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医療系専門学校に進学する大学等卒業者社会人の実態 —専門学校におけるリカレント教育に関する研究—

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1. はじめに 1.1 本稿の問題意識と目的 「人生 100 年時代」に向けて、個々人が人生を再設計し、 新たなステージで求められる能力・スキルを身につけること ができるように、リカレント教育の抜本的拡充が求められて いる1。政府は「リカレント教育の受講が職業能力の向上を 通じ、キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる社会を つくっていかなければならない」 として、大学・専門学校・ 民間教育訓練機関を積極的に活用しようとしている2 こうしたなかで、リカレント教育を行う教育機関として専 門学校に着目する必要性は高い。吉本圭一が「いったん職業 生活を経験してからリカレント学習の一環として専門学校に 入学している 20 歳代なかば以後のいわゆる成人学習者は、お よそ 6 万人程度と推測する」 と分析しているように(吉本圭 一「専門学校の発展と高等教育の多様化」、『高等教育研究』 6 巻、2003 年、92 頁。)、専門学校は社会人を多く受け入れ てきた。実際、吉本が分析の対象とした 1999 年の専門学校に おける新規高卒者以外の入学者数は 88,314 人で、入学者の 28.6%を占めていた(うち、大学等卒業者3は 19,864 人で、 入学者の 6.4%)。一方、同年の大学における社会人入学者 数4 は約 1 万 5 千人で、入学者全体に占める割合はわずかに 2.5%である。専門学校が高等教育段階でのリカレント教育に 果たす役割は大きいと言える。 この専門学校におけるリカレント教育を検討するにあたっ て、本稿が着目するのが医療分野である。その理由は、専門 学校の 8 つの教育分野(工業、農業、医療、衛生、教育・社 会福祉、商業実務、服飾・家政、文化・教養)の中で、医療 に最も多くの学生が在籍しており、社会人学生の数も多いこ とが予想されるからである。専門学校の分野別学生数の推移 をみると、1995 年に医療分野が工業分野を追い越して以来、 現在まで第 1 位の割合を占めている。2017 年は医療 33.5%、 文化・教養 20.2%、工業 13.3%、衛生 12.0%、商業実務 11.1%、 教育・社会福祉 5.8%、服飾・家政 2.7%、農業 0.9%の順に 多い5。関口義の調査によると、医療分野は 23 歳以上の学生 の割合が最も高く、大学卒業者や社会人の入学者が他分野と 比べて多いことが推定されている6 本稿の目的は、専門学校におけるリカレント教育の実態、 中でも、最も多くの学生数を有する医療系専門学校に進学す る大学等卒業者社会人に焦点化し、量的・質的調査を通じて 進学決定過程の実態を描き出し、学び直す目的、経緯および 必要条件を明らかにすることにある。さらに、近年推進され る専門学校におけるリカレント教育・職業教育の拡充策7 対して示唆を与えることを目指す。 本稿における大学等卒業者社会人の定義は、「大学・短期 大学・高等専門学校を卒業した者で、入学願書の職歴欄に記 載があった者」とする。大学等卒業者社会人に焦点化する理 由は、文部科学省が実施する学校基本調査(専門学校)の調 査項目に、入学者の区分として「大学、短期大学および高等 専門学校の卒業者(=大学等卒業者)」が明記されており、 統計として確実なものが得られることが第 1 にある。第 2 に、 大学・短期大学・高等専門学校で教育を受け就職したにも関 わらず、専門学校に進学する彼らの進学決定過程を解明する ことにより、リカレント教育を推進させる具体的かつ明確な 因子を抽出できると考えたからである。 また、本稿においては、大学等卒業者社会人の進学決定過 程を検討する上で、「キャリアアップ」と「キャリアチェン ジ」という言葉を用いる。「キャリアアップ」は“現職種の 職業能力を向上し処遇改善を得ること”を、「キャリアチェ ンジ」は“職種の変化を伴う転職をすること”と定義して検 討を進める8 1.2 先行研究の検討と残された課題 専門学校におけるリカレント教育に関する先行研究は少な い。吉本は、1999 年の専門学校全体における成人学習者数を 推測し、一定の範囲で生涯学習機能を果たしていることを認 めながらも、高等学校卒業後の進学先として比重を増してい (研究ノート)

医療系専門学校に進学する大学等卒業者社会人の実態

-専門学校におけるリカレント教育に関する研究-

滝沢 哲也(福岡大学大学院)

概要:専門学校は多くの社会人を受け入れ、リカレント教育機関として一定の役割を果たしてきたが、これらに関する 研究は実態把握も含めて不足している。本稿は、専門学校の中で最も多くの学生数を有する医療系専門学校に進 学した大学等卒業者社会人に焦点化し、量的・質的調査を通じて、進学決定過程の実態を描き出し、学び直す目 的、経緯および必要条件を明らかにすることを試みた。その結果、キャリアチェンジを果たすために、家族の理 解と経済的支援を受けながら、地元で専門学校に進学する大学等卒業者社会人の実態が明らかになった。 キーワード:専門学校/リカレント教育/学び直し/職業教育/医療関係技術者養成

