Kobe Shoin Women’s University Repository
Title
高齢者の生活からみた公団賃貸住宅に関する研究
―香里団地を事例に―
Study on housing srented by UDC from the view of
living of the aged -AcaseofKori-Danchi-
Author(s)
増永 理彦(MASUNAGA Tadahiko)
Citation
生活科学論叢(Review of Living Science)
,
No.33:29-54
Issue Date
2002
Resource Type
Bulletin Paper / 紀要論文
Resource Version
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Right
高齢 者 の生 活 か らみ た公 団賃 貸 住 宅 に関 す る研 究
香里 団地 を事例 に
増
永
理
彦
1は じ め に 1.1目 的 現 代 日本 の大 都 市 に お い て 、 近 年 家 族 が 変 容 し家 庭 生 活 が 大 き く変 化 しつ つ あ る。 当 然 、 高 齢 者 も この 変 化 の影 響 を受 け 、健 康 や 介 護 問題 、 家 族 との 人 間 関係 、 家 計 あ る い は こ れ らの 将 来 に つ い て 等 々 の 問題 に悩 み な が ら生 活 して い る。 ま た 、 これ らの動 向 を 背 景 と して 、「誰 と ど こ に ど の よ う に住 む か」 と い っ た居 住 問 題 も変 化 しか つ 深 刻 化 しつ つ あ る と考 え られ る。 一 般 的 に は 、 高 齢 者 は 現 在 の住 み 慣 れ た よ き隣 人 関係 の なか の居 住 地 で 継 続 的 に住 み 、 そ こ で 一 生 を終 わ りた い と希 望 して い る。 と こ ろ が 、 こ の よ う な 高 齢 者 居 住 の 実 態 一 特 に健 常 高 齢 者一 は 十 分 に は 把 握 ・分 析 で きて い な い現 状 に あ る こ と もあ って 、居 住 空 間計 画 の 面 か ら も そ の対 応 は 十 分 と は い え な い 状 況 に あ る。 一 方 、 ホ ワ イ トカ ラー 若 年 核 家 族 層 の 住 まい で あ った 公 団(都 市 基 盤 整 備 公 団)賃 貸 住 宅 に お け る居 住 者 の な か に も高 齢 者 が 急 増 し、高 齢 者 居 住 か ら み た 住 ま い の あ りか た 、 あ るい は 、 団 地 の再 生 が 大 きな 問題 に な りつ つ あ る。 そ こで 、 最 近 供 給 さ れ た 公 団 賃 貸 住 宅 を事 例 と して 取 り上 げ 、 都 市 住 宅 の モ デ ル で あ る公 団 住 宅 に 居 住 す る高 齢 者 が どの よ う に生 活 し、 居 住 空 間 に対 して ど の よ う に思 っ て い る の か 分 析 ・考 察 し、 今 後 の公 団 賃 貸 住 宅 の 団 地 再 生 に生 か した い と考 え る。 1.2調 査 対 象 の 選 択 建 替 団 地 を選 択 した が そ の 理 由 は 以 下 の よ うで あ る 。 戻 り入 居 高 齢 者 を調 査 対 象 と して と りあ げ 、 一 定 期 間 同 一 団 地 、 同 一 の 居 住 空 間 に 居 住 して い た 、 とい う共 通 の 居 住 体 験 を持 っ た 高 齢 者 の意 見 を分 析 す る こ と に よ り、 前 住 宅 で の 生 活 履 歴 に お い て 空 間 的共 通 性 が あ る だ け に 、建 替 前 後 住 宅 に 関 す る高 齢 者 の 比 較 評 価 内 容 は 全 く異 な っ た 種 類 の 住 宅 に居 住 して い た 人 に対 す る調 査 に比 して判 りや す く説 得 性 を持 っ て い る と思 わ れ る。 この よ う な こ と か ら具 体 的 に は 、 大 阪 府 枚 方 市 に あ る香 里 団 地 を選 ん だ 。 そ の 選 定 理 由 は 、 ①高 齢 者 を含 む 世 帯 を で きる だけ 多 く調 査 対 象 と して選 択 す る の で 、 建 替 住 宅 の 供 給 戸 数 の 多 い 団 地 が よい 、② 建 替 前 の居 住 実 態 が で き るだ け 記 憶 に残 っ てい る た め に は 、 で き る だ け最 近 の 建 替 団地 の 方 が よ い、③ 建 替 前 は、 中層 の 階 段 室 型 住 宅(一 部 低 層 テ ラ ス住 宅)で あ り、建 替 後 は片 廊 下 型 中 高 層住 宅 とい う空 間 構 成 で あ り前 後 の評 価 が や りや す い 、④ 大 規 模 団 地 で あ れ ば、 分 析 成 果 を将 来 の 建 替 え あ る い は団 地 再 生 計 画 に生 か す こ とが 出来 る 、 とい っ た4点 で あ る 。 1.3調 査 概 要 ぐ1)調 査 対 象
建 替 事 業 の 一 部 終 了 した 香 里 団地A地 区(建 替 前 のAl、2、3街 区 を 中心 に周 辺 含 め 、Al ∼6街 区 か ら形 成 、(図5))の 中 の 団 地 で あ る 「み ず き街 」(旧A2街 区)に お け る、 戻 り入 居 者 の う ち 、65歳 以 上 の高 齢 者 を含 む世 帯 をす べ て選 択 し た。 単 身 世 帯34、 夫 婦 世 帯49そ れ に二 世 代 世 帯25の 計102世 帯 で あ り、建 替 後 居 住 す る賃 貸 住 宅 は 、 中高 層(5∼12階)片 廊 下 型 で 、 住 戸 型 は 、IDK、2DK、3DK、3LDKの4タ イ プ で あ る 。 戻 り入 居 高 齢 者 の 建 替 前 後 の 住 戸 平 面 を 示 す(図1∼3、 図 中 の 面 積 は概 略 の 住 戸 専 用 床 面 積)。 (2)調 査 内 容 1)方 法 上 記 対 象 者102世 帯 に対 して 、2000年8月1日 ∼5日 の 期 間 にお い て 、調 査 員 が 被 調 査 者 宅 に 訪 問 し、 調査 票 を も と に して、 面 接 ヒ ア リ ング を行 な っ た 。 ヒ ア リ ン グ 個 票 の 回収 数 は 、単 身 世 帯17、 夫 婦 世帯30、 二 世 代 世 帯14の 計61票 で あ り、 回収 率60%で あ っ た。 また 、 建 替 前 後 の 住 戸 型 別 に調 査 対 象 者 の 内訳 を示 す と以 下 の表 の よ うで あ る(表1)。 表1住 戸型別 調査対象者 世帯数 建替 後住戸型 1DK 2DK 3DK 3LDK 計 建替 前 住戸 型 2K 5 16 4 1 26 2DK 0 9 3 0 12 3K 2 6 1 2 11 T2DK 0 8 0 1 9 T3DK 0 2 0 1 3 計 7 41 8 5 61 注:T2DK、T3DKのTは テ ラ ス タ イ プ を示 す 一30一
