学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察 ― 抵抗感の低減と意欲の向上を目指した教員養成課程の講義づくり ―
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(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第70巻 第1号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 70, No.1. 令 和 元 年 8 月 August, 2019. 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察 ― 抵抗感の低減と意欲の向上を目指した教員養成課程の講義づくり ―. 芳賀 均・山内 芳春*・佐藤 友夏 北海道教育大学旭川校音楽教育研究室 *. 北海道教育大学大学院教育学研究科. A Study of Student Awareness Concerning Primary School Music Instruction: The Creation of Lecture Materials for Teacher Training Courses Designed to Reduce Feelings of Hesitation and to Motivate Students. HAGA Hitoshi, YAMAUCHI Yoshiharu* and SATO Tomoka Department of Music Education, Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education *. Graduate School of Education, Asahikawa Campus, Hokkaido University of Education. 概 要 これは,大学の授業に関する授業研究である。学生が将来的に小学校の教育現場において「ピ アノが苦手だから音楽の授業には積極的になれない」とか「私は音楽は教えられない」という 意識を克服した状態で教育活動に臨めるような内容を提供する講義を行いたい。学生各自が授 業を構成できるという実感をもつことが重要であると考え,筆者らはこれまで,授業の様々な 活動や方法を取捨選択して授業を構成することができる「授業づくりカード」,さらに授業の 内容や方法,講義に使用する印刷物(プリント教材)の工夫に取り組んだ。それらの実践には, 概ねその効果があることを感じていたが,本研究では,そのことと学生の小学校音楽科の授業 に対する抵抗感の低減・意欲の向上に関する意識の変化との関係について,量的・質的に分析 することを目的とした。学生の授業づくりへの意識の変化を検討した結果,抵抗感の低減と意 欲の向上に対する効果が確認された。. はじめに これは,大学の授業に関する授業研究である(本稿では,混乱を防ぐ都合上,これ以降大学の授業を「講 義」 ,小学校の授業を「授業」と記述する)。筆者は,学生が将来的に小学校の教育現場において「ピアノが. 305.
(3) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. 苦手だから音楽の授業には積極的になれない」とか「私は音楽は教えられない」という意識を克服した状態 で教育活動に臨めるような内容を提供する講義を行いたいと考える。小学校音楽科の授業を行うにあたって, 大学で音楽を専攻していない教師においては,少なからず積極的に取組みづらい状況がある。そして,それ は,まだ教師になる前の教員養成課程の学生にも見られる意識である。 筆者は,これまでの実践において,学生各自が授業を構成できるという実感をもつことが重要であると考 え,音楽の授業の様々な活動や方法を取捨選択して授業を構成することに資する,モジュールの形をとった 道具として, 「授業づくりカード」を作成した1)。さらに,筆者らは,授業の内容や方法,講義に使用する 印刷物(プリント教材)の工夫に取り組んだ2)。 そうした実践において徐々に見いだされてきた講義の方法や内容・教材に関する知見(〈1〉で後述)には, 概ねその効果があることを推察していた。本研究では,その知見と,学生の小学校音楽科の授業に対する抵 抗感の低減・意欲の向上に関する意識の変化との関係について,量的・質的に分析することが目的である。 それがひいては,学生の小学校音楽科の授業を実践する意欲の向上に資することを目指す。その点に本研究 の意義がある。. 1 教科指導法「小学校音楽科教育法」について ⑴ 授業の概要 北海道教育大学旭川校における「小学校音楽科教育法」は,学生が小学校の教員免許状の取得を目指す上 で受講し,単位を修得する講義の一つである。主に学習指導要領や学習指導に関する理論および実践につい て学ぶことが趣旨となっている。しかし,学生の求めに応じて,楽典等の内容やリコーダー等の実技に関し ても適宜取り扱うことになり,講義の内容は多岐に亘る上に分量も膨張せざるを得ない状況である。ただ, 筆者としては,要望にできるだけ応えることが,関心や意欲の保持・向上に不可欠であると考え,将来の自 学につながるよう配慮した形で触れることにしている。 講義の方法と内容3)に関する概要は,【図1】の通りである。 半期15回の講義において,小学校における歌唱共通教材24曲の全てと鑑賞教材の例を合わせて30曲程度を 扱い,教材についての知識に触れつつ,その楽曲を活用して,関連する学習指導要領の解説や音楽的な基礎 知識・技能,授業の構成方法等について学習する。その際,音楽づくりやリコーダー奏,指揮や合奏等の実 技演習も取入れる。短時間で授業の構成ができるようにするため,毎回5分間で,提示された教材でどのよ うに授業を構成するか,授業づくり演習を行う。学生が授業プランを作成後,「授業の鉄人」と称するTA (ティーチングアシスタント)からモデルプランを提示し,比較検討するというTT(ティームティーチング) の形で行う。このように,あくまで「教材を教える」のではなく,教材を通して学習するという「教材で教 える」ことを重視した講義である。講義を通して,とにかく音楽を楽しんだり味わったりする経験と,音楽 の授業を実践できるという手応えを学生自身が感じられるようにするねらいをもって行う。 ⑵ 「授業づくりカード」の使用 前項〈1⑴〉を踏まえ,例えば「聴く」についても,「歌詞を見ながら」「体を動かしながら」等,多様な 〈はじめに〉 方法や活動を掲載して拡充4)した「授業づくりカード」を重視する。講義を他の実践者が追試し, に掲げた意義に迫りやすくするためにも,活用しやすい用具が必要であると考える。その「授業づくりカー ド」は, 【図2】および【図3】に掲出する120枚であり,学生が必要性を感じ始める第6回で投入する。. 306.
