通級指導教室 自立活動学習指導案
1 題材名 すらすら音読にチャレンジ 2 指導観 ○ 本児童は、明るく元気で、「勉強が分かりたい」「友達と仲良くしたい」という願いをもっている。 在籍学級では、学習中は課題を最後までやり抜こうとし、休み時間になると自分から友達に声をか け、外で遊んでいる。友達や教師とも進んで会話をすることができる。しかし、学習を進めていく上 で必要な力である文字の読み書きに困難さが見られ、苦手意識をもっている。それは、短期記憶や音 韻意識の弱さ、視覚的にイメージしにくい事柄を記憶することが難しいからだと考えられる。そこ で、主に自立活動の「心理的な安定」「環境の把握」「コミュニケーション」に主眼を置いて、視覚認 知トレーニングや絵と文字(単語)を関連付ける活動、体の運動などを継続的に取り入れてきた。 文字の読み書きについては、平仮名の特殊音節と片仮名の習得が十分ではない。1年生の漢字はほ ぼ習得しているが、2年生の漢字は読むことは7割できるが、書くことは5割程度である。3年生の 漢字は読み書き共に3割程度の習得である。そのため、音読に抵抗があり、語彙が少ないことも影響 して、ひとまとまりの言葉として読むことが苦手である。しかし、単語や文章をまとまりで区切った カードを使って練習することで、だんだん一文をスムーズに読めるようになってきている。 ○ 本題材は、自立活動の内容「心理的な安定」「環境の把握」「コミュニケーション」に関する指導を 取り上げて設定し、在籍学級の国語科学習時に友達が読む速さに合わせて文章を目で追うことがで きること、教材文に出てくる漢字を読むことができることをねらいとしている。読み書きに困難さが 見られると学習意欲が低下し、「自分はがんばってもできない」という自己肯定感の低下を招くこと になる。そこで、児童の特性に応じた本活動に取り組み、読み書きに対する困難さを軽減させること で、在籍学級でスムーズに学習に取り組むことができ、進んで学習に参加しようとする意欲を高める ことにも繋がっていくと考える。また、読み書きの力を身に付けることによって、文字を使って考え を深めたり、考えを人に正しく伝えたりすることができ、人との円滑な関わり合いを築いていくこと にもなり意義あるものと考える。 ○ 本題材の指導にあたっては、文字の読み書きの力を高めるために本児童の認知特性に応じた活動 を仕組む。そこで、一時間(45分間)の学習は、体の運動・視覚認知トレーニング・文字の読み練 習を取り入れた内容を基本とする。体の運動は、位置感覚や目と手の協応、手足の協調力などを育て ることがねらいである。バランスボールやトランポリン、ボールキャッチなどの活動を取り入れる。 視覚認知トレーニングは、方向や形を認識する力や集中力、短期記憶力を育てることがねらいであ る。図形や記号の形を記憶したり、数を数えたり、模写したりするなどの活動を取り入れる。文字の 読み練習では、在籍学級での学習に生かせるように国語の教材文を読むことにチャレンジさせる。漢 字の読み練習では、初読で読めなかった漢字で教材文に出てくる頻度の高いもの順に提示する。その 際、「繰り返し出てくる漢字№1、№2・・・は?」と投げかけ興味・関心を喚起させ意欲付けを図 りたい。そして、イラストを使い視覚を通して漢字を意味付けしたり、漢字ゲームをしたりして習得 できるようにしたい。音読は、教材文を活用し先取り学習として取り組み、在籍学級でのスムーズな 学習に繋げていきたい。読むことへの抵抗を軽減し、文節に意識を向けさせるために、まず、一文を 文節などで区切ったカード(よむ・読むカード)を読ませる。(よむ・読むカードとは、おおむね意味が分かる程度に区切ったカードであり、読みの上達を目的としている。)その際、一文が長く意味 理解が難しい言葉がある文は、「よむ・読む」カードを連続で提示し読む練習をすることで、スムー ズに読めるようにしたい。また、音読する際は、教科書に補助線を入れたり、言葉を囲んだりして本 児童が読みやすいように自分なりに工夫していくように助言する。最後に全文を音読する際には、音 読の声を録音し初読時と比較することで、だんだんとスムーズに読めるようになっていることを実 感することで、達成感を味わわせ、自信を持たせたい。 3 指導目標 ○ 視覚認知トレーニングを活用し、形や方向を正しく認識する力や短期記憶力を高めることがで きる。 ○ イラストなどを手掛かりにして、漢字を正しく読み、覚えることができる。 ○ 教科書の文章を正しく読むことができる。 4 指導目標を達成するための項目と指導内容 健康の保持 心理的な安定 人間関係の形成 環境の把握 身体の動き コミュニケーション 選 定 さ れ た 項 目 (3)障害によ る 学 習 上 又 は 生 活 上 の 困難を改善・ 克 服 す る 意 欲 に 関 す る こと (1) 保 有 す る 感 覚 の 活 用に関すること (2) 感 覚 や 認 知 の 特 性 への対応に関すること (5) 認 知 や 行 動 の 手 掛 かりとなる概念の形成 に関すること (3)言語の形成と活 用に関すること 5 指導計画(4時間) (1)漢字をマスターし、音読しよう ① 全文を初読し、漢字をマスターしよう。(№1~№10) ② 漢字(№11~№20)をマスターし、前半文を音読しよう ③ 漢字(№21~№30)をマスターし、後半文を音読しよう (2)漢字マッチングゲームをし、音読しよう (本時) 指 導 内 容 ○漢字を正しく読むこ とができる。 ○見て覚える力を身に付け ることができる。 ○文字の形の違いを見極め、ゆっ くり文を読むことができる。 手 立 て ・イラストなどを活用 し、視覚を通して習得で きるようにする。 ・点つなぎ、ジオボードな ど視覚認知力を身に付ける 活動に取り組ませる。 ・よむ・読むカード(文節カード) を使って文をまとまりで読めるよ うにさせる。
6 本時の学習 平成 年 月 日( ) 校時 於 通級指導教室 (1)主眼 ○ 視覚認知トレーニングを活用し、形や方向を正しく認識する力や短期記憶力を高めることが できる。 ○ イラストなどを手掛かりにして教材文の漢字を正しく読み、覚えることができる。 ○ よむ・読むカードを活用し、文の区切りに気をつけて教材文を読むことができる。 (2)準備 視覚認知トレーニング教材、 よむ・読むカード、 国語の教科書、 トランポリン、 トランポリンチャレンジカード、 ICレコーダー、 漢字カード (3)展開 学習活動 指導上の留意点・具体的な支援 1.始めのあいさつをし、今日の学習内容を 確認する。 ・月日、天気、今の気分を板書し、あいさ つをする。 2.体の運動をする。 ・トランポリン 3.視覚認知トレーニングをする。 ・どこにある? 4.めあてを確認する。 5.音読をする。 (1)漢字マッチングゲームをする。 (2)よむ・読むカードを読む。 ・相手の顔を見て、はきはきした声で挨拶させ、で きたら褒める。 ・参観者がいる理由を説明し、緊張せずいつも通り に活動すればよいことを話す。 ・今日の学習内容を確認させ、本時活動の見通しを 持つことができるようにする。 ・体の緊張を解すために、得意なトランポリンにチ ャレンジさせる。 ・足型カードと跳ぶ回数を黒板に貼り、跳ぶ順番を 視覚的に提示することで、両足と片足を組み合 わせた跳び方で、リズムよく繰り返し跳ぶこと ができるようにする。 ・トランポリンチャレンジカードに記録し、意欲付 けを図る。 ・目と手を協応させたり、空間認知力を高めたりす るために、視覚認知トレーニング用のワークシ ートを活用する。 ・「どこにある?」は、課題(数字・平仮名・数字 と平仮名)と手本を記憶する時間を自己選択さ せる。 ・漢字とその読み方を対応させる漢字マッチング ゲームをし、練習してきた漢字の読みの定着を めあて すらすら音読にチャレンジしよう。
(3)教材文を読む。 6.本時学習を振り返り、まとめをする。 7.振り返りをし、終わりのあいさつをする。 ・今日のがんばりを確認する。 ・今の気分マークを貼る。 図る。 ・よむ・読むカードを読んだ後、全文を音読させる。 ・教科書に補助線を引いたり、言葉のまとまりで囲 んだりして自分なりに読み易いように工夫する ように助言する。 ・録音した自分の音読を聞き、だんだんスムーズに 読むことができるようになっていることを実感 させる。 ・褒めることで自信を持たせ、意欲付けを図る。 ・漢字が読めるようになったり、自分でまとまり で区切ったりして、すらすら音読できるように なったことを褒め、学級での学習に生かすよう に声かけする。 ・学習の振り返りをし、感想を発表することで本 時学習のまとめとする。 ・今日の頑張りを伝え、達成感を味わわせ、自信 を持つことができるようにする。 まとめ まとまりで区切ったり、囲んだりして自分で工夫するとすらすら 音読できる。