一文ごとの読み速度に基づく難解文抽出手法
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(2) 情報処理学会第 80 回全国大会. 段落1 文1 2. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 10. 11. 12. 13. 14. 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53. 読み速度(Zスコア). 2 1 0 -1 -2. A. B. C. D. E. F. N=10. 図 2: 文章 α における実験参加者 10 名の一文ごとの読み速度変化. するために時間のかかる文も,読み速度低下の指標か. 分析結果を示す. 図 2 は,文章 α における一文ごとの読み速度変化を. ら抽出できることがわかった. なお,領域 A∼F の文は表記的にも文法的にも正確. 示したグラフである.縦軸が読み速度(Z スコア),横 軸が段落および文番号であり,文番号 1 が文章の先頭. であった. 以上の結果より,読み速度の低下を指標とすること. である.読み速度は実験参加者間のばらつきが大きく, そのまま平均をとると個人差の影響を受けてしまうた. で,表記的にも文法的にも正確であるが,わかりにく. め,実験参加者ごとに標準化した後,文ごとに全実験. いと感じる文を抽出できることがわかった.. 参加者の平均を算出した.読み速度(Z スコア)の 0 は文章内の読み速度の平均値であり,正の値であれば 平均より読みが速く,負の値であれば平均より読みが 遅いことを示す.エラーバーは標準誤差を示す.また, 実験参加者からわかりにくかったと主観報告があった 文を,白抜きのマーカーで示した. まず,図 2 領域 A,C,E,F について,読み速度の低 下とわかりにくいとの主観報告が観察された.この領 域の文に出現する単語は,実験参加者にとって馴染み がない単語であったことが主観報告からわかった.先 行研究 [2] においても,読者にとって親密度の低い単語 が出現する文では,読み速度が低下することが報告さ れている.したがって,読者にとって馴染みがない単 語の出現によってわかりにくく感じる文について,読 み速度低下の指標から抽出できることがわかった. 次に,図 2 領域 D について,読み速度の低下とわか りにくいとの主観報告が観察された.この領域では,前 段落までの内容を比喩表現を用いて総括しているが,そ. 4. おわりに 本稿では,一文ごとに表示する電子リーダーにより. 読み速度を計測し,読み速度の低下と文のわかりにく さの一致度を検証した.その結果,読み速度の低下と わかりにくさは一致する傾向を示すことがわかった. 読み速度が低下する部分は,読者にとってわかりに くい部分であり,よりわかりやすい表現や表記への修 正が望まれる可能性が高いと言える.すなわち,読み 速度が低下した文を抽出することで,文章推敲の手掛 かりをすばやく提示できる可能性が期待できる.改善 すべき文を読むだけで抽出できれば,推敲にかかる時 間を大幅に削減することができ,よりわかりやすく伝 わる文章作成の一助となるはずである. 今後は,文章推敲を支援するインターフェースを模 索していく予定である.文章推敲が容易になるような わかりづらさの呈示手法について検討していきたい.. の比喩が適切でないために,かえって理解を阻害した ことが主観報告からわかった.比喩表現自体は文法的. 参考文献. にも正しく平易な表現であったが,読者にとってはわ. [1] 坂本 俊介, 須藤 崇志, 丸山 広, 中村 太一. 形態素解 析を利用した文章校正手法の提案. 情報処理学会研 究報告, vol. 2009-DD-72, no. 17, pp. 1–6, 2009.. かりにくい文とされた.したがって,このようなわか りにくい文についても,読み速度低下の指標から抽出 できることがわかった. 最後に,図 2 領域 B については,読み速度の低下の みが観察された.この領域は新しく問題提起している 段落であり,先行研究 [3] においても,文章中に新しい 内容が出現すると,読み速度が低下することが報告さ れている.したがって,このような新しい内容を理解. 4-34. [2] 近藤 公久, 馬塚 れい子, 筧 一彦. 日本語文の読解 過程における語特性および語順の影響. 認知科学, vol. 9, no. 4, pp. 543–563, 2002. [3] Jukka Hy¨on¨a. An eye movement analysis of topicshift effect during repeated reading. Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition, vol. 21, no. 5, pp. 1365–1373, 1995.. Copyright 2018 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
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