内燃機関学習における熱と仕事とサイクルに関する中学生の認識
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(2) . 3巻 第2号 北海道教育大学紀要 (第2部A) 第4. 平成5年3月. i坪o fEduc Se雨onl IA)VO I fHo嘘種doU匝ve J r s adon( o国軍烈o .43 ‐2 ,No. Ma 立c h ,1993. 内燃機関学習における熱と仕事とサイ クルに関する中学生の認識 上. 里. 正. 男・有. 誠*・ 佐 分 利. 川. 正. 美**. 8 0 5 釧路市 北海道教育大学釧路分校技術科教育研究室 * 8 1 4 福岡市 原北中学校技術科 ** 18 4 小金井市 東京学芸大学教育学部技術科学科. Junior High Schoo I Student Understanding of Heat Wrork , , le 血 Learning aboutlnternaI Combustion Engines and Cyc Masao U豆SAT0, Mako to AR弾丸AWA* 嶺, d Ma IB団RI** s鍵山 SF Te吐血o l i o r oConege lけ Edu蝕むon ,Kus , Ho懸恋doUD i iけo fEdu i ve r s { 譲don r o085 ,Kus * Ha憎亙撫j u晒or甑 ゆ S強仰もF溢血o鯨 814 ** T Chpl Ed d T iUD i i184 e oogy u偽 on ve煎 り,KOgape , o勾oGakuge. abs鞠act 罰h fl賑ss雨dy was tol錠m whemerj楓dor m感 schoolstudents understood 出e con‐ e p度poseo t l cept sofhea t c ei ndl n ei e叩副 combusdonen柳Pe , work ,andcy . For 曲 i l l l o i t副i ss加dy ef o間 nge ns富山ment was 広ぷ l e前血en l ade to show 化 1 q ) e smdents せ esecon- ,仕 cepts: 1 1 beins立u1ment i dcy臆} tona der i f s l l ti l l ‐T s o・ ln hg珪 nto work g ロ ledto 立a , wasap ,des ‐ 2 der faqy i i l ade o b l f曲erec i n to e服 cres y塗l i e obselya旗on o f故e ‐ Thec (乳匝]g modon o pro , was 凹U 1 sto l & P. 罰b esmdents wereaskedquesdonsabouth鎚も workandcyc l b 〔 ロen t eba sedone ed susmg 菌塵 sm- 1 q ) ご I P 〔 Dent sb. Asaresul t ー l i e 角1 oW ngconclusions were made‐ ,せ ders 1 tood 位econcept d work ) Manysmdentsul l sofh総t 嶺l .. 2 i )M組まysmdentsd dnotl駁lderstmd 菌ecycle‐. 1. 緒. 言. 内燃機関学習では, 燃料を燃焼させ, 熱を仕事に変える 「エネルギー変換」 が重要な教育内容で ある. このため熱工学の基本の学習が必要である が, 中学生の発達段階では熱工学を直接導入する. (7 7).
