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デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について

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Academic year: 2021

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デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 7 」 ( 共 同 研 究 ) )

デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について

STUDY ON EDUCATIONAL METHODS OF FUNDAMENTAL PROGRAMMING FOR

DESIGNER AND ARTIST

……….

尹 智博 大学院芸術工学研究科 助教 大内 克哉 基礎教育センター 教授

榮元 正博 芸術工学部ビジュアルデザイン学科 助教

Jibak YOON Graduate School of Arts and Design, Assistant Professor Katsuya OUCHI Center for Liberal Arts, Professor

Masahiro EIGEN Department of Visual Design, School of Arts and Design, Assistant Professor

……… 要旨 2013 年 6 月に日本国政府は、「世界最先端IT 国家創造宣 言」を閣議決定した。その宣言の中には、2020 年代から初 等教育の中にプログラミング教育を導入する事が含まれて いた。また新しいモノづくりであるデジタル・ファブリケー ションやデバイス制御などの技術が修得できる環境整備 を、教育環境のIT(Information Technology)化とともに 推進していく事が決められた。 神戸芸術工科大学(以下、KDU)には、7 学科(環境デ ザイン、プロダクト・インテリアデザイン、ビジュアルデザ イン、映像表現、まんが表現、ファッションデザイン、アー ト・クラフト)27 コースある。各学科では、それぞれの専 門領域のもとに様々なカリキュラムが組まれ、必要に応じ てプログラミングの授業(主にWeb 系や 3DCG)が開講さ れている。しかし今後は、義務教育の中にプログラミング 教育が含まれることを考えると、ひとつの専門に偏るので はなく、デザインやアートの表現を行うための基礎的なプ ログラミング教育を構築する必要性がある。 本研究は、KDU におけるデザインやアートの表現を行う 為の基礎的なプログラミングの導入教育方法の構築を目的 とし、KDU インタラクションデザインコースの授業を中心 に様々な教育実験を行った。 Summary

Japanese Government decided “ Declaration on the Creation of the World’s Most Advanced IT Nation.” at the Cabinet meeting in June 2013. There was introducing programming education in primary education from 2020 in the declaration. And there was establish an environment in which you can acquire digital fabrication and device control technologies in the declaration.

Kobe Design University has 27 courses seven departments (Environmental Design, Product and Interior Design, Visual Design, Image Arts, Manga Media, Fashion and Textile Design, Arts and Crafts). In each department, various curriculums were organized under each specialized field, and programming classes (mainly web system and 3DCG) were held as needed. In the future, there is a need to construct basic programming education for expressing design and art in the KDU curriculum.

This research aimed at the introduction of basic programming introduction education method for expressing designs and arts in KDU, and conducted various educational experiments mainly on classes of KDU interaction design course.