(4) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察. 【図1】講義の方法と内容. 2 本研究の方法 本研究では, 〈1〉の方法や内容(【図1】~【図3】に掲出したもの)を網羅する形で組込んだ講義(平 成29年度)を行い,それらと学生の授業づくりへの意識の変化との関連を検討する。方法としては,学生に 対してアンケート調査を行い,その各結果の差を有意水準5%で両側検定のt検定によって統計的に検討す る。また,ワークシートにおける自由記述に関し,SCAT(次節にて後述)によって分析する。. 3 アンケートの項目と結果および考察 アンケートは,第1・7・15回の講義時に実施した。サンプル数は56(完全回答のアンケート結果)名で あった。 ⑴ 「授業を行うことができる」という気持ちについて この設問は, 学生が,自分は音楽の授業を行うことができると感じているか(できる「5」~できない「1」 の5段階評価) ,実態に拘らず,その気持ちを問うたものである。 【表1】から, 「授業を行うことができる」との意識,すなわち授業をできそうだという気持ちは,回を 追うごとに高まったといえる。 ⑵ 「授業を行いたい」という気持ちについて この設問は,学生が,音楽の授業を行いたいという気持ちをもっているかを問うたものである。 【表2】から, 「授業を行いたい」という気持ち,すなわち授業をやりたいという意欲は,講義を通して 高まるが,それは講義期間半ばまでよりも,半ば以降における上昇が明らかである。つまり,知識・技能が. 307.
(5) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. (下) 【図2】・(上)【図3】授業づくりカード. 308.
(6) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察. 【表1】設問①「授業を行うことができる」に対する5段階評価による回答結果 5できる. 4. 3. 2. 1できない. 平均. 第1回. 0%. 3.6%. 23.2%. 33.9%. 39.3%. 1.91. 第7回. 0%. 1.8%. 42.8%. 50.0%. 5.4%. 2.41. 第15回. 0%. 3.6%. 69.6%. 25.0%. 1.8%. 2.75. ①設問「授業を行うことができる」に対する回答結果(5段階(1-5)評価)の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=3.64. p<0.01. 統計的に有意である. 第1回と第15回. t(55)=6.25. p<0.01. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=3.65. p<0.01. 統計的に有意である. 【表2】設問②「授業を行いたい」に対する5段階評価による回答結果 5行いたい. 4. 3. 2. 1行いたくない. 平均. 第1回. 1.8%. 8.9%. 48.2%. 39.3%. 1.8%. 2.70. 第7回. 3.6%. 12.5%. 53.5%. 30.4%. 0%. 2.89. 第15回. 1.8%. 32.1%. 51.8%. 12.5%. 1.8%. 3.20. ②設問「授業を行いたい」に対する回答結果(5段階(1-5)評価)の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=1.80. p>0.05. 統計的に有意でない. 第1回と第15回. t(55)=4.18. p<0.01. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=2.99. p<0.01. 統計的に有意である. ついた実感を得て以降,後半に高まると考えられる。 ⑶ 学生自身の「具体的な授業方法に関する知識」の多少についての感じ方について この設問は,学生が,音楽の授業を行うための知識をどの程度もっていると思うかを問うたものである。 学生自身の「授業方法に関する知識」についての意識の変化である。授業方法に関する知識が増加したと の感覚は講義を通して高まるが,それは講義期間半ばまでよりも,「授業づくりカード」が投入された講義 半ば以降における上昇が【表3】から読み取れる。 【表3】設問③「具体的な授業方法に関する知識」についての意識 回/ (肯定・否定). 第1回. 第7回. 第15回. 項目. 多い. 少ない. 多い. 少ない. 多い. 少ない. 具体的な授業方法に関する知識. 37.5%. 62.5%. 46.4%. 53.6%. 83.9%. 16.1%. ③「具体的な授業方法に関する知識」が「多い」と感じているか「少ない」と感じているかに対する回答結果の 差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=1.15. p>0.05. 統計的に有意でない. 第1回と第15回. t(55)=6.09. p<0.01. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=4.76. p<0.01. 統計的に有意である. ⑷ 学生自身の「音楽の実技」に対する得意・不得意の感じ方について この設問は,学生が,音楽の実技をどのように感じているか(得意・不得意)を問うたものである。. 309.