2)調 査 項 目 (イ)基 本 属 性 家 族 構成 、年 齢 、性 別 、職 業 、居 住 年 数 、住 戸 内 外 で過 ご す 時 間 、テ レ ビ視 聴 時 間 、散 歩 時 間 ㈲ 住 戸 内主 要 生 活 行 為 就 寝 、 くつ ろ ぎ ・趣 味 、 食事 、 親 しい友 人 へ の 接 客 、 子 ど もや 孫 の来 訪 、 だ ん ら ん 、 の 屋 外 で の 生 活 行 為 屋 外 で の行 為 、 近 所 付 き合 い、 (3}分 析 対 象世 帯 分 析 対 象 とな る 単 身 世 帯 と夫 婦 世帯 の居 住 して い た あ る い は居 住 して い る住 戸 型 別 世 帯 数 は以 下 の よ うで あ る(表2、 表3)(住 戸 平 面 図 は(図1∼3)を 参 照)。 表2住 戸型別 調査対象者(単 身世帯) 建替 後住 戸型 1DK (36m2) 2DK (47mD 3LDK (76mD 計 建 替 前 住 戸 型 2K(32m2) 5 3 0 8 2DK(35mD 0 3 0 3 3K(42m2) 1 0 1 2 T2DK(43㎡) 0 4 o 4 T3DK(49㎡) 一 0 0 o 0 計 6 10 1 一 一 17 注:T2DK、T3DKのTは テ ラ ス タ イ プ を 示 す 。 型 別 の 後 の()は 、 概 略 の 専 用 床 面 積(バ ル コ ニ ー 除 く) 表3住 戸 型 別 調 査 対 象 者(夫 婦 世 帯) 建替後住 戸型 1DK (36m2) 2DK (47m2) 3DK (59m2、63m2) 3LDK (70m2) 計 建 替 前 住 型 2K(31m盟 、32m2) o 9 3 o 12 2DK(35m2) 0 5 1 0 6 3K(42㎡) 1 4 1 1 7 T2DK(43m2、44m2) 0 2 0 1 3 T3DK(49m2) 0 1 0 1 2 計 1 21 5 3 30 注:T2DK、T3DKのTは テ ラ ス タ イ プ を示 す 。 型 別 の 後 の()は 、 概 略 の 専 用 床 面 積(バ ル コ ニ ー 除 く)
図1建 替前住戸平 面
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図2建 替前住 戸平面 ま た 、 建 替 前 後 の 居 室 床 面 積 に 関 し て は 、 畳 の 基 準 寸 法 が 違 う こ と も 考 慮 し て お く必 要 が あ る 。 つ ま り、 畳1畳 分 の 面 積 に つ い て み る と 、 建 替 前 は1.28㎡(0.8×1.6)、 建 替 後 で は1.54㎡ (0.88×1.76)と 約20%増 加 して い る1)。 1.4香 里 団 地 の 建 替 計 画 (D全 体 計 画概 要 調 査 対 象 で あ る香 里 団地 は 、 大 阪 府枚 方 市 の西 南 部 、 寝 屋 川 市 と接 す る 丘 陵 地 に あ る 。 全 体 の 開 発 面 積 は155haあ り、 当 初 の計 画 人 口22,000人 で 計 画 戸 数5,850戸 、 そ して 生 活 関 連 施 設 な ど が 充 実 され た 大 規 模 団 地 で あ る 。 当 団 地 は公 団 施 行 の 土 地 区 画 整 理 事 業 に よ り1955年 に着 手 さ れ 、1962年 に換 地 処 分 が 終 了 して い る。 最 初 の 入 居 は1958年ll月 、B地 区 か ら始 ま り、1968年 に 住 宅 の 新 規 供 給 が 終 っ た 。 ほ ぼ10年 間 で 入 居 が 終 了 した こ と に な る 。 当 時 は"東 洋 一 の ニ ュ ー タ ウ ン"と い わ れ 、 関 西 の み な らず 全 国 的 に も有 名 団 地 で あ っ た。A地 区 建 替 直 前 に お い て は 、 団 地 全 体 で賃 貸 住 宅4,881戸 を含 ん で 、6,724戸 の 住 宅 と、 人 口19,500人(内 、 賃 貸 住 宅 に は、13,100 人)が 居 住 して い た 。 建 替 事 業 の 着 手 は1993年 で 、 まずA地 区 か ら そ し て 、 現 在 は 、B地 区 に お い て も事 業 が 着 手 さ れ て い る(図4∼7)。 (2)み ず き街 計 画 概 要 み ず き街(建 替 え前 はA2街 区)は 、 香 里 団 地 の 北 東 部 に位 置 し、 敷 地 は 南 東 下 が りで 勾 配 は 7∼8%あ り、 北 側 は 戸 建 住 宅 地 あ る い は 団 地 居 住 者 に よ く利 用 され 愛 着 も持 た れ て い る 「桜 公
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図3 建替後住 戸平 面
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図6A-2街 区 住 棟 配 置 図(建 替 前)
図7み ず き街住棟 配置図(建 替後)
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園 」 に 隣接 して い る。 南 側 は 、 水 路 と街 路 を挟 んで 開 成 小 学 校 に対 面 して お り、 街 路 形 態 は、 建 替 前 後 でA地 区 にお い て は 変 化 して い な い(図3)。 ま た、 東 と西 側 は 、 土 地 利 用 が 未 確 定 のA l、A3街 区 に街 路 を挟 ん で接 して い る。A地 区 に居 住 して い た 人 の う ち 、 戻 り入 居 者 全 員 が み ず き街 に 入 居(1998年ll月)し て い る(図5∼7)。 次 に 、 建 替 直 前 のA地 区 全 体 概 要 と、 建 替 後 の み ず き街 につ い て そ の 計 画 概 要 及 び 空 間 構 成 実 態 に つ い て 概 説 した い 。 A地 区 は 、 敷 地 面 積:83,200㎡ 、 住 宅 戸 数:886戸(内 、A2街 区 で220戸)、 住 棟 階 数:2∼ 5階 、住 棟 数:47棟 、 住 戸 型:2K∼3DK、 住 戸 専 用 面 積:35∼49㎡ 、 供 給 は1958∼63年 度(昭 和33∼38年 度)、 駐 車 台 数289台(33%)、 で あ る。 この 諸 元 をみ た だ け で 、①1住 戸 あ た りの 敷 地 面 積 が93㎡ もあ り、 容 積 率(専 用 面 積 あ た り)50%を 切 り、 ゆ っ た り と した 屋 外 空 間 で あ る 、 ② 住 棟 は 中低 層 で ヒ ュ ーマ ンス ケ ー ル性 を 有 して い る 、③ 入 居 後 、25∼40年 経 過 し、 屋 外 空 間 は 自然 環 境 に恵 まれ て い る。 反 面 、① 階段 室 や 住 戸 の床 面 積 は狭 く、 設 備 関 連 も現 在 の 水 準 に比 し 低 い 、② 自動 車 の 保 有 状 況 か らす る と、 街 路 に は 、車 が 溢 れ て様 々 な 問題 を発 生 させ て い るで あ ろ う こ と 、等 が 容 易 に推 測 で き る。 建 替 後 の み ず き街 の 概 要 につ い て は 、 ま ず 、 敷 地 面 積 は29,200㎡ で あ る 。 住 宅 戸 数 は 、437戸 (内 、戻 り371戸)、 住 棟 階 数5∼12階 、住 棟 数:9棟 、住 戸 型:1DK∼4LDK、 住 戸 専 用 面 積: 36∼83㎡ 、供 給 年 度 は1998年 度 、 駐 車 台 数437台(100%、 こ の 内 、本 設 が80%で リ ザ ー ブ 用20 %)、 そ して 、 駐 輪 台 数200%で あ る 。 これ らの諸 元 を読 む と、①1住 戸 あ た りの 敷 地 面 積 は67㎡ で、 容 積 率(容 積 対 象 面 積 に よ る 、付 属 建 物 な ど含 む)110%で あ り、 ほ ぼ建 替 前 の2倍 の ボ リ ュ ー ム の住 宅 規 模 に な っ て い て 、 中 高 層 住 棟 が 配 置 さ れ て い る の で 、 か な りの 高 密 度 感 が あ る、 ② 住 棟 群 デ ザ イ ン に 関 して は 、 全 て が 単 調 な 高 層 住 棟 だ け で は な い し、 か つ 、 敷 地 の ア ン ジ ュ レ ー シ ョ ン に助 け られ、 変 化 に富 ん だ ス カ イ ラ イ ン とな って い る 、③ 建 替 前 の ヒュ ー マ ンス ケ ー ル 性 に比 し、 大 き く変 化 し、 親 しみ に くい圧 迫 感 の あ る居 住 空 間 とな っ て い る、 こ と等 が 判 る。 (3)高 齢 者 対 応 の計 画 内容 高 齢 者 対 応 に 関 して は、 他 団 地 で の 建 替 事 業 や 新 規 供 給 住 宅 に お け る 計 画 と 同 じ よ う に 、 住 戸 ・住 棟 レベ ル で の 公 団 の 設計 基 準 で あ る 「長 寿 社 会 対 応 仕 様 」 に 沿 っ て設 計 さ れ て い る 。屋 外 に つ い て は、 特 徴 と して 、① 通 路 は縦 断 勾 配8%以 内 で 、 住 戸 か らエ レベ ー タ ー を利 用 し、住 棟 の 玄 関 か ら屋 外 そ して 団 地 内 につ い て は歩 行 通 行 上 の バ リア フ リー は 確 保 され て い る 、② 休 憩 ス ペ ー ス な ど の 高 齢 者 に よ る使 用 につ い て の 配 慮 、 ③ 集 会 所 の バ リ ア フ リー 化 、 の3点 程 度 で あ る 。 一38一