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る専門学校を分析している9。植上一希は、専門学校の入学 者に対する聞き取り調査に含まれた大卒後の専門学校進学者 の特徴について、「それまでの教育の比較や勤務の経験など をもとに専門学校への進学を決めている」とまとめている10 しかしながら、専門学校を本格的に研究する 2 人の主たる研 究対象は高卒進学者であり、専門学校におけるリカレント教 育の実態把握は途上であり、残された課題となっている。 わが国でリカレント教育が教育施策としてあがってきたの は、80 年代後半以降であるが、『教育と情報』(1990)が「職 業とリカレント教育」と題した特集を組み、当時の状況を報 告している11。その中で、岩内亮一は企業内教育体制に組み 込まれた語学、簿記及び情報処理技術を身につける場として の専修学校を紹介している。当時のリカレント教育全体に関 しては、「OJT を重視する風潮が根強く存在している状況下、 大学等を教育訓練体制に組み込むことは容易ではない」とい う理由から、「大学等の社会人入学制度のような職業リカレ ント教育に対する個人参加型は、現在のところ、自営業、独 立専門職にとっては、有効であるが、大組織に属する個人に とっては転職の手段となり得ても、キャリア形成にとっては 存在理由が希薄である。この状況は日本の経営組織の雇用制 度が変わらない限り将来も続くであろう」と述べている。 その後、日本型雇用慣行の趨勢に変化が見られるようにな り、原清治が調理技術系および衛生栄養系の専門学校に在籍 する学生を対象とした調査データを用いて、生涯学習機関と しての専門学校の可能性を検討している12。また、原の研究 を受け、美津峰子が主に福祉系専門学校のリカレント・エン トリー者の入学動機の調査を行なっている13。しかしながら、 いずれも調査対象は、学生数が少ない教育分野であり課題が 残る。その後、前田信彦が専門学校におけるリカレント教育 に関する Web 調査結果を報告している14が、調査データが男 性や専修学校 2 年制課程に偏っているという課題がある。 以上をまとめると、まず、専門学校で社会人が学び直す目 的が何であるかといった根本的な問いが、先行研究に不足し ていた事実が浮かび上がる。近年推進されるリカレント教 育・職業教育の拡充策においては、その目的が「キャリアア ップ・キャリアチェンジ」といった記載になっているものが 散見される15。つまり、「キャリアアップ」と「キャリアチ ェンジ」といった学び直しの目的が異なるものが施策の中で 混在し、併記されている実態がある。専門学校のリカレント 教育において求められるのは、両方なのか、それとも一方が 優先されるのかが不明であり、曖昧なままである。 また、なぜ専門学校で学び直す必要に迫られたのか、学び 直しの目的は何かといった、社会人の内面的な側面の分析ま では先行研究では行われていない。さらに、社会人が学び直 すことが可能となる必要条件についても検討が行われていな い。加えて、専門学校で最も多くの学生が在籍する医療分野 の研究が欠如していることが先行研究に残された課題である。 1.3 課題設定と方法 専門学校におけるリカレント教育、ならびに社会人の学び 直しは多様性に富んでいる。そのため、先行研究に残された 課題を一度に解明することは容易ではない。そこで本稿では、 検討課題を 3 点にしぼり、以下に示す実証的研究方法を通し て、実態を解明する。 1) 大学等卒業者社会人が医療系専門学校で学び直す目的 は何か。それはキャリアアップなのかキャリアチェンジ なのか。 2)大学等卒業者社会人が医療系専門学校に進学した経緯は 何か。 3)医療系専門学校で学び直す上で必要な条件は何か。 まず、対象を医療系専門学校に入学した大学等卒業者社会 人に絞り込む。その上で、1)の学び直しの目的を解明する ために、大学等卒業者社会人の学歴および職歴に関する量的 調査を行い、インタビューによる質的調査によって補完する。 2)の進学した経緯については、大学等卒業者入学者に対す るインタビューによる質的調査で得られたデータを分析する。 3)の学び直しの必要条件については、大学等卒業者社会人 の地域移動に注目し、出身高等学校の所在地、大学等の所在 地、出願時の所在地を調査する。その上で、入学後の通学状 況や必要となった支援などに関してインタビューで確認して いく。これらから得られたデータを総合的に分析して、各課 題を解明していく。 2. 調査の概要 本稿の調査対象は、九州地区にある F 医療専門学校医療専 門課程柔道整復科および鍼灸科に 1999 年から 2017 年までに 入学した全学生 3,972 名(柔道整復科 2,837 名、鍼灸科 1,135 名)である。この中から、大学・短期大学・高等専門学校を 卒業後、社会に出たあとに専門学校に入学する「大学等卒業 者社会人」に焦点化して、量的・質的調査を実施した。 対象を医療系専門学校に設定したのは、先述のとおり、医 療分野は専門学校の分野別学生割合で最も多くの学生が在籍 しており、調査対象として優先すべきからである。 医療分野のうち、柔道整復科と鍼灸科を対象としたのは、 医療系の中でも最も多くの社会人が学び直しをしている学科 と推測されるからである。植上は、「大卒者等が多いと考え られるのは医療分野、教育・社会福祉であり、23 歳以上の学 生の割合で柔道整復・鍼灸が全体の 67%と最も高い数字をし ている。(中略)とくに、鍼灸・柔道整復の突出して高い数 字の背景には、はり師・きゅう師や柔道整復の『独立』しや すいイメージ、かなり長くキャリアを続けることができるイ メージ、などがあると思われる」 と述べている16。医療系の 中で、最も多くの社会人を受け入れていたと推測されるこの 2 つの学科を調査することは、必要不可欠である。 調査は 2017 年 9 月~12 月に行った。まず、全入学者に対 する量的調査を実施した。調査項目は表 1 のとおりである。 次に、半構造化インタビューによる質的調査を実施した。 対象者は、大学等卒業者社会人入学者 10 名(柔道整復科 7 名、鍼灸科 3 名)である。調査対象者は、量的調査の結果で 得られた平均年齢 32.5 歳(最頻値 24 歳)を中心に、卒業学

