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読みの力を育てる指導の研究 : 学習の手引きのあり方を求めて

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(1)平成五年度. 兵庫教育大学大学院学位論文. り. 十刀を希冷めて. 読みの力を育てる指導の研究 学習の手引きのあ. 教科・領域教育専攻 言語系︵国語︶コース. M九二四二〇C.  鶴 田 英 二.

(2) 序 章 読みの力とは何か. 口口次.   第一節 国語教育における今日の問題⋮   第二節 ひとり読みを目指した学習指導. 一. 第三節. 第二節. 第一節. ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂ω−. ﹁学習の手引き﹂の実際⋮⋮−. ﹁学習の手引き﹂の条件⋮. ﹁学習の手引き﹂とは何か⋮. 二五. 一八. 一六. 一〇. 三.   一. ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂②・. 二七. 第一章  ﹁学習の手引き﹂を伴う学習指導.   二. ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂③−.  七.   三. 第二章 大村はまの実践   第一節  ﹁聞く﹂・﹁話す﹂・﹁読む﹂・﹁書く﹂. 三七. 一一.   第二節 系統化の必要性⋮⋮⋮⋮⋮−.・⋮⋮⋮. 四五.            の四つの領域への配慮−.   第三節 学習者自身の自己評価⋮−・・−−・.

(3)     三 書くことの手引き︵手引き3︶.     二 具体的な学習手順の手引き︵手引き2︶.     一 補助教材・補助資料による手引き︵手引き一︶.   第一節 事前指導の手引き−⋮⋮. 第三章  ﹁学習の手引き﹂のあり方⋮⋮. ・七〇. 六八. 六六. 六四. 五四. 五一. −七二.     四 書き込みの手引き︵手引き4︶     五 課題分類の手引き︵手引き5︶. −七四. ・七九.   第二節 事中指導の手引き⋮⋮⋮     二 話し合いの記録のための手引き︵カード︶ ︵手引き2︶. ・八二. −七七.     三 話し合いの記録のための手引き︵ノー下︶ ︵手引き3︶. ・八五.     一 話し合いのための手引き︵手引き一︶.   第三節 事後指導の手引き・⋮⋮⋮. −八八. ・九〇.     一 課題図書を読むための手引き︵手引き一︶.     ニ レポート課題を書くための手引き︵手引き2︶. ー九三. ・九ニ.     四 朗読テープを作るための手引き︵手引き4︶. 九六.     三 朗読テープを聞くための手引き︵手引き3︶. 結 章 研究のまとめと今後の課題−.

(4) 序章 読みの力とは何か. 第一節 国語教育における今日の問題  現在の高等学校における国語科の抱えている問題とは何であろうか。それはおそらく、 ﹁学び方を教えていない。﹂ということにつきるのではないだろうか。勿論、小学校以来、. 教師も生徒も懸命に国語学習に取り組んではいるのだが、結果として国語の学び方が身に ついていないように思われる。そして、それはそのまま、国語嫌いや国語離れに結びつい ていると考えられる。.  つまり、きちんとした学習方法が身についていないために、何をどう勉強すればよいの かがわからず、結局、やり方のはっきりした数学や英語といった他の教科に時間を奪われ てしまうことになり、国語はいつも一番後回しになってしまう。それでも、古文や漢文と いった古典は、文法を中心とした知識注入型の受験指導に支えられて、ある程度の学習を やっているのであるが、現代文に至っては、やり方がわからないという理由から、ほとん どの生徒が授業を聞いているだけで終ってしまう。その結果、定期考査のように授業で習. った文章は読めるが、模擬試験のように初めて出てくる文章は読めないというような奇妙 な現象が起きてくるのである。.  そこで考えなければならない問題が、 ﹁学び方を教える。﹂ということである。国語の 学習方法をきちんと身につけさせることと受験指導とは、決して相容れないことではなく、 寧ろ、 ﹁学び方を教える。﹂ことによって、受験に必要な学力も飛躍的に向上すると考え. 一. 1. ︸.

(5) たい。受験勉強が、暗記中心の一時的なものではなく、人として生きるための根本的なも のとなるためにも、学習方法の習得が求められていると言っても過言ではあるまい。それ は、今日の生涯教育や自己教育力の理念にも適うものである。  ここでは、国昭の学習方法の中でも、特にその必要性が感じられる﹁読み方﹂にスポッ. トを当て、 ﹁読みの力﹂を育てるための指導法について考えてみることにしたい。.  私は﹁読みの力﹂を﹁ひとり読みの力﹂と捉え、国語教育で﹁読みの力﹂を育てるとい うことは究極のところ、 ﹁ひとり読みの力﹂を育てるものでなければならないと考える。. では、 ﹁ひとり読みの力﹂とは何であろうか。それは、人に強制されなくてもひとりで読. もうとする力であり、また、人の助けを受けなくてもひとりで読める力である。この﹁ひ とり読みの力﹂を育てていけば、必ず、個の読みとしての﹁正しく、豊かな読み﹂ができ る読み手を育てていくことができるようになると思われる。.  しかし、実際の現場では、教育機器が発達し、学習の効率化が図られるようになってき て、 ﹁読みの力﹂もいろいろな形で育てられるようになってきたが、 ﹁ひとり読みの力﹂. は育っているとは言えず、逆にひとりでは読まない、あるいは読めない子が増えてきてい るように思われる。その原因について、田近洵一︵注1︶は次のように指摘している。   * とり  ができると一、  での・一々としてで一なく、 なわち 高の手 きな. しに、自の力、むということ、ある。融の 一そのような自力 の、きる、 自⊥、した   を てるもの なを 一ならない。 ︵中略⋮引用者︶.  確かに﹁国語﹂の授業は、子どもの興味・関心に応じて、活発に進められるように なってきている。しかし、 ﹁国語﹂の好きな子は決してふえてはいない。しかも、刊. を. 附 賄 鮒 % 燗 二 半. 配. 一 2. 一.

(6) ρなく 糸ま た 斉. ミ 、. エカ. 個の営 としての. の中に〆めるなら、その、因一、の一つ、. 人で一読まない、あるい一めないが港えているという。その、因をに、噛め、自. 州. 己  を ること一できょうが、自ら なわち、こと細かな発問で. ’. た どもを目ててしまった. とり詩 の力を ててこなかったということ、そして、 角の予 さ たいわゆる 正角  の読角 、が、 私﹂の行為としての毒 を   ということ、にあるので一ないか。 ︵注1︶.  つまり、教師の一方通行的な授業のために、子どもは自分で問題を追究しようとはせず に、教師の問い掛けや手引きに頼って、教師の予定した正解を求めるようになってきてい るのではないか、というのである。この指摘は、核心を突いたものであると思われるが、 では、一体どのような指導をすれば、子どもに﹁ひとり読みのカ﹂が育つのであろうか。 その方法について考えてみたいと思う。. 第二節 ひとり読みを目指した学習指導  結局、田近の指摘は、 ﹁ひとり読みの力﹂が育っていないのは、 ﹁学び方﹂を教えてい. ないことに問題があるのではないか、ということである。一斉授業方式と正解主義の読解 指導が、 ﹁ひとり読み﹂の基本である、学ぼうとする意欲を失わせているのではないだろ うか。.  そこで考えられるのが、学習者自身が課題を発見し、解決する﹁課題解決学習﹂である。. この﹁課題解決学習﹂は、古くは﹁問題解決学習﹂と呼ばれていたものであるが、課題と. ㎝. 碩. 痢. 19. 84. 幽 囎. ㎜. 瞼. 創. 講 鞭. 徽龍. 剛. 肝 殉 バ 焔 錆 龍 彌. 引. 回 翻 覗 備 榊 海 潰 蹴 侃. D 注. 一 3. 一.