2住
戸内生活 からの評価
2.1高 齢 単 身 者 の場 合 (1)プ ロ フ ィ ー ル 1)基 本 属性 ① 回 答 者 の 性 別 ・年 齢 17人 の 内 、 男 性 は3人 、 女 性14人 で 女 性 が 圧 倒 的 で あ る 。 年 齢 は 、60歳 以 上3人 、70歳 以 上9 人 、80歳 以 上4人 、90歳 以 上1人 で 、 平 均77歳 と な り、 後 期 高 齢 者 が 多 い の が 目立 っ て い る 。 ② 家 族 関 連 別 居 中 の 子 ど もの 有 無 につ い て は 、 「い る」 と答 え た 人 が15人 、 「い な い」 と答 え た 人 は 、僅 か 2人 で あ っ た。 ま た 、 建 替 え前 後 にお け る 世帯 構 成 の 変 化 につ い て は 、 「変 化 な し」 が10人 で あ り、 「子 ど も ・孫 と分 離 」 した の は3人 で あ っ た 。 この 世 帯 分 離 の3世 帯 は 、 子 ど も等 が 全 て 団 地 外 へ 転 出 して い る 。 ③ 職 業 無 職 が15人 、 パ ー トは2人 で ほ と ん ど の 人 が 年 金 生 活 者 で あ ろ う と思 わ れ る 。 ④ 居 住 期 間 健 替 前 まで) 建 替 前 まで の 居 住 期 間 は、10年 未 満1人 、10年 以 上19年 以 下4人 、20年 以 上29年 以 下1人 、30 年 以 上11人 、 半 数 以 上 が 香 里 団 地 の 住 宅 供 給 当 初(1958年)か ら居 住 し、 特 に テ ラス 住 戸 に つ い て は全 て の 人(4人)が そ うで あ る。 テ ラ ス は 中 層 住 棟 と違 っ て 、 接 地 性 と専 用 庭 へ の評 価 が 高 い が そ の影 響 で あ ろ う。 2)日 常 生 活 ① 朝9時 か ら夕 方5時 ま で の 問 で 、 「家 の 中」 と 「家 の 外 」 とで は 、 どち らに い る 方 が 長 い か を 聞 い た 。建 替 前 は 「家 の 中」 は10人 、 「家 の外 」 は7人 で あ っ た が 、建 替 後 は 「家 の 中 」 は 15人 、 「家 の外 」 は2人 と な っ て い る 。 つ ま り、 建替 後 に家 の 中 で過 ごす 人 が 増 加 して い る 。 ②1日 間 で の テ レ ビ視 聴 時 間 につ い て は 、 建 替 前 後 で 大 きな 差 違 は な い 。 建 替 後 は5時 間以 上 が9世 帯 、 「2∼3時 間」 が7世 帯 と2つ の分 布 上 の 山 が 見 られ る 。 ③ 散 歩 は、 建 替 前 後 で 「しない 」 人 と 「1∼2時 間 す る」 人 が増 加 傾 向 にあ り、 大 き な差 違 は な い が 、 建 替 後 は 、 「30分未 満 」 と 「し な い」 合 せ る と6割 で あ る。 テ レ ビ視 聴 と散 歩 で 判 断 す る限 り、香 里 団 地 の 戻 り単 身 高 齢 者 の ラ イ フス タ イ ル は 「家 の 中 で テ レ ビ を よ く見 る人 」と 「家 の外 に 出 て 、 あ ま りテ レビ を見 な い 人」 の2つ に 分 れ てい る よ う で あ る。(2)住 戸 内 主 要 生 活 行 為 実 態 こ こ で は 、 次 項 目の(3)(4)での 、 評 価 や 満 足 度 の分 析 に際 して の 前 提 と して 、建 替 後 に お け る主 要 生 活 行 為 毎 の 居 室 利 用 と起居 実 態 を の べ た い(表4参 照 、3LDK1世 帯 分 は省 略)。 表4主 要生 活行為 別居室利 用者数(単 身世帯) 1DK(36㎡) (6世 帯) 2DK(47㎡) (10世 帯) 不 明 計 (16人) 個 室1・ 和 室 DK 個 室1・ 和 室 個 室2・ 洋 室 DK 就寝 6 0 6 3 0 1 16 く つ ろ ぎ ・趣 味 6 0 6 0 3 1 16 食事 6 0 0 0 9 1 16 接 客(親 しい友 人) 5 0 5 5 0 o 15 子 ど も の来 訪 3 一 10 15 4 0 1 13 ① 就 寝 居 室 選 択 に お い て は 、 全 体 の17人 の う ち 、 ま ず 、IDKで は6人 す べ て が 個 室 は 南 側 和 室1室 で あ り確 定 す る 。2DKに お い て は10人 中6人 が 南 側 和 室 の個 室12[、3人 が 洋 室 の 個 室2で 、 3LDKの1人 も洋 室 の 個 室2で あ っ た 。 一 方 、 就 寝 形 態 と して は 、 建 替 前 は17人 の な か で6人 の ベ ッ ド使 用 状 況 で あ っ た が 、 建 替 後 は 増 加 して 、9人 が ベ ッ ドを使 用 し、 そ の 型 別 内 訳 は 、1 DK2人 、2DKで は6人 、3LDKI人 が ベ ッ ドで あ っ た。 これ ら の こ と か ら、 住 戸 床 面 積 、 和 洋 室 、 居 室 数 あ る い は居 室 の 広 さ等 どの 項 目 との 相 関性 が 高 い か は定 か で は な いが 、 い ず れ か 何 らか の 居 室 条 件 の 改 善 に よ り 自由度 が 増 し、 ベ ッ ド化 が 進 ん だ と判 断 で き よ う。 ② くつ ろ ぎ ・趣 味 居 室(く つ ろ ぎ ・趣 味 の 居 室 を居 場 所 と称 す)選 択 に お い て は 、1DKで は 、6人 す べ て が 南 側 和 室 の 個 室1を 選 ん で い る。2DKで は 、10人 中6人 が 南 側 和 室 の個 室1を 、3人 がDKを 、 ま た 、3LDKで はLDKを 選 んで い る。 各 住 戸 型 に共 通 して 、 南 面 で 日照 ・採 光 条 件 が よ く、 直 接 外 気 に 面 したバ ル コニ ー側 居 室 を選 択 して い る(こ の 傾 向 は 、 建 替 前 も 同 じ く、 す べ て の 人 が 南 側 居 室 を選 択)。 住 戸 内 で 長 く生 活 す る 高 齢 者 が 居 場 所 とす る 居 室 の 条 件 と して 、 南 面 させ る こ との重 要 性 を示 唆 して い る 。 ③ 食事 2DKと3LDKす べ て に お い て 、居 住 者 は建 替 前 に 比 して床 面 積 の 拡 大 し たDK(LDK)を 食 事 室 と して 選 択 して い る が 、1DKは 、 逆 にす べ て の 人 が 、 和 室 の 個 室1を 選 択 し て い る。l DK居 住 者 は 、全 て 建 替 前 も南 面 の 居 室 で食 事 を して い た が 、 戻 り入 居 後 も南 側 個 室 で の 食 事 を 一40一