(3) . 140. ・ 1 里 正男・有川 上里. ; ・ 誠・佐分利正美. ことには困難があり, 中学生の発達段階に応じた学習とは何であるかを論議する問題 が生じる. 例. えば内燃機関学習は, 工業高校や大学段階では 「機構学」「機械力学」「熱力学」「燃焼工学」 など に支えられて学習されており, そのためには総合的な熱工学の知識・理解が必要とされるが, 総合 的な熱工学の知識・理解が未発達な中学生の発達段階を考慮すると, 何が重要な教育内容と方法で あるかが課題として十分検討されなければならない‐ その場合, 筆者らは次の2つを重要な課題と 考 えて いる.. ① 「熱を仕事に変換する過程」 の学習 熱機関である内燃機関では, 動作流体 (混合気, 燃焼ガス) はシリンダ内で状態変化して, 熱は ピストンを押し動かす仕事に変換される‐ これは 「熱エネルギー」 が 「機械的エネルギー (動力) 」 に変わる仕組みを扱うもので, 熱と仕事とは互いに変換できることを示す 「熱力学の第1法則」 の 学習として, 中学生の発達段階を考慮しながら特に重点的に位置づ ける必要性がある. ② 「内燃機関のサイクル」 の学習 熱と仕事は互いに変換できることを示す 「熱力学の第1法則」 は熱と仕事の量的関係を明らかに したものであるが, 熱機関である内燃機関では, その熱と仕事の変換には条件があり, 高温度の物 体 (高熱源) と低温度の物体 (低熱源) を用意して, その間に熱を移動させることを必要とする‐ この関係を 「熱力学の第2法則」 が明らかにしている. 内燃機関では, シリンダ内の動作流体が高 熱源 (燃焼) から熱量を得て高温, 高圧となり, ピス トンを押し動かして仕事を行う‐ しかし内燃 機関では, このような1回の作動ではなく連続した仕事が取り出されね ばならないので, 一定の膨 張が終わった動作流体から熱量を低熱源 (大気) に移して温度と圧力を下げ, 気体を収縮させては じめの状態に戻す必要がある‐ このように動作流体が色々な状態変化をしたあと, はじめの状態に 戻る一連の過程を 「サイクル」 と言い, 実際の内燃機関では燃焼 ガスと混合気の交換で元の状態に 戻りサイクルを継続している. このサイクルを繰り返すことによって熱から連続して仕事 が取り出せるという概念は, 中学生段 階における内燃機関のエネルギー変換の学習にとって重要な課題になるであろう. すなわちサイク ルの概念を学習する必要性は, 熱を仕事に変えるということと, 連続して仕事を取り出すことを結 び付ける学習として, 中学生の発達段階でも大変重要な課題と考えられる. ①の内容について は, 先行研究として, 燃料の燃焼による仕事を視覚的方法によって教授しよう ) 4 ) など数編が報告され 2 )や それらを使用した時の学習効果について調査したもの3 ) としたもの1 , , ている. また筆者らはこの内容に関する研究として,「熱を仕事に変換する過程」 の学習の中に 「気 ) 具体的な教育内容や方法につ 体の状態変化に関する学習」 を位置づけることの必要性を主張し5 , )を 進 め て き て い る いて 検 討6 .. このように① 「熱を仕事に変換する過程」 の学習は, 内燃機関学習における rエネルギー変 捌 学習の中心として重視され, 研究も進められているが, ② 「内燃機関のサイクル」 の学習はこれま であまり注目されず, その具体的内容と方法はあまり検討されてきていない. このような状況をふまえ, 本研究では, これまであまり注目されていない 「サイクル」 の学習を 「エネルギー変換」 学習の内容としてどう位置づ けたら良いかを考察した. その方法は, まず理科 教育で取り扱われている熱に関する用語 (熱力学の基礎的用語) を用いて, 内燃機関学習に関係す る熱工学的現象を中学生がどの程度理解し得るかを明らかにしようとした. その中では, 「熱力学 の基礎的概念」 「熱と仕事の関係」 「熱と連続的な仕事の関係」 などについて中学生がどのような認 識を持っているかを調査研究することにした‐ そして研究目的のために, 内燃機関の熱力学的な現 象を単純化した実験装置を考案し, それが作り出す熱力学的現象を中学生がどのように認識するか (78).
