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鹿児島市における洪水により堆積した土が野菜種子発芽及び生長に及ぼす影響

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Academic year: 2021

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(1)

鹿児島市における洪水により堆積した土が野菜種子

発芽及び生長に及ぼす影響

著者

木山 孝茂

雑誌名

鹿児島大学農学部農場技術調査報告書

3

ページ

10-11

URL

http://hdl.handle.net/10232/9761

(2)

鹿 児 島 市 に お け る 洪 水 に よ り 堆 積 し た 土 が 野 菜 種 子 発 芽 及 び 生 長 に 及 ぼ す 影 響 木 山 孝 茂 緒 言 1993年8月6日 鹿 児 島 市 は 未 曾 有 の 日雨 量259mmの 豪 雨 と な り,市 内 の 各 河 川 は 氾 濫 し た 。 多 くの 人 命 が 失 わ れ る と共 に 家 屋,交 通 機 関 な ど 多大 な 被 害 が 生 じ た 。 こ れ ら の 河 川 の 氾 濫 と共 に 大 量 の 汚 泥 が 市 内 各 所 に 堆 積 した 。 こ の堆 積 し た 汚 泥(土)が ホ ウ レ ン ソ ウ 及 び ハ ツ カ ダ イ コ ン の 発 芽 に 及 ぼ す 影 響 を調 査 ・検 討 し た の で こ こ に 報 告 す る 。 材 料 と 調 査 方 法 土 は 第1表 に 示 す とお り,鹿 児 島 市 内 の 甲 突 川 及 び 稲 荷 川 の 近 く及 びや や 離 れ た と こ ろ8ヶ 所 を選 び,1993 年8月25日 ∼26日 に 採 取 し た 。 調 査 に 使 用 した 野 菜 は タ キ イ種 苗 株 式 会 社 の ホ ウ レ ン ソ ウ の 品 種"お か め",ハ ツ カ ダ イ コ ン は 品 種"カ ラ フ ル フ ァ ブ"を 供 し た 。 用 土 は プ ラ ス チ ッ ク5号 鉢 に つ め,各 用 土 当 り2品 種 と も2鉢 つ つ 用 い,8月28日 に 各 鉢 に 種 子10鉢 を は 種 し た 。 鉢 は 移 動 用 の 台 車 上 に 置 き,降 雨 の 影 響 を さ け た 。 用 土 は 乾 か な い 程 度 の 灌 水 を行 っ た 。(第1図)。 調 査 は 土 の 土 性,pH,EC,発 芽 所 要 日数,発 芽 率,は 種31日 後 の 生 存 率 に つ い て 行 っ た 。 結 果 と 考 察 調 査 期 間 中 の 気 象 は 第2表 に 示 す と お り で あ る 。 各 用 土 に は 種 し た 野 菜 の 発 芽 及 び 生 存 状 況 は 第3,4表 に 示 し た 。 ホ ウ レ ン ソ ウ の 発 芽 率 は30∼85%の 範 囲 で,最 大 は 用 土No.5の85%,最 小 は 用 土No.8の35%で あ っ た 。 発 芽 所 要 日数 は2.7∼3.7日 の 間 で,最 短 は 用 土No.3の 平 均2.8日,最 長 は 用 土No.4の 平 均3.7で あ っ た 。 は 種31 日後 の 生 存 率 は25∼100%の 範 囲 で 用 土No.5は100%で 対 照 区 よ り も大 き く,最 小 は 用 土No.8の25%で あ っ た 。 ハ ツ カ ダ イ コ ン の 発 芽 率 は45∼100%の 範 囲 で 大 半 は100%近 く あ っ た が 用 土No.3の 発 芽 率 は 小 さ く45%で あ っ た 。 発 芽 所 要 日数 は2.4∼7.2日 で 最 短 で 用 土No.10の 平 均2.4日,最 長 は 用 土No.2の 平 均7.2日 で あ っ た 。 は 種31日 後 の 生 存 率 は33.4∼100%で,最 大 は 用 土No.5の100%,最 小 は 用 土No.3の33.4%で あ っ た 。

発 芽 及 び 生 存 率 か ら ホ ウ レ ン ソ ウ は 用 土No.5及 び 用 土No.6が,ハ ツ カ ダ イ コ ン で は 用 土No.3及 び 用 土No.8 を 除 く他 の 用 土 が そ れ ぞ れ 対 照 の 用 土No.9及 びNo.10と 同 様 か や や 大 で あ っ た が,他 の 用 土 で は 対 照 区 よ り 劣 り,野 菜 へ の 生 長 阻 害 が 認 め ら れ た 。