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校の学校種および性別が偏らないように選択した(表 2)。 表 1 量的調査の項目 表 2 質的調査の対象者 名・ 性別 入 学 学 科 入学 時年 齢 職歴 最終 学歴 卒業 学部 入学前の主な 職業 A・男 柔 整 23 1 年 大卒 体育 教員助手 B・女 鍼 灸 29 9 年 短大卒 家政 葬祭会社職員 C・男 柔 整 25 3 年 大卒 社会 環境 看護助手 D・男 柔 整 37 12 年 大卒 経済 スポーツクラブ スタッフ E・女 鍼 灸 23 2 年 短大卒 ビジネ ス情報 ショッピング モール店員 F・男 柔 整 31 8 年 大卒 経済 医療機器営業 G・女 柔 整 39 16 年 短大卒 文学 ダンスインスト ラクター H・男 柔 整 32 9 年 高専卒 情報電 子工学 電子部品工場 生産管理者 I・男 鍼 灸 23 1 年 大卒 経済 アパレル工場 生産管理者 J・男 柔 整 36 11 年 大学院 修了 工学 医療検査会社 営業 インタビュー当日は、質問項目を予め用意して臨んだ。内 容は IC レコーダーで録音し、後日、逐語録として文章化した ものを分析した。なお、引用したインタビューデータに含ま れる[ ]は筆者による補足説明、[・・・]は省略である。 3. 量的調査の結果 3.1 調査校における学び直しの全体像 まず、調査校における学び直しの全体像を概括する。全入 学者 3,972 名のうち、1,281 名(全入学者に対する割合は 32.3%)が社会人入学者であった。柔道整復科の社会人入学 者割合は 29.1%、鍼灸科が 36.1%である。 今回、焦点化する「大学等卒業者社会人」入学者は 580 名 (同 14.6%)であった。内訳は、高等専門学校卒 6 名(同 0.2%)、 短期大学卒 85 名(同 2.1%)、大学卒 476 名(同 12.0%)大学 院修了 13 名(同 0.3%)であった。性別をみると、男性が 460 名で 79.3%、女性が 120 名で 20.7%と男性の割合が多い。平 均年齢は 32.5 歳(最低が 20 歳、最高が 67 歳)で、最頻値は 24 歳で、中央値が 30 歳である。彼らの職歴年数の平均は 8.1 年で中央値は 6 年、最頻値は 2 年であった。 学校基本調査によると、同調査期間(1999〜2017 年)にお ける専門学校の新規高卒者以外の入学者割合の全国平均は 29.8%(うち、大学等卒業者入学者の全国平均は 7.6%)で あったことから、調査校における社会人入学者の割合は高く、 とくに、大学等卒業者入学者の割合が全国平均より高いこと が判明した。 3.2 キャリアアップかキャリアチェンジか 次に、大学等で在籍した学部を調査した。学校基本調査に おける学科系統大分類17を用いて分類すると、人文科学が 83 人(大学等社会人入学者に対する割合は 14.3%)、社会科学 が 269 人(同 46.4%)、理学が 9 人(同 1.6%)、工学が 74 人(同 12.8%)、農学が 19 人(同 3.3%)、保健が 38 人(同 6.6%)、商船が 1 人(同 0.2%)、家政が 18 人(同 3.1%)、 教育が 42 人(同 7.2%)、芸術が 6 人(同 1.0%)、その他 が 2 人(同 0.3%)、不明が 19 人(同 3.3%)であった。 最も多かったのは、社会科学で 46.4%の割合を占めた。次 に多いのが人文科学の 14.3%であり、これら 2 つを合わせた、 いわゆる「文系大学」の出身が 60.7%と高い割合を占めてい たことが判明した。 一方、医療系である保健学部出身は 6.6%にすぎなかった。 保健学部以外の出身者であっても、専門学校とのダブルスク ールや、大学を卒業した後に、養成機関に入学して医療系の 資格保有者を取得したものが存在していたため調査したとこ ろ、大学等卒業者社会人入学者のうち、44 名の医療系資格保 有者が存在していた。資格の保有状況は、多い順で、はり師 きゅう師が 18 名、あん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師 18が 6 名、あん摩マッサージ指圧師が 6 名、薬剤師が 6 名、 診療放射線技師が 5 名、理学療法士が 3 名であった。 以上をまとめると、大学等卒業者社会人が医療系専門学校 で学び直す主たる目的は、「キャリアアップ」ではなく、「キ ャリアチェンジ」であることが判明した。医療系専門学校は 他の業界から、医療技術職へ人材をシフトさせる機能を有し ているとも言えるであろう。 3.3 地域移動 さらに、大学等卒業者社会人の出身高等学校、大学等、出 願時の所在地を調べ、学び直しに至る地域移動について分析 した。 まず、大学等卒業者社会人の出身高等学校は、32 の都道府 県と海外に分散していた。1 位が福岡県 317 名(大学等社会 人入学者に対する割合は 54.7%)、2 位が長崎県 45 名(同 性別、年齢、出願時の住所(都道府県名)、出身高等学校(都 道府県名、課程、学科)、最終学歴、最終学歴が大学等であ った場合は学部、最終学歴の学校が所在する都道府県名、 資格等、入学経路(ストレート、ブランクあり、社会人経 験あり、大学中退、その他)、職歴年数、留年、退学、国家 資格の取得の有無

