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バックステッピングによる鋼球の位置決め制御

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Academic year: 2021

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バックステッピングによる鋼球の位置決め制御

野田祐利 指導教員:陳幹

はじめに

現在、自動車において、制御システムにより動いてい る主要な部品は数多くある 電子スロットル 可変バルブ パワースライドドアといったものが挙げられる これらの 技術に共通しているのは モータにより制御されている点 である このようにモータ制御系は自動車において必要不 可欠である 今回の研究では同じようにモータにより制御 されているボール&ビームを制御対象とする これはモー タによってビームの角度を変えビーム上の鋼球の位置を 制御するものである また制御系設計にはバックステッピ ング制御を適用する

バックステッピング

本研究ではバックステッピング設計手法を用いる これ はボール&ビームのモデルが、まず 電流の入力により モータの回転を制御し モータの回転により鋼球の位置を 制御するという 2つのステップから構成されるモデルと いう点からである バックステッピング制御は複数階層シ ステムを考えて 各サブシステム毎に安定化させることが できれば システム全体の安定性を補償できる またバッ クステッピング制御では非線形減衰項を用いてモデリン グ誤差や外乱の影響を抑え込むことができる 以上の点か らバックステッピング制御がこのシステムに対して有効 であると考える

モデリング

本研究の制御対象であるボール&ビーム装置はモータを 駆動し出力軸の回転角度を変化させ レバーアームを介し てビーム角度を制御することにより鋼球を目標の位置に 収束させる実験装置である 本研究ではこの実験装置を電 流から回転角度を出力するモータ系と 回転角度から鋼球 位置を出力するビーム系の二つのモデルで考える モータ系 モータの入力電流によりギアの回転運動の運動方程式 を以下のように定式化する ここで は出力 回転角 度 は入 力電流 は等価慣性摩擦 は等価慣性 モーメント はギア効率 はモータ効率 はギア 比 はモータトルク定数である ビーム系 モータ系の出力により傾きが変化するビーム系のモデ ルを図 に示す 図 ビーム系モデル ビーム系のモデルを以下のように定式化する ここで は鋼球の位置 は鋼球の質量 は重力加速度 は鋼球の半径 は鋼球の慣 性モーメント は回転するギアの中心からレバーアー ムまでの距離 はビームの長さである

制御系設計

制御対象のモデルはモータ系とビーム系の2つのステッ プから構成される バックステッピング制御は各ステップ を安定であるように設計すれば 全体の制御系の安定性が 補償される よってモータ系とビーム系にそれぞれ制御 系設計を行っていくまずモータ系から回転角度 を出力 し によりビーム系の鋼球の位置と速度を制御する モータ系 まず回転角を制御するサブシステム を考える 式 からもわかるようにモータ系のモデルは線形である よっ て 制御にて制御系設計を行う 式1の入力 を 制 御で設計すると以下のようになる ただし 0 である よってモータ系のサブ システム S は以下のようになる この出力 によりビーム系を制御していく ビーム系 ビーム系には が含まれており 非線形となってい る よってビーム系の制御系設計はバックステッピング 制御で行う これはバックステッピング制御は非線形でも 対応できるという特徴から用いる 鋼球の位置を 速 度を 位置誤差を 速度誤差を とし 以下のように 定義する

(2)

まず鋼球の位置のサブシステム を考える は鋼球 の目標位置 は を制御するための仮想入力である 式を 式に代入してサブシステム を得る α この を 制御で設計する α ただし とする よってサブシステム S を下記のように得る 次に鋼球の速度のシステム について考える またサ ブシステム S は この を非線形減衰項を用いて設計する 非線形減衰 項によりモデリング誤差や外乱に対してロバスト性を補 償したシステムを設計する まず入力 を下記のように決定する ただし はモデリング誤差がない時の制御入力 はモデリング誤差に対する非線形減衰項 は外乱に対する非線形減衰項 ただし である よって 式は以下のようになる 以上がバックステッピング制御のサブシステム ~ である では入力 により回転角度 を制御する では鋼球の位置を制御し では鋼球の速度を制御する この3つのサブシステムがそれぞれ安定であるならばシ ステム全体の安定性を示すことができる

安定性解析

各サブシステムの安定性を示し システム全体の安定性 を示す まず回転角度 について考える 式を微分演 算子sを用いて書き直す が以下のフルビッツ行列 を満たせば安定である 次に位置誤差 について考える を微分演算子 を用 いて書き直す つまり速度誤差 ならば は安定である 同様に速度誤差 について考える を微分演算子sを用いて書き直す 分母部分の ならばば速度誤差 は安 定であると言える またこの値が大きければ収束までの時 間も早くなる よってサブシステム は安定であ ると言えるのでシステム全体も安定であるといえる

シミュレーション

以上を踏まえてシミュレーション 実験を行った結果は 図 の通りである 図 シミュレーション結果  図3 実験結果 シミュレーションでは目標値 に対して少し偏差はあ るが収束している 実験ではオーバーシュートが見られ るが目標値に収束している

参考文献

筧菜帆 制御理論によるレール上での鋼球の位置決 め南山大学数理情報学部 年度卒業論文 柴田佳奈 ボール&ビームの位置決め制御に対する 最適レギュレータとH制御の比較検討 南山大学数理 情報学部 年度卒業論文( ) 福島楊一郎 と外乱オブザーバを用いた磁気浮 上系の出力フィードバックロバスト制御 九州大学工 学部 年度卒業論文( ) 楊子江 バックステッピング設計手法を用いた磁気 浮 上 系 の 非 線 形 制 御 計 測 自 動 制 御 学 会 論 文 集 鈴木啓太 非線形特性を持つ磁気浮上系システムの制 御南山大学数理情報学部 年度卒業論文( )

参照

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