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デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 7 」( 共 同 研 究 ) 1.研究目的 本研究 は 、神 戸芸術 工科 大 学( 以下 、KDU)におけ るデ ザイ ンや アー トの 表現 を行 う為 の基 礎的 なプ ログ ラミン グの 導入 教育 を構築 する事 を目 的と する 。 2.研究背景 2013 年 6 月に日本国政府は、「世界最先端 IT 国家 創造宣 言」を閣 議決定 した 。その 宣言 の中 には、2020 年代 から 初等 教育 の中 にプ ログ ラミ ング 教育 を導 入す る事 が含 まれ てい た。 また 新し いモ ノづ くり であ るデ ジ タ ル ・フ ァ ブ リ ケ ー シ ョ ン や デ バ イ ス 制 御 な ど の 技 術 が 修 得 で き る 環 境 整 備 を 、 教 育 環 境 の IT (Information Technology)化とともに推進していく 事が決 めら れた 。 KDU では、7 学科(環境デザイン、プロダクト・イ ンテ リア デザ イン 、ビ ジュ アル デザ イン 、映 像表 現、 まんが 表現、ファ ッシ ョン デザイ ン、ア ート・クラ フト ) 27 コ ー ス の 専 門 領 域 の も と に 様 々 な カ リ キ ュ ラ ム が 組 ま れ 、 必 要 に 応 じ て プ ロ グ ラ ミ ン グ の 授 業 ( 主 に Web 系や 3DCG)が開講されている。しかし今後は、 義務 教育 の中 に プ ログ ラミ ング 教育 が含 まれ るこ とを 考え ると 、ひ とつ の専 門に 偏る だけ では なく 、デ ザイ ンや アー トの 表現 を行 う為 の基 礎的 なプ ログ ラミ ング 教育を 構築 する 必要 性があ る と考 える 。 3.研究の到達目標 執筆 者が 考え るデ ザイ ンや アー トの 表現 を行 う 為 の 基 礎 的 な プ ロ グ ラ ミ ン グ の 導 入 教 育 の 到 達 目 標 は 、 「Processing」と「Arduino」を「シリアル通信」で連 携 し て 、 ア ナ ロ グ セ ン サ ー を 用 い て モ ー シ ョ ン グ ラ フィッ クス を制 作出 来る様 になる 事で ある 。 「Processing」は、MIT(Massachusetts Institute of Technology)メ デ ィ ア ラ ボ の ケ イ シ ー・リ ー ス ( Casey Reas)とベン・フライ(Ben Fry)によって、デザイナー と ア ー テ ィ ス ト の 為 の プ ロ グ ラ ミ ン グ 入 門 と し て 2001 年に開発された言語である。「 Processing」は、 当初 グラ フィ ック スと イン タラ クシ ョン に焦 点を 絞り 開発さ れて いた が、2002 年のアルファ版公開から最新 版の Ver.3.3.5(2017 年 7 月 31 日時点)に至るまで、 そ の 使 用 が 容 易 い こ と か ら 世 界 中 に そ の ユ ー ザ ー が 増え 、様 々な ライブ ラリ が ユーザ ーに よっ て開 発され 、 現 在 で は 音 楽 制 作 や 視 線 ト ラ ッ キ ン グ 、 AR(Augmented Reality) 、 VR(Virtual Reality) 、 「Arduino」との連携なども行える様になった。 「Arduino」は、IDII(Interaction Design Institute Ivrea)のマッシモ・バンジ(Massimo Banzi)によって、 電子制 御を 容易 く行 える基 盤とし て開 発さ れた 。ま た バンジ は 、基盤 制御 用の 開 発環境 とし て「Arduino IDE」 を「Processing」をベースに開発した。これによって、 電 子 工 学 を 主 に 学 習 し な か っ た デ ザ イ ナ ー や ア ー テ ィ ス ト で も 、 プ ロ グ ラ ミ ン グ の 延 長 で イ ン タ ラ ク テ ィ ブ な 作 品 を 制 作 す る 手 段 を 手 に 入 れ る 事 が 可 能 となっ た。 こ の 2 つの言語および基盤は、「シリアル通信」や 「OSC(Open Sound Control)」などの各種通信を用い て イ ン タ ラ ク テ ィ ブ な 関 係 を 構 築 す る 事 が 可 能 で あ り、双方 の言 語がメ ディ ア 系の高 等教 育機 関の 授業カ リキュ ラム に取 り入 れられ 、世 界中 で様 々な教 育が 行 われて いる 。 KDU においては、2014 年度から各専門領域を横断 す る コ ー ス で あ る イ ン タ ラ ク シ ョ ン デ ザ イ ン コ ー ス (以下 、IDC)の「サイエンティフィック・プログラミ ング演 習」(担 当教 員:大 内 克哉 、尹 智博 、小 山明 )に おいて「Processing」と「Arduino」の連携をベースと したプ ログ ラミ ング 教育を 行って いる 。履修し た学 生 達は 、初 めて プログ ラム 学 習を行 った 人達 が多 くある ものの 最終 的に は、「Processing」と「Arduino」を「シ リアル 通信 」で 連携 して 、アナロ グセ ンサ ーを 用いて モ ー シ ョ ン グ ラ フ ィ ッ ク ス を プ ロ グ ラ ム で 制 作 す る 事が出 来る 様に な っ ている 。一 方で 、授 業開始 から 数 回につ いて は、「if 文」や「for 文」などの簡単な構文 を 理 解 出 来 ず に 立 ち 止 ま っ て し ま う 学 生 も 確 認 さ れ る。ま た「Arduino」でも電子制御における回路図や配 線が理 解出 来ず に同 様の事 が起き てし まう 。 現 在、上

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デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 7 」( 共 同 研 究 ) 記科 目の 履修 生 は イン タラ クシ ョン デザ イン に 関 心が ある 学生 であ り、 その 学生 達で もプ ログ ラミ ング 教育 の最 初に は理 解出 来ず に立 ち止 まっ てし まう 事が 確認 され る。 しか し、 これ から は そ うし た学 生と 合わ せ、 IT に そ こ ま で 関 心 が 無 い 学 生 に も 理 解 し 易 い カ リ キュラ ムを 構築 して いかな ければ なら ない 。 そこ で本 研究 では 、MIT が開発したアルゴリズムの 教育用 言語 でも ある「Scratch」と、電子工作における 回路 図や 配線 など を 考 えず に直 感的 電子 パー ツを 繋ぎ 合わ せる 事に よっ て様 々な 動き を簡 単に 制作 する 事が 出来る「littleBits」を用いて、デザインやアートの表 現を 行う 為の 基礎 的な プロ グラ ミン グの 導入 教育 を構 築する 事を 試み た。 4.研究方法 研究方 法は 、執 筆者 が担 当 する IDC のプログラミン グやデ バイ ス制 御に 関する 科目(「 サイエ ンテ ィフ ィッ ク ・ プ ロ グ ラ ミ ン グ 演 習 」、「 プ ロ グ ラ ミ ン グ カ ル チャ ー」、「学 科横 断型 プロ グラ ム( イン タラ クシ ョン デ ザ イ ン ユ ニ ッ ト )」、「 ワ ー ク シ ョ ッ プ ( 夏 季 学 外 演 習)」) で様 々な 教育 実験を 実施し た。 右 掲の 図版 は、 本研 究で 考案 した 導入 教育 のス テッ プ案で ある 。 ■ス テップ1(図 1) Scratch によるアルゴリズム学習 littleBits による電子工作 Scratch と littleBits の連携 ■ス テップ2(図 2) litleBits と Arduino の互換 電子回 路図 の学 習 ■ス テップ3(図 3) 各種プ ログ ラミ ング 言語の 学習 (IDC では、Processing、MAX、Grasshopper、 Sonic-Pi などの言語を使用している) ■ス テップ4(図 4) 各 種プ ログ ラミ ング言 語とArduino の連携 シ リア ル通 信、OSC の学習 ( 図1)ステップ 1 ( 図2)ステップ 2 ( 図3)ステップ 3 ( 図 4)ステップ 4