土 性,pH及 びECを 第5表 に 示 し た 。 砂 土 が 殆 ど で あ り,pHは 酸1生値 を示 し,ECは 用 土No.4の1・84ミ リ モ ー を 除 き低 い 値 で あ っ た 。 こ れ ら の 測 定 値 と野 菜2品 種 の 発 芽 率,発 芽 所 要 日数 及 び 生 存 率 の 間 に 特 に 関 連 性 は み ら れ な か っ た 。 要 約 1993年8月6日 の 豪 雨 及 び 洪 水 に よ り,鹿 児 島 市 街 地 に 堆 積 し た 土 を 用 い て ホ ウ レ ン ソ ウ 及 び ハ ツ カ ダ イ ン コ ン の 発 芽 及 び 生 長 に 及 ぼ す 影 響 を 検 討 し た 。 1.発 芽 率,発 芽 所 要 日数 及 び は 種31日 後 の 生 存 率 か ら ホ ウ レ ン ソ ウ は 草 牟 田 二 丁 目 及 び 山之 口町 の 土 が, ハ ツ カ ダ イ コ ン は 西 田 町 及 び 草 牟 田 二 丁 目の 土 が 対 照 区 と同 等 か,わ ず か に 大 で あ っ た が,他 の 用 土 は 生 長 へ の 阻 害 が み られ た 。 2.土 は 殆 ど砂 土 で,pHは 酸 性 値 を 示 し,EC値 は 永 吉 町 の 土(1.84ミ リ モ ー)を 除 き低 い値 を示 し た 。

(3)

第1表 土 の 採 取地 用 土No. 採 取 地 1 下 荒 田 一 丁 目 武 之橋 道路 下 2 西 田町二 丁 目 美空無 線前 3 城 西 一 丁 目 青 空駐車 場 4 永 吉 町28番 地 東 洋電 器製作 所工 場 内 5 草牟 田二丁 目 屋 内駐車 場 内 6 山 之 口 町3-44 フタバ本 店駐 車場 7 池 之 上 町9-27 伊集 院産 婦 人科横 8 清 水町 清水 小学 校裏 門 9 対 照 山川町 の畑土 10 対 照 海砂 第2表 実験 地 の 気象 月 旬 平均 気 温(℃) 日 ・日 照 時 間 (h) 総 降 水 量 (mm) 最 高 最低 8下 9上 9中 9下 32,4 23.1 29,3 22.7 30,1 22.6 26,3 17.3 80.1 57.8 53.8 73.2 9.5 205.0 16.5 1.0 第4表 用 土別 のハ ツ カダ イ コンの発 芽及 び生存 状況 第3表 用 土 別 の ホ ウ レン ソ ウの 発 芽 及 び 生 存 状 況 用 土Nα 発芽 率 発芽所 要 日数 は 種31日 後 の 生存 率 1 70% 3.6日 27.1% 2 45 2.9 91.7 3 55 2.8 83.4 4 65 3.7 70.2 5 85 3.0 100.0 6 75 3.4 86.1 7 55 3.4 65.0 8 30 3.3 25.0 9 70 3.2 70.9 10 75 2.9 71.5 用 土No. 発芽 率 発芽 所要 は 種31日 後 日数 の生 存率 1 95 2.8 89.5% 2 100 7.2 90.0 3 45 3.1 33.4 4 75 4.7 56.3 5 100 2.5 100.0 6 100 4.0 75.0 7 95 6.1 94.5 8 55 4.6 90.0 9 100 2.7 95.0 10 95 2.4 78.4 第5表 採 取 土壌 の 土 性 と化学 性 用 土No. 土性 pH EC (ミ リ モ ー) 1 砂土 5.50 0.57 2 砂土 5.89 0.45 3 砂土 5.80 0.20 4 砂土 6.10 1.84 5 壌 質粗 砂 土 5.67 0.00 6 壌 質粗 砂土 4.80 0.04 7 砂土 5.87 0.16 8 砂 土 6.21 0.13 9 砂 土 5.50 0.01 10 砂 土 7.60 0.02 第1図 実験 の状 況

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