第1学年
数学科学習指導案
1 単元名 文字と式 2 指導観 ○ 身の回りの事象の中には,数学的に考えることで,簡潔かつ能率的に処理し,解決をはかるこ とができるものがある。文字を用いると,事象を具体から抽象へ踏み出して考えることができ, 事象の中にある数量関係や法則を 「明瞭簡潔かつ一般的に表現したり,能率的に処理したりす, ることができるようになる」というよさがあると考える。 中学校の「文字と式」の学習では 「一般的に表現し処理できるようにする」「計算したり変形, したりする能力を伸ばす」「能率的に活用できる」と学年を追って文字についての理解や活用能力 を育成するようになっている。文字は,2つの伴って変わる数量の関係についてその特徴を捉え る場合や,図形の計量などで公式に表現したり式を読みとったりする場合など他の領域にも深く 関係している内容である。本単元では,文字の意味や文字式の表し方,文字を使った数量の表し 方,式の値,さらに,一次式の計算を取り扱う。これらの学習を通して,文字式を用いることで 数量関係が簡潔に,かつ一般的に表現できるというよさに気づくことにつながると考える。 ○ 本学級の生徒は,意識調査によると,数学の学習に対して 「意欲的に数学の学習に取り組ん, でいる」や「だいたい取り組んでいる」という生徒は,全体の 70 %いた。その理由として,ほ とんどの生徒が「普段の生活に役に立つ」や「解けたときがうれしい」と思っている。また,問 題を解くときの考え方が大切であると考えている(67 %)反面,他のよい解き方がないか考えた り、自分の考えを振り返ったりすることをあまりしていない。 実態調査では,問題から必要な情報を選び出すことや問題内容をきちんと把握することについ ては,85%の生徒ができているが,情報を関係付けて考えることについては,できている生徒が であった。できなかった生徒の原因としては,問題の意味を把握することができなかった生 50% 徒 20 %や□や○を使って表すことが苦手な生徒 30%が考えられ,数学的な考え方の習熟の程度 に差があるという実態が明らかになった。 ○ 本単元の指導にあたっては,数量の関係や法則を見い出させ,それを文字を用いて式に表現し たり,よみとったりしていくことをねらいとする。また,これらの活動を通して文字の意味や性 質を明らかにさせ,文字の必要性やその考え方のよさに気づかせることを大切にしていく。その ためにまず,具体的には次のような指導を行う。 ・生徒に活動への興味・関心をもたせるために,つかむ段階にマッチ棒を並べて正方形の形に する問題を扱い,具体物を操作する活動を仕組むことで正方形とマッチ棒の関係を捉えさせ 一般化を図りたい。 ・生徒が文字の意味を捉えることができるように,文字にいろいろな数量を代入させたり,文 字を用いて表した式を読む活動を仕組む。 ・文字式の構造を捉えさせるために,項についての学習を丁寧に行う。また,分配法則などの 既習学習を振り返ったり,数の計算と比較したりすることで,文字式の計算も同じようにで きることに気付かせる。 ・身の回りの事象を文字を用いて考察できるように,事象の中の数量の関係を具体数の式→こ とばの式→文字の式と変換させたり,幾つかの具体数の式から帰納的に考えたりする場を設 定する。 3 目 標 ○ 数量やその関係が一般的に,かつ簡潔に表現できるという文字式のよさを認め,活用しようと する。 (数学への関心・意欲・態度) ○ 事象を考察するために,事象の中にある具体的な数量を文字式に置き換えようとする。 (数学的な 見方や考え方) ○ いろいろな数量を,きまりに基づいて,文字を使った式で表すことができる。 (数学的な表現・処理) ○ 文字を用いることで,いろいろな数量を式に表せることを理解しているとともに,文字を用い 。 ( ) るときのきまりを理解している 数量についての知識・理解4 単元計画「文字と式 (12時間)」 次 時 学 習 活 動 ・ 内 容 ね ら い 指 導 上 の 留 意 点 1 1 1 マッチ棒と正方形の関係を考え 数の代表としての ・文字の学習に興味を持たせるために、具体物を用いて考える ① る。 文字に興味・関心を ことができるマッチ棒と正方形の問題を扱う。 次 持たせる。 2 1 2 文字と式について考える。 ② ( ) 文字式の表し方のきまりにつ 文字式の表し方の ・文字式の表し方を理解させるために,長方形面積から、交換 次 1 いて考える。 きまりを理解させ 法則が文字式でも成り立っていることを確認させたり,面積 ・×÷は省く る。 と周りの長さから加法と乗法を区別させたりする。 ・文字と数字に順序 ・除法の記号÷を使わないで分数の形にすることを理解させる ・文字はアルファベット順 ために,逆数をかけることを想起する場を設定する。 ・同じ文字の積は累乗を使う ・乗法と除法のまじった式では,左から順にすることや除法を 2 3 1次式の計算の方法を考え,計 乗法に直すなどの既習内容を確認する。 ⑤ 算をする。 ( ) 1次式の定義を理解する。1 1次式の定義を理 ・1次式,1次の項,定数項, 解させる。 ・文字式の1次の項,定数項を判断できるように,文字式を和 係数の意味 の形にする活動をする。 ( ) 1次式の加法と減法のしくみ2 1次式の加法,減 を理解し,計算に習熟する。 法の計算ができるよ ・1次式の加減の計算の仕方が分かるようにするために,図や ・単項式の加法 うにする。 具体物を用いて考える場を設定する。 ・1次式の加法の仕方と計算 ・計算に習熟させるために,ドリル練習の時間を確保する。 ・1次式の減法の仕方と計算 ・除法については既習事項を振り返らせ,逆数をかけることを ( ) 1次式と数の乗法のしくみを3 想起させる。 理解し計算に習熟する。 1次式と数の乗 ・1次の項と数の乗法 法,除法の計算がで ・1次式と数の乗法,除法の計算ができるように,整数での計 ・分配法則を使った1次式と数と きるようにする。 算から予想させる場を設定する。 の積の仕方と計算 ・括弧の前にマイナスがある場合は,符号を変える考え方と− ・1次式と数の除法の計算の仕方 1(マイナス1)を括弧の中に分配法則でかける考え方があること と計算 を知らせる。 ・1次式のいろいろな計算の仕方 式中の文字に数値 と計算 を代入して,式の値 ・式の値を求めることができるように×÷を用いた式を書くよ ( ) 式の値を求める。4 を求めることができ うに指示する。 3 4 自己評価を行い,補充発展学習 るようにする。 ・達成度を把握する自己評価の活動をしくみ,個々に応じた学 を行う。 習をする教材を準備する。 ② 3 1 5 いろいろな数量を文字を用い ② て式に表す。 いろいろな数量や ・いろいろな数量やその関係を文字で表すことのよさを感じ, 次 ( )身近な数量関係を文字を用いて その関係を文字を用1 文字を活用させるために,習熟の程度に応じた学習活動を設 表す。 いて表すことのよさ 定する。 ( )文字を用いて問題解決を図る。2 に気付かせる。 ろいろな数量や じっくりコース 標準コース い その関係を文字を用 ・問題の把握や文字を用いて ・文字を用いて表現するよさ いて表すことができ 表現ができるように,具体 に気付き,いろいろな数量 るようにする。 的な数を用いて,帰納的に の関係を演繹的に見いだす 考える場を設定する。 活動を設定する。
5 本時 習熟の程度に応じた学習Ⅱ(11/12時間) じっくりコース ( ) 本時の主眼1 カレンダーの性質を,文字を用いて考察できるようになる。 ( ) 本時の仮説2 カレンダーの性質を見つけ,説明する場において,具体的な数を用いたり,変化するものと変 化しないものに着目させたりする活動を仕組めば、生徒はカレンダーの性質を文字を用いて表す ことができるようになるであろう。 ( )3 本時の指導観 前時までに生徒は,文字を用いて表すときのきまりや文字を用いた式の計算の仕組みについて 学習してきている。そこで,本時では,文字を用いることで身の回りのことが簡潔に表現できた り,そのことで形式的に処理できるよさに気付かせたい。 ・身近な事象(カレンダー)の中の数量関係を扱うことで、興味・関心を高める。 ・カレンダーの性質が発見できるように,条件を固定し,その条件の下で具体的な数で計算す る活動を行わせる。 ・カレンダーの性質を見つけたり,その数量関係を文字を用いて表すことができるように,具 体的な数の式を多く挙げさせ,そこに共通しているものに着目させる。 ( )4 準備 ① 学習プリント ② カレンダー ③ 穴あきシート ( )5 本時の過程 学習活動・内容 指導上の留意点 1 本時の学習のめあてを確認する。 ( )カレンダーを見て,気付いたことを発表する。1 ・学習プリントを配布し,自分なりの考えや式を書く ( ) めあてを確認する。2 ことを指示する。 めあて カレンダーの性質を明らかにしよう。 2 問題に取り組む。 ( ) カレンダーの中から,横に並んだ3つの数の性 ・カレンダーの中から 「横に並んだ3つの数」の性質1 , 質を予想する。 を見いださせるために,幾つかの「横に並んだ3つ の数」を書き出させる。また,その和を求める活動 1+2+3=6,7+8+9=24,21+22+23=66 を設定する。 ( )「横3つの数の和は、3の倍数である 」ことを2 。 説明する。 ・横に並んだ3つの数の関係を理解できるように,幾 ・横に並んだ3つの数の関係を考える。 つかの具体的な数の式をから,共通な数字や変化す る数字を考える場を設定する 。 ○,○+1○+2 や ○−1○○+1, , , 。 1,2,3 → 1,1+1,1+2 ・文字を使って式に表し,計算する。 a−1)+a+(a+1)=3a 7,8,9 → 7.7+1.7+2 ( 21,22,23→21,21+1,21+2 ・文字式が一般性を持っていることを確認する。 ・文字式の一般性を確認するために,文字式に具体的 3 長方形に囲んだ4つの数の性質を説明する。 な数字を代入して,それぞれの場合で,3の倍数で ( ) 個人で追究する。1 あることを確認する。 ( ) 全体で確認する。2 ・問題解決がうまく図れない生徒には,横に並んだ3 つの数の場合と同じように,具対数の式を書くよう 5 今日の学習の振り返りをする。 に助言する。 ・本時の学習活動の感想やめあての達成度を自己評価 する場を設定する。
標準コース ( ) 本時の主眼1 カレンダーの性質を,文字を用いて考察できるようになる。 ( ) 本時の仮説2 カレンダーの性質を見つけ,交流する活動を仕組めば、生徒は自分の発見したカレンダーの性 質や友だちの発見した性質から多様に考えることができることに気付き,文字を用いて考察する 力が高まるであろう。 ( )3 本時の指導観 前時までに生徒は,文字を用いて表すときのきまりや文字を用いた式の計算の仕組みについて 学習してきている。そこで,本時では,文字を用いることで身の回りのことが簡潔に表現できた り,そのことで形式的に処理できるよさに気付かせたい。 ・身近な事象(カレンダー)の中の数量関係を扱うことで、興味・関心を高める。 ・文字を用いて考察する能力を高めるために,カレンダーの性質を自由に求め,文字を用いて 説明する活動を行わせる。 ( )4 準備 ① 学習プリント ② カレンダー ③ 穴あきシート ( )5 本時の過程 学習活動・内容 指導上の留意点 1 本時の学習のめあてを確認する。 ( )カレンダーを見て,気付いたことを発表する。1 ・学習プリントを配布し,自分なりの考えや 式を書 ( ) めあてを確認する。2 くことを指示する。 めあて カレンダーの性質を明らかにしよう。 2 問題に取り組む。 ( ) カレンダーの中の横に並ぶ3つの数から性質を ・カレンダーの中から 「横に並んだ3つの数」の性質1 , 予想する。 を見いださせるために,幾つかの「横に並んだ3つ の数」を穴あきシートで提示する。 ( )「横3つの数の和は、3の倍数である 」ことを ・横に並んだ3つの数を文字を用いて表現できない生2 。 説明する。 徒には,机間指導で具体的な数で3つの数の関係を ・文字を使って式に表す。 理解するように示唆する。 ・文字式を計算し、結果から性質を説明する。 ・置き換えた文字の場所が異なった解答を比較するこ ( ) 文字に置き換えた場所が異なった解答を検討す3 とで,どの場合も同じであることや処理の差を理解 る。 させる。 「 」 , 。 3 同じ並び の数の性質を見いだし 説明する ( ) 個人で追究する。1 ・ 同じ並び」の数の性質を見いだせるように,囲む形「 や個数を変えることを示唆する。 ( ) 全体で確認する。2 ・自分の見いだせなかった性質については,確認する ・「同じ並び」の形と性質を発表する。 時間を確保する。 4 今日の学習の振り返りをする。 ・本時の評価問題を行い,本時の感想やめあ ての達成度を自己評価する場を設定する。