(4) . . 141. 内燃機関学習 にお ける熱と仕事とサイク ルに関する中学生の認識. という教育実験を行っ た. この中学生の認識研究 は, 今後の 「サイクル」 学習を構想する基礎資料 と する もの で ある.. 2. 実験装置・認識調査の方法 ( 1), 〈実験装置について〉 こ示す. この装置 は, 「熱により仕事を取り出す」 という現象を明 今回考案した実験装置を園IP 確に表せるよう工夫した. 各部の材質, 寸法などは図中に示した‐ シリン ダ, ピストンは少ない圧 力差で容易に動くように簡単な擦り合わせを行い, 潤滑剤としては食器用洗剤を使用した. 空気の 容器としては, 市販のアルミニウム製 ビール缶 (容積:3 の を使用した. )は生徒実験用のもので, 高熱源は手のひら (体温) 図1( A , 低熱源は水 (約15℃) を用いた‐ こ の装置であれ ば, 熱源の温度差が20℃もあれ ばピス トンの往復運動をスムーズに行わせることがで きた. 生徒実験の目的は, 生徒に高熱源と低熱源 があればピストンを動かすこと が可能なこと, 両 方の熱源を交互に与えることで, ピストンの往復運動が羽膚瀞こなることを実際の現象として知らせ る こ とで ある‐. 図1( B )は教師実験用のもので, 生徒実験用のものに 「てこ」 運動をさせる部品を取り付けたもの である. これは生徒用の装置で は, 連続した仕事を取り出すという現象が明らかでないという点か ら, なるべく仕事の現象を明確にするためのものである. 高熱源は ドライヤーの熱風, 低熱源は氷 を入れた水 (約5℃) を用いた.. A: 生徒実験. シリ ンダ ; 透明 アクリ ル パイ プ 1=300 の (内 径) =15 ピス トン :アク リ ルパイ プの 片面にふた を した もの アルミニ ウム かん : V =3 し. ア ルミニウム かん ゴムせ ん. てこ 連接棒. : 厚紙 1 (鞠問} =IDO : 針 金 1 =500 0= 1. ピス ト ン (円筒内を 自 由 に動く). B. : 馨文 節面 影選 麹韓. 連接 棒 (ピス トンと 『て こ』 をつ ない でいる). て(; i. アルミニウム かん. て こ (ピス トンが働く と 左右に動く). 当 ピス トン (円筒内を 自由 に動く). 軽く 自 由 に回 転す る. 図1. 実験装置. (79).
(5) . 142. 上里 正男・有川. 誠・佐分利正美. このようにアルミニウム缶を用いて, 空気の加熱と冷却の繰り返しによって 「てこ」 を連続運動 (仕事) させたことは, 筆者らの考えた 「サイクル」 のモデルに関係している‐ 厳密には, 加熱に よる膨張と冷却による収縮という2つの動作ではサイクルとは言えないかもしれないが, 筆者らは 加熱と冷却による空気の状態変化は, 中学生の発達段階では1つ のサイクルになると考えた. 加熱 と冷却を繰り返すことはサイクルを繰り返すことになり, そのサイクルの繰り返しによって連続し た仕事 (「てこ」 の運動) を取り出せるようにしたことは, 筆者らが考えた 「サイクル」 の学習の モデルの特色である. ( 2 ) 〈認識調査の対象について〉 認識調査の対象は, 福岡市内公立中学校3年生男女生徒:130名で, これらの生徒に 「連続的な 動作」 を行う簡単な実験装置を用いた実験を行わせ, 熱が連続的な仕事に変換される現象を観察さ せるとともに, 実験に関連する認識調査を行った. なお熱や仕事に関する教育実験を行う場合, 内 容的に関連する理科教育の学習状況をあ らかじめ把握しておく必要がある. これにあたる部分とし ) 第2分野 「天気の変化」8 )があるが 認識調査を行 た時点で生 ては, 第1分野 「熱と仕事」7 っ , , 徒は 「天気の変化」 は学習していたが 「熱と仕事」 は学習していなかった. ( 3 ) 〈認識調査の問題について〉 認識調査に用いたテストの問題は, 正しいと思うものに○をつける選択問題で, 文章記述問題は 含んでいない‐ 図2~図4に実際に作成したテス トを示す‐ 問題数は事前テスト, 事後テスト合わせて3 1問である. なお事後テス トは, 生徒実験に関するも のと, 教師実験に関するものに分けて別紙となっている. 内容として含まれている項目は表1に示 す8項目である‐ この項目には, 理科教育と関連させた熱力学の基本的概念になる項目が含まれて いる‐ 個々の問題の構造は, これらの項目が単独で用いられて いる場合と, 複数の項目が組み合わ されている場合がある. 以下で各項目について説明する. 表1. 問題内容. ①. 実験観察j 実験結果 ②. 温 度 ③‐ 圧 力 ④. 体 積. ⑥. サイクルを行わせる必要条件 (冷却). ⑦. 熱と仕事 ⑧. 加熱と冷却 項目①:実験で得られる現象を把握できるかどうか, あるいは実験のやり方を理解したかどうか を問う内容である. 項目②:温度と感覚, 温度差について問う内容である‐ 項目③:圧力と感覚, 圧力差について問う内容である. 項目④:体積と感覚, 体積差について問う内容である. (80).
