小学部 第○学年 算数科学習指導案
指導者 〇〇 〇〇 1 単元名:さんかくやしかくの形をしらべよう(東京図書2年上) 2 指導観 ○ 児童観 本学級の児童2名は、コミュニケーションにおいて、1名は口話と手話を併用し、1名は手話を主としてい る。授業では、両児とも、簡単な計算問題においては積極的に挙手し発言を行っている。また、答えが分から ない場合には、「相談してもいいですか」と発言するなど、考えを伝え合おうとする様子が見られる。発表や説 明を行う時には、表現の仕方に戸惑う様子や相手が発言した内容を理解できない様子がみられることがあるた め、補足や説明などの支援が必要である。 算数科に関しては、両児とも「算数は得意」と発言し、意欲的に学習に取り組んでいる。水のかさを測る学 習においては、「楽しかった」「明日も測ろう」といった発言をしており、操作的な活動を通した学習には意欲 的に取り組むことができている。図形の学習に関しては、○年次に、空き箱や積み木を使った活動に取り組ん でおり、それらを積み上げて動物の形を作ったり、面を写し取って絵を描いたりすることができた。平面図形 の学習に関しては、長期休業の間の家庭学習として、格子点を結んで「さんかく」や「しかく」をかいたり、 教科書に付属している図形カードを操作して形づくりをしたりしている。 <個別の実態> A 児 平面図形や立体図形から、長方形や正方形を見て「しかく」、三角形や直角三角形を見て「さんかく」 と言い表すことができる。しかし、コの字型の図を黒板に書いて見せると、それも「しかく」と表現し ており、一部の図形を弁別することに難しさがある。 自分の考えたことについて、口頭で説明を行ったり、ノートに書き留めたりすることができる。しか し、考え方を順序立てて説明すること、算数の用語を使って理由付けて表現することには難しさがある。 B 児 「かどが 3 つあるからさんかく」のように、頂点の数に着目して三角形や四角形を捉えることができ ている。しかし、台形を見て「しかくじゃない」と発言するなど、長方形や正方形以外の四角形の中に は、「しかく」であると認めることができない図形もある。 自分の考えを述べる際には、「これ」といった指示語や指さしによる説明を行うことが多く、言葉の みでの説明には難しさがある。ただし、算数用語が板書に書かれている場合には、「この、十の位が…」 と、指さししながら用語を使うことができる。 ○ 単元観 本単元では、「三角形・四角形・長方形・正方形・直角三角形(以下「三角形等」と示す。)は、辺と頂点の 数や長さ、直角に着目して分類できることを知ること」「三角形等の特徴について、直線、辺、頂点、直角の用 語を用いながら説明できるようになること」「三角形等の構成要素を理解し、三角形等を平面的に作図すること ができるようになること」の3点をねらいとしている。 「辺」「頂点」「直角」といった、図形を構成する要素について学習するとともに、これまで「さんかく」「し かく」と呼称していた図形が、「三角形」「四角形」と呼ばれることを学習する。加えて、三角形や四角形のう ち、特別な条件を満たす図形を「長方形」「正方形」「直角三角形」ということを理解していく。 図形を構成する要素について学び、定義を基に図形を弁別する経験を重ねることができる単元である。図形 を捉えるために必要な視点を増やすことができ、かつ、図形の共通点や相違点を見つける力を伸ばすことがで きるため、図形をあいまいに弁別している本学級児童にとって有意義な単元である。また、本単元は、明確に 定義がなされている図形について分類の根拠を説明する活動を繰り返し設定できる単元であるため、辺・頂点・ 直角といった要素を実際に見たり触ったりしながら説明することができ、演繹的に説明を行う力を伸長するこ とが可能である。さらに、算数用語を用いながら考えの理由について表現する力も伸ばすことができると考え る。このことは、言葉を使っての説明や順序立てての説明に難しさがある本学級児童にとって、意義深いこと であるといえる。これらの単元の特徴を生かすために、単元の構成としても、図形の定義や要素について知り、 定義や要素に着目して弁別し、定義や要素に基づいて作図する、という順序を経るようにする。 本単元の学習は、これまで、「さんかく」「しかく」といった形を大まかに体得してきた本学級児童にとって、図形についての一層豊かな感覚を育てることにつながる。さらに、本単元で学習する辺や頂点といった要素に 着目して図形を見ることは、第3学期に学習する、立体図形を捉える学習においても重要なものとなる。 ○ 指導観 本単元の指導に当たっては、形づくりや分類といった活動に使うことのできる色板・タイル・カードや、図 形を書き込めるワークシート、定義や用語を確認できる既習図などを用いながら指導を進めることで、図形の 特徴や要素に着目して弁別したり作図したりできるようにしていく。 つかむ段階の、「三角形や四角形について知る段階」においては、初めに、色板を使って形づくりを行う活動 を通して図形に慣れ親しむようにする。