子 どものスポーツに対す る勝利志向態度 と重要な他者の関連
The Relationship Between the Professionalized Attitudes
Toward Play of Children and Significant Others
1
.
は じ め に
この研究は、子 どものスポーツに よる社会化研 究 の一環 として行われた もので、 この小論では、 組織的なスポーツ活動への参加を求め る時期にあ る子 どものスポーツに対す る態度、特に勝利志 向 と重要な他者 との関係について検討を試みた。 今 日、子 どもの組織 的なスポーツ活動が年 々隆 盛をきわめてい るが、それに伴い種 々の問題が生 じて きてい る。 その1つに、スポーツ経験を通 し て、 どの よ うな価値志向が形成 され るのかが問題 とされている。 スポーツにおけ る競争や卓越す る こと、相手に勝つ ことな どの規範は、 よ り大 きな 社会 (産業社会、競争社会)の規範を強化す るこ とに役立 ってい るともいえる。 しか しなが らこれ らの業績主義的規準は、 フェアプ レイや スポーツ マ ンシ ップとい った社会的に よ り望 ましい 目標 と しば しは衝突 し、時には、競争は協同的側面を失 って闘争に変質す ることもある。 一般に、子 どもの組織 的なスポーツ活動は大人 の関与によって組織 され、管理されている。それゆ え子 どものスポーツは、大人文化の影響を強 く受 けていることは否めない。 この ことは、 これ まで のスポーツに よる社会化研究に よって明 らかに さ れている。C。akleyはミ'プ レイ、ゲーム、スポー ツの構造の相違 と子 どものそれ らの活動での主体 的経験を検討 し、未組織 ゲームでは、創造性や協 力す る態度が顕著であるのに対 し、組織的スポー ツでは、権力や権威を受容す る態度が顕著である ことを明らかに している。 またWebbは2.'競争的 スポーツで重要祝 され る3つの価値(fairnessor equity,skil
l,victory)の組み合わせか らなる勝利 志向態度の尺度(ProfessionalizationScale)を用飯
島
俊
明
荻
原
周
Toshiaki lijima Makoto Ogiwara
いて、子 ども (小 ・中 ・高校生)のプ レイ態度を 調査 し、組織的なスポーツでは、勝利や スキルに 価値をお く態度が形成 され易い ことを示唆 した。 Webbと同様 の方法 を用いたMantelとVeldenの 組織 的スポーツ参加者 と非参加者 (ll-12才)の スポーツに対す る価値志向を比較 した研究 でi㌔ 組織 的スポーツ参加者は、勝利や スキルを重視す る傾 向が強いのに対 し、非参加者は、 フ ェアプ レ イを重視す る傾向が強いことが明 らかに されてい る。 これ と同様の結果が、Maloneyと Petrie.4' KiddとWoodman.5'小椋他.6'飯島
7
'
な どに よって 報告 されている。 これ らの結果か ら、子 どもの組 織的なスポーツ活動は、ルールや スポーツマソシ ップに従 ってプ レイす るとい った社会的、協同的 な態度の形成 よ り、む しろ勝利やスキルに価値を お く態度の形成を促す社会化装置 として機能 して いるといえる。 さらに、勝利至上主義的傍向や能力主義的傾向 がスポーツにおけ る 「疎外」や 「脱落」(drop out)の問題 を生み出 して きている830rlickと Bo-tterillは9.)子 どものスポーツへ の大人の過 介入が ドロップアウ トす る子 どもを作 っていることや、 技能重視が子 どもたちに不安を抱かせてい ること を明 らかに してい る。 これ と関連 して、競争的状 況か ら生ず る心理的ス トレスが子 どもの情緒安定 性を損 うとい う指摘やIq子 どもへのプ レッシャー が心理的不適応を生み易いことや11)