(7) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. 本講義は実技中心ではないが,最終的に「得意」が増加し「不得意」が減少した(【表4】参照)。講義期 間後半の上昇が見られるが,特に中盤以降で,音楽づくりや歌唱,器楽に関する指導法という,演奏とは異 なる実技演習を取入れたこととの関係を推察する。 【表4】設問④「音楽の実技」が得意か不得意かについての意識 回/ (肯定・否定). 第1回. 第7回. 第15回. 項目. 得意. 不得意. 得意. 不得意. 得意. 不得意. 音楽の実技. 51.8%. 48.2%. 48.2%. 51.8%. 64.3%. 35.7%. ④「音楽の実技」が「得意」あるいは「不得意」と感じていることに対する回答結果の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=0.47. p>0.05. 統計的に有意でない. 第1回と第15回. t(55)=1.36. p>0.05. 統計的に有意でない. 第7回と第15回. t(55)=2.13. p<0.05. 統計的に有意である. ⑸ 学生自身の「音楽の授業の楽しさの実感」の濃さについて この設問は,学生自身が,音楽の授業は楽しいという実感をどの程度もっていると思うか(その実感の濃 さ・薄さ)を問うたものである。 【表5】によれば,学生自身の音楽の授業は楽しいという実感が回を追うごとに濃くなっている。第1回 の受講前と比べて上昇し続けるが,それは講義期間前半でもたらされ,そのまま後半まで保たれることが分 かる。 【表5】設問⑤「音楽の授業の楽しさの実感」が濃いか薄いかについての意識 回/ (肯定・否定). 第1回. 第7回. 第15回. 項目. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 音楽の授業の楽しさの実感. 60.7%. 39.3%. 78.6%. 21.4%. 87.5%. 12.5%. ⑤「音楽の授業の楽しさの実感」に対する回答結果の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=2.32. p<0.05. 統計的に有意である. 第1回と第15回. t(55)=3.41. p<0.01. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=1.40. p>0.05. 統計的に有意でない. ⑹ 学生自身の「音楽の授業の効果に関する実感」の濃さについて この設問は,学生自身が,音楽の授業には,例えば学級経営や他教科の学習等に及ぼす効果があるという 実感(有用感)をどの程度もっていると思うか(その実感の濃さ・薄さ)を問うたものである。 音楽の授業に,例えば学級経営や他教科の学習等への効果があるという実感は,第1回の受講前と比べて 上昇し続けるが,特に講義期間前半でもたらされ,後半まで保たれることが分かる(【表6】参照)。知識等 の向上につながる,音楽の授業には教育に対する効果があるという気持ちを,講義前半でもたらすような講 義方法や内容が重要であると考える。 ⑺ 学生自身の「音楽の授業の意義を実感」の濃さについて この設問は,学生自身が,音楽の授業は,例えば生涯学習,生活や社会において生きるという実感(有用 感)をどの程度もっていると思うか(その実感の濃さ・薄さ)を問うたものである。. 310.
(8) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察. 【表6】設問⑥「音楽の授業の効果に関する実感」が濃いか薄いかについての意識 回/ (肯定・否定). 第1回. 第7回. 第15回. 項目. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 音楽の授業の効果に関する実感. 42.9%. 57.1%. 75.0%. 25.0%. 76.8%. 23.2%. ⑥「音楽の授業の効果に関する実感」に対する回答結果の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=3.78. p<0.01. 統計的に有意である. 第1回と第15回. t(55)=3.96. p<0.01. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=0.24. p>0.05. 統計的に有意でない. 【表7】設問⑦「音楽の授業の意義を実感」が濃いか薄いかについての意識 回/ (肯定・否定). 第1回. 第7回. 第15回. 項目. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 濃い. 薄い. 音楽の授業の意義を実感. 64.3%. 35.7%. 82.1%. 17.9%. 85.7%. 14.3%. ⑦「音楽の授業の意義を実感」に対する回答結果の差についてのt検定の結果 第1回と第7回. t(55)=2.20. p<0.05. 統計的に有意である. 第1回と第15回. t(55)=2.57. p<0.05. 統計的に有意である. 第7回と第15回. t(55)=0.574. p>0.05. 統計的に有意でない. 音楽の授業における,例えば生涯学習,生活や社会において生きるという実感は,第1回の受講前と比べ て上昇し続けるが,特に講義期間前半でもたらされ,後半まで保たれることが分かる(【表7】参照)。児童 が音楽の学習をする意義を感じ取り,実感させることを講義前半でもたらすことが,知識等の向上につなげ る上でも重要であると考える。 ⑻ 「授業づくりカード」が設問①~⑦の回答に影響したか否かについて この設問は,先述の設問①~⑦への回答内容に対して,「授業づくりカード」(〈1⑵〉参照)が与えた影 響の強さを問うたものである。 先述の設問①~⑦への回答内容に対して「授業づくりカード」が与えた影響の強さを5段階(強い5~1弱 い)で回答してもらったところ,【表8】のように,「5」「4」の合計が39.3%から75.0%へと,増加したこ とが分かる。このことから, 「授業づくりカード」は,学生自身の,音楽の授業に対する様々な意識の変化 に対して影響を与えることが分かる。 「授業づくりカード」が配布されて間もない第7回から最終の第15回 までにおいて,設問①②③④に関して見られた変化との関わりが推察される。 【表8】授業づくりカードが設問①~⑦の回答に与えた影響の強さに関する回答結果 5. 4. 3. 2. 1. 平均. 第7回. 3.6% (2名). 35.7% (20名). 50.0% (28名). 8.9% (5名). 1.8% (1名). 3.30. 第15回. 5.4% (3名). 69.6% (39名). 19.6% (11名). 3.6% (2名). 1.8% (1名). 3.73. 「授業づくりカード」が与えた影響の強さに対する回答結果(5段階(1-5)評価)の差についてのt検定の結果 第7回と第15回. t(55)=3.77. p<0.01. 統計的に有意である. 311.