(7)  では コ題﹂と 問題﹂と一どう うのか。 問題﹂に一   ﹂と同じげもあ るが、 囲一もっとムい。力を試す意味︵試験問題︶もあれば難点︵いささか問題で ある︶の意味もある。が、この語の持つニュアンスとしては、よくわからないとの感・ じが中心で、解決に取りかかるということまでは必ずしも意味しないように思われる。 ﹁問題﹂のとらえ方には直感的な面があり、行為を通して次々に感じとられていく。. それは自然発生的でもあるようだ。これに比して   ﹂一、角  。く自イに寄り 当てた  、、 問 ﹂より角  ’言が つと い。 ﹁これが私の今後の課題である﹂. ︷. ♂を. 必−要劇   の高いものを、ぶか、 ︷の高. ・つたり るだレに問  音を  と ること. という言葉の裏には、解決への使命感が感じ取れる。.  さて、角、を芝したり、 一、きない。問 の中から、.   いものにイり して りあセるかさ  重ならない。こ 、初めて“題になる。かつ   ての﹁問題解決学習﹂が﹁課題解決学習﹂に言い換えられた理由の一つはこんなとこ   ろにあったのではあるまいか。 ︵注1︶. 頭. 8. 銅. 符. 1. 98. 幽 囎. 観. 散 髪 物.  いろいろな説があるが、誠にうまく捉えていると思われるので、この説に従うならば、 学習者自身の手で、 ﹁問題﹂を選択・整理して解決の対象としたものが﹁課題﹂であり、. 乱. 診. 軍 回. 抽. 従って、 ﹁課題﹂は﹁問題﹂から導き出されるものであるから、学習者が﹁問題﹂を持た なければ﹁課題﹂は生まれてこないことになる。 ﹁課題解決学習﹂は﹁問題解決学習﹂を ﹁学び方﹂という点において、より発展させたものとして捉えることができるのではない だろ う か 。. ㎜. 4. 一.

(8)  ところで、 ﹁課題︵問題︶解決学習﹂は本来、 ﹁固定的、断片的知識を静的な形式理論. の順序で吸収記憶させるのでなく、あくまでも学習者に現実の社会生活のなかからの疑問 や問題点を自己の問題として受けとめさせ、自らに解決させていこうとする能動的学習で ある。﹂ ︵注1︶と規定されているように、学習者自身が疑問や問題点を発見し、それを. 自らの課題として作り上げ、学習者自身の手によって解決していくところに、学習意欲が 喚起され、学習方法が習得されるのである。.  しかし、 ﹁課題︵問題︶解決学習﹂の課題のあり方については、山本義美は次のように 指摘している。.    生徒自身に設問化させることも考えられている。しかし、それにはある程 の倉力   があり、 習意心が高まっていなくて歪ならないし、また、真摯な学習態度がなくて   はならない。それでなければ、よい設問は決して生まれない。全体との関連性のうす   い要素的な設問、個別的な設問が現われる。.    どのような三陸な問題も抹殺してはなるまいが、目標とかかわりあいの少ない設問   は、学習をぼやけたものにしてしまう。ヨ選一、よりわレこそ 切である。 ︵注2︶.  確かに、学習者自身に課題を作らせるためには、学習意欲と学習能力の問題をクリアし なければならない。しかし、指導者側が課題を一方的に与えてしまったのでは、次のよう な問題点が起こってくる。.  ω 学習者が自ら問題点を発見する努力をしなくなる。  ② 設問を解くということに重点を置くので、正解主義に陥りやすい。  ③ 指導者の一方的な設問なので、内容が難しすぎたり、量が多すぎたりする。. 頓. 灘. 繍 糊. 濃. 紅鞘 畷蹴 騙蔽 誹躰 湘二. 一. 5. 一.

(9)  ゆ 自己の捉えたイメージとは異なっているために、押しつけだとして忌避する。.  つまり、主体性が失われ、学習意欲を無くしてしまう恐れが強いということである。こ れでは学習しているというよりも、学習させられている感が強く、 ﹁ひとり読み﹂とは程 遠い状況にある。このようにして、 ﹁課題︵問題︶解決学習﹂は実施段階における運用の 仕方を誤ってしまったために、形骸化してしまった感が強い。  では、どのような指導をすれば、 ﹁ひとり読みの力﹂が育っていくのであろうか。それ は、学習者自身の疑問や問題点を大切にする﹁課題発見学習﹂ではないだろうか。 ﹁課題 発見学習﹂は、文字通り、学習忍目らが疑問や問題点を発見し、それを課題に作り上げて、 学習者自身の手によって課題を解決していく、一連の学習過程を指している。この学習は、. 学習者による教科内容の新しい発見・探究の過程として組織することによって、学習への 意欲や思考力の形成を目指すものである。.  しかしながら、学習者の主体に任せて、指導者の指導性を欠落させてしまうと、山本が 指摘するように、学習意欲と学習能力の問題があり、中身の薄い、形骸化したものになっ てしまう。そこで、学習者を如何にして学習活動に取り組ませ、 ﹁学び方﹂を習得させる. かということが問題となる。そして、そのための手段として考えられるのが﹁学習の手引 き﹂である。田近は子どもが自分で問題を追究しようとしないのは、親切すぎる手引きの せいであると指摘していたが、果たしてそうであろうか。そこで、 ﹁学習の手引き﹂その. ものについて考え、併せて、 ﹁学習の手引き﹂の﹁ひとり読み﹂に関する有効性について 考察することにする。. 一. 6. 一.

(10) 第一章  ﹁学習の手引き﹂を伴う学習指導. 第一節  ﹁学習の手引き﹂とは何か.  国語の教科書には、 ﹁てびき﹂・﹁学習の手引き﹂・﹁学習のしおり﹂・﹁研究﹂など. と、用語は異なっても、手引きに類するものは必ず付けられている。そもそも﹁学習の手. ホ. を 毒し、・習 が自力. のあとにつ一て・習問 の 示や・習. 引き﹂とは何であろうか。大西道雄は次のように述べている。 くの  口、・習の 弓き一、国. の・示が行わ ているだ々である。・習 中心の. で・習を進めることの、きる  を 開 るために一、どうしても・習の進め や   問    のヒントなどを示してやる必 がある。 ︵中略⋮引用者︶授業を一斉. 、. に個  な国 ・. の だてとして、口 による発問・助言・葦. とりを かし、. 授業の問答法という教師中心の形態で進めるのであれば、学習の手引きは全面的には 必要がない。それに対して、・習 る  に一、 の昌.   明・指禾に力わえて、 しい  をもった・習の 博きが必“ に 言さ てくる。.       ママ. 劇. 烈. 府. 1. 98. 三 訂 常. 磁 糠 酬 姻 は. 力を につウさ.                                      ︵注1︶. 解. D 注. 一 指. 囎. 継.  これは、従来の教科書の﹁学習の手引き﹂の不備を指摘し、学習者中心の授業を展開す るためには、 ﹁学習の手引き﹂が不可欠のものであることを主張しているわけであるが、. この点は私の考えも同じであり、新しい機能を備えた﹁学習の手引き﹂の登場を期待する ものである。この﹁学習の手引き﹂について、私は口頭による発問・助言・説明・指示や. ﹁. 7. ﹁.

