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ホームフリージングをした豚肉のビタミンB_1含量

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(1)Title. ホームフリージングをした豚肉のビタミンB_1含量. Author(s). 中村, 公子. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭,体育編, 27(2): 1-7. Issue Date. 1977-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6577. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部C) 第2 7巻 第2号 昭和52年 2月 lo fHokka i i i Journa do Un i tyofEducat i IC)Vo l r t ve s on(Sec on工 ryl977 .27 .2Februa ,No. ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ を した 豚 肉 の ビタ ミ ン B,含 量 中. 村. 公. 子. 北海道教育大学旭川分校家庭科教室. ion about Vitamin B, Content ofpork Storedin the Home‐f lnformat reezer Kimi ko NAKAMURA iおawaCo l l H0me Economi t ido Un ive i fEduca ion cs Labo tyo r a ory t ege r s ,Asah , Hokka igawa O7〇 As副コ. Vi tamin B,contentofpork storedin a home‐freezer wasinvestigatedthrough def ingand t ros bo i l ing .. Frozen pork stored for a monthi ted by exposure to n a home-freezer at 一160C was def ros. ightofdr ipsf ted pork was4 7% oftheraw meat room temperature.The we ter rom thedef ros . .Af i h f k i l ing lethatoff bo 7%,f rozen meatdecreased 46 rom ,the we g to raw por decreased37.1%, whi . i ia lwe ightof 汀ーeat, thein t ThelossesofVi ing tamin B,inraw pork a 7% wi i l th def ing and59 5% wi thbo re31 t ros , . .. 工業的に製品化された冷凍食品は, 適切な解凍さえ行われるならば, 栄養的見地や官能検査成績 からみて生鮮食品に劣ることはほとん どないとされている. 冷凍貯蔵と栄養素との関連に ついての l o ) )は多いが ホームフリージン グを行っ て貯蔵する場合の栄養素への影響を調べたものは見 報告2 , あ た ら な い.. 本報では,一般 家庭の食生活中 で使用頻度の高い豚肉を, 家庭用冷凍庫 で冷凍貯蔵, ならびに加熱 処理した場合の ビタミンB.(以下, B,と略する) 含量の変化について調べたの で報告する . 1. 実. 験. 方. 法. 1。 材 料. )によると 豚肉はその部位によりB.含量がかなり 異なるの で 実験にあたっ ては 食品成分表3 , , B,含量が最も高いと示されている 「かた」 の部位を使用した . と殺後, 一度も冷凍処理されていない枝肉から精肉にされた直後の, しかも赤肉部と脂肪部が平 均的に分布している部分, 約600gを試料とした. なお試料はすべて約4cm2 , 厚さ 2 ~ 3 mm の カ ッ ト 肉 と した.600 gの豚肉を 300 g ず つ 2 分 し, そ れ ぞ れ を生 肉 試 料, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ処 理. 用試料として用いた. 検体は7個ずっとし, 検体1個の重量は 30~70 gと し た. ホームフリージン グ処理用試料は, 上記7個の検体を冷凍処理前にあらかじめ秤量してから1個. oCに 1 か ずつ0 6 T D) で-16 ,lmm の包装用フイ ルムで2重に包み, 家庭用冷凍冷 蔵庫(日立-48 1) ( ,.