(9) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. 4 ワークシートにおける学生の自由記述に関する検討と考察 全15回の講義中,学生がワークシートに書いた自由記述から読み取れる意識をSCATによって分析する。 SCAT(Steps for Coding and Theorization)は, 「観察記録や面接記録などの言語データをセグメント化し, そのそれぞれに, 〈1〉テクスト中の注目すべき語句, 〈2〉それを言いかえるためのテクスト外の語句, 〈3〉 それを説明するための, 〈4〉そこから浮き上がるテーマ・構成概念の順にコードを考案して付していく4 ステップのコーディングと,そのテーマや構成概念を紡いでストーリー・ラインと理論を記述する手続きと からなる分析手法」である5)。全記述(54件)と分析は以下の通りである(【表9】参照)。 【表9】講義中に学生がワークシートに書いた自由記述をSCATによって分析した結果 番 号. テクスト. 〈1〉 テ ク ス ト 中 の注目すべき語句. 〈2〉 テ ク ス ト 中の語句の言い かえ. 〈3〉 左 を 説 明 す るようなテクスト 外の概念. 〈4〉テーマ・構成概念 (前後や全体の文脈を考 慮して). トライアングルや タンバリン,しょ うもない楽器,い い音,楽しい楽器. 小物楽器,下ら ない楽器,良質 で楽しい楽器. 楽器の知識. 1. 先生の説明を受けるまで,トライアング ルやタンバリンはしょうもない楽器だと 思っていたが,とてもいい音がでる楽し い楽器だということを知った。. 授業を行うにあたって必 要な楽器の知識. 昔はつまらないと思っていた鑑賞も教師 の手立てによってはとてもおもしろい物 になるということを知ることができた。 今日も楽しかった。. つまらないと思っ ていた鑑賞も教師 の手立てによって はとてもおもしろ い物になる. つまらなかった 鑑賞も教師の授 業法で面白くな る. 授業法の工夫. 子どもにとって楽しい授 業をするための授業法の 工夫. どのような鑑賞 の授業を受けた のか. 音楽はあまり5教科の勉強するような教 5教科,結びつか 科と結びつかないと思っていたが,今回 ない,大事にすべ のように話すことができる教科(筆者 き 注:難しい歌詞を現代語訳したり絵で説 明したりすること)は大事にすべきだと 思った。. 5教科と同様に 扱うべき. 主要教科との垣根. 主要教科同様に音楽を取 り扱うこと. 主要教科との違 いは. 国算理社などと違い軽く見られてしまい 国算理社,軽く見 がちな音楽を,一人一人の心を育てる教 られ,音楽,心を 科だと思います。 育てる教科. 4教科よりは軽 視されるが音楽 は情操教育の教 科である. 主要教科との垣根 情操教育. 主要教科同様に音楽を取 り扱うこと,情操教育の ための音楽科. 主要教科との違 いは. 授業法の工夫. 子どもにとって楽しい授 業をするための授業法の. 2. 3. 4. 音楽が苦手でいままでできなくてつら 音楽,苦手,でき 音楽が不得意で かったけど子どもに音楽が好きだと思っ な く て つ ら か っ あるが子どもが 5. 6. 7. 8. てもらえるようにラジカセや指1本でも た,子ども,好き 楽しくやりたい。 だ,ラジカセ,楽 しく. 楽しめるよう教 具を活用. 本来,音楽が苦手ですが,たくさんのひ 音楽,苦手,ひき きだしをつくりたいと思いました。 だし. 音楽が不得意, 知識. 不得手. 音楽に対する教師自身の 苦手意識の改善. 伴奏が苦手な意識があるので,取り除け 伴奏,苦手,取り たらいいなと思う。 除けたらいい. ピアノが不得 意,克服. 演奏技能. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技 能. 自分は伴奏ができないけど,ひき方も少 伴奏,できない, しの工夫で,少し簡単にできることが分 少しの工夫,簡単 かった。 にできる. ピアノが不得 意,工夫するこ とで弾けるよう. 演奏技能. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技 能. 工夫. ピアノを克服. 演奏技能. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技. 読譜. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 授業力の向上を 目指す. 授業法の工夫. 子どもにとって楽しい授 業をするための授業法の 工夫. になる 9. ピアノでの伴奏ができるようになりたい 伴奏,できるよう です。 になりたい. 能 マ. マ. 曲の雰囲気をつかめるように楽符を読め. 曲の雰囲気,つか める,楽符を読め るようになりたい. 10. るようになりたい。. 11. 学年があがるごとに授業のレベルがあ 自信がない,レベ がっていってうまくつくれているか自信 ルアップを目指し がない。自信がもてるよう,レベルアッ たい プを目指したい。. 312. 〈5〉 疑 問・ 課 題. 音楽の何が苦手 なのか.