(11) 支えているものを﹁学習の手引き﹂と捉えていきたいと考えるが、あまりに広範囲に渡る ため、ここでは、文字によって提示する、順序性のあるものを中心に考察したい。. 、. 習  の 示とその 、 、 ・習 、︶.  では、 ﹁学習の手引き﹂にはどのような働きが期待されているのか、大西の考えを見て・ みることにする。. 、.  に    を進めるの、あるから、・習 習 中心. まず、差習の 向と、さを、 づ曇る、 が示さ な一 一ならない。次に、. の個 差にロ るもの、な︸ 一ならない。 個人差は、学習テンポと学習思考の深さ. の差となってあらわれる。いわゆる遅れがちな子どもにも対処できるものでなくては ならない。第三には、・習の個別化と同・に 団化に 交なものであることが、’めら. れ剤1︵中略⋮引用者︶.  学習の手引きは、口頭で発せられる発問と助言を、単に紙に書いて提出しただけの ものではない。・習の手引き一、 どもたちがそ によって を引か ながら 習の として山、ちあがり、やがて  で きロめることができるもの、なレ 一ならな.   い。つまり、・習、を  さ  勲爵を につウさ るようにイ さ る必 がある。   学習者一人ひとりを生かし、その個人差に応じて指導することと、学習者に学習法・.   学習力を身につけさせることとは、ひとまとまりのことである。学習の手引きは、こ   れらのことを実現する手だてとして創案されたのである。 ︵注1︶.  これは﹁学習の手引き﹂が、一斉授業と個別指導をつなぐものとして有効に作用するこ とを期待させるものであり、国語科の個別指導を考える上では大切なことである。では、. 暁. 揃. 囎. 温. 一 8. 一.

(12) どのようなつながりが考えられるかということについて、山本名嘉子は次のように述べて いる。. 、.       ママ. 切な個別・習の場を. していかなレ 歪ならない。さ.    学習者一人ひとりが生き生きと目的を明確にして学習に取り組むことが何よりも大 切である。そのためには、. らに、個別・習によって、とらえ字たものが、 団の場に出し口って、 かめら る. ことによって、そのを高めていくことがまる。  国語科で育てる力を、言語によって、他に働きかけ、あるいは自己をきりひらいて、. 自己の生活を拡大し、自らの生きる力を得ていくものととらえて、その指導について 考えると、個別学習と集団での学習は適切に調和をもって行われなければならない。.  このように考えてみると、国 零にお弄る個別        を  におきなが   ら、目的や必 にむじて、個別 、を行っていく  が自“な と思わ る。 ︵注1︶.  このように、国語科という書語を取り扱う教科では、教科の特質を考えて、一斉指導を 基本に置きながら、個別指導のあり方を考えることになる。そのための核となるのが﹁学 習の手引き﹂である。田近の指摘に話を戻すと、 ﹁ひとり読みの力﹂が育っていないのは、. ﹁こと細かな発問で無駄なく仕組まれた一斉授業方式と正解の予定されたいわゆる正解主. 義の読解指導﹂が原因であることが述べてあったが、これは一斉授業方式を採るからであ って、手引きそのものが不要ということにはなるまい。つまり、一斉から個別へ移るため. の手引きという、新しいタイプの手引きの必要性が出てくるのである。このことについて は、大西は次のように述べている。.    ・習の個別化を一かるために一、印圭 4として・習    とりが、個別に・習. 旗. ㎝. 2. 億. 85 19. 囎 尊. 墨. 打. 鰍 騰. 点. 薪 宿 許. 溢. 一. 9. ﹁.

(13) ても、自力で学習に取り組むことができなければ授業の目標は達成されない。しかし、. ・習 が 初から・習の  や 術を につセている一 一ない。個別に学習に取り 組ませながら、その課題についての学習の仕方や学習の技術を習得させる必要が起こ、 ってくる。このような状況のもとで・習 、や 術を につ︸さ るための 六な. 、として、・習の 弓きが えら る。すなわち、学習の手引きは間接指導下にある 子どもたちの学習活動の制御やコミュニケーションの方法としてのみならず、学習力. 、あり、 習の 恥きを、目的、. とりを生か ことを目的と る  の糸. 育成の手だてとしても機能する。 ︵中略⋮引用者︶. このように考えてくると、・習. と 開において、・習の 碧きの、 一必zの.    のためにさらに 効に 臼 るように  、くるうしていくことが 言さ ている   と言わさるをえないの、ある。 ︵注1︶.  このように考えてくると、 ﹁学習の手引き﹂は学習者一人ひとりを生かすことを目的と. した国語科教育には必要不可欠のものであって、大きな役割を担っているのであるが、問 題はその内容をどうするのか、ということになってくるのである。では、どのような﹁学 習の手引き﹂が﹁ひとり読みの力﹂を育てていくのか、手引きの条件を考えてみることに する。. 第二節 ﹁学習の手引き﹂の条件. 祇 1. 糖 揃. 三. 一. 1. 〇. 一.

(14)  まず、条件を考えるために、 ﹁学習の手引き﹂の種類について見てみよう。大西は学習 形態によって、四つの種類を考案している。.   *学習形態によって次のような手引きの種類を考えることができる。.    ω覇における内撫三角や篇題解、のための 引き    ②グヨ習における内容理解や課題解決のための言し口いの 引き.    ㈹鶉へ発 さ るための手引き.    ㈲黎での話し合いのための発鋼  ︵注1︶  国語科の学習形態としては、個別学習・グループ学習・一斉指導という三つの形態が考 えられるわけであるが、 ﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂を考えるためには、. 大西の言う四つの手引きを統合した形での﹁学習の手引き﹂を考える必要があるのではな いだろうか。つまり、三つの学習形態を如何に関連づけていくかがポイントになると考え る。そのための方法として、三浦和尚は高等学校における小説指導として、次のような提 言をしている。. イしていくことで一じめて、自ら誇 曜、しもうと る、 がz さ.    鯛調解のあとを  で ノにたどら るので風なく、 そ自 の一融角を  に とり   、. るので一ないかと思うのである。.  そしてそのことは、受身的にものごとをとらえる傾向にあり、また読書経験の乏し い現今の高校生に、切実に要求されていることではないかとも思うのである。  そのために、たとえは、のような  カ えら るであろう。. 1、一次感想や、疑問点を集め、それをもとに課題設定し、考えさせていく。. 頭. 1. 囎 涌. 激. ﹁. 1. !. ﹁.

(15) 2、少人数の討議の時間を設定するなどして自由に考える時間を確保する。 3、読みの途中にでも多く書かせ、それによって生徒同士の読みのちがいを明らかに   し、つきあわせ、話しあわせる。. 4、表現活動を生徒の学習目標とし、生徒自身の読みがあらわされるようにしていく。   ︵感想をまとめる。脚本化する。後日談を書く。他の登場人物の目で事件を再構    成する。朗読を工夫する。等々︶.  その他、いろいろな方法が考えられるであろうが、ともかく、生’自 が 場 る    生そ個々の読 が深めら る、あるい一生希個々が自 で伸らかのものにたど   りつくためのゆとりのある  というものがめざさ なくて一ならないので一あるま   いか。 ︵注1︶.  三浦の考え方の根底にあるものは、一斉指導を基本に据えた個別指導であり、この点で 私の考える﹁学習の手引き﹂と共通する。しかも、ここで大切なことは、個別学習と一斉 授業をつなぐものとして、グループ学習を位置付けていることである。教授学においても、 ﹁個と集団﹂における﹁ひとり学び﹂の有効性が指摘されており、個別学習を考える上で. は大切な条件である。また、国語の授業の楽しみの一つは、いろいろな文章が読めて、い ろいろな人と意見や考えが交流できることであり、このことが、 ﹁ひとり読み﹂の力を育 てていく原動力になると考えられる。ところが、一斉授業では限られた生徒だけが発言し、 後は、教師が要領よくまとめていくという、教師主導型の授業になりがちである。しかし、 グループ学習を導入することにより、全ての生徒が討議に参加して、自分の読みを提示し、 深化させていくことが可能になり、生徒主体型の授業になると考える。. 蹴. 5. 田. 用. 卸. 19. 92. 紺 鹸. 旅. 噌 卿. 内 鼠 戯. 蹴 鱒 囎 繍 囎. 引騨. 網 肉. 界. 一. 1. 2.  .