道徳性 の発達 に望 ましくない態度を形成 し易い ことが報 告 され てい るloa 子 どものスポーツに対す る価値意識や態 度の形 成に重要な影響を与える要因 として、 よ り具体的 文脈 の下で、個人 と文化の媒介者 として大 きな影 響力を もつ人物、すなわち 「重要な他者」(sig-niricantothers)の存在を無視す ることはで きな い。 これ までの研究を概観す ると、スポーツ社会 化理論に基づ く、Snyd。rとSpr。itze芸.a Green_ d。r
f
e
r他
1、 深沢5)16〉 1ご飯 畠㌔ どの研究 (大人、特に 親の影響力が大 きい こ とや、先生や友だちの影響 な ど)や、役割 モデ リソグ法に よるBrimとWhee ler19の研究 (仲間の影響について)や、認知論的 視点か らのMcElroyとKirkendal120)の研究 (親の 影響が強い こと)な どがある。 さらに、子 どもの 勝利志向態度に コーチの影響が強 く働いているこ とを結論づけるAlbinson2-)及びVaz2カの研究報告 がある。一般に、子 どものスポーツ態度に大 きな 影響力を もつ重要な他者 として、親、 きょうだい、 友だち、学校の先生、近隣の大人や コーチな どを あげ ることができるが、特に親は大 きな影響力を もつ ようである。 また、重要な他者の役割は子 どもの性 タイプに よって異なるようであ る。 これ までのスポーツに 対す る態度、特に勝利志向(professionalorient a-tion)に関す る研究 では、 勝利志 向態度は、女子 より、男子の方が強 い ことが明 らかに されている(webb:'petrie,2頚Mal。ney & Petrie4,'Kidd & woodman5),Loy etal
・
2心
,McElroy & Kirke-ndal127飯島 7')。前 出のMcElr。y他は、 スポ ー ツプ ログラム参加者 (ll-18才) の勝利志向態度 と親の態度 との関係を調べ、親の態度は男子の勝 利志向態度 と関連性が あるのに対 し、女子の勝利 志向態度 とは関連性が ないことを報告 してい る。 スポーツ態度にみ られ る性差は伝統的な性別役割、 特に業績主義的規準をめ ぐる男女 の社会化の差異 に よるものであ り
,
1'29主に社会化過程の早い時期 におけ る要田 (重要 な他者)の影響に よるもの と み られてい る2.9スポーツ態度は、基本的には性別 役割の社会化に大 き く影響 されてい ることが示唆 され る. しか も子 ども期におけ る勝利志向態度は 成人期を通 して持続 され る傾 向が強い ことが、小 椋他 の成 人 (男子) を対象 に行 った遡 及的調査 で明 らかにされてい る6.)このことか らも、子 ども 期におけ るスポーツ態 度研究の重要性が示唆 され る。 以上、本研究を進 め る上で重要 と思われ る問題 点 と先行研究について通観を試みた。 ここでは、 特に組織的なスポーツ活動-の参加を求め る時期 にあ り、且つ性役割習得の社会化が重要視 され る 時期にある子 どもを対象 として、重要 な他者の タ イプ及び親の関心の程度 と子 どもの勝利主義的 ス ポーツ態度の関連について、Webb尺度を用いて 検討 してみたい。 この分折は、性別に行われ性差 について も検討がな され る。Ⅱ
対象 と方法
上述の 目的を遂行す るために使用す る資料は、 上 田市の3つの小学校 の 4- 6年生か ら収集 され た ものである。調査時期は、1986年10-11月であ る。調査法は、質問紙による。調査票の配布及び回 収は、学級担任の協力を得て行われた。 この研究 で使用す るサ ソプル数は、回収 された調査票 の う ち集計不能票を除いた男子473名 (集計率89.3%) 女子440名 (集計率86.4啓)であ る. この研究での重要 な他者は、 「親、 きょうだい、 友だち、学校 の先生、近隣の大人 ・コーチの うち で、一番 スポーツを教 えて くれ る人はだれか。」 の質問に対す る回答に よって決め られた。 親の関心の程度については、(1) スポ-ツをす ることに対 して、力づけて くれた り、教えて くれ た程度 (親の励 まし) と、(2) スポーツ技能に対 す る親の期待の程度の2項 目の質問に対す る回答 を、それぞれ3段階評定 (低い、中間、高い)に よって整理 した。 