(3) . 中 村 公 子. 34. 月間貯蔵した. 2. 冷凍庫内の温度測定. 日本電機工業調査によると,家庭用冷凍庫の扉開閉平均回数は,1日あたり1 5回といわれている. 本実験 ではこの結果をそのまま用いた. すなわち,午前9時から午後6時ま での間に,任意に15回の 扉の開閉を行い, 庫内の温度を測定した. なお1回の開閉時間はすべて10秒とした. 温度の測定は 2時, 午後3時, 6時の4回とし, 開扉時, 閉扉時の庫内温度を測定した. なお期間は 午前9時, 1 7月下旬の10 日 間 であ る.. 3. ドリ ッ プ お よ び加 熱処 理 に よ る 重 量 の 測 定. ホームフリージン グ肉を室温 で6時間放置して解凍し, 傾斜法でドリ ッ プを可能な限り採取した・ 後, 肉の表面の水分をろ紙 で除去してから ドリッ プ重量を測定した. また生肉およ び上記の解凍後の検体をそれぞれ5倍量の水 で1 0分間加熱沸騰させ,放冷後水分を. ろ紙 で除去してから重量の測定を行っ た. 4. B,の 測 定. 1) B,浸出液の調製. }によ り 行 われた す な わ ち 試料40~50 g を 秤取 し こ れを B.浸 出液の 調 製は 硫 酸抽 出 法8 , . .ホモゲナイザー で 十分磨砕し 0IN硫酸 包丁 で細かく切断した後, 乳鉢 で磨砕し, 更に水を加え, , , で pH を4 .5に補正し, 5%タカジアスターゼ液を浸出液全量の柘容加え, トルオールを数滴加え,. o 0%メタリン酸液を全量 37 C定温器中に一夜放置する. なお肉にはたん白質含量が高いため, 更に1 の%容混ぜ, 除たん白後,1再度pH を4,5に補正し, 一定量とする. これを遠心分離, ろ過後, 上清 を得て試料溶液とした. 2) B,標準液の調製 B,塩酸塩の結晶を用いてB,標準液を. 00.0omgを秤 調製した. すなわち結晶1 取 し, 約 20omg の水 で溶解し, 酢酸で pH2とし, 更に水を加えて総容量を l e. 表1. B, 1 l. とする. 本調製液のB.濃度は loogg/鰯 となる. 使用時には更に水 で希釈し, lo. n / ” ( d ハ .. gg/mg , 1 ”g/mg , 0.1”g/meの 各 溶 液 と. した, また比較のため国立衛生試験 所検 定のB,標準液(0.00IN塩酸1m e中塩酸. チ ア ミ ン 500gg含 有) 1 ア ン プ ル(2mg 入) を 水 で loomβと し, 10ggmaの 溶 液. として使用した. 3) B.の定量法. r o ハ b. 平. 度. (〆g). 10. 20. 40. 60. 0,070. 0.142. 0,222. 0.046. 0.070. 0.143. 0.214. 0.033. 0.072. 0.105. 0.230. 0.047. 0.075. 0,165. 0.221. 0,029. 0.068. 0.125. 0.230. 0.032. 0.065. 0.140. 0.206. 0.038. 0.070. 0.138. 0.221. ビタミンB,標準液 (B.標準品アンプル) の吸光度. 1 ▲ n ′ u Q U ハ .. 平. 濃. 0.042. B,. てo .1gの白土の量では吸着が著しく低 下 し た た め,0.2 gの白土を使用 した.そ 0mg で 行 っ た. な た. 比色測定を波長53. 均. 表2. B,の 定 量 は バラ ア ミ ノ ア セ ト フ ェ ノ ン 9 法 }に よ り 行 っ た. B,の 検 量 線 に は 白 土 0.1 g を使 用 し た が, 試 料 の 測 定 に つ い. のため 更に 同 条件 で検量 線の 作成を し. ビタミ ンB,標準液 (塩酸塩結晶) の吸光度. 均. (2). 濃. 度. (”g). 10. 20. 40. 60. 0.043. 0,086. 0.170. 0.265. 0 . .032. 0.070. 0.175. ・0.267. 0.040. 0.075. 0.187. 0.270. 0.040. 0.085. 0,175. 0,262. 0.039. 0.079. 0.177:. 0.266.

(4) . 豚肉 の ビタ ミ ン B .含量. 35. 吸光 度. お測定器は島津光電分光光度計 (QV- 50 型) であ る. 4) B,添加回収試験. …/. 添加回収試験 にあたっ ては, 試料溶液にB,塩酸 塩標準液 (1 g) 2m 0gg/m eを添加して行った . 1 1 実験結果およ び考察 1. 検 量 線 B.塩 酸 塩 標 準 液 鰯 あ た り 10gg , 1”g , 0.1”g. の各 濃度の溶液についてそれぞれ 比色 定量を行 い, 検 量 線 を 作 成 した. 表 1 は, B.濃 度 10gg~ 60ggに つ い て 比 色 定 量 を 行 っ た 結 果 であ る. 表 1 の 吸 光 度 0.038 , 0.070 , 0.138 ,0,221 は 直. 線的比例関係を示している。 B,標準液(国立衛生 試験所検定)10gg/鰯について同様に定量した結 果が表2 であ る。. 10. 図1. 30 20 4 0 ビタミンB,濃度. 。. (”g). ビタミンB,標準液の検量線 白土0. 2g 反応時間1時間2 0分 溶媒キシロール 530m”. 温 度. ;. 5 0. 0. 0. o. o. 0 ◎. ◎. ◎. l o. l l. 12. ;. ◎. ′. 13. 17. 1 8. (時). 図2. 家庭用冷凍庫内の温度変化 ○冷凍庫の閉扉時の温度 ◎冷凍庫の開扉時の温度. なお 白 土 0.2 g を使用して作成した検量線を図1に示したが. , これも直線的比例関係をあらわし ている. 試料中のB.含量の算出はこの検量線を基準と した。 2. 冷凍庫内の温度変化 o 冷凍庫内の温度変化を図2に示した。 冷凍庫の扉開閉に伴い, 庫内温度は-1 2 Cま で上昇するこ oCか ら -16 oCの 間 と 考 え ら れ る と があ る が, 平 均 の 貯 蔵 温 度 は -14 。 3. ドリ ッ プ量 と 加 熱 によ る 肉 の 重 量 の 変 化. (3).