継 続 して い る 。 建 替 後 の1DK住 戸 平 面 のDKは 、 直 接 、採 光 で きな い'`あ ん どん 部 屋"で あ り、 か つ 、 落 ち着 い て 食 事 をす る に は狭 く、 機 能 上 、 台 所 の役 割 しか 果 た せ て い な い 結 果 に な っ て い る。 ④ 接 客(親 しい 友 人) 居 室 選 択 と して 、 親 しい友 人 の来 訪 を受 け入 れ る 人(16人)の う ち 、1DKで は 、5入 す べ て が 南 側 和 室 の 個 室1、2DKで は 南 側 和 室 の 個 室1と 個 室2が 半 々 の5人 ず つ 、3LDKはLDK と な っ て い る 。 つ ま り、LDK以 外 は、DKで は な く個 室 が 選 択 され て お り、DKの 広 さ あ る い は 位 置 関 係 が そ の 選 択 に影 響 を与 え て い る だ ろ う と思 わ れ る。 ⑤ 子 ど も等 の 来 訪 居 室 選 択 と して 、 子 ど もや 孫 の来 訪 を受 け入 れ る 場 所 が ほ ぼ 決 ま っ て い る 人(13人)の う ち 、 1DKで は3人 す べ て が 南 側 和 室 の個 室1、2DKで は9人 中 南 側 和 室 の 個 室1が5人 、 個 室2 が4人 、3LDKは 南 側 和 室 の 個 室1と 、 親 しい 友 人 の 接 客 の 場 合 と類 似 し て い る。 (3)居 住 者 の 評 価 1)建 替 後 に改 善 され た 点 各 行 為 別 の 居 室 利 用 実 態 は上 述 した が 、 建 替 後 、 戻 り入居 して2年 程 度 経 過 した 後 、 居 室 を ど の よ う に評 価 して い る の か み て み た い 。 主 要 行 為 ご との居 室 に 関 して 改 善 され た 点(就 寝 と食 事 につ い て は 、 最 も基 本 的生 活 行 為 で あ り、 悪 化 した と思 わ れ る点 も)と して 選 択 さ れ た項 目(複 数 回答)を 多 く選 択 され た も の か らあ げ る と、 以 下 の よ うで あ る(項 目 の 後 の()内 は 反 応 者 数 合 計 、17人 中)。 ① 就 寝 (改善 され た こ と) ・押 入 れ が 設 置 され た り、 大 き くな っ た(6) ・ベ ッ ド就 寝 が 可 能 にな っ た(4) ・就 寝 室 が 広 くな っ た(3) ・和 室 が 洋 室 に な った(2> (悪化 した と思 う こ と) ・風 通 しが 悪 くな っ た(3) ・自然 が 遠 くな っ た(1) ② くつ ろ ぎ ・趣 味 (改善 され た こ と) ・広 くな っ た(7) ・和 室 が 洋 室 に な っ た(1)
③ 食 事 (改善 され た こ と) ・食 事 室 が広 くな っ た(7) ・食 事 の 場 が 台 所 に近 くな っ た(4) ・ユ カ座 か ら イス 座 に な っ た(2) (悪化 した と思 う こ と) ・風 通 しが 悪 くな っ た(3) ・日照 条 件 が 悪 化 した(1) ④ 接 客(親 しい友 人) (改善 され た こ と) ・接 客 空 間 が 広 くな っ た(4) ・接 客 室 が 独 立 して確 保 で き る よ う に な っ た(1) ⑤ 子 ど もの 来 訪 (改善 され た こ と) ・部 屋 の 面 積 が 広 くな った こ と(6) 2)考 察 ① 建 替 後 に 、各 行 為 に共 通 して 評 価 さ れ て い る改 善 点 は 、 居 室 が 広 くな っ た こ とで あ る 。 建 替 前 は 、 古 くて 狭 い 住 戸 で 生 活 し て い た か ら、 まず は 、 居 室 面 積 の 拡 大 が 最 も切 実 な 要 求 で あ り、 そ れ が 実 現 した こ との 反 映 と受 け 取 れ る 。 ② 就 寝 に関 して は 、 押 し入 れ の 設 置 の評 価 が 大 きい 。 建 替 前 は 押 入 れ の な い居 室 に就 寝 して い た 人 が 多 く、 押 入 れ が 居 室 に付 置 さ れ て い な か っ た こ との 不 満 の 裏 返 しで あ ろ う。 つ ぎ に、 ベ ッ ド就 寝 が 可 能 に な った こ と も大 きい 。 住 戸 全 体 の床 面 積 が 増 大 し、 洋 室 が 導 入 され 、和 室 も面 積 や 押 入 れ が 増 え た結 果 と して 、 ベ ッ ド就 寝 が 可 能 とな りそ れ ら を評 価 し た もの と思 わ れ る。 ③ 食 事 室 に 関 して は評 価 す る人 の 数 は 少 な い もの の 、DK型 に な っ て 広 く な り、 台 所 と食 事 が 近 くな り、 か つ 、 イス 座 が 可 能 と な っ た こ とに対 して 良 し と して い る 。 ④ 建 替 後 、 逆 に 、 悪 化 した と思 う こ とで 、 就 寝 、 食 事 行 為 共 通 して 、 数 は 多 くは な い が 、 風 通 しあ るい は 日照 な どの 自然 条 件 を あ げ て い る。 中低 層 か ら中 高 層 へ 、 階 段 室 型 か ら中 廊 下 型 へ と住 棟 形 態 が 変 化 し た こ とに よ る 自然 環 境 の 悪 化 が 大 き い 。 ㈲ 満足 度 の変 化 建 替前 後 にお け る主 要 生 活 行 為 ご との 居 室 に対 す る満 足 の 度 合 い を3段 階(満 足 、 不 満 足 、 ど ち らで もな い)で 聞 い て い る が 、 そ の う ち 「満 足 」 と回答 した人 の割 合(満 足 度)の 結 果 は 以 下 の よ うで あ る(図8)。 一42一
図8建 替前後 の居室 に対 す る満足 度(単 身) 全 体 的 に 各居 室 別 に み る と、 建 替 前 は3割 程 度 の 満 足 度 で あ った もの が 、 建 替 後 は7割 程 度 に 増 加 し、 「総 合 評 価 」 に お い て も 同様 な 変 化 で あ る。 お そ ら く、 上 記 「(3)居住 者 の 評 価 、2)考 察 、 の① 」 に お い て 、 居 室 が 広 くな っ た こ とに対 す る評 価 が 最 大 で あ る と のべ た が 、 満 足 度 にお い て も こ の よ うな 結 果 とな った も の と思 わ れ る 。 た だ、 接 客 室 に 関 して は 、 「親 しい 友 人」 「子 ど もな ど の来 訪 時 居 室 」 と も に、 他 の就 寝 、 くつ ろ ぎ ・趣 味 、 食 事 が 行 な わ れ る3つ の 居 室 に 比 し て 建 替 え後 の評 価 が 少 し低 い 。 2.2高 齢 夫 婦 の 場 合 (1)プ ロ フ ィー ル 1)基 本 属 性 ① 回答 者 の 性 別 ・年齢 回答 者30人 の 内 、男 性 は17人 、女 性13人 で 男 性 が 上 回 っ て い る 。 年 齢 は 、60歳 以 上11人 、70歳 以 上15人 、80歳 以 上3人 、90歳 以 上1人 で 、 平 均 年 齢 は72歳 で あ る。 ② 家 族 関 連 家 族 関連 で は、 別 居 中の 子 ど もの 有 無 に つ い て は 、 「い る」 と答 え た 人 が28人 、 「い な い」 と答 え た 人 は 、 僅 か2人 で あ っ た 。 ま た 、 建 替 え前 後 に お け る 世 帯 構 成 の 変 化 につ い て は 、 「変 化 な し」 が25人 で あ り、 「子 ど も ・孫 と分 離 」 し た の は5人 で あ っ た 。 この 世 帯 分 離 の5人 は 、子 ど も等 が 団地 外 へ 転 出3人 、 「団 地 内他 住 戸 へ 転 出 」1人(不 明1人)で あ っ た。' ③ 職 業