子 どもの勝利志向態度の測定は、Webbが提 起 したThreeItem Play Scale(前 出) とは ぼ 同 様の質問の仕方に よってなされた。す なわち、 ス ポーツをす る時、(刀 「自分の力をは っきす ること」 (ベス ト)、打)「相手に勝つ こと」 (勝利)、(ラ) 「きま りを守 ること」 (フェアプ レイ)の3項 目 の うち、 どれを最 も重視す るかを重要 と思 う順番 に1、 2、 3の番号を記入す るよ うに求めた。 こ の回答の結果は、勝利志向の最 も弱い タイプ (1 位 フ ェア、 2位ベス ト、 3位勝利)か ら、勝利志 向の最 も強い タイプ (1位勝利、 2位ベス ト、 3 位 フ ェア)の6つのカテゴ リーに分け られ、それ に よって回答者各 自の勝利志向態度が評定 され る のであるが、 ここでは、統計的処理上の都合か ら 細分化す ることを避け、 1位の項 目について集計 す ることに よ り勝利志向の程度を評定 した。なお必要に応 じて、 「フェアプ レイ志 向型」- 「勝利 志向型」の二分法に よる分析を行 った。 この二分 法は、 「ベス ト」重視が勝利の手段 として考え ら れているか (2位が 「勝利」)、それ とも活動そ れ 自体や プ レイ要素の維持に関心が向け られた も のか (2位 「フェアプレイ」)によって、二分され た ものである。
Ⅲ 結果 と考察
勝利志 向態度 と重要な他者の関係を調べ るため に∬2-検定が用い られた。蓑 1ほ、子 どものスポ ーツ学習におけ る重要な他者の タイプと子 どもの 性の関係について示 した ものであ る。
∬2-検定の 結果に よると、重要な他者のタイプと性 タイプと は大 き く関連性があることが認め られ る-x2( 4)-46.01,P<
0.001。性差は、特に親、先生、近 隣の大人 ・コーチにみ られ る。男女 に とって、最 も重要な他者は親である。 しか しなが ら親 を最 も 重要な他者 とす る者は、女子 (31
.
6
留) より、男子 (38.590)の方が多い。 これに次いで、男子は近 隣の大人 ・コーチをあげている (23.3房。 これに 対 し女子は12.3蕗)。 女子の場合は、親 とはは同 程度の割合で学校の先生 (30.5%。 これ に対 し男 子は15.070)を最 も重要な他者 として選 んでいる。 女子は男子に比べて、学校-の依存度が高いよ う であ る。 きょうだい と友だちについては大 きな差 はみ られない。男女 とも、約半数に及ぶ者が最 も 重要 な他者に家族成員を選 んでい ることは注 目さ れ る (男子48.0%、女子45・0%)0 表1 男女児のスポーツ学習におけ る重要な他者 男 児 女 児 (N- 473) (N - 440) 親 38.5 31.6 きょうだい 9.5 13.4 友 達 13・7 12.3 先 生 15.0 30.5 コーチ ・近隣の大人 23.3 12.3 100.090 100.0% x2(4)- 46.01 P<
0.001 表2 男女児のスポーツに対す る価値志 向 男 児 女 児 (N- 473) (N- 440) フ ェア 29.2 33.2 J<A L 53.1 60.9 勝 利 17.8 5.9 100.0% 100.0% ∬2(2)- 30.21P<
0,001 表2は、性 タイプと勝利志向態度の関係につい て示 した ものである。性差は、特に 「勝利」 とト ス ト」のカテゴ 1)-にみ られ る-x2(2)- 30.21,
P<
0.001。
「勝利」を最 も重視す る者は、女子 (5.9感) より、男子 (17.8啓)の方が多 い。 こ れ に 対 し 「ベ ス ト」 を最 も重視 す る者 は、男 千 (53.1留)よ り、女子 (60.9%)の方が多い。 「フェア」についてはそれほ ど大 きな差はみ られ ないが、若干女子の方が多い。 この傾向を二分法 (「フ ェアプ レイ志向型」- 「勝利志向型」)に よ って眺めてみ よ う-∬2
(
2
)
- 33.10,Pく
0.