(10) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察 授業づくりカードはうれしかったです。 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー 12. 自分は要領がよくないので音楽にかぎら ド,うれしかった. 授業内容の選択肢. ド,有効. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. ずいろいろなくふうしたいですね。. 13. 授業づくりカードはとても参考になりま 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー. 授 業 内 容 の 選 択 授業づくりカードにより. した。 伴奏は同じ音でも和音で弾くのか, ド,とても参考に. ド,有効,単音. 肢,演奏技能. 単音で弾くのかによっても雰囲気が変わ なりました, 「シ」. 伴奏. るのだなと思った。 「シ」だけでも伴奏. だけでも伴奏に. によって楽しくなると思った。. よって楽しくなる. 実際に自分の計画に幅がでた気がしまし ド,自分の計画に た。. 15. 16. 17. 行うにあたって必要なピ アノ伴奏などの技能. 授業づくりカードを見てみて作ってみて 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー 14. 授業内容の充実,授業を. 授業内容の選択肢. ド,有効. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 幅がでた. 授業をつくるにあたって組み立てる方法 方法がたくさんあ. 授業法の豊富. 授業内容の工夫,. 主要教科同様に音楽を取. がたくさんあるのだと学んだ。小学生か る,感性豊かに授. さ,感性を豊か. 情操教育. り扱うこと,情操教育の. ら感性豊かに授業ができると今後の音楽 業ができると今後. にできるのは音. に対する意識が変わると思った。. 楽. の音楽に対する意 識が変わる. ための音楽科. 授業づくりカードがあることで,自分で 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー は思いつかないことがたくさんあって, ド,とても参考 ド,有効 とても参考になった。. 授業内容の選択肢. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 授業づくりカードが配られたのでその中 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー からできる限り面白そうなものを選びだ ド,面白そうなも ド,有効 しました。特にしてみたいなと思ったの の. 授業内容の選択肢. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. は 「聴く (曲名を示し,異なる曲を流す)」 でした。何かの機会につかってみたいで す。 授業づくりカードを参考にすると,これ 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー まで以上に組み立てがしやすい。 ド,組み立てがし ド,有効 やすい. 授業内容の選択肢. 18. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 授業内容の選択肢. 19. 去年いろんなところできいた,授業づく 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー りカード,実際に見て,指導のしかたを ド,より使いやす ド,有効 勉強しているのでより使いやすいなと思 い いました!参考にしたいです。. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー ド,選択肢が増え, ド,有効 とても助かりまし た. 授業内容の選択肢. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 20. 授業づくりカードがあると選択肢が増 え,分かりやすいのでとても助かりまし た。こいのぼりはリズムノリ,はねるイ メージの曲調をどう捉えさせるかに頭を 抱えましたが,伴奏に注目すれば良いと いうことをきいて勉強になりました。. 授業づくりカードを利用して今後マイッ 授 業 づ く り カ ー 授業づくりカー タさん(筆者注:TAの講義時の名前) ド,マイッタさん ド,TAよ り 優 に勝てるように授業をつくっていきたい に勝てるよう れた授業構成 と思いました。また今回は音ぷについて. 授業内容の選択肢 競争,意欲. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. TAよ り 優 れ た 授業構成. 競争,意欲. TAとの競争による学生 の意欲向上. 21. 学ぶことができてよかった。 22. 創作の面の発想がマイッタさんに負けな マイッタさんに負 いくらい良いと思えるものがつくれたと けないくらい良い 思いました。 今回はマイッタさんと授業構成が似てお はマイッタさんと り自分の成長を感じました。 授業構成が似て, 自分の成長. TAよ り 優 れ た 授業構成,授業 力の向上. 競争,意欲. 23. TAとの競争による学生 の意欲向上. 最近模擬授業を作ることが増えました 小音教での授業づ 他教科の授業構 が,小音教での授業づくりは結構役に く り は 結 構 役 に 成にも有効 立っています。 立っています. 教科横断的. 24. 講義での授業構成作成が 他教育法へのつながり. 有意義な授業. 充実した授業. 25. 楽しませること,自分自身が楽しく授業 楽しませる,楽し を行うことの大切さをこの講義を毎回実 く授業を行うこと 感させられる。バランス良い指導計画が の大切さ んばろうと思った。. 子どもにとって楽しい授 業をするための授業法の 工夫. 26. 「気づかせる」授業の大切さに気がつき 「気づかせる」授 ました。 業の大切さ. 気づきの大切さ. 問題解決. 313.