(6) . 内燃機関学習における熱と仕事とサイクルに関する中学生の認識. 143. 項目⑤:熱量や熱の移動に関する内容である. 項目⑥:連続的な仕事をさせるには熱の出入りによるサイクルが必要である が, その必要性を理 解しているかを問う内容である‐. 項目⑦:内燃機関は熱エネルギーから動力 (連続した機械的仕事) への変換装置であり, 熱と仕 事が密接な関係を持っていることが認識できるかを問う内容である‐ 項目⑧:加熱による気体の膨張は理科教育でも扱われているが, 冷却した場合の現象はほとんど 扱っていないため, これらに関する認識を問う内容である. 熱機関である内燃機関を熱力 学的に考える場合, 冷却によるシリン ダ内の気体の収縮という現象は重要な項目であり, 加熱によるシリン ダ内の気体の膨張と並行して考える必要がある‐ 以上の8項目 がこの実験を規定する熱力学の基本的概念であり, この各項目概念を使用すれば生 徒を正解に導けるように, テス ト問題に関連性を持たせた‐. L事 前 テ ス トl ー ーーー ー ー ー ー ー ーーーーーーーー ーーーー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ーMー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー ー - ー - - ” - - - - - - - - - : =. …机の上にある装置に手をふれずに, 装置と右の図を見く らべて問いに答えよ. … 」 L - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - --- - - - - - --- - ----------- - - - - - ---- - - - - - - - - - - --- - - - - - - - --- - - - - - - - -------. a c )~( )の中から最もあてはまると思うものを選び○をつけなさい. 問題 次の文章を続み,( 1‐ アルミニウムかんに手のひらをあてた時つめたく感じた‐ これは, a ( ) 手のひらの温度の方が高い b ( ) 手のひらとアルミニウムかんの温度が同じだ c ) アルミニウムかんの温度の方が高い ( か ら で あ る‐. 2. しばらく手のひらをあて続けたら冷たく感じなくなっ た‐ これは, a ( ) 手のひらからアルミニウムかんに熱が移動した b ) 熱の移動はないが, 手のひらがなれた (2-1) ( c ( ) アルミニウムかんから手のひらに熱が移動した か ら で あ る. ま た こ の 時,. ( a ) 手のひらの温度の方が高く, b (2-2) ( ) 手のひらとアルミニウムかんの温度が同じで, c ( ) アルミニウムかんの温度の方が高く, 手のひらをあてる前にくらべ, a ( ) 手のひらの温度が上昇した‐ 手のひらの温度もアルミニウムかんの温度もど b ) 手のひらの温度もアルミニウムかんの温度もどちらも変化していない (2-3) ( . c ( ) アルミニウムかんの温度が上昇した. 3. アルミニウムかんに手をあてて冷たく感じた時, しばらく手のひらをあて続けると ピス トンは, a ( ) 右に動く‐ b (3-1) ( ) 左右のどちらにも動かない‐ ( c ) 左に動く‐ この時アルミニウムかんの中の空気は, a ( ) 温度も圧力もどちらも変化する. b (3-2) ( ) 温度だけが変化する. ( c ) 温度も圧力もどちらも変化しない‐. 化. 4‐ アルミニウムかんにいつまでも手をあて続けた時, アルミニウムかんの温度は, 手のひらの温度まで上がらない. 手のひらの温度と同じになる‐ 手のひらの温度よりも高くなる. 図2 事前テス ト. (81).