0010 性差は、この二分法において も認め られ る。
「フ ェアプ レイ志 向型」 は、女 子が83.9射 こ対 し、 男子 は67.4%で あ る。
「勝利志 向型」 は、女子 が16.1%に対 し、 男子 は32.6藤で あ る。 この 結果か ら、女子は、スポーツの協同的側面や プ レ イ要素を維持す ることを重視す る態度が強いのに 対 し、男子は、身体的卓越性やスポーツにおけ る 成功 を重視す る態度が強い ことが うかがわれ る。 上述の傾向は、先行研究 (前出)の結果 と一致す るものである。 重要な他者の タイプと子 どものスポーツに対す る価値志向の関係については、表3に示 した とう りである。男女 とも、重要な他者の タイ プと価値 志 向 との間になんらの関連性 も存在 しない ようで あ る一男子x
2(8)- 4.33,
P
>
0.05。 女子 x2(8)= 4.1
0
,P
>
0.050 この結果は、二分法に おいて も同 じである。 表4は、親の関心 (励 ましとスポーツ技能に対 す期待)の程度 と子 どもの勝利志向態度の関係に ついて、性別に調べた結果である。 ここで、特に 親 一子の関係を取 り上げた理由は、親は子 どもが 最初 に出会 う社会化のエイジ ェソ トであ り、スポ表3 重要な他者の タイプと男女児のスポーツに対す る価値志向 親 きェうだい 友 達 先 生 近隣の大人コーチ ・ 男児 (N - 473) (N =182) (N==45)
エ
ス フ ベ 勝 30.8 22.2 49.5 62.2 19.8 15.6 (N -65) (N -71) (N - 110) 33.8 28.2 27.3 52,3 52.1 56.4 13.8 19.7 16.4 100.0% 100.0i∬
2(
8
)
- 4.33P>
0.05 女児 (N - 440) (N- 139) (N =59) 30.2 30.5 64.0 64.4 5.8 5.1 100.0% 100.0%; 100.0i (N -54) (N =134) (N - 54) 33.3 35.8 37.0 59.3 56.7 61.1 7.4 7.5 1.9 100.0% 100.0帝 100.095 100.0蕗 100.090x
2(
8
)
-- 4.10P>
0,05 表4 親の関心の程度 と男女児のスポーツに対す る価値志向 スポーツ参加に対す る励 まし スポーツ技能に対す る期待 (低 い) (中間) (高い) (低い) (中間) (高い) 男児 (N - 473) (N-83) (N-140) (N-250) (N-168) (N -126) (N -179) 31.3 28.6 28.8 36.3 24.6 25.7 44.6 56.4 54,0 46.4 59.5 54.7 24.1 15.0 17.2 17.3 15.9 19.6 100.0gu 100.0gu 100.0gu 100.0帝 100.0啓 100.0啓 x2(4)=4.15P>
0.
05 x2(4)- 7,66P>
0.05 女児 (N - 440) (N -91) (N =140) (N -209) (N -175) (N -146) (N -119) エ ス フ べ 勝 38.5 35,0 29.7 38.9 29.5 29.2 53.8 58.6 65.6 54.9 61.0 69.9 7.7 6.4 4.8 6.3 9,6 0.8 100.0go 100.0970 100.096 100.0% 100.0907 100.Ogu x2(4)- 4.29P>
0.05 x2(4)=13.96P
<
0.01 -ツについて も大 きな影響力を もつ存在であると 考えたか らである。 このことは、表1において も 明 らかに されている。 しか しなが ら男子について は、 スポーツに対す る価値志向 とスポーツ参加に 対す る親の励 ましの程度、及びスポーツ技能に対 す る親の期待度 との間にはなんらの関連性 も認め 難い一前者 x2(4)- 4.15, P>
0.05.後者 x2(4)- 7.66,P>
0.05。この結果は、二分法(「フェ アプ レイ志向型」-
「勝利志向型」)に よる分析 で も同 じである。 女子については、スポーツに対す る価値志向 と 親の励 ましの程度 との間にはなん らの関連性 も認 め られない-x2(4)- 4.29, P>
0.