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7.8%)、3 位が熊本県 41 名(同 7.1%)、続いて佐賀県の 30 名(同 5.2%)、大分県 27 名(同 4.7%)と続く。九州地区(福 岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄)の合計 は 493 名(同 85.0%)であった。高等学校の課程は全日制が 577 名(同 99.5%)、定時制が 1 名(同 0.2%)、通信制が 1 名(同 0.2%)高等学校卒業程度認定試験 1 名(同 0.2%)であ った。学科は、普通科が 535 名(同 92.2%)、商業科が 15 名(同 2.6%)、工業科が 13 名(同 2.2%)、総合学科が 8 名(同 1.4%)、 農業科が 2 名(同 0.3%)、情報学科が 1 名(同 0.2%)、その他が 6 名(同1.0%)であった。 次に、大学等卒業者社会人の最終学歴の都道府県は、36 の 都道府県および海外に分散していた。1 位が福岡県の 286 名 (同 49.3%)、2 位が東京都の 73 名(同 12.6%)、3 位が大 阪府と熊本県の 35 名(同 6.0%)であった。九州地区の合計 は 367 名(同 63.3%)であった。 そして、大学等卒業者社会人が出願した時の居住地の都道 府県は、28 の都道府県に分散していた。1 位が福岡県の 396 名(同 68.3%)、2 位が熊本県の 36 名(同 6.2%)、3 位が長 崎県の 27 名(同 4.7%)、4 位が佐賀県の 20 名(同 3.4%)で あった。九州地区の合計は 511 名(同 88.1%)である。 ここで、大学等卒業者社会人の学び直しに関する地域間の 移動について、九州地区の特徴を見出すことができる。出身 高等学校の九州地区割合が 85.0%であったのが、大学等の進 学で九州地区に在住していた割合が 63.3%と下がり(東京や 大阪などで学ぶ者が増加)、そして、大学等卒業後には、地 元の九州地区に 88.1%が居住して、専門学校に出願していた。 ここからは九州地区外に流出した大学等卒業者の一部が、専 門学校進学を契機として再び九州に戻ってくる動きがあるこ とが推測される。現在、九州各県における大学進学を契機と した県外流出の問題が提起されている19が、九州地区外に出 た大学等卒業者の一部にとって、地元に戻り働くための一種 のステップボードとして、医療系専門学校が位置づいている ことは注目すべき点だと思われる。 3.4 国家免許取得率 国家資格免許取得率については、卒業年度に達した 1999 年から 2014 年に入学した大学等卒業者社会人 560 名を調査対 象とした。両学科の修業年限である 3 年間で学校を卒業し、 卒業時の国家試験に合格し医療系国家免許(柔道整復師、は り師およびきゅう師のいずれか)を取得したものを「免許取 得ストレート」、留年して免許取得が1年以上遅れた者を「免 許取得遅延」、退学等で卒業できなかった者および国家試験 不合格者を「免許未取得」の 3 パターンに分類した。 「免許取得ストレート」は 473 名(調査対象者の 84.5%)、 「免許取得遅延」は 24 名(同 4.3%)、「免許未取得」は 60 名(同 10.7%)、在学中で国家試験未受験者が 3 名(同 0.5%) であった。 以上のように、調査校における大学等卒業者社会人入学者 の 88.8%が国家免許を取得していた。同期間における国家試 験の全国合格率の平均は柔道整復師が 71.8%、はり師が 77.5%、きゅう師が 77.8%であったことから、調査校におけ る大学等卒業者社会人の合格率は高い水準であった。 4. 質的調査の結果 4.1 進学の背景 まず、大学等卒業者社会人が学び直しを迫られた背景を明 らかにするために、医療系専門学校へ進学した経緯について 聞き取りを行った。ここで全員に共通する特徴として主に 3 点が明らかになった。 第 1 がキャリア形成上の不安である。卒業後の就職におい て、希望通りのキャリア形成が見込めないことが判ったり、 仕事を継続していく上での問題が発生したりすることで、彼 らはキャリア形成に不安を抱き、キャリアチェンジをはかっ ていた。 第 2 が、進学先の職種との親和性の高さである。本人がス ポーツに注力していた経歴があったり、親の仕事がスポーツ や医療と関連があったりと、柔道整復師や鍼灸師の職業にな んらかのつながりがあり、それらをもとにして進学を決めて いた。 第 3 が地元志向性の高さである。彼らは地元で生活し続け るため、もしくは地元に戻るために、九州地区の専門学校に 進学をしていた。 以上の 3 点について、大学等卒業者社会人への聞き取りを もとに具体的にみていこう。例えば、就職不況で大手企業に 就職できず、地元のショッピングモールの店員として働いて いたときに、医療技術職である母から、鍼灸科に進学するこ とを勧められた短期大学卒のショップ店員の E さんは、以下 のように述べている。 ― Q なぜ専門学校で学び直しをしようとしたのですか? ショップ店員 E さん(短大卒):ここにずっと居ても、何 か、そのまんまの時間が過ぎてくだけで、別に上を目指 そうとは思ってなかったんで。うん、[上を目指す気持 ちが]ない感じだったんで。もう、女性、みんな独身な んですよ。結婚してる社員、1 人も居なくって。3、4 年 して、じゃあ、手に職をで考え始めたのは、[医療技術 職の]母が、「今、鍼灸がきてるよ」みたいな。 また、スポーツ推薦で大学に進学し、高等学校教諭普通免 許状(社会)を取ったものの、就職できず、地元の先輩の誘 いで病院の看護助手を始めた C さんは、勤務先から准看護師 の免許を取得するよう求められ、受験を何度かしたが合格で きずにいた。そこで、柔道整復科に入学することを決意した 時のことを、以下のように述べている。 看護助手 C さん(大卒):准看[護師学校]を 2 年間落ち まくって、ちょっと、これ、いよいよやばいなと思って。 大学のときもちょっと迷ってたんですけど、柔整[=柔 道整復師]を取るのか、PT[=理学療法士]になるの かっていうところで。やっぱり、なかなか勉強ができな