職 業 は、 無 職 が22人 定 職3人 パ ー トは4人 で 、 多 くは年 金 生 活 者 で あ ろ う。 ④ 居 住 期 間 健 替 前 まで) 建 替 前 ま で の居 住 期 間 は 、 ユ0年未 満 が3人 、10年 以 上 で19年 以 下 が3人 、20年 以 上 で29年 以 下 が10人 、30年 以 上 が13人 、半 数 程 度 が 香 里 団地 供 給 当 初(1958年)か ら継 続 居 住 し、 特 に テ ラ ス 住 戸 居 住 者 は全 て(5人 〉 が そ うで あ る。 単 身 の 場 合 同様 に、 テ ラ ス は 中層 住 棟 と違 っ て 、接 地 性 と専 用 庭 へ の評 価 が 高 い こ とが 、 継 続 居 住 の 長 期 化 に影 響 を与 え て い る と考 え られ る。 2)日 常 生 活 ① 朝9時 か ら夕 方5時 ま で の 間 で 、 「家 の 中」 と 「家 の外 」 とで 、 どち ら に 居 る方 が 長 い か を聞 い た 。 建 替 前 は 「家 の 中 」 は12人 、 「家 の 外 」 は18人 で あ っ た が 、 建 替 後 は 「家 の 中 」 は23 人 、 「家 の 外 」 は7人 とな っ て い る 。 つ ま り、 建 替 後 に 家 の 中 で 過 ご す 人 が 倍 増 し て い る こ と を 示 して い る。 単 身 で も 同 じ よ うな傾 向 に あ り、 人 間 関係 が よ り希 薄 に な っ た の か 、 エ レベ ー タ ー が 設 置 さ れ て は い るが 高 層 住 宅 の 問 題 な の か 、 明 確 で は な いが 、 家 の 外 で の 活 動 が 低 下 して い る こ とは 問 題 と し なけ れ ば な らな い 。 ②1日 間 で の テ レ ビ視 聴 時 間 につ い て は 、 建 替 前 は 「2∼3時 間 」 が 最 も 多 く8人 、 つ い で 「6時 間以 上 」 が7人 で あ っ た が 、 建 替 後 は 「6時 間 以 上 」 が8人 と最 も多 く、 つ い で 「5∼6 時 間 」 と 「2∼3時 間」 が5人 と増 加 傾 向 に あ る。 「家 の 中 」 が 長 くな る人 が 増 え 、 か つ 、 そ の 時 間 は テ レ ビ視 聴 に使 わ れ て い る可 能 性 が 読 み 取 れ る 。 ③ 散 歩 につ い て は、 建 替 前 後 で 大 きな 差 違 は な い が 、建 替 後 は 、 「30分未 満 」 と 「し な い」 合 せ る と6割 で あ る。 (2)住 戸 内主 要 生 活 行 為 実態 こ こで は 、次 項 目の(3)(4)での 、 評 価 や 満 足 度 の分 析 に際 して の 前 提 と して、 建 替 後 にお け る 主 要生 活 行 為 ご との 居 室 利 用 と起 居 実 態 を の べ た い(表5参 照 、1DK1世 帯 分 は省 略)。 ① 就 寝 回 答 者 の 就 寝 室 選 択 に お い て は 、 ま ず 、lDKで は 、 南 側 和 室 の 個 室1室 で あ り確 定 す る 。2 DKに お い て は21人 中13人 が 南 側 和 室 の 個 室1、8人 が 北 洋 室 の 個 室2で 、3DKは5人 の う ち 2人 ず つ が 南 側 和 室 の 個 室1と 個 室2で あ り、3LDKの3人 は す べ て 南 側 和 室 の 個 室 工で あ っ た 。 全 体 と して 、 南 側 和 室 の 個 室1が 、18人 と6割 を越 え て い るが 、 北 側 洋 室 の 個 室2は10人 、 北個 室3に 至 っ て は3DK・3LDKと もに 選 ば れ て い な い 。 つ ま り、 南 側 のDK、LDKに 隣接 し た広 い和 室 の個 室 が 優 先 され 、 北 側 か つ廊 下 側 個 室 は敬 遠 され て い る 。 夫 婦 世 帯 の就 寝 で あ る か ら、 同室 就 寝 なの か 別 室 就 寝 な の が 問題 で あ る 。 これ を建 替 前 後 で み る と、 回 答 は建 替 前 で は 同 室 就 寝19人 、 別 室 就 寝11人 で あ っ たが 、 建 替 後 は 同 室 就 寝 は17人 、 別 室 就 寝 は13人 と な っ た。 前 後 に お い て 共 通 して 同 室 就 寝 の 方 が 多 い が 、 建 替 後 に お い て 、 別 室 就 一44一
寝 が 少 し増 加 した こ とが 特 徴 で あ り、 伝 統 的 あ る い は慣 習 的 な同 室 就 寝 の 傾 向 が 強 い こ と と、 一 方 で は、 建 替 後 に お い て 、居 室 の 面 積 あ る い は居 室 数 の増 加 、 洋 室 の 導 入 な ど に よ り別 室 就 寝 が 増 え た も の と解 釈 で きる。 就 寝 形 態 と して は、 建 替 前 は 全 体 の60人(30世 帯)の な か で 布 団利 用 が55人 と圧 倒 的 で あ り、 5人 の ベ ッ ド使 用 の な か で 、 夫 婦 と もベ ッ ド利 用 は1組 で あ っ た 。 建 替 後 は ベ ッ ド利 用 が増 加 し て 、17人 が ベ ッ ドを使 用 して い る。 依 然 、布 団 使 用 が 圧 倒 的 で は あ る もの の 、ベ ッ ド利 用 が 促 進 され た こ とに な る 。 表5主 要生活行為別 居室利用者 数(夫 婦 世帯) 2DK(47㎡) (21世 帯) 3DK(59㎡ 、63㎡) (5世 帯) 3LDK(70㎡) (5世 帯 〉 不 明 計 (人) 個 室1・ 南 和室 1個室 2・ 北洋室 DK 個 室1・ 南 側 和 室 個室2・ 注 DK 個室1・ 南 側 和 室 個 室2・ 北 洋室 個 室3・ 北 洋室 LDK 就寝 13 8 0 2 2 0 3 0 0 0 1 29 くつ ろ ぎ ・趣 味 9 0 8 0 0 4 0 0 0 2 6 29 食事 0 0 17 0 0 4 0 0 0 3 5 29 接 客(親 しい友 人) 5 0 7 2 0 2 0 0 0 3 10 29 子 どもの来訪 9 0 6 2 0 3 0 0 0 0 5 25 注:3DK59πfの 個 室2は 和 室 で南 む き 、 同 じ く63㎡ 住 戸 は 洋 室 で 北 む き 。 ② くつ ろ ぎ ・趣 味 居 場 所 の選 択 に お い て は 、lDKの1人 は、 南 側 和 室 の 個 室1を 選 ん で い る。2DKで は 、21 人 中9人 が南 側 和 室 の個 室1を 、8人 がDKを 選 ん で い る 。3DKで は5入 の な か で4人(3DK (=63㎡)型)がDK、3LDKで は3人 の な か で2人 がLDKを 選 択 して い る 。 い ず れ に して も、 バ ル コニ ー側 つ ま り南 側 の個 室 ま た はDK、LDKを 選 んで お り、 外 気 に触 れ や す く、 明 る い南 側 居 室 を選 択 して い る。 建 替 前 もほ ぼ 同 じ く南 側 の 居 室 を選 択 して い る が 、 こ の 傾 向 も含 め て 、 上 述 の単 身 世 帯 の 場 合 と同 様 の 傾 向 にあ る。 ③ 食 事 食 事 の 場 所 と して 、1DKl人 は 、 南 側 和 室 の 個 室1で 食 事 を して い る 以 外 は 、2DK(17/ 21)、3DK(4/5)、3LDK(3/3)がDK(LDK)を 選 択 して い る 。 個 室 で の 食 事 も 一 定 程 度 見 られ るが 、DKあ る い はLDKで の 食 事 が 定 着 化 して い る とい え よ う。 ④ 接 客(親 しい 友 人) 親 しい友 人 の 来 訪 を受 け入 れ る と答 え た30入 の うち 、1DKで は 南 側 和 室 の 個 室1で あ る が 、
2DK(21人)で は南 側 和 室 の 個 室1とDKが5人 と7人 、3DK(5人)で は 南 側 和 室 の 個 室1 とDKが 各 々2人 に 分 か れ て い る 。 また 、3LDK3人 は す べ てLDKと な っ て い る。 つ ま り、 各 住 戸 型 に 共 通 して南 側 の 居 室 が選 ば れ 、 そ の 上 でDKも し くは 個 室 の 選 択 が な され て い る よ うで あ る 。 ⑤ 子 ど も等 の来 訪 子 ど もや 孫 の 来 訪 を受 け入 れ る場 所 が ほ ぼ 決 ま って い る25人 の う ち 、1DKで は1人 で あ り、 南 側 和 室 の 個 室 ユを 、2DKで は 、19人 の な か で 、南 側 和 室 の 個 室1が9人 、DKが6人 、3DK は5人 の な か で2人 が南 側 和 室 の個 室1、3人 がDKで あ る 。 子 ど もや 孫 の 来 訪 に 関 して は 、 例 え ば3LDKの よ う に、 固定 され て お らず あ る い はLDKと 個 室 を連 続 して利 用 す る とい っ た実 態 も あ る 。 