(5) . 36. 中 村 公 子. 表3. (B). (A). 検体番号 凍結前重量 冷凍,解凍後のドリ、 (g) (g) 1. 73.1. 2. 35.3. 3. 42.I. 4. 38,5. 5. 48.4. 平. ホ ー ム フ リ ー ジ ン グを した 豚 肉 の,. 豚肉 (かた) の解凍後の ドリ ッ プ量. 解凍後の ドリ ッ プ量およ び加熱後の重. m 撞 密 x1. 量の変化について調べ たものが表3,. (%). ^ U. 表 4 であ る.. 4.1. n X U. 表 3, 表 4に み ら れる よ う に, ドリ ッ. 5.I. n { U. プ重量が, 凍結前重量の平均4.7%で あるのに対して, ドリ ッ プ除去後の減. 5.5. n X U. 4.7. n U. 少率は平均9 .7%となっ ており, その 差, 5%は冷凍中に昇華したものと考. 4.1. 均. 4.7. えられる. 従っ て包装を2重に しただけ では密閉度が不完全であると思われる.. 1 )の 結 果 と も ほ ぼ 一 致 し た 値 であ る 但 し ドリ ッ ドリ ッ プ の 割 合 が 4.7% であ る と いう の は 斉 藤1 .. プ除去後の減少率9.7%を全 ドリ ッ プ重量と考 えることも可能 であろう. 家庭用冷凍庫の使用にあたっ ては, ドリ ッ プ量を最少限に抑えるために, 冷凍装置, 食品材料, 解凍, 包装な どの諸条件を考慮すべき である.. 表 4 に 示 さ れ る よ う に, 加 熱 処 理, に よ る 重 量 の 減 少 率 は, 生 肉 では 平 均 37.1%, ホ ー ム フ リ ー ジ. 6. 7% であり, 後者が著しく高い. 本実験 では, 空気中に長時間放置して解凍さ ン グ肉 では, 平均4 プ せたため, ドリ ッ が多く生じ, 肉の保水性の低下とともに, 肉の組織も損傷を受けたためにこの ような減少が起こったものと考えられる.. 4, 冷凍肉の加熱処理によるB,含量の変化. ホ ー ム フ リ ー ジ ン グを した 豚 肉 のB, 含 量 の 変 化 を み る た め, 生 肉, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ処 理 肉,. 加熱処理肉のおのおのについてB・量を測定し, その結果を表5, 表6に示した. B・の添加回収率. は ほ ぼ 90~95.8% であ っ た. 生 肉 の B, 含 量 は 646.9”g % であ り, 加 熱 処 理 後 では,483.1”g % で あ っ た. 一 方, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ肉 では, 解 凍 後 ドリ ッ プを 除去 す る と そ の BI 含 量 は 442.0”g %. 1. となり, 更に加熱処理後では26 7”g %であった.これらB,含量の変化をまとめると, 豚肉をホー ム フ リ ー ジ ン グす る こ と に よ り, そ の B. 量 の 減 少 は 31.7%と な り, 更に そ れ を加 熱 す る と 59.5% 減 少 す る と いう こ と に な る.. 一般にB.のよう な水溶性ビタミン類は, 解凍の際に, ドリ ッ プに含まれてわずかながら失なわれ 表4. 豚肉 (かた) の加 熱処理による 重量変化 生. ホ. 肉. 検体番号. 重 (g). (g). (%). 1. 31,4. 20.9. 38.7. 平 注. ー. グ 肉. ム. メ童畠 減少率 量 望熱 亀 減少率 検体番号 重 量 蟹墾後ド 1. r 亀 減少率 (g). (g). (g). (%). 73.1. 66.5. 9.0. 40.9. 44.0. 20.4. 42.2 48.5. (%). 2. 43,5. 28.8. 34.8. 2. 35.3. 31.4. 11.0. 3. 30.3. 18.2. 40.0. 3. 42.1. 37.6. 10.7. 21.7. 38.5. 34.9. 9,4. 19.4. 49.1. 48.4. 44.3. 8,5. 24.5. 49.4. 4. 21.6. 14.6. 32.4. ・ 4. 5. 52.1. 31,5. 39.5. 5. 均. 37.1. 平. 均. 97. 46.7. oC 期 間 は 20日貯蔵した肉を使用 ホームフリージン グ肉の検体は ホ ー ムフ リ ー ジン グ処 理 は -16 , , , 表 3に 示 して あ る も の と 同 じ.. (4).