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いんで。で、こちらの入学試験を見たら作文と面接だっ たんで、よし、これはいけるかもしれないと。 大学卒業後、証券会社に就職した D さんは、東京での研修 後、地元福岡に戻ってきたが 2 年目途中で退職せざるを得な い状況になった。そこで食品工場に転職したが、今度は関西 圏に転勤となってしまった。そこでは、休みが取れない厳し い労働が続いたため家族の意見を聞き、中部圏のスポーツク ラブに再就職していた。そこで、医療技術職である義理の母 から声をかけられたことを、以下のように述べている。 スポーツクラブ D さん(大卒):かみさんの親に福岡に戻 ってこいと言われたときに、「家もうちに住んでいいか ら、学費も心配せんでいいから」っていうふうな感じで は言ってくれました。 大学卒業後、地元の医療機器販売代理店に就職した F さん は、接待が多い業界特有の習慣に見切りをつけ、食品販売会 社に転職し、百貨店の惣菜店で調理および販売を担当してい た。そこで県外へ転勤を命ぜられるが、希望せず退職する。 その後、アルバイトを転々としていたところに、兄から柔道 整復師を紹介され、進学することを決意する。質問に対して は以下の様に回答を述べている。 医療機器営業 F さん(大卒):そのとき、全然今は考え方 が変わっていますが、福岡に居たいというのがあったん ですよね。出たくないというのがあって。結構異動が多 いから、自分は異動がなかったんですけど。 医療系専門学校で学び直す契機は、10 名全員がそれぞれ差 異はあるものの、仕事の内容や将来設計について考えざるを 得なくなるような仕事上の問題が、学び直す契機となってい た。調査対象者が、90 年代後半から 2000 年代前半の就職氷 河期に大学を卒業した者から、2016 年に就職した者まで幅が 広く、契機の共通項を探り出すことはできなかった。しかし ながら、仕事の内容と、自らが望むキャリアの間に、解決す べき問題や、ある種の違和感を各自が抱いていたことは、全 員の語りに共通していた。 「職業との親和性」については、全国柔道整復学校協会の 調査結果20において、中国・四国および九州地区の学校協会 に加盟した専門学校柔道整復科(昼・午前課程)に入学した 者のうち、高等学校時代のスポーツ経験がないものが、わず かに 0.6%であったことから分かる通り、スポーツ経験と柔道 整復師養成校への進学との関係性は非常に高い。東洋療法学 校協会の調査21では、鍼灸科(昼間課程)の志望動機第1位 が「はり師きゅう師の資格取得」で 60.9%、第 2 位が「スポ ーツトレーナーの仕事に従事」で 17.1%、第 3 位が「独立開 業」で 9.2%、となっており、鍼灸師という職種においてもス ポーツとの関連性の高さがうかがえる。 地元志向に関して、これまで専門学校が「高校卒業者に対 して(中略)実社会にてすぐに役立つ技能・資格等を身につ けさせるとともに、(中略)卒業後の地元就職率が高く、特 に地方創生を本格的に進めていく段階にあって、地域の中核 的な人材養成機関としての役割・位置づけは、一層その重要 性を増している」22と評価を受けてきたことと関係が深い。 高等学校卒業者だけに限らず、大学等卒業者社会人に対して も専門学校は、地元に必要とされる中核的な人材を供給する リカレント教育機関として重要な役割を果たしていく可能性 が示唆された。 4.2 学び直しに必要な条件 次に、大学等卒業者社会人が学び直す上で必要な条件は何 か、聞き取りをした。共通していたのは、家族の理解と経済 的支援の存在である。学費を全て払ってもらった者が 3 名、 一部分支援してもらった者が 4 名、学費を自分の貯蓄から出 している者が 3 名いた。また、10 名のうち、8 名が家族と同 居して通学していた。 先述したスポーツクラブの D さんは、義理の母から経済的 支援の申し出があった。また、ショップ店員 E さんや他の大 学等卒業者社会人入学者は、以下の質問に対し次のように述 べていた。 ― Q 学費はだれが支払いましたか? ― Q 家族の同意、協力は得られましたか? ショップ店員 E さん(短大卒):母が、「取りあえず、オ ープンキャンパス行ってきなさい」みたいな。そのとき、 多分、夏、6 月か何かに行ったんですよ。したら、鍼灸 科のオープンキャンパス、私1人だけで、「え?」みた いな、「何、ブームって何?」みたいな。学費は母が[出 してくれました]。 高等学校の時に鍼灸の免許を取ろうと考えたことがあった I さんは、大学を卒業後、スポーツに関わることを希望して 大手アパレルメーカーに就職したが、配属先は工場の生産管 理であった。1日中座りっぱなしの仕事が続き、初年度の秋 口に鍼灸科への進学を決意する。その時のことを次のように 述べている。 アパレル工場生産管理者 I さん(大卒):ほんとは静岡の 学校の先生に紹介いただいたので、そこに入ろうかとし たんですけども、やはり、この業界の勉強って大変じゃ ないですか。で、働きながら、借金を返しながらという ので、ちゃんとしっかり学べるのかという話を家族でし て、じゃあ、実際に働きながらというのも、自分の食費 を稼ぐぐらいだったら大丈夫なんですけども、それ以上 どんどん超えていくと、勉強ができなくて、[・・・] 実家が福岡なので、福岡から市内に通える場所を。 短期大学卒業後、約 3 年勤めた地元の会社を結婚退職した G さんは、ダンスのインストラクターとして活躍していた。