した が っ て 、主 要 に はDKあ る い は横 の 和 室 の個 室1の い ず れ か で あ る に して も 、実 態 は2居 室 を 連 続 して 利 用 し て い る の で あ ろ う。 (3)居 住 者 の 評 価 1)建 替 後 に改 善 さ れ た 点 各 行 為 別 の 居 室 利 用 実 態 は上 述 した が 、 建 替 後 、 戻 り入 居 して 後 、2年 程 度 経 過 して の 評 価 を み て み た い 。 主 要 行 為 ご との 居 室 に 関 して 改 善 さ れ た 点(就 寝 と食 事 につ い て は、 もっ と も基 本 的 生 活 行 為 で あ り、 悪 化 し た と思 わ れ る点 も)と して 選 択 され た項 目(複 数 回 答)を 多 く選 択 さ れ た もの か らあ げ る と、 以 下 の よ うで あ る(項 目の 後 の0内 は 反 応 者 数 合 計 、30人 中)。 ① 就 寝 (改善 さ れ た こ と) ・就 寝 室 が 広 くな っ た(12) ・押 入 れ が 設 置 さ れ た り、 大 き くな っ た(10) ・別 室 就 寝 が で き る よ う に な っ た(5) ・ベ ッ ド就 寝 が 可 能 に な っ た(4) (悪 化 した と思 う こ と) ・風 通 しが 悪 くな っ た(4) ・外 か らの プ ラ イバ シ ー が 悪 くな った(2) ② くつ ろ ぎ ・趣 味 (改 善 さ れ た こ と) ・広 くな っ た(14) ・別 々 の居 場 所 が 確 保 で きる よ う に な っ た(3) ・和 室 が 洋 室 に な っ た(3) ③ 食 事 一46一
(改善 され た こ と) ・食 事 室 が 広 くな っ た(17) ・食 事 の場 が 台 所 に近 くな っ た(16) ・ユ カ座 か らイ ス座 に な っ た(13) (悪化 した と思 うこ と) ・自然 が遠 くな っ た(3) ・日照 条件 が 悪 化 した(1) ④ 接 客(親 しい友 人) (改善 され た こ と) ・接 客 空 間が 広 くな っ た(13) ・接 客 室 が 独 立 して 確 保 で きる よ う に な っ た(7) ・ユ カ座 か らイ ス 座 の 接 客 が で き る よ う に な っ た(4) ⑤ 子 ど も の来 訪 (改善 さ れ た こ と) ・部 屋 の 面 積 が広 くな っ た こ と(12) ・子 や 孫 が 来 た と き に 自 由 に使 え る部 屋 が 確 保 で きた(4) ・イス 座 の部 屋 が で きた こ と(2) 2)考 察 ① 建 替 後 に お い て 、 各 々 の 主 要 生 活 行 為 に共 通 して評 価 さ れ て い る改 善 され た こ と と し て、 居 室 が広 くな っ た こ とが 大 きい 。 ② 就 寝 に 関 して は、 「就 寝 室 が 広 くな っ た こ と」 に次 い で 、2番 目 に評 価 が 高 い の は押 し入 れ の設 置 で あ る 。 建 替 前 は押 入 れ の な い居 室 に就 寝 して い た 人 が 多 く、 押 入 れ が 居 室 に付 置 さ れ て い な か っ た こ との 不 満 が 解 消 した こ とは 大 きい 。 また 、 別 室 就 寝 あ る い は ベ ッ ド就 寝 が 可 能 に な っ た こ と も大 きい 。 居 室 数 が 増 加 し、 洋 室 が導 入 され 、 個 室 の床 面 積 や 押 入 れ が 増 え た 結 果 と して 、 ベ ッ ド就 寝 が 可 能 とな りそ れが 評 価 さ れ て い る と考 え られ る 。 ③ 食 事 室 につ い て は 、 新 た にDKあ る い はLDKが 導 入 さ れ 、 イ ス座 が 可 能 とな っ た こ と も か な りの 人 が よ し と して い る。 ま た 、 食 事 す る場 所 と台 所 に 近 くな っ た こ と を評 価 して い る 人 も 多 い 。K型 で の 台 所 にお け る食 事 の 準 備 ・片 付 け の 不 便 さが 解 消 さ れ た こ とへ の 評 価 で あ る 。 ④ 建 替 後 、 逆 に悪 化 した と思 う こ とで は 、就 寝 室 、食 事 室 共 通 して 、 風 通 し ・日照 な どの 自 然 条 件 あ る い は プ ラ イバ シー の 問題 をあ げ て い る。 中低 層 か ら中高 層 へ 、 階 段 室 型 か ら中廊 下 型 へ と住 棟 形 態 が 変 化 した こ との 結 果 で あ る と考 え られ る 。
(4)満 足 度 の 変 化 建 替 前 後 の 行 為 ご との 居 室 に対 す る 満 足 の度 合 い を3段 階(満 足 、 不 満 足 、 ど ち らで も な い) で 聞 い た 結 果(3つ の う ち、 「満 足 」 と答 え た人 の割 合=満 足 度)は 以 下 の よ うで あ る(図9)。 図9建 替 前後の居室 に対 す る満足 度(夫 婦) 全体 平 均 して建 替 前 が2割 弱 程 度 の 満 足 度 で あ っ た もの が 、6割 程 度 に増 加 し、 「総 合 評 価 」 で も同 じよ うな変 化 で あ る。 単 身 世 帯 の場 合 に比 して 、建 替 前 後 と も評 価 が や や 低 い 。 た だ 、 接 客 室 に関 して は 、単 身 と も類 似 して い る が 、 「親 しい 友 人 」 「子 ど も な どの 来 訪 時 居 室 」 と も に 、他 の 就 寝 、 くつ ろ ぎ ・趣 味 、 食 事 が 行 な わ れ る3つ の 居 室 に比 して 建 替 後 の評 価 が 低 い こ とが 特 徴 的 で あ る。 3屋 外 生 活 か ら の 評 価 こ こで は 、屋 外 生 活 に 関 して 、前 項 ま で の よ う な単 身 と夫 婦 とい っ た 世 帯 形 態 別 で は な く、61 人 の 回答 者 個 々 人 の意 見 を集 約 す る 。 3.1屋 外 空 間 へ の 評 価 の 変 化 団 地 内 近 隣 にお い て高 齢 者 に と って 重 要 と思 わ れ る屋 外 生 活 面 で 、 下 記 の11項 目(図10で は 、 順 番 は 同 じで あ るが 、文 章 を略 して 表 現)に つ い て、 建 替 後 に 良 くな っ たか ど うか 聞 い た(複 数 回 答)(図10)。 一48一
1.低 中層 住 棟 群 が 中高 層 の住 棟 群 に建 替 わ り、 圧 迫 感 が 増 え た か ど うか 2.団 地 全 体 が わ りや す い屋 外 空 間 に な って い る か(例 え ば、 自由 に誰 で も行 き先 が 判 るか) 3.駐 車 場 ・自転 車 置 き場 に対 す る全 体 的 評 価 に つ い て(迷 惑 な施 設 か ど う か) 4,一 人 で 一 休 み で き る ベ ンチ や 場 所 が う ま く配 置 され て い る か 5.屋 外 の 共 用 部 分 で草 花 や 野 菜 を植 え る こ とが で きる か 6.く つ ろ ぎな が ら四方 山 話 が 出来 る 場 所 が あ る か 7.気 楽 に 集 ま る こ とが で き る集 会 所 で あ るか 8.樹 木 や草 花 な どの豊 か な緑 が 目で 楽 しめ るか 9.季 節 ご との 小 鳥 や 虫等 の 声 が 聞 こえ るか 10.散 歩 す る と き に は 、 障 害 が 無 くゆ った り と歩 きや す い 道 で あ るか(バ リア フ リー) 11.安 心 して ゆ っ く り と軽 い 体 操 を す る ス ペ ー ス は あ るか 図10建 替 前 後 の 屋 外 評価 の 変 化 建 替 後 に お い て 、 「良 く な っ た」 と答 え た 人 の 方 が 「悪 くな っ た」 と答 え た 人 よ り もか な り多 く、 全 般 的 に は 評 価 が 高 くな っ て い る事 実 が まず あ げ られ る。 こ の こ とか ら、戻 り入 居 高 齢 者 か