(6) . 豚 肉の ビタ ミ ン B.含量. 表5. 37. 生 豚肉 (かた) の加 熱による ビタミ ンB,含量. 口 回収率 置総 髪 尊 吸光度 罷平 私室 昇 雛夏型 髭 乳非 B添加 (%) % 加 菱 丸 月 リ. 10. 20. 1. 0.029. 8.5. 687.3. 2. 0.027. 8.0. 647.2 646.9. 1. 0.055. 16.0. 2. 0・052. 15,0. 平均 加 熱 後. 一 10. 20. 0,019. 5.6. 442,9. 2. 0.022. 6.7. 523.4. ・ 1. 0.042. 12.8. 503.2. 2. 0.039. 11.8. 463,0. 平均. -. 27.5. 95.0. 0,118. 34,5. 92.5. 606.5 646,9(A). 1. 減少率: 堕 さ夫~B)×1 0 0. 0.094. 483.1(B). -. 93.8. 0,080. 24,5. 94.5. 0‐〇98. 3〇‐3. 87‐5. -. 91,o. 25 .3(%). 注 添加回収率における誤差については今後の検討を要する . 表6. ホームフリージ ン グ豚肉 (かた) の加 熱による ビタミンB,含量. 口 墜落 馨 尊 吸光度 L闘感 暴雛 綾 奉 鳶 } 麦 % 加 菱 丸 別. 10. 20. 1. 0.019. 5.5. 424.6. 2. 0.023. 6.5. 501.8. 1. 0.034. 9.8. 378.3. 2. 0・042. 12・0. 463・2. 1. 0,016. 4.5. 264,6. 2. 0.018. 5‐3. 311‐6. 1. 0,029 0二026. 8.5. 249,9. 7,5. 22o.5. 平均 加 熱 後. - 10. 20. 2. 平均. リ xlm 減少率: 越さ天~B. -. 442,0(A). 261,7(B). 平 B添加回収率 (%). 0.080. 23,3. 89.0. 0,096. 28,0. 91.0. 一. 90.0. 0.082. 23.7. 96,0. 0.095. 27.5. 95.5. -. 95,8. 40.8(%). 注 添加回収率における誤差については今後の検討を要する .. 衷7. 豚肉 (かた) の ビタミンB.含量の変化. (A). (B). (C). ( ”g%). (”g%). (”g%). (%). (%). 646,9. 442.0. 261,7. 31.7. 59.5. 減. 少. 率. 減. 少. 率. ’ B 生肉の 〆『, た今後芸〆寡&蟹容量ド 鱒品声』・ o o 」*ごド× ・ .含量 さす“ 歯 蕩g o o. (5).