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その後、離婚することになり、ダンスの指導で生計を立てて いたところ、生徒の怪我の対処に苦労していた。そこで、ち ゃんと勉強したいと考え始めたときに、両親から「資格を持 っていた方が自分たちも安心できる」と言われ、国家資格を 取得することを決意した。学費等の質問には、以下のように 答えている。 ダンスインストラクターG さん(短大卒):もう最後の1 年はとにかく集中しろって言われて実家に戻らしても らって、1年間もう何らお金の心配もすることなく、国 家試験に向かってはいけたんですけどね。 高等専門学校卒業後、電子部品会社に就職した H さんは、 工場で生産管理を担当していた。その後、円高による業績悪 化から、工場を海外移転する検討が始まり、退職を考え始め た。職場のレクレーションで怪我をして整骨院に通院してい たことから、医療資格に興味を持つようになり、就職 9 年目 の 30 歳になるのを機に、専門学校に進学することを決めた。 質問に対して、次のように回答した。 電子部品工場 H さん(高専卒):30 歳になるから、もう好 きにしていいよ、と前向きに考えてもらった。本当にあ りがたかった。自分の退職金や貯金もありますけど、一 部親からの支援が今もあります。 大学院修了の I さんは、実は高校生の時に柔道整復師にな りたかったという。しかし、進学校であったので先生や親か ら反対され、地元の私立大学工学部に入学する。そのまま大 学院に残り、薬品会社に就職するが、そこでの仕事は研究で はなく、営業であった。入社後 8 ヶ月目に突然、北海道への 転勤を命じられ、納得がいかずに退職する。その後、地元の 石油卸会社へ転職し 4 年勤務した後に、医療検査会社に転職 し、医療機関をまわっている時期に、高校生の時のことを思 い出し、医療技術職になりたいと考え始めた。病院に勤める 医療技術職の妻の後押しがあり、40 歳の手前で専門学校に入 学することを決意した。 医療検査会社員 I さん(大学院修了):今家族が居るから、 妻とも話し合って、自分のうちに今これだけお金がある からこっから捻出して入っていいかと言って。一応、今、 妻がメインで働いているからですね。技師の給与は安定 してますね。妻が一応資格持ってて、有資格者で、医療 関係で働いています。私が医療関係で挑戦するって言っ たら、二つ返事で賛成してくれたから。やっぱり医療関 係の資格持っとって自分で働いたほうがいいよってい うことをちゃんと奥さんも理解してくれて。 以上のことからわかるのは、大学等を卒業して社会人にな ってから学び直すことについて、家族の理解者が、身近にい ることの必要性である。学び直すことを理解してくれる家族 の存在がキャリアチェンジを後押しし、3 年間学び続けるこ とを支えていた。このことから、家族の理解と経済的支援が、 大学等卒業者社会人の学び直しに必要であることが明らかに なった。 5. 分析の結果と今後の課題 5.1 分析の結果 本稿の目的は、専門学校におけるリカレント教育の実態、 中でも医療系専門学校に進学する大学等卒業者社会人に焦点 化し、量的・質的調査を通じて進学決定過程の実態を描き出 し、学び直す目的、経緯および必要条件を明らかにすること であった。冒頭に示した 3 つの課題に対する調査結果を踏ま えて、得られた知見をまとめる。 まず、課題の 1 つ目である、大学等卒業者社会人が医療系 専門学校で学び直す目的である。「キャリアアップ」を目的 としたものではなく、医療技術職に「キャリアチェンジ」す るためであったことが 3.2 で示したとおり明らかになり、4.1 や 4.2 の質的調査においても確認することができた。本稿で 焦点化した大学等卒業者社会人は、人文科学系と社会科学系 を合わせた、いわゆる「文系大学」の出身が 60.7%と高い割 合を占めた。一方、医療系である保健学部出身は 6.6%にすぎ ない。医療系の資格保有者は 44 名で、大学等卒業者社会人入 学者の 7.6%しかいなかったことから、医療系専門学校にお けるリカレント教育は、入学前の専門や職業上の知識や技能 を深める為の学び直しが主たる目的ではないといえる。 大学等卒業者社会人が「キャリアチェンジ」を目的に入学 していたことは、他の業界から医療技術職へ人材を移行させ る機能を専門学校が有していることを示している。 次に、課題の 2 つ目、大学等卒業者社会人が医療系専門学 校に進学した経緯は何かである。4.1 では、以下の 3 点の特 徴を明らかにした。1点目は、キャリア形成上の不安が生じ たことである。卒業後の就職において、希望通りのキャリア 形成が見込めないことが判ったり、仕事を継続していく上で の問題が発生したりすることで、彼らはキャリア形成に不安 を抱き、専門学校への進学を検討していた。2 点目は、進学 先の職種との親和性の高さである。本人がスポーツに注力し ていた経歴があったり、親の仕事がスポーツや医療と関連が あったりと、柔道整復師や鍼灸師の職業になんらかのつなが りがあり、それらをもとにして進学を決めていた。3 点目は 地元志向性の高さである。彼らは地元で生活し続けるため、 もしくは地元に戻るために、九州地区の専門学校に進学をし ていた。 最後に、課題の 3 つ目、医療系専門学校で学び直す上で必 要な条件は何かである。4.2 では、大学等を卒業して、社会 人になってから、再び専門学校で学び直すことについて理解 してくれる家族の必要性を確認することができた。身近な家 族の存在がキャリアチェンジを後押しし、専門学校で学び続 けることを経済的・精神的に支援していることが明らかにな った。聞き取り調査をした大学等卒業者社会人 10 名のうち、 8 名が家族と同居して専門学校に通学していた。同居してい