(16)  そこで、これまでのことをもとにして、 みると、次のようなモデルが考えられる。 ﹁ひとり読み﹂を育てる授業の流れ. ①学習者による課題作り       ↑. ②グループ学習による討議       ↑. ③一斉授業による発表・討議       ↑. ④発展学習による個別指導 を育てるための﹁学習の手引き﹂の条件. ﹁ひとり読み﹂を育てる授業の流れを構想して.  この四つのことをもとにして、 ﹁ひとり読み﹂. を考えてみると、次の七つの条件が考えられる。.  ﹁学習の手引き﹂の条件. ①各自の読みの課題纒繊ができるようにしたものでなければならないこと。︵課  題作り︶. ②各自の課題が討議されるための藤蟹醸懸軍醗關を考慮したものでなければ  ならないこと。 ︵グループ学習の時間︶. ﹁. 1. 3. ﹁.

(17) ③クラス全員で読みを検証していくので、       灘も  のでなければならないこと。 ︵学習者自身の読みの深化︶. ④それぞれの学習者の実態に合わせて、・簿懸購慧懸羅灘を準備しなければな ができるように工夫されたものでなければならないこと。.  らないこと。 ︵いろいろな発展学習︶. ⑤挙      ︵学習者自身の自己評価︶. 、もの. ⑥﹁ひとり読み﹂を目指して、漢字や語句を含めた.   を示した  ものでなければならないこと。 ︵具体的な学習の手順︶. ⑦書くことを中心として学習が進められるので、鋤  でなければならないこと。 ︵書くことへの配慮︶.  これは、初めの①∼④が﹁ひとり読み﹂を育てる授業の流れの①∼④に対応しており、 これを主要条件と考え、残りの⑤∼⑦は、そこから派生する付属条件と考えたい。以下、 この七つの条件を、 ︵ ︶のように略称することにする。.  次に、この条件をもとにして、 ﹁ひとり読み﹂を目指した指導過程における﹁学習の手 引き﹂のあるべき姿を考えてみることにする。そこで、考えられなければならないことは、 ﹁学習の手引き﹂の全体像であり、条件をもとにした構造化である。 ﹁学習の手引き﹂は. 決して一つのワークシート形式の固定されたものではなく、それぞれの指導の段階の中で、. 生きて働くものでなければならず、そのためには、一つの教材を指導していく中で、段階 的に準備されなければならない。そこで、学習活動を事前・車中・事後の三つに分けて、. ﹁. 1. 4. ﹁.

(18) 先に示した七つの条件を整理し、 ﹁学習の手引き﹂の構造化を試みることにする。 ﹁学習の手引き﹂の構造化. 課題作り. 作業活動の原理. 事前指導の﹁学習の手引き﹂の条件. ①. 具体的な学習の手順   ←. 1. ⑥ ⑦ 書くことへの配慮. 思考活動の原理. H 事中指導の﹁学習の手引き﹂の条件 グループ学習の時間. 学習者自身の自E評価. ② ③ 学習者自身の読みの深化 1▼ ⑤. ←. 個別活動の原理. 皿 事後指導の﹁学習の手引き﹂の条件. ④いろいろな発展学習.  ﹁ひとり読み﹂を育てる授業には、作業活動・思考活動・個別活動の三つの原理が考え られ、この三つの原理は﹁ひとり読み﹂の学習の中で相互に働くものであるが、それぞれ の指導段階の中で、次のように特徴的に引き出すことができる。.  まず、1の事前指導では、学習者に課題を発見させ、カードなどに書かせる課題作りが. ﹁. 5. ユ. ﹁.

(19) 中心になると思われる。そこで、ここに働く中心的な原理を︻作業活動の原理︼と名付け たいと思う。.  次に、Hの事中指導では、グループ学習や一斉授業を通した話し合いによる読みの深化 が中心になると思われる。そこで、ここに働く中心的な原理を︻思考活動の原理︼と名付 けたいと思う。.  最後に、皿の事後指導では、学習者の興味・関心を生かしたいろいろな発展学習が中心 になると思われる。そこで、ここに働く中心的な原理を︻個別活動の原理︼と名付けたい と思う。.  この構造を見てわかるように、従来の学習指導が、H・皿の事宜・事後の指導に偏って いたのに対して、 ﹁ひとり読み﹂を目指した学習指導では、1・Hの事前・道中の指導に. 1. 一 6. ﹁. 重点が置かれている。このことからも、 ﹁ひとり読みの力﹂を育てるためには、何よりも 事前指導が大切なことが了解されることと思う。.  では、次に、私が立てた仮説の検証に移ることにする。. 第三節  ﹁学習の手引き﹂の実際.  前節で考えた七つの条件の必要性とその有りようを具体的な事例を通して見ていくこと にしたい。具体的な教材としては、高等学校﹁国語1﹂の教科書の中で、多くの教科書に 採用されている﹁羅生門﹂について見ていくことにする。  具体的な手引きを見る前に、 ﹁羅生門﹂という教材で何を教える必要があるのかを理解.

(20) 構成をとらえる. 設定を読みとる. 時間、場所、人物、心情の変化など. 冒頭部分の描写から. 読解技能にかかわる側面. ﹁羅生門﹂の学習内容. するために、三浦がまとめている﹁羅生門﹂の学習内容について見ておくことにする。. 1. ① ②. 心情をとらえる. ﹁きりぎりす﹂ ﹁にきび﹂ ﹁雨﹂などの配置の効果.  設定部分など.    ある﹂など. ○場面描写と心理描写    ﹁外には、ただ、黒洞々たる夜があるばかりで.       ど.  比  喩     ﹁鶏の足の  よ  う  な  ﹂ ﹁やもりのように﹂ ﹁肉食鳥のような﹂な ○. ○小道具の用法.       無生物主語  や  、 ﹁もちろん﹂の用法など. ③ 表現効果を味わう  文  体     ﹁ある強い  感  情  が  ⋮     っ  た  ﹂  などの ⋮  こ  の  男  の  嗅  覚  を  奪  っ  て  しま ○. ④. ○状況からの推測. ○変化とその原因の把握     老婆の発見や、老婆とのやりとりの場面  老婆、女、下人など. 指示関係を明らかにする. ○対立者間の対照 ⑤. 論理をとらえる. 老婆の正当化の論理の中で、接続語を中心に ⑥. 一. 1. 7. ㎜.

(21) ⑦主題をとらえる 老婆のやりとり、末尾の一文を中心に 2 内容にかかわる側面︵考えさせたい内容︶. ①状況と人間 ②生への執着 ③善と悪 ④エゴイズム など    ある状況に追いこまれた人間がいかなる行動をとりうるのか、そこで判断の   規準になるのは、生への執着といった本能的なものなのか、あるいは、倫理観   であるのか、また、何が悪で何が善なのか、さらに、それらを通してエゴイズ   ムについて考えさせることができよう。. 3 発展的な学習の可能性. レポート. 2の内容にかかわる、または、表現効果などの鑑賞. 討論一2の内容にかかわって.  ①作文12の内容にかかわって ② ③ ④ 朗読.                                      ︵注1︶.  ここで三浦は、読解技能にかかわる側面と内容にかかわる側面、発展的な学習の可能性 の三つの観点に分けて考えている。これを参考にして、これから三つの具体的な﹁羅生門﹂ の﹁学習の手引き﹂について考察していくことにする。. ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂ω. 頭. 14. 韻. 儲 揃. ﹁. 1. 8. ︸.