(11) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. 27. リコーダーの面白いふき方の話(筆者 リコーダーの面白. リコーダーの奏. 注:息の速度のコントロール法を具体的 いふき方. 法. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. なイメージで解説)が楽しかった。とん びの曲が前より楽しく感じて,好きに なった。 楽ふをバラバラにして並べなおす取りく 楽ふをバラバラに. 28. 授業法. 授業法の工夫. みはなかなかのアイディアだと思いまし して並べなおす. 主要教科同様に音楽を取 り扱うこと. た。茶つみのふりつけなども子どもたち がよろこびそうです。. 29. 今回は実際にピアノを弾いたり,曲も組 ピアノを弾い,授. ピアノ演習,有. 実技演習,充実し. 授業を行うにあたって必. み替えてみたりと活動が多かったのでと 業で楽しい活動. 意義な授業. た授業. 要なピアノ伴奏などの技. てもイメージしやすかった。また,曲の. 能,子どもにとって楽し. 入れ替えのポイントや「都節」など今ま で全く知らなかったことこそ実際の授業. い授業をするための授業 法の工夫. で楽しい活動になると知れてとてもため になった。. 30. ただ単に知識を教え込むのみでは子ども 知識を教え込むの にとっても良くないし,教師の行いとし み,教師側も多く ても良くない。しかし,ただ単に教え込 の工夫 むという授業を行わないためには,教師 側も多くの工夫をしなければならない。 そのためのスキルを少しずつこの講義で. 知識の詰め込 み,教師の工夫. 授業法の工夫. 主要教科同様に音楽を取 り扱うこと. 身に付けさせて頂きたいと考えます。 ピアノの音に合わ せておじぎ,様々 な方法で楽しく取 り組める授業. 終礼の音に合わ せる,楽しい授 業. リトミック,充実 した授業. リ ト ミ ッ ク, 子 ど も に とって楽しい授業をする ための授業法の工夫. 31. ピアノの音に合わせておじぎをしました が,頭で考えずにとっさに音に合わせて 体が動いたことに驚きました。聴いて, 歌って,演奏してと音楽の楽しみ方は本 当に多くあるのだと思います。様々な方 法で楽しく取り組める授業ができるよう になりたいと思いました。. 音符のそれぞれの 種類の意味を確認 する,日本の歴史 と関連. 楽典,日本史と の関連. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 32. 音符のそれぞれの種類の意味を確認する ことができて良かった。また今回の教材 は日本の歴史と関連しているところが多 くあり,勉強になった。音楽の授業に対 する不安感が少しなくなり,楽しく感じ てきた。もっと頑張りたい。. 33. 今日も色々と細かな所での工夫を学ぶ事 が出来た。普段考えない所も意識してみ ると授業改善につながっていくなと感じ た。 1回の授業で3曲やって曲によって生徒 ア プ ロ ー チ の 仕 授 業 内 容, リ に対してのアプローチの仕方があること 方,リコーダーの コーダーの奏法. 34. 授 業 内 容 の 選 択 授業づくりカードにより 肢,専門性 授業内容の充実. も学んだので,リコーダーのやり方の手 やり方 拍子を入れてからリズムを取れるように すると子どももスムーズにリコーダーを 使って取り組めるなと思った。. 35. 同じように見えても少し違っている音符 もあるということに気付かされた。もっ とよく教材を見ようと思った。子もり歌 に2つのパターンがあることに驚かされ た。. レジュメ. 教材の工夫. 36. 配布された授業の内容をまとめたプリン プリントはとても トはとてもすごいと感じた。これを参考 すごいと感じた にしながらも,プリントにないこともし たい。. 学生の理解を図るための 教材の工夫. リコーダーの曲. 選曲. 講義で取り扱う楽曲の豊 富さ. 37. 音が1つでも音楽ができるということを 音が1つでも音楽 見にもって知り,将来教える時にやって ができる みたいと思いました。曲の調子によって 弾き方をかえることで雰囲気が出ると感 じました。. 314. 音符について学 校で学習してい ないのか. 同じように見えて も少し違っている 音符,子もり歌に 2つのパターン. 楽典,旋法. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 音符について学 校で学習してい ないのか.