その際、これまで「さんかく」「しかく」と呼んでいた形に、「三角形」 「四角形」と名称が与えられていることについて、定義カードを示しながら確認する。また、図形に触れなが ら名称を言うことで、角のところが頂点、まっすぐなところが辺というように、要素の位置関係と特徴につい て実感を伴って理解できるようにする。次に、三角形や四角形の定義における「(直線で)囲まれている」を実 感させるため、点と動物の絵がまばらに配置してあるプリントを用いて、点と点を結び動物の絵を三角形や四 角形で閉じ込めるという活動を行う。最後に、定義や要素に着目して、図形を弁別・説明する力を高めるため、 「三角形」「四角形」「その他」に属する図形カードを分類し、その根拠について説明する活動を行う。 広げる段階の、「長方形、正方形、直角三角形について知る段階」においては、紙を切ったり折ったりする活 動を通して、それぞれの図形の特徴に気付かせるようにする。まず、これらに共通する「直角」という要素に 気付かせるために、紙を折って直角を作り、それを「直角くん」と称して、身の回りの直角を探す活動を行う。 次いで、長方形の学習においては、角がすべて直角となるよう紙を折って長方形を作る活動を行うことで、長 方形の性質に気付かせるようにする。また、正方形の学習では、長方形を 4 辺がすべて等しい長さとなるよう 切り取る活動を行うことで、長方形との違いや正方形の角や辺の特徴について実感できるようにする。さらに、 直角三角形を学習するに当たっては、長方形や正方形など直角を有する図形を直角の部分を残して三角形にな るよう切って直角三角形を作る活動を行うことで、直角に着目しながら直角三角形の特徴について理解できる ようにする。最後に、図形の一部を隠しての図形当てクイズや、図形の特徴だけを文で示し、図形の名称を当 てる活動などを行うことで、定義から図形を判断する力や、定義に基づいて説明する力を確実なものとしたい。 深める段階の、「図形を作図することや図形を組み合わせ形を作成する段階」では、方眼紙に図形をかいたり、 図形カードを操作したりすることで、身の回りにある図形への気付きを深めたり、作図する力を伸ばしたりす る。作図においては、「三角形をかく」「直角をもつ三角形をかく」「辺の長さが指定された直角三角形をかく」 のように、作図する図形の条件を増やしていくことで、意図する図形をかくことの難しさに気付かせる。その 後に、方眼紙を提示し使用させることで、直角や辺の長さを意識しながら、意図どおりの図形をかけるように する。次に、図形カードを敷き詰めて模様を作ったり、カードを組み合わせて形を作ったりする活動を行う。 3 単元の目標 ○三角形や四角形、長方形、正方形、直角三角形の定義や性質を理解し、分類したり平面的に作図したりする ことができる。(知識及び技能) ○辺や頂点、直角など図形を構成する要素に着目して三角形等の特徴を見出し、要素に基づいて説明すること ができる。(思考力・判断力・表現力) ○身の回りにあるものの形の中から三角形等を見つける際、辺や頂点、直角といった要素の観点から、粘り強 く図形を分類したり見出したりしようとすることができる。(学びに向かう力、人間性等) 4 単元の計画(全11 時間) つかむ段階 三角形と四角形 ・・・3時間 1 「三角形」や「四角形」の定義を知り、辺や頂点の数を調べる。 …1時間 2 点を結ぶ活動を通して、三角形や四角形を作図する。 …1時間 3 図形を三角形と四角形に分類して、分類の根拠について説明する。 …1時間(本時) 広げる段階 長方形、正方形および直角三角形 ・・・5時間 1 直角の意味を知り、身の回りから直角を見つける。 …1時間 2 長方形、正方形、直角三角形の意味や性質を知る。 …3時間 3 辺や頂点、直角の要素を基に、いずれの図形に属するか考える。 …1時間 深める段階 作図・形作り ・・・3時間
1 方眼の仕組みや図形の性質に着目し、三角形等を作図する。 …1時間 2 周囲の三角形等の形を探したり、合同な図形を敷き詰めたりする。 …1時間 3 学習内容の定着の度合いを確認するための筆記問題に取り組む。 …1時間 5 本時 (1) 令和〇年〇月〇日(〇)第〇時限 場所:小学部第〇学年〇組教室 (2) 本時の指導観 本時では、これまで学習してきた図形の定義(3本あるいは4本の直線で囲まれていること)や要素(辺・ 頂点)に着目し、図形(三角形・四角形・その他)を分類する活動を行う。三角形・四角形だけでなく、そ れらの定義に当てはまらない図形(囲まれていない、線が直線ではない)も提示することで、より要素に着 目して図形を分類し説明できるようにする。本活動を通して、要素の在り方(直線で囲まれているか否か、 頂点を有するか否かなど)によって、図形が分類されうることを実感させたい。そして、図形を分類する過 程で、既習の要素を観点として細密に検討し弁別する力を身に付けさせたい。 導入では、上記の図形から三角形や四角形を見つける活動を行うことを確認する。