(22)  ﹁学習の手引き﹂ωは、現行の六社の教科書の末尾に載っている﹁研究﹂・﹁学習﹂・ ﹁学習の手引き﹂と呼ばれている部分について、内容面から十四、表現面から十六に分類・. 整理したものである。⇔の中の数字は使用数、 []の中の数字は三浦がまとめた学習内 容の番号を表している。 ︵例えば、内容面の﹁下人の心理について﹂という項目について. は、教科書には﹁下人の心理の移り変わりを、次の場面に分けて整理してみよう。﹂とい う形で載せられており、六社全ての教科書に取り上げられていて、三浦の学習内容の一の. ︵. []. フ中の数字は学習内容︶.  ︵⇔の中の数字は使用数︶. ﹁読解技能﹂にかかわる側面の④、 ﹁心情をとらえる﹂という項目に該当することを示し ている。︶. ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂ω. 1 内容面からの分類. ☆下人の心理について・・・・・・・・・・⋮::・・⋮㈲[!④] ︵下人の心理の移り変わりを、次の場面に分けて整理してみよう。︶. ★作文について・・・・・・・・・・・・・・・・⋮9・・⋮㈲[3①] ︵下人はこれからどうすると思うか、想像して四百字程度にまとめてみよう。︶. ★比喩表現について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮⑤[1③] ︵動物を使った比喩を、本文から抜き出してみよう。︶. ★表現効果について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮ゆ[1③] ︵この文章の表現の特色として気づいたことがらをメモして、表現効果を考えよ・濡︶. ∼. 1. 9. ∼.

(23) ★段落分けについて・・::・・・⋮:・・・⋮:・㈲[1②] ︵この小説の展開を、場面のうえから四つに分けてみよう。︶. ★主題について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮−・・㈲[1⑦] ︵この小説の主題について、事件や、人物の心理などと関連させながら、話し合  おう。︶. ★舞台︵時代と社会︶について・・・・・・・・・・・・・・・⋮②[1①] ︵この作品はどのような時代と社会を舞台にしているか、まとめよ。︶. ★老婆の論理について・・・・・・・・⋮::・・・・⋮②[1⑥] ︵老婆が自己の行為を正当化する論理はどのようなものか。︶. ★粗筋について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮ω[1②] ︵この作品のあらすじを﹁時代﹂ ﹁人物﹂ ﹁場面﹂に注意してまとめてみよう。︶. ★風景描写について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮ω[1③] ︵風景描写がなされている部分では、それがどのような雰囲気を盛り立てている  か、また登場人物の心情とどのような関連があるかなどを考えてみよう。︶. ★勇気の違いについて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮ω[1④] ︵ω②における下人の勇気の内容の違いと、それぞれの勇気の生じた理由とにつ  いて、考えてみよう。︶. ★下人の境遇について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・⋮ω[1①] ︵下人の境遇についてまとめよ。︶. ★慣用句について・⋮:・・・・・・・・・・・・・⋮:ω[1③]. ︻ 0 2. 一.

(24) ︵次の慣用句を使って短文を作ってみよう。︶. ★漢字について・・・・・・・・・・・⋮ ︵漢字に振り仮名をつけなさい。︶. ★∼探してみよう。・・・・⋮. ★∼調べてみよう。・・・・⋮. ★∼味わってみよう。・・・⋮. ・ω. ・ω. ・ω. ・ω. ・ω[※]. ・㈲. ★∼注意しよう。・・・・・⋮. ・ω. H 表現面からの分類. ★∼整理してみよう。・ ・㈲. ★∼作ってみよう。・・・・⋮. ・ω. .ゆ. ★∼話し合ってみよう。 ・③. ★∼あげてみよう。・・・・⋮. ・ω. ★∼まとめてみよう。 ・. ★∼薔いてみよう。 ・・ ・②. ★∼どのように変わっていったか。. ・ω. .qo. ★∼抜き出してみよう。 ・②. ★∼つけなさい。・........ 派. ★∼分けてみよう。・・ ・②. ★∼考えてみよう。 ・・. ★∼なぜか 。 ・ ・ ⋮. この教科書の手引きの特徴をまとめてみると、次のようになる。 ω 課題が提示してあり、学習者自身の疑問点や問題点が課題化されていない。  ︵﹁下人の心理の移り変わりを、次の場面に分けて整理してみよう。﹂など︶ ② 課題の提示と作業の指示のみで、具体的な学習の手順が示されていない。  ︵課題相互の関連性が不明瞭で、つながりがない。︶. ㈹ 何故その課題を考えなければならないのかが示されていないために、問題集的にな  つている。.  . 1. 2. ﹁.

(25)   ︵第三者が用意したもので、読者の読みに裏打ちされた課題の必然性がない。︶  ㈲ 学習内容が読解技能にかかわる側面に偏っている。   ︵内容面からの分類参照︶.  ⑤ 課題の指示の仕方が、 ﹁まとめてみよう﹂・﹁考えてみよう﹂といった漠然とした   もので、授業展開に即したものになっていない。   ︵表現面からの分類参照︶.  ω②から、 ﹁課題作り﹂・﹁具体的な学習の手順﹂という二つの条件が満たされておら ず、従って、 ︻作業活動の原理︼については不十分なことがわかる。.  また、㈹ゆ⑤から、課題の提示の仕方が一方的で、話し合い活動が用意されていないた めに、十分な思考活動がなされず、田近の言う正解主義に陥る危険性を孕んでいる。 ﹁グ ループ学習の時間﹂・﹁学習者自身の読みの深化﹂という二つの条件が満たされておらず、 従って、 ︻思考活動の原理︼についても不十分であると言える。.  最後の﹁いろいろな発展学習﹂については、どの教科書にも作文に関する課題が載せら れており、十分とは言えないまでも、一応、 ︻個別活動の原理︼については、満たされて. いると考える。残りの﹁書くことへの配慮﹂と﹁学習者自身の自己評価﹂については、付 属的な条件であり、先の四つの主要条件をクリアすることが先決であると考える。.  結局、教科書の﹁学習の手引き﹂は﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂として は不十分であることがわかる。.  ところで、教科書には、末尾に載せられた﹁学習の手引き﹂の外に、脚注部分に示して ある﹁表現上の注意点﹂や﹁読解上の注意点﹂と呼ばれるものがある。これは全ての教科. 一 2 2. 一.

(26) 書に載せられているものではなく、教科書によってまちまちである。次に示すのは、 ﹁羅. 生門﹂の載っている六社の内、半分の三社だけが載せている脚注の手引きをまとめたもの である。. の脚注の手引き. ﹁ある強い感情﹂とは、どういう感情か。. 羅生門の様子を描くうえで、 ﹁からす﹂はどのような効果をあげているか。. ︵A社︶.  ﹁羅生門﹂. 問. 問. ﹁ある勇気﹂とはどのような勇気か。. 下人が﹁老婆の答えが存外、平凡なのに失望した﹂のはなぜか。. 問. ﹁あざけるような声で念を押した﹂のは、下人のどのような気持ちの表れか。. 問. 問. ◇. ◆. ﹁ある強い感情﹂とは、どのような感情か。. ﹁それ﹂は何を指しているか。. ﹁この局所﹂とは、どういうものか。. ︵B社︶. ◆. ﹁少し声を和らげ﹂たのはなぜか。. ﹁黒洞々たる夜﹂という表現は、どのような効果を上げているか。. 下人が﹁あざけるような声で念を押した。﹂のはなぜか。. ﹁ある勇気﹂とは、どういうものか。. 下人が﹁失望した。﹂のはなぜか。. ◆ ◆. ◆ ◆ ◆. ︸ 3 2. 皿.

(27) ︵C社︶. ☆  ﹁手段を⋮⋮飢え死にをするばかりである。. 結びの表現効果に注意する。. ﹂とは、どういうことかに注意す. ﹁では﹂は、どのような内容を受けているのかに注意する。. ﹁この老婆を⋮⋮反対な方向に動こうとする勇気﹂の内容に注意する。. ﹁激しい憎悪﹂が生じてきた理由に注意する。. ﹁それ﹂が指している内容に注意する。. ﹁下人﹂を二人の男﹂と言い換えていることに注意する。.   る。. ◇. ☆ ☆ ☆. ☆. ◇.  これも﹁学習の手引き﹂の補助をしているもので、学習者の読解には大いに役立ってい るものと思われる。しかし、共通しているものは少なく、このことからもわかるように、. 手引きは全てを提示するものではなく、考えるための視点やヒントとなる言葉を与えてや るものでなければならないと考える。実際に、指導者が独自の﹁学習の手引き﹂を作成す るときには、この脚注の手引きの取り扱い方が問題になってくると思われる。つまり、 ﹁ ひとり読み﹂を具体的に進めていくためには、漠然とした従来の教科書の﹁学習の手引き﹂. ではなく、脚注にあるような具体的な文章に即した形での疑問点や問題点が、学習者の中 から出てこなければならないということを示していると考えるからである。.  そこで、どうしても、この脚注の手引きを含めた教科書の手引きを、吸収・発展させた ものが必要となってくる。. ﹁. 2. 4. [.