(7) . 中 村 公 子. 38. 表8 国際冷凍協会で定める冷凍肉の規格 凍. 冷 冷. 肉. 却. 半 凍 結 肉 凍. 結. 肉. 深 温 凍 結 肉. 肉. 保 持 温度. l t i l l ) t (Ch ed mea ed mea ,Coo. - 1℃ ~10℃. i l l t ) (Supe rch ed mea. - 3℃ 前後. t ) (Fr ozen mea. - 15℃ 以 下. ) (Deepf r ozen meat. - 18℃ 以 下. 97 0) より 加藤 (1. るもの であり, また動物性食品の 場合は, 凍結, 貯蔵, 解凍などの 条件が良ければ,BIの損失はほと ん ど な いも の と さ れ て い る.. ) ドリ ッ プ の 発 生 に つ い て加 藤4. は, 枝肉よりも肉片の方が多く, また死後硬直終了前の肉の方が硬. 直終了後のそれよりも多いと報告 4 ) なく している. 加藤 は更に, 急速凍結の方が緩慢凍結の方よりも少 , 貯蔵に際しては, その温度変 化 が な い ほ ど少 な い こ と も 報 告 し て い る.. o )は 死 後硬 直 前のき わめ て 新 しいう ちに 凍 結 した 牛 肉を, 30 C 以上で解凍した場 Ma r sh ら7 ,. o 0%以下 Cで解凍すると, 1 合, ドリ ッ プの発生量は30%以上となり, 一方硬直中に凍結した肉を18 に な る こ と を 報 告 し て い る.. これらのことから, もしも肉をカ ッ ト肉としないで, かたまりのまま用い, 肉の熟成時間をも考 慮に入れてホームフリージン グを行うならば, ドリ ッ プ発生がどのように変化するかきわめて興味 深 い と こ ろ であ る.. )によれば 工業的な冷凍食品としての 国際冷凍協会の定める冷凍肉の規格を表8に示した.加藤4 , o C以下で急速に凍 結させた, いわゆる 「深温凍結肉」 を指 肉は, 一般に死後硬直終了 後の肉を-18 o すの であるが, 本実験におけるホームフリージン グは,「凍結肉」にあたる条件(保持温度, -15C以 oC で直接凍結し 凍結期間を1か月とした これは, 一般 家庭で食 下) を採用した. すなわち-16 , . 品をフリ ージン グする際, 冷凍庫の開閉に 伴う庫内の温度変化があるため, 常に深温状態には保ち にく いことを考慮したからである. o )は -1 ては低温空気で緩慢に行うと, 品 熊谷5 , 8C以下の低温で1か月間深温凍結し, 解凍に際し 質 差 は あ ま り 認 め ら れ な い と 報 告 して い る. 本 実 験 では, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グを し た 豚肉 の BIの 損. 失のみに注目したのであるか ら, 材料の品質, 鮮度, 冷凍, 解凍などの条件については 触れないこ と と す る.. 生 肉 か ら ホ ー ム フ リ ー ジ ン グを し, 更 に 加 熱 処 理 す る と, そ の BI量 の 損 失 は, 59.5% であ り, 加. 熱 処 理 の み に よ る B.の損 失 は 40.8% と な り, 従 っ て ホ ー ム フ リ ー ジ ン グの み に よ る B,の 損 失は,ほ ぼ 10% 前 後 と 推 測 さ れ る. こ の こ と か ら, 豚 肉 の ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ処 理に よ る BIの 損 失 は, 一 般. の調理による損失に 比べて僅少 であると考えられる. )は 加熱方法によ り一般的には 50~60 Leong6 , 豚 肉 の 調 理 に お け る B,含 量の減少について, o 0分加熱すると80%以上失うことを 21Cで11 %損失するとし, 特に高温で長時間の場合, 例えば,1 1 ) h A 3 %の損 失となり, 比較的高温, 短時 一 も豚肉をローストする時は4 方 ら ug ey 認めている .. 間処理 である炎焼の時よりも3倍近く の減少をみることを報告 している. 本実験 での加 熱処理肉は, 生豚肉をホームフリージン グの後, 室温で長時間放置して解凍し, 更. に水を加えて煮沸した もの である. 従っ てその煮汁中へのB,の損失はきわめて 大きいものと予 想 されたが, 実際には, 従来の水煮処理によるB・の損失と比べ大差はなかっ た. 食品の冷蔵技術については, 中学校家庭科の教育内容中, 2学年 「成人の食生活」 において冷蔵 庫の使い方という題材 で若干触れられているに過 ぎない. 近年, 2 ドア式冷凍・冷蔵庫が一般家庭に広く 普及されている. いわゆるコール ド・チェ ーンの (6).