三角形や四角形を見つ けるに当たって児童は、手元にある図形カードを操作し、その分類結果や分類の理由について学習プリント に記入する。 展開では、自分の行った分類の仕方と同様に、黒板に図形カードを貼る。そして、分け方について説明を 行う。その際、まずは、2 人の児童が同じ分類の仕方をした図形について、説明を行わせる。その後に、分類 の仕方で意見の分かれた図形について、図形の定義(線の数、直線、囲まれている)や、図形の要素(辺及 び頂点の数)に着目して説明するよう促す。説明の際には、直線か否かを判断するための定規や、説明の観 点を示す発表支援シートを活用させる。発表を通して、分類結果を一つにまとめていく。 終末では、前時に動物を囲む活動として作図した図形を黒板に掲示し、それらが三角形・四角形・その他 のどれに該当するのかについて考える活動を行う。最後に、図形を分類するに当たっては、図形の定義や要 素に着目するとよいということをまとめる。 (3) 本時の目標 ○直線で囲まれた図形が三角形、四角形であることを理解し、色々な形の図形を分類することができる。(知 識及び技能) ○分類した図形に関して、辺や頂点等の要素のうち、どれに着目したのかについて説明することができる。 (思考力・判断力・表現力) <個別の目標> A児 ○直線で囲まれていない形は三角形や四角形とは言わないことを理解して、分類することができる。(知識及 び技能) ○分類の根拠について、直線であるか否か、囲まれているか否かに着目して説明することができる。(思考 力・判断力・表現力) B 児 〇頂点や辺の数に着目して、図形を分類することができる。(知識及び技能) ○分類の根拠について、「頂点」や「辺」などの言葉を用いながら、説明することができる。(思考力・判断 力・表現力) (4) 準備 ①図形カード ②三角形・四角形の定義カード ③学習プリント ④「〇本」「直線」「かこまれている」な どの重要語句を記した短冊 ⑤発表支援シート ⑥前時の図形カード
(5) 展開 配時 学習内容・活動 指導者の支援及び留意事項 評価 準備 7 20 10 8 1 図形から三角形や四角形を 見つけるという本時の学習内 容への見通しをもつ。 ・前時の学習を振り返る。 ・黒板に掲示される図形を見 て、どれが三角形や四角形 であるかについて考える。 2 三角形や四角形の分類方法 を理解する。 ・図形カードを三角形や四角 形に分類する。 ・分類結果やその理由につい て、学習プリントに記述す る。 ・分類結果やその理由につい て発表する。 3 2で理解した内容を基に、 前時の学習内容を確認する。 ・前時の「三角形や四角形で 動物を囲もう」の学習で用 いた図形カードを、三角形・ 四角形・その他に分類し、理 由を発表する。 4 本時の学習のまとめをす る。 ・三角形や四角形を見つける 際に着目することを考え、 発表する。 〇前時の振り返りの際に、三角形及び 四角形の定義について、定義カード を基に確認する。 〇図形カードを掲示していく際、「三 角形」「四角形」のいずれに見える かについて発言を求める。そして、 三角形か四角形か迷う形があるこ とを確認し、分類した後に説明を行 う必要があることを共有する。 〇三角形・四角形を見つけるに当たっ ては「辺の数」「直線であること」 「囲まれていること」の 3 点が重要 であることを振り返られるよう、定 義カードを掲示しておく。 〇発表されたことを板書する際には、 重要語句を短冊化しておいたもの を用いることで、その重要性につい て視認できるようにする。 〇分類の根拠を説明する際には、「線 の数」「直線かどうか」「囲まれてい るかどうか」の 3 点に分けて説明す るための発表支援シートを示し、こ れを基に発表させる。 〇動物を囲んでいる図形そのものに 着目させるため、本図形カードの裏 面に、動物のイラストを消した状態 の図形を作図しておき、児童に見せ られるようにしておく。 〇より要素の在り方に着目できるよ う、発展問題では図形の一部が隠れ たものを提示し、どの仲間に分類で きそうか考えさせる機会を設ける。 〇児童の発言を板書してきたものの うち、短冊として示してきた言葉が 重要であることを振り返るように する。 〇「曲がっていて直線じ ゃないから、三角形や 四角形の仲間じゃな いです。」(A 児)「辺が 3つ、頂点も3つなの で三角形です。」(B 児) など、要素に着目し て、三角形・四角形・ その他の 3 つに分類す るとともに、一部の図 形をその他に分類し た理由を説明できる。 〇「3本の直線でかこま れているから三角形 です。」(A 児)「頂点も 辺も 4 つあるから、や っぱり四角形です。」 (B 児)など、着目し た要素について説明 できる。 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 三角形や四角形の見つけ方をせつ明しよう。 めあて 三角形や四角形を見つける時は、「直線になっているか」「かこまれ ているか」「へんやちょう点の数」を見るとよい。 まとめ