(28)  では、次に実践者が実際に作成した﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂を見てみることにす る。ここでは、三浦和尚が一九八八年に行ったものと、それ以後に行ったものを考察する ことにしたい。. 二  ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂②.  次に示すのは、三浦和尚が一九八八年に広島大学附属高等学校の一年生を対象に実施し た授業の指導計画を要約したもので、指導過程全体が手引き性を持っており、これを使っ て﹁学習の手引き﹂のあるべき姿を考えてみることにする。   指導目標.    1、イメージを形成する特徴的な描写をとらえ、味わわせる。    2、構成に着目し、人物の心理とその変化を的確にとらえさせる。    3、人物の行動とその原因をとらえ、状況の中で生きる人間について考えを深めさ      せる。.   指導過程.    第一時通読︵生徒音読︶        疑問点・印象に残った場面をそれぞれカードに記す。.    第二時 冒頭2文に着目して、物語の設定をとらえる。 一いつ︵時︶、どこで        ︵場所︶を中心に、状況設定を具体的に明らかにする。    第三時∼第六時 疑問点の解決。 ︵注ユ︶. 興 圓. H. 鮒 翫. 忌. 回. 勧靴 鱒 勲 鮮 烈 難 批. 踵. 紡. 盤. 削. ﹁ 5 2. ﹁.

(29) 第七時. 課題作文︵以下の題のうち、一つを選んでレポートする︶. 1、下人のような状況におかれた場合、自分ならどのように考え、 行動す   るか、自由にのべなさい。. 比喩表現、あるいは場面を演出する事物の描写をとりあげ、その効果. 理由を末尾につけ加えること。. 下人のその後について物語化しなさい。ただし、そのように展開した. 2、 老婆の行為とその正当化の論理をどう思うか、自由にのべなさい。 3、. 4、. について解説しなさい。  ︵第八時 評価︶ ︵注1︶ この﹁学習の手引き  ﹂ の特徴をまとめてみると、次のようになる。.  問  点  や  問  題  点  が  取  り  上  げ  ら  れ  、  課題化されている。 ω 学習者自身の疑  取  り  入  れ  て  い  る  。  ︶  ︵課題発見学習を ②    ﹁ ま と め て み よ う  ﹂ ・﹁考えてみよう﹂といった漠然としたものではなく、具体的  .  な事柄について課題を設定している。.  ︵授業展開に即した課題作りがなされている。︶. ㈲ 何故その課題を考えなければならないのかが示されていないために、問題集的にな  つている。. 鋤 発展学習として課題作文を四つ準備しており、学習者の興味・関心に応じた個別学  習が可能になっている。 ω②から、 ﹁課題作り﹂という条件を満たしており、十分ではないが、 ︻作業活動の原. 頭. 3. 瀦 涌. 削. [ 6 2. ︸.

(30) 理︼については満たしていると判断する。.  しかし、③から、課題の提示の仕方が一方的で、話し合い活動が用意されていないため に、十分な思考活動がなされず、ここでも田近の言う正解主義に陥る危険性を孕んでいる と言える。つまり、 ﹁グループ学習の時間﹂・﹁学習者自身の読みの深化﹂という二つの 条件が満たされておらず、従って、 ︻思考活動の原理︼については不十分であると言える。. だが、このことについては、三浦は次の手引き㈲で克服することになる。  一方、㈱から、 ﹁いろいろな発展学習﹂については十分に満たしており、 ︻個別活動の. 原理︼についても満たされていると考える。残りの付属的な条件については、ここでも満 たされていないが、他の条件の成立が優先すると判断する。  結局、この﹁学習の手引き﹂は﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂ではあるが、. まだまだ不十分であり、学習者の疑問を生かした、学習者主体のものとはなっていないと 考える。.  そこで今度は、個の読みを生かした指導のための﹁学習の手引き﹂の姿を見てみること にする。. 三  ﹁羅生門﹂の﹁学習の手引き﹂③.  次は同じ﹁羅生門﹂を、三浦が個の読みを生かした学習指導として、同じく広島大学附 属高等学校の一年生を対象に実践したものである。 ︵注1︶これも指導過程全体が手引き 性を持っており、これを使って﹁学習の手引き﹂のあるべき姿を考察してみることにする。. 鰍. 辮 胴 町 ゆ 三. 朗. 勧三. 碑. 99 阻. 懸 轍. 渤. 一 7 2.  .

(31) 指導目標.  ①人物のおかれた状況とその心情を的確にとらえ、その生き方について考える。  ②作品のイメージを形成する特徴的な描写をとらえ、味わう力を養う。  ③話しあいの中で、自らの読みを確かめ、また、深めていく態度を育てる。 指導過程  第一時○学習手順の説明。.     ○指導者による本文朗読。.     ○読後の疑問点のメモ。←二点、カード化。  第二時○八班に分かれる。     ○各班で疑問を記したカードをまとめ、大きな問題を二つ選択。 ︵注1︶. 撮 卿. 叙. 悪 獣.      与えられた課題︵後述︶とともに話しあう。←発表プリント作成。     ○班内の他の生徒のカードから一枚を選ぶ。←後日、個人レポート。 ︵他の. 紅. 幡. 削. ㎜ 旋 に 題 硫 継 蝶 三 門. 盤.      生徒のコメントをもらって提出。︶  第三時∼第七時○各班の発表・話しあい・読解。 ︵一斉授業形態︶ 課題.  ○小説の書き出しとして、冒頭の二文の表現に注意する。.  ○﹁手段を選んでいるいとまはない。⋮⋮飢え死にをするばかりである。﹂とはど   ういうことかに注意する。.  ○︵二人の男が、猫のように﹂というように、︶ ﹁下人﹂を﹁一人の男﹂といい   換えていることに注意する。. [ 8 2. 一.

(32)                                 ママ   ○︵﹁揺れながら映ったので、すぐにそれと知れたのである。﹂の、︶ ﹁それ﹂の    指している内容に注意する。.   ○︵老婆が死体の髪の毛を抜いているのがわかった場面で、︶ ﹁激しい憎悪﹂が生    じてきた理由に注意する。.   ○﹁この老婆を捕らえたときの勇気とは、全然、反対な方向に動こうとする勇気﹂    の内容に注意する。.   ○︵下人が引はぎを決意し、老婆に念を押す場面で、︶ ﹁では﹂がどのような内容    を受けているのかに注意する。   ○結びの表現効果に注意する。  ︵注1︶. この﹁学習の手引き﹂の特徴をまとめてみると、次のようになる。 ω 学習者自身の疑問点や問題点が取り上げられ、課題化されている。 ② 学習の初めに、具体的な学習の手順がきちんと示されている。. ㈹ 漠然とした課題ではなく、具体的な課題を設定することによって、授業展開に即し  たものとなっている。. ㈲ グループ学習により課題の必然性が討議され、思考活動が活発になり、正解主義を  回避できるようになる。.  ︵読者の読みに裏打ちされた課題の必然性が話し合われ、課題が焦点化される。︶ ⑤ 一斉授業による発表と討議で、学習者自身の読みが深化される。. ㈲ 発展学習として、学習者の興味・関心に応じた個別学習ができるように仕組まれて  いる。. 幡. 旗. 三. 重. 滋. ∼. 9. 2. ∼.