(7) . 1 4呂. 上里 正男・有川. 誠・佐分利正美. 1事 後 テ ス ト(生徒 実験)l . - - - . ・ ・ . - - . ・ ‐ - - - - - - . “ --” ”-- 鴨州- 冊 - - - . ----輪細冊 層 層 . - - - - - - - - - - - - - - - - - - . - - - - - - - - - - - - - . - - - - - ---一「 r. 1机の上にある装置を使って実験を行っ たのち, 下の問いに答えなさい‐ …. 実験 1. アルミニウムかんに手をあて, ピス トンが動くのを確かめる. 2. ピストンが十分に動いたら手のひらをはなす. (ピス トンが円筒から抜けないように注意する.) 3‐ 次にアルミニウムかんに冷水をかけて, ピス トンが逆方向に動くのを確かめる. 問題. a c 次の文を続み,( )~( )の中から最もあてはまると思うものを選び○をつけなさい.. 1‐ アルミニウムかんにしばらく手をあて続けたらピス トンが動いた. これは手のひらで a ( ) アルミニウムかんの中の空気に熱を与えた b ( ) ピス トンに熱を与えた ( c ) 円筒に熱を与えた ためである. 2. この時, 円筒がどこまでも長ければ, ピス トンは手をあて続けていると, ( a ) いつまでも動き続ける‐ b ( ) しばらく動いて止まる‐ c ( ) どちらとも言えない. 3‐アルミニウムかんに冷水をかけた時, ピス トンが逆方向に動くのは,アルミニウムかん内の圧力が, a ( ) そとの空気の圧力より高い b (3ー1) ( ) そとの空気の圧力と等しい ( c ) そとの空気の圧力より低い ためである‐ またこの時, アルミニウムかんの中の空気の温度は逆方向に動く前にく らべ, a ( ) 高くなっている‐ b (3-2) ( ) 変化していない‐ ( c ) 低くなっている‐ 4‐ アルミニウムかんに手のひらをあてて ピストンを動かし, 次に冷水をかけてはじめの位置までも どして静止させた‐ この時, 手のひらが与えた熱と冷水がう ばっ た熱をくらべると, ( a ) 手のひらの与えた熱の方が大きい. b (4ー1) ( ) どちらも同じである‐ ) 冷水のうばった熱の方が大きい. ( c また, 手のひらをあてる前と冷水をかけたあとの らをあてる前と冷水をかけたあとのア アルミニウムかんの中の圧力を比べると, a ) 手のひらをあてる前の方が高く, ( b (4-2) ( ) 両方とも同じで, ( c ) 冷水をかけたあとの方が高く, アルミニウムかんの中の温度を比べると, a ( ) 手のひらをあてる前の方が高い. b (4ー3) ( ) 両方とも同じである. ( c ) 冷水をかけたあとの方が高い. 5. アルミニウムかんに手のひらをあてた時あたたかく感じた. この時ピス トンは, a ( ) 右に動く. b ( ) 左右どちらにも動かない. c ( ) 左に動く. 図3. 事後テス ト (生徒実験). (82).
(8) . 内燃機関学習における熱と仕事とサイクルに関する中学生の認識. [. 事 後 テ ス ト(教 師 実 験). 145. 1. 1さらに同じ装置を使って, 教師が次のような実験を行なうのを見て, 下の問いに答えなさい‐ i. 実験 1. 2. 3. 4.. アルミニウムかんに熱風を吹きかけて ピス トンを右に動かし, てこが右に動くのを確かめる‐ ピストンが円筒からはずれないうちに熱風を吹きかけるのを中止して, アルミニウムかんに冷水をかけて ピストンを左に動かし, てこが左に動くのを確かめる‐ 熱風と冷水を交互にかけた時, ピス トンとてこが左石に繰り返し動くのを確かめる.. 問題 1‐ 2‐ 3‐ 4‐ 5‐ 6‐ 7‐ 8‐ 9. IQ 11 ‐ 12 . 13 .. 次の文章の中で, 正しいと思うものの番号に○をつけなさい. アルミニウムかんをあたためるために熱風を吹きかけた. 同じ温度の熱風であれば, 吹きかける時間が長くても短かくても全体の熱量は変わらない. 