05。 しか し、 スポーツ技能に対す る親の期待度 との問には関連性が認め られ る-x2(4)- 13.96, P< 0.01。 特 に 「フェア」 と 「ベス ト」のカテゴ t)一に差がみ られ る
。
「フェア」を最 も重視す る者は、親の期 待度が高い者 よ り(29.2帝)、低い者に多い(39.8 96)のに対 し、 「ベス ト」を最 も重視す る者は、 親 の期待度が低い者 より(54.9i)、高い者に多い (69.9%)。しか しなが ら低率 ではあ るが、「勝手l
J
J
を最 も重視す る者が親の期待度の低い者の方に多 い とい うことは注 目され る (低い者6.3%、高い 老 0.870)。 この結果を二分法 (「フェアプ レイ 志 向型」- 「勝利志向型」)に よ り確かめてみた。 しか しなが ら、スポーツ技能に対す る親の期待度 と女子の スポーツに対す る価値志向 との間に有意 な関係は認め られなか った-x2(2)- 0.44, P> 0.05。 以上の結果か ら、親の期待が高 まるにつ れて現われ る 「ベス ト」重視の傾 向は、必ず しも 勝利主義的態度 と結びつ くものではない ことが示 唆 され る。Ⅰ
Ⅴ
ま
と め
子 どもの競争的なスポーツ活動が盛んにな って い るが、それに伴 い勝利至上主義的傾向や能力主 義的傾向が種 々の問題を生み出 して きてい る。 し か しなが ら現状では、それに関す る体系的な研究 が不足 している。 この研究では、子 どもが スポー ツ経験を通 して、 どの よ うな方向-社会化 されて い くのかを明らかにす るための基礎的資料を得 る ことを 目途 として、スポーツ-の社会化 の初期的 段階にあ る子 どもの勝利志向態度 と重要な他者の 関係について調べた。結果を要約す ると、次の と お りであ る。 子 どもの勝利志 向態度に性差がみ られた。 この 結果は、先行研究 と同 じである。 この時期 (9-12才)の子 どものスポーツにおけ る最 も重要な他 者は親 である。 しか しなが ら、子 どものスポーツ に対す る親の関心の程度 と子 どもの勝利志向態度 との問には明確な関連性を見出す ことはできなか った。 スポーツ態度にみ られ る性差は、伝統的な 性別役割習得の社会化 に大 き く影響 されているこ とが示唆 され る。 一方、McElroy他が行 ったナ シ ョナル ・ユー ス ・スポーツプログラム参加者の調査では㍗親の 心理的サポー トと男子の勝利志向態度 との問に関 連性があることが明 らかにされている。 このスポ ーツプログラムは、経済的に貧困な家庭の子 ども たちの社会的、心理的発達を 目的 として行われて いるものであ る。本研究は、子 どもたち一般を対 象 とした もので、特に彼 らの家庭状況については 考慮 されていない。 これ らの ことか ら、スポーツ 態度の形成に働 く影響要田 として社会的経済的背 景は等閑視できない ことが示唆 され る。 この研究では、親の関心の程度 と子 どものスポ ーツにおけ る価値志向 との間に明確な関連性は認 め られなか ったが、 この ことは、親 は子 どものス ポーツ態度の形成 と無関係であることを意味す る ものではない。 この研究におけ る分析 の枠組はス ポーツ社会化 のパ ラダイムに依拠す るものであ る が、前出のMcElroy他の研究 か ら、認知 論 的 視 点か らの検討 も合わせて行 ってみ る必要があるよ うに思われ る。 さらに、態度の形成に影響を与 え る要因を確定す るためには、青年期を通 して態度 の変容を追跡 してい く継継的調査が必要 となるで あろ う。 (1990 ・1 ・27受理) 参 考 文 献1) Coakley,J.J.,"Play,Games,andSport: DevelopmentImplicationsforyoungPeople." AnnualMeeting of American Alliance for HPERD,1979.
2) Webb,H.," Professionalization ofAtti -tudes Toward Play Among Adolescents." In G.Kenyon (Ed.),Sociology ofSport. AthleticInstitute,1969,161-178.