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デザイナーとアーティストの為の基礎的なプログラミングの教育方法について 神 戸 芸 術 工 科 大 学 紀 要「 芸 術 工 学 2 0 1 7 」( 共 同 研 究 ) 一 般 的 な メ デ ィ ア 系 の 高 等 教 育 機 関 お よ び 本 学 の IDC では、ステップ 3 とステップ 4 の教育が行われて いる 。こ れら はイ ンタ ラク ショ ンに 特化 した プロ グラ ミング 教育 では ある が、2020 年代からの初等教育にプ ログラ ミン グを 含む IT 教育が始まると、デザイナー やア ーテ ィス トに とっ ては 、基 礎的 な制 作ツ ール とし て身に つけ てお かな ければ ならな いも のと 考え る。 そこ で、 それ らの 導入 教育 とし て、 プロ グラ ミン グ に不 慣れ な学 生達 でも 容易 く 学 習で きる 教育 方法 とし て、ス テッ プ1 とステップ 2 の教育実験を IDC 科目 内で試 みた 。 5.研究の教育実験 教育 実験 は、 ステ ップ 毎 に個別 の授 業で 実施 した。 ステッ プ 1 の「Scratch によるアルゴリズム学習」 と「littleBits による電子工作」(写真 1)については、 「ワー クシ ョッ プ( 夏季 学 外演習 )」の授 業に おいて 履 修生 12 名に対して行った。ステップ 2 は、個別に実 施しな かっ た。ス テップ3 の「各種プログラミング言 語の学 習」( 写真 2)は、「学科横断型プログラム(イ ン タ ラ ク シ ョ ン デ ザ イ ン ユ ニ ッ ト )」 に お い て 履 修 生 11 名に対して行った。ステップ 4 の「各種プログラミ ング言 語とArduino の連携」と「シリアル通信、OSC の学 習」 につ いて は、「プ ログ ラミ ング・カル チ ャー 」 の授業 にお いて 履修生7 名に対して行った。 そして、ステ ップ1~4 を通しては、「サイエンティ フィッ ク・プ ログ ラミ ング 演習 」に て履修 生12 名に対 して行 った (写真3)。 各授 業の 履修 生達 には 、個 別の アン ケー トを 実施 し フィ ード バッ クを 行っ た。 アン ケー トで 記入 され たコ メント には、「Scratch」と「littleBits」を用いる事に よ っ て 得 ら れ る で あ ろ う と 想 定 し て い た メ リ ッ ト ・デ メリ ット が学 生達 によ って も記 載さ れて おり 、よ りそ のデ メリ ット 部分 につ いて 分か り易 く教 育シ ステ ムを 構築す る必 要性 があ る事を 実感し た。 双方 のメ リッ トに つい ては 、基 本的 には 使用 しや す い事 やプ ログ ラミ ング の学 習が 思っ てい たよ りも 単純 で あ っ た 事 な ど が あ っ た 。 一 方 の デ メ リ ッ ト で は 、 「Scratch」に関して変数の設定などが煩わしい事や、 「littleBits」に関してピンの設定情報が分かりづらい など 、コ メン ト記入 者の プ ログラ ミン グに 対す る理解 力の高 さか ら記 入さ れたも のであ った 。 6.まとめ IDC の プ ロ グ ラ ミ ン グ に 関 す る 授 業 内 で 様 々 な 教 育実験 を行 った が、今後 は より 多 くの 学生 に教 育 実験 を行い 、母 数を大 きく して IT 教育時代に対応する、デ ザ イ ン と ア ー ト の 為 の 基 礎 的 な プ ロ グ ラ ミ ン グ の 教 育 方 法 に つ い て 継 続 し て 検 証 し て い き た い と 考 え る 。 ( 写 真1)ステップ 1 のワークショップ風景。 ( 写 真2)「 各 種 プ ロ グ ラ ミ ン グ 言 語 の 学 習 」の ワ ー ク シ ョ ッ プ 風 景 。 こ こ で は 「MAX」のワークショップ 行った。 ( 写 真3)「サイエンティフィ ック・プログラミング演習」の 授 業 風 景 。「littleBits」と「Processing」を「シリアル通信」 で 連 携 し て 、 モ ー シ ョ ン グ ラ フ ィ ッ ク ス を 制 作 し た 。 註 : 図 版 は 執 筆 者 作 成 、 写 真 は 執 筆 者 撮 影

参照

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