(12) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察 1つの歌の中の特徴が盛りだくさんで, 学習意欲が高まっ 38. 学習意欲の向上. 学力の向上. 学生の意欲向上. ピアノの克服. 演奏技能. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技. また1つやることに新しいことを知るこ た とができて,発見もあり楽しいし,学習 意欲が高まった。 リコーダーで一つの音しか使っていなく ピアノがぱっとひ ても,伴奏がつくことにより受ける印象 けるようになりた. 39. がかわってきた。ピアノがぱっとひける い. 能. ようになりたいと思った。しぶい曲で あっても工夫することで,児童に興味を 持たせることができることがわかった。 ハ長調の意味があいまいだったのです. 音楽に対する難し. が,今日の先生のお話をきいてそんな簡 い意識. 音楽に対する苦. 不得手. 手意識. 音楽に対する教師自身の 苦手意識の改善. 単なことだったんだと思って,音楽に対 40. する難しい意識が少しうすれました。ま たわかりやすい歌詞にかえうたして歌う のがすごくおもしろくていいなと思いま した。 多様な授業内容. 授業内容の選択肢. 授業づくりカードにより 授業内容の充実. 41. リコーダーを教える時には,教師側の都 リコーダーを教え 合ではなく生徒のことを考えた授業進行 る時,昔の言葉は にしないといけないと思った。楽典を教 現代語訳 える時にわかりやすく説明できる力をつ ける必要があると思った。むずかしい昔 の言葉は現代語訳にムリやりするのを初 めて知った。おもしろいと思いました。. 旋法. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 42. 日本風の音階に定義があることを知れ 日本風の音階に定 た。曲を聴いて想像するという内容は 義 やったことがあったが,それの理由付が なく小学生の時に何となくふに落ちない 思いをずっと引きずっていたが今日解決 することができた。. 学習意欲. 学生の意欲向上. 43. 音楽の学習指導要領のことがわかった。 専 問 的 な こ と を 知識の拡充 合唱の指導や指揮についてもっと学びた もっと知りたい いと思った。アーフタクトなど,専問的 (ママ)なことをもっと知りたいと思った。 こんなに考えられて曲が作られているこ 考えられて曲が作 とに驚きました。「おぼろ月夜」がイメー ら れ て い る, イ ジできるようになっていた。 メージできる. 教材性,想像. 教材研究. 教材研究の重要さ. 44. 音と動き. リトミック. リトミック. 45. 今日は,講義形式の授業があり,指導案 体を動かして活動 について学ぶことができて良かった。毎 回,体を動かして活動する場面がありと ても楽しく講義を受けることができてい る。. 楽典. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 46. 今回の講義では音楽の専門的な知識を得 音楽の専門的な知 ることができた。全く知らないことを知 識 ることは本当にたのしいと感じた。三拍 子でも強くするタイミング次第では,ず れてしまうことは忘れずにいたい。. 指揮法. 専門性. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能. 47. 指揮の仕方を習ったことがなかったの 指揮の仕方 で,今日の講義で実際にやってみて,少 しだけ理解できたので良かった。指導要 領の内容の解説を理解できてとてもため になった。指導要領に触れてから,授業 をつくると,前より少し考えることが増 えて難しく感じた。. 充実した講義. 講師の教授法. 学生の理解を図るための 講師の工夫. 48. 楽典の知識も先生の授業では楽しく学ぶ 先生の授業では楽 ことができました。知識もさることなが しく学ぶことがで ら,子どもたちに音楽への愛こうや感性 き を磨くことを目標としている指導要領の ハイレベルな要求に驚きました。. 315.
(13) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏 サイレントリズム打ちの有効性について ピアノ伴奏につい 49. 伴奏法. 演奏技能. 本時で学ぶことができた。またピアノ伴 てもさまざまな表 奏についてもさまざまな表現方法がある 現方法. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技 能. ことを実感することができた。. 50. 毎度ピアノについての説明はあるがまだ ピアノについての ほとんどピアノに触れたことのない人間 説明,将来的に生. 伴奏法,活用. 演奏技能. なので蓄積していって将来的に生かして かし. 授業を行うにあたって必 要なピアノ伴奏などの技 能. いければと思う。 51. とても濃密な授業だった。教員となった とても濃密な授業 際に活かしていきたい。 だった リコーダーを弾くことができたのでよ. 52. ピアノは改めて大. かった。授業のピアノは改めて大変なも 変なもの. ピアノに対する. 演奏技能. 意識. 要なピアノ伴奏などの技. のだと思ってしまった。 53. 54. 授業を行うにあたって必 能. 評価の方法を音楽では違うのだと感じま した。 協奏曲の意味をはじめてしった。他の協 協奏曲の意味をは 奏曲もたくさんきいてみたい。 じめてしった,た くさんきいてみた い. 音楽の構造,学 習意欲の向上. 専門性,学習意欲. 授業を行うにあたって必 要な知識・技能,学生の 意欲向上. ①ストーリーライン(データに潜在する意味や意義を紡ぎ合わせたもの) ⅰ)本講義を受講することで学生は,授業を行うにあたり必要な楽典や楽器の奏法などの音楽に関する知識の拡 充ができ,音楽の授業を行う意欲が向上しているといえる。 ⅱ)授業の活動や方法が豊富に示され選択できる「授業づくりカード」は,音楽を専門としていない学生にとっ ては手軽に授業が組み立てられ重要なアイテムになっている ⅲ)本講義により,音楽が苦手な学生やピアノ実技が苦手な学生も,ピアノが弾けるようになりたいなど実技の 技能向上の意欲がみられる ②理論記述(ストーリーラインから重要な部分を抜き出したもの) ⅰ)本講義は学生の音楽の授業を行う意欲の向上が図られている ⅱ)本講義の受講により,音楽やピアノ実技が苦手な学生の,それらへの抵抗感の低減や,苦手を克服しようと する意欲の向上がみられる ⅲ) 「授業づくりカード」等,本講義で使用している教材により,学生の授業の組立ての能力が向上している ③さらに追求すべき点・課題 ⅰ)学生が,小学生時代に,どのような鑑賞の授業を受けたのかを把握すること ⅱ)音楽の何が苦手なのかを把握すること ⅲ)音符について小学校時代に学習していない可能性があり,その点を把握すること ⅳ)国語・社会・算数・理科との違いについて,また,それらとの関係性を整理すること. 以上から,本講義では,学生にとって知識等が不足していると考えられる内容に触れながら,授業の組立 てに資する「授業づくりカード」の使用や,学習意欲を向上させる工夫を取入れたことによって,効果を得 たと考えることができる。また,国語・社会・算数・理科との特性の違いに触れながら,それらとの関係性 を整理していくことが求められる。. 5 本研究のまとめ 大学の講義「小学校音楽科教育法」において〈1〉の方法や内容によって実践を行い,そのことと学生の 授業づくりへの意識の変化との関連を検討した結果,抵抗感の低減と意欲の向上に対する効果が確認された。 〈1〉で述べた方法や内容をもって講義を行うことにより,まず「音楽の授業は楽しい」「音楽の授業に は学級経営や他教科の学習等に及ぼす効果があるという実感(有用感)」「音楽の授業は生涯学習,生活や社. 316.