熱風を吹きかけてもアルミニウムかんの内部に熱が伝わらない‐ ピス トンを動かすため, 熱風をかけてアルミニウムかんの中の空気をあたためた‐ ピス トンがう ごくのは, あたためたり冷やしたりする事と関係ない‐ アルミニウムかんの中の空気の体積が変化して ピス トンが動いた‐ 吹きかける時間が同じなら, 温度が高い熱風ほど ピストンを動かす力は大きい‐ 熱風を吹きかけた時, てこが動いてピス トンを引 っ張った‐ 冷水をかけたらアルミニウムかんの中の温度が下がった. 冷水をかけた時, ピス トンが動いててこを引っ張った. アルミニウムかんをあたためた熱の一部が仕事に変わって ピス トンやてこを動かした‐ 熱と仕事は違うのだから, 熱が仕事に変わることはない. 木と木をこすり合わせると木の温度が上がり火がつくが, これは木と木をこすり合わせる仕事が 熱になった. 14 ‐アルミニウムかんに熱風を吹きかけるだけで,ピス トンに繰り返し往復運動をさせることができる‐ 15 . ピス トンに繰り返し往復運動させるには, 冷水で冷やすことが必要である. 16 . 熱を加えて仕事を続けさせる時, あたためる必要はあるが, 冷やす必要があるとは限らない‐ 図4 事後テス ト (教師実験). 4 ) 〈実験, 認識調査の手続きについて〉 ( 今回の実験, 認識調査は次のような内容と方法で行っ た. 1) 事前テスト まず実験装置( A )を教師が提示し, 装置の構造について生徒に説明する. 次に事前テストを生徒に 配布し, 教師が問題を読み上げながら順次回答させていく‐ 全員の回答が終わった段階でテス トは 回収する‐ (所用時間10分). 2) 生徒実験 生徒を 5 ~ 6人 か ら な る 6つの班に分け, 実験装置( )を各班に1台ずつ配り, 次のような実験を A 行わせる. 1‐ ア ル ミニ ウ ム 缶 に手 の ひ らを あ て る (ピス トン が 外側 に 移 動 す る のを 観 察 す る). 2. ピストンが十分に動いたら手のひらを離す 3‐ アルミニウム缶に水をかける (ピストンが逆方向に移動するのを観察する) (83).
(9) . . 146. 愛 誠・佐分利正美 ・ 分. 上里 正男・有川. 0分) 以上の実験を数回繰り返し行わせる. (所用時間1 次に装置をかたづけた後, 事後テスト (図3:生徒実験) を配布し, 教師が問題を読み上げなが 0分) ら順次回答させていく. 全員の回答が終わった段階でテストは回収する. (所用時間1. 3)教師実験 実験装置( B )を提示し, 教師が行う次のような実験を観察させる‐ 1‐アルミニウム缶に ドライヤーで熱風を吹きかける(この時 ピストンに連接棒で接続された「て こ」 が動くのを観察させる) 2. てこが十分に傾いたら, 熱風を吹きかけるのを止める 3‐ アルミニウム缶に氷で冷やした水をかける (「てこ」 が逆方向に動くのを観察させる) 0分) 以上の実験をリズミカルに数回繰り返す. (所用時間1 この後, 事後テスト (図4:教師実験) を配布し, 教師が問題を読み上げながら順次回答させて 0分) いく‐ 全員の回答が終わった段階でテス トは回収する‐ (所用時間1. 3. 認識調査の結果と考察 認識調査の結果を正答率として図5に示した‐ これを見ると, 正答率が高いのは, 事前テス ト(以 )や (2ー3) のような感覚と温度差, 単純な熱の移動に関するもの, 1 下, 前テストと略す) では( 1 )や (3ー1)(3-2) のような単純な熱 事後テス ト (生徒実験:以下, 生テス トと略す) で は( の移動や, 圧力という1つの項目概念で理由を説明するもの, 事後テス ト (教師実験:以下, 教テ ‐直接関係 3 4X5X 9ぬ唖4 )のような, 単純な熱の移動に関するものや, 実験観察と X ストと略す) では,( す る も の で ある. 鈍鯵. . 鋤 ミ ). 甥. 事後テスト(生徒). 事前テスト. 事後テスト(教師). “”. ”. . . ” “ “‐. ‐1. ”. . =. . ‐. ”. -. ”. . . . . 18. ‐-. -. ◎ 22 31 4 21 23 32. 1. 31 41 43 2 32 42 5. 2 1. 問題番号 図5 調査結果. (8 4). 4 3. 8. 6 5. 7. 1◎ 12 14 16 9 11 13 15.