らみ て 総 論 的 に は 、 屋外 整 備 に 関 して 建 替 の 意義 は あ っ た こ とが確 認 で き る。 しか しなが ら、 各論 と して項 目 ご と にみ て い くと、 良 くな った 点 に 関 し て は 、 半 分 ほ ど の 人 が 「良 くな っ た」 と答 え た 項 目(「駐 車 場 ・自転 車 置 き場 」、 「散 歩 」、 「樹 木 や 草 花 」 の3つ)と2割 以 下 の 人 しか 「良 くな っ た 」と答 えて くれ な か っ た項 目(「草 花 や 野 菜 を 育 て る」「四 方 山 話 の場 」「気 軽 な集 会 所 」「小 鳥 や 虫 の 声 」 の4つ)と に分 け ら れ る 。 反 面 、悪 くな っ た 点 と して 、 「草 花 や 野 菜 を育 て る」 が4割 弱 と大 き く、 反 面 、 「悪 くな っ た 」 に反 応 した 人 が 少 な い 項 目 と して 、 「一 休 み で きるベ ンチ 」「気 軽 な集 会 所 」 が あ げ られ る 。 これ らの こ とか ら、 以 下 の よ う な こ とが 具 体 的 に指 摘 で き よ う。 ① 「駐 車 場 ・自転 車 置 き場 」「散 歩 」「樹 木 や 草 花 」 の3点 に 関 して 、 「良 く な っ た 」 の 評 価 が 高 い が 、 駐 車 率 は33%か ら100%(リ ザ ー ブ 含 め て)と3倍 へ と格 段 に 増 え 、 路 上 の 不 法 駐 車 も 減 り生 活 環境 と しで 「央適 性 が 増 進 した との 評 価 で あ ろ う。 ま た 、 「散 歩 」 に 関 して は 、 安 全 で 、 歩 きや す く、 案 内 板 な ど も全 面 的 に更 新 され 、 判 りや す い屋 外 にな っ て お り、 そ の 点 が よ し と さ れ た の で あ ろ う、 逆 に 、 「悪 くな った 」 と思 う人 は1割 程 度 で あ る。 そ して 、 「樹 木 や 草 花 」 に つ い て は 、"環 境 資 産 の 継 承"と して 、 景 観 木 や 思 い 出 の 木 々 を ま と め て 残 存 させ る な ど、 評 価 を 高 め て い る反 面 、 「悪 くな っ た」 が か な りあ る こ と は、 数 十 年 とい う時 間 を経 た 豊 か な 自然 に近 い"み ど り"の 喪 失 へ の 反 感 で もあ る と考 え られ る。 ② 「良 くな っ た」の 少 ない 、 「草 花 や 野 菜 を育 て る」、 「四 方 山話 の 場 」、 「気 軽 な 集 会 所 」、 「小 鳥 や 虫 の声 」、 の4つ の う ち、 特 徴 的 な の は、 「草 花 や 野 菜 を育 て る」 で あ る 。 「良 くな っ た」 よ り も 「悪 くな っ た」 が 多 い の は 、11項 目 の な か で こ の項 目 だ け で あ り、 そ の 差 が極 め て大 きい 。 しか も、 「良 くな っ た」 が 一 番 少 な い 項 目 で もあ る 。 管 理 上 の 問題 が あ る に して も 、 建 替 前 に は 専 用庭 や 屋 外 の共 用 地 で 草 花 や 野 菜 を育 て て い た こ とが 、 建 替 後 に は 出来 な い よ う に な っ た こ と は 、 継 続 的 に居 住 して い る高 齢 者 に とっ て は、 大 きな 痛 手 で あ る と考 え られ る 。 ③ 「一 休 み で きる ベ ンチ 」 と 「気 軽 な 集 会 所 」 につ い て は 、 「悪 くな っ た」 が 極 め て 少 な い が 、 建 替 前 に も、 い わ ば"若 向 き"で は あ るが ベ ンチ や 集 会 所 も設 置 され 、利 用 さ れ て い た わ け で あ り、 こ の 点 で 「悪 くな った 」 が 少 ない の で あ ろ う。 と こ ろが 、 今 回 、 高 齢 者 に 配慮 した ベ ン チ あ るい は 集 会所 が 設 置 され た 結 果 、 「良 くな っ た」 の 評 価 が 多 く な り、(図10)の よ う な結 果 に な っ たの で は な か ろ うか 。 一50一
3.2近 隣 交 流 一 般 的 に は、大 都 市 にお け る 団 地 で の 近 所 付 き合 い は希 薄 で あ る と思 わ れ るが 、 香 里 団 地 で は ど うで あ ろ うか 。年 齢 別 や 居 住 期 間 別 にみ て もあ ま り差 違 が な い こ とが 判 っ た の で 、 こ こ で は 、 回答 者 の 男 女 別 に建 替 後 の実 態 を建 替 前 と比 較 しな が ら、 み て い く こ と に す る 。 図11男 女 別 近 所付 き合 い (図ll)に よ る と、 「周 りの 人 に は 一 切 関 心 や 興 味 が 無 くあ い さつ も しな い」 は 極 め て 少 な い が 、 過 半 数 の 人 が 、 「近 所 の 人 とは 、 会 え ば あ い さ つ す る程 度 の 人 は い る」 程 度 の 付 き合 い で あ り、 世 間話 を交 わす 程 度 の 「顔 を合 わせ ば 、 共 通 の話 題 な ど につ い て立 ち話 を す る程 度 の 人 は何 人 か い る」 を加 え る と8割 と な る。 一 方 、 男 女 別 に み る と、 「よ く行 き来 し、 気 が 合 っ て い わ ば 親族 ・家 族 の よ う な友 人 ・知 人 が い る」 と 「周 りの 人 に は一 切 関 心 や 興 味 が 無 くあ い さつ も しな い」に お い て違 い が 見 られ る 。 前 者 に 関 して は 、 女 性 が2割 に対 して 、 男 性1割 程 度 で 、 近 所(= 団地 内)に お い て、 女 性 の 交 流 の 活 発 性 が うか が わ れ る。 逆 に、 後 者 で は 、男 性 が 多 く、女 性 は
皆 無 で あ る。 これ らは 、 団 地 で 一般 的 で あ る と思 わ れ る が 、 男 性 の多 くが か つ て 若 い こ ろ は都 心 の 職 場 に通 勤 し、 地 域 に根 ざ して い なか っ た 、 しか し一 方 、 女 性 の多 くは専 業 主 婦 も し くは パ ー トの 勤 労 者 で あ っ た わ けで 、子 ど もや 地 域 の 問題 を通 じて 居 住 地 近 隣 で の 人 間 関 係 を作 っ て き た こ との 反 映 で あ ろ う。 次 に、 近 所 付 き合 い の建 替 前 後 で の 比 較 で あ る(図12)。 全 体 と して は 、 「減 っ た」 が5割 を越 え、 「変 化 な い」 が4割 強 の 実 態 で あ る 。 「増 え た」 は5%程 度 と少 ない が 、 男 性 は ゼ ロ で あ るが 女 性 は8%弱 あ り、 女 性 の た くま しさ が うか が わ れ る 。
口
■
一