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ない 2 名も「地元で働く」もしくは「地元に戻る」手段とし て、医療系専門学校におけるリカレント教育を活用していた。 これは、3.3 で示した「地元に戻り働く」動きと密接な関係 があると推察できる。つまり、家族の理解と経済的支援を受 けられなければ、大学等卒業者社会人が医療系専門学校で学 び直すことは困難であるので、地元に戻ることは、経済的支 援を受ける上で必要なことであった。「地元で働く」ための、 医療系専門学校の活用といった積極的な意味と、支援を受け て学び直しするために「地元に戻らざるを得ない」といった 消極的な意味の 2 つが、「九州地区外に流出した一部が再び 九州地区に戻る」動きの背景にあった。 量的調査で判明した平均年齢 32.5 歳(最頻値 24 歳)、職 歴平均 8.1 年(最頻値 2 年)の大学等卒業者社会人が、年間 100 万円を超える医療系専門学校の学費23を自ら支払い、卒 業まで 3 年間、生活していくことは容易なことではなく、奨 学金等を利用するにせよ、家族の理解と経済的支援がなけれ ば学び直しすることは困難であると推察できる。植上が「専 門学校は大学よりも修業年限が短いという点で私立大学より も学費の総計が高くないだけで、専門学校自体の学費は決し て安くない。この学費の高さのために、専門学校進学を諦め る層がいることにも注意が必要である」と述べたように24 医療系専門学校で学び直しができる大学等卒業者社会人は、 家族の理解と経済的支援が得られる比較的恵まれた人たちと 考えるべきであろう。 5.2 示唆されること、今後の課題 以上の調査結果は、近年推進される専門学校におけるリカ レント教育・職業教育の拡充策に対して、一定の示唆を与え ることができる。第 1 に、「キャリアアップ」以上に、「キ ャリアチェンジ」に重きを置くことの必要性である。第 2 に、 経済的支援を拡充する必要性である。 2014 年から専門実践教育訓練給付(受講費用の最大 70%、 最大 3 年間給付)が新たに設けられたことにより、医療系専 門学校に入学しキャリアチェンジを図りたい社会人への経済 的支援がようやく始まった。従来の教育訓練給付制度では、 医療系専門学校は対象外であった。しかしながら、専門実践 教育訓練給付の支給要件25や、受講対象となる専門学校の養 成課程の指定要件26が極めて厳しいため、適用範囲は大幅に 限定されているのが実情である。また、本制度の周知が主に ハローワークで行われるため、制度の存在自体の社会人への 周知が進んでいない。広く国民に周知する取り組みが求めら れる。さらに、本制度を活用したリカレント教育受講者のコ ホート研究を行い、キャリアチェンジのロールモデルの提示 をしていくことが、今後の課題となるであろう。 本稿の知見はひとつの医療系専門学校における調査結果と いう限界を有している。また、医療系でも、他の医療技術職 養成課程との違いまでは検討できていない。他の医療技術職 の養成課程や、医療分野以外の専門学校に関するさらなる実 証的研究の蓄積が求められる。 【註】 1 文部科学省、令和元年度「専修学校リカレント教育総合 推進プロジェクト」、『文部科学省ホームページ』 http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/14188 32.htm(検索日 2019 年 8 月 6 日) 2 「人づくり革命 基本構想」、人生 100 年時代構想会議 『首相官邸ホームページ』、2018 年 6 月、第 5 章、10 頁-11 頁。 https://www.kantei.go.jp/jp/content/000023186.pdf (検索日 2019 年 8 月 6 日) 3 文部科学省の学校基本調査(専修学校)は、高等専門学 校・短期大学・大学の卒業者を合わせた「大学等卒業者」 の入学者数を集計している。 4 文部科学省の学校基本調査(大学)における、社会人入 学者の定義は「①職に就いている者(給料、賃金、報酬、 その他の経常的な収入を得る仕事に現に就いている者)、 ②給料、賃金、報酬、その他の経常的な収入を得る仕事 から既に退職した者、③主婦・主夫の数」である。 5 専門学校新聞社、『専門学校新聞ホームページ』、株式 会社専門学校新聞社、 http://www.senmon.co.jp/FMPro?-db=link.fmj&-lay=CG I&-format=kc_index.html&-find(検索日 2019 年 8 月 6 日) 6 関口義『専門学校在学者の実態と意識に関する基礎的、 総合的な調査研究報告書』、京都文教大学、2001 年、11 頁。 7 文部科学省が作成した令和元年度の専修学校関係予算 (案)に「専修学校リカレント教育総合推進プロジェクト」 (3.1 億円)が新規事業として計上された。『文部科学省 ホームページ』 http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/senshuu/__ics Files/afieldfile/2019/07/09/1418628_1.pdf(検索日 2019 年 8 月 6 日) 8 「キャリアアップ」の定義は、厚生労働省のキャリアア ップ助成金を、「キャリアチェンジ」の定義は、「ミド ル層のキャリアチェンジにおける支援技法」、『厚生労 働省ホームページ』 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/k oyou_roudou/shokugyounouryoku/career_formation/car eer_consulting/career_chenge/index.html(検索日 2019 年 8 月 6 日)を参考にしている。 9 吉本圭一「専門学校の発展と高等教育の多様化」、『高 等教育研究』6 巻、2003 年、83-103 頁。 10 植上一希『専門学校の教育とキャリア形成 進学・学び・ 卒業後』、大月書店、2011 年、148 頁。 11 『教育と情報』1990 年、No.388 は、特集として「職業と リカレント教育」に関する 4 本の寄稿文を掲載している。 岩内亮一「職業リカレント教育のキャリア形成機能」、 岩永雅也「生涯学習時代の大学–生涯教育機関としての大 学の可能性」、那須野弘司「On-JT から Off-JT へ-企業