(10) . キ ハ、 ク ルに関する中学生の認識 内燃機関学習における熱と仕事とサイク ・ ルに、\する 子 の認、 子 に、 M 。. 147. 逆に正答率が低いのは, 生テス トの (4ー2)(4-3)( )のような熱と仕事の両方を含めて考 5 える問題, 教テストの回のような熱と仕事の関係を問うものや, 回のように連続した仕事を行わせ る上での (冷却して元の状態に戻すための) 低熱源の必要性を問うものである. これらの結果から考えて, 複数の熱力学の項目概念を組み合わせ現象を把握するような思考, 例 えば熱平衡や 「熱力学の第1法則」 に関する問題などは中学生には難しいようである‐ またサイク ルの必要性を問う問題 (教テス ト回) の正答率が低かったことについては, テス ト問題の中での問 い方が 「一般的」 な必要性を問うものであったため, 生徒には今回の1回の実験から, 一般的にサ イクルは必要であると考えさせるには無理があっ たよう である‐ もし今回の実験の範囲でサイクル の必要性を問う問い方であれば正答率は高くなっ たであろう. 逆に考えれば, 「一般的」 なサイク ルの必要性を考えさせるには, 高熱源, 低熱源と連続した動作の関係がもっと直接的に提示できる ような装置 (今回用いた 「てこ」 にかえて, ピス トン機関のように 「回転」 という形で取り出せる もの, あるいは 「仕事」 をもっ と強く意識できるようにしたもの) を考案し, 学習の方法も生徒の 理解水準に応じて, 単純な概念から複合した概念へと流れを考えながら組み立てていけば可能であ ろう. そしてこの学習をより系統的に行うために, 理科教育の 「熱と仕事」 などの学習との関連, さらにこの実験装置で認識させようとした 「エネルギー変 劉 のモデルと, 実際の内燃機関のエネ ルギー変換に関する総合的な熱工学的認識との関連が今後の重要な課題となろう‐. 4. 結. 論. 本研究で考案した実験装置を用いた実験と, これに関連して行っ た認識調査から次のようなこと 力ゞわ か っ た‐. 1) 中学生 は, 熱, 仕事など, 1つの項目概念でエネルギー変換を理解することはできるが これ , ら複数の熱力学的概念の組み合わせで現象を理解することはできない. 2) 1) との関連から 「サイクル」 の学習を行うにあたっては, これに関わる概念を生徒の認識に 応じて組み合わせる方法が必要であり,理科教育との関連も十分に考慮する必要があると言える.. 引. 用. 文. 献. 1) 坂井公一・佐分利正美・阿久津勝利‐ 内燃機関学習に関連した爆発実験‐ 日本産業技術教育学会誌. 第2 2巻1号. ( 1980) p161~166. 2) 浜 昭一・西村竜明・三輪 恵‐ ピンポン玉発射装置を用いたエネルギー変換教材について. 日本産業技術教育 学会誌‐ 第2 9巻1号‐ ( i 9 8 7 ) p8 5~9 2 3) 佐分利正美・有川 誠・上里正男‐ 内燃機関学習に関する研究-機関内の燃焼を中心として-- 日本産業技術教 育学会誌. 第2 6巻3号‐ ( 19 8 4 ) p9 9~10 3 4) 佐藤泰彦・菊池庄作・笹島 格‐ 爆発実験装置の試作とそれを用いた内燃機関の学習システム‐ 日本産業技術教 育学会誌. 第27巻4号 ( 19 8 5) p3 5~3 9 5) 有川 誠・上里正男・佐分利正美‐ 内燃機関学習に関する研究( 2 )-圧力に関する生徒の認識について-- 日本産 業技術教育学会誌. 第29巻4号‐ ( 1 9 87 ) p8 9~9 2 6) 上里正男・有川 誠. 内燃機関学習に関する研究-圧力と熱に関する生徒の認識について一‐ 技術教育研究‐ 通 巻第3 5号‐( 19 9 0 ) p52~5 6 (8 5).
(11) . 148. 上里 正男・有川. 誠・佐分利正美. 8 6 ) p16 3~16 4 19 7) 大木道則 他. 新訂理科, 1分野下. 啓林館‐ ( 8 6 0~4 19 ) p2 4 8) 大木道則 他. 新訂理科, 2分野下. 啓林館.(. (8 6).
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