一 「 ■ 」一一 ■ τ o% 10% 20% 30% 40%50(ン660% ■全 体 ■女 性 口男 性 図12男 女 別 近 所 付 き合 い 次 に 「減 っ た」 と回答 した 人 の 減 っ た 理 由(複 数 回 答)を 聞 い て み た(表6)。 この 表 か ら、 「付 き合 って い た 人 の 住 む 場 所 が 団 地 内 で は あ る が 遠 くに な っ て し まい 、行 き来 が 難 し くな っ た 」 が 群 を抜 い て 多 く、 つ い で 多 い の は、 「付 き合 って い た 人 が 転 居 した 」 で あ る 。 表6近 所付 き合 い が減 った理由 全体 男性 女性 付 き合 っ て い た 人 が転 居 した 8 2 6 高 層 に 住 む よ うに な っ て 付 き合 い づ ら くな っ た 5 1 4 付 き合 っ て い た人 の 住 む 場 所 が 団地 内 で は あ る が 遠 く に な っ て しま い 、行 き来 が 難 し く な っ た 17 6 11 団 地 全 体 が わ か り に く くな っ た 一 1 1 0 建 替 後 で付 き合 っ て い た 人 と な ん と な く疎 遠 に な った 6 1 5 そ の 他 8 2 6 計 132 11 21 一 一52一4ま と め 高 齢 者 か らみ た公 団賃 貸 住 宅 の最 近 の事 例 と して 、 建 替 事 業 が 進 み つ つ あ る 香 里 団 地 を選 び 、 そ の戻 り入 居 高 齢 者 の建 替 前 後 で の居 住 空 間 に対 す る評 価 に つ い て 考 察 を行 な っ た。 以 下 に 、 そ の ま とめ と高 齢 者 の住 要 求 や つ ぶ や き を汲 み 取 り今 後 の 団地 再 生 計 画 に生 か して い く必 要 が あ ろ う こ とか ら、 居 住 空 間計 画 上 の 課 題 に つ い て も触 れ て お きた い 。 (1)日 常 生 活 の 変 化 住 戸 内外 で の 生 活 、 テ レ ビ視 聴 、 散 歩 に関 して そ の 時 間 の 変 化 につ い て は 、 まず 、 重 要 な こ と と して 、 建 替 後 で 住 戸 内 で の 生 活 時 間 の 方 が 長 い 人 が 増 え て 、 特 に夫 婦 世 帯 は 倍 増 して い る 。 こ れ に 関連 して 、 夫 婦 世 帯 で は テ レ ビの 視 聴 時 間 が 長 くな っ て い る人 が 増 え る傾 向 に あ る 。 精 査 し な け れ ば い え な いが 、建 替 計 画 に絡 ん だ こ とが 原 因 で外 に 出 る こ とが 減 っ た とす れ ば 対 策 を 考 え な け れ ば な ら な い。 散 歩 につ い て は 、 大 きな差 違 は み られ な い 。 (2)住 戸 内 評 価 建 替 前 後 にお け る生 活 行 為 の変 化 、 そ れ に対 す る居 住 者 の 評 価 、 あ る い は 満 足 度 に つ い て 単 身 世 帯 と夫 婦 世 帯 を ま とめ て 述 べ て い きた い。 1)生 活 行 為 ① 就 寝:居 室 条 件 の 改 善 に よ りベ ッ ド化 が進 ん で い る が 、 反 面 、 北 側 外 部 共 用 廊 下 側 の 個 室 は 避 け られ て い る。 ② くつ ろ ぎ 趣 味:建 替 前 もそ うで あ った が 、 南 側 居 室 を居 場 所 と して 選 択 して い る 。 住 戸 内 で の 生 活 が 長 い 高 齢 者 に と っ て は 重 要 な こ と で あ る 。 ③ 食 事:DK、LDKが 利 用 され て 定 着 化 して い るが 、 「あ ん ど ん 部 屋 」 で あ っ た り、 あ る い は 面 積 が 狭 か っ た り して 、 安 定 した 食 事 が 出 来 な い場 合 は個 室 を利 用 す る こ と もあ る。 ④ 接 客(親 しい友 人):一 単 身 は 個 室 、夫 婦 で は 個 室 かDKそ してLDKタ イ プ は す べ てLDK で 接 客 して い る。 個室 やDKの 広 さ あ る い は南 面 とい っ た位 置 関 係 が 決 め 手 の よ う で あ る。 ⑤ 子 ど もの 来 訪:別 居 中 の子 ど もを持 って い る 高 齢 者 は 多 い が 、 時 た ま の来 訪 時 に お い て 、 "気 の 置 け な い 客"で あ り適 度 な 広 さが 必 要 で あ るが 、 恐 ら く、DKやLDKと 連 続 して い る個 室 との 双 方 の 居 室 を一体 的 に利 用 して い る と思 わ れ る 。 2)居 住 者 の 評 価 ① 全 体 と して 、 各 居 室 が 広 くな っ た こ とへ の 評 価 が 高 い 。 具 体 的 に 顕 れ て い る こ と は 、DK が 広 くな りあ る い は 洋 室 が 導 入 され た こ と に よ り、 イス 座 の 選 択 あ る い はベ ッ ド化 も進 み 居 住 者 に と っ て選 択 の 幅 が広 が り自 由 度 が 高 ま っ た。
② 建 替 後 、 逆 に悪 くな っ た点 で 、 就 寝 ・食 事 行 為 に共 通 して 、 風 通 し ・日照 な ど の 自然 条 件 あ る い は プ ラ イバ シ ー の 問 題 を あ げ て い る。 中低 層 か ら高 層 へ 、 階段 室 型 か ら中廊 下 型 へ と住 棟 が 変 化 した こ とが 大 きい 。 建 替 事 業 上 の 大 きな計 画 課 題 で あ る。 3)満 足 度 満 足 度 に関 連 して は 、 夫 婦 の 方 が 単 身 に比 して 不 満 が 大 き い 。 夫 婦 世 帯 は 、 建 替 後 は2DKの 居 住 者 が 多 く、 こ れ が 不 満 の大 き さ を形 成 して い る もの と思 われ る 。 夫 婦 世 帯 で の2個 室 型 住 戸 は や は り狭 い とい う こ とで は な か ろ うか 。 (3)屋 外 生 活 か らの 評 価 1)屋 外 空 間へ の評 価 屋 外 につ い て は 、"自 然 の ま ま"と い っ て もい い 空 間 状 態 か ら全 面 的 に 更 新 さ れ た が 、 こ れ に 対 す る評 価 は か な り明 確 で あ る。 駐 車 場 が 整 備 され 、歩 行 者 路 の バ リ ア フ リ ー化 ・休 憩 で き る場 所 の 設 置 、 そ して 、 団 地 の 景 観 あ る い は 居 住 者 の思 い 出 も継 承 す る 目 的 で 選 ば れ た樹 木 も残 さ れ た こ と、 等 に対 して は 評 価 が 高 い 。 い っ ぽ う、 失 っ た 、 「草 花 や 野 菜 を育 て る」 こ と の 出来 る共 用 の スペ ー ス な ど に も十 分 な配 慮 が 必 要 で は な か ろ うか 。 高 齢 者 の 意 向 を汲 み取 って 、計 画 に生 か して い く こ とが 求 め られ て い よ う。 2)近 隣交 流 建 替 前 後 で5割 強 が 「交 流 が 減 っ た 」 と答 え て お り、 そ の 理 由 も、 「付 き合 っ て い た 人 の 住 む 場 所 が 団 地 内 で は あ る が 遠 くに な っ て しま い 、行 き来 が 難 し くな っ た 」 が 群 を抜 い て多 く、 同 じ 団 地 内 で も距 離 が 離 れ 、 これ ま で の 身 近 な 人 間 関 係 が 、建 替 に よ り疎 遠 に な って し まっ た実 態 が うか が え る 。 つ い で 多 い の は 、 「付 き合 って い た 人 が転 居 した 」 で あ り、 転 出 す る と ど う して も 付 き合 い が 難 し くな る 。 こ れ も建 替 事 業 上 の大 き な計 画 課 題 で あ る 。 な お 、 この 小 論 は 、 小 生 が大 阪市 立 大 学 大 学 院 生 活 科 学 研 究 科 に提 出 した 学 位 論 文 「公 団 賃 貸 住 宅 に お け る高 齢 者 居 住 に 関 す る 基 礎 的研 究 」 の一 部 に加 筆 した も の で あ り、 あ わ せ て そ れ を参 照 して い た だ きた い 。 注: 1)1966年 ま で の 住 戸 計 画 で は 寸 足 らず で あ り、 畳 の 寸 法 は 短 辺800㎜ と され て い た が 、1967以 降 、 分 譲 住 宅 か ら川頁次 解 消 さ れ 、 現 在 は880mmを 確 保 さ れ て い る(ハ ウ ジ ン グ キ ー ワ ー ド200選 一 住 宅 団 地 環 境 設 計 ノ ー ト そ の14キ ー ワ ー ド、 平 成8年7月 発 行 、 日本 住 宅 協 会 、pl59、 よ り)。 2)個 室1、2、3の 記 号 化 に つ い て は 、K、DK、LDKに 隣 接 し た主 要 な 個 室 で 両 居 室 間 の 開 口 部 の 面 積 が 大 きい 方 の 個 室1と し、 次 い で 面 積 の 大 き い 順 に 個 室2、3と した 。 一54一