3) Mantel,R.,&VanderVelden,L.,"The RelationshipBetweentheProfessionalization ofAttitudeToward Play ofPreadolescent BoysandParticipationinOrganizedSport." In Sage, G. (Ed.),Sport・and American Society.Addioon-Wesley,1974,172-179. 4) Maloney,T.,& Petrie,B.,"Proressi
on-alizationofAttitudesTowardPlayAmang CanadianSchoolPupilsasaFuIICtioT10fSex,
ofLeisureResearch,1972,4,184-185. 5) Kidd,T.,&Woodman,W.,"Sex Orie
n-tationTowardWinninginSport."Research Quarterly,1975,46,476-483. 6) 小椋博、森川貞夫、枝村亮一、 「スポーツに対す る態度、特に勝利志 向の分析」、 Fスポーツ参与の 社会学 』体育社会学研究会編、道和召院、 1977・ 7) 飯島俊明、 「学校運動部のスポーツに対す る態度、 特に価値志向に及ぼす影響について」、 F体育 ・ス ポーツ社会学研究 』 体育 ・スポーツ社会学研究会 編、 1982、117-136. 8) 影山健、 「スポーツ参与の社会学について」、『ス ポーツ参与の社会学 』体育社会学研究会編、道和讃 院、1982、 3・
9) Orlick,T
・
,
&
Botterill,C.,"Whyeliminate Kids?" In A.Tinnakis,T.Mclntyre,M. Melnick,& D.Hart(Eds.)SportSociology: ContemporaryThemes.Kendall/Hunt,1976. 10) McPherson,ち.,"TheChildinCompetitive Sport:InfluenceoftheSocialMilieu."InR. Magill,M.Ash,& F,Smoll(Eds.),Children in Sport: A Contemporary Anthology. HumanKinetics,1978.ll)Rarick,G.,"CompetitiveSportsinChil d-hoodandEarlyAdolescence."InR.Magill, M.Ash,& F.Smoll(Eds),ChildreninSport: A Contemporary Anthology. Human Kinetics,1978.
12)Chissom,
B
.,
"MoralBehaviororChildren Participatingin CompetitiveSports."InR. Magill,M.Ash,& F.Smoll(Eds.),Childrenin Sport: A Contemporary Anthology. HumanKinetics,1978.
13)Snyder, E・, & Spreitzer, E.,"Family lnnuence and Involvement in Sports." ResearchQuarterly,1973,44,249-255・
14)Snyder,E.,& Sprditzer,E.,"Socializ a-tion Comparisons of Adolescent Female Athletes and Musicians." Research Quarterly,1978,49,324-349.
15)Greendorfer,S.,& Lewko,A.,"Roleof Family Members in SportSocialization of Children."ResearchQuarterly,1978,49,146
-152.
16)Greendorrer,SりBlinde,E.
,&
Pellegrini,A.,"GenderDifferencesin'BrazilianChil d-ren's SocializationintoSport."International Review orSportSociology,1986,21(1),5ト 63. 17) 深沢宏、 「児童の運動-の参与に関する研究一運 動部への加入か らみた-」、 Fスポーツ参与の社会 学 』体育社会学研究会編、道和召院、 1977・ 18) 飯島俊明、 「子 どものスポーツ- の社会化にみ ら れ る家族お よび家族成員の役割」, F体育 ・スポー ツ社会学研究 6』体育 ・スポーツ社会学研究会編、 1987、 99-113.
19)Brim,0.,&Wheeler,S.(Eds.),SocialiZ a-tion After Childhood.Wiley,1966.
20)McElroy,M.,&Kirkendall,D.,"Signifi -CantOthersandProressionalizedSportAtti -tudes."ResearchQuarterly,1980,51,645-653. 21)Albinson,J.,aProfessionalizedAttitudes
ofVolunteer Coaches Toward Playing a Game."InternationalReview orSport Soci -ology,1973,8(2),77-87.
22)Vaz,Eり"WhatPriceVictory?AnAnal y-sisofMinorHockey Le aguePlayer'sAtti -tudesTowardsWinning."Internati onalRe-view orSportSociology,1974,9(2),33-55. 23)Petrie,B.,"AchievementOrientation in Adolescent Attitudes Toward Play."Inter -nationalReview orSportSociology,1971,6,
89-101.
24)Loy,J.,Birrell,S.,& Rose,D.,"Att i-tudesHeldTowardAgnosticActivitiesasa FunctionofSelectedSocialIdentities."Quest,
1976,26,81-89.
25)Nicholson,C.S.,"SomeAttitudesAssoci -atedwithSportParticipationAmongJunior HighSchoolFemales."ResearchQuarterly,