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CT検査における低管電圧を用いた低侵襲撮影法についての研究 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 相川 良人 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医科学 ) 学 位 記 番 号 医工博甲 第 364 号 学 位 授 与 年 月 日 平成28年3月23日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第1項該当 専 攻 名 人間環境医工学専攻(生体環境学コース) 学 位 論 文 題 名 CT 検査における低管電圧を用いた低侵襲撮影法についての研究 (A study of Minimally invasive CT examination using low tube voltage X-rays.)

論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 藤井 秀樹 委 員 准教授 坂本 穣 委 員 講 師 三森 徹

学位論文内容の要旨

(研究の目的) Computed tomography ( CT ) 検査において、造影剤投与量を減量しても、造影効果を低下させな い方法として、低管電圧( 80 kV )を使用した撮影法がある。低管電圧では線量が減少するため、画像 ノイズが増加する。ノイズを改善するためには、線量の増加を必要とし被ばくの増加が懸念される。 最近の CT 装置に搭載されている逐次近似法を応用した再構成法は、低管電圧撮影と併用すること により撮影線量の増加することなくノイズの改善が可能であり、画質が担保される。 本論文では、低管電圧撮影(低管電圧法)を使用して、造影剤投与量の減量を行った低侵襲的な CT 検査法を確立することを目的とした。 (方法) 基礎的検討として、ファントムにて、従来法と同等の画質を担保した上で、低管電圧法の撮影条件 の設定を行った。実臨床での検討では、X 線管電圧 120 kV を使用した通常法をコントロールとし て、 X 線管電圧 80 kV を使用し、基礎的検討で得られた撮影条件を用いた肝臓 CT 検査の造影効 果を比較した。 (結果) コントロール群に比較して、対照群の造影効果は、大動脈において有意に高値となったが、他は有 意な差がなく、造影剤使用量は従来法より 38 % 低減 [ 体重 1kg あたりヨード量 600 mg から 370 mg に減量 ] することが可能であった。

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(考察) 造影剤の減量は、病変検出のシグナル低下に関係する、造影剤を減量しても同等の造影効果を得る ことができれば、腎機能の低下を招くことを少しでも無くすことができ、通常通り、造影CT 検査 が施行できる可能性がある。本研究では、シグナルの上昇は、 X 線管電圧による特性により、低管 電圧、特に造影剤の主成分がヨードであるため、ヨードの k 吸収端 ( 33.17keV )による特異的な X 線の減弱を利用し、使用装置にて設定可能な最も低い 80 kV (実行エネルギー 49.9 keV )を用い て実施した。シグナル周囲のベースのSD の上昇については、管電圧を下げたことにより、顕著に SD が上昇したが、 撮影時の線量について、 CTDIvol. の値を同等に設定し、不足した分の撮影線量に たいする SD の確保として、逐次近似応用再構成法の一つである 使用装置に搭載されているノイズ 処理アプリケーションAIDR3D により行った。肝臓 CT 検査において線量を同等に設定し、 SD の 低下を最小限にすることで、シグナルの CT 値を下げることが可能となり、シグナルの CT 値す なわち、造影剤量の低減が可能であると考えた。ファントム実験より導かれた造影剤量により、 38 % の低減が可能となった。 臨床での検討においても、従来法と比較し低管電圧 CT 検査は、造影剤を 38 %減じても、造影剤 濃度によらないで同等な造影効果が得られ、診断において十分な画質が担保された低侵襲な方法とし て有用性があると考えられた。さらに、CNR の式から、シグナルの CT 値すなわち、造影剤量を 減じる割合を押さえ、ベース SD の値の許容度を多くとれば、撮影線量の低減が可能となり、小 児などの撮影に応用できる可能性があるものと考えた。本研究は、低侵襲な CT 検査として、造影 剤の減量、撮影線量低減による被ばくの低減と CT 検査時の目的に合わせて汎用性の高い方法であ る。実際の臨床では、腎機能低下症例、血管確保が困難で造影剤の時間率が高く設定できない症例、 CT 検査後に血管内治療を行う症例、他の医療機関ですでに造影剤を使用し再度造影 CT を行う症例、 小児の造影 CT 検査など、造影剤を通常使用量使えない場合、被ばくの配慮を行う場合などに有用 であると考えた。 (結論) 本研究より、低管電圧法による画像ノイズの上昇と撮影条件の関係、 AIDR3D の画像処理強度と 画像ノイズの改善、それに伴う画質の変化、造影効果を従来法と同等にする造影剤投与量、臨床例に おいての造影剤低減時の造影効果が明らかになり、低管電圧法は、従来法と同等な検査画質、造影効 果を造影剤38%低減にて可能であった。低管電圧法は、造影剤の投与量を低減できる低侵襲的な CT 検査法として確立された

論文審査結果の要旨

放射線検査で一般的に要求されるのは被爆線量の軽減で、これはComputed tomography(CT)検査 でも同様である。さらにCT 検査では造影検査が日常的に施行されるが、ヨードが含有されている造 影剤は腎障害を惹起することがあり使用造影剤の減量が望まれる。 本研究は、被爆線量を低くし、かつ投与造影剤の量も減じると画像の質が担保されないという現状 に対して、そのような条件下でも良質の画像を得るための方法を確立することが目的であり、臨床的

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背景は極めて明確である。 まず造影剤の主成分であるヨードのk吸収端に近いX 千実効エネルギーを有する 80kv の低管電圧 を用いて実施することにより被爆線量の軽減が得られると同時に造影剤の量も減じることができた。 ただこの条件ではノイズといわれる画像の不鮮明さが生じることになりこのノイズをいかに処理し 小さくするかということが重要となる。 このノイズを軽減するための方策を考えてゆくときに逐次近似法(iterative processing)という 概念が必要となる。これは 収集された投影データ上で、統計学的ノイズモデル、スキャナーモデル を用いてノイズを低減し、さらに、アナトミカルモデルを用い、画像再構成の中でノイズ成分のみを 抽出して繰り返し除去するというものである。 相川氏が本研究で使用したCT 装置は Aquilion One(東芝メディカルシステムズ)で、本機種にはノ イズ処理アプリケーションである逐次近似応用再構成法であるAIDR3D(adaptive iterative dose reduction 3D)が搭載されていて、まさに逐次近似法が有効に利用されている。 これらの臨床応用として、本研究では肝細胞癌が疑われる症例に対して、従来の120kv のⅩ線管 電圧と600 ㎎/kg のヨードで施行した方法と比較し、80kv でヨードも 370 ㎎に減量しても同様の画 像が得られ、また検出率も同様であったとしている。ただ判定に5 名の放射線診断医の「違和感」 という非科学的な評価が加わっている点は疑問が残るが、その結果は明確で信頼できるデータである。 本法は、造影剤の量を減じることがなければ、さらにⅩ線管電圧を下げて被爆線量をさらに減じる ことが可能であり、小児への造影CT を応用した種々の診断、検査に応用できると考えられ、 その応用される範囲は広く期待される。 ただし、X 線のフォトンが到達する量が少ないという事実は克服できないため肥満患者などでは適 応が難しく、また逐次近似応用再構成に若干時間を要するため、全身の撮像には長時間の息止めが必 要となり困難である。 今後、適応の決定のための因子の検索がv不可欠の問題である。

参照

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