそれは、自主独立性を尊重する余り、管 理的思考が欠如する、楽観的な「成行的人間

J

観に随する危険性がないとは云えな いだろうか。 すなわち、 Y理論においては、犠務の規定標準的な手続きよりも、変化するその 時の部下の欲求を理解し、具体的な状況に合わせて、目標を決めるとすれば、組織 の継続性という初歩的な原則を排除する結果になれあらゆる意思決定やアグシヨ :/口、客観的、科学的法則から捨象されたものとなるからである。 マグレガー自身は、

r

Y

理論の全体係が、権力をもたない部下を扱う全権栓もつ 住5 上長から、も9と権力の均衡のとれた体系への移動を示すもの

J

と述べているo しかし、山本安次郎教授は「彼は自己統制への信頼を強調したけれども、権力構造 の変改を主張しなか9た。また、対立する理論聞の最適位置を明確に規定すること 注6 もしなかったjと批判している。

<注>

1 E. C

シユレイ 「結果のわりつけによる経営

J

P

23

2 D. マグレガー 「企業の人間的側明

J

P 55

3

前 掲 書

P69

4 土屋守.寧 「経営問題

J

夏季│号、中央公鎗P244閉 4 5

(28)

-72-5 Dauglas 1bGregar .

.

T he Hlman S1de of盛時ertrise >>

1n E治nnisE治nneand Cb.in : op. 01も .P 4 2 9 6 山 本 安 次 郎 「組織変革の組織理論について

(

2)

J

組織の理論と政策の歴史. P 5 2 組織科学 19 6 8 ,秋季号 Vol 2 ,Ao. 3

7

企業が激動する社会環境にダイナミツクに適応していくためには、まず企業内部 の革新が先決でなければならない。河野教授の挙げている環境への対応方法を参考 に、特に、その一つである、 「組織や体質の変化

J

に論点をしぼョた。組織や体質 の変化とは、人的及び技術的組織構造と、意思決定過程の革新である。 この小論における問題意識は、あくまでも、企業組織のなかの人間観、そしてそれ に対処する管理施策の考え方等の問題についてマグレガーの

x.Y

理論というレン ズを通して批判的検討を加えることであった。なお、技術的組織あるいは、仕事の 組織と人間組織及び個人としての人間との統合の必要性をモーズ・ローシエの豊富 な事例研究を引用して、効率的な組織とは何かということを考察してきた。 同時に、どうすれば、三者の統合が可能かという方法論、技術論にまで言及して きたつもりである。 最後に、マグレガ一理論に引用されているマズローの『自己実現

J

欲求について 企業サイドが積極的に、従業員の自己実現の欲求を満足させるような環境づくりに よる組織と個人の統合が重要であるとする説には疑問をさしはさむ余地はなb。、 しかし、現代の企業組織の問題は人聞の価低感の変化、利他的欲求の存在にもみ られるように、企業観、人間観の変革に対応してたえず企業の意義、目的を聞いか

(29)

73-えさない限り、解決できないのではないだろうか。

f

コンテインゼンシ一理論ーが示すアγチテーゼにしても、同教授が述べているよ うに二つの考え方を提案しているもので、決して完壁無比の理論ではない。しかし 今後の研究に一つの新しい考え方を提唱したという意味で、多いに意義のあること と信んずるものである。したがって、この小儲も未定稿である。 おわり

参照

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