(8) . 豚 肉の ビ タ ミン B ,含量. 39. 機構内 で扱われる工業的な冷凍食品とは別に, 生の食品を家庭 で冷凍貯蔵することは今後ますます 多くなることと思われる.従っ てホームフリージン グに関する基礎的な資料も必要となる であろう 。 本 報 で示 した ホ ー ム フ リ ー ジ ン グに よ る 豚 肉 のB・含 量の 変 化 は わ ず か そ の 1 例 に 過 ぎ な い が 今 , , 後 多く の 研 究 者に よ り, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グに つ い て の デ ー タ ー が 得 ら れ る な ら ば こ れ ら の 資 料 ,. は家庭科の教材として大いに役立つこと であろう. m. 要. 約. 1. 豚肉 (かた) を家庭用フリーザー で冷凍貯蔵し, それを解凍 加熱する過程 で ドリ ッ プ量 , , とビタミンB,含量がどのよ うに変化するか を調べた , 2. 肉の重量は, 生肉を加熱処理した場合は 37.1% の 減 少 に と どま る が, ホ ー ム フ リ ー ジ ン グを. した肉を加熱処理すると46. 7%の減少となっ た. 3. 冷凍貯蔵した肉を解凍 (空気中, 6時間, 室温) すると, 発生する ドリッ プ量は, 4.7% であ るが, ドリ ッ プ除去後の豚肉の重量は9.7%の減少となっ た.その差5%は冷凍貯蔵中に昇華した も の と 考 え ら れる.. 4. ホ ー ム フ リ ー ジ ン グ処 理 す る と, B.含 量 は 31.7% 減 少 し さ ら に 加 熱 処 理 した も の では 59 , .. 5%減少 した,. この報文の校閲をしていただいた北海道教育大学旭川分校化学科教授奥田五郎, およ び実験にあ たり種々の御指導下さった同分校家庭科助教授北川 三郎の両先生に深謝の意を表する なお実験に 。 協力された本学学生大山八千代嬢にも合わせ て謝意を表する 。 文. 献. 1)Aughey ie l 1940 )/ 朋 z仏 19 ,E.& Dan ,E.P,( ,: ビタ ミン B.研究 特別 委員 会 編, ビタ ミンB, ,285 , 創 元社, 東 京 (1950) p .233より引用. .. d 2) Awar 1969 )/ Foodscも 3 4 ,A,& Fenneme ,0.( .;桜井芳人監修, 冷凍食品ハンドブック, 光琳書院, 東京 ,1 (1974) p .523 より引用. , 3) 香川綾:食品成分表, 女子栄養短大出版部, 東京 (1 971 )p 6 ,3 . 4) 加藤舜郎:食品冷凍の理論と応用, 光琳書院, 東京 (1 95 4 4 2 )p ,4 . 5) 熊谷義光 (1 2 ) 冷凍食品の解凍, 日本食品工業学会誌, 1 97 9 1 , . 34一46 .. 6)Leong 1940 )/ 朋αリ修 β知〃cね rnをα sの.4 ,0.C.( .As ,日“云 .: ビタミ ンB.研 究特別 委員 会編, ビタ ミンB, ,66 ,. 創元社, 東京 (1 3より引用. 9 50 )p .23. 1958 7) Mar sh )ノ Sd Rd r o 17 , B.B,& Thomps ,T,( ,J .Agγた ,9 .:加藤舜郎, 食品の低温処理, 養賢堂, 東京 ,4 3 0 2 (1970) p より引用 . , 1960 8) Mcr t )/ A. ○ obe r s .A,C .43 ,L.H.( .: 藤田 秋 治, ビタミ ン 定 量 法, 南 江堂, 東京 (1960)p, 259より ,47 引用, l i 9) Me l d 1939 ′ n ck )/ βZ e o 7 夕 2 ,E.& Fi ,H.( .C珍g .130 ,: 藤 田 秋治, ビタミ ン 定 量 法, 南 江堂, 東京 (1960) p ,256 よ り 引 用, 10) Meyer l 1963 )ノ A ey dC毎肌,1 15 25 ’ ‘Fo o g ,B.& Buck ,R.( ‐ ,:桜井芳人監修 冷凍食品ハン ドブ ク 光琳書. , , 院, 東京 (1 5より引用. 9 4 )p 7 ,52 1 1 ) 斉藤不二男 (1 9 7 6 ) 冷凍畜肉の解凍, コールドチェーン研究, 2, 2. 24一30 .. (7). ッ ,.

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