(14) 学生の小学校音楽授業に対する意識に関する一考察. 会において生きるという実感(有用感) 」という気持ちが上昇する。それらの気持ちを基に受講を重ねるこ とで, 「授業をやりたいという気持ち」「音楽の授業を行うための具体的な知識」「音楽の実技に関する技能」 が上昇する。すなわち,まず関心・意欲を高めることが重要であり,講義の効果を高める鍵であるといえる。 なお, 「授業ができそう」という手ごたえは,音楽の授業方法に対する見当のつかなさを解消していくことで, 授業ができるという気持ちが一貫して上昇する。その際には,音楽の授業の様々な活動や方法が掲載され, それを取捨選択して授業を構成することのできる「授業づくりカード」のような用具の使用が効果的である と考えられる。 学習指導要領の改定に伴い,児童の学習は大きくその在り方が変貌する。そうした学習の場を設定してい く教員や,教員を養成する大学においても,講義の改善を意識せねばならない。また,「教材を教える」こ とに留まらず, 「教材で教える」ことを実感し体得できるような講義を構築していくことが,ますます重要 になると考える。そのような意味でも,〈1〉の方法や内容には,効果があるといえよう。. 註 1)芳賀均・佐藤友夏「授業づくりカードの作成」 『北海道教育大学紀要(教育科学編)』66⑵,北海道教育大学,2016, pp.303-311. 2)芳賀均・布施美砂子・久保允人「教員養成『小学校音楽科教育法』の授業に関する考察」 『北海道教育大学紀要(教育科 学編)』67⑴,北海道教育大学,2016,pp.359-376. 3)同上書,pp.374-375. 4)佐藤友夏「バランスのとれた音楽授業のために」 (平成28年度北海道教育大学旭川校音楽分野卒業論文)をもとに,本実 践に向けて佐藤が作成した120枚の「授業づくりカード」を活用する。 5)大谷尚「4ステップコーディングによる質的データ分析手法SCATの提案―着手しやすく小規模データにも適用可能な理 論化の手続き―」『名古屋大学大学院教育発達科学研究紀要(教育科学) 』第54巻第2号,名古屋大学大学院教育発達科学研 究科,2008,pp.27-44.. [附 記] 本稿は,全国大学音楽教育学会平成30年度北海道地区学会研究会(平成30年7月7日)における発表内容 を再構成したものである。〈3〉 〈4〉のデータ処理を山内が, 〈1⑵〉の「授業づくりカード」作成を佐藤が, それ以外を芳賀が担当した。作稿においては,〈3〉〈4〉の作表を山内が,〈1⑵〉の【図2】【図3】を佐 藤が,それ以外の部分については芳賀が担当した。 [附 録] 英文要旨(ABSTRACT) This teaching research focuses on university lectures. The authors wish to provide lectures that will enable students to behave proactively and overcome feelings of inadequacy in their work in elementary school classrooms. In a previous study, the authors created ‘Lesson Planning Cards’. We also addressed the content and methods of university lectures, and the effectiveness of printed teaching materials used with these lectures. We surmised that these factors do indeed have an effect, but in this paper our purpose is to investigate the ways in which they change students’ awareness. The results of this investigation were as follows: ⑴ Students’ impressions of music instruction as. 317.
(15) 芳賀 均・山内 芳春・佐藤 友夏. ‘enjoyable’, ‘effective’, and ‘meaningful’ increased. ⑵ Students gained a stronger awareness of the desire to practise their music instruction skills and a greater sense that their own knowledge and skills had improved. ⑶ We also found that students’ sense of their own ability to deliver effective instruction had consistently increased. (芳賀 均 旭川校講師) (山内 芳春 旭川校大学院2年生) (佐藤 友夏 旭川校音楽分野H28年度卒業生). 318.
(16)
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