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内教育の動向とリカレント教育-」、和田実「リカレン ト教育需要に対応する専修学校-東京工学院情報専門学 校の職業教育・訓練の事例から-」。 12 原清治「生涯学習機関としての専門学校の可能性につい て」、『佛教大学教育学部学会紀要』、1998 年、87-101 頁。 13 美津峰子「専門学校のリカレント・エントリー者の入学 動機に関する研究」、『佛教大学教育学部学会紀要』、 2004 年、257-266 頁。 14 前田信彦「専門学校におけるリカレント教育と学習成 果・職業能力」、『立命館産業社会論集』第 52 巻第 1 号、2016 年、160-181 頁。 15 前掲 2 において、「リカレント教育は、人づくり革命の みならず、生産性革命を推進するうえでも、鍵となるも のである。リカレント教育の受講が職業能力の向上を通 じ、キャリアアップ・キャリアチェンジにつながる社会 をつくっていかなければならない。」と記載されている。 また、第 6 回 人生 100 年時代構想会議(2018 年 3 月 23 日)の文部科学省提出資料「リカレント教育の抜本的拡 充に向けて」において、「キャリアアップ・キャリアチ ェンジ等のためにまなぶ社会人を支援するため」との記 載がある。『首相官邸ホームページ』 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/jinsei100nen/dai 6/siryou8.pdf(検索日 2019 年 8 月 6 日) 16 植上、前掲書、145-146 頁。 17 文部科学省、「学校基本調査-平成 30 年度 付属資料 学 科系統分類表」、『文部科学省ホームページ』を参照し た。 http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__ics Files/afieldfile/2018/08/02/1407357_4.pdf(検索日 2019 年 8 月 6 日) 18 「あん摩マッサージ指圧師はり師きゅう師」は、あん摩 マッサージ指圧師、はり師およびきゅう師の 3 つの免許 を取得している者を指す。 19 労働政策研究・研修機構「地域における大卒採用の状況 と若者流出の課題」、『ビジネス・レーバー・トレンド』、 2016 年 11 月号。 20 社団法人全国柔道整復学校協会『柔道整復師養成施設卒 業生進路状況アンケート調査結果報告書<平成 23 年 12 月実施>』、2011 年 12 月。 21 社団法人東洋療法学校協会『第 4 回「あん摩マッサージ 指圧師・はり師及びきゅう師免許取得者の進路状況アン ケート調査」(平成 23 年 10 月実施)報告書』、2011 年 10 月。 22 文部科学省、これからの専修学校教育の振興のあり方検 討会議、「これからの専修学校教育の振興のあり方につ いて (報告) 平成 29 年 3 月」、2017 年 3 月、2 頁。 23 福岡県内の専門学校の 1 年間の学納金平均は、2017 年度、 柔道整復師養成課程が 127 万円、鍼灸師養成課程が 130 万円であった(いずれも昼間部)。その他、理学療法士 養成課程が 108 万円、診療放射線技師養成課程が 127 万 円、看護師養成課程 77 万円(ホームページに学納金を掲 載していた 13 校の平均)であった。この学納金以外に、 年間諸費用が必要となる。 24 植上、前掲書、144 頁。 25 厚生労働省、『厚生労働省ホームページ、Q&A〜専門実践 教育訓練給付金〜』、 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0 000197058.html(検索日 2019 年 8 月 6 日)。専門実践教 育訓練給付金の支給対象者は、次の①または②に該当し、 厚生労働大臣が指定する専門実践教育訓練講座を修了す る見込みで受講している者と修了した者である。 ① 雇用保険の被保険者(在職者) 専門実践教育訓練の受講開始日に雇用保険の被保険者 である者のうち、支給要件期間が 3 年(初めて教育訓練 給付金を受給する場合は 2 年)以上ある者 ② 雇用保険の被保険者であった者(離職者) 受講開始日に被保険者でない者のうち、被保険者資格 を喪失した日(離職日の翌日)以降、受講開始日までが 1 年以内(妊娠、出産、育児、疾病、負傷などで教育訓 練給付の適用対象期間が延長された場合は最大 20 年以 内)であり、かつ支給要件期間が 3 年(初めて教育訓練 給付金を受給する場合は 2 年)以上ある者 26 厚生労働省、「教育訓練給付制度(専門実践教育訓練)の 講座指定を希望される方へ(教育訓練施設向けパンフレ ット)」、2019 年 4 月。本制度における養成課程とは、国 若しくは地方公共団体の指定等を受けて実施される当該 教育訓練の修了により公的職業資格を取得できる課程、 公的職業資格試験の受験資格を取得できる課程又は公的 職業資格試験の一部免除となる課程をいう。業務独占資 格又は名称独占資格の取得を訓練目標とする養成課程が 本制度の講座の指定を受けるためには、「当該教育訓練に おける前年度の修了者に係る入講者数」に占める「当該 修了者のうち目標資格の試験を受験した者の数(受験者 数)」の割合(受験率) が 80%以上であること、「当該受験 者数」に占める「当該修了者のうち目標資格の試験を合 格した者の数(合格者数)」の割合(合格率)が当該資格試 験の受験者全体の平均合格率以上であること、また、「当 該修了者のうち専門実践教育訓練給付の受給者数」又は 「当該修了者に係る入講者数」に占める「就職者及及び 在職者数」の割合(就職・在職率)が 80%以上であること が求められる。 (2019 年 9 月 19 日 受 理) (2019 年 12 月 13 日 再受理)

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