(33)  ω②から、 ﹁課題作り﹂・﹁具体的な学習の手順﹂という二つの条件を満たしており、 ︻作業活動の原理︼については十分であると言える。.  次に、㈲㈲⑤から、 ﹁グループ学習の時間﹂・﹁学習者自身の読みの深化﹂という二つ の条件も満たしており、 ︻思考活動の原理︼についても十分であると考える。  また、⑥から、 ﹁いろいろな発展学習﹂という条件をも満たしており、 ︻個別活動の原. 理︼という最後の原理についても十分であると判断する。残りの付属的な条件が満たされ ていないが、この﹁学習の手引き﹂は﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂として は、一応十分なものであると考えたい。.  何故ならば、この手引きはω∼⑤の事前・事中の指導に重点が置かれており、その意味 では、私の考える﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂そのものであり、従来の書 中.事後の指導に偏った正解主義の﹁学習の手引き﹂とは異なるものであるからである。  三つの﹁羅生門﹂の具体的な手引きを通して、七つの条件をもとにした﹁学習の手引き﹂ のあるべき姿について考察してきたが、 ﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂の姿. が、少しずつはっきりしてきたように思われる。残りの付属的な二つの条件を含めて、 ﹁. ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂の条件については、引き続き検討を加えていく 必要があろう。. ︸ 0 3. ㎜.

(34) 第二章 大村はまの実践  前章で考えた七つの条件を生かした﹁学習の手引き﹂のあるべき姿を考える上で、参考 となるのが大村はまの実践である。そこで、ここでは昭和三十一年度版の筑摩書房の教科 書の﹁学習の手引き﹂と、それを使った授業をするための﹁学習指導の研究﹂の両方︵以. O. ﹁書く﹂の四つの領域への配慮. 下、 ﹁筑摩の手引き﹂と略称する。︶を使って、大村が考えていた﹁学習の手引き﹂のあ るべき姿を考察してみることにする。. 第一節  ﹁聞く﹂・﹁話す﹂・﹁読む﹂.  現行の教科書の﹁学習の手引き﹂の問題点の一つに、学習内容が読解技能にかかわる側 面に偏っていることを挙げ、そのために︻思考活動の原理︼が満たされていないことを述 べておいた。では、どのようにすれば、読解技能にかかわる側面ばかりでなく、内容にか かわる側面︵考えさせたい内容︶をも取り上げることができ、 ︻思考活動の原理︼を満た すことができるのであろうか。それには、 ﹁読む﹂・﹁書く﹂という領域の外に、 ﹁聞く﹂. ・﹁話す﹂といった領域への配慮が必要である。.  何故ならば、 ﹁読む﹂・﹁書く﹂という領域が﹁ひとり学び﹂の中心となるものである のに対して、 ﹁聞く﹂・﹁話す﹂という領域は﹁グループ学習﹂によって生かされるもの. だからである。つまり、グループ学習による話し合い活動を積極的に取り入れることによ って読解が深まり、 ﹁ひとり学び﹂では深化できないことができるようになるのである。. 一. 1. 3. ︸.

(35)  大村はまが作った﹁筑摩の手引き﹂は、 二 単元解説﹂・﹁二 学習指導目標﹂・﹁ 三 学習指導﹂・﹁四 学習指導資料﹂の四つの大きな構成からなっており、四つの領域 への配慮が具体的になされているので、それを見てみることにする。  具体的な教材としては、 ﹁国語一上﹂に載っている﹁少年駅伝夫﹂を取り上げることに したい。.  まず初めに、 ﹁二 学習指導目標﹂を取り上げてみる。.   一   ゴ     た る   ’を積ませる。.   二 学習指導目標       一 事がら   ︵ 2 一えながら一融  一んで一 える’を身につけさせる。. 3 単なるおもしろさ以上のもの、たとえば、導き・慰め・力などを求めて読むように. に能力.   なり、読書が欠くことのできない生活の一部になるようにさせる。 う  ︻聞くこと︼. 1 まとまった話の内容を確実に聞きとる。 2 文学作品をすなおな感動をもって聞く。  ︻話すこと︼. 3 目しあいに  的に〃力 る。  ︻読むこと︼. 4 物 の筋を剛 とる。. 3. 一 2. ﹁.

(36) 5 作品の内蜘を一=しく読 とる。 6 読書への興味を深め、進んで読むようになる。 ︻書くこと︼. 7 読んだことについて率直な感想を書く。.  8 学、得たことを進んで書く習慣をつける。  9 問にぴったり合った答を書く。   ラ   三 文法   ︵  1 文・文節・単語の関係を理解させる。  2 単語にはいろいろな性質やはたらきのあることに気づかせる。 ︵注1︶  この特徴は、指導目標を細かく﹁事がら﹂・﹁能力﹂・﹁文法﹂の三つに分け、さらに、 ﹁能力﹂を四つの領域に分けていることである。どんな教材に対しても、必ず四つの領域 に分けて目標を掲げており、 ﹁ひとり学び﹂だけではなく、 ﹁グループ学習﹂による話し. 合い活動を積極的に取り入れようとしていることが窺える。また、 ﹁文法﹂を独立させて おり、言葉の学習をきちんとさせようとする姿勢が感じられる。  これを受けて、大村は次のような﹁学習の手引﹂を用意している。. 学習の手引. 一 この話のあら じを善口え。また、この話の一。 ニ ラルスのそりはどのようにして助かったか。. 翁. 蹴 駒 翻. 孝. 脚. 四. 鞭. 31. 一. 斗. 桧. 18. 逆乱 頭. 翻9. 弾佃 丁丁 蝉聯 卿92 堕19. 瞼翻 鮒辮. 湘. 一. 3 3. ﹁.

(37) 三 ラルスがこんなにおちついていられたのはなぜか。. 四 ラルスの母が、こんなにラルスの力を信じているのはなぜだろうか。. 五 ラルスはどんな性格の少年か。また、その性格のよく現れているところは  どこか。. 六 少年ラルスのどんな行動に、 ﹁わたし﹂は感心したのか。. 七 ラルスは、どうしてこんなにかしこくなったのか。 八 あなたはうルスをなんということ一でほめるか。.                                     ︵注1︶  先の学習指導目標のそれぞれの項目が、実際の﹁学習の手引﹂では、どの部分に生かさ れているのかを考察してみると、次のようになる。.  ω 一は、能力の︻読むこと︼の4の﹁物語の筋を読みとる。﹂を具体化したもの。  ② 二∼七は、能力の︻読むこと︼の5の﹁作品の内容を詳しく読みとる。﹂、 ︻書く.   こと︼の8の﹁学び得たことを進んで書く習慣をつける。﹂と9の﹁問にぴったり合   つた答を書く。﹂の三つを具体化したもの。.  ㈲ 八は、能力の︻書くこと︼の7の﹁読んだことについて率直な感想を書く。﹂を具   体化したもの。.  しかし、これでは学習指導目標の中で、具体化されないものが出てくることになってし まう。そこで、大村は、別に次のような﹁指導上の参考﹂を用意している。. 山. 隅 猟 ㎜ 脚. 鞘 翻. 羅. 酬辮. ﹁. 3. 4. [.

(38) ︵読む︶. 指導上の参考. 全体に表現面に困難は少ないが、. かしい語については、劉く. 新出漢字と、それに準ず  る  漢  字  や  、 少しむず リントにして えたい。 そういう点の困難やつ. まずきをできるだけとり去ってやって、 読  たら たい。 語句の意味も、この. 用法など細かいことと区別して、読みの調ようにメをつける。. ような場合は、なるべくぴったりした、 わかりやすいことばに直したものを見や すく掲げ、. ︵ 手 引こ.  ﹁あらすじを言え﹂といっ  て  も  、 なかなかまとめて言えないものが多い。すぐ れた生徒の多い場合はこれで  も  よ  い  が  、 劣った生徒の多い場合は、あらすじを言 うことはあとにまわして、 筋に即した小きざみな問で、筋を思い返すだけのこと をさ 。 目標をあらすじの言い方においてはいない、あら じを とり、とり    せ  る . 一つきりわから  ばいいとして、こンの取扱いを話し方のけいこにはしたくな い。この物語から受けている魁 をたい つにして、査の目標 目  の一・2 ・3 を.わないようにしたい。 やまを わわ るためにラルスの行動を表わす 動詞を書き出してみるとよい。 ︵手引二∼七︶.  グノーフに∠か て   る 、一言しあいでもよい。しかし、こンは次のよ うに書くこと中心に進めるのもよかろう。かりに一グループを六人とする。その. ﹁. 5 3. ﹁.

(39) 六人が、まず上の六間を一問ずつ分担して、問題の答を書く。それを次々に回し 読みをする。回ってきた意見に対して、各自のグループでそれぞれの意見を書き 加えて、また次へ回す。.  この間に指導者はグループの間を回って指導する。なんと答えるかを示すので なく、物語のどこの音∠から えたらよいかを示 ように る。こうして、答案 は最初に書いた生徒にもどるが、自 の えとイの 希の えとを比.てよく. 翻。グループは必ずしも六人とは限らない。多いときは、一つの問につい 一てふたりが書いてよく、少ないときは、ひとりが二問持つ。  ︵手引八︶.  いろいろのこと一を出ざ蛸q、それを提出順か、五十音順にプリントする。.                                     ︵注1︶.  残りの学習指導目標が、 ﹁指導上の参考﹂の中のどの部分に生かされているのかを考察 してみると、次のようになる。.  ω 事がらの一∼3の項目は、傍線で示したように、 ︵読む︶部分に生かされている。.  ② 能力の︻聞くこと︼の一の﹁まとまった話の内容を確実に聞き取る。﹂と2の﹁文   学作品をすなおな感動をもって聞く。﹂、 ︻話すこと︼の3の﹁話しあいに積極的に   参加する。﹂の三つの項目は、 ︵手引二∼七︶にあるように、グループ学習を通して   具体化しようとしている。.  ③ 能力の︻読むこと︼の6の﹁読書への興味を深め、進んで読むようになる。﹂につ. 士. 鰍 鱗 礪 蹴 ㎜ 膿. 鞘 繍. 辮. 酬鱒. 一 6 3. 一.

(40)   いては、 ﹁指導上の参考﹂全体で具体化しようとしている。.  ゆ 能力の︻書くこと︼の内、7と8については、 ﹁この物語の筋と、これを読んで味   わい得たところを文章として書く。﹂という学習活動を別に設定しており、これを通   した具体化も試みている。.  ㈲ 能力の︻書くこと︼の9の﹁問にぴったり合った答を書く。﹂については、 ﹁学習   の手引﹂の二∼七で具体化されていたが、 ﹁指導上の参考﹂の中でも具体化されてい   る。.  ⑥ 文法の一と2については、学習指導全体を通して具体化しようとしている。  このように、 ﹁筑摩の手引き﹂には、 ﹁聞く﹂ ・﹁話す﹂・﹁読む﹂・﹁書く﹂の四つ. の領城への配慮がなされており、積極的に﹁グループ学習﹂を取り入れ、 ﹁ひとり学び﹂. と関連づけて、学習者の読みを深化させるように工夫されていることがわかる。. ﹁グループ.  そこで、 ﹁ひとり読み﹂を目指した﹁学習の手引き﹂の条件の一つとして、次のことを 付け加えたいと思う。. ★﹁聞く﹂・﹁話す﹂ ・﹁読む﹂・﹁書く﹂の四離礁領誠雄﹁雛奪顯.配慮し、.  学習﹂と﹁ひとり学び﹂とを関連づけるものでなければならないこと。  ︵以下、 ﹁四つの領域への配慮﹂と略称する。︶. 第工節 系統化の必要性. 一. 7. 3. 皿.

(41)  ﹁学習の手引き﹂のあり方を考える上で、次に問題にしたいのは、 ﹁学習の手引き﹂は いつも同じ形式でよいのかという、使用する学年を考慮した系統化の問題である。.  学習が学年と共に深化し、拡充していくのであれば、当然、そこで使用される﹁学習の 手引き﹂自体も深化・拡充しなければならないはずである。しかしながら、実際の教科書 に載っている﹁学習の手引き﹂の文言には、あまり変化が感じられないのが現状である。.  そこで、大村はまの﹁筑摩の手引き﹂を参考にして、系統化の問題について考えてみた. 二年︵杜子春︶. ★一  の  息を理 し. ★相手の言いたりないところを補って聞く。★その場のふんいきを理解して聞きとる。. 三年︵屋根の上のサワン︶. いと思う。次の表は、大村はまの﹁筑摩の手引き﹂の中の文学教材について、四つの領域. 一年︵少年駅伝夫︶. ★まとまった話の内容を確実に聞きとる。★文学作品をすなおな感動をもって聞く。. あるかを聞きとる。★ひとの話の根拠と自分の考えの根拠とを比べながら聞く。★文学作品の朗読を味わ. ★言  の閉合がどこに. ★重要な点と、さほど重要でない点とを区別して聞く。. を学年進行に合わせて、整理し直したものである。 ︵注1︶. と﹀﹂く聞. て 仁 づ︸て聞く。★相手の立場と自分の立場とを比べながら聞く。. 郷. 則 ② 三. 囲 港. 蹴 節 椛 轍 調. 削. ∼. 8. 3. ∼.

(42) と デ﹂. す 話. と ア﹂. に参. .★話しあいに積極的に参. う。. ★相手の話を生かして話. ,景をえがきながら聞く。. ★ことばからその場の情. ★話しあいに積極的に参. す。. 圃. 加する。. ★製しあいの責任を∠担. 声の高低・抑揚・緩急を. ★拡声器などによって、. にして話す。. にして話す。. ★話題の出所をあきらか. どをはっきりと話す。. ★批判的な意見・主張な. ⋮加する。. ★話の進行に、 る 善. ★主題に向かって話を展. して発藷を る。. ★会の進め役になる。. 開する。. 碧。 ★考えや意見を要領よく. くふうする。. ★物語や小説を読み、作. ★自分が責任者になって会を進める。. ★物語や小説の場面や人. まとめて話す。        ママ★話題の出所を明きらか. .★物語の筋を読みとる 。 る。. ★ 、的に、 王に、、意. 者の思想や人間にふれる。 える。. 一★作品の内容を詳し くく 読読 物をつかみ、主題をとら. む みとる。. ﹁. 9. 3. ∼.

(43) 読. と ザ﹂. く. 書. ★問にぴったり合った答. 書く習慣をつける。. ★学び得たことを進んで. 直な感想を書く。. ★読んだことについて率. 進んで読むようになる。. ★読書への興味を深め、. ★、・仙想や意 を曰く。. から役に立つ抜粋を作る。. メモをとり、読んだもの. ★目的にあわせて正確な. 手紙を書く。. ★いろいろな人を相手に. 意してゆむ。. ★  の  や修 に”、. 題を確立 るように書く。. ★書こうと る意 ・. ★研究の記録を書く。. してψ 。. を書く。. ★構想のはっきりした文 を書く。. ★的確に段落を切って書 く。.  この表で注目したいのは、学年の進行に合わせて項目を増やしているばかりでなく、同 じ項目を深化・拡充させている点である。  例えば、 ︻聞くこと︼で言えば、二年の﹁話す人の真意がどこにあるかを聞きとる。﹂. という項目が、三年になると、 ﹁話す人の真意を理解して、位置づけて聞く。﹂という項 目に深化している。.  次に、 ︻話すこと︼で言えば、二年の﹁話の進行に適する発言をする。﹂という項目が、. 